JP2004163567A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】着色粒子を使用した画像表示媒体を用いて、印加電圧の制御により粒子の移動を制御して濃度階調を行う場合でも、濃度むらや斑点状のディフェクトの発生を抑えることができる画像表示装置を提供する。
【解決手段】画像表示媒体は表示基板と背面基板との間に正に帯電された黒粒子、負に帯電された白粒子が封入された構成であり、表示基板側に正の電圧を印加することにより白粒子を表示基板側へ移動させることができ、負の電圧を印加することにより黒粒子を表示基板側へ移動させることができる。白表示状態から薄いグレーを表示する場合には、低濃度領域50の印加電圧を表示基板側に電圧を印加するのではなく、一旦高濃度領域52の印加電圧を印加して黒色の高濃度表示を行った後、黒色の低濃度表示に対応した量の白粒子が表示基板側に移動するように低濃度領域42の印加電圧を印加する。
【選択図】 図2
【解決手段】画像表示媒体は表示基板と背面基板との間に正に帯電された黒粒子、負に帯電された白粒子が封入された構成であり、表示基板側に正の電圧を印加することにより白粒子を表示基板側へ移動させることができ、負の電圧を印加することにより黒粒子を表示基板側へ移動させることができる。白表示状態から薄いグレーを表示する場合には、低濃度領域50の印加電圧を表示基板側に電圧を印加するのではなく、一旦高濃度領域52の印加電圧を印加して黒色の高濃度表示を行った後、黒色の低濃度表示に対応した量の白粒子が表示基板側に移動するように低濃度領域42の印加電圧を印加する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示装置に係り、特に、電界によって着色粒子を駆動することにより繰り返し書き換えが可能な画像表示媒体を用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、所謂電子ペーパーと言われる繰り返し書き換えが可能なメモリー性のある画像表示技術として、着色粒子の回転(Twisting Ball Display)、電気泳動、サーマルリライタブル、メモリ性を有する液晶、エレクトロクロミー等の技術が知られている。
【0003】
このような技術の中で、粒子(トナー)を用いて表示する画像表示媒体として、異なる極性に帯電された黒色粒子と白色粒子とが対向するシート間に封入された画像表示媒体が提案されている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。このような画像表示媒体は、シート間に電界を形成させて粒子を移動させることにより、黒色粒子と白色粒子とのコントラストとして画像を表示させる。
【0004】
このような画像表示媒体において階調画像を表示する方法としては、複数のセル群で一つの画素を構成し、セル群内の白表示面積と黒表示面積との比によって階調を表現する面積階調方法と、一つのセルで一つの画素を構成し、印加電圧を制御して粒子の移動を制御することにより各画素毎に階調を表現する濃度階調方法とがある。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−33833号公報
【特許文献2】
特開2001−312225号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前者の方法では、各セルは全面黒表示か全面白表示の2値駆動であるため表示ノイズの少ない階調画像を形成できるが、複数のセル群で一つの画素を構成するため必然的に表示解像度の低下を招いてしまう。これに対し後者の方法では、各画素毎に階調をとるため解像度は低下しないが、中間濃度を表示する際に表示ノイズが発生しやすい、という問題があった。
【0007】
特に、白表示状態から低濃度表示(薄いグレーの表示)を行う場合や、黒表示状態から高濃度表示(濃いグレーの表示)を行う場合に、濃度むらや斑点状のディフェクトが発生しやすい。例えば、正に帯電した黒色粒子と負に帯電した白色粒子が表示基板と背面基板との間に封入された画像表示媒体の表示特性、すなわち印加電圧値と表示濃度との関係が図2に示すような関係であり、印加電圧値によって階調を制御する場合には、図2に示したように、印加電圧値(の絶対値)が低いときに、濃度むらや斑点状のディフェクトの発生が顕著となる。これは、絶対値が低い電圧値で表示駆動した領域であり、移動しやすい少数の粒子が絶対値が低い印加電圧によって飛翔して移動した際に、その粒子の衝突の影響を受けた本来その印加電圧では移動しない粒子群が移動してしまうためであると考えられる。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みて成されたものであり、着色粒子を使用した画像表示媒体を用いて、印加電圧の制御により粒子の移動を制御して濃度階調を行う場合でも、濃度むらや斑点状のディフェクトの発生を抑えることができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、少なくとも透光性を有する表示基板と、前記表示基板と対向する背面基板と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に印加された電圧により形成された電界により前記基板間を移動可能に封入された色及び帯電特性が異なる複数種類の粒子群と、を備えた画像表示媒体と、前記複数種類の粒子群のうち第1の粒子群と前記第1の粒子群と異なる種類の第2の粒子群とによる表示を行う場合であって、前記第1の粒子群の色の予め定めた低濃度範囲の表示を行う場合、前記第1の粒子群の色の予め定めた高濃度範囲の表示に対応した量の前記第1の粒子群が前記表示基板側に移動するように前記基板間に電圧を印加した後に、前記低濃度範囲の表示に対応した量の前記第2の粒子群が前記表示基板側に移動するように前記基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、画像表示媒体を構成する表示基板と背面基板との間には、色及び帯電特性が異なる複数種類の粒子群が封入されている。これらの粒子群は、表示基板と背面基板との基板間に印加された電圧により形成された電界により基板間を移動可能となっている。各々の粒子群は帯電特性が異なるため、印加電圧を制御することにより表示させたい画像に応じて各々の粒子群を表示基板側又は背面基板側に移動させることができ、異なる種類の粒子のコントラストにより画像を表示することが可能となる。
【0011】
なお、表示基板は、透光性を有しており、例えば透明、半透明、有色透明の何れかであるガラス基板や絶縁性の樹脂等の誘電体等で構成することができる。また、粒子は絶縁性の粒子や導電性の粒子を用いることができる。また、表示基板と背面基板との基板間に電界を形成するための電極は、表示基板及び背面基板の対向面に各々設けてもよいし、表示基板及び背面基板の対向面と反対側の面、すなわち外側の面に各々設けてもよいし、基板の中に各々設けてもよいし、表示基板及び背面基板の外側に別個独立に各々設けてもよい。
【0012】
電圧印加手段は、複数種類の粒子群のうち第1の粒子群と前記第1の粒子群と異なる種類の第2の粒子群とによる表示を行う場合、すなわち色及び帯電特性が異なる第1の粒子群の色と第2の粒子群の色とのコントラストにより所定の色を表示する場合であって、第1の粒子群の色の予め定めた低濃度範囲の表示を行う場合には、まず第1の粒子群の色の予め定めた高濃度範囲の表示に対応した量の第1の粒子群が表示基板側に移動するように基板間に電圧を印加する。
【0013】
なお、請求項4に記載したように、前記電圧印加手段は、前記基板間に印加する電圧の大きさ、印加時間、印加回数の少なくとも1つを制御することにより濃度制御することができる。すなわち、例えば基板間に印加する電圧の印加時間を一定にして印加電圧値を変えることにより粒子の移動量を制御して濃度を調整することもできるし、基板間に印加する電圧を一定にして印加時間を変えることにより粒子の移動量を制御して濃度を調整することもできるし、基板間に印加する電圧を一定にすると共に電圧印加1回当たりの印加時間を一定にして印加回数を変えることにより粒子の移動量を制御して濃度を調整することもできる。また、前記基板間に印加する電圧の大きさ、印加時間、印加回数のうちの2つ、あるいは全てを同時に制御して濃度を調整することもできる。
【0014】
第1の粒子群の色を低濃度で表示する場合には、表示基板側に第1の粒子群よりも第2の粒子群の方が多く配置される必要があり、例えばもともと表示基板側に第2の粒子群が全て配置されているような場合には、例えば比較的小さい印加電圧を基板間に印加して少量の第1の粒子群を表示基板側へ移動させることで第1の粒子群の色の低濃度表示が本来可能なはずである。しかしながら、前述したように印加電圧が小さいと濃度むらなどが発生する場合があるため、電圧印加手段は、まず第1の粒子群の色の高濃度表示が行われるように、基板間に電圧を印加する。これにより、表示基板側には、第1の粒子群が第2の粒子群よりも多く配置され、第1の粒子群の色が高濃度で表示されることとなる。
【0015】
そして、その後で、第1の粒子群の色の低濃度範囲の表示に対応した量の第2の粒子群が表示基板側に移動するように基板間に電圧を印加する。この場合、第1の粒子群が予め表示基板側に多く配置されているため、例えば比較的大きな印加電圧を印加することにより、多くの第2の粒子群を表示基板側へ移動させる。このように、第1の粒子群の色の低濃度表示を行う場合には、一旦第1の粒子群の高濃度表示を行い、その後に例えば比較的大きな電圧を基板間に印加して多くの第2の粒子群を表示基板側へ移動させるため、濃度むら等の発生を抑制することができる。
【0016】
また、請求項2に記載したように、前記高濃度範囲及び前記低濃度範囲は、予め定めた濃度範囲の中間濃度を境に区分することができる。これにより、画像書き換えを多数行うこと等によって粒子の駆動特性が変化し、濃度むらや斑点状のディフェクトが発生する領域が変化した場合でも、濃度むらや斑点状のディフェクトを抑制することが可能となる。
【0017】
また、請求項3に記載したように、前記電圧印加手段は、前記第1の粒子群の色の予め定めた低濃度範囲の表示を行う場合、前記第1の粒子群が全て前記表示基板側に移動するように前記基板間に電圧を印加した後に、前記低濃度範囲の表示に対応した量の前記第2の粒子群が前記表示基板側に移動するように前記基板間に電圧を印加するようにしてもよい。
【0018】
このように、予め全ての第1の粒子群を表示基板側に移動させた後に、低濃度範囲の表示に対応した量の第2の粒子群が表示基板側に移動するように電圧印加を制御することにより、画像書き換え前の表示状態を一定にすることができ、より濃度むらを改善することができる。
【0019】
なお、前記第1の粒子群が全て前記表示基板側に移動するような電圧とは、必ずしも前記第1の粒子群が全て前記表示基板側に移動する電圧でなくてもよい。例えば図2に示したように、印加電圧の絶対値を大きくしていくと、ある程度の電圧(図2においては±300V程度)よりも大きくなると表示濃度がほとんど変化しなくなる。このような印加電圧に対して表示濃度が飽和した状態であれば、前記第1の粒子群が全て前記表示基板側に移動した状態とほぼ同等の効果が得られる。従って、前記第1の粒子群が全て前記表示基板側に移動するような電圧とは、実質的に全ての前記第1の粒子群が前記表示基板側に移動する電圧であればよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
図1には、本実施の形態に係る画像表示装置10を示した。画像表示装置10は、画像表示媒体12及び電圧印加装置13で構成されている。なお、本実施の形態では、一つのセルで一つの画素を構成し、印加電圧を制御して粒子の移動を制御することにより各画素毎に階調を表現する濃度階調方法を採用した場合について説明する。
【0022】
画像表示媒体12は、画像表示側である表示基板14と、当該表示基板14と対向し所定間隙を隔てて配置される背面基板16とを備えている。
【0023】
表示基板14は、透明な基板18、表示側電極20、及び絶縁層22で構成されている。なお、透明な基板18及び表示側電極20は所謂ITO基板等を用いて構成することができ、絶縁層22は例えばポリカーボネート等で構成される。
【0024】
同様に、背面基板16は、基板24、背面側電極26、及び絶縁層28で構成されている。なお、基板24及び背面側電極26は所謂ITO基板等を用いて構成することができ、絶縁層28は例えばポリカーボネート等で構成される。
【0025】
なお、本実施の形態では、説明の簡略化のために、図1では画像表示媒体12の1画素分について示した。また、駆動方式は所謂アクティブマトリクス方式でもよいし、パッシブマトリクス(単純マトリクス)方式の何れを採用してもよい。
【0026】
また、表示側電極20及び背面側電極26は、図1に示すように表示基板14及び背面基板16の中に配置されていてもよいが、表示基板14及び背面基板16の対向する側の面と反対側の面に形成されていてもよく、表示基板14及び背面基板16の外側に別個独立に配置されていてもよい。
【0027】
表示基板14と背面基板16との間には、互いに帯電特性の異なる粒子群であって、一例として正に帯電した黒粒子30と負に帯電した白粒子32とが封入されている。
【0028】
また、表示基板14と背面基板16との間には例えばシリコンシート等で構成された間隙部材34が設けられ、これにより表示基板14と背面基板16との間が一定間隔に保たれる。
【0029】
電圧印加装置13は表示側電極20に接続されており、背面側電極26は接地されている。このため、電圧印加装置13が粒子が移動開始する電圧以上の正の所定電圧を表示側電極20に印加すると、基板間に形成された電界によって、表示基板14側の正に帯電した黒粒子30は背面基板16側へ移動し、背面基板16側の負に帯電した白粒子32は表示基板14側へ移動する。一方、電圧印加装置13が粒子が移動開始する電圧以下の負の電圧を印加すると、基板間に形成された電界によって、表示基板14側の負に帯電した白粒子32は背面基板16側へ移動し、背面基板16側の正に帯電した黒粒子30は表示基板14側へ移動する。電圧印加装置13は、画像情報に応じて印加電圧の大きさを制御することにより粒子の移動量を制御し、濃度階調を制御することができる。
【0030】
なお、黒粒子30が本発明の第1の粒子群に相当し、白粒子32が本発明の第2の粒子群に相当し、電圧印加装置13が本発明の電圧印加手段に相当する。
【0031】
次に、本実施の形態の作用として、電圧印加装置13による電圧印加方法について説明する。
【0032】
画像表示媒体12の濃度特性、すなわち表示側電極20に印加する印加電圧と表示濃度(黒粒子30の濃度)との関係は図2に示すような関係である。
【0033】
例えば黒表示状態、すなわちほとんどの黒粒子30が表示基板14側に位置し、ほとんどの白粒子32が背面基板16側に位置している状態から表示側電極20に正の電圧を印加すると、印加電圧の大きさに応じた量の黒粒子30が背面基板16側へ移動すると共に、印加電圧の大きさに応じた量の白粒子32が表示基板14側へ移動する。すなわち、印加時間を一定にして印加電圧の大きさを変えることにより濃度階調を制御することが可能である。
【0034】
また、図2に示すように、黒表示状態において点線で囲まれた高濃度領域(黒粒子30の高濃度領域)40の印加電圧(例えば+100V)を表示側電極20に印加した場合には、黒表示状態から濃いグレー表示となるが、濃度むらや斑点模様が発生してしまう。これは、低い電圧値で駆動すると、移動しやすい少数の粒子が低い印加電圧によって飛翔して移動した際に、その粒子の衝突の影響を受けた本来その印加電圧では移動しない粒子群が移動してしまうためであると考えられる。
【0035】
一方、実線で囲まれた低濃度領域(黒粒子30の低濃度領域)42の印加電圧(例えば+200V)を表示側電極20に印加した場合には、黒表示状態から薄いグレー表示となるが、濃度むらや斑点模様は発生せず均一な表示となる。これは、ある程度印加電圧(の絶対値)が高くなると多くの粒子が移動するため、その衝突の影響は表示領域全体に及ぶためと考えられる。
【0036】
同様に、白表示状態、すなわちほとんどの白粒子32が表示基板14側に位置し、ほとんどの黒粒子30が背面基板16側に位置している状態から表示側電極20に負の電圧を印加すると、印加電圧の大きさに応じた量の白粒子32が背面基板16側へ移動すると共に、印加電圧の大きさに応じた量の黒粒子30が表示基板14側へ移動する。
【0037】
図2に示すように、白表示状態において点線で囲まれた低濃度領域(黒粒子30の低濃度領域)50の印加電圧(例えば−100V)を表示側電極20に印加した場合には、白表示状態から薄いグレー表示となるが、濃度むらや斑点模様が発生してしまう。一方、実線で囲まれた高濃度領域(黒粒子30の高濃度領域)52の印加電圧(例えば−300V)を表示側電極20に印加した場合には、白表示状態から濃いグレー表示となるが、濃度むらや斑点模様は発生せず均一な表示となる。
【0038】
従って、電圧印加装置13は、例えば白表示状態から薄いグレーを表示する場合、すなわち黒色の低濃度の表示を行う場合には、低濃度領域50の電圧を表示側電極20に印加するのではなく、一旦高濃度領域52の電圧を印加して黒色の高濃度の表示を行う。そして、その後に、黒色の低濃度の表示に対応した量の白粒子32が表示基板14側に移動するように低濃度領域42の電圧を印加する。これにより、濃度むらや斑点模様の発生を抑えることができ、均一な薄いグレー表示を行うことができる。なお、一旦高濃度領域52の電圧を印加して黒色の高濃度の表示を行う際には、ほとんどの黒粒子30が表示基板14側に位置するような電圧(例えば−300V以下の電圧)を表示側電極20に印加することが好ましい。このように画像書き換え前の状態を一定の状態にすることにより、より濃度むら等を抑えることができる。
【0039】
同様に、黒表示状態から濃いグレーを表示する場合、すなわち黒色の高濃度(白色の低濃度)の表示を行う場合には、高濃度領域40の電圧を表示側電極20に印加するのではなく、一旦低濃度領域(白色の高濃度領域)42の電圧を印加して黒色の低濃度(白色の高濃度)の表示を行った後に、黒色の高濃度の表示に対応した量の黒粒子30が表示基板14側に移動するように高濃度領域(白色の低濃度領域)52の電圧を印加する。これにより、濃度むらや斑点模様の発生を抑えることができ、均一な濃いグレー表示を行うことができる。なお、一旦低濃度領域42の電圧を印加して黒色の低濃度の表示を行う際には、ほとんどの白粒子32が表示基板14側に位置するような電圧(例えば300V以上の電圧)を表示側電極20に印加することが好ましい。このように画像書き換え前の状態を一定の状態にすることにより、より濃度むら等を抑えることができる。
【0040】
なお、高濃度領域及び低濃度領域は、表示濃度範囲の中間濃度(例えば1.0)を境に高い方を高濃度領域、低い方を低濃度領域としてもよい。これにより、画像書き換えを多数行うこと等によって粒子の駆動特性が変化し、濃度むらや斑点状のディフェクトが発生する領域が変化した場合でも、濃度むらや斑点状のディフェクトを抑制することが可能となる。
【0041】
また、本実施の形態では、印加電圧の大きさを変えることにより濃度階調を行う場合について説明したが、これに限らず、印加電圧の時間を変えることにより濃度階調を行うことも可能である。
【0042】
図3には、基板間に印加するパルス電圧の印加時間と表示濃度との関係を示した。図3に示すように、印加電圧を一定(例えば+200V又は−200V)にしてパルス電圧の印加時間を変えることによっても上記と同様のことがいえることがわかる。
【0043】
従って、この場合、電圧印加装置13は、例えば白表示状態から薄いグレーを表示する場合、すなわち黒色の低濃度の表示を行う場合には、低濃度領域50の印加時間で表示側電極20に電圧を印加するのではなく、一旦高濃度領域52の印加時間で電圧(例えば−200V)を印加して黒色の高濃度の表示を行う。そして、その後に、黒色の低濃度の表示に対応した量の白粒子32が表示基板14側に移動するように低濃度領域42の印加時間で電圧(例えば+200V)を印加する。これにより、濃度むらや斑点模様の発生を抑えることができ、均一な薄いグレー表示を行うことができる。
【0044】
同様に、黒表示状態から濃いグレーを表示する場合、すなわち黒色の高濃度の表示を行う場合には、高濃度領域40の印加時間で表示側電極20に電圧を印加するのではなく、一旦低濃度領域42の印加時間で電圧(例えば+200V)を印加して黒色の低濃度の表示を行った後に、黒色の高濃度の表示に対応した量の黒粒子30が表示基板14側に移動するように高濃度領域52の印加時間で電圧(例えば−200V)を印加する。これにより、濃度むらや斑点模様の発生を抑えることができ、均一な濃いグレー表示を行うことができる。
【0045】
また、印加電圧の印加回数を変えることにより濃度階調を行うことも可能である。
【0046】
図4には、基板間に印加するパルス電圧の印加回数と表示濃度との関係を示した。図4に示すように、印加電圧を一定(例えば+200V又は−200V)にすると共に印加時間を一定(例えば2msec)にしてパルス電圧の印加回数を変えることによっても上記と同様のことがいえることがわかる。
【0047】
従って、この場合、電圧印加装置13は、例えば白表示状態から薄いグレーを表示する場合、すなわち黒色の低濃度の表示を行う場合には、低濃度領域50の印加回数で表示側電極20に電圧を印加するのではなく、一旦高濃度領域52の印加回数で一定電圧を一定時間印加して黒色の高濃度の表示を行う。そして、その後に、黒色の低濃度の表示に対応した量の白粒子32が表示基板14側に移動するように低濃度領域42の印加回数で一定電圧を一定時間印加する。これにより、濃度むらや斑点模様の発生を抑えることができ、均一な薄いグレー表示を行うことができる。
【0048】
同様に、黒表示状態から濃いグレーを表示する場合、すなわち黒色の高濃度の表示を行う場合には、高濃度領域40の印加回数で表示側電極20に電圧を印加するのではなく、一旦低濃度領域42の印加回数で一定電圧を一定時間印加して黒色の低濃度の表示を行った後に、黒色の高濃度の表示に対応した量の黒粒子30が表示基板14側に移動するように高濃度領域52の印加回数で一定電圧を一定時間印加する。これにより、濃度むらや斑点模様の発生を抑えることができ、均一な濃いグレー表示を行うことができる。
【0049】
また、本実施の形態では、黒色及び白色の粒子を用いた場合について説明したが、これに限らず、他の色の粒子の組み合わせにおいても本発明を適用可能であることはいうまでもない。
【0050】
また、本実施の形態では、表示基板及び背面基板に電極を備え、この電極間に電圧を印加する構成について説明したが、これに限らず、電極ヘッドを表示基板に近接させると共に背面基板に電極を近接させ、電極ヘッドを所定方向へ移動させながら基板間に電圧を印加して電界を形成するようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、着色粒子を使用した画像表示媒体を用いて、印加電圧の制御により粒子の移動を制御して濃度階調を行う場合でも、濃度むらや斑点状のディフェクトの発生を抑えることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】画像表示媒体の表示側電極に印加する印加電圧と表示濃度との関係を示す線図である。
【図3】画像表示媒体の表示側電極に印加する印加電圧の時間と表示濃度との関係を示す線図である。
【図4】画像表示媒体の表示側電極に印加する印加電圧の印加回数と表示濃度との関係を示す線図である。
【符号の説明】
10 画像表示装置
12 画像表示媒体
13 電圧印加装置
14 表示基板
16 背面基板
18、24 基板
20 表示側電極
22、28 絶縁層
26 背面側電極
30 黒粒子
32 白粒子
34 間隙部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示装置に係り、特に、電界によって着色粒子を駆動することにより繰り返し書き換えが可能な画像表示媒体を用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、所謂電子ペーパーと言われる繰り返し書き換えが可能なメモリー性のある画像表示技術として、着色粒子の回転(Twisting Ball Display)、電気泳動、サーマルリライタブル、メモリ性を有する液晶、エレクトロクロミー等の技術が知られている。
【0003】
このような技術の中で、粒子(トナー)を用いて表示する画像表示媒体として、異なる極性に帯電された黒色粒子と白色粒子とが対向するシート間に封入された画像表示媒体が提案されている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。このような画像表示媒体は、シート間に電界を形成させて粒子を移動させることにより、黒色粒子と白色粒子とのコントラストとして画像を表示させる。
【0004】
このような画像表示媒体において階調画像を表示する方法としては、複数のセル群で一つの画素を構成し、セル群内の白表示面積と黒表示面積との比によって階調を表現する面積階調方法と、一つのセルで一つの画素を構成し、印加電圧を制御して粒子の移動を制御することにより各画素毎に階調を表現する濃度階調方法とがある。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−33833号公報
【特許文献2】
特開2001−312225号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前者の方法では、各セルは全面黒表示か全面白表示の2値駆動であるため表示ノイズの少ない階調画像を形成できるが、複数のセル群で一つの画素を構成するため必然的に表示解像度の低下を招いてしまう。これに対し後者の方法では、各画素毎に階調をとるため解像度は低下しないが、中間濃度を表示する際に表示ノイズが発生しやすい、という問題があった。
【0007】
特に、白表示状態から低濃度表示(薄いグレーの表示)を行う場合や、黒表示状態から高濃度表示(濃いグレーの表示)を行う場合に、濃度むらや斑点状のディフェクトが発生しやすい。例えば、正に帯電した黒色粒子と負に帯電した白色粒子が表示基板と背面基板との間に封入された画像表示媒体の表示特性、すなわち印加電圧値と表示濃度との関係が図2に示すような関係であり、印加電圧値によって階調を制御する場合には、図2に示したように、印加電圧値(の絶対値)が低いときに、濃度むらや斑点状のディフェクトの発生が顕著となる。これは、絶対値が低い電圧値で表示駆動した領域であり、移動しやすい少数の粒子が絶対値が低い印加電圧によって飛翔して移動した際に、その粒子の衝突の影響を受けた本来その印加電圧では移動しない粒子群が移動してしまうためであると考えられる。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みて成されたものであり、着色粒子を使用した画像表示媒体を用いて、印加電圧の制御により粒子の移動を制御して濃度階調を行う場合でも、濃度むらや斑点状のディフェクトの発生を抑えることができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、少なくとも透光性を有する表示基板と、前記表示基板と対向する背面基板と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に印加された電圧により形成された電界により前記基板間を移動可能に封入された色及び帯電特性が異なる複数種類の粒子群と、を備えた画像表示媒体と、前記複数種類の粒子群のうち第1の粒子群と前記第1の粒子群と異なる種類の第2の粒子群とによる表示を行う場合であって、前記第1の粒子群の色の予め定めた低濃度範囲の表示を行う場合、前記第1の粒子群の色の予め定めた高濃度範囲の表示に対応した量の前記第1の粒子群が前記表示基板側に移動するように前記基板間に電圧を印加した後に、前記低濃度範囲の表示に対応した量の前記第2の粒子群が前記表示基板側に移動するように前記基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、画像表示媒体を構成する表示基板と背面基板との間には、色及び帯電特性が異なる複数種類の粒子群が封入されている。これらの粒子群は、表示基板と背面基板との基板間に印加された電圧により形成された電界により基板間を移動可能となっている。各々の粒子群は帯電特性が異なるため、印加電圧を制御することにより表示させたい画像に応じて各々の粒子群を表示基板側又は背面基板側に移動させることができ、異なる種類の粒子のコントラストにより画像を表示することが可能となる。
【0011】
なお、表示基板は、透光性を有しており、例えば透明、半透明、有色透明の何れかであるガラス基板や絶縁性の樹脂等の誘電体等で構成することができる。また、粒子は絶縁性の粒子や導電性の粒子を用いることができる。また、表示基板と背面基板との基板間に電界を形成するための電極は、表示基板及び背面基板の対向面に各々設けてもよいし、表示基板及び背面基板の対向面と反対側の面、すなわち外側の面に各々設けてもよいし、基板の中に各々設けてもよいし、表示基板及び背面基板の外側に別個独立に各々設けてもよい。
【0012】
電圧印加手段は、複数種類の粒子群のうち第1の粒子群と前記第1の粒子群と異なる種類の第2の粒子群とによる表示を行う場合、すなわち色及び帯電特性が異なる第1の粒子群の色と第2の粒子群の色とのコントラストにより所定の色を表示する場合であって、第1の粒子群の色の予め定めた低濃度範囲の表示を行う場合には、まず第1の粒子群の色の予め定めた高濃度範囲の表示に対応した量の第1の粒子群が表示基板側に移動するように基板間に電圧を印加する。
【0013】
なお、請求項4に記載したように、前記電圧印加手段は、前記基板間に印加する電圧の大きさ、印加時間、印加回数の少なくとも1つを制御することにより濃度制御することができる。すなわち、例えば基板間に印加する電圧の印加時間を一定にして印加電圧値を変えることにより粒子の移動量を制御して濃度を調整することもできるし、基板間に印加する電圧を一定にして印加時間を変えることにより粒子の移動量を制御して濃度を調整することもできるし、基板間に印加する電圧を一定にすると共に電圧印加1回当たりの印加時間を一定にして印加回数を変えることにより粒子の移動量を制御して濃度を調整することもできる。また、前記基板間に印加する電圧の大きさ、印加時間、印加回数のうちの2つ、あるいは全てを同時に制御して濃度を調整することもできる。
【0014】
第1の粒子群の色を低濃度で表示する場合には、表示基板側に第1の粒子群よりも第2の粒子群の方が多く配置される必要があり、例えばもともと表示基板側に第2の粒子群が全て配置されているような場合には、例えば比較的小さい印加電圧を基板間に印加して少量の第1の粒子群を表示基板側へ移動させることで第1の粒子群の色の低濃度表示が本来可能なはずである。しかしながら、前述したように印加電圧が小さいと濃度むらなどが発生する場合があるため、電圧印加手段は、まず第1の粒子群の色の高濃度表示が行われるように、基板間に電圧を印加する。これにより、表示基板側には、第1の粒子群が第2の粒子群よりも多く配置され、第1の粒子群の色が高濃度で表示されることとなる。
【0015】
そして、その後で、第1の粒子群の色の低濃度範囲の表示に対応した量の第2の粒子群が表示基板側に移動するように基板間に電圧を印加する。この場合、第1の粒子群が予め表示基板側に多く配置されているため、例えば比較的大きな印加電圧を印加することにより、多くの第2の粒子群を表示基板側へ移動させる。このように、第1の粒子群の色の低濃度表示を行う場合には、一旦第1の粒子群の高濃度表示を行い、その後に例えば比較的大きな電圧を基板間に印加して多くの第2の粒子群を表示基板側へ移動させるため、濃度むら等の発生を抑制することができる。
【0016】
また、請求項2に記載したように、前記高濃度範囲及び前記低濃度範囲は、予め定めた濃度範囲の中間濃度を境に区分することができる。これにより、画像書き換えを多数行うこと等によって粒子の駆動特性が変化し、濃度むらや斑点状のディフェクトが発生する領域が変化した場合でも、濃度むらや斑点状のディフェクトを抑制することが可能となる。
【0017】
また、請求項3に記載したように、前記電圧印加手段は、前記第1の粒子群の色の予め定めた低濃度範囲の表示を行う場合、前記第1の粒子群が全て前記表示基板側に移動するように前記基板間に電圧を印加した後に、前記低濃度範囲の表示に対応した量の前記第2の粒子群が前記表示基板側に移動するように前記基板間に電圧を印加するようにしてもよい。
【0018】
このように、予め全ての第1の粒子群を表示基板側に移動させた後に、低濃度範囲の表示に対応した量の第2の粒子群が表示基板側に移動するように電圧印加を制御することにより、画像書き換え前の表示状態を一定にすることができ、より濃度むらを改善することができる。
【0019】
なお、前記第1の粒子群が全て前記表示基板側に移動するような電圧とは、必ずしも前記第1の粒子群が全て前記表示基板側に移動する電圧でなくてもよい。例えば図2に示したように、印加電圧の絶対値を大きくしていくと、ある程度の電圧(図2においては±300V程度)よりも大きくなると表示濃度がほとんど変化しなくなる。このような印加電圧に対して表示濃度が飽和した状態であれば、前記第1の粒子群が全て前記表示基板側に移動した状態とほぼ同等の効果が得られる。従って、前記第1の粒子群が全て前記表示基板側に移動するような電圧とは、実質的に全ての前記第1の粒子群が前記表示基板側に移動する電圧であればよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
図1には、本実施の形態に係る画像表示装置10を示した。画像表示装置10は、画像表示媒体12及び電圧印加装置13で構成されている。なお、本実施の形態では、一つのセルで一つの画素を構成し、印加電圧を制御して粒子の移動を制御することにより各画素毎に階調を表現する濃度階調方法を採用した場合について説明する。
【0022】
画像表示媒体12は、画像表示側である表示基板14と、当該表示基板14と対向し所定間隙を隔てて配置される背面基板16とを備えている。
【0023】
表示基板14は、透明な基板18、表示側電極20、及び絶縁層22で構成されている。なお、透明な基板18及び表示側電極20は所謂ITO基板等を用いて構成することができ、絶縁層22は例えばポリカーボネート等で構成される。
【0024】
同様に、背面基板16は、基板24、背面側電極26、及び絶縁層28で構成されている。なお、基板24及び背面側電極26は所謂ITO基板等を用いて構成することができ、絶縁層28は例えばポリカーボネート等で構成される。
【0025】
なお、本実施の形態では、説明の簡略化のために、図1では画像表示媒体12の1画素分について示した。また、駆動方式は所謂アクティブマトリクス方式でもよいし、パッシブマトリクス(単純マトリクス)方式の何れを採用してもよい。
【0026】
また、表示側電極20及び背面側電極26は、図1に示すように表示基板14及び背面基板16の中に配置されていてもよいが、表示基板14及び背面基板16の対向する側の面と反対側の面に形成されていてもよく、表示基板14及び背面基板16の外側に別個独立に配置されていてもよい。
【0027】
表示基板14と背面基板16との間には、互いに帯電特性の異なる粒子群であって、一例として正に帯電した黒粒子30と負に帯電した白粒子32とが封入されている。
【0028】
また、表示基板14と背面基板16との間には例えばシリコンシート等で構成された間隙部材34が設けられ、これにより表示基板14と背面基板16との間が一定間隔に保たれる。
【0029】
電圧印加装置13は表示側電極20に接続されており、背面側電極26は接地されている。このため、電圧印加装置13が粒子が移動開始する電圧以上の正の所定電圧を表示側電極20に印加すると、基板間に形成された電界によって、表示基板14側の正に帯電した黒粒子30は背面基板16側へ移動し、背面基板16側の負に帯電した白粒子32は表示基板14側へ移動する。一方、電圧印加装置13が粒子が移動開始する電圧以下の負の電圧を印加すると、基板間に形成された電界によって、表示基板14側の負に帯電した白粒子32は背面基板16側へ移動し、背面基板16側の正に帯電した黒粒子30は表示基板14側へ移動する。電圧印加装置13は、画像情報に応じて印加電圧の大きさを制御することにより粒子の移動量を制御し、濃度階調を制御することができる。
【0030】
なお、黒粒子30が本発明の第1の粒子群に相当し、白粒子32が本発明の第2の粒子群に相当し、電圧印加装置13が本発明の電圧印加手段に相当する。
【0031】
次に、本実施の形態の作用として、電圧印加装置13による電圧印加方法について説明する。
【0032】
画像表示媒体12の濃度特性、すなわち表示側電極20に印加する印加電圧と表示濃度(黒粒子30の濃度)との関係は図2に示すような関係である。
【0033】
例えば黒表示状態、すなわちほとんどの黒粒子30が表示基板14側に位置し、ほとんどの白粒子32が背面基板16側に位置している状態から表示側電極20に正の電圧を印加すると、印加電圧の大きさに応じた量の黒粒子30が背面基板16側へ移動すると共に、印加電圧の大きさに応じた量の白粒子32が表示基板14側へ移動する。すなわち、印加時間を一定にして印加電圧の大きさを変えることにより濃度階調を制御することが可能である。
【0034】
また、図2に示すように、黒表示状態において点線で囲まれた高濃度領域(黒粒子30の高濃度領域)40の印加電圧(例えば+100V)を表示側電極20に印加した場合には、黒表示状態から濃いグレー表示となるが、濃度むらや斑点模様が発生してしまう。これは、低い電圧値で駆動すると、移動しやすい少数の粒子が低い印加電圧によって飛翔して移動した際に、その粒子の衝突の影響を受けた本来その印加電圧では移動しない粒子群が移動してしまうためであると考えられる。
【0035】
一方、実線で囲まれた低濃度領域(黒粒子30の低濃度領域)42の印加電圧(例えば+200V)を表示側電極20に印加した場合には、黒表示状態から薄いグレー表示となるが、濃度むらや斑点模様は発生せず均一な表示となる。これは、ある程度印加電圧(の絶対値)が高くなると多くの粒子が移動するため、その衝突の影響は表示領域全体に及ぶためと考えられる。
【0036】
同様に、白表示状態、すなわちほとんどの白粒子32が表示基板14側に位置し、ほとんどの黒粒子30が背面基板16側に位置している状態から表示側電極20に負の電圧を印加すると、印加電圧の大きさに応じた量の白粒子32が背面基板16側へ移動すると共に、印加電圧の大きさに応じた量の黒粒子30が表示基板14側へ移動する。
【0037】
図2に示すように、白表示状態において点線で囲まれた低濃度領域(黒粒子30の低濃度領域)50の印加電圧(例えば−100V)を表示側電極20に印加した場合には、白表示状態から薄いグレー表示となるが、濃度むらや斑点模様が発生してしまう。一方、実線で囲まれた高濃度領域(黒粒子30の高濃度領域)52の印加電圧(例えば−300V)を表示側電極20に印加した場合には、白表示状態から濃いグレー表示となるが、濃度むらや斑点模様は発生せず均一な表示となる。
【0038】
従って、電圧印加装置13は、例えば白表示状態から薄いグレーを表示する場合、すなわち黒色の低濃度の表示を行う場合には、低濃度領域50の電圧を表示側電極20に印加するのではなく、一旦高濃度領域52の電圧を印加して黒色の高濃度の表示を行う。そして、その後に、黒色の低濃度の表示に対応した量の白粒子32が表示基板14側に移動するように低濃度領域42の電圧を印加する。これにより、濃度むらや斑点模様の発生を抑えることができ、均一な薄いグレー表示を行うことができる。なお、一旦高濃度領域52の電圧を印加して黒色の高濃度の表示を行う際には、ほとんどの黒粒子30が表示基板14側に位置するような電圧(例えば−300V以下の電圧)を表示側電極20に印加することが好ましい。このように画像書き換え前の状態を一定の状態にすることにより、より濃度むら等を抑えることができる。
【0039】
同様に、黒表示状態から濃いグレーを表示する場合、すなわち黒色の高濃度(白色の低濃度)の表示を行う場合には、高濃度領域40の電圧を表示側電極20に印加するのではなく、一旦低濃度領域(白色の高濃度領域)42の電圧を印加して黒色の低濃度(白色の高濃度)の表示を行った後に、黒色の高濃度の表示に対応した量の黒粒子30が表示基板14側に移動するように高濃度領域(白色の低濃度領域)52の電圧を印加する。これにより、濃度むらや斑点模様の発生を抑えることができ、均一な濃いグレー表示を行うことができる。なお、一旦低濃度領域42の電圧を印加して黒色の低濃度の表示を行う際には、ほとんどの白粒子32が表示基板14側に位置するような電圧(例えば300V以上の電圧)を表示側電極20に印加することが好ましい。このように画像書き換え前の状態を一定の状態にすることにより、より濃度むら等を抑えることができる。
【0040】
なお、高濃度領域及び低濃度領域は、表示濃度範囲の中間濃度(例えば1.0)を境に高い方を高濃度領域、低い方を低濃度領域としてもよい。これにより、画像書き換えを多数行うこと等によって粒子の駆動特性が変化し、濃度むらや斑点状のディフェクトが発生する領域が変化した場合でも、濃度むらや斑点状のディフェクトを抑制することが可能となる。
【0041】
また、本実施の形態では、印加電圧の大きさを変えることにより濃度階調を行う場合について説明したが、これに限らず、印加電圧の時間を変えることにより濃度階調を行うことも可能である。
【0042】
図3には、基板間に印加するパルス電圧の印加時間と表示濃度との関係を示した。図3に示すように、印加電圧を一定(例えば+200V又は−200V)にしてパルス電圧の印加時間を変えることによっても上記と同様のことがいえることがわかる。
【0043】
従って、この場合、電圧印加装置13は、例えば白表示状態から薄いグレーを表示する場合、すなわち黒色の低濃度の表示を行う場合には、低濃度領域50の印加時間で表示側電極20に電圧を印加するのではなく、一旦高濃度領域52の印加時間で電圧(例えば−200V)を印加して黒色の高濃度の表示を行う。そして、その後に、黒色の低濃度の表示に対応した量の白粒子32が表示基板14側に移動するように低濃度領域42の印加時間で電圧(例えば+200V)を印加する。これにより、濃度むらや斑点模様の発生を抑えることができ、均一な薄いグレー表示を行うことができる。
【0044】
同様に、黒表示状態から濃いグレーを表示する場合、すなわち黒色の高濃度の表示を行う場合には、高濃度領域40の印加時間で表示側電極20に電圧を印加するのではなく、一旦低濃度領域42の印加時間で電圧(例えば+200V)を印加して黒色の低濃度の表示を行った後に、黒色の高濃度の表示に対応した量の黒粒子30が表示基板14側に移動するように高濃度領域52の印加時間で電圧(例えば−200V)を印加する。これにより、濃度むらや斑点模様の発生を抑えることができ、均一な濃いグレー表示を行うことができる。
【0045】
また、印加電圧の印加回数を変えることにより濃度階調を行うことも可能である。
【0046】
図4には、基板間に印加するパルス電圧の印加回数と表示濃度との関係を示した。図4に示すように、印加電圧を一定(例えば+200V又は−200V)にすると共に印加時間を一定(例えば2msec)にしてパルス電圧の印加回数を変えることによっても上記と同様のことがいえることがわかる。
【0047】
従って、この場合、電圧印加装置13は、例えば白表示状態から薄いグレーを表示する場合、すなわち黒色の低濃度の表示を行う場合には、低濃度領域50の印加回数で表示側電極20に電圧を印加するのではなく、一旦高濃度領域52の印加回数で一定電圧を一定時間印加して黒色の高濃度の表示を行う。そして、その後に、黒色の低濃度の表示に対応した量の白粒子32が表示基板14側に移動するように低濃度領域42の印加回数で一定電圧を一定時間印加する。これにより、濃度むらや斑点模様の発生を抑えることができ、均一な薄いグレー表示を行うことができる。
【0048】
同様に、黒表示状態から濃いグレーを表示する場合、すなわち黒色の高濃度の表示を行う場合には、高濃度領域40の印加回数で表示側電極20に電圧を印加するのではなく、一旦低濃度領域42の印加回数で一定電圧を一定時間印加して黒色の低濃度の表示を行った後に、黒色の高濃度の表示に対応した量の黒粒子30が表示基板14側に移動するように高濃度領域52の印加回数で一定電圧を一定時間印加する。これにより、濃度むらや斑点模様の発生を抑えることができ、均一な濃いグレー表示を行うことができる。
【0049】
また、本実施の形態では、黒色及び白色の粒子を用いた場合について説明したが、これに限らず、他の色の粒子の組み合わせにおいても本発明を適用可能であることはいうまでもない。
【0050】
また、本実施の形態では、表示基板及び背面基板に電極を備え、この電極間に電圧を印加する構成について説明したが、これに限らず、電極ヘッドを表示基板に近接させると共に背面基板に電極を近接させ、電極ヘッドを所定方向へ移動させながら基板間に電圧を印加して電界を形成するようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、着色粒子を使用した画像表示媒体を用いて、印加電圧の制御により粒子の移動を制御して濃度階調を行う場合でも、濃度むらや斑点状のディフェクトの発生を抑えることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】画像表示媒体の表示側電極に印加する印加電圧と表示濃度との関係を示す線図である。
【図3】画像表示媒体の表示側電極に印加する印加電圧の時間と表示濃度との関係を示す線図である。
【図4】画像表示媒体の表示側電極に印加する印加電圧の印加回数と表示濃度との関係を示す線図である。
【符号の説明】
10 画像表示装置
12 画像表示媒体
13 電圧印加装置
14 表示基板
16 背面基板
18、24 基板
20 表示側電極
22、28 絶縁層
26 背面側電極
30 黒粒子
32 白粒子
34 間隙部材
Claims (4)
- 少なくとも透光性を有する表示基板と、前記表示基板と対向する背面基板と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に印加された電圧により形成された電界により前記基板間を移動可能に封入された色及び帯電特性が異なる複数種類の粒子群と、を備えた画像表示媒体と、
前記複数種類の粒子群のうち第1の粒子群と前記第1の粒子群と異なる種類の第2の粒子群とによる表示を行う場合であって、前記第1の粒子群の色の予め定めた低濃度範囲の表示を行う場合、前記第1の粒子群の色の予め定めた高濃度範囲の表示に対応した量の前記第1の粒子群が前記表示基板側に移動するように前記基板間に電圧を印加した後に、前記低濃度範囲の表示に対応した量の前記第2の粒子群が前記表示基板側に移動するように前記基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、
を備えた画像表示装置。 - 前記高濃度範囲及び前記低濃度範囲は、予め定めた濃度範囲の中間濃度を境に区分されることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
- 前記電圧印加手段は、前記第1の粒子群の色の予め定めた低濃度範囲の表示を行う場合、前記第1の粒子群が全て前記表示基板側に移動するように前記基板間に電圧を印加した後に、前記低濃度範囲の表示に対応した量の前記第2の粒子群が前記表示基板側に移動するように前記基板間に電圧を印加することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像表示装置。
- 前記電圧印加手段は、前記基板間に印加する電圧の大きさ、印加時間、印加回数の少なくとも1つを制御することにより濃度制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像表示装置。
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