JP2004165730A - ボタン電話システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボタン電話システムに設けられた複数のボタン電話機1−1〜1−nが、通話等の音声の録音および再生を行う音声録音/再生部3と、音声録音/再生部3が録音した音声信号および音声録音/再生部3が再生する音声信号を一時的に保存する一時保存メモリ4と、音声録音/再生部3が録音した音声信号を保存する保存用メモリ5と、ボタン電話機1内における処理動作を制御する制御部6とを備えている。音声信号は、複数個のブロックに分割され、複数個のブロックが保存用メモリ5の空きエリアに記憶される。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボイスメールの録音・再生などを実行するボイスメール機能を備えたボタン電話システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ボタン電話システムは、ユーザが通話を行うための複数のボタン電話機と、電話回線と複数のボタン電話機との回線接続の制御などを行うボタン電話主装置とから構成される。ボタン電話システムには、ボイスメール機能を備えたものがある。ボイスメール機能を実現するハードウェア構成、例えば、音声録音/再生部や音声蓄積部などは、一般にボタン電話主装置に設けられる。
【0003】
従来のボタン電話システムには、局線(電話回線)と複数のボタン電話機を接続制御する主装置(ボタン電話主装置)側に、音声蓄積部やメモリなどのボイスメール機能を実現するハードウェア構成が設けられている。主装置における制御部は、ボタン電話機に対応するメール番号に音声が蓄積されているかどうかを検索し、音声が蓄積されていればボタン電話機に音声メッセージを自動配信する(特許文献1参照)。
【0004】
また、別の従来のボタン電話システムにも、電話回線と複数のボタン電話機との回線接続を制御するボタン電話装置(ボタン電話主装置)側に、音声蓄積部やメモリなどのハードウェア構成が設けられている。ボタン電話装置における装置制御部は、音声メッセージを音声蓄積部に蓄積し、所定条件の成立に応じて音声メッセージを再生出力して配信する(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−75710号公報(第2頁、第1図)
【特許文献2】
特開平9−182121号公報(第2−3頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1,2に記載されているように、従来のボタン電話システムでは、ボタン電話主装置側にボイスメール機能を実現するハードウェア構成が実装されている。そして、ボタン電話主装置内の中央処理部(制御部)は、ボタン電話主装置に接続された複数のボタン電話機とデータ通信を行うことにより、複数のボタン電話機に対するボイスメール機能を一括管理・制御している。
【0007】
しかし、このような構成の場合、ユーザは、ボタン電話主装置に接続するボタン電話機の台数を増やす度に、ボタン電話主装置内の音声蓄積部に設けられている各ボタン電話機に対応した音声メッセージの格納エリア(メールボックス)を増やすとともに、ボタン電話主装置の各種設定を行わなければならず、ユーザにとって面倒である。また、あらかじめボイスメール機能がボタン電話主装置に実装される場合には、仮にユーザが設置しているボタン電話システムが小規模(ボタン電話機の台数が少ないシステム)であったとしても、将来的な音声蓄積部の拡張性を考慮して、ハードディスクなどの大きい容量の音声蓄積部が実装される。このため、ボタン電話システムのコストが高くなってしまい、小規模なボタン電話システムを望むユーザにとっては、ボイスメール機能を導入するに際して常に価格的な問題が生じてしまう。
【0008】
このような問題を解消するために、ボタン電話主装置に接続されている複数のボタン電話機側に、ボイスメール機能を実現するハードウェア構成を実装することが考えられる。しかし、その場合、ボタン電話機の制御部には、通話を行うためのボタン電話としての機能のほかに、ボイスメール機能を実行するための処理負担がかかる。従って、各ボタン電話機において、ボタン電話としての機能と同時にボイスメール機能を実行するためには、制御部の高速化・多処理化を実現しなければならず、制御部のコストが大幅に上昇する原因となる。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ボタン電話端末を増やす際のシステムの拡張性が良好となるとともに、システムのコストを低減することができるボタン電話システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明のボタン電話システムでは、複数のボタン電話端末が、通話等の音声の録音および再生を行う音声録音/再生手段と、音声録音/再生手段が録音した音声信号および音声録音/再生手段が再生する音声信号を一時的に保存する一時保存手段と、音声録音/再生手段が録音した音声信号を保存する音声蓄積手段と、ボタン電話端末内における処理動作を制御する制御手段とを備え、音声信号は複数個のブロックに分割され、複数個のブロックが音声蓄積手段の空きエリアに記憶されることを特徴とする。
【0011】
制御手段が、音声録音/再生手段と音声蓄積手段との間の音声信号のDMA転送を制御するDMA転送制御手段を含むように構成されているのが好ましい。このような構成によれば、制御部の処理負担を軽減することができるとともに、制御部のコストの上昇を抑制することができる。
【0012】
制御手段には、各音声信号が記憶されている音声蓄積手段内のエリアを特定するエリア情報を格納するエリア情報格納手段が設けられ、制御手段は、エリア情報格納手段に格納されたエリア情報を参照して、音声蓄積手段内の空きエリアを認識するように構成されているのが好ましい。このような構成によれば、音声信号を音声蓄積手段の空きエリアに効率良く格納する制御を容易に行うことができる。
【0013】
エリア情報としては、各音声信号を構成する各ブロックが記憶されているエリアのスタートアドレスとするのが好ましい。このようにエリア情報をエリアのスタートアドレスとすると、制御手段が容易かつ確実に音声蓄積手段内の空きエリアを認識することができる。
【0014】
一時保存手段をデュアルポートRAMとするのが好ましい。デュアルポートRAMとすると、一方のポートから音声信号を書き込みながら他方のポートから読み出すことができ、待ち時間がなく高速にデータ処理を行うことができる。
【0015】
制御手段が、ユーザ操作に応じて、音声蓄積手段に記憶されている音声信号を構成する複数個のブロックのうち任意のブロックを消去するように構成されていてもよい。このような構成によれば、より一層有効に音声蓄積手段のメモリエリアを活用することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面を参照して説明する。
図1は、ボタン電話システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、ボタン電話システムは、ボタン電話主装置10と複数のボタン電話機1−1〜1−nとを備えている。ボタン電話主装置10は、複数の電話回線11−1〜11−mを収容するとともに、複数のボタン電話機1−1〜1−nを接続するための複数の内線12−1〜12−nを収容している。ボタン電話主装置10は、複数の電話回線11−1〜11−mと複数の内線12−1〜12−n(すなわちボタン電話機1−1〜1−n)との回線接続の制御などを行う。複数のボタン電話端末としてのボタン電話機1−1〜1−nは、それぞれ、内線12−1〜12−nを介してボタン電話主装置10に接続されている。複数のボタン電話機1−1〜1−nには、通話を行うためのボタン電話としての機能のほかに、ボイスメール機能を実現するハードウェアが実装されている。
【0017】
図2は、本発明のボタン電話端末の構成を示すブロック図である。図2に示すボタン電話機1において、ボタン電話機能部2は、通話を行うためのボタン電話としての基本機能を実現する部分である。ボタン電話機能部2は、内線1に接続され、制御部6からの制御に従って発着信や通話等における処理を実行する。音声録音/再生部3は、通話等の音声(例えばボタン電話機1のユーザに対するメッセージ)の録音および再生を行う。具体的には、音声録音/再生部3は、ボタン電話機能部2の通話路と一時保存メモリ4とに接続されている。音声録音/再生部3は、音声録音の場合には、ボタン電話機能部2の通話路から送られる音声信号をデータ変換してディジタル化し、ディジタル化された音声信号を一時保存メモリ4内に格納する。また、音声録音/再生部3は、音声再生の場合には、一時保存メモリ4内に格納されたディジタル化された音声信号を読み出してデータ変換し、ボタン電話機能部2の通話路に送出する。
【0018】
一時保存メモリ4は、音声録音/再生部3から送られるディジタル化された音声信号、および保存用メモリ5から転送されるディジタル化された音声信号を一時的に保存するメモリである。一時保存メモリ4は、一方のポートから音声信号を書き込みながら他方のポートから音声信号を読み出すことが可能なデュアルポートRAMによって構成される。
【0019】
また、一時保存メモリ4は、一時的に保存する音声信号を細かく分割して(区切って)複数個のブロックとし、細かくブロックに分割した音声信号をバス7を介して保存用メモリ5に転送する。ここで、一時保存メモリ4は、一つのブロックが予め定められたデータ量(例えば数ビットまたは数十ビット)となるように音声信号を分割する。例えば、1つのブロックが所定の長さのメッセージ(例えば2秒間)のデータ量となるように、音声信号が分割される。なお、音声録音/再生部3が音声を録音する際のビットレート(音質)が変更できるように構成されている場合には、1つのブロックのメッセージの長さも変更できるように構成されているのが好ましい。
【0020】
保存用メモリ5は、一時保存メモリ4からバス7を介して転送される細かくブロックに分割された音声信号を保存するメモリである。保存用メモリ5は、ユーザの操作によって消去されるまで音声信号を保存する。なお、保存用メモリ5は、例えばフラッシュメモリで構成される。
【0021】
一時保存メモリ4と保存用メモリ5との間の音声信号の転送は、DMA転送(DMA;Direct Memory Access)によって行われる。ここで、DMA転送とは、CPUを介さずに、バス上のデバイス(I/O)とメモリ間、あるいはメモリ間同士で直接データを転送する方法のことをいう。DMA転送は、CPUを経由してデータの受け渡しを行う通常のデータ転送の方法の場合に比べ、高速にデータの受け渡しを行うことができるとともに、CPUに負担をかけることなくデータの受け渡しを行うことができる。従って、現在実行中のタスクなどの実行が妨げられることがない。
【0022】
制御部6は、ボタン電話機1内の各構成部2〜5の処理動作を制御する。バス7は、ボタン電話機1内部で信号をやり取りするための共通信号路である。
【0023】
図3は、制御部の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御部6には、CPU61、テーブル62およびDMAC(Direct Memory Access Controller )63が設けられている。CPU61は、ボタン電話機1における各種の制御処理を実行する中央演算処理装置である。テーブル62は、保存用メモリ5内のどのエリア(領域)にどの音声信号(すなわちメッセージ)が記憶されているかを示す情報、すなわち、各メッセージが記憶されているエリアを特定する情報を格納する。
【0024】
具体的には、保存用メモリ5には複数のメッセージが記憶されており、各メッセージに番号が付される。また、上記したように、各メッセージは、複数個のブロックに細かく分割されている。図4に示すように、テーブル62には、複数のメッセージ1,2,・・・を構成する各ブロック(メッセージ1−1,1−2,・・・、メッセージ2−1,2−2,・・・)に対応付けて、各ブロックが記憶されているエリアのスタートアドレス(メモリ番地)の情報が格納される。このような情報にもとづいて、CPU61は、所定のメッセージが記憶されているエリア、またメッセージが記憶されていない空きエリアを認識することができる。なお、テーブル62は、SRAM(Static Random Access Memory )で構成される。
【0025】
DMAC63は、DMA機能を制御する回路である。DMAC63は、CPU61に代わって、一時保存メモリ4と保存用メモリ5との間の音声信号のDMA転送の処理を制御する。
【0026】
次に、本発明のボタン電話端末の動作について、図2〜図6を参照して説明する。まず、ボイスメールのメッセージをボタン電話機1に録音する動作について説明する。
【0027】
外部から特定のボタン電話機1を呼び出す場合、外部の者は、例えば、ダイヤルイン番号に電話をかけてボタン電話機1を呼び出す。ボタン電話機1は、電話がかかってきたときにユーザが不在などであった場合、ボイスメール登録(録音)モードになる。外部の者は、例えば、ユーザ番号(内線番号)を入力することによりボタン電話機1を特定した後に、音声ガイダンスなどに従ってボイスメールの録音を行う。
【0028】
ボタン電話機1において、音声録音/再生部3は、ボタン電話機能部2の通話路から送られるユーザに対するメッセージの音声信号をデータ変換してディジタル化する。音声録音/再生部3は、ディジタル化された音声信号を一時保存メモリ4内に格納していく。一時保存メモリ4への音声信号の格納が開始されると、一時保存メモリ4から保存用メモリ5への音声信号のDMA転送が行われる。
【0029】
図5は、DMA転送処理を示すフローチャートである。一時保存メモリ4は、保存用メモリ5に音声信号のDMA転送を行うために、制御部6のDMAC63に対して転送要求を送る。DMAC63は、一時保存メモリ4から送られた転送要求を受け取ることにより(ステップS1)、音声信号のDMA転送の処理を開始する。まず、DMAC63は、バス7を開放するようにCPU61に要求する(ステップS2)。CPU61は、DMAC63からの要求を受け取ると、転送元の一時保存メモリ4と転送先の保存用メモリ5の空きエリアを確認する(ステップS3)。CPU61は、テーブル62に格納されているメッセージの記録エリアの情報を参照することにより、保存用メモリ5内の空きエリアの確認を行う。
【0030】
CPU61は、各種設定値をDMAC63に設定する(ステップS4)。設定値としては、転送元の一時保存メモリ4や転送先の保存用メモリ5の空きエリアに関する情報、サイクルの種類やデータの転送サイズに関する情報などである。そして、CPU61は、自身をバス7から切り離してバス7を開放する(ステップS5)。
【0031】
DMAC63は、バス7は開放されると、指定されたエリアのアドレスを出力し、一時保存メモリ4および保存用メモリ5に対する制御信号を出力することによって、一時保存メモリ4と保存用メモリ5間の直接の音声信号の転送を行う(ステップS6)。このとき、一時保存メモリ4は、デュアルポートRAMであるので、音声録音/再生部3から送られる音声信号を一方のポートから書き込みながら、書き込んだ音声信号を他方のポートから読み出す。また、一時保存メモリ4は、音声信号を細かく分割して複数個のブロックとし、細かくブロックに分割した音声信号をバス7を介して保存用メモリ5に転送する。保存用メモリ5では、DMAC63からの指示にもとづいて、空きエリアに細かく分割された音声信号の複数個のブロックを格納していく。
【0032】
音声信号の転送が終了すると、DMAC63は、CPU61にデータ転送が終了したとしてバスの開放を要求する信号を無効にする(ステップS7)。CPU61は、バスを開放する信号が無効になると、DMA転送が行われる前の状態に復帰する(ステップS8)。その後、CPU61は、命令の実行やメモリへのアクセスを再開する。
【0033】
保存用メモリ5への音声信号の格納について、さらに詳しく説明する。図6は、保存用メモリ内のメッセージデータの格納状態を示すイメージ図である。図6(A)は、保存用メモリ5の初期立ち上げ(データが記憶されていない状態)から4つのメッセージ1〜4が記憶された状態を示している。各メッセージ1〜4は、一時保存メモリ4によって複数個のブロックに分割されている。メッセージの分割数は、メッセージの長さに応じて変化する。
【0034】
図6(A)に示す例では、メッセージ1は、4つのブロック(メッセージ1−1〜1−4)に分割されて4つのエリアに格納されている。メッセージ2は、5つのブロック(メッセージ2−1〜2−5)に分割されて5つのエリアに格納されている。メッセージ3は、3つのブロック(メッセージ3−1〜3−3)に分割されて3つのエリアに格納されている。そして、メッセージ4は、5つのブロック(メッセージ4−1〜4−5)に分割されて5つのエリアに格納されている。なお、保存用メモリ5内の各エリアの記憶容量は、1つのブロックのデータを記憶できる大きさとなっている。
【0035】
図6(B)は、図6(A)の状態からユーザの操作に応じてメッセージ1とメッセージ3が消去された状態を示している。図6(B)に示すように、メッセージ1とメッセージ3が消去されることによって、保存用メモリ5内のエリアは歯抜け状態、すなわち、データが格納されていない空きエリアが散らばって存在する状態となる。
【0036】
図6(C)は、図6(B)の状態からさらにメッセージ5とメッセージ6が記憶された状態を示している。メッセージ5は、2つのブロック(メッセージ5−1〜5−2)に分割されている。また、メッセージ6は、6つのブロック(メッセージ6−1〜6−6)に分割されている。
【0037】
メッセージ5とメッセージ6は、DMAC63による制御に従って、消去されたメッセージ1とメッセージ3の空きエリアに優先的に格納される。上記したように、テーブル62にはメッセージを記憶したエリアの情報が格納されており、CPU61はテーブル62の情報にもとづいてメッセージの記憶エリアを管理している。CPU61は、テーブル62に格納された情報を参照して、メッセージが記憶されていない空きエリアを認識する。そして、CPU61は、DMA転送される音声信号を格納するための保存用メモリ5内の空きエリアをDMAC63に指示する。DMAC63は、CPU61からの指示にもとづいて、メッセージを保存用メモリ5の空きエリアに格納するように制御する。
【0038】
図6(C)に示す例では、メッセージ5の2つのブロック(メッセージ5−1〜5−2)とメッセージ6の2つのブロック(メッセージ6−1〜6−2)が、消去されたメッセージ1の空きエリアに格納される。また、メッセージ6の残り4つのブロック(メッセージ6−3〜6−6)のうちの3つ(メッセージ6−3〜6−5)が、消去されたメッセージ3の空きエリアに格納される。そして、メッセージ6の残り1つのブロック(メッセージ6−6)が、メッセージ4の後のエリアに格納される。このように、新たに記憶されるメッセージは、保存用メモリ5の空きエリアに隙間なく格納される。
【0039】
次に、ボタン電話機1に録音されたボイスメールのメッセージを再生する場合の動作について説明する。ユーザは、ボタン電話機1に登録された所定のメッセージを選択して再生する場合には、ボタン電話機1に設けられたボタンなどの操作部の操作を行う。なお、新たにメッセージがボタン電話機1に録音(登録)された場合には、ボタン電話機1は、ランプの点灯や表示部への表示などによって新しいボイスメールの録音をユーザに知らせる。
【0040】
ボタン電話機1の制御部6は、ユーザの操作に応じて、保存用メモリ5に格納されている所定の音声信号としてのメッセージを一時保存メモリ4にDMA転送するように制御する。DMA転送処理は、図5を用いて説明した場合と同様の処理で行うことができる。すなわち、DMAC63は、DMA転送の要求にもとづいて、バス7の開放をCPU61に要求する(ステップS1,S2)。CPU61は、再生する対象のメッセージが格納された転送元の保存用メモリ5のエリアと転送先の一時保存メモリ4を確認する(ステップS3)。そして、CPU61は、各種設定値を設定し(ステップS4)、バス7を開放する(ステップS5)。DMAC63は、保存用メモリ5および一時保存メモリ4を制御して、保存用メモリ5から一時保存メモリ4への直接の音声信号の転送を行う(ステップS6)。DMAC63は、音声信号の転送が終了すると、バス7の開放要求を無効にする(ステップS7)。CPU61は、バス7の開放要求が無効になると、データ転送前の状態に復帰する(ステップS8)。
【0041】
一時保存メモリ4は、デュアルポートRAMであり、保存用メモリ5から転送されてきた音声信号を一方のポートから書き込みながら、書き込んだ音声信号を他方のポートから読み出して音声録音/再生部3に送る。音声録音/再生部3は、一時保存メモリ4から送られる音声信号をデータ変換して、ボタン電話機能部2の通話路に送出する。ボタン電話機能部2は、音声録音/再生部3から送られた音声信号をスピーカ等を通じてユーザに音声出力する。
【0042】
以上のように、本実施の形態では、ボタン電話機1側に、ボイスメール機能を実現するハードウェア構成(音声録音/再生部3、一時保存メモリ4および保存用メモリ5)が実装されているので、ボタン電話機1の台数を増やす場合でも、ボタン電話主装置10側における音声蓄積部のメールボックスを増やす必要がない。従って、ユーザは、ボタン電話機1の台数を容易に変更することができ、ボタン電話システムの拡張性が向上する。また、ボタン電話主装置10側に容量の大きなハードディスクなどの音声蓄積部を設ける必要がなくなるので、ボタン電話システムのコストを削減することも可能となる。
【0043】
また、ボタン電話機1の制御部6内にDMAC63が設けられ、制御部6のCPU61に代わって、DMAC63によってボイスメールの音声信号のDMA転送が制御されているので、CPU61の処理負担を軽減することができる。従って、制御部6には高性能なCPU61を搭載する必要がなくなり、制御部6のコストの上昇を抑制することができる。
【0044】
また、音声信号は複数個のブロックに細かく分割されて、保存用メモリ5内の空きエリアに優先的に格納されるので、保存用メモリ5内の空きエリアが少なくなり、保存用メモリ5のメモリエリアを有効に活用することができる。従って、メッセージとしての音声信号を保存するためのメモリを大容量のものとする必要がなくなり、ボタン電話機1のコストを削減することが可能となる。
【0045】
また、各メッセージが記憶されている保存用メモリ5内のエリアを特定する情報を格納するテーブル62が制御部6内に設けられ、テーブル62が格納した情報にもとづいて保存用メモリ5内の空きエリアを管理するように構成されているので、メッセージを保存用メモリ5の空きエリアに効率良く格納する制御を容易に行うことができる。また、エリアを特定する情報がエリアのスタートアドレスとされているので、容易かつ確実に保存用メモリ5内の空きエリアを認識することができる。
【0046】
さらに、音声録音/再生部3とバス7との間に音声信号を一時保存する一時保存メモリ4が設けられているので、確実にDMA転送を実行することができる。また、一時保存メモリ4がデュアルポートRAMとされているので、一方のポートから書き込みながら他方のポートから読み出すことができ、待ち時間がなくなるため高速にデータ処理を行うことができる。
【0047】
なお、上記の実施の形態では、ユーザの操作に応じて、保存用メモリ5内に記憶されている所定のメッセージ(図6の例ではメッセージ1,3)を消去することができたが、さらに、ユーザの操作に応じて、1つのメッセージ内の任意のブロックのみを消去できるように構成されていてもよい。このような構成によれば、ユーザがメッセージとして重要でない部分を消去することにより、全体として保存用メモリ5内のエリアの使用量を減らすことができる。従って、より一層有効にメモリエリアを活用することができるようになる。
【0048】
なお、上記の実施の形態では、ボイスメールの録音および再生について説明したが、ボイスメールの機能としては、これら以外に、ボイスメールの転送、ユーザへの着信の通知などの様々な機能が存在する。このような機能を本発明のボタン電話機1(またはボタン電話主装置10)が備えていてもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、複数のボタン電話端末が、通話等の音声の録音および再生を行う音声録音/再生手段と、音声録音/再生手段が録音した音声信号および音声録音/再生手段が再生する音声信号を一時的に保存する一時保存手段と、音声録音/再生手段が録音した音声信号を保存する音声蓄積手段と、ボタン電話端末内における処理動作を制御する制御手段とを備え、音声信号は複数個のブロックに分割され、複数個のブロックが音声蓄積手段の空きエリアに記憶されるので、ボタン電話端末を増やす際のシステムの拡張性が良好となるとともに、システムのコストを低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボタン電話システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のボタン電話端末の構成を示すブロック図である。
【図3】制御部の内部構成を示すブロック図である。
【図4】テーブルの内部データ構造を示す図である。
【図5】DMA転送処理を示すフローチャートである。
【図6】保存用メモリ内のメッセージデータの格納状態を示すイメージ図である。
【符号の説明】
1,1−1〜1−n ボタン電話機(ボタン電話端末)
2 ボタン電話機能部
3 音声録音/再生部(音声録音/再生手段)
4 一時保存メモリ(一時保存手段)
5 保存用メモリ(音声蓄積手段)
6 制御部(制御手段)
7 バス
10 ボタン電話主装置
11−1〜11−m 電話回線
12−1〜12−n 内線
61 CPU
62 テーブル(エリア情報格納手段)
63 DMAC(DMA転送制御手段)
Claims (6)
- 電話回線に接続され、複数のボタン電話端末のいずれかを前記電話回線に接続することが可能なボタン電話システムであって、
前記複数のボタン電話端末は、通話等の音声の録音および再生を行う音声録音/再生手段と、前記音声録音/再生手段が録音した音声信号および前記音声録音/再生手段が再生する音声信号を一時的に保存する一時保存手段と、前記音声録音/再生手段が録音した前記音声信号を保存する音声蓄積手段と、前記ボタン電話端末内における処理動作を制御する制御手段とを備え、
前記音声信号は複数個のブロックに分割され、複数個のブロックが前記音声蓄積手段の空きエリアに記憶される
ことを特徴とするボタン電話システム。 - 制御手段は、一時保存手段と音声蓄積手段との間の音声信号のDMA転送を制御するDMA転送制御手段を含む
請求項1記載のボタン電話システム。 - 制御手段は、各音声信号が記憶されている音声蓄積手段内のエリアを特定するエリア情報を格納するエリア情報格納手段を含み、
前記制御手段は、前記エリア情報格納手段に格納された前記エリア情報を参照して、前記音声蓄積手段内の空きエリアを認識する
請求項1または請求項2記載のボタン電話システム。 - エリア情報は、各音声信号を構成する各ブロックが記憶されているエリアのスタートアドレスである
請求項3記載のボタン電話システム。 - 一時保存手段は、デュアルポートRAMである
請求項1から請求項4のうちのいずれかに記載のボタン電話システム。 - 制御手段は、ユーザ操作に応じて、音声蓄積手段に記憶されている音声信号を構成する複数個のブロックのうち任意のブロックを消去する
請求項1から請求項5のうちのいずれかに記載のボタン電話システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111163233A (zh) * | 2019-11-14 | 2020-05-15 | 深圳震有科技股份有限公司 | 一种转接录音分割控制方法、系统及存储介质 |
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2002
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CN111163233A (zh) * | 2019-11-14 | 2020-05-15 | 深圳震有科技股份有限公司 | 一种转接录音分割控制方法、系统及存储介质 |
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