JP2004165252A - 電子ビーム露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子ビームを出射しながら調整を行う場合にも、装置内の部材に電荷を蓄積させず且つスループットの低下が小さい電子ビーム露光装置の実現。
【解決手段】真空チャンバ30と、真空チャンバ30に付属して設けられ、試料100の表面に電子ビームのパターンを露光する電子コラム10とを備える電子線装置であって、真空チャンバ30と電子コラム10の間の電子ビームの経路中に、接地された遮蔽板42を移動させて電子ビームを遮断する電子ビーム遮断機構41を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】真空チャンバ30と、真空チャンバ30に付属して設けられ、試料100の表面に電子ビームのパターンを露光する電子コラム10とを備える電子線装置であって、真空チャンバ30と電子コラム10の間の電子ビームの経路中に、接地された遮蔽板42を移動させて電子ビームを遮断する電子ビーム遮断機構41を備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レジストを塗布した半導体ウエハなどの表面に電子ビームのパターンを露光する電子ビーム露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子ビーム露光装置では、レジストを塗布した半導体ウエハ(試料)をステージに保持して所定の位置に移動し、電子ビームを照射して所望のパターンを露光する。ステージは、静電チャックなどで半導体ウエハを保持する必要があり、表面が絶縁性の部材で作られる。本発明は、絶縁性の部材に半導体ウエハ(試料)を保持した上で電子ビームのパターンを露光する電子ビーム露光装置であればどのような装置にも適用可能である。
【0003】
半導体集積回路の集積度は微細加工技術により規定されており、微細加工技術には一層の高性能が要求されている。特に、露光技術においては、ステッパなどに用いられるフォトリソグラフィの技術的な限界が予想されており、一層の微細化を難しくしている。この限界を打ち破る技術として電子ビーム露光技術が注目されている。電子ビーム露光装置では、感光剤(レジスト)を塗布した試料(半導体ウエハ)に電子ビームを照射して所定のパターンを露光する。
【0004】
図1は、従来の電子ビーム露光装置の構成例を示す図であり、この例はブロック露光法による電子ビーム露光装置である。図1に示すように、この電子ビーム露光装置は、コラム10と、真空チャンバ30と、ロードチャンバ42と、プリロードチャンバ45とを有する。コラム10内には、電子銃11と、整形用電磁レンズ12,14と、整形用アパーチャ13と、ブロックパターンを選択するための偏向器15と、ブロックマスク16と、ブロックマスクを通過した電子ビームを光軸に戻すための偏向器17と、アパーチャ18と、偏向器19,20とが設けられている。真空チャンバ30内には、ベース32と移動部材33とウエハチャック34で構成される移動ステージ31と、ロードチャンバ42から未露光ウエハをウエハチャック34上に搬送すると共に露光済みウエハをウエハチャック34からロードチャンバ42に戻すためのウエハ搬送機構50とが設けられている。コラム10内と真空チャンバ30内は高真空状態になっている。コラムの各要素により所望の形状に整形された電子ビームは偏向されて、ウエハチャック34に固定されたウエハ100上の所望の位置に照射される。露光パターンをつなぎ合わせて1チップ(ダイ)分のパターンが露光される。
【0005】
真空チャンバ30又はコラム10には、ウエハ100に照射された電子ビームの反射電子や2次電子を検出するためのセンサ35が設けられており、電子ビームでウエハ上の基準パターンなどを走査した時のセンサ35の出力から基準パターンなどの位置が検出できるようになっている。また、センサ35は、コラムの各要素の調整などに使用される。
【0006】
ウエハ搬送機構50は、ロボットベース51に複数段のアーム52,53,54を設けたロボットアーム機構であり、アームの先端にウエハ100を保持するための静電チャック機構を有する保持部材55が設けられている。
【0007】
真空チャンバ30とロードチャンバ42の間には扉41が設けられ、ロードチャンバ42とプリロードチャンバ45の間には扉44が設けられている。未露光ウエハをウエハチャック34上に搬送する場合には、扉41を閉めた状態でロードチャンバ42内を大気圧状態にしてから扉44を開けて、大気圧状態のプリロードチャンバ45から未露光ウエハを、ロードチャンバ42内の保持台上に搬送する。次に扉44を閉めてロードチャンバ42内を真空状態にしてから扉41を開け、ウエハ搬送機構50により未露光ウエハを取り上げて破線の部分に移動しているウエハチャック34上に搬送する。ウエハチャック34上の露光済みウエハをプリロードチャンバ45に戻す時には、逆の動作を行う。
【0008】
電子ビーム露光装置については、広く知られているので、ここではこれ以上の説明を省略し、本発明に直接関係する点についてのみ更に説明する。
【0009】
ウエハチャック34は真空状態に配置されるので、半導体製造装置で広く使用される真空チャックは使用できず、ウエハ100を固定するために静電チャック機構が使用される。静電チャック機構は、絶縁性の表面の下に電極を設けて高電圧を印加することによりウエハを固定する。そのため、ウエハチャックは絶縁性のセラミックなどで作られる。また、露光装置に使用されるウエハチャックは非常な高精度と熱膨張が非常に小さいことが要求されるので、このような要求を満たすためにも、ウエハチャックはセラミックなどで作られるのが一般的である。
【0010】
電子線(電子ビーム)は電子の流れであり、絶縁性の部分に照射すると、その部分に電子が蓄積され、不用な電界を発生して、露光パターンを劣化させるという問題を発生する。ウエハは半導体であり、電子ビームを照射しても表面に電荷が蓄積されることはない。しかし、ウエハの裏面は酸化されて、絶縁性の酸化ケイ素の層が形成されており、ウエハをセラミックで作られたウエハチャック上に載置して電子ビームを照射すると、ウエハに電荷(電子)が蓄積される。そこで、ウエハの裏面以外の部分をグランドに接続することが行われる。ブロック露光方式の電子ビーム露光装置などでは、グランドに接続された端子をウエハの表面に接触させている。また、米国特許5831272号(日本特許第2951947号)に開示された高スループットの電子ビーム近接露光装置では、露光パターンと同一の開口パターンを有する露光マスクをウエハに非常に近接して配置する必要がある。そのため、電子ビーム近接露光装置では、上記のように端子をウエハの表面に接触させるのが難しい。そこで、ウエハチャック34内に、グランドに接続された針をウエハの裏面から押し当てる裏面導通機構を設け、針の先端がウエハ100の裏面の絶縁層を破って内部に接触するようにしている。
【0011】
【特許文献1】
特許第2951947号(全体)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
電子ビーム露光装置は、コラムの各要素の状態が時間と共に変化する場合がある。そこで、所望の状態を維持するように、コラムの各要素を随時調整することが行われる。このような調整の中には、電子ビームの強度(電流量)の調整など電子ビームを出射した状態で行う必要があるものもある。調整は露光中に以上を検出した場合にも行う必要があり、露光を中断して調整を行うことになる。図1に示すように、露光中には、コラムの下側にはウエハを載置したウエハチャック34が配置されており、ウエハにパターン以外の電子ビームが露光されることになる。そこで、ウエハチャック34上のウエハを露光されないように退避する必要がある。また、ウエハチャック34を退避させた場合、電子ビームを出射すると電子ビームが移動ステージの一部、例えばウエハチャック34の周辺部や移動ステージの基板部分などに照射されることになる。電子ビームが照射される部分が絶縁性であると、上記のようにその表面に電荷が蓄積されるという問題を発生する。そこで、上記のような調整を行う場合には、保護用ウエハを載置したウエハチャック34をコラムの下側に移動した状態で電子ビームを出射して調整を行うようにしている。
【0013】
上記のような調整は、電子ビーム露光装置の稼動中に随時行う必要があり、その場合には、ウエハチャック34をウエハ受け渡し位置に移動した上でウエハを回収し、その後保護用ウエハをウエハチャック34上に載置し、ウエハチャック34をコラムの下側に移動させる。そして調整が終了すると、再びウエハチャック34をウエハ受け渡し位置に移動した上で保護用ウエハを回収し、その後露光するウエハをウエハチャック34上に載置し、ウエハチャック34をコラムの下側に移動させた後、露光を再開する。上記の動作において、回収されたウエハは一旦ロードチャンバ42内に移動された後更にプリロードチャンバ45に移動される。次に、保護用ウエハはプリロードチャンバ45からロードチャンバ42内に移動され、更にロードチャンバ42からウエハチャック34に載置される。保護用ウエハを回収して露光するウエハをウエハチャック34に載置する場合も同様の動作が行われる。このように、保護用ウエハをウエハチャック34に載置して回収するには、ロードチャンバ42を何度も真空状態と大気圧状態の間で変化させる必要がある。ロードチャンバ42内の状態を真空状態と大気圧状態の間で変化させるにはかなりの時間を要する。従って、保護用ウエハをウエハチャック34に載置して調整を行うには長時間を要することになり、その分装置のスループットが低下するという問題を生じる。
【0014】
上記の構成において、ロードチャンバを2個設け、一方のロードチャンバに未露光のウエハを準備した上で内部を真空状態にし、他方のロードチャンバはウエハのない状態で真空状態にしておき、ウエハの露光が終了すると、露光済みウエハを他方のロードチャンバに移動し、次に一方のロードチャンバから未露光ウエハをウエハチャックに載置することにより、ウエハのロードに要する時間を短縮することが行われており、スループット向上のためには2個のロードチャンバを常時使用する必要がある。このような構成で、一方のロードチャンバに保護用ウエハを保持することも考えられるが、調整は異常状態が発生した時に随時行われるため調整の発生を予測してあらかじめ保護用ウエハを保持しておくことはできず、ウエハチャックに保護用ウエハを載置する時間を短縮することができない。また、ロードチャンバを3個以上設けて、1個を保護用ウエハの保持に使用することも考えられるが、その場合、装置が大きくなるという問題がある。
【0015】
本発明は、電子ビームを出射しながら調整を行う場合にも、装置のスループットの低下が少なく、装置内の絶縁性部材への電荷の蓄積の問題が発生しない電子ビーム露光装置の実現を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を実現するため、本発明の電子ビーム露光装置は、真空チャンバと電子コラムの間に移動可能な遮蔽版を設ける。
【0017】
すなわち、本発明の電子ビーム露光装置は、真空チャンバと、前記真空チャンバに付属して設けられ、ステージに報じされた試料の表面に電子ビームのパターンを露光する電子コラムとを備える電子線装置であって、前記真空チャンバと前記電子コラムの間の前記電子ビームの経路中に、接地された遮蔽板を移動させて前記電子ビームを遮断する電子ビーム遮断機構を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、電子ビームを出射した状態で調整を行う時に、電子ビーム遮断機構の遮蔽板により真空チャンバと電子コラムの間を遮蔽するので、試料ステージを移動して保護部材を載置する必要がなく、しかも遮蔽動作は短時間に行えるのでスループットが低下しない。異常が発生した場合には、露光の途中でも遮蔽板を移動すれば電子ビームを出射した状態で調整を行うことが可能であり、調整が終了した時には遮蔽板を電子ビームの経路外に退避させた後露光を再開できる。
【0019】
遮蔽板は、照射された電子ビームを吸収する導電性であることが望ましい。
【0020】
電子ビームの反射電子又は2次電子を検出する電子ビーム検出器(センサ)は、遮蔽板に照射された電子ビームの反射電子又は2次電子を検出を検出できるように、遮蔽板に対して電子ビームの入射側、すなわち電子銃のある側に設ける。
【0021】
更に、遮蔽板の上の電子ビームの入射側に、入射する電子ビームを直接検出するファラデーカップなどの電子ビーム検出器を設ける。この場合は、上記の電子ビーム検出器は設ける必要はないが、露光時に電子ビームを走査して試料(ウエハ)上の基準マークなどを検出するための電子ビーム検出器は設ける必要がある。
【0022】
電子ビーム露光装置が試料の表面に近接して配置したマスクを備え、このマスクに電子ビームを照射してマスクの開口を通過した電子ビームで試料を露光する電子ビーム近接露光装置である場合には、電子ビーム遮断機構は、マスクに対する電子ビームの入射側の所定位置、すなわちマスクより電子銃に近い側に遮蔽板を移動させて電子ビームを遮断するように構成する。上記のようにマスクと試料は近接しており、その間に遮蔽版を配置するのは事実上不可能であり、更にマスクの開口を通過した電子ビームを遮蔽版に照射しても、その反射電子などを検出することはできない。
【0023】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明の第1実施例の電子ビーム露光装置の構成を示す図である。第1実施例の電子ビーム露光装置は、図1の従来のブロック露光方式の電子ビーム露光装置に本発明を適用したものであり、図1の左側のコラムの部分のみを示し、右側のロードチャンバとのインターフェースの部分は図示していないが、その部分は従来例と同様の構成を有する。
【0024】
図2と図1を比較して明らかなように、第1実施例の電子ビーム露光装置は、コラム10の下側の真空チャンバ30との間に導電性の遮蔽板42を移動させる遮蔽板移動機構41を有する点が、従来の電子ビーム露光装置と異なる。
【0025】
図示のように、遮蔽板移動機構41は、調整のために電子ビームを出射する時には、遮蔽板42を実線で示す位置、すなわちコラム10の真空チャンバ30との接続部分に移動して、電子ビームが真空チャンバ30内のウエハ100、ウエハチャック34及びステージ31の他の部分に照射されないように遮蔽する。通常の露光時には、遮蔽板移動機構41は、遮蔽板42を破線で示す位置、すなわち遮蔽板42が電子ビームを遮断しない位置に退避させる。更に、第1実施例の電子ビーム露光装置では、反射電子又は2次電子を検出するセンサ35は、遮蔽板42の上側、すなわち電子銃11がある側に設けられており、遮蔽板42に入射した電子ビームの反射電子又は2次電子が検出できるようになっている。
【0026】
定期的にコラム10の状態を検査したり、露光中にコラムの各要素の駆動信号を監視して異常が発生したことを検出した場合などには、遮蔽板42を電子ビームの経路中に移動する。そして、電子ビームを出射して遮蔽板42の表面に電子ビームを照射し、センサ35でその反射電子や2次電子を検出する。これにより、電子ビームの強度などが測定できる。遮蔽板42は導電性で接地されており、遮蔽板42に入射した電子ビームは反射電子や2次電子を除く大部分が電流となってグランドに流れる。なお、遮蔽板42の表面の所定位置に異なる金属などで作られた1個以上の基準マークを設け、基準マークの付近を電子ビームで走査した時のセンサ35の出力の変化から、基準マークの位置を検出できるようにし、これを利用して電子ビームの照射位置や傾きを調整するコラム軸調整などを行うようにしてもよい。調整や測定が終了すると遮蔽板42を電子ビームの経路外に退避させ、露光を再開する。
【0027】
図3は、本発明の第2実施例の電子ビーム露光装置の構成を示す図である。第2実施例の電子ビーム露光装置は、米国特許5831272号(特許第2951947号)に開示された近接露光方式の電子ビーム露光装置に本発明を適用したものであり、第1実施例と同様に、図1の左側のコラムの部分のみを示し、右側のロードチャンバとのインターフェースの部分は図示していないが、その部分は従来例と同様の構成を有する。
【0028】
米国特許5831272号に開示された電子ビーム近接露光装置は、露光するパターンと同一の開口パターンを有する露光マスク200をウエハ100に近接して配置し、露光マスク200に電子ビームを照射して露光マスク200のパターンを転写する方式であり、高スループットであると共に、コラムは単に電子ビームを露光マスクに照射するだけであるので、コラムの構成が非常に簡単で低コストであるという特徴を有する。
【0029】
図3に示すように、第2実施例のコラム21は、電子ビームを発生する電子ビーム源22と、電子ビームを収束する収束レンズ23と、整形用アパーチャ24と、平行ビームにする照射レンズ25と、2つの偏向器26,27で構成され、電子ビームを偏向した後再び光軸に平行なビームに戻す主偏向器とを有する。他に、電子ビームの露光マスクへの入射角を調整するための副偏向器を構成する2つの偏向器26,27などが設けられているがここでは図示を省略してある。コラム21の下部の真空チャンバ30との接続部分には、マスク200がウエハ100に近接して配置される。露光マスク200は露光パターンに応じて交換する必要があり、真空チャンバには露光マスク200を保持して搬送するマスクステージ70が設けられている。更に、真空チャンバ30と扉52で隔てられたマスクロードチャンバ51に保持されたマスクを、マスク用ロボットアーム60が設けられており、マスクを参照番号200’で示す位置に搬送してマスクステージ70に渡す。マスクステージ70からますク200を回収する場合には逆の動作を行う。マスクを交換する場合の動作は、ウエハと同じであるので説明は省略する。
【0030】
また、他にも露光マスクとウエハ上のダイとの位置合わせ機構などが設けられているがここでは図示を省略している。
【0031】
第2実施例の電子ビーム露光装置では、更にマスク200の上側、すなわち電子銃22に近い側に遮蔽板42を移動させる遮蔽板移動機構41が設けられており、遮蔽板42の上には直接電子ビームが入射するように配置されたファラデーカップなどの電子ビーム検出器43が設けられている。
【0032】
遮蔽板移動機構41は、調整のために電子ビームを出射する時には、遮蔽板42を実線で示す位置、すなわちマスク200の上側の部分に移動して、電子ビームがマスク200及び真空チャンバ30内のウエハ100、ウエハチャック34及びステージ31の他の部分に照射されないように遮蔽する。通常の露光時には、遮蔽板移動機構41は、遮蔽板42を破線で示す位置、すなわち遮蔽板42が電子ビームを遮断しない位置に退避させる。
【0033】
コラム10の状態を検査したり、露光中にコラムの各要素の駆動信号を監視して異常が発生したことを検出した場合などには、遮蔽板42を電子ビームの経路中に移動する。そして、電子ビームを出射して遮蔽板42の表面の電子ビーム検出器43に電子ビームを入射させ、電子ビーム検出器43で電子ビームの強度や位置などを測定し、電子ビームの照射位置や傾きを調整するコラム軸調整などを行う。調整や測定が終了すると遮蔽板42を電子ビームの経路外に退避させ、露光を再開する。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電子ビームを出射しながら調整を行う場合にも、装置内の絶縁性部材への電荷の蓄積の問題を発生させず、且つ装置のスループットを低下させることなく調整や検査が行える電子ビーム露光装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のブロック露光方式の電子ビーム露光装置の構成を示す図である。
【図2】本発明をブロック露光方式の電子ビーム露光装置に適用した第1実施例の電子ビーム露光装置の構成を示す図である。
【図3】本発明を近接露光方式の電子ビーム露光装置に本発明を適用した実施例の電子ビーム露光装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
10,21…コラム
11,22…電子ビーム源
30…真空チャンバ
35…反射電子及び2次電子用センサ
41…遮蔽板移動機構
42…遮蔽板
43…電子ビーム検出器(ファラデーカップ)
100…ウエハ(試料)
200…マスク
【発明の属する技術分野】
本発明は、レジストを塗布した半導体ウエハなどの表面に電子ビームのパターンを露光する電子ビーム露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子ビーム露光装置では、レジストを塗布した半導体ウエハ(試料)をステージに保持して所定の位置に移動し、電子ビームを照射して所望のパターンを露光する。ステージは、静電チャックなどで半導体ウエハを保持する必要があり、表面が絶縁性の部材で作られる。本発明は、絶縁性の部材に半導体ウエハ(試料)を保持した上で電子ビームのパターンを露光する電子ビーム露光装置であればどのような装置にも適用可能である。
【0003】
半導体集積回路の集積度は微細加工技術により規定されており、微細加工技術には一層の高性能が要求されている。特に、露光技術においては、ステッパなどに用いられるフォトリソグラフィの技術的な限界が予想されており、一層の微細化を難しくしている。この限界を打ち破る技術として電子ビーム露光技術が注目されている。電子ビーム露光装置では、感光剤(レジスト)を塗布した試料(半導体ウエハ)に電子ビームを照射して所定のパターンを露光する。
【0004】
図1は、従来の電子ビーム露光装置の構成例を示す図であり、この例はブロック露光法による電子ビーム露光装置である。図1に示すように、この電子ビーム露光装置は、コラム10と、真空チャンバ30と、ロードチャンバ42と、プリロードチャンバ45とを有する。コラム10内には、電子銃11と、整形用電磁レンズ12,14と、整形用アパーチャ13と、ブロックパターンを選択するための偏向器15と、ブロックマスク16と、ブロックマスクを通過した電子ビームを光軸に戻すための偏向器17と、アパーチャ18と、偏向器19,20とが設けられている。真空チャンバ30内には、ベース32と移動部材33とウエハチャック34で構成される移動ステージ31と、ロードチャンバ42から未露光ウエハをウエハチャック34上に搬送すると共に露光済みウエハをウエハチャック34からロードチャンバ42に戻すためのウエハ搬送機構50とが設けられている。コラム10内と真空チャンバ30内は高真空状態になっている。コラムの各要素により所望の形状に整形された電子ビームは偏向されて、ウエハチャック34に固定されたウエハ100上の所望の位置に照射される。露光パターンをつなぎ合わせて1チップ(ダイ)分のパターンが露光される。
【0005】
真空チャンバ30又はコラム10には、ウエハ100に照射された電子ビームの反射電子や2次電子を検出するためのセンサ35が設けられており、電子ビームでウエハ上の基準パターンなどを走査した時のセンサ35の出力から基準パターンなどの位置が検出できるようになっている。また、センサ35は、コラムの各要素の調整などに使用される。
【0006】
ウエハ搬送機構50は、ロボットベース51に複数段のアーム52,53,54を設けたロボットアーム機構であり、アームの先端にウエハ100を保持するための静電チャック機構を有する保持部材55が設けられている。
【0007】
真空チャンバ30とロードチャンバ42の間には扉41が設けられ、ロードチャンバ42とプリロードチャンバ45の間には扉44が設けられている。未露光ウエハをウエハチャック34上に搬送する場合には、扉41を閉めた状態でロードチャンバ42内を大気圧状態にしてから扉44を開けて、大気圧状態のプリロードチャンバ45から未露光ウエハを、ロードチャンバ42内の保持台上に搬送する。次に扉44を閉めてロードチャンバ42内を真空状態にしてから扉41を開け、ウエハ搬送機構50により未露光ウエハを取り上げて破線の部分に移動しているウエハチャック34上に搬送する。ウエハチャック34上の露光済みウエハをプリロードチャンバ45に戻す時には、逆の動作を行う。
【0008】
電子ビーム露光装置については、広く知られているので、ここではこれ以上の説明を省略し、本発明に直接関係する点についてのみ更に説明する。
【0009】
ウエハチャック34は真空状態に配置されるので、半導体製造装置で広く使用される真空チャックは使用できず、ウエハ100を固定するために静電チャック機構が使用される。静電チャック機構は、絶縁性の表面の下に電極を設けて高電圧を印加することによりウエハを固定する。そのため、ウエハチャックは絶縁性のセラミックなどで作られる。また、露光装置に使用されるウエハチャックは非常な高精度と熱膨張が非常に小さいことが要求されるので、このような要求を満たすためにも、ウエハチャックはセラミックなどで作られるのが一般的である。
【0010】
電子線(電子ビーム)は電子の流れであり、絶縁性の部分に照射すると、その部分に電子が蓄積され、不用な電界を発生して、露光パターンを劣化させるという問題を発生する。ウエハは半導体であり、電子ビームを照射しても表面に電荷が蓄積されることはない。しかし、ウエハの裏面は酸化されて、絶縁性の酸化ケイ素の層が形成されており、ウエハをセラミックで作られたウエハチャック上に載置して電子ビームを照射すると、ウエハに電荷(電子)が蓄積される。そこで、ウエハの裏面以外の部分をグランドに接続することが行われる。ブロック露光方式の電子ビーム露光装置などでは、グランドに接続された端子をウエハの表面に接触させている。また、米国特許5831272号(日本特許第2951947号)に開示された高スループットの電子ビーム近接露光装置では、露光パターンと同一の開口パターンを有する露光マスクをウエハに非常に近接して配置する必要がある。そのため、電子ビーム近接露光装置では、上記のように端子をウエハの表面に接触させるのが難しい。そこで、ウエハチャック34内に、グランドに接続された針をウエハの裏面から押し当てる裏面導通機構を設け、針の先端がウエハ100の裏面の絶縁層を破って内部に接触するようにしている。
【0011】
【特許文献1】
特許第2951947号(全体)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
電子ビーム露光装置は、コラムの各要素の状態が時間と共に変化する場合がある。そこで、所望の状態を維持するように、コラムの各要素を随時調整することが行われる。このような調整の中には、電子ビームの強度(電流量)の調整など電子ビームを出射した状態で行う必要があるものもある。調整は露光中に以上を検出した場合にも行う必要があり、露光を中断して調整を行うことになる。図1に示すように、露光中には、コラムの下側にはウエハを載置したウエハチャック34が配置されており、ウエハにパターン以外の電子ビームが露光されることになる。そこで、ウエハチャック34上のウエハを露光されないように退避する必要がある。また、ウエハチャック34を退避させた場合、電子ビームを出射すると電子ビームが移動ステージの一部、例えばウエハチャック34の周辺部や移動ステージの基板部分などに照射されることになる。電子ビームが照射される部分が絶縁性であると、上記のようにその表面に電荷が蓄積されるという問題を発生する。そこで、上記のような調整を行う場合には、保護用ウエハを載置したウエハチャック34をコラムの下側に移動した状態で電子ビームを出射して調整を行うようにしている。
【0013】
上記のような調整は、電子ビーム露光装置の稼動中に随時行う必要があり、その場合には、ウエハチャック34をウエハ受け渡し位置に移動した上でウエハを回収し、その後保護用ウエハをウエハチャック34上に載置し、ウエハチャック34をコラムの下側に移動させる。そして調整が終了すると、再びウエハチャック34をウエハ受け渡し位置に移動した上で保護用ウエハを回収し、その後露光するウエハをウエハチャック34上に載置し、ウエハチャック34をコラムの下側に移動させた後、露光を再開する。上記の動作において、回収されたウエハは一旦ロードチャンバ42内に移動された後更にプリロードチャンバ45に移動される。次に、保護用ウエハはプリロードチャンバ45からロードチャンバ42内に移動され、更にロードチャンバ42からウエハチャック34に載置される。保護用ウエハを回収して露光するウエハをウエハチャック34に載置する場合も同様の動作が行われる。このように、保護用ウエハをウエハチャック34に載置して回収するには、ロードチャンバ42を何度も真空状態と大気圧状態の間で変化させる必要がある。ロードチャンバ42内の状態を真空状態と大気圧状態の間で変化させるにはかなりの時間を要する。従って、保護用ウエハをウエハチャック34に載置して調整を行うには長時間を要することになり、その分装置のスループットが低下するという問題を生じる。
【0014】
上記の構成において、ロードチャンバを2個設け、一方のロードチャンバに未露光のウエハを準備した上で内部を真空状態にし、他方のロードチャンバはウエハのない状態で真空状態にしておき、ウエハの露光が終了すると、露光済みウエハを他方のロードチャンバに移動し、次に一方のロードチャンバから未露光ウエハをウエハチャックに載置することにより、ウエハのロードに要する時間を短縮することが行われており、スループット向上のためには2個のロードチャンバを常時使用する必要がある。このような構成で、一方のロードチャンバに保護用ウエハを保持することも考えられるが、調整は異常状態が発生した時に随時行われるため調整の発生を予測してあらかじめ保護用ウエハを保持しておくことはできず、ウエハチャックに保護用ウエハを載置する時間を短縮することができない。また、ロードチャンバを3個以上設けて、1個を保護用ウエハの保持に使用することも考えられるが、その場合、装置が大きくなるという問題がある。
【0015】
本発明は、電子ビームを出射しながら調整を行う場合にも、装置のスループットの低下が少なく、装置内の絶縁性部材への電荷の蓄積の問題が発生しない電子ビーム露光装置の実現を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を実現するため、本発明の電子ビーム露光装置は、真空チャンバと電子コラムの間に移動可能な遮蔽版を設ける。
【0017】
すなわち、本発明の電子ビーム露光装置は、真空チャンバと、前記真空チャンバに付属して設けられ、ステージに報じされた試料の表面に電子ビームのパターンを露光する電子コラムとを備える電子線装置であって、前記真空チャンバと前記電子コラムの間の前記電子ビームの経路中に、接地された遮蔽板を移動させて前記電子ビームを遮断する電子ビーム遮断機構を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、電子ビームを出射した状態で調整を行う時に、電子ビーム遮断機構の遮蔽板により真空チャンバと電子コラムの間を遮蔽するので、試料ステージを移動して保護部材を載置する必要がなく、しかも遮蔽動作は短時間に行えるのでスループットが低下しない。異常が発生した場合には、露光の途中でも遮蔽板を移動すれば電子ビームを出射した状態で調整を行うことが可能であり、調整が終了した時には遮蔽板を電子ビームの経路外に退避させた後露光を再開できる。
【0019】
遮蔽板は、照射された電子ビームを吸収する導電性であることが望ましい。
【0020】
電子ビームの反射電子又は2次電子を検出する電子ビーム検出器(センサ)は、遮蔽板に照射された電子ビームの反射電子又は2次電子を検出を検出できるように、遮蔽板に対して電子ビームの入射側、すなわち電子銃のある側に設ける。
【0021】
更に、遮蔽板の上の電子ビームの入射側に、入射する電子ビームを直接検出するファラデーカップなどの電子ビーム検出器を設ける。この場合は、上記の電子ビーム検出器は設ける必要はないが、露光時に電子ビームを走査して試料(ウエハ)上の基準マークなどを検出するための電子ビーム検出器は設ける必要がある。
【0022】
電子ビーム露光装置が試料の表面に近接して配置したマスクを備え、このマスクに電子ビームを照射してマスクの開口を通過した電子ビームで試料を露光する電子ビーム近接露光装置である場合には、電子ビーム遮断機構は、マスクに対する電子ビームの入射側の所定位置、すなわちマスクより電子銃に近い側に遮蔽板を移動させて電子ビームを遮断するように構成する。上記のようにマスクと試料は近接しており、その間に遮蔽版を配置するのは事実上不可能であり、更にマスクの開口を通過した電子ビームを遮蔽版に照射しても、その反射電子などを検出することはできない。
【0023】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明の第1実施例の電子ビーム露光装置の構成を示す図である。第1実施例の電子ビーム露光装置は、図1の従来のブロック露光方式の電子ビーム露光装置に本発明を適用したものであり、図1の左側のコラムの部分のみを示し、右側のロードチャンバとのインターフェースの部分は図示していないが、その部分は従来例と同様の構成を有する。
【0024】
図2と図1を比較して明らかなように、第1実施例の電子ビーム露光装置は、コラム10の下側の真空チャンバ30との間に導電性の遮蔽板42を移動させる遮蔽板移動機構41を有する点が、従来の電子ビーム露光装置と異なる。
【0025】
図示のように、遮蔽板移動機構41は、調整のために電子ビームを出射する時には、遮蔽板42を実線で示す位置、すなわちコラム10の真空チャンバ30との接続部分に移動して、電子ビームが真空チャンバ30内のウエハ100、ウエハチャック34及びステージ31の他の部分に照射されないように遮蔽する。通常の露光時には、遮蔽板移動機構41は、遮蔽板42を破線で示す位置、すなわち遮蔽板42が電子ビームを遮断しない位置に退避させる。更に、第1実施例の電子ビーム露光装置では、反射電子又は2次電子を検出するセンサ35は、遮蔽板42の上側、すなわち電子銃11がある側に設けられており、遮蔽板42に入射した電子ビームの反射電子又は2次電子が検出できるようになっている。
【0026】
定期的にコラム10の状態を検査したり、露光中にコラムの各要素の駆動信号を監視して異常が発生したことを検出した場合などには、遮蔽板42を電子ビームの経路中に移動する。そして、電子ビームを出射して遮蔽板42の表面に電子ビームを照射し、センサ35でその反射電子や2次電子を検出する。これにより、電子ビームの強度などが測定できる。遮蔽板42は導電性で接地されており、遮蔽板42に入射した電子ビームは反射電子や2次電子を除く大部分が電流となってグランドに流れる。なお、遮蔽板42の表面の所定位置に異なる金属などで作られた1個以上の基準マークを設け、基準マークの付近を電子ビームで走査した時のセンサ35の出力の変化から、基準マークの位置を検出できるようにし、これを利用して電子ビームの照射位置や傾きを調整するコラム軸調整などを行うようにしてもよい。調整や測定が終了すると遮蔽板42を電子ビームの経路外に退避させ、露光を再開する。
【0027】
図3は、本発明の第2実施例の電子ビーム露光装置の構成を示す図である。第2実施例の電子ビーム露光装置は、米国特許5831272号(特許第2951947号)に開示された近接露光方式の電子ビーム露光装置に本発明を適用したものであり、第1実施例と同様に、図1の左側のコラムの部分のみを示し、右側のロードチャンバとのインターフェースの部分は図示していないが、その部分は従来例と同様の構成を有する。
【0028】
米国特許5831272号に開示された電子ビーム近接露光装置は、露光するパターンと同一の開口パターンを有する露光マスク200をウエハ100に近接して配置し、露光マスク200に電子ビームを照射して露光マスク200のパターンを転写する方式であり、高スループットであると共に、コラムは単に電子ビームを露光マスクに照射するだけであるので、コラムの構成が非常に簡単で低コストであるという特徴を有する。
【0029】
図3に示すように、第2実施例のコラム21は、電子ビームを発生する電子ビーム源22と、電子ビームを収束する収束レンズ23と、整形用アパーチャ24と、平行ビームにする照射レンズ25と、2つの偏向器26,27で構成され、電子ビームを偏向した後再び光軸に平行なビームに戻す主偏向器とを有する。他に、電子ビームの露光マスクへの入射角を調整するための副偏向器を構成する2つの偏向器26,27などが設けられているがここでは図示を省略してある。コラム21の下部の真空チャンバ30との接続部分には、マスク200がウエハ100に近接して配置される。露光マスク200は露光パターンに応じて交換する必要があり、真空チャンバには露光マスク200を保持して搬送するマスクステージ70が設けられている。更に、真空チャンバ30と扉52で隔てられたマスクロードチャンバ51に保持されたマスクを、マスク用ロボットアーム60が設けられており、マスクを参照番号200’で示す位置に搬送してマスクステージ70に渡す。マスクステージ70からますク200を回収する場合には逆の動作を行う。マスクを交換する場合の動作は、ウエハと同じであるので説明は省略する。
【0030】
また、他にも露光マスクとウエハ上のダイとの位置合わせ機構などが設けられているがここでは図示を省略している。
【0031】
第2実施例の電子ビーム露光装置では、更にマスク200の上側、すなわち電子銃22に近い側に遮蔽板42を移動させる遮蔽板移動機構41が設けられており、遮蔽板42の上には直接電子ビームが入射するように配置されたファラデーカップなどの電子ビーム検出器43が設けられている。
【0032】
遮蔽板移動機構41は、調整のために電子ビームを出射する時には、遮蔽板42を実線で示す位置、すなわちマスク200の上側の部分に移動して、電子ビームがマスク200及び真空チャンバ30内のウエハ100、ウエハチャック34及びステージ31の他の部分に照射されないように遮蔽する。通常の露光時には、遮蔽板移動機構41は、遮蔽板42を破線で示す位置、すなわち遮蔽板42が電子ビームを遮断しない位置に退避させる。
【0033】
コラム10の状態を検査したり、露光中にコラムの各要素の駆動信号を監視して異常が発生したことを検出した場合などには、遮蔽板42を電子ビームの経路中に移動する。そして、電子ビームを出射して遮蔽板42の表面の電子ビーム検出器43に電子ビームを入射させ、電子ビーム検出器43で電子ビームの強度や位置などを測定し、電子ビームの照射位置や傾きを調整するコラム軸調整などを行う。調整や測定が終了すると遮蔽板42を電子ビームの経路外に退避させ、露光を再開する。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電子ビームを出射しながら調整を行う場合にも、装置内の絶縁性部材への電荷の蓄積の問題を発生させず、且つ装置のスループットを低下させることなく調整や検査が行える電子ビーム露光装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のブロック露光方式の電子ビーム露光装置の構成を示す図である。
【図2】本発明をブロック露光方式の電子ビーム露光装置に適用した第1実施例の電子ビーム露光装置の構成を示す図である。
【図3】本発明を近接露光方式の電子ビーム露光装置に本発明を適用した実施例の電子ビーム露光装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
10,21…コラム
11,22…電子ビーム源
30…真空チャンバ
35…反射電子及び2次電子用センサ
41…遮蔽板移動機構
42…遮蔽板
43…電子ビーム検出器(ファラデーカップ)
100…ウエハ(試料)
200…マスク
Claims (4)
- 真空チャンバと、
前記真空チャンバに付属して設けられ、ステージに保持された試料の表面に電子ビームのパターンを露光する電子コラムとを備える電子ビーム露光装置であって、
前記真空チャンバと前記電子コラムの間の前記電子ビームの経路中に、接地された遮蔽板を移動させて前記電子ビームを遮断する電子ビーム遮断機構を備えることを特徴とする電子ビーム露光装置。 - 請求項1に記載の電子ビーム露光装置であって、
前記遮蔽板に照射された前記電子ビームの反射電子又は2次電子を検出する電子ビーム検出器を備える電子ビーム露光装置。 - 請求項1に記載の電子ビーム露光装置であって、
前記遮蔽板の前記電子ビームの入射側に、入射する前記電子ビームを直接検出する電子ビーム検出器を備える電子ビーム露光装置。 - 請求項1に記載の電子ビーム露光装置であって、
当該電子ビーム露光装置は、前記試料の表面に近接して配置したマスクを備え、該マスクに前記電子ビームを照射して前記マスクの開口を通過した電子ビームで前記試料を露光する電子ビーム近接露光装置であり、
前記電子ビーム遮断機構は、前記マスクに対する前記電子ビームの入射側の所定位置に前記遮蔽板を移動させて前記電子ビームを遮断する電子ビーム露光装置。
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-
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