JP2004164808A - 磁気テープの巻き姿改善処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気テープの巻き姿を、一定の巻き姿に保つことができる磁気テープの巻き姿改善処理方法を提供する。
【解決手段】磁気テープMTをテープリール10のハブ11に巻き取った後に、磁気テープMTを支持体に用いられている材料のガラス転位温度直下の温度で所定時間熱処理することにより、磁気テープMTの巻き姿をテープリール10のハブ11に巻き取られた時の巻き姿、すなわち正しい巻き姿に癖をつけることができる。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープの巻き姿改善処理方法に関し、さらに詳しくは、テープリールに巻き取られた磁気テープの巻き姿の乱れ(巻き乱れ)を改善することができる磁気テープの巻き姿改善処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、様々な分野に使用される記録メディア(記録媒体)として、記録媒体である磁気テープが巻装された単一のリールを収納して構成される磁気テープカートリッジがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−265560号公報(第2図)
【0004】
このような磁気テープは、一般に、図8及び図9に示すようなテープリール10に巻装されて保持されている。図8は、テープリール10の一例を示す斜視図であり、図9は、図8におけるA−A線断面図である。
【0005】
図8及び図9に示すように、テープリール10は、円筒状のハブ11と、ハブ11の下端11a,上端11bに互いに平行に対向するように固着された一対の円板状の上フランジ12,下フランジ13とを備えて構成されており、ハブ11の外周11cに磁気テープMTを巻き付けるようになっている。上フランジ12と上フランジ13は、磁気テープMTの巻き取り時又は送り出し時に、上フランジ12の内面12aと下フランジ13の内面13aとで磁気テープMTのテープ幅方向における位置の変動を規制し、磁気テープMTの走行を安定させる役割を果たす。
【0006】
なお、上フランジ12と下フランジ13との間隔は、磁気テープMTの巻き取り時又は送り出し時に、磁気テープMTの一方のテープエッジE1又は他方のテープエッジE2が上フランジ12の内面12a又は下フランジ13の内面13aと当接して損傷するのを防ぐために、磁気テープMTの幅よりも若干広く設定されている。図9に示す例では、磁気テープMTは、テープエッジE2が下フランジ13の内面13aに接触した状態でハブ11に巻き取られているため、クリアランスが磁気テープMTのテープエッジE1と上フランジ12の内面12aとの間に設けられている。
【0007】
ところで、図9に示すように、磁気テープMTのテープエッジE1と上フランジ12の内面12aとの間にクリアランスを設けると、磁気テープMTの一部がテープエッジE1からクリアランス内に飛び出してしまい、テープエッジE1が凹凸になるいわゆる「巻き乱れ」が生じる場合がある(図10参照)。
【0008】
巻き乱れが生じる原因としては様々な要因が考えられるが、テープリール10のハブ11に磁気テープMTを巻き取った際に磁気テープMT間に紛れ込んだ空気によって磁気テープMTがテープ幅方向に滑ることが、その要因の一つとして考えられている。特に、図8に示すテープリール10を構成部品に含む磁気テープカートリッジの製造工程において、生産能率を高めるために、磁気テープMTの巻き取りを例えば10〜20m/sの高速の巻き取り速度で行った場合は、巻き乱れが顕著に生じることが経験上知られている。
【0009】
また、巻き乱れが生じる他の要因としては、(1)磁気テープMTがテープ長さ方向に湾曲している、(2)磁気テープMTにかかっているテンションがテープ幅方向において片寄っている、(3)磁気テープMTの厚みがテープ幅方向において片寄っている、(4)巻き乱れがある状態で保存されていたため、磁気テープMTの巻き姿がゆがんでいる、等が考えられる。そして、これらの要因が磁気テープMTのテープ長さ方向において変化することにより、巻き乱れがより発生しやすくなる。
【0010】
磁気テープMTの巻き乱れが生じると、磁気テープMTの巻き取り時又は送り出し時に、磁気テープMTのテープ幅方向における位置が変動するため、磁気テープMTの走行が不安定になり、磁気テープMTの記録再生特性を良好に保つことができなくなる。
【0011】
また、磁気テープMTの巻き取り時又は送り出し時に、磁気テープMTのテープエッジE1又はテープエッジE2が、上フランジ12の内面12a又は下フランジ13の内面13aと当接して損傷する虞がある。
【0012】
さらに、前記磁気テープカートリッジの各製造工程間でのテープリール10の搬送時や製品の輸送時に、振動や落下等によってテープリール10に衝撃が加わった場合、磁気テープMTのテープエッジE1又はテープエッジE2が、テープリール10の上フランジ12又は下フランジ13と衝突して損傷する虞がある。
【0013】
また、磁気テープMTの巻き乱れが生じた状態でそのテープリールを長期間保存すると、磁気テープMTにそのときの巻き姿で巻き癖がついてしまう。そのため、磁気テープMTの走行が不安定になり、磁気テープMTの記録再生特性を良好に保つことができなくなる。
【0014】
そのため、従来は、図11(a)に示すように、テープリール10のハブ11に磁気テープMTを巻き取る際に、回転ローラ21,22,23によって支持されたゴム等の弾性材料から成形されたエンドレスベルト20を、回転させながら磁気テープMTの表面に押し当てて、磁気テープMT間に紛れ込んだ空気を追い出すことによって、磁気テープMTの巻き乱れを軽減させる方法が知られている。また、図11(b)に示すように、エンドレスベルト20の代わりに、ゴム等の弾性材料から成形されたタッチロール30を用いる方法も知られている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図11(a),(b)に示した方法によって、磁気テープMTの巻き姿を改善したとしても、その磁気テープMTを繰り返し使用する内に、巻き乱れが生じることがあった。すなわち、磁気テープMTの巻き姿を、一定の巻き姿に保つことができないという問題があった。
【0016】
そこで、本発明は、磁気テープの巻き姿を、一定の巻き姿に保つことができる磁気テープの巻き姿改善処理方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の磁気テープの巻き姿改善処理方法は、磁気テープをテープリールのハブに所定量巻き取った後に、磁気テープをその磁気テープの支持体に用いられている材料のガラス転位温度直下の温度で所定時間熱処理して前記磁気テープに巻き癖をつけることを特徴とする。
【0018】
このように、磁気テープをテープリールのハブに所定量巻き取った後に、磁気テープをその磁気テープの支持体に用いられている材料のガラス転位温度直下の温度で所定時間熱処理して磁気テープをテープリールに巻き取られた時の巻き姿に巻き癖をつけることにより、磁気テープの巻き姿を常に正しい巻き姿に保つことができる。その結果、このテープリールを含んで構成される磁気テープカートリッジの使用時に、テープリールに巻き取られた磁気テープの巻き乱れを軽減させることができる。
【0019】
なお、前記ガラス転位温度直下の温度が、ガラス転位温度よりも5〜10℃程度低い温度に設定されることが望ましい。
【0020】
このように、磁気テープをその磁気テープの支持体に用いられている材料のガラス転位温度よりも5〜10℃程度低い温度で所定時間熱処理することにより、巻き癖をより効果的につけることができる。特に、磁気テープの支持体にポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)を用いた場合は、磁気テープをガラス転位温度直下の温度で熱処理することにより、巻き癖をより効果的につけることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、適宜図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態では、パンケーキから供給される磁気テープMTを、磁気テープカートリッジの構成部品であるテープリールに所定量巻き取る場合を想定している。
【0022】
初めに、本発明の磁気テープの巻き姿改善処理方法が適用される磁気テープカートリッジの製造工程について図1及び図2を参照して説明する。図1は、磁気テープカートリッジ1の概略の構成を示す斜視図である。また、図2は、テープワインダ2を概念的に示した正面図である。
【0023】
通常、磁気テープカートリッジ1の製造工程において、磁気テープMTの原反から供給される磁気テープMTを、図1に示すような磁気テープカートリッジ1の構成部品であるテープリール10に所定量巻き取るときは、次のようにして行われる。
【0024】
まず、調液工程、塗布工程、表面処理工程を経て製造された幅広の磁気テープの原反を、その製品(磁気テープカートリッジ1)の規格で定められたテープ幅に裁断して巻き取り、いわゆる「パンケーキ」を製造する。
【0025】
そして、図2に示すようなテープワインダ2と呼ばれる専用の磁気テープ巻き取り装置を用いて、パンケーキ3から送り出される磁気テープMTをテープリール10に所定量巻き取り、切断する。
【0026】
次に、本発明の磁気テープの巻き姿改善処理方法が適用される磁気テープについて図3を参照して説明する。図3は、磁気テープMTの一部分を拡大して示す断面図である。
【0027】
図3に示すように、磁気テープMTは、非磁性の支持体(ベースフィルム)4上に磁性層5が形成されている。磁性層5は、磁性粉末、結合剤及び有機溶剤を磁性粉末が均一に分散するまで混合させて調製した磁性塗料を、非磁性の支持体4上に塗布することにより形成される。あるいは、磁性層5は、金属、合金等の強磁性材を、真空蒸着やスパッタリングなどの手段で支持体4上に被着することにより形成される。なお、磁性塗料には、分散剤,滑剤,帯電防止剤,可塑剤,安定剤,防錆剤等の添加剤が加えられている。
【0028】
磁性粉末としては、例えば、α−Fe23、Fe34、コバルト被着α−Fe23等の強磁性酸化鉄系粒子、強磁性二酸化クロム系粒子、Fe、Co、Ni等の金属やこれらを含んだ合金からなる強磁性金属系粒子、六角板状の六方晶フェライト微粒子等を用いることができる。
【0029】
また、結合剤としては、ウレタン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリル等の重合体、あるいはこれらの2種以上を組み合わせた共重合体や、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。
【0030】
また、有機溶剤としては、エーテル類、エステル類、ケトン類、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、塩素化炭化水素等を用いることができる。
【0031】
そして、支持体4の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ニトロセルロース等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アラミド等の高分子類を用いることができる。
【0032】
支持体4には、加工性や機械特性に優れ、コストも低いポリエステル類を用いることが望ましい。また、強度、剛性及び耐熱性がポリエチレンテレフタレート(PET)よりも高いポリエチレンナフタレート(PEN)を用いることがさらに望ましい。また、より耐熱性を必要とする場合は、アラミドを用いることが望ましい。
【0033】
次に、本発明の磁気テープの巻き姿改善処理方法を前記した磁気テープカートリッジ1の製造工程に適用し、パンケーキ3から送り出される磁気テープMTを、図8及び図9に示すような磁気テープカートリッジ1の構成部品であるテープリール10のハブ11に所定量巻き取る場合について説明する。
【0034】
まず、図2に示すように、パンケーキ3から送り出された磁気テープMTを、テープワインダ2によって、テープリール10に所定量巻き取る。このとき、磁気テープMTがテープリール10のハブ11に図9に示すような正しい巻き姿で巻き取られるようにする。このために、磁気テープMTの巻き取りは2〜3m/sの低速で行われる。また、磁気テープMT間に空気が紛れ込むのを防ぐため、磁気テープMTの巻き取りは、−85kPa以下、望ましくは−95kPa以下、さらに望ましくは−100〜−101kPaの減圧下で行うと良い。
【0035】
また、図2に示すように、パンケーキ3から送り出された磁気テープMTを、テープワインダ2によって、テープリール10に所定量巻き取るときは、従来の技術の欄で説明した、エンドレスベルト20を用いて磁気テープMTの巻き姿を改善する方法(図11(a)参照)や、タッチロール30を用いて磁気テープMTの巻き姿を改善する方法(図11(b)参照)を使用すると、磁気テープMTをテープリール10のハブ11に図9に示すような正しい巻き姿で巻き取ることができる。また、磁石により磁気テープを一方向に引き付けながら巻き取ると、さらに良好な巻き姿を得ることができる(特開平5−109233号公報参照)。
【0036】
そして、磁気テープMTを図9に示すような正しい巻き姿で巻き取ったテープリール10を、図4に示すような環境試験装置6の中に置き、磁気テープMTを所定の環境温度下で一定時間熱処理することにより、磁気テープMTの巻き姿をテープリール10に巻き取られた時の巻き姿、すなわち図9に示すような正しい巻き姿に巻き癖をつける。なお、磁気テープMTが水を吸って伸びないように、環境試験装置6の中は低湿度の環境に保たれているものとする。
【0037】
なお、本実施の形態では環境試験装置6を用いているが、磁気テープMTを所定の環境温度下で一定時間熱処理することができれば、温室やブース等を用いても構わない。その際、前記温室やブースを磁気テープカートリッジの製造工程上に配置すれば、磁気テープカートリッジの生産性を向上させることができる。
【0038】
環境試験装置6の環境温度は、その磁気テープMTの支持体4に用いられる材料のガラス転位温度直下の温度に設定される。具体的には、支持体4に用いられる材料のガラス転位温度よりも0〜10℃程度低い温度に設定される。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)のガラス転位温度は60〜70℃程度であるので、支持体4の材料にガラス転位温度が69℃であるポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた場合は、環境試験装置6の環境温度は、40〜69℃、好ましくは50〜65℃に設定される。また、ポリエチレンナフタレート(PEN)のガラス転位温度は110〜120℃程度であるので、支持体4の材料にガラス転位温度が113℃のポリエチレンナフタレート(PEN)を用いた場合は、環境試験装置6の環境温度は、40〜113℃に設定される。また、アラミドのガラス転位温度ははっきりと判別しづらいが、支持体4の材料にアラミドを用いた場合は、環境試験装置6の環境温度は、40〜120℃に設定される。なお、環境試験装置6の環境温度を100〜120℃に設定すると、処理速度を速め生産性を向上させることができるので好適である。
【0039】
このように、磁気テープMTを所定の環境温度下で一定時間熱処理することにより、磁気テープMTをテープリール10に巻き取られた時の巻き姿、すなわち図9に示すような正しい巻き姿に巻き癖をつけることができる。特に、磁気テープMTの支持体4にポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)を用いた場合は、磁気テープMTをガラス転位温度直下の環境温度で熱処理することにより、巻き癖をより効果的につけることができる。これは、支持体4を構成する材料を、そのガラス転移温度以下の温度で熱処理することにより、極端な熱収縮を抑制しつつ、かつ非晶部分を緩和させて残留応力を低減させながら適度に巻き易い形状とするためである。
【0040】
以上のように、磁気テープカートリッジ1の製造工程において、磁気テープMTをテープリール10に所定量巻き取った後に、磁気テープMTを巻き取ったテープリール10を図4に示すような環境試験装置6の中に置き、磁気テープMTを所定の環境温度下で一定時間熱処理することにより、磁気テープMTをテープリール10に巻き取られた時の巻き姿、すなわち、図9に示すような正しい巻き姿に巻き癖をつけることができる。したがって、この磁気テープの巻き姿を常に正しい巻き姿に保つことができるので、このテープリール10を含んで構成される磁気テープカートリッジ1の使用時に、磁気テープの巻き乱れを軽減させることができる。
【0041】
なお、本実施の形態では、磁気テープカートリッジ1の製造工程において、パンケーキ3から供給される磁気テープMTを、テープリール10に所定量巻き取る場合(図2参照)を例に説明したが、本発明の磁気テープの巻き姿改善処理方法は、幅広の磁気テープの原反を、その磁気テープカートリッジ1の規格で定められたテープ幅に裁断して巻き取ってパンケーキを製造する「スリット工程」に適用することもできる。このように、本発明の磁気テープの巻き姿改善処理方法をスリット工程に適用すると、一度に数十巻の磁気テープMTに巻き癖をつけることができるので、非常に効率的である。
【0042】
また、図6(a)に示すように、磁気テープMTを熱処理する際は、磁気テープMTを、ハブ41が上端41aから下端41bにかけて所定の角度でハブ41の内側に傾斜して形成されているリール40に巻き取った状態で行ってもよい。このようなリール40に巻き取った状態で磁気テープMTを熱処理すると、図7に示すように、磁気テープMTに、テープエッジE1,E2が一様な方向に湾曲する巻き癖をつけることができる。図7では、磁気テープMTには、テープエッジE2側の方向に湾曲する巻き癖がつけられている。
【0043】
また、図6(b)に示すように、磁気テープMTを熱処理する際は、磁気テープMTを、下フランジ51が内径側から外径側にかけて徐々に傾斜して形成されているリール50に、下フランジ51側に寄せて巻き取った状態で行ってもよい。このようなリール50に巻き取った状態で磁気テープMTを熱処理すると、図7に示すように、磁気テープMTに、テープエッジE1,E2が一様な方向に湾曲する巻き癖をつけることができる。
【0044】
このように、磁気テープMTにテープエッジE1,E2が一様な方向(テープエッジE2側の方向)に湾曲する巻き癖をつけると、この磁気テープMTを図8及び図9に示すようなテープリール10に巻き取る際は、磁気テープMTはテープエッジE2側のテンションが高い状態で巻き取られるので、磁気テープMTを下フランジ13側に寄った状態で巻き取ることができる。すなわち、磁気テープの巻き乱れを軽減させることができる。
【0045】
また、このように、テープエッジE1,E2が一様な方向(テープエッジE2側の方向)に湾曲する巻き癖がつけられた磁気テープMTを走行させた際は、磁気テープMTは常に一様な方向(テープエッジE2側の方向)に寄った状態で走行するので、例えばこの磁気テープMTを磁気ヘッド上に正確に摺動させることができる。
【0046】
次に、支持体4の材料にポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた磁気テープMTを所定の環境温度下で一定時間熱処理した実験例について説明する。図5は、磁気テープを熱処理した実験結果を示すグラフである。
【0047】
まず、図2に示すテープワインダ2を用いて、−90kPaの減圧下において、2m/sの低速の巻き取り速度で、磁気テープMTをテープリール10のハブ11に図9に示すような正しい巻き姿で巻き取る。
【0048】
続いて、磁気テープMTを巻き取ったテープリール10を、図4に示すような環境試験装置6の中に置き、磁気テープMTを所定の環境温度下で一定時間熱処理する。ここで、処理期間(日数)は、0日(熱処理せず)、1日、2日、3日の4つの場合に設定した。なお、磁気テープMTを熱処理する際の環境温度は、40℃と50度の2つの場合に設定した。
【0049】
次に、環境試験装置6で熱処理された磁気テープMTを、一般のドライブ装置によってテープリール10から一度巻き出した後、再びテープリール10に巻き直した。
【0050】
そして、テープリール10に巻き直された磁気テープMTの巻き姿を目視により評価する。磁気テープMTの巻き姿の評価は、磁気テープMTのテープエッジの凹凸を観察し、磁気テープMTの飛び出しが無かったものを「5」、0.05mm以下の微小な飛び出しがあったものを「4」、ハブ11側の1/3で0.2mm程度の飛び出しがあったものを「3」、0.3mm以上の飛び出しがあったものを「2」、0.3mm以上の飛び出しが3個所以上あったものを「1」とし、「3」以上の場合を合格とした。
【0051】
図5のグラフに示すように、40℃の環境温度で熱処理した磁気テープMTの評価は、処理日数が0日の場合は「1.8」、処理日数が1日の場合は「2.5」、処理日数が2日の場合は「3.2」、処理日数が3日の場合は「3.6」であった。このことから、磁気テープMTを40℃の環境温度で熱処理した場合は、少なくとも2日以上、好ましくは3日以上の処理日数が必要であることがわかる。
【0052】
また、図5のグラフに示すように、50℃の環境温度で熱処理した磁気テープMTの評価は、処理日数が0日の場合は「1.8」、処理日数が1日の場合は「2.9」、処理日数が2日の場合は「3.8」、処理日数が3日の場合は「4.2」であった。このことから、磁気テープMTを50℃の環境温度で熱処理した場合は、少なくとも1日以上、好ましくは2日以上の処理日数が必要であることがわかる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、磁気テープの巻き姿を、一定の巻き姿に保つことができる磁気テープの巻き姿改善処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気テープカートリッジ1の概略の構成を示す斜視図である。
【図2】テープワインダ2を概念的に示した正面図である。
【図3】磁気テープMTの一部分を拡大して示す断面図である。
【図4】環境試験装置6を示す斜視図である。
【図5】磁気テープを熱処理した実験結果を示すグラフである。
【図6】(a)は磁気テープMTをハブ41が傾斜して形成されているリール40に巻き取った状態を示す断面図であり、(b)は磁気テープMTを下フランジ51が内径側から外径側にかけて徐々に傾斜して形成されているリール50に下フランジ51側に寄せて巻き取った状態を示す断面図である。
【図7】磁気テープMTにテープエッジE1,E2が一様な方向(テープエッジE2側の方向)に湾曲する巻き癖をつけた状態を示す断面図である。
【図8】テープリール10の一例を示す斜視図である。
【図9】図8におけるA−A線断面図である。
【図10】図9に示すテープリール10において巻き乱れが生じた状態を示す断面図である。
【図11】従来の磁気テープの巻き姿改善処理方法を示す平面図であり、(a)はエンドレスベルト20を用いた方法を示し、(b)はタッチロール30を用いた方法を示す。
【符号の説明】
1 磁気テープカートリッジ
2 テープワインダ
3 パンケーキ
MT 磁気テープ
4 支持体
5 磁性層
6 環境試験装置
10 テープリール
11 ハブ
12 上フランジ
13 下フランジ

Claims (2)

  1. 磁気テープをテープリールのハブに所定量巻き取った後に、磁気テープをその磁気テープの支持体に用いられている材料のガラス転位温度直下の温度で所定時間熱処理して前記磁気テープに巻き癖をつけることを特徴とする磁気テープの巻き姿改善処理方法。
  2. 前記ガラス転位温度直下の温度が、ガラス転位温度よりも5〜10℃程度低い温度に設定されることを特徴とする請求項1に記載の磁気テープの巻き姿改善処理方法。
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