JP2004163615A - 現像ブレードの製造方法及び現像ブレード用金型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】現像ブレード1の現像ロールと接触するブレード本体2に、上記ブレード本体2の上記接触面とは反対側の端部から現像ブレード1の幅方向に突出するリブ部3を設けるとともに、インサート部材として金属板4が配置された金型のゲート16を、キャビティの、上記リブ部3に対応する部分に設けて、上記現像ブレード1をインサート成形するようにした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、レーザプリンタ等の複写機の現像装置に用いられる現像ブレードの製造方法と、現像ブレード用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真式の複写機やレーザプリンタ等の複写機においては、感光ドラム上に静電潜像を形成し、この静電潜像に現像装置によりトナーを付着させて可視化し、これを紙等の記憶媒体に転写して画像を形成するようにしている。
図6は、従来の現像装置の概要を示す図で、この現像装置50は、ハウンジング51の内部に現像剤であるトナー52を収容し、このトナー52を攪拌機53で攪拌しながら、トナー供給ロール54を介して、現像ロール55の表面に供給する。そして、現像ブレード20により上記現像ロール55の表面に供給されたトナー52を均一な薄層に規制するとともに、上記トナー52を摩擦帯電させ、この所定の層厚に規制され、かつ、摩擦帯電されたトナー52を、現像ロール55の回転に伴って感光ドラム56の上記現像ロール55と対向する現像領域へ搬送し、上記感光ドラム56の表面に形成された静電潜像上に付着させるように構成されている。
【0003】
図7は、従来の現像ブレードの一構成例を示す図で、この現像ブレード20は、一端が上記ハウンジング51に固定される支持部材である金属板21の他端側に、断面形状が凸状の、ウレタン、ゴム等の弾性体からなるブレード本体22を挟み込んだ長尺状の部材で、一般に、上記金属板21をインサート部材としたインサート成形によって製造される。具体的には、図8(a)に示すような、固定型31と可動型32とにより形成された、ブレード本体22を成形するための金型30のキャビティ33内に、図8(b)に示すようなインサート部材である金属板21の先端部分が突出するように、上記金属板21を上記金型30内に設置し、上記キャビティ33内に、図示しない射出装置から注入されるゴム材料または樹脂材料を、多数のゲート34から上記キャビティ33内に導入して固化させる、トランスファー成形により製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法では、成形材料が多数のゲート34からブレード本体22を形成するキャビティ33内に注入されるため、図9に示すように、成形されたブレード本体22のゲート34付近には、ブレード本体22の長さ方向に延長するウェルドと呼ばれる線状の凹凸22xが発生してしまう場合があった。このように、ブレード本体22の現像ロール55へ当接する部位にある一定レベル以上の大きさの凹凸22xが存在すると、現像ロール55との接触状態が悪くなってトナー52の厚みが不均一なるため、画像に縦筋が入ってしまい、画像不良が起こってしまうといった問題点があった。
そこで、図10に示すように、金型30のゲート34’をブレード本体22の両サイド部22s,22sにそれぞれ設ける方法も考えられるが、この場合には、ブレード本体22にゲート34’を直結させているため、図10(b)に示すように、ヒケ22yやバリが発生しやすいといった問題点があった。
【0005】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、現像ロールとの接触面にバリやヒケ、あるいは、ウェルドなどのない現像ブレードを製造する方法と、上記現像ブレードの射出成形に用いられる現像ブレード用金型を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ブレード本体にリブ部を設けて、ゲートをブレード本体側ではなく、上記リブ部に設けることにより、現像ロールとの接触面にバリやヒケ、あるいは、ウェルドのない現像ブレードを製造することが可能であることを見いだし、本発明に到ったものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、現像ブレードの現像ロールと接触するブレード本体に、上記ブレード本体の上記接触面とは反対側の端部から上記ブレードの幅方向(図3に示す現像ブレードの縦断面図の水平方向)に突出するリブ部が設けられた現像ブレードを製造する方法であって、上記現像ブレードを射出成形にて製造する際に、成形用金型の上記リブ部に対応する部分から、成形材料を上記金型内に注入して上記現像ブレードを製造するようにしたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の現像ブレードの製造方法において、上記金型内に金属板から成るインサート部材を配置して、上記現像ブレードをインサート成形により製造するようにしたものである。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、少なくとも1対の型部材を組合わせて成り、現像ブレードの現像ロールと接触するブレード本体に、上記ブレード本体の上記接触面とは反対側の端部から上記ブレードの幅方向に突出するリブ部を有する現像ブレードを射出成形するためのキャビティを備えた金型であって、上記金型のゲートを、上記キャビティの上記リブ部に対応する部分に設けたものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の現像ブレード用金型において、上記リブ部の厚みをブレード本体の厚みの20〜80%としたものである。
請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載の現像ブレード用金型において、上記リブ部の幅方向の長さをブレード本体の幅方向の長さの10〜200%としたものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項3〜請求項5のいずれかに記載の現像ブレード用金型において、上記金型内に、金属板から成るインサート部材を保持する手段を設け、インサート成形により、金属板の支持部材付きの現像ブレードを作製することができるようにしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。
図1は、本実施の形態に係わる現像ブレードの製造方法を示す図で、本例では、現像ブレード1として、現像ロールと接触するブレード本体2に、上記ブレード本体2の上記接触面とは反対側の端部から上記ブレード1の長さ方向に突出するリブ部3を設けたものを、支持部材である金属板4上に保持したものを、射出成形(インサート成形)により作製する。なお、同図において、4sは金属板4の位置決め穴、4kは取付穴である。
図2は、上記射出成形に用いる金型10の要部を示す断面図で、11は固定型、12は可動型、13は上記固定型11と可動型12により形成された、上記ブレード本体2とリブ部3とを成形するためのキャビティ、14はインサート部材である上記金属板4の上面を規制する上規制部材14aと、上記金属板4の位置決め穴4sに挿入される位置決めピン14bと、上記金属板4の下面を規制する下規制部材14cと、上記金属板4を上,下の規制部材14a,14b間に保持するためのバネ部材14dとを備えたインサート材保持手段、15は図示しない射出成形機から圧送される成形材料を上記キャビティ13内に導入するためのランナーで、16はゲートである。
【0009】
本例では、図1にも示すように、上記金型10のゲート16を、上記キャビティ13の、上記リブ部3に対応する部分の側面側に設けることにより、図示しない射出装置から注入される、ブレード本体2とリブ部3とを成形するための材料(例えば、シリコーンゴムなど)を、上記リブ部3の側面側から上記キャビティ13内に導入して固化して上記構成の現像ブレード1を成形するようにしている。このように、ゲート16をブレード本体2側にではなく、上記リブ部3側に設けることにより、現像ロールと接触するブレード本体2にはバリやヒケ、あるいは、ウェルドのない現像ブレード1を製造することができる。
【0010】
このとき、上記リブ部3の寸法としては、図3に示すように、厚みtをブレード本体2の厚みTの20〜80%とすることが好ましく、50%前後とすることが特に好ましい。上記厚みtがブレード本体2の厚みTの20%未満である場合には、キャビティ13のリブ部3に相当する部分が狭くなって、成形材料を十分にキャビティ13内に充填することができず、ブレード本体2にヒケやバリが発生しやすくなる。また、上記厚みtがブレード本体2の厚みTの80%を超えると、リブ部3とブレード本体2の厚みとの間の段差が小さくなるため、ブレード本体2のゲート16付近にウェルドが発生しやすい。
また、上記リブ部3の幅方向の長さlについては、ブレード本体2の幅方向の長さLの10〜200%とすることが好ましく、20%前後とすることが特に好ましい。上記長さlがブレード本体2の長さLの10%未満である場合には、ゲート16の位置とブレード本体2との位置が近すぎるので、ブレード本体2のゲート16付近にウェルドが発生しやすくなる。
【0011】
このように、本実施の形態によれば、現像ロールと接触するブレード本体2に、上記ブレード本体2の上記接触面とは反対側の端部から上記ブレード1の幅方向に突出するリブ部3を設けるとともに、インサート部材として金属板4が配置された金型10のゲート16を、キャビティ13の、上記リブ部3に対応する部分に設けてインサート成形することにより、現像ブレード1を成形するようにしたので、現像ロールとの接触面にバリやヒケ、あるいは、ウェルドなどのない現像ブレードを容易に製造することができる。
【0012】
なお、上記実施の形態では、リブ部3の側面側にゲート16を設けた場合について説明したが、ゲート位置はこれに限るものではなく、例えば、図4に示すように、リブ部3に対応する部分の裏面側に設けるなど、ブレード本体2側ではなくリブ部3側に設けられていればよい。
また、上記例では、ブレード本体2を金属板4上に保持した現像ブレード1について説明したが、これに限るものではない。例えば、上記図7に示した、ブレード本体22を金属板21に挟み込んだタイプのものであっても、図5に示すように、ブレード本体2Aに、ブレード本体2Aの裏面側から上記ブレード本体2Aの幅方向に突出するリブ部3Aを設け、金型の上記リブ部3Aに対応する箇所(ここでは、リブ部3Aの側面側とした)にゲート16を設けてインサート成形するようにすれば、上記実施の形態と同様に、現像ロールとの接触面にバリやヒケ、ウェルドなどのない現像ブレードを容易に製造することができる。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、現像ブレードの現像ロールと接触するブレード本体に、上記ブレード本体の上記接触面とは反対側の端部から上記ブレードの幅方向に突出するリブ部を設け、上記現像ブレードを射出成形にて製造する際には、現像ブレード成形用金型の上記リブ部に対応する部分から、成形材料を上記金型内に注入して上記現像ブレードを製造するようにしたので、現像ロールとの接触面にバリやヒケ、あるいは、ウェルドなどのない現像ブレードを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係わる現像ブレードの製造方法を示す図である。
【図2】本実施の形態に係わる現像ブレード用金型の要部断面図である。
【図3】本発明による現像ブレードの断面図である。
【図4】本発明による現像ブレードの製造方法の他の例を示す図である。
【図5】本発明による現像ブレードの製造方法の他の例を示す図である。
【図6】現像装置の概要を示す図である。
【図7】現像ブレードの一構成例を示す図である。
【図8】従来の現像ブレードの製造方法を示す図である。
【図9】ウェルドが発生したブレード本体の模式図である。
【図10】従来の現像ブレードの他の製造方法を示す図である。
【符号の説明】
1 現像ブレード、2 ブレード本体、3 リブ部、4 金属板、
4s 位置決め穴、4k 取付穴、10 金型、11 固定型、12 可動型、13 キャビティ、14 インサート材保持手段、14a 上規制部材、
14b 位置決めピン、14c 下規制部材、14d バネ部材、
15 ランナー、16 ゲート。
Claims (6)
- 現像ブレードの現像ロールと接触するブレード本体に、上記ブレード本体の上記接触面とは反対側の端部から上記ブレードの幅方向に突出するリブ部が設けられた現像ブレードを製造する方法であって、上記現像ブレードを射出成形にて製造する際に、成形用金型の上記リブ部に対応する部分から、成形材料を上記金型内に注入して上記現像ブレードを製造するようにしたことを特徴とする現像ブレードの製造方法。
- 上記金型内に、金属板から成るインサート部材を配置して、上記現像ブレードをインサート成形により製造することを特徴とする請求項1に記載の現像ブレードの製造方法。
- 少なくとも1対の型部材を組合わせて成り、現像ブレードの現像ロールと接触するブレード本体に、上記ブレード本体の上記接触面とは反対側の端部から上記ブレードの幅方向に突出するリブ部を有する現像ブレードを射出成形するためのキャビティを備えた金型であって、上記金型のゲートを、上記キャビティの上記リブ部に対応する部分に設けたことを特徴とする現像ブレード用金型。
- 上記リブ部の厚みをブレード本体の厚みの20〜80%としたことを特徴とする請求項3に記載の現像ブレード用金型。
- 上記リブ部の幅方向の長さを、ブレード本体の幅方向の長さの10〜200%としたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の現像ブレード用金型。
- 上記金型内に、金属板から成るインサート部材を保持する手段を設けたことを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれかに記載の現像ブレード用金型。
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