JP2004163551A - 撮像装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】可変形状ミラーの低消費電力の特徴を更に生かす制御を行うようにした撮像装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】光路を変更させる反射面と該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラー3を、フォーカス調整用に用いた光学系と撮像素子4とからなる撮像部1と、可変形状ミラーの複数の電極への印加電圧を制御する可変形状ミラー駆動部7とを備え、該可変形状ミラー駆動部を、AF検出時には可変形状ミラーの複数の電極のうち中央の単一の電極にのみ電圧を印加して駆動し、撮影時には複数の全電極に独立に電圧を印加して駆動するように構成し、AF検出時の消費電力を抑えながら、高画質の撮影画像を得られるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】光路を変更させる反射面と該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラー3を、フォーカス調整用に用いた光学系と撮像素子4とからなる撮像部1と、可変形状ミラーの複数の電極への印加電圧を制御する可変形状ミラー駆動部7とを備え、該可変形状ミラー駆動部を、AF検出時には可変形状ミラーの複数の電極のうち中央の単一の電極にのみ電圧を印加して駆動し、撮影時には複数の全電極に独立に電圧を印加して駆動するように構成し、AF検出時の消費電力を抑えながら、高画質の撮影画像を得られるようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、可変形状ミラーの特徴を有効に利用した光学系を備えた撮像装置及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平11−317894号公報
【特許文献2】特開2002−122784号公報
【0003】
一般に、カメラ等の撮像機器や表示機器では、その光学系が機器全体のサイズや性能を左右することが多い。そこで、カメラに限らず、撮像機器や表示機器の性能の向上、特に小型化・低消費電力化に関する性能を向上させるために、光学系に対しては、小型化・低消費電力化させることが常に要請されている。特に、デジタル系撮像機器であるデジタルカメラや携帯電話のカメラユニットの分野では、その要請が強い。この光学系の小型化・低消費電力化を解決する手段として、可変形状ミラーが、例えば特開平11−317894号公報(特許文献1)、特開2002−122784号公報(特許文献2)に提案されている。
【0004】
次に、上記公報で提案されている可変形状ミラーの一例について、図7の(A),(B)に基づいて説明する。図7の(A)は平面図で、図7の(B)は図7の(A)のX−X′矢視断面図である。可変形状ミラー101 は、図7の(A),(B)に示すように、円盤型の基板102 の一側面上にリング状支持壁(スペーサ)103 を突設し、このリング状支持壁103 で囲まれた領域内に、一つの中心電極(第1電極)104Aと2つの周辺電極(第2及び第3電極)104B,104Cとからなる固定電極を配設すると共に、リング状支持壁103 の開口端にミラー本体105 の周辺部を接合固定して構成されている。
【0005】
2つの周辺電極104B,104Cは、それぞれ略 180°の角度範囲に配設された半円弧状をなす電極板からなっている。また中心電極104Aは、前記2つの周辺電極104B,104Cの中心部に存在する円形領域内に配設された円板状の電極板からなっている。なお、固定電極はクロムなどで形成され、そのパターンは、図示のものに限らず、種々の形態のものが適用可能である。ミラー本体105 は、例えばポリイミド樹脂で形成された円盤状ディスクの外側面に、可動電極と反射部材(ミラー面)とを兼ねたアルミニウムを被着して構成されている。
【0006】
このように構成されている可変形状ミラー101 は、前記固定電極(104A〜104C)と可動電極(ミラー本体105 )との間に所定の電圧が印加されると、その静電気力によって、反射面(ミラー本体105 )の湾曲形状が可変制御される。したがって、外部から反射面が適当な曲率になるように電圧制御するようになっている。
【0007】
次に、かかる構成の可変形状ミラーの駆動部の構成例を図8に基づいて説明する。図8において、111 は電源電圧(例えば 3.3V)を可変形状ミラーの固定電極への印加最大電圧(例えば 100V)に昇圧するための昇圧回路、112 は可変形状ミラーの各固定電極(第1〜第3電極104A〜104C)への印加電圧を設定するドライバで、この例では3つの固定電極をもつ可変形状ミラーを駆動できるように3つのドライバ回路で構成されている。113A〜113CはFETで構成されている第1〜第3のスイッチング素子で、一端は各ドライバ回路の出力側VOUT1〜VOUT3に、他端は可変形状ミラーの各固定電極104A〜104Cに接続されている。
【0008】
そして、このように構成された駆動部においては、各スイッチング素子113A〜113Cの制御端子に共通に印加される制御電圧VSWにより、各スイッチング素子113A〜113CをON/OFF制御し、ON制御時には各ドライバ回路で設定された電圧VOUT1〜VOUT3が各固定電極104A〜104Cに印加され、可動電極(ミラー本体)を所定の弯曲形状に可変制御できるようになっている。
【0009】
このように構成された可変形状ミラーをカメラの光学系内に配置して、印加電圧の制御によって、ミラー本体の曲率を変化させ、その焦点距離を調整できるようになっている。なお、ミラー本体の形状は円形に限らず楕円形でもよい。そして、このように構成された可変形状ミラーは、従来のモータ駆動のレンズ光学系に比較して小型で且つ低消費電力であり、また従来のモータ駆動のレンズ光学系ではモータ音や伝達系での騒音が大きいが、可変形状ミラーはほぼ無音であるという大きな二つの特徴を備えている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記公開公報においては、可変形状ミラー自体について種々の提案がなされているが、可変形状ミラーの優れた特徴の一つである低消費電力性を生かし、装置全体として低消費電力化が達成される撮像装置を実現するには、この可変形状ミラーの低消費電力の特徴を十分に生かした制御を行う必要がある。例えば、従来の鏡枠内のフォーカスレンズに代えて設けられた可変形状ミラーに対する制御を、従来のフォーカスレンズと同様な制御をしただけでは、この可変形状ミラーの特徴を十分に生かした制御とはいえない。本発明は、上記課題を解消するためになされたもので、可変形状ミラーの低消費電力の特徴を更に生かすような制御を行うようにした撮像装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを光学系の一部として有する撮影手段と、前記可変形状ミラーに設けられた複数の電極のうちの一部の電極のみに電圧を印加して前記可変形状ミラーを駆動する制御手段とを備えて撮像装置を構成するものである。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る撮像装置において、前記制御手段は、前記可変形状ミラーの一部の電極のみに電圧を印加する他に、更に全ての電極に電圧を印加するようにも構成されていて、一部電極電圧印加又は全電極電圧印加のいずれかの態様で前記可変形状ミラーを駆動することを特徴とするものである。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る撮像装置において、前記制御手段は、当該撮像装置が特定の動作時のときには、一部の電極のみに電圧を印加して可変形状ミラーを駆動することを特徴とするものである。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る撮像装置において、前記可変形状ミラーは、前記反射面の形状に応じて前記撮影手段における合焦を調整するためのものであって、前記特定の動作時とは、前記反射面の形状を変化させながら合焦位置を検出する検出動作時であることを特徴とするものである。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項3に係る撮像装置において、前記特定の動作時は、当該撮像装置がスルー画像表示又は動画撮影時の少なくとも何れかにあるときであることを特徴とするものである。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか1項に係る撮像装置において、前記制御手段は、一部の電極のみに電圧を印加する場合には、前記複数の電極の内の少なくとも中央の電極を含む一部の電極のみに電圧を印加することを特徴とするものである。
【0017】
請求項7に係る発明は、請求項2〜4のいずれか1項に係る撮像装置において、前記制御手段は、撮影時には、全電極に電圧を印加して前記可変形状ミラーを駆動することを特徴とするものであり、また請求項8に係る発明は、請求項5に係る撮像装置において、前記制御手段は、静止画撮影時には、全電極に電圧を印加して前記可変形状ミラーを駆動することを特徴とするものである。
【0018】
請求項9に係る発明は、請求項4,6,7のいずれか1項に係る撮像装置において、前記制御手段は、前記一部の電極のみへの電圧印加による合焦位置検出後に、撮影開始指示があった場合に、前記検出された合焦位置になるように全電極へ電圧を印加して前記可変形状ミラーを駆動することを特徴とするものである。
【0019】
請求項10に係る発明は、光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを光学系の一部として有する撮影手段を備えた撮像装置の制御方法において、前記可変形状ミラーに設けられた複数の電極のうちの一部の電極のみに電圧を印加するように制御することを特徴とするものである。
【0020】
請求項11に係る発明は、光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを合焦調整用として光学系の一部に有する撮影手段を備えた撮像装置の制御方法において、合焦調整時には前記複数の電極の一部の電極のみに電圧を印加するように制御し、撮影時には前記複数の電極の全ての電極に電圧を印加するように制御することを特徴とするものである。
【0021】
請求項12に係る発明は、光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを光学系の一部として有する撮影手段と、前記可変形状ミラーに設けられた複数の電極に電圧を印加するための複数の駆動手段と、該複数の駆動手段のうち少なくとも1つの駆動手段によって、前記複数の電極のうち少なくとも2つの電極に共通に電圧を印加するように制御する制御手段を備えて撮像装置を構成するものである。
【0022】
請求項13に係る発明は、請求項12に係る撮像装置において、前記制御手段は、当該撮像装置が特定の動作時のときには、複数の駆動手段のうちの1つの駆動手段によって、前記複数ある電極の全ての電極に電圧を印加するように制御することを特徴とするものである。
【0023】
請求項14に係る発明は、請求項13に係る撮像装置において、前記特定の動作時とは、前記撮影手段が前記可変形状ミラーの反射面の形状変化によって合焦調整されているときであることを特徴とするものである。
【0024】
請求項15に係る発明は、光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを光学系の一部として有する撮影手段と、前記可変形状ミラーに設けられた複数の電極に電圧を印加するための複数の駆動手段と、前記複数の各電極に対応する駆動手段を条件に応じて選択する制御手段とを備えて撮像装置を構成するものである。
【0025】
請求項16に係る発明は、請求項15に係る撮像装置において、前記制御手段は、当該撮像装置の設定されたズーム比又は撮影モード又は記録解像度の少なくともいずれか1つに応じて、少なくとも1の電極用の駆動手段を当該1の電極における通常の駆動手段から他の電極における通常の駆動手段へと切り替えて、当該他の駆動手段で複数の電極を兼用して駆動するようにしたことを特徴とするものである。
【0026】
請求項17に係る発明は、光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを光学系の一部として有する撮影手段を備えた撮像装置の制御方法において、前記可変形状ミラーに設けられた複数の電極のうちの少なくとも2つの電極に共通に電圧を印加するように制御することを特徴とするものである。
【0027】
請求項18に係る発明は、光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを合焦調整用として光学系の一部に有する撮影手段を備えた撮像装置の制御方法において、合焦調整時には前記複数の電極のうちの少なくとも2つの電極に共通に電圧を印加するように制御し、撮影時には前記複数の電極の全ての電極に独立に電圧を印加するように制御することを特徴とするものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る撮像装置の実施の形態を適用したデジタルカメラの全体構成を示す概略ブロック図である。図1において、1は撮像部で、被写体光を入射する第1群の光学系2と、第1群光学系2の透過光を反射し光学系の合焦調整を行う第2群光学系となる可変形状ミラー3と、可変形状ミラー3の反射光を受ける第3〜第5群の光学系からなるズーム光学系4と、ズーム光学系4の透過光を入射する第6群の光学系5と、第6群の光学系5に対向して配置されたCCD等の撮像素子6とで構成されている。7は可変形状ミラー3を駆動するための可変形状ミラー駆動部で、8はズーム光学系4の駆動モータを駆動制御するためのレンズ駆動部である。
【0029】
また、図1において、9はカメラの各部の動作を制御するCPU、10は入力指示部で、電源ON/OFFボタン、撮影モードボタン、ズームボタン、レリースボタン、LCD画像表示ON/OFFボタン等を備えている。11はカメラプログラムや可変形状ミラーの駆動制御データに関するルックアップテーブル(LUT)等を格納しているフラッシュメモリ、12は撮像素子6からの撮像信号を処理して画像データを生成する撮像回路、13は画像データを用いてコントラストAF処理又は測距センサ14によるAF処理、及び画像データを用いたAE処理を行うAF/AE回路、15は画像データを一時的に記憶するDRAM、16は画像データに各種画像処理を施す画像処理回路、17は画像データを表示するLCD画像表示部、18は画像データを記録するスマートメディア等の着脱可能な記録媒体、19は画像データの記録媒体18への記録時に圧縮処理し、記録媒体18からの読み出し表示時に伸長処理するための圧縮伸長回路である。
【0030】
次に、可変形状ミラー駆動部7の構成例を図2に基づいて説明する。この構成例は、可変形状ミラー3の複数(ここでは3個)の固定電極のうち中央の1個のみへの電圧印加による単一電極での駆動制御と、全電極へ個別に電圧を印加して全電極独立の駆動制御とを切り替え制御できるようにした構成例である。ここでは、可変形状ミラー3は、基板21上に3つの第1〜第3の固定電極22−1,22−2,22−3が配置されているものとする。なお、23はミラー本体(可動電極)で、24はスペーサである。可変形状ミラー駆動部7は電池(電源)電圧( 3.3V)を 100Vに昇圧するための昇圧回路25と、可変形状ミラー3の3つの第1〜第3の電極22−1〜22−3への印加電圧を生成するための3つの第1〜第3のドライバ回路からなる可変形状ミラードライバ26と、該ドライバ26の各ドライバ回路の第1〜第3の出力端子26−1,26−2,26−3と第1〜第3の電極22−1,22−2,22−3との間に接続されたFETからなる第1のスイッチング素子27−1,27−2,27−3、及びドライバ26の第1の出力端子26−1と第1の電極22−1との間に接続された第1のスイッチング素子27−1に並列に接続された第2のスイッチング素子28とで構成されている。
【0031】
そして、第1のスイッチング素子27−1〜27−3は、その制御端子(ゲート端子)が共通に接続されていて、印加される制御電圧VSW1 によりON/OFF制御されるようになっており、また第2のスイッチング素子28はその制御端子に印加される制御電圧VSW2 によりON/OFF制御されるようになっている。
【0032】
この構成の可変形状ミラー駆動部7は、可変形状ミラーの全電極の独立駆動制御と、単一電極による駆動制御を切り替えて行う方式のものであるが、CPU9からの制御信号により、第1のスイッチング素子制御電圧VSW1 を“H”とすることにより、第1のスイッチング素子27−1〜27−3がいずれもONとなり、第1〜第3の各ドライバ回路で設定された各出力電圧VOUT1,VOUT2,VOUT3が、それぞれ第1〜第3の電極22−1〜22−3に印加されて、全電極独立駆動制御される。一方、第2のスイッチング素子制御電圧VSW2 を“H”とすることにより、第2のスイッチング素子28のみがONとなり、第1のドライバ回路で設定された出力電圧VOUT1が第1の電極22−1のみに印加され、単一電極による駆動制御となる。
【0033】
このように、この方式の構成例では、単一電極の駆動の際には、第2及び第3のドライバ回路の出力VOUT2,VOUT3をOFFとすることができるので、消費電力を削減することができる。例えば、画像データに基づく合焦調整(山登り方式AF)時、スルー画表示モード、ズーム比1〜6の光学系においてズーム比1〜3の低ズーム比撮影時、動画撮影時、撮像装置がフル画素 400万画素として設定記録画質が 200万画素以下などの場合のように、全画面高画質の画像を必要とせず、可変形状ミラーの形状精度をそれほど厳密にしなくてもよい場合には、単一電極駆動で処理を行い、低消費電力化を図りながら、対応した十分な結像性能を得るようにし、それ以外の通常の静止画撮影時には全電極独立駆動制御で、高精度の画像が得られる。
【0034】
以上のように単一電極駆動と全電極独立駆動を切り替える方式で、例えば可変形状ミラーによるAF制御時に、中央の単一電極のみ駆動し、撮影時に全電極駆動に切り替える場合、それぞれの駆動時における被写体距離に対する各電極への駆動印加電圧の関係は、表1に示すようなルックアップテーブルとして用意されている。
【0035】
【表1】
【0036】
例えば、AF動作でステップ1から順に、可変形状ミラーを無限遠位置から至近方向に向かって物体距離が少しずつ変化するように、その形状を変化させて、コントラストがピークとなる合焦位置を検出する際、中央の第1の電極への印加電圧を57Vとした被写体距離 500mmが合焦位置と判定さた場合、既座に対応する全電極独立駆動の電圧印加に切り替えて撮影を行う。この撮影時の第1〜第3の各電極への印加電圧は、表1で示すように、それぞれ63V,51V,34Vとなる。
【0037】
AF動作では、画像の中央部だけピントがあえばよいので、可変形状ミラーの中央の第1の電極のみに電圧を印加する。中央の電極のみに電圧を印加すると、ミラー本体(可動電極)の端部の変形量は小さくても、中央部の変形度は大きく、全電極の駆動時に中央の電極に印加する電圧と同じ電圧を印加しても、全電極電圧印加時に比べ、中央部の変形量が大きく曲率がきつくなり、同じ電圧の印加時には、近くにピントが合う。したがって、上記のように撮影状態(全電極駆動)に切り替えるときに中央部の変形量をAF時と同じにするためには、中央の第1の電極への印加電圧は、AF時より若干高く設定される。
【0038】
一般に、フォーカシングマージンを確保するために、AF時は、撮影の最短距離(至近位置:表1の例ではステップ11の 200mm)よりも、2段階位近い距離で一時的に合焦動作させる必要がある。上記のように単一電極駆動と全電極独立駆動の切り替え方式では、上記のように最短距離 200mmの撮影時に中央電極に印加する電圧が最大供給電圧の 100Vとなっている場合でも、AF動作時には 100V未満の99Vで2段階位近い距離(ステップ13)まで合焦動作を行わせることができる。
【0039】
したがって、この単一電極駆動と全電極駆動の切り替え方式は、消費電力の低減が図れると共に、中央部の電極のみの駆動では同じ駆動電圧で可変形状ミラーの曲率半径が小さくなるので、結果として最短合焦距離を得るための最大電圧を小さくできる。
【0040】
次に、可変形状ミラー駆動部7の他の構成例を図3に基づいて説明する。この構成例は、可変形状ミラーの複数(ここでは3個)の固定電極の全電極へ、それぞれ個別のドライバ回路から電圧を印加する全電極独立の駆動制御と、全電極へ単一のドライバ回路から共通の電圧を印加する全電極共通の駆動制御とを切り替えて行えるようにした構成例である。
【0041】
すなわち、図3に示すように、この駆動部は、図2に示した駆動部と同様に、昇圧回路25と、3つの第1〜第3のドライバ回路からなるドライバ26と、該ドライバ26の各ドライバ回路の第1〜第3の出力端子26−1〜26−3と可変形状ミラーの第1〜第3の電極22−1〜22−3との間に接続された第1のスイッチング素子27−1〜27−3とを備え、更に各ドライバ回路のうち第1のドライバ回路の第1の出力端子26−1に一端を共通に接続し、他端をそれぞれ可変形状ミラーの第1〜第3の電極22−1〜22−3に接続した、FETからなる第3のスイッチング素子29−1〜29−3とを備えて構成されている。
【0042】
そして、第1のスイッチング素子27−1〜27−3は、その制御端子が共通に接続されていて、印加される制御電圧VSW1 によりON/OFF制御されるようになっており、また第3のスイッチング素子29−1〜29−3は、その制御端子が共通に接続されていて、印加される制御電圧VSW3 によりON/OFF制御されるようになっている。
【0043】
この構成の可変形状ミラー駆動部7は、可変形状ミラーの全電極の独立駆動制御と、単一のドライバ回路による全電極の共通駆動制御とを切り替えて行う方式のものであるが、CPU9からの制御信号により、第1のスイッチング素子制御電圧VSW1 を“H”とすることにより、第1のスイッチング素子27−1〜27−2がいずれもONとなり、第1〜第3の各ドライバ回路で設定された各出力電圧VOUT1,VOUT2,VOUT3が、それぞれ第1〜第3の電極22−1〜22−3に印加されて、全電極独立駆動制御される。一方、第3のスイッチング素子制御電圧VSW3 を“H”とすることにより、第3のスイッチング素子29−1,29−2,29−3がいずれもONとなり、第1のドライバ回路で設定された出力電圧VOUT1が、第1〜第3の電極22−1〜22−3に共通に印加され、全電極共通駆動制御となる。
【0044】
このように、この方式の構成例では、単一のドライバ回路による全電極共通駆動制御の際には、第2及び第3のドライバ回路の出力VOUT2,VOUT3をOFFとすることができるので、同様に消費電力を削減することができる。
【0045】
この方式における全電極共通駆動制御を行う具体的な適用例としては、単一電極駆動制御の場合と同様に、AF時以外には、撮像部の全ズーム比範囲が1〜6倍の場合に、ズーム比として1〜3倍が設定される場合、撮影モードとしてスルー画像表示時及び動画撮影時の場合、また記録画質において撮像装置がフル画素400万画素として設定記録画質が 200万画素以下に設定されている場合などがある。
【0046】
この方式において、全電極独立駆動と全電極共通駆動とを切り替える場合における、被写体距離に対する可変形状ミラーの各電極への駆動印加電圧の関係は、同様に表1に示すようなルックアップテーブルとして用意されている。
【0047】
次に、図1に示した実施の形態に係るデジタルカメラの主要部の動作を、図4のフローチャートに基づいて説明する。なお、ここでは、可変形状ミラー3の駆動部としては、図2に示した構成のもの、すなわち単一電極駆動と全電極独立駆動の切り替え方式のものを用いているものとする。まず、撮影モードが静止画撮影モードであるか動画撮影モードであるかの判定が行われ(ステップS1)、静止画撮影モードが設定されている場合は、次にスルー画表示を行うか光学ファインダを用いるかの判定が行われ(ステップS2)、スルー画表示を行う場合は、LCD画像表示部17によるスルー画表示をONとする(ステップS3)。
【0048】
このスルー画表示の場合は、当然のことながら明るさ調整やピント合わせが必要となるので、被写体に対するAE調整動作(ステップS4)及びAF検出のサブルーチン動作(ステップS5)が行われる。AF検出は、測距AF方式と山登りAF方式とがあるが、測距AF方式を用いている場合は、図5の(A)に示すように、測距センサ14により測距が行われ(ステップS5−11)、被写体に対する焦点調整用の可変形状ミラー3の合焦位置の検出が行われる(ステップS5−12)。一方、山登りAF方式を用いている場合は、図5の(B)に示すように、焦点調整用の可変形状ミラー3の単一の中央の電極に対して初期値の電圧(無限大余裕あるいは至近距離余裕に対応する電圧)を印加し(ステップS5−21)、撮影を行って(ステップS5−22)、コントラスト値を検出し(ステップS5−23)、コントラスト値がピーク値となっているか否かの判定が行われる(ステップS5−24)。
【0049】
ここで、コントラスト値がピーク値となっていない場合(当然のことながら最初の撮影ステップではピーク値は存在していない)、可変形状ミラー3への印加電圧値を変更して形状を変え(ステップS5−25)、再度撮影を行い、ここまでで得られたコントラスト値にピーク値が存在しているかの判定が繰り返される。得られたコントラスト値にピーク値が存在すると判断した場合には、そのピークとなるコントラスト値が得られた被写体距離に対応する可変形状ミラー3の形態が、合焦位置として検出される(ステップS5−26)。
【0050】
このようにして、AF検出が行われると、メインルーチンに戻り、検出された合焦位置に対応する電圧が可変形状ミラー3の単一の中央電極に継続して印加され(部分電圧印加:ステップS6)、スルー画表示が続行される。次いで、1stレリース操作が行われたか否かの判定が行われ(ステップS7)、1stレリース操作が行われていない場合は、ステップS2のスルー画表示判定動作からの動作を繰り返し、1stレリース操作が行われるのを待機する。また、スルー画表示がなされていない場合は、スルー画表示のためのAE調整、AF検出、可変形状ミラーへの電圧印加等は不要なので、ステップS3〜S6の各動作は飛び越して、1stレリース操作判定ステップS7へ移行する。
【0051】
1stレリース操作が行われると、AE,AFロック動作のため、撮影条件の再調整として、再度AE調整動作(ステップS8)、AF検出動作(ステップS9)及び合焦位置に対応する可変形状ミラー3の中央電極への部分電圧印加動作(ステップS10)を行い、2ndレリース操作を待機する(ステップS11)。
【0052】
2ndレリース操作が行われると、先のステップS9のAF検出動作で得られた合焦位置に対応する可変形状ミラー3の全電極への独立駆動電圧を、LUTを参照して可変形状ミラー駆動部7より各電極にそれぞれ印加し(ステップS12)、可変形状ミラー3を高画質撮影画像が得られるような形状にして、その後露光して撮影を行う(ステップS13)。露光撮影後は、スルー画表示モードであるか否かの判定を行い(ステップS14)、スルー画表示モードでない場合は、節電のため可変形状ミラー3への電圧印加は終了させ(ステップS15)、スルー画表示モードのときは、可変形状ミラーを先の部分電圧印加態様に戻して、スルー画表示を継続させながら、撮影画像の記録を行う(ステップS16)。
【0053】
以上のように、静止画撮影モードの場合は、全電極独立駆動と単一電極駆動の使い分けを行い、消費電力の低減を図りながら、高画質の静止画像を得ることができるようになっている。一方、動画撮影モード時には、次のように動作する。なお、動画撮影モード時にはファインダを用いることは殆どないと考えられるので、スルー画像が自動的にLCD画像表示部17に表示されるものとして説明する。上記ステップS1において、動画撮影モードと判定されたときは、自動的にLCD画像表示部17へのスルー画表示機能がONとされ(ステップS21)、続いて静止画撮影モードの場合におけるスルー画表示のためのステップS4〜S6の各動作と同様に、AE調整動作(ステップS22)、AF検出動作(ステップS23)、及びAF検出動作により得られた合焦位置に対応する可変形状ミラー3の単一電極への部分電圧印加動作(ステップS24)を行い、LCD画像表示部17にスルー画表示を行う。
【0054】
そして、動画撮影モード時は1stレリース操作によるAE,AFロック操作は不要と考えられるので、かかる処理を省き、ここでは直ちに2ndレリース操作に入るようになっている。そこで、スルー画表示中に2ndレリース操作がなされたか否かの判定が行われ(ステップS25)、2ndレリース操作が行われない場合は、ステップS22のAE調整からスルー画表示のための動作を繰り返して、2ndレリース操作が行われるのを待機する。2ndレリース操作が行われると、露光撮影が行われ(ステップS26)、撮影画像の記録が行われる(ステップS27)。
【0055】
動画撮影の場合、被写体が動いたりして撮影シーンが変化するので、露光撮影直前のAE,AF状態のまま継続して撮影が続行されることはなく、通常数フレーム、例えば5フレーム毎にAE,AFの再調整が行われる。そこで、最初のフレームの撮影記録が行われた後、nフレームの撮影記録が行われたか否かの判定を行い(ステップS28)、nフレームの撮影記録が終了している場合は、再度AE調整(ステップS29)、AF検出(ステップS30)を行い、可変形状ミラーの単一電極に印加している電圧を、上記AF検出動作で得られた合焦位置の変化に応じて電圧値を変更する(ステップS31)。そして、2ndレリース操作が終了、つまり2ndレリースが離されたか否かの判定が行われ(ステップS32)、2ndレリースが離されていない場合は、ステップS26へ戻り、露光記録を続行し、2ndレリースが離されると、動画撮影モードの露光記録動作を終了する。
【0056】
なお、nフレームの撮影記録が行われたか否かの判定ステップS28において、nフレームの撮影記録が終了していない場合は、AE,AF状態の再調整を行わず、2ndレリースが離されるまで、露光記録が続行される。このように、動画撮影モードの場合は、可変形状ミラーに対して単一の電極への部分電圧印加のみで、消費電力の低減を図りながら、動画撮影が行われる。
【0057】
なお、この動作説明においては、可変形状ミラーの駆動部を、図2に示した単一の電極駆動と全電極独立駆動とを切り替えて行う方式のもので構成している例について説明を行ったが、図3に示した全電極共通電圧印加駆動と全電極独立駆動とを切り替えて行う方式のもので構成した可変形状ミラー駆動部を用いた場合においても、単一電極駆動動作ステップを全電極共通電圧印加駆動動作ステップに置き替えることにより、同様の動作を行わせることができ、同様の作用効果が得られる。
【0058】
上記実施の形態においては、可変形状ミラーの固定電極を3個とし、可変形状ミラー駆動部により、単一電極の駆動あるいは全電極共通電圧印加駆動と、全電極独立駆動との2段階の切り替え制御を行い、消費電力の低減化を図るようにしたものを示したが、変形例としては、次のような構成のものが考えられる。すなわち、可変形状ミラーの複数の固定電極における電圧印加電極数を段階的に切り替えて削減するようにしたり、あるいは共通電圧印加の電極グループ数を段階的に変化させたりする駆動形態が考えられる。
【0059】
例えば、図6に示すような分割パターンの8つの固定電極を配置し、同じ番号の電極(▲4▼と▲4▼,▲5▼と▲5▼)は常時共通に接続されている、左右対称の6分割電極構成の可変形状ミラーに対しては、次のような態様の駆動方式が考えられる。なお、上記6分割電極構成の可変形状ミラーは、3倍ズーム光学系のフォーカス調整用として用いられる構成のものである。
【0060】
すなわち、ズーム比による駆動モードとしては、形状精度の厳しいテレ時には、▲1▼〜▲6▼の各電極へ6つのドライバ回路から独立に電圧を印加して駆動させ、ワイド時には、▲1▼と▲2▼,▲3▼と▲4▼,▲5▼と▲6▼の組み合わせの3分割構成とし、各分割電極グループに3つのドライバ回路からそれぞれのグループの電極に共通に電圧を印加して駆動させるようにする。この場合は、6つのうちの3つのドライバ回路をOFFとすることができる。
【0061】
また、撮影モードによる駆動モードとしては、静止画撮影の場合には、▲1▼〜▲6▼の各電極へ6つのドライバ回路から独立に電圧を印加して駆動させ、動画撮影モード又はスルー画表示モード時には、▲1▼と▲2▼,▲3▼〜▲6▼の2分割構成とし、各分割電極グループに2つのドライバ回路からそれぞれ共通に電圧を印加して駆動させるようにする。
【0062】
撮影の動作による駆動モードとしては、AF検出時は、▲1▼と▲2▼,▲3▼〜▲6▼の2分割構成とし、各分割電極グループに2つのドライバ回路から電圧を印加して駆動させたり、あるいは▲1▼〜▲6▼の全電極に1つのドライバ回路から共通に電圧を印加して駆動させ、消費電力の低減化を図るようにしてもよい。
【0063】
また、図2及び図3に示した可変形状ミラーの駆動部の構成例では、ドライバを構成する各ドライバ回路の出力端子に切り替え用スイッチング素子を配置し、それらのON/OFF制御により、単一電極駆動あるいは全電極共通電圧印加駆動と全電極独立駆動とを切り替えるようにしたものを示したが、ドライバを構成する各ドライバ回路自体の動作をON/OFF制御して、可変形状ミラーの各電極への電圧印加を制御するようにしてよい。ドライバを含む可変形状ミラーの消費電力は、ドライバ回路部分の消費電力が大きいので、このようなドライバ回路自体をON/OFF制御することにより、一層の低消費電力化を図ることができる。
【0064】
以上実施の形態について説明を行ったが、本発明の特徴とする構成並びにその構成に基づく効果の一例をまとめて示すと、次の通りである。
【0065】
本発明の第1の特徴とする構成は、請求項1に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、可変形状ミラーの複数の電極のうちの一部の電極のみに電圧を印加して駆動するように構成しているので、可変形状ミラーのもつ低消費電力効果を更に向上させることができる。この構成は、複数の電極を備えた汎用の可変形状ミラーを用意しておいて、使用する機種の画質性能等に応じて可変形状ミラーの駆動電極数を設定する場合などに好適である。
【0066】
また第2の特徴とする構成は、請求項2に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、可変形状ミラーの一部の電極のみへの電圧印加と全ての電極への電圧印加とを、必要に応じて使い分けをすることができるので、効果的な低消費電力化を図ることが可能となる。
【0067】
また第3の特徴とする構成は、請求項3に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、一部の電極にのみ電圧を印加する部分電圧印加のタイミングを、撮像装置の特定の動作時に限定するようにしているので、通常の撮影時における撮影機能には、部分電圧印加により生じる支障を来さない。
【0068】
また第4の特徴とする構成は、請求項4に記載した撮像装置の構成であり、可変形状ミラーの反射面の形状を変化させながら合焦位置を検出する動作時には、一部の電極への電圧印加で合焦位置の検出が可能なので、上記のように、合焦位置検出動作時に部分電圧印加とすることにより、消費電力を低減しながら効率的に合焦検出を行うことができる。
【0069】
また第5の特徴とする構成は、請求項5に記載した撮像装置の構成であり、スルー画像表示や動画撮影時には厳密な画質が要求されないので、上記のようにかかる動作モード時に部分電圧印加とすることにより、全体として低消費電力化を図ることができる。
【0070】
また第6の特徴とする構成は、請求項6に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、主要被写体が位置する画面中央部に対応する可変形状ミラーの少なくとも中央の電極に電圧を印加して駆動するようにしているので、撮影画面への画質劣化の影響を少なくしながら低消費電力化を図ることができる。
【0071】
また第7の特徴とする構成は、請求項7に記載した撮像装置の構成であり、また第8の特徴とする構成は、請求項8に記載した撮像装置の構成である。このように構成された撮像装置においては、低消費電力化を図りながら、本来の画質を備えた撮影画像を得ることができる。
【0072】
また第9の特徴とする構成は、請求項9に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、部分電圧印加による合焦位置検出後に、撮影開始指示があった場合に、全電極へ電圧を印加して合焦位置になるように駆動するように構成しているので、合焦位置検出時には低消費電力化を図りながら本来の画質の撮影画像を得ることができる。
【0073】
また第10の特徴とする構成は、請求項10に記載した撮像装置の制御方法の構成であり、このように構成された撮像装置の制御方法においては、可変形状ミラーの複数の電極のうちの一部のみに電圧を印加して駆動するように制御しているので、可変形状ミラーのもつ低消費電力効果を更に向上させながら制御を行うことができる。
【0074】
また第11の特徴とする構成は、請求項11に記載した撮像装置の制御方法の構成であり、このように構成された撮像装置の制御方法においては、可変形状ミラーを合焦調整時には一部の電極のみに電圧を印加するように制御し、撮影時には全電極に電圧を印加するように制御するので、合焦調整時には低消費電力化を図りながら、撮影時には本来の画質の撮影を行うことができる。
【0075】
また第12の特徴とする構成は、請求項12に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、1つの駆動手段で可変形状ミラーの少なくとも2つの電極に共通に電圧を印加するように構成しているので、駆動手段は共通化され、駆動手段数を削減して消費電力の低減化を図ることができる。
【0076】
また第13の特徴とする構成は、請求項13に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、撮像装置の特定動作時に、1つの駆動手段によって全電極に共通に電圧を印加するように構成されているので、特定動作時にはより一層の低消費電力化を図ることができる。
【0077】
また第14の特徴とする構成は、請求項14に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、合焦調整時に全電極に共通に電圧を印加するようになっているので、合焦調整時の低消費電力化を図ることができる。
【0078】
また第15の特徴とする構成は、請求項15に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、複数の駆動手段を設けて、複数の各電極に対応する駆動手段を条件に応じて選択するようにしているので、複数の各電極に対応する駆動手段を固定している場合に比べ、低消費電力化を図りながら所望の画質の撮影を行うことが可能となる。
【0079】
また第16の特徴とする構成は、請求項16に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、当該撮像装置の設定されたズーム比、撮影モードあるいは記録解像度に応じて各電極に対する駆動手段の共通化を制御するようになっているので、消費電力の低減を図りながら、所望の画質の撮影画像を得ることができる。
【0080】
また第17の特徴とする構成は、請求項17に記載した撮像装置の制御方法の構成であり、このように構成された撮像装置の制御方法においては、可変形状ミラーの複数の電極のうちの少なくとも2つの電極に共通に電圧を印加して駆動するように制御しているので、駆動手段の共通化により駆動電力を低減し、可変形状ミラーのもつ低消費電力効果を更に向上させながら制御を行うことができる。
【0081】
また第18の特徴とする構成は、請求項18に記載した撮像装置の制御方法の構成であり、このように構成された撮像装置の制御方法においては、可変形状ミラーを合焦調整時には少なくとも2つの電極に共通に電圧を印加するように制御し、撮影時には全電極に独立に電圧を印加するように制御するので、合焦調整時には低消費電力化を図りながら、撮影時には本来の画質の撮影を行うことができる。
【0082】
【発明の効果】
以上実施の形態に基づいて説明したように、本発明によれば、AF検出時等においては可変形状ミラーの複数の電極のうちの一部の電極のみに電圧を印加し、撮影時には全ての電極に電圧を印加して駆動するように構成しているので、可変形状ミラーのもつ低消費電力効果を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る撮像装置の実施の形態のデジタルカメラの構成を示すブロック構成図である。
【図2】図1に示した実施の形態における可変形状ミラー駆動部の構成例を示す概略ブロック図である。
【図3】図1に示した実施の形態における可変形状ミラー駆動部の他の構成例を示す概略ブロック図である。
【図4】図1に示した実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】図4に示したフローチャートにおけるAF検知のサブルーチン動作を示すフローチャートである。
【図6】可変形状ミラーの変形例における固定電極分割パターンを示す図である。
【図7】可変形状ミラーの構成例を示す平面図及び断面図である。
【図8】図7に示した可変形状ミラーの一般的な駆動部の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 撮像部
2 第1群光学系
3 可変形状ミラー
4 ズーム光学系
5 第6群光学系
6 撮像素子
7 可変形状ミラー駆動部
8 レンズ駆動部
9 CPU
10 入力指示部
11 フラッシュメモリ
12 撮像回路
13 AE/AF回路
14 測距センサ
15 DRAM
16 画像処理回路
17 LCD画像表示部
18 着脱記録媒体
19 圧縮伸長回路
21 基板
22−1,22−2,22−3 第1〜第3の固定電極
23 ミラー本体
24 スペーサ
25 昇圧回路
26 ドライバ
26−1,26−2,26−3 第1〜第3のドライバ回路出力端子
27−1,27−2,27−3 第1のスイッチング素子
28 第2のスイッチング素子
29−1,29−2,29−3 第3のスイッチング素子
【発明の属する技術分野】
この発明は、可変形状ミラーの特徴を有効に利用した光学系を備えた撮像装置及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平11−317894号公報
【特許文献2】特開2002−122784号公報
【0003】
一般に、カメラ等の撮像機器や表示機器では、その光学系が機器全体のサイズや性能を左右することが多い。そこで、カメラに限らず、撮像機器や表示機器の性能の向上、特に小型化・低消費電力化に関する性能を向上させるために、光学系に対しては、小型化・低消費電力化させることが常に要請されている。特に、デジタル系撮像機器であるデジタルカメラや携帯電話のカメラユニットの分野では、その要請が強い。この光学系の小型化・低消費電力化を解決する手段として、可変形状ミラーが、例えば特開平11−317894号公報(特許文献1)、特開2002−122784号公報(特許文献2)に提案されている。
【0004】
次に、上記公報で提案されている可変形状ミラーの一例について、図7の(A),(B)に基づいて説明する。図7の(A)は平面図で、図7の(B)は図7の(A)のX−X′矢視断面図である。可変形状ミラー101 は、図7の(A),(B)に示すように、円盤型の基板102 の一側面上にリング状支持壁(スペーサ)103 を突設し、このリング状支持壁103 で囲まれた領域内に、一つの中心電極(第1電極)104Aと2つの周辺電極(第2及び第3電極)104B,104Cとからなる固定電極を配設すると共に、リング状支持壁103 の開口端にミラー本体105 の周辺部を接合固定して構成されている。
【0005】
2つの周辺電極104B,104Cは、それぞれ略 180°の角度範囲に配設された半円弧状をなす電極板からなっている。また中心電極104Aは、前記2つの周辺電極104B,104Cの中心部に存在する円形領域内に配設された円板状の電極板からなっている。なお、固定電極はクロムなどで形成され、そのパターンは、図示のものに限らず、種々の形態のものが適用可能である。ミラー本体105 は、例えばポリイミド樹脂で形成された円盤状ディスクの外側面に、可動電極と反射部材(ミラー面)とを兼ねたアルミニウムを被着して構成されている。
【0006】
このように構成されている可変形状ミラー101 は、前記固定電極(104A〜104C)と可動電極(ミラー本体105 )との間に所定の電圧が印加されると、その静電気力によって、反射面(ミラー本体105 )の湾曲形状が可変制御される。したがって、外部から反射面が適当な曲率になるように電圧制御するようになっている。
【0007】
次に、かかる構成の可変形状ミラーの駆動部の構成例を図8に基づいて説明する。図8において、111 は電源電圧(例えば 3.3V)を可変形状ミラーの固定電極への印加最大電圧(例えば 100V)に昇圧するための昇圧回路、112 は可変形状ミラーの各固定電極(第1〜第3電極104A〜104C)への印加電圧を設定するドライバで、この例では3つの固定電極をもつ可変形状ミラーを駆動できるように3つのドライバ回路で構成されている。113A〜113CはFETで構成されている第1〜第3のスイッチング素子で、一端は各ドライバ回路の出力側VOUT1〜VOUT3に、他端は可変形状ミラーの各固定電極104A〜104Cに接続されている。
【0008】
そして、このように構成された駆動部においては、各スイッチング素子113A〜113Cの制御端子に共通に印加される制御電圧VSWにより、各スイッチング素子113A〜113CをON/OFF制御し、ON制御時には各ドライバ回路で設定された電圧VOUT1〜VOUT3が各固定電極104A〜104Cに印加され、可動電極(ミラー本体)を所定の弯曲形状に可変制御できるようになっている。
【0009】
このように構成された可変形状ミラーをカメラの光学系内に配置して、印加電圧の制御によって、ミラー本体の曲率を変化させ、その焦点距離を調整できるようになっている。なお、ミラー本体の形状は円形に限らず楕円形でもよい。そして、このように構成された可変形状ミラーは、従来のモータ駆動のレンズ光学系に比較して小型で且つ低消費電力であり、また従来のモータ駆動のレンズ光学系ではモータ音や伝達系での騒音が大きいが、可変形状ミラーはほぼ無音であるという大きな二つの特徴を備えている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記公開公報においては、可変形状ミラー自体について種々の提案がなされているが、可変形状ミラーの優れた特徴の一つである低消費電力性を生かし、装置全体として低消費電力化が達成される撮像装置を実現するには、この可変形状ミラーの低消費電力の特徴を十分に生かした制御を行う必要がある。例えば、従来の鏡枠内のフォーカスレンズに代えて設けられた可変形状ミラーに対する制御を、従来のフォーカスレンズと同様な制御をしただけでは、この可変形状ミラーの特徴を十分に生かした制御とはいえない。本発明は、上記課題を解消するためになされたもので、可変形状ミラーの低消費電力の特徴を更に生かすような制御を行うようにした撮像装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを光学系の一部として有する撮影手段と、前記可変形状ミラーに設けられた複数の電極のうちの一部の電極のみに電圧を印加して前記可変形状ミラーを駆動する制御手段とを備えて撮像装置を構成するものである。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る撮像装置において、前記制御手段は、前記可変形状ミラーの一部の電極のみに電圧を印加する他に、更に全ての電極に電圧を印加するようにも構成されていて、一部電極電圧印加又は全電極電圧印加のいずれかの態様で前記可変形状ミラーを駆動することを特徴とするものである。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る撮像装置において、前記制御手段は、当該撮像装置が特定の動作時のときには、一部の電極のみに電圧を印加して可変形状ミラーを駆動することを特徴とするものである。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る撮像装置において、前記可変形状ミラーは、前記反射面の形状に応じて前記撮影手段における合焦を調整するためのものであって、前記特定の動作時とは、前記反射面の形状を変化させながら合焦位置を検出する検出動作時であることを特徴とするものである。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項3に係る撮像装置において、前記特定の動作時は、当該撮像装置がスルー画像表示又は動画撮影時の少なくとも何れかにあるときであることを特徴とするものである。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか1項に係る撮像装置において、前記制御手段は、一部の電極のみに電圧を印加する場合には、前記複数の電極の内の少なくとも中央の電極を含む一部の電極のみに電圧を印加することを特徴とするものである。
【0017】
請求項7に係る発明は、請求項2〜4のいずれか1項に係る撮像装置において、前記制御手段は、撮影時には、全電極に電圧を印加して前記可変形状ミラーを駆動することを特徴とするものであり、また請求項8に係る発明は、請求項5に係る撮像装置において、前記制御手段は、静止画撮影時には、全電極に電圧を印加して前記可変形状ミラーを駆動することを特徴とするものである。
【0018】
請求項9に係る発明は、請求項4,6,7のいずれか1項に係る撮像装置において、前記制御手段は、前記一部の電極のみへの電圧印加による合焦位置検出後に、撮影開始指示があった場合に、前記検出された合焦位置になるように全電極へ電圧を印加して前記可変形状ミラーを駆動することを特徴とするものである。
【0019】
請求項10に係る発明は、光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを光学系の一部として有する撮影手段を備えた撮像装置の制御方法において、前記可変形状ミラーに設けられた複数の電極のうちの一部の電極のみに電圧を印加するように制御することを特徴とするものである。
【0020】
請求項11に係る発明は、光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを合焦調整用として光学系の一部に有する撮影手段を備えた撮像装置の制御方法において、合焦調整時には前記複数の電極の一部の電極のみに電圧を印加するように制御し、撮影時には前記複数の電極の全ての電極に電圧を印加するように制御することを特徴とするものである。
【0021】
請求項12に係る発明は、光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを光学系の一部として有する撮影手段と、前記可変形状ミラーに設けられた複数の電極に電圧を印加するための複数の駆動手段と、該複数の駆動手段のうち少なくとも1つの駆動手段によって、前記複数の電極のうち少なくとも2つの電極に共通に電圧を印加するように制御する制御手段を備えて撮像装置を構成するものである。
【0022】
請求項13に係る発明は、請求項12に係る撮像装置において、前記制御手段は、当該撮像装置が特定の動作時のときには、複数の駆動手段のうちの1つの駆動手段によって、前記複数ある電極の全ての電極に電圧を印加するように制御することを特徴とするものである。
【0023】
請求項14に係る発明は、請求項13に係る撮像装置において、前記特定の動作時とは、前記撮影手段が前記可変形状ミラーの反射面の形状変化によって合焦調整されているときであることを特徴とするものである。
【0024】
請求項15に係る発明は、光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを光学系の一部として有する撮影手段と、前記可変形状ミラーに設けられた複数の電極に電圧を印加するための複数の駆動手段と、前記複数の各電極に対応する駆動手段を条件に応じて選択する制御手段とを備えて撮像装置を構成するものである。
【0025】
請求項16に係る発明は、請求項15に係る撮像装置において、前記制御手段は、当該撮像装置の設定されたズーム比又は撮影モード又は記録解像度の少なくともいずれか1つに応じて、少なくとも1の電極用の駆動手段を当該1の電極における通常の駆動手段から他の電極における通常の駆動手段へと切り替えて、当該他の駆動手段で複数の電極を兼用して駆動するようにしたことを特徴とするものである。
【0026】
請求項17に係る発明は、光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを光学系の一部として有する撮影手段を備えた撮像装置の制御方法において、前記可変形状ミラーに設けられた複数の電極のうちの少なくとも2つの電極に共通に電圧を印加するように制御することを特徴とするものである。
【0027】
請求項18に係る発明は、光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを合焦調整用として光学系の一部に有する撮影手段を備えた撮像装置の制御方法において、合焦調整時には前記複数の電極のうちの少なくとも2つの電極に共通に電圧を印加するように制御し、撮影時には前記複数の電極の全ての電極に独立に電圧を印加するように制御することを特徴とするものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る撮像装置の実施の形態を適用したデジタルカメラの全体構成を示す概略ブロック図である。図1において、1は撮像部で、被写体光を入射する第1群の光学系2と、第1群光学系2の透過光を反射し光学系の合焦調整を行う第2群光学系となる可変形状ミラー3と、可変形状ミラー3の反射光を受ける第3〜第5群の光学系からなるズーム光学系4と、ズーム光学系4の透過光を入射する第6群の光学系5と、第6群の光学系5に対向して配置されたCCD等の撮像素子6とで構成されている。7は可変形状ミラー3を駆動するための可変形状ミラー駆動部で、8はズーム光学系4の駆動モータを駆動制御するためのレンズ駆動部である。
【0029】
また、図1において、9はカメラの各部の動作を制御するCPU、10は入力指示部で、電源ON/OFFボタン、撮影モードボタン、ズームボタン、レリースボタン、LCD画像表示ON/OFFボタン等を備えている。11はカメラプログラムや可変形状ミラーの駆動制御データに関するルックアップテーブル(LUT)等を格納しているフラッシュメモリ、12は撮像素子6からの撮像信号を処理して画像データを生成する撮像回路、13は画像データを用いてコントラストAF処理又は測距センサ14によるAF処理、及び画像データを用いたAE処理を行うAF/AE回路、15は画像データを一時的に記憶するDRAM、16は画像データに各種画像処理を施す画像処理回路、17は画像データを表示するLCD画像表示部、18は画像データを記録するスマートメディア等の着脱可能な記録媒体、19は画像データの記録媒体18への記録時に圧縮処理し、記録媒体18からの読み出し表示時に伸長処理するための圧縮伸長回路である。
【0030】
次に、可変形状ミラー駆動部7の構成例を図2に基づいて説明する。この構成例は、可変形状ミラー3の複数(ここでは3個)の固定電極のうち中央の1個のみへの電圧印加による単一電極での駆動制御と、全電極へ個別に電圧を印加して全電極独立の駆動制御とを切り替え制御できるようにした構成例である。ここでは、可変形状ミラー3は、基板21上に3つの第1〜第3の固定電極22−1,22−2,22−3が配置されているものとする。なお、23はミラー本体(可動電極)で、24はスペーサである。可変形状ミラー駆動部7は電池(電源)電圧( 3.3V)を 100Vに昇圧するための昇圧回路25と、可変形状ミラー3の3つの第1〜第3の電極22−1〜22−3への印加電圧を生成するための3つの第1〜第3のドライバ回路からなる可変形状ミラードライバ26と、該ドライバ26の各ドライバ回路の第1〜第3の出力端子26−1,26−2,26−3と第1〜第3の電極22−1,22−2,22−3との間に接続されたFETからなる第1のスイッチング素子27−1,27−2,27−3、及びドライバ26の第1の出力端子26−1と第1の電極22−1との間に接続された第1のスイッチング素子27−1に並列に接続された第2のスイッチング素子28とで構成されている。
【0031】
そして、第1のスイッチング素子27−1〜27−3は、その制御端子(ゲート端子)が共通に接続されていて、印加される制御電圧VSW1 によりON/OFF制御されるようになっており、また第2のスイッチング素子28はその制御端子に印加される制御電圧VSW2 によりON/OFF制御されるようになっている。
【0032】
この構成の可変形状ミラー駆動部7は、可変形状ミラーの全電極の独立駆動制御と、単一電極による駆動制御を切り替えて行う方式のものであるが、CPU9からの制御信号により、第1のスイッチング素子制御電圧VSW1 を“H”とすることにより、第1のスイッチング素子27−1〜27−3がいずれもONとなり、第1〜第3の各ドライバ回路で設定された各出力電圧VOUT1,VOUT2,VOUT3が、それぞれ第1〜第3の電極22−1〜22−3に印加されて、全電極独立駆動制御される。一方、第2のスイッチング素子制御電圧VSW2 を“H”とすることにより、第2のスイッチング素子28のみがONとなり、第1のドライバ回路で設定された出力電圧VOUT1が第1の電極22−1のみに印加され、単一電極による駆動制御となる。
【0033】
このように、この方式の構成例では、単一電極の駆動の際には、第2及び第3のドライバ回路の出力VOUT2,VOUT3をOFFとすることができるので、消費電力を削減することができる。例えば、画像データに基づく合焦調整(山登り方式AF)時、スルー画表示モード、ズーム比1〜6の光学系においてズーム比1〜3の低ズーム比撮影時、動画撮影時、撮像装置がフル画素 400万画素として設定記録画質が 200万画素以下などの場合のように、全画面高画質の画像を必要とせず、可変形状ミラーの形状精度をそれほど厳密にしなくてもよい場合には、単一電極駆動で処理を行い、低消費電力化を図りながら、対応した十分な結像性能を得るようにし、それ以外の通常の静止画撮影時には全電極独立駆動制御で、高精度の画像が得られる。
【0034】
以上のように単一電極駆動と全電極独立駆動を切り替える方式で、例えば可変形状ミラーによるAF制御時に、中央の単一電極のみ駆動し、撮影時に全電極駆動に切り替える場合、それぞれの駆動時における被写体距離に対する各電極への駆動印加電圧の関係は、表1に示すようなルックアップテーブルとして用意されている。
【0035】
【表1】
【0036】
例えば、AF動作でステップ1から順に、可変形状ミラーを無限遠位置から至近方向に向かって物体距離が少しずつ変化するように、その形状を変化させて、コントラストがピークとなる合焦位置を検出する際、中央の第1の電極への印加電圧を57Vとした被写体距離 500mmが合焦位置と判定さた場合、既座に対応する全電極独立駆動の電圧印加に切り替えて撮影を行う。この撮影時の第1〜第3の各電極への印加電圧は、表1で示すように、それぞれ63V,51V,34Vとなる。
【0037】
AF動作では、画像の中央部だけピントがあえばよいので、可変形状ミラーの中央の第1の電極のみに電圧を印加する。中央の電極のみに電圧を印加すると、ミラー本体(可動電極)の端部の変形量は小さくても、中央部の変形度は大きく、全電極の駆動時に中央の電極に印加する電圧と同じ電圧を印加しても、全電極電圧印加時に比べ、中央部の変形量が大きく曲率がきつくなり、同じ電圧の印加時には、近くにピントが合う。したがって、上記のように撮影状態(全電極駆動)に切り替えるときに中央部の変形量をAF時と同じにするためには、中央の第1の電極への印加電圧は、AF時より若干高く設定される。
【0038】
一般に、フォーカシングマージンを確保するために、AF時は、撮影の最短距離(至近位置:表1の例ではステップ11の 200mm)よりも、2段階位近い距離で一時的に合焦動作させる必要がある。上記のように単一電極駆動と全電極独立駆動の切り替え方式では、上記のように最短距離 200mmの撮影時に中央電極に印加する電圧が最大供給電圧の 100Vとなっている場合でも、AF動作時には 100V未満の99Vで2段階位近い距離(ステップ13)まで合焦動作を行わせることができる。
【0039】
したがって、この単一電極駆動と全電極駆動の切り替え方式は、消費電力の低減が図れると共に、中央部の電極のみの駆動では同じ駆動電圧で可変形状ミラーの曲率半径が小さくなるので、結果として最短合焦距離を得るための最大電圧を小さくできる。
【0040】
次に、可変形状ミラー駆動部7の他の構成例を図3に基づいて説明する。この構成例は、可変形状ミラーの複数(ここでは3個)の固定電極の全電極へ、それぞれ個別のドライバ回路から電圧を印加する全電極独立の駆動制御と、全電極へ単一のドライバ回路から共通の電圧を印加する全電極共通の駆動制御とを切り替えて行えるようにした構成例である。
【0041】
すなわち、図3に示すように、この駆動部は、図2に示した駆動部と同様に、昇圧回路25と、3つの第1〜第3のドライバ回路からなるドライバ26と、該ドライバ26の各ドライバ回路の第1〜第3の出力端子26−1〜26−3と可変形状ミラーの第1〜第3の電極22−1〜22−3との間に接続された第1のスイッチング素子27−1〜27−3とを備え、更に各ドライバ回路のうち第1のドライバ回路の第1の出力端子26−1に一端を共通に接続し、他端をそれぞれ可変形状ミラーの第1〜第3の電極22−1〜22−3に接続した、FETからなる第3のスイッチング素子29−1〜29−3とを備えて構成されている。
【0042】
そして、第1のスイッチング素子27−1〜27−3は、その制御端子が共通に接続されていて、印加される制御電圧VSW1 によりON/OFF制御されるようになっており、また第3のスイッチング素子29−1〜29−3は、その制御端子が共通に接続されていて、印加される制御電圧VSW3 によりON/OFF制御されるようになっている。
【0043】
この構成の可変形状ミラー駆動部7は、可変形状ミラーの全電極の独立駆動制御と、単一のドライバ回路による全電極の共通駆動制御とを切り替えて行う方式のものであるが、CPU9からの制御信号により、第1のスイッチング素子制御電圧VSW1 を“H”とすることにより、第1のスイッチング素子27−1〜27−2がいずれもONとなり、第1〜第3の各ドライバ回路で設定された各出力電圧VOUT1,VOUT2,VOUT3が、それぞれ第1〜第3の電極22−1〜22−3に印加されて、全電極独立駆動制御される。一方、第3のスイッチング素子制御電圧VSW3 を“H”とすることにより、第3のスイッチング素子29−1,29−2,29−3がいずれもONとなり、第1のドライバ回路で設定された出力電圧VOUT1が、第1〜第3の電極22−1〜22−3に共通に印加され、全電極共通駆動制御となる。
【0044】
このように、この方式の構成例では、単一のドライバ回路による全電極共通駆動制御の際には、第2及び第3のドライバ回路の出力VOUT2,VOUT3をOFFとすることができるので、同様に消費電力を削減することができる。
【0045】
この方式における全電極共通駆動制御を行う具体的な適用例としては、単一電極駆動制御の場合と同様に、AF時以外には、撮像部の全ズーム比範囲が1〜6倍の場合に、ズーム比として1〜3倍が設定される場合、撮影モードとしてスルー画像表示時及び動画撮影時の場合、また記録画質において撮像装置がフル画素400万画素として設定記録画質が 200万画素以下に設定されている場合などがある。
【0046】
この方式において、全電極独立駆動と全電極共通駆動とを切り替える場合における、被写体距離に対する可変形状ミラーの各電極への駆動印加電圧の関係は、同様に表1に示すようなルックアップテーブルとして用意されている。
【0047】
次に、図1に示した実施の形態に係るデジタルカメラの主要部の動作を、図4のフローチャートに基づいて説明する。なお、ここでは、可変形状ミラー3の駆動部としては、図2に示した構成のもの、すなわち単一電極駆動と全電極独立駆動の切り替え方式のものを用いているものとする。まず、撮影モードが静止画撮影モードであるか動画撮影モードであるかの判定が行われ(ステップS1)、静止画撮影モードが設定されている場合は、次にスルー画表示を行うか光学ファインダを用いるかの判定が行われ(ステップS2)、スルー画表示を行う場合は、LCD画像表示部17によるスルー画表示をONとする(ステップS3)。
【0048】
このスルー画表示の場合は、当然のことながら明るさ調整やピント合わせが必要となるので、被写体に対するAE調整動作(ステップS4)及びAF検出のサブルーチン動作(ステップS5)が行われる。AF検出は、測距AF方式と山登りAF方式とがあるが、測距AF方式を用いている場合は、図5の(A)に示すように、測距センサ14により測距が行われ(ステップS5−11)、被写体に対する焦点調整用の可変形状ミラー3の合焦位置の検出が行われる(ステップS5−12)。一方、山登りAF方式を用いている場合は、図5の(B)に示すように、焦点調整用の可変形状ミラー3の単一の中央の電極に対して初期値の電圧(無限大余裕あるいは至近距離余裕に対応する電圧)を印加し(ステップS5−21)、撮影を行って(ステップS5−22)、コントラスト値を検出し(ステップS5−23)、コントラスト値がピーク値となっているか否かの判定が行われる(ステップS5−24)。
【0049】
ここで、コントラスト値がピーク値となっていない場合(当然のことながら最初の撮影ステップではピーク値は存在していない)、可変形状ミラー3への印加電圧値を変更して形状を変え(ステップS5−25)、再度撮影を行い、ここまでで得られたコントラスト値にピーク値が存在しているかの判定が繰り返される。得られたコントラスト値にピーク値が存在すると判断した場合には、そのピークとなるコントラスト値が得られた被写体距離に対応する可変形状ミラー3の形態が、合焦位置として検出される(ステップS5−26)。
【0050】
このようにして、AF検出が行われると、メインルーチンに戻り、検出された合焦位置に対応する電圧が可変形状ミラー3の単一の中央電極に継続して印加され(部分電圧印加:ステップS6)、スルー画表示が続行される。次いで、1stレリース操作が行われたか否かの判定が行われ(ステップS7)、1stレリース操作が行われていない場合は、ステップS2のスルー画表示判定動作からの動作を繰り返し、1stレリース操作が行われるのを待機する。また、スルー画表示がなされていない場合は、スルー画表示のためのAE調整、AF検出、可変形状ミラーへの電圧印加等は不要なので、ステップS3〜S6の各動作は飛び越して、1stレリース操作判定ステップS7へ移行する。
【0051】
1stレリース操作が行われると、AE,AFロック動作のため、撮影条件の再調整として、再度AE調整動作(ステップS8)、AF検出動作(ステップS9)及び合焦位置に対応する可変形状ミラー3の中央電極への部分電圧印加動作(ステップS10)を行い、2ndレリース操作を待機する(ステップS11)。
【0052】
2ndレリース操作が行われると、先のステップS9のAF検出動作で得られた合焦位置に対応する可変形状ミラー3の全電極への独立駆動電圧を、LUTを参照して可変形状ミラー駆動部7より各電極にそれぞれ印加し(ステップS12)、可変形状ミラー3を高画質撮影画像が得られるような形状にして、その後露光して撮影を行う(ステップS13)。露光撮影後は、スルー画表示モードであるか否かの判定を行い(ステップS14)、スルー画表示モードでない場合は、節電のため可変形状ミラー3への電圧印加は終了させ(ステップS15)、スルー画表示モードのときは、可変形状ミラーを先の部分電圧印加態様に戻して、スルー画表示を継続させながら、撮影画像の記録を行う(ステップS16)。
【0053】
以上のように、静止画撮影モードの場合は、全電極独立駆動と単一電極駆動の使い分けを行い、消費電力の低減を図りながら、高画質の静止画像を得ることができるようになっている。一方、動画撮影モード時には、次のように動作する。なお、動画撮影モード時にはファインダを用いることは殆どないと考えられるので、スルー画像が自動的にLCD画像表示部17に表示されるものとして説明する。上記ステップS1において、動画撮影モードと判定されたときは、自動的にLCD画像表示部17へのスルー画表示機能がONとされ(ステップS21)、続いて静止画撮影モードの場合におけるスルー画表示のためのステップS4〜S6の各動作と同様に、AE調整動作(ステップS22)、AF検出動作(ステップS23)、及びAF検出動作により得られた合焦位置に対応する可変形状ミラー3の単一電極への部分電圧印加動作(ステップS24)を行い、LCD画像表示部17にスルー画表示を行う。
【0054】
そして、動画撮影モード時は1stレリース操作によるAE,AFロック操作は不要と考えられるので、かかる処理を省き、ここでは直ちに2ndレリース操作に入るようになっている。そこで、スルー画表示中に2ndレリース操作がなされたか否かの判定が行われ(ステップS25)、2ndレリース操作が行われない場合は、ステップS22のAE調整からスルー画表示のための動作を繰り返して、2ndレリース操作が行われるのを待機する。2ndレリース操作が行われると、露光撮影が行われ(ステップS26)、撮影画像の記録が行われる(ステップS27)。
【0055】
動画撮影の場合、被写体が動いたりして撮影シーンが変化するので、露光撮影直前のAE,AF状態のまま継続して撮影が続行されることはなく、通常数フレーム、例えば5フレーム毎にAE,AFの再調整が行われる。そこで、最初のフレームの撮影記録が行われた後、nフレームの撮影記録が行われたか否かの判定を行い(ステップS28)、nフレームの撮影記録が終了している場合は、再度AE調整(ステップS29)、AF検出(ステップS30)を行い、可変形状ミラーの単一電極に印加している電圧を、上記AF検出動作で得られた合焦位置の変化に応じて電圧値を変更する(ステップS31)。そして、2ndレリース操作が終了、つまり2ndレリースが離されたか否かの判定が行われ(ステップS32)、2ndレリースが離されていない場合は、ステップS26へ戻り、露光記録を続行し、2ndレリースが離されると、動画撮影モードの露光記録動作を終了する。
【0056】
なお、nフレームの撮影記録が行われたか否かの判定ステップS28において、nフレームの撮影記録が終了していない場合は、AE,AF状態の再調整を行わず、2ndレリースが離されるまで、露光記録が続行される。このように、動画撮影モードの場合は、可変形状ミラーに対して単一の電極への部分電圧印加のみで、消費電力の低減を図りながら、動画撮影が行われる。
【0057】
なお、この動作説明においては、可変形状ミラーの駆動部を、図2に示した単一の電極駆動と全電極独立駆動とを切り替えて行う方式のもので構成している例について説明を行ったが、図3に示した全電極共通電圧印加駆動と全電極独立駆動とを切り替えて行う方式のもので構成した可変形状ミラー駆動部を用いた場合においても、単一電極駆動動作ステップを全電極共通電圧印加駆動動作ステップに置き替えることにより、同様の動作を行わせることができ、同様の作用効果が得られる。
【0058】
上記実施の形態においては、可変形状ミラーの固定電極を3個とし、可変形状ミラー駆動部により、単一電極の駆動あるいは全電極共通電圧印加駆動と、全電極独立駆動との2段階の切り替え制御を行い、消費電力の低減化を図るようにしたものを示したが、変形例としては、次のような構成のものが考えられる。すなわち、可変形状ミラーの複数の固定電極における電圧印加電極数を段階的に切り替えて削減するようにしたり、あるいは共通電圧印加の電極グループ数を段階的に変化させたりする駆動形態が考えられる。
【0059】
例えば、図6に示すような分割パターンの8つの固定電極を配置し、同じ番号の電極(▲4▼と▲4▼,▲5▼と▲5▼)は常時共通に接続されている、左右対称の6分割電極構成の可変形状ミラーに対しては、次のような態様の駆動方式が考えられる。なお、上記6分割電極構成の可変形状ミラーは、3倍ズーム光学系のフォーカス調整用として用いられる構成のものである。
【0060】
すなわち、ズーム比による駆動モードとしては、形状精度の厳しいテレ時には、▲1▼〜▲6▼の各電極へ6つのドライバ回路から独立に電圧を印加して駆動させ、ワイド時には、▲1▼と▲2▼,▲3▼と▲4▼,▲5▼と▲6▼の組み合わせの3分割構成とし、各分割電極グループに3つのドライバ回路からそれぞれのグループの電極に共通に電圧を印加して駆動させるようにする。この場合は、6つのうちの3つのドライバ回路をOFFとすることができる。
【0061】
また、撮影モードによる駆動モードとしては、静止画撮影の場合には、▲1▼〜▲6▼の各電極へ6つのドライバ回路から独立に電圧を印加して駆動させ、動画撮影モード又はスルー画表示モード時には、▲1▼と▲2▼,▲3▼〜▲6▼の2分割構成とし、各分割電極グループに2つのドライバ回路からそれぞれ共通に電圧を印加して駆動させるようにする。
【0062】
撮影の動作による駆動モードとしては、AF検出時は、▲1▼と▲2▼,▲3▼〜▲6▼の2分割構成とし、各分割電極グループに2つのドライバ回路から電圧を印加して駆動させたり、あるいは▲1▼〜▲6▼の全電極に1つのドライバ回路から共通に電圧を印加して駆動させ、消費電力の低減化を図るようにしてもよい。
【0063】
また、図2及び図3に示した可変形状ミラーの駆動部の構成例では、ドライバを構成する各ドライバ回路の出力端子に切り替え用スイッチング素子を配置し、それらのON/OFF制御により、単一電極駆動あるいは全電極共通電圧印加駆動と全電極独立駆動とを切り替えるようにしたものを示したが、ドライバを構成する各ドライバ回路自体の動作をON/OFF制御して、可変形状ミラーの各電極への電圧印加を制御するようにしてよい。ドライバを含む可変形状ミラーの消費電力は、ドライバ回路部分の消費電力が大きいので、このようなドライバ回路自体をON/OFF制御することにより、一層の低消費電力化を図ることができる。
【0064】
以上実施の形態について説明を行ったが、本発明の特徴とする構成並びにその構成に基づく効果の一例をまとめて示すと、次の通りである。
【0065】
本発明の第1の特徴とする構成は、請求項1に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、可変形状ミラーの複数の電極のうちの一部の電極のみに電圧を印加して駆動するように構成しているので、可変形状ミラーのもつ低消費電力効果を更に向上させることができる。この構成は、複数の電極を備えた汎用の可変形状ミラーを用意しておいて、使用する機種の画質性能等に応じて可変形状ミラーの駆動電極数を設定する場合などに好適である。
【0066】
また第2の特徴とする構成は、請求項2に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、可変形状ミラーの一部の電極のみへの電圧印加と全ての電極への電圧印加とを、必要に応じて使い分けをすることができるので、効果的な低消費電力化を図ることが可能となる。
【0067】
また第3の特徴とする構成は、請求項3に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、一部の電極にのみ電圧を印加する部分電圧印加のタイミングを、撮像装置の特定の動作時に限定するようにしているので、通常の撮影時における撮影機能には、部分電圧印加により生じる支障を来さない。
【0068】
また第4の特徴とする構成は、請求項4に記載した撮像装置の構成であり、可変形状ミラーの反射面の形状を変化させながら合焦位置を検出する動作時には、一部の電極への電圧印加で合焦位置の検出が可能なので、上記のように、合焦位置検出動作時に部分電圧印加とすることにより、消費電力を低減しながら効率的に合焦検出を行うことができる。
【0069】
また第5の特徴とする構成は、請求項5に記載した撮像装置の構成であり、スルー画像表示や動画撮影時には厳密な画質が要求されないので、上記のようにかかる動作モード時に部分電圧印加とすることにより、全体として低消費電力化を図ることができる。
【0070】
また第6の特徴とする構成は、請求項6に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、主要被写体が位置する画面中央部に対応する可変形状ミラーの少なくとも中央の電極に電圧を印加して駆動するようにしているので、撮影画面への画質劣化の影響を少なくしながら低消費電力化を図ることができる。
【0071】
また第7の特徴とする構成は、請求項7に記載した撮像装置の構成であり、また第8の特徴とする構成は、請求項8に記載した撮像装置の構成である。このように構成された撮像装置においては、低消費電力化を図りながら、本来の画質を備えた撮影画像を得ることができる。
【0072】
また第9の特徴とする構成は、請求項9に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、部分電圧印加による合焦位置検出後に、撮影開始指示があった場合に、全電極へ電圧を印加して合焦位置になるように駆動するように構成しているので、合焦位置検出時には低消費電力化を図りながら本来の画質の撮影画像を得ることができる。
【0073】
また第10の特徴とする構成は、請求項10に記載した撮像装置の制御方法の構成であり、このように構成された撮像装置の制御方法においては、可変形状ミラーの複数の電極のうちの一部のみに電圧を印加して駆動するように制御しているので、可変形状ミラーのもつ低消費電力効果を更に向上させながら制御を行うことができる。
【0074】
また第11の特徴とする構成は、請求項11に記載した撮像装置の制御方法の構成であり、このように構成された撮像装置の制御方法においては、可変形状ミラーを合焦調整時には一部の電極のみに電圧を印加するように制御し、撮影時には全電極に電圧を印加するように制御するので、合焦調整時には低消費電力化を図りながら、撮影時には本来の画質の撮影を行うことができる。
【0075】
また第12の特徴とする構成は、請求項12に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、1つの駆動手段で可変形状ミラーの少なくとも2つの電極に共通に電圧を印加するように構成しているので、駆動手段は共通化され、駆動手段数を削減して消費電力の低減化を図ることができる。
【0076】
また第13の特徴とする構成は、請求項13に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、撮像装置の特定動作時に、1つの駆動手段によって全電極に共通に電圧を印加するように構成されているので、特定動作時にはより一層の低消費電力化を図ることができる。
【0077】
また第14の特徴とする構成は、請求項14に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、合焦調整時に全電極に共通に電圧を印加するようになっているので、合焦調整時の低消費電力化を図ることができる。
【0078】
また第15の特徴とする構成は、請求項15に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、複数の駆動手段を設けて、複数の各電極に対応する駆動手段を条件に応じて選択するようにしているので、複数の各電極に対応する駆動手段を固定している場合に比べ、低消費電力化を図りながら所望の画質の撮影を行うことが可能となる。
【0079】
また第16の特徴とする構成は、請求項16に記載した撮像装置の構成であり、このように構成された撮像装置においては、当該撮像装置の設定されたズーム比、撮影モードあるいは記録解像度に応じて各電極に対する駆動手段の共通化を制御するようになっているので、消費電力の低減を図りながら、所望の画質の撮影画像を得ることができる。
【0080】
また第17の特徴とする構成は、請求項17に記載した撮像装置の制御方法の構成であり、このように構成された撮像装置の制御方法においては、可変形状ミラーの複数の電極のうちの少なくとも2つの電極に共通に電圧を印加して駆動するように制御しているので、駆動手段の共通化により駆動電力を低減し、可変形状ミラーのもつ低消費電力効果を更に向上させながら制御を行うことができる。
【0081】
また第18の特徴とする構成は、請求項18に記載した撮像装置の制御方法の構成であり、このように構成された撮像装置の制御方法においては、可変形状ミラーを合焦調整時には少なくとも2つの電極に共通に電圧を印加するように制御し、撮影時には全電極に独立に電圧を印加するように制御するので、合焦調整時には低消費電力化を図りながら、撮影時には本来の画質の撮影を行うことができる。
【0082】
【発明の効果】
以上実施の形態に基づいて説明したように、本発明によれば、AF検出時等においては可変形状ミラーの複数の電極のうちの一部の電極のみに電圧を印加し、撮影時には全ての電極に電圧を印加して駆動するように構成しているので、可変形状ミラーのもつ低消費電力効果を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る撮像装置の実施の形態のデジタルカメラの構成を示すブロック構成図である。
【図2】図1に示した実施の形態における可変形状ミラー駆動部の構成例を示す概略ブロック図である。
【図3】図1に示した実施の形態における可変形状ミラー駆動部の他の構成例を示す概略ブロック図である。
【図4】図1に示した実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】図4に示したフローチャートにおけるAF検知のサブルーチン動作を示すフローチャートである。
【図6】可変形状ミラーの変形例における固定電極分割パターンを示す図である。
【図7】可変形状ミラーの構成例を示す平面図及び断面図である。
【図8】図7に示した可変形状ミラーの一般的な駆動部の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 撮像部
2 第1群光学系
3 可変形状ミラー
4 ズーム光学系
5 第6群光学系
6 撮像素子
7 可変形状ミラー駆動部
8 レンズ駆動部
9 CPU
10 入力指示部
11 フラッシュメモリ
12 撮像回路
13 AE/AF回路
14 測距センサ
15 DRAM
16 画像処理回路
17 LCD画像表示部
18 着脱記録媒体
19 圧縮伸長回路
21 基板
22−1,22−2,22−3 第1〜第3の固定電極
23 ミラー本体
24 スペーサ
25 昇圧回路
26 ドライバ
26−1,26−2,26−3 第1〜第3のドライバ回路出力端子
27−1,27−2,27−3 第1のスイッチング素子
28 第2のスイッチング素子
29−1,29−2,29−3 第3のスイッチング素子
Claims (18)
- 光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを光学系の一部として有する撮影手段と、前記可変形状ミラーに設けられた複数の電極のうちの一部の電極のみに電圧を印加して前記可変形状ミラーを駆動する制御手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。
- 前記制御手段は、前記可変形状ミラーの一部の電極のみに電圧を印加する他に、更に全ての電極に電圧を印加するようにも構成されていて、一部電極電圧印加又は全電極電圧印加のいずれかの態様で前記可変形状ミラーを駆動することを特徴とする請求項1に係る撮像装置。
- 前記制御手段は、当該撮像装置が特定の動作時のときには、一部の電極のみに電圧を印加して可変形状ミラーを駆動することを特徴とする請求項2に係る撮像装置。
- 前記可変形状ミラーは、前記反射面の形状に応じて前記撮影手段における合焦を調整するためのものであって、前記特定の動作時とは、前記反射面の形状を変化させながら合焦位置を検出する検出動作時であることを特徴とする請求項3に係る撮像装置。
- 前記特定の動作時は、当該撮像装置がスルー画像表示又は動画撮影時の少なくとも何れかにあるときであることを特徴とする請求項3に係る撮像装置。
- 前記制御手段は、一部の電極のみに電圧を印加する場合には、前記複数の電極の内の少なくとも中央の電極を含む一部の電極のみに電圧を印加することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に係る撮像装置。
- 前記制御手段は、撮影時には、全電極に電圧を印加して前記可変形状ミラーを駆動することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に係る撮像装置。
- 前記制御手段は、静止画撮影時には、全電極に電圧を印加して前記可変形状ミラーを駆動することを特徴とする請求項5に係る撮像装置。
- 前記制御手段は、前記一部の電極のみへの電圧印加による合焦位置検出後に、撮影開始指示があった場合に、前記検出された合焦位置になるように全電極へ電圧を印加して前記可変形状ミラーを駆動することを特徴とする請求項4,6,7のいずれか1項に係る撮像装置。
- 光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを光学系の一部として有する撮影手段を備えた撮像装置の制御方法において、前記可変形状ミラーに設けられた複数の電極のうちの一部の電極のみに電圧を印加するように制御することを特徴とする撮像装置の制御方法。
- 光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを合焦調整用として光学系の一部に有する撮影手段を備えた撮像装置の制御方法において、合焦調整時には前記複数の電極の一部の電極のみに電圧を印加するように制御し、撮影時には前記複数の電極の全ての電極に電圧を印加するように制御することを特徴とする撮像装置の制御方法。
- 光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを光学系の一部として有する撮影手段と、前記可変形状ミラーに設けられた複数の電極に電圧を印加するための複数の駆動手段と、該複数の駆動手段のうち少なくとも1つの駆動手段によって、前記複数の電極のうち少なくとも2つの電極に共通に電圧を印加するように制御する制御手段を備えたことを特徴とする撮像装置。
- 前記制御手段は、当該撮像装置が特定の動作時のときには、複数の駆動手段のうちの1つの駆動手段によって、前記複数ある電極の全ての電極に電圧を印加するように制御することを特徴とする請求項12に係る撮像装置。
- 前記特定の動作時とは、前記撮影手段が前記可変形状ミラーの反射面の形状変化によって合焦調整されているときであることを特徴とする請求項13に係る撮像装置。
- 光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを光学系の一部として有する撮影手段と、前記可変形状ミラーに設けられた複数の電極に電圧を印加するための複数の駆動手段と、前記複数の各電極に対応する駆動手段を条件に応じて選択する制御手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。
- 前記制御手段は、当該撮像装置の設定されたズーム比又は撮影モード又は記録解像度の少なくともいずれか1つに応じて、少なくとも1の電極用の駆動手段を当該1の電極における通常の駆動手段から他の電極における通常の駆動手段へと切り替えて、当該他の駆動手段で複数の電極を兼用して駆動するようにしたことを特徴とする請求項15に係る撮像装置。
- 光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを光学系の一部として有する撮影手段を備えた撮像装置の制御方法において、前記可変形状ミラーに設けられた複数の電極のうちの少なくとも2つの電極に共通に電圧を印加するように制御することを特徴とする撮像装置の制御方法。
- 光路を変更させる反射面及び該反射面の形状を電圧印加により変化させる複数の電極を設けた可変形状ミラーと、該可変形状ミラーを合焦調整用として光学系の一部に有する撮影手段を備えた撮像装置の制御方法において、合焦調整時には前記複数の電極のうちの少なくとも2つの電極に共通に電圧を印加するように制御し、撮影時には前記複数の電極の全ての電極に独立に電圧を印加するように制御することを特徴とする撮像装置の制御方法。
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