JP2004165659A - 電極の接続方法および該方法で得た電極の接続構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 下記工程よりなる少なくとも一方が突出した電極を有する相対峙する電極の接続方法。
(1)相対峙する電極の少なくとも一方が金属電極であり、その表面に酸化物を形成する工程、(2)少なくとも一方の金属電極表面に形成された酸化物を有する相対峙する電極間に、導電材料と接着剤よりなる接続部材を配置する工程、(3)相対峙する電極間の位置合わせを行い、加圧により電極面に形成された酸化物を導電材料で破壊する工程、
(4)加圧した電極間の接続部材を必要に応じて硬化する工程。
【選択図】 図1
Description
(1)相対峙する電極の少なくとも一方が金属電極であり、その表面に酸化物を形成する工程、
(2)少なくとも一方の金属電極表面に形成された酸化物を有する相対峙する電極間に、導電材料と接着剤よりなる接続部材を配置する工程、
(3)相対峙する電極間の位置合わせを行い、加圧により電極面に形成された酸化物を導電材料で破壊する工程、
(4)加圧した電極間の接続部材を必要に応じて硬化する工程。
請求項2に記載の発明は、下記工程よりなる少なくとも一方が突出した電極を有する相対峙する電極の接続方法である。
(1)相対峙する電極の少なくとも一方が金属電極であり、その表面に酸化物を形成する工程、
(2)少なくとも一方の金属電極表面に形成された酸化物を有する相対峙する電極間に、導電材料と接着剤よりなる接続部材を配置する工程、
(3)相対峙する電極間の位置合わせを行い、加圧により電極面に形成された酸化物を導電材料で破壊する工程、
(4)電極間の検査および/またはリペアを行う工程、
(5)電極間の接続部材を硬化する工程。
請求項3に記載の発明は、少なくとも一方が突出した金属電極を有する相対峙する電極の少なくとも一方が酸化物で被覆され、酸化物の一部がその厚みより大きな粒子径の導電材料で破壊されてなる請求項1または2記載の接続方法で得た電極の接続構造である。
参考例1
(1)接続
ポリイミドフィルム上に、高さ18μmの銅の回路を有する2層FPC回路板(回路ピッチは70μm、電極幅20μmの平行回路の電極)を準備した。この回路形成面にラミネートにより、厚み3μmのフェノキシ樹脂系のフィルム(熱可塑性エポキシ樹脂、軟化点120℃)を180℃で圧着して絶縁層を形成した。熱可塑性樹脂なので軟化溶融して、回路ピッチに沿って絶縁層の形成が可能であった。接続部材は、フェノキシ樹脂と、マイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂の比率を20/80とし、酢酸エチルの30%溶液を得た。この溶液に粒径6±0.2μmのスチレン−ジビニルベンゼン系架橋粒子にNi/Auの厚さ0.2/0.02μmの金属被覆を形成した導電性粒子を5体積%添加し、混合分散した。この分散液をセパレータ(シリコーン処理ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み40μm)にロールコータで塗布し、110℃、20分乾燥し厚み20μmの接続部材を得た。ガラス0.7mm上に酸化インジウム厚み0.2μm(ITO、表面抵抗20Ω/□)の薄膜回路を有する平面電極との接続を行った。まず、平面電極側に前記接続部材を2mm幅で載置し、仮圧着を行いセパレータを剥離した。続いてFPC回路と相対峙する電極間の位置合わせを行い、接続部材の硬化反応が十分な条件の150℃、30kgf/mm2、20秒で接続した。
この接続体の断面を研磨し顕微鏡で観察したところ、図1相当の接続構造であった。加圧により電極面の絶縁層であるフェノキシを導電材料で破壊できた。隣接電極間のスペースは、気泡混入がなく粒子が球状であったが、電極上は粒子が絶縁層に食い込み圧縮変形されて上下電極と接触保持されていた。架橋粒子なので接続条件温度下での堅さと、加圧による変形性が併せて得られたとみられる。相対峙する電極間を接続抵抗、隣接する電極間を絶縁抵抗として評価したところ、接続抵抗は1Ω以下、絶縁抵抗は108Ω以上であり、これらは85℃、85%RH1000時間処理後も変化が殆どなく、良好な長期信頼性を示した。本参考例における電極上(20μm×2mm)の接続に寄与している有効平均粒子数は、50個(最大55個、最小46個)であり、電極上に多数の導電粒子が確保されそのばらつきも少ない。接続に寄与している有効粒子とは、接続面をガラス側から顕微鏡(×100)で観察し、電極との接触により光沢を発しているものとした。
参考例1と同様であるが、絶縁層を形成しないFPC回路を用いた。参考例1と同様に評価したところ、電極上(20μm×2mm)の粒子数は最大38個、最小0個であり、電極上に有効粒子の無いものが見られ、また参考例1に比べ最大と最小のばらつきが大きかった。また、接続体の絶縁抵抗を測定したところショート不良が発生した。接続時に導電粒子が電極上から流出し、隣接電極間(スペース部)での絶縁性が保持できなくなったと見られる。
参考例1と同様であるが、FPCに変えて、ICチップ(2×10mm、高さ0.5mm、4辺周囲にバンプ(突起電極)と呼ばれる50μm角、高さ20μmの金電極が200個形成)を用いた。このICチップは、ウエハ段階で突起電極形成面に、ポリイミド系(ガラス転移点170℃)の溶液をスピンコータで形成後、溶剤を乾燥して、電極上の厚みが2μmの絶縁層を形成してある。またガラス側のITO電極を、前記ICチップのバンプ電極サイズに対応するように変更した。参考例1の接続部材を用いて同様に接続した。接続体は図2に相当する構成(導電材料は図1)である。本参考例も良好な接続特性を示した。
参考例1のFPC同士を同様に接続し、図3相当の接続体(導電材料は図1)を得た。参考例1と同様に評価したところ良好な接続特性を示した。この構成は突起電極にそれぞれ絶縁層を形成した同士の接続であるが、電極上の有効粒子数は、突出電極同士の接続で粒子が流出し易い構成だが全電極において、15個以上の確保ができた。
参考例2と同様であるが、ICチップの絶縁処理を行わずに金電極とし、ガラス側のITO電極を、表面をアルマイト加工(絶縁層の厚み約0.5μm)したアルミに変えた。接続体は図2に相当する構成(導電材料は図1)であるが、良好な接続特性を示した。本実施例では、アルミニウムの絶縁処理として通常に行われている、加熱酸化や陽極酸化等の簡単な経済的な方法により、本発明が実施可能なことを示している。
参考例2と同様であるが、ガラス基板上に5個のICチップを搭載できる基板に変更し、加熱加圧工程を2段階とした。まず、150℃、30kgf/mm2、2秒後に加圧しながら各接続点の接続抵抗をマルチメータで測定検査した(参考例4)。同様であるが他の一方は、150℃、30kgf/mm2、3秒後に接続装置から除去した。加熱加圧により接着剤の凝集力が向上したので、各ICチップは、ガラス側に仮固定が可能で無加圧であり、同様に検査した(参考例5)。両参考例ともに1個のICチップが異常であった。そこで異常チップを剥離して新規チップで前記同様の接続を行ったところ、今度はいずれも良好であった。接着剤は硬化反応の不十分な状態なので、チップの剥離や、その後のアセトンを用いた清浄化も極めて簡単であり、リペア作業が容易であった。以上の通電検査工程およびリペア工程の後で、150℃、30kgf/mm2、20秒で接続したところ、両参考例ともに良好な接続特性を示した。バンプ上の有効粒子数は、全電極において7個以上の確保が可能であった。本参考例では、参考例2に比べバンプ上の有効粒子数が増加し、電極上からの流出が少ない。加熱加圧工程を2段階としたことで、粒子の保持性がさらに向上したものと見られる。
実施例1と同様であるが、導電粒子を表面に凹凸有するニッケル(平均粒径3μm)に変更し、図2相当の接続体を得た。同様に評価したところ、電極に導電粒子の先端が食い込んでおり、電極上の有効粒子数は、100個以上が確保できた。接続抵抗、絶縁抵抗、長期信頼性ともに良好あった。本実施例では、導電粒子が硬質でまた表面に凹凸を有するので、電極に導電粒子の先端が食い込み易く、また粒子径が小さいので、極上の粒子数も沢山確保できた。また、参考例4〜5と同様、リペア作業が容易であった。
3 金属電極面 4 酸化物
5 導電材料 6 絶縁性接着剤
7 接続部材 8 基板面
9 基板 10 基板
Claims (3)
- 下記工程よりなる少なくとも一方が突出した電極を有する相対峙する電極の接続方法
(1)相対峙する電極の少なくとも一方が金属電極であり、その表面に酸化物を形成する工程
(2)少なくとも一方の金属電極表面に形成された酸化物を有する相対峙する電極間に、導電材料と接着剤よりなる接続部材を配置する工程
(3)相対峙する電極間の位置合わせを行い、加圧により電極面に形成された酸化物を導電材料で破壊する工程
(4)加圧した電極間の接続部材を必要に応じて硬化する工程 - 下記工程よりなる少なくとも一方が突出した電極を有する相対峙する電極の接続方法
(1)相対峙する電極の少なくとも一方が金属電極であり、その表面に酸化物を形成する工程
(2)少なくとも一方の金属電極表面に形成された酸化物を有する相対峙する電極間に、導電材料と接着剤よりなる接続部材を配置する工程
(3)相対峙する電極間の位置合わせを行い、加圧により電極面に形成された酸化物を導電材料で破壊する工程
(4)電極間の検査および/またはリペアを行う工程
(5)電極間の接続部材を硬化する工程 - 少なくとも一方が突出した金属電極を有する相対峙する電極の少なくとも一方が酸化物で被覆され、酸化物の一部がその厚みより大きな粒子径の導電材料で破壊されてなる請求項1または2記載の接続方法で得た電極の接続構造。
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