JP2004162647A - シリンジポンプ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリンジポンプ装置10は、制御ユニット30を有する。制御ユニット30は、コマンド記憶部38に格納してあるコマンドを入力部32によって選択することができる。プログラム作成部36は、入力部32によって選択したコマンドに基づいてシリンジポンプ12を作動するプログラムを作成する。シリンジポンプ12は、ポンプ駆動モータ14によって駆動される駆動ベルトによってプランジャが軸線に沿って移動させられる。プログラム作成部36は、シリンジポンプ12を作動するプログラムを作成する場合、補正量記憶部34に格納してある補正量を読み出し、駆動ベルトのバックラッシによる補正をしたプログラムを作成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を吸引、吐出するシリンジポンプ装置にかかり、特に定量吐出が可能なシリンジポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリンジポンプは、バイオ技術分野、医療分野、製薬分野などにおいて、薬液等の液体の微小量を高い精度で分注する場合に使用されている。従って、シリンジポンプのプランジャの移動量を高精度で制御する必要がある。このため、従来のシリンジポンプ装置においては、プランジャを移動させる駆動機構として、一般に高精度のボールねじを使用している(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−178821号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ボールねじを使用した従来のシリンジポンプ装置は、装置が大型、重量化するとともに、精度の高いボールねじを使用するために非常に高価となる。また、従来のシリンジポンプ装置は、通常、シリンジポンプを単体で購入した者が、シリンジポンプの駆動機構と組み合わせるとともに、使用目的に応じてシリンジポンプの動作を制御するプログラムを開発していた。このため、シリンジポンプを使って液体の定量を自動的に行なうためには、機械的、電気的な知識ばかりでなく、ソフトウェアなどの幅広い知識を必要とし、一般の人がシリンジポンプを用いて手軽に液体の自動定量をするのが困難であった。
【0005】
本発明は、前記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、小型、軽量化が図れるとともに、安価に提供できるようにすることを目的としている。
また、本発明は、一般の人でも液体の自動定量を容易に精度のよく行なえるようにすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
ベルト駆動は、一般に伸びなどによるバックラッシが大きく、精密、高精度な駆動には不向きであるといわれている。特に、シリンジポンプは、液体を吸引するときに、シリンダの内部が負圧となるために、プランジャを後退させるのに非常に大きな力を必要とし、ベルトのバックラッシ量が大きくなる。このため、微小量を高精度で定量するシリンジポンプは、ベルト駆動を採用していないのが現状である。そこで、発明者らは、鋭意研究し、実験を重ねた結果、シリンジポンプをベルト駆動した場合であっても、高い精度で液体の定量が可能である手法を開発した。
【0007】
本発明は、上記の発明者らの研究に基づくものであって、フレームに取り付けたシリンジポンプと、このシリンジポンプのプランジャが連結され、プランジャの軸線に沿って移動可能な移動体と、前記フレームに設けられ、前記移動体を前記プランジャの軸線に沿って案内するガイド部と、前記移動体が取り付けられ、一対のプーリ間に掛け渡した駆動ベルトと、前記プーリを介して前記駆動ベルトを駆動し、前記プランジャを往復動させる駆動モータと、この駆動モータの起動、停止を制御するとともに、前記駆動ベルトのバックラッシを補正して前記プランジャポンプの吐出量を制御する制御ユニットと、を有することを特徴としている。
【0008】
ガイド部は、複数のガイド軸からなり、1つのガイド軸は、両端部が前記フレームに位置決めされ、その他のガイド軸は、一端が前記フレームに支持され、複数のガイド軸のなす平面内において揺動可能である、ように構成できる。また、フレームには、シリンジポンプの吸引・吐出口を着脱自在に連結可能であるとともに、吸引・吐出口を吸引流路と吐出流路とに切替え接続する流路切替え部を設けることができる。
【0009】
そして、制御ユニットは、前記シリンジポンプの吸引動作、吐出動作などの、シリンジポンプを動作させる複数のコマンドを格納したコマンド記憶部と、このコマンド記憶部に格納してある前記コマンドを選択可能な入力部と、この入力部によって選択されたコマンドと入力された情報とに基づいて、前記シリンジポンプの動作プログラムを作成するプログラム作成部と、プログラム作成部が作成した動作プログラムを記憶するプログラム記憶部とを有するように形成することができる。また、制御ユニットは、前記動作プログラムを仮想実行し、仮想実行した内容を表示装置に表示する検証部を有するようにできる。
【0010】
【作用】
上記のようになっている本発明は、制御ユニットによって駆動ベルトのバックラッシを補正するようにしているため、シリンジポンプを作動させるのにベルトを用いたとしても、定量を正確に行なうことができる。このため、装置の小型、軽量化が図れるとともに、安価にすることができる。
【0011】
ガイド部を複数のガイド軸から構成し、1つのガイド軸の両端をフレームに位置決めし、他のガイド軸を各ガイド軸のなす平面内で揺動可能に支持すると、複数のガイド軸間において高い精度で平行となるように配置する必要がなく、組立を容易にすることができる。そして、流路切替え部をシリンジポンプの吸引・吐出口を着脱自在に連結できるようにすると、定量する量に応じて接続するシリンジポンプの大きさを変えることにより、シリンジポンプのプランジャの移動量が同じであっても吐出量を変えることができ、微少量の定量を高精度で行なうことができる。
【0012】
制御ユニットにコマンド記憶部、コマンドを選択する入力部、プログラム作成部、プログラム記憶部を設けることにより、容易にシリンジポンプを動作させるプログラムを作成することができ、一般の人でもシリンジポンプを使用して自動定量を容易に行なうことができる。そして、制御ユニットに検証部を設けて動作プログラムを仮想実行することにより、作成した動作プログラムが正しいか否かを容易に確認することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係るシリンジポンプ装置の好ましい実施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るシリンジポンプ装置の概略を示すブロック図である。図1において、実施形態に係るシリンジポンプ装置10は、詳細を後述する制御ユニット30を備えている。また、シリンジポンプ装置10は、シリンジポンプ12とこれを作動するポンプ駆動モータ14、および回転バルブ16とこれを駆動するバルブ駆動モータ18、並びにこれらの駆動モータ14、18に取り付けたロータリエンコーダ20、22を有している。
【0014】
制御ユニット30は、入力部32を有する。入力部32は、キーボードやマウスなどから構成してある。そして、入力部32の出力側には、補正量記憶部34、プログラム作成部36、コマンド記憶部38が接続してある。補正量記憶部34は、後述する駆動ベルト(歯付ベルト)のバックラッシの補正量を記憶させるもので、入力部32によって補正量が設定される。コマンド記憶部38は、シリンジポンプ12の液体吸入命令や液体吐出命令、回転バルブ切替え命令などのコマンドが記憶されており、コマンドの内容が表示装置40に表示可能となっている。
【0015】
入力部32は、表示装置40に表示されたコマンドを任意に選択することができる。プログラム作成部36は、入力部32から入力された、または入力部32によって選択されたコマンドや情報に基づいて、シリンジポンプ装置10を動作させるプログラムを作成する。そして、実施形態の場合、表示装置40に表示されたコマンドをマウスなどによって選択することにより、プログラム作成部36にコマンドを入力できるようにしてある。プログラム作成部36は、入力部32によって選択され、入力されたコマンドと、そのコマンドの具体的な実行内容、例えばシリンジポンプの液体吸引速度、液体吐出速度、液体吐出量などの情報に基づいてシリンジポンプ装置10の動作プログラムを作成する。この際、プログラム作成部36は、補正量記憶部34から駆動ベルトのバックラッシに対する補正量を読み出し、動作プログラムを補正する。実施形態の場合、ポンプ駆動モータ14、バルブ駆動モータ18は、ステップモータから構成してあり、シリンジポンプ12の動作速度、吐出量などが駆動モータ14、18に与えるステップ数によって設定される。また、プログラム作成部36の作成した動作プログラムは、表示装置40に表示されるようになっていて、作成されたプログラムが正しいか否かを容易に確認することができるようにしてある。
【0016】
シリンジポンプ装置10は、さらにプログラム記憶部42、検証部44、プログラム実行部46、駆動回路48、50を有する。プログラム記憶部42は、不揮発メモリからなっていて、プログラム作成部36の出力側に接続してあり、プログラム作成部36が作成した動作プログラムを記憶する。また、検証部44は、プログラム作成部36、プログラム記憶部42に接続してあるとともに、入力部32に接続してある。そして、検証部44は、入力部32から検証実行命令を受けると、プログラム作成部36が作成した動作プログラム、またはプログラム記憶部42に格納してある指定された動作プログラムを仮想的に実行し、表示装置40に実行内容を表示する。従って、プログラム作成部36により作成された動作プログラムの内容を、表示装置40を介してシリンジポンプ装置10の具体的な動作として確認することができ、動作プログラムの誤りなどを容易に見つけ出すことができる。
【0017】
プログラム実行部46は、プログラム作成部36、プログラム記憶部42に接続してあるとともに、入力部32からプログラム選択信号と実行命令を受けるようになっている。そして、プログラム実行部46は、入力部32からの指令に基づいて、プログラム作成部36の作成した動作プログラム、またはプログラム記憶部42に格納してある動作プログラムを読み出し、このプログラムに基づいた駆動信号を出力側に接続してある駆動回路48、50に与える。この駆動回路48、50には、ポンプ駆動モータ14、バルブ駆動モータ18が接続してある。また、プログラム実行部46は、各駆動モータ14、18に取り付けたロータリエンコーダ20、22が接続してあって、これらのロータリエンコーダ20、22の出力信号を読み込んで、駆動モータ14、18が正常に駆動しているか否かを判断するようになっている。すなわち、プログラム実行部46は、駆動回路48、50を介して駆動モータ14、18に与えた駆動パルスと、ロータリエンコーダ20、22が出力するパルス数とを比較し、駆動モータ14、18が正常に動作しているか否かを判断する。
【0018】
シリンジポンプ12は、図2に示したように、シリンダ60と、このシリンダ60の内部を軸方向に摺動するプランジャ62とを有し、シリンダ60の先端(図2の上端)にヘッド部64がシリンダ60と一体に形成してある。このヘッド部64は、シリンダ60の内部と連通する吸入・吐出口(図示せず)が設けてあって、吸入・吐出口にねじ部が形成してある。そして、シリンダ60は、ヘッド部64に設けたねじ部を介して、詳細を後述する流路切替え部である回転バルブ16に着脱自在に螺着できるようになっている。すなわち、回転バルブ16は、接続アダプタ68が着脱自在に螺着できるようになっていて、この接続アダプタ68の先端にヘッド部64を螺着するようになっている。このため、回転バルブ16には、定量する液体の量に応じて任意の太さのシリンダ60を有するシリンジポンプ12を接続することが可能となっている。
【0019】
プランジャ62は、後端にねじ孔70を有する。このねじ孔70には、取付けノブ72が螺着される。この取付けノブ72は、移動体74の一部である作動板76をプランジャ62と協働して挟持し、プランジャ62を移動体74に接続する。移動体74は、フレーム80の内部に配置したスライダ78と作動板76とから構成してあって、スライダ78の下端に作動板76が固定してある。
【0020】
フレーム80は、図2、図4に示したように、下部の中央部に開口82が図2の上下方向に設けてあって、この開口82を介して作動板76の先端側をフレーム80の前方に突出可能としているとともに、作動板76をプランジャ62の軸線に沿って移動可能としている。そして、フレーム80の前面上部には、前記した回転バルブ16が固定してある。さらに、フレーム80の前面には、回転バルブ16の下方にポンプ固定部材84が設けてある。ポンプ固定部材84は、図3に示したように、一対の挟持板86から形成してあって、これらの挟持板86の先端側をボルトとナットとによって締結してヘッド部64を挟持することにより、シリンジポンプ12をフレーム80に固定する。
【0021】
移動体74を構成しているスライダ78は、平板部88とブロック部90とから構成してある。ブロック部90は、平板部88の長手方向両端部において幅方向両側に形成してある(図4参照)。そして、これらのブロック部90には、ガイド部であるガイド軸92(92a、92b)が貫通している。これらのガイド軸92は、上部支持板94に支持されている。この上部支持板94は、L字状をなしていて、フレーム80の前側内面に固定してある。また、上部支持板94は、天板部に一対の円形の軸孔が設けてあって、この軸孔にガイド軸92の上端を挿入するようになっている。そして、ガイド軸92は、上端がガイド軸92の軸方向に螺入したボルト96によって上部支持板94に中吊り状態で支持されている。
【0022】
各ガイド軸92の下端は、フレーム80に取り付けた下部支持板98に設けた軸孔100、102に挿入してある。一方のガイド軸92aを挿入する軸孔100は、図6に示したように円形に形成してある。このため、一方のガイド軸92aは、上下端が上下の支持板94、98に形成した円形の軸孔100に嵌入され、上下の軸孔によって位置決めされて支持板94、98に固定された状態となっている。しかし、下部支持板98の他方の軸孔102は、図6の左右方向に長い長孔とされている。このため、他方のガイド軸92bは、下端が軸孔102の長手方向に沿って移動可能となっており、上端のボルト96による支持部を中心にして、ガイド軸92a、92bのなす面内で揺動可能となっている。
なお、図4の下部に示した符号103は、ガイド軸92に設けた位置決め用のピン孔である。このピン孔103は、ガイド軸92の上端部にも設けてあって、このピン孔103を利用してガイド軸92の組み付けの際の位置決めが行なわれる。
【0023】
フレーム80は、図3に示してあるように、C型をなしている。そして、フレーム80の後端折り曲げ部104には、図2に示したように、パルスモータからなるとポンプ駆動モータ14とバルブ駆動モータ18が固定してある。バルブ駆動モータ18は、出力軸の中間部にロータリエンコーダ22が設けてあり、出力軸の先端が回転バルブ16に接続してある。
【0024】
回転バルブ16は、図7に詳細を示したように、略円形をなすボディ部110の中心部に円形の回転弁体112が回転可能に収納してある。そして、回転弁体112は、半径方向に一対の流路114(114a、114b)を有している。これらの流路114は、回転弁体112の中心に対して120度の間隔で設けてあり、回転弁体112の中心部において相互に連通している。一方、ボディ部110には、中心側に3つのポート116(116a〜116c)が中心に対して120度間隔で放射状に形成してある。
【0025】
各ポート116は、それぞれに対応して同心状に形成した開口118、120、122に連通している。開口122は、シリンジポンプ12のヘッド部64を接続するためのもので、アダプタ68が螺着可能なねじ部が設けてある。一方、開口118には、図示しないチューブなどから形成した吸引流路または吐出流路のいずれか一方が接続される。また、開口120には、吸引流路または吐出流路のいずれか他方が接続される。さらに、これらの開口118、120には、これらの流路を接続するためのアダプタ(図示せず)を螺着するねじ部が形成してある。そして、回転バルブ16は、回転弁体112が図7に示された状態から、反時計方向に120度回転すると、流路114aをポート116cに接続し、流路114bをポート116に接続して、シリンジポンプ12を吸引流路(または吐出流路)から吐出流路(または吸引流路)に切り替える。
【0026】
ポンプ駆動モータ14の出力軸には、駆動プーリ124が取り付けてある(図2参照)。また、バルブ駆動モータ18の下方には、図5に示したように、両側の後端折り曲げ部104間にプーリ板126が渡してあって、このプーリ板126に従動プーリ128が回転自在に取り付けてある。そして、駆動プーリ124と従動プーリ128との間には、駆動ベルト(歯付ベルト)130が巻き掛けしてある。
【0027】
この駆動ベルト130は、一部がベルトホルダ132に固定されている。ベルトホルダ132は、図3に示してあるように、U字状に形成してある。ベルトホルダ132は、U字状の底部がスライダ78の平板部88の上端背面に固定してある。そして、駆動ベルト130は、ベルトホルダ132の一方の側部内面においてベルトホルダ132と押え板134とによって挟持され、ベルとホルダ132に固定されている。従って、ポンプ駆動モータ14を駆動して駆動ベルト130をプーリ124、128間を周回移動させると、ベルトホルダ132を介してスライダ78が図2の上下方向に移動し、さらに作動板76を介してシリンジポンプ12のプランジャ62が軸線方向に沿って移動する。
【0028】
一方、スライダ78背面には、図5に示したように、ブラケット135を介してクランク状に形成したドグ136が取り付けてある。このドグ136は、プランジャ62の上限位置、すなわちプランジャ62がシリンダ60の上端まで押し込まれたことを検出するものである。そして、フレーム80の内面には、フォトカプラ138が設けてあり、ドグ136の先端位置を検出する。このフォトカプラ138の出力信号により、プランジャ62の上限位置が検出される。
【0029】
上記のごとくなっているシリンジポンプ装置10の作用は、次のとおりである。まず、制御ユニット30をオンして立ち上げ、図8に示したような制御画面150を表示装置40に表示させる。この制御画面150は、上部にモード選択部152が表示される。このモード選択部152は、シリンジポンプ12の動作プログラムを作成するための編集ボタン154、作成したプログラムを仮想実行させるための検証ボタン156、プログラムを実際に実行するための実行ボタン158を有する。また、制御画面150は、上部中央部にシリンジ容量設定部160を有していて、回転バルブ16に接続したシリンジポンプ12の容量を設定することができるようになっている。そして、シリンジ容量設定部160にシリンジポンプ12の容量を設定すると、その下方の設定値表示部162の下部に、ポンプ駆動モータ14の1パルスあたりのシリンジポンプ12の流量(吸入量または吐出量)が自動的に表示される。
【0030】
さらに、制御画面150の上部には、プログラム記憶部42に格納してあるプログラムを読み出すための読出しボタン164、作成したプログラムをプログラム記憶部42に記憶させ、格納するための保存ボタン166、使用方法などの説明を表示させる説明ボタン168、制御画面150の表示を終了させる終了ボタン170が表示される。
【0031】
制御画面150は、コマンド表示部172、設定値表示部162、装置選択部174、通信テキスト表示部176を有する。コマンド表示部172は、ディフォルト値設定180、シリンジ初期化182、シリンジポンプ12を吸引動作させる吸引184、シリンジポンプ12を吐出動作させる吐出186などのコマンド記憶部38に格納してあるコマンドが表示される。そして、コマンド表示部172に表示されたコマンドをマウスなどの入力部32によって選択(クリック)すると、プログラム作成部36がその選択されたコマンドを通信テキスト表示部176のコマンド欄に188に表示する。従って、一般の人であっても容易にシリンジポンプ12を制御する動作プログラムを作成することができ、シリンジポンプ12を用いた自動定量を容易に行なうことができる。
【0032】
設定値表示部162は、シリンジポンプ12のプランジャ62の移動速度やシリンジポンプ12の吸引量の上限値(吸引上限値)などがパルス数によって表示できるようにしてある。なお、移動速度の欄が「6」の場合、毎分6000パルスでプランジャ62を移動させることを示しており、吸引上限値の欄が「2000」の場合、2000パルス分シリンジポンプに吸引動作させることを示している。
【0033】
また、原点復帰補正欄は、フォトカプラ138によって検出したプランジャ62の上限位置を補正するためのものである。すなわち、シリンジポンプ12の製作誤差、回転バルブ16への装着状態などによって、ドグ136を介してフォトカプラ138によって検出したプランジャ62の上限位置が、必ずしもシリンダ60の上端位置になるとは限らない。そこで、実施形態においては、原点復帰補正欄を設けてフォトカプラ138によって検出したプランジャ62の上限位置からさらに適宜のパルス数だけプランジャ62を上方に移動させる補正を行なっている。この補正量は、自由に設定可能である。表示例では、15パルス分上方に移動させる補正を示している。そして、この補正は、シリンジ初期化のときに行なわれる。
【0034】
この実施形態の場合、制御ユニット30は、16台のシリンジポンプ12を同時に制御可能となっている。そして、装置選択表示部174は、動作プログラムによって制御するシリンジポンプ12の選択や、制御画面150の下部の動作表示部190に表示するシリンジポンプ12を選択するためのものである。また、制御画面150には、下部に動作表示部190が設けてある。この動作表示部190には、動作を制御している複数のシリンジポンプ12のうち、任意の4台について動作状態が表示できるようにしてある。
【0035】
通信テキスト表示部176には、プログラム記憶部42から読み出したプログラムの内容、またはモード選択部152において編集ボタン154を選択してプログラムを作成するときに、そのプログラムが表示される。例示してある通信テキスト表示部176の行番号1に表示されたコマンドは、ディフォルト設定値の設定を示しており、分解能が「0」で、毎分6000パルスのスピードで吸入ポートから2000パルス分吸引するという内容を表している。そして、行番号2は、シリンジポンプを初期化せよ、というコマンドを示し、行番号3は吸入ポートから2000パルス分を毎分6000パルスの速度で吸引せよ、というコマンドを示している。また、通信テキスト表示欄176のコマンド欄188に表示された内容は、装置選択表示部174に下部に示してある上書ボタン、挿入ボタン、削除ボタンを使用して任意に修正することができる。このようにして作成または修正されたプログラムは、保存ボタンをクリックすることによってプログラム記憶部42に書き込まれ、保存される。
【0036】
なお、実施形態の場合、シリンジポンプ12を駆動ベルト130によって作動させるため、駆動ベルト130のバックラッシを補正するようにしている。この補正は、シリンジポンプ12の吸引時に行なうようにしてある。制御ユニット30の補正量記憶部34には、例えば50パルス、100パルス等の適宜の補正パルス数が記憶させてある。そして、プログラム作成部36は、吸引上限値が入力されると、自動的に補正量記憶部34から補正量を読み出して吸引上限値に加算するとともに、この補正後の吸引上限値まで吸引動作が行なわれると、自動的に補正量だけ吐出動作を行なわせるようにプログラムを作成する。
【0037】
モード選択部152の検証ボタン156がクリックされると、検証部44に検証実行命令が与えられる。検証部44は、通信テキスト表示部176に表示されているプログラム内容を順次読み取り、仮想実行してその内容を動作表示部190に表示する。従って、プログラムが正しく作成されたか否かを容易に確認することができる。
【0038】
モード選択部152の実行ボタンが選択されると、プログラム実行部46にプログラム実行開始命令が与えられ、プログラム実行部46が作成されたプログラム、またはプログラム記憶部42から選択されたプログラムを実行する。このプログラム実行部46によるプログラムの実行は、複数のシリンジポンプ12に対して同じ動作をさせることができるし、それぞれを異なったプログラムによる異なった動作をさせることができる。そして、選択された任意の4つのシリンジポンプ12について、動作内容が制御画面150の動作表示部190に表示される。
【0039】
プログラム実行部46は、まずシリンジポンプ12の初期化を行ない、シリンジポンプ12を回転バルブ16の吸入ポートに接続するとともに、プランジャ62を上限まで上昇させる。このとき、原点復帰補正が行なわれ、プランジャ62をシリンダ60の上端まで確実に移動させる。このとき、ベルトホルダ132は、上限位置に上昇する。その後、吸引動作に入り、例えば吸引ポートから200パルス分(実際は補正量を加えた例えば2050パルス分)を毎分6000パルスで吸引させる。すなわち、プログラム実行部46は、駆動回路48を介してポンプ駆動モータ14に駆動パルスを与え、駆動ベルト130を図5の反時計方向に回転させる。そして、プログラム実行部46は、ポンプ駆動モータ14を2050パルス分駆動したならば、ポンプ駆動モータ14を50パルス分反対方向に駆動し、吸引動作を終了する。プログラム実行部46は、ロータリエンコーダ20の出力信号を読み込み、ポンプ駆動モータ14の駆動状態を監視する。
【0040】
その後、プログラム実行部46は、駆動回路50を介してバルブ駆動モータ18に駆動パルスを与え、回転バルブ16の回転弁体112を例えば図7の反時計方向に120度回転させ、シリンジポンプ12を吐出ポートに接続する。この回転バルブ16の動作は、ロータリエンコーダ22によって検出され、プログラム実行部46によって監視される。
【0041】
プログラム実行部46は、回転バルブ16の切り替えが終了すると、吐出動作に入り、ポンプ駆動モータ14に駆動パルスを与え、駆動ベルト130を図5の時計方向に周回させ、スライダ78を上方に移動させる。この吐出動作においては、駆動ベルト130に作用する張力が非常に小さいため、駆動ベルト130にバックラッシが生ずることがほとんどない。しかも、吸入時は、バックラッシ補正量だけ吐出動作をさせて吸入動作の終了としており、吐出動作の開始とともに液体の吐出が開始される。このため、正確な吐出動作が可能であり、微小量を正確に定量することができる。なお、1回の吸入動作に対する吐出動作は、必要回数設定することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、制御ユニットによって駆動ベルトのバックラッシを補正するようにしているため、微小量の定量を容易、高精度に行なうことができる。
一般の人であってもシリンジポンプを用いて容易に液体の自動定量を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るシリンジポンプ装置の概略ブロック図である。
【図2】実施の形態に係るシリンジポンプ装置の側断面図である。
【図3】図2のA−A線に沿った矢視図である。
【図4】実施の形態に係るスライダの詳細を示す図である。
【図5】実施の形態に係る駆動ベルトの巻き掛け状態を示す図である。
【図6】実施の形態に係る下部支持板に設けた軸孔の説明図である。
【図7】実施の形態に係る回転バルブの詳細説明図である。
【図8】実施の形態に係る表示装置に表示された制御画面の説明図である。
【符号の説明】
10………シリンジポンプ装置、12………シリンジポンプ、14………ポンプ駆動モータ、16………流路切替え部(回転バルブ)、18………バルブ駆動モータ、30………制御ユニット、32………入力部、34………補正量記憶部、36………プログラム作成部、38………コマンド記憶部、42………プログラム記憶部、44………検証部、46………プログラム実行部、60………シリンダ、62………プランジャ、74………移動体、76………作動板、78………スライダ、80………フレーム、92a、92b………ガイド部(ガイド軸)、112………回転弁体、130………駆動ベルト、132………ベルトホルダ。
Claims (5)
- フレームに取り付けたシリンジポンプと、
このシリンジポンプのプランジャが連結され、プランジャの軸線に沿って移動可能な移動体と、
前記移動体を前記プランジャの軸線に沿って案内するガイド部と、
前記移動体が取り付けられ、一対のプーリ間に掛け渡した駆動ベルトと、
前記プーリを介して前記駆動ベルトを駆動し、前記プランジャを往復動させる駆動モータと、
この駆動モータの起動、停止を制御するとともに、前記駆動ベルトのバックラッシを補正して前記プランジャポンプの吐出量を制御する制御ユニットと、
を有することを特徴とするシリンジポンプ装置。 - 請求項1に記載のシリンジポンプ装置において、
前記ガイド部は、複数のガイド軸からなり、
1つのガイド軸は、両端部が前記フレームに位置決めされ、
その他のガイド軸は、一端が前記フレームに支持され、複数の前記ガイド軸のなす平面内において揺動可能である、
ことを特徴とするシリンジポンプ装置。 - 請求項1または2に記載のシリンジポンプ装置において、
前記フレームには、前記シリンジポンプの吸引・吐出口を着脱自在に連結可能であるとともに、前記吸引・吐出口を吸引流路と吐出流路とに切替え接続する流路切替え部が設けてある、
ことを特徴とするシリンジポンプ装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1に記載のシリンジポンプ装置において、
前記制御ユニットは、前記シリンジポンプの吸引動作、吐出動作などの、シリンジポンプを動作させる複数のコマンドを格納したコマンド記憶部と、このコマンド記憶部に格納してある前記コマンドを選択可能な入力部と、この入力部によって選択されたコマンドと入力された情報とに基づいて、前記シリンジポンプの動作プログラムを作成するプログラム作成部と、プログラム作成部が作成した動作プログラムを記憶するプログラム記憶部とを有することを特徴とするシリンジポンプ装置。 - 請求項4に記載のシリンジポンプ装置において、
前記制御ユニットは、前記動作プログラムを仮想実行し、仮想実行した内容を表示装置に表示する検証部を有していることを特徴とするシリンジポンプ装置。
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