JP2004162396A - 軒先融雪装置、およびそれを使用した軒先融雪方法 - Google Patents

軒先融雪装置、およびそれを使用した軒先融雪方法 Download PDF

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Abstract

【課題】屋根上の積雪を加温することによって逐次消雪可能とするようにした方式による屋根の融雪技術に関し、専ら、軒先付近に貯まって落下による危険を伴う積雪を逐次融雪することにより、軒先付近を主体とし、惹いては屋根面全体に及ぶ消雪を可能にすると共に、軒先きの氷柱等の発生を抑制することができるようにする新規な構造からなる軒先融雪装置、およびそれを使用した新規な軒先融雪方法を提供する。
【解決手段】線状のヒータ4を内蔵した長尺で伝熱素材製部材からなる発熱部3を、軒先鼻隠し6にか、または同鼻隠し6相当箇所に配し、軒先鼻隠し6部分から軒先面所定範囲を加温し得るようにしてなるものとした軒先融雪装置1である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の目的】
この発明は、屋根上の積雪を加温することによって逐次消雪可能とするようにした方式による屋根の融雪技術に関するものであり、専ら、軒先付近に貯まって落下による危険を伴う積雪を逐次融雪することにより、軒先付近を主体とし、惹いては屋根面全体に及ぶ消雪を可能にすると共に、軒先きの氷柱等の発生を抑制することができるようにする新規な構造からなる軒先融雪装置、およびそれを使用した新規な軒先融雪方法を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
家屋の屋根上に降り積もった雪は、日中の気温の僅かな上昇や家屋内暖房からの放熱等を受けて少しずつ解け出し、天候の変化に伴う気温の低下や寒風に曝されたり、夕暮れから翌朝にかけての激しい温度低下等により、図4の氷柱ができた軒先付近の側面図に示されるように、屋根上7の軒先付近で解け出した雪8が再氷結して氷81の塊となり、さらに軒先からは多数の氷柱82が垂れ下がった状態となってしまい、これら氷塊81や氷柱82等が落下してくると、地上に居る人や物に当たる可能性があり、非常に危険な状態を呈することになる。
【0003】
このような軒先付近の雪や氷の落下を防止するため、従前から屋根(図示せず)の瓦葺き材と野地板との間に消雪パイプやヒータ等を設置したり、屋根裏暖房等を利用するようにした融雪が行われてきているが、特に既存の家屋に対して消雪パイプやヒータ等を設置する場合には、その設置範囲に渡って瓦材や亜鉛鍍金鋼板材等の瓦葺き材を剥がし取り、瓦葺き材と野地板との間に設置することが必要となり、設置に際して多大な労力と費用とを費やさなければならず、しかも一旦剥がし取ってしまった金属板製の瓦葺き材は、変形や破損が激しく、再度利用することができずに建築廃棄物となってしまい、処分にも手間がかかってしまうという不都合があった。
【0004】
このような不都合を解消すべく、例えば、登録実用新案第3065733号公報の「屋根融雪装置」や、登録実用新案第3025878号公報の「屋根軒先融雪ヒータの取付け構造」等に開示されたもののように、融雪用のヒータを屋根の軒先上面に上乗せする形に設置するものも既に多数開発されているが、これらのタイプの融雪装置は、屋根上面に設置するために雪や氷塊による荷重に耐え得るよう十分な強度を持つものとしなければならない上、確りした防水構造を確保できる取り付け金具やその装着構造等を設けなければならず、全体構造が大型化して屋根に加わる荷重負担を増大させ、しかも構造が複雑化して設置費用が嵩むものとなってしまうという欠点があった。
【0005】
この発明は、永年に渡って屋根上の融雪装置の設置工事に携わってきた経験から、軽量且つシンプルな構造でありながら、屋根の防水構造を損ねる虞れを伴わなず、軒先付近に発生した氷塊や氷柱を悉く解消することができる融雪装置を実現することはできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の軒先融雪装置、およびそれを使用した新規な軒先融雪方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【0006】
【発明の構成】
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の軒先融雪装置は、基本的に次のような構成から成り立っている。 即ち、線状または管状のヒータ自体からなるか、あるいはそれら線状または管状のヒータを内蔵した長尺で伝熱素材製部材からなるかした発熱部を、軒先鼻隠しにか、または同鼻隠し相当箇所に配してなるものとした構成を要旨とする軒先融雪装置である。
【0007】
この基本的な構成からなる軒先融雪装置を、より具体的な構成のものとして示すと、線状または管状のヒータ自体からなるか、あるいはそれら線状または管状のヒータを内蔵した長尺で伝熱素材製部材からなるかした発熱部を、軒先鼻隠しにか、または同鼻隠し相当箇所に配し、軒先鼻隠し部分から軒先面所定範囲を加温し得るようにした構成からなる軒先融雪装置であるということができる。
【0008】
この発明の軒先融雪装置を、表現を変えて示すと、線状または管状のヒータ自体からなるか、あるいは外皮状をなす伝熱素材製部材であって、それら線状または管状のヒータを内蔵した長尺状のものとするかした発熱部を、適宜取着構造によって軒先鼻隠しにか、もしくは同鼻隠し相当箇所に間接的に装着してなるものとした軒先融雪装置となる。
【0009】
そして、それらは、さらに具体的には、鼻隠し型の装着板部の上端縁に沿って、溝型に形成されたヒータ内装用の発熱部を一体に形成した伝熱素材製のヒータ装着板を有し、該ヒータ装着板の溝型とした発熱部内に線状または管状のヒータを嵌装状に内装したものとした上、当該発熱部上端縁を、屋根軒先先端屋根葺き材裏面に近接または略当接状とするようにした姿勢で、前記装着板部を軒先鼻隠しにか、もしくは同鼻隠し相当箇所に沿って装着してなるものとした構成からなる軒先融雪装置であるということができる。
【0010】
これは、表現を変えれば、鼻隠し型の装着板部の上端縁に沿って、溝型に形成されたヒータ内装用の発熱部を一体に形成した伝熱素材製のヒータ装着板を有し、該ヒータ装着板の溝型とした発熱部内に線状または管状のヒータを嵌装状に内装したものとした上、当該発熱部上端縁を、屋根軒先先端屋根葺き材裏面に近接または略当接状とするようにした姿勢で、前記装着板部を軒先鼻隠しにか、もしくは同鼻隠し相当箇所に沿って装着し、ヒータに対して電力、あるいは気体または液体等の加熱流体を供給し得るようにした軒先融雪装置となる。
【0011】
更に、最も望ましいものとして示すならば、鼻隠し型の略平板状に形成した装着板部の上端縁に沿って、鼻隠しに面して溝型に開口するヒータ内装用の発熱部を一体形成してなる高熱伝導率且つ耐腐触性の金属素材からなるヒータ装着板を有し、前記発熱部に沿って線状のヒータを嵌装状に内装したものとした上、当該発熱部上端縁を、屋根軒先先端屋根葺き材裏面に近接または略当接状とするようにした姿勢で、前記装着板部を軒先鼻隠しにか、もしくは同鼻隠し相当箇所に沿って装着し、ヒータに対して電力を供給し得るようにした構成からなる軒先融雪装置ということができる。
【0012】
発熱部は、ヒータ機能を軒先鼻隠し、または同鼻隠し相当箇所に配し、積雪や強風、豪雨等の荒天や日光による紫外線、季節毎の温度変化等の環境変化に十分に耐え得る状態にして装着し得るようにする機能を果たし、ヒータから発する熱を効率的に放出し、軒先鼻隠し部分、または軒先鼻隠し部分から軒先面所定範囲を融雪可能な温度に加温し得るよう形成したものとしなければならず、金属板による瓦棒葺きや一文字葺きの軒先先端裏面の折返し面や、軒先包み板等に近接あるいは当接状とすることが可能である外、軒先の野地板下面に近接あるいは当接状に配置したものとすべきであり、ヒータ自体を屋根軒先の適所に対し、止め金具類あるいは耐候性に秀れた金属被膜層によって被覆された合成樹脂製の粘着テープ等を用いて離脱しないよう固着したものとすることが可能である外、伝熱性に秀れる金属製、溝型(樋型)あるいは筒型の外皮状部材からなり、該溝型部分または筒型部分に沿ってヒータを嵌装状もしくは挿通状に装着し、ヒータから発せられた熱を外部に効率的に伝達可能な構造とすることが可能である。
【0013】
ヒータは、発熱部それ自体を形成するものとなるか、あるいは、前記発熱部の一部として添設あるいは内蔵される等して外部に向けて放熱する機能を果たし、屋根軒先の所望箇所を少なくとも氷結不能な状態に加温できるようにする機能を果たすものであり、伝熱素材製の樹脂パイプや金属パイプ等から形成され、内部に氷点温度よりも高い温度の気体や液体等の流体を供給するものや、あるいは、電力を供給することによって発熱する電熱線または赤外線を発生する石英管やセラミックス部材等とすることができる。
【0014】
ヒータ装着板は、軒先鼻隠しまたは同鼻隠し相当箇所に発熱部を装着し、発熱部の下側にある装着板部によって軒先鼻隠しまたは同鼻隠し相当箇所を略外装状として加温可能とする機能を果たし、高い伝熱性を有して発熱部からの熱を略全体に伝導し、放出するものとしなければならず、風雨や着雪、強風等の荒天に耐え、耐食性に秀れた素材から形成したものとすべきであり、一部を軒先の雨樋と接合して雨樋にも加温できるものとしたり、雨樋の取付け座を形成する機能を兼ねるものとすることができ、また、設置箇所を軒先鼻隠しではなく、屋根棟方向端の破風板や、同破風板相当箇所となる、例えば、垂木外側面とすることも可能であり、したがって、この発明の軒先鼻隠しには、ケラ羽が包含されており、このケラ羽に採用する際には、特に上側となる発熱部が防水構造等で保護されたものとするのが望ましい。
【0015】
装着板部は、軒先鼻隠し(ケラ羽が包含される。以下、同様)、または同鼻隠し相当箇所(即ち、鼻隠しが無く、直接垂木木口が露にされている軒先構造のそれら木口を横に列ねる箇所)に装着可能であり、発熱部を屋根軒先先端屋根葺き材裏面に近接または略当接状とするよう配した状態に支持可能とする機能を果たし、発熱部と一体となって同発熱部からの熱を伝導し、軒先鼻隠しまたは同鼻隠し相当箇所を氷点以上に加温可能とするものとしなければならず、軒先鼻隠しまたは同鼻隠し相当箇所の略全体を外装状に覆い隠すか、あるいはその一部を外装状に被覆するものとすべきであり、その装着には釘やネジ、金具類等を用いる外、両面粘着テープや接着剤その他の、十分な装着強度を確保できる構造を採用することができる。
【0016】
ヒータの発熱源は、軒先付近の融雪や解氷を可能とする程度に発熱可能とするよう、電力あるいは熱源となる加熱気体(蒸気や暖房排気等を含む)や加熱液体(温水や加熱油、地下水等を含む)等の流体を必要に応じて自在に供給可能とする機能を果たすものであり、軒先の着雪状態や氷柱の発生等を認識した利用者がスイッチ操作することによって電力や流体等を供給できるようなものとすることが可能である外、タイマーや温度センサ等を利用して時間帯や気温あるいは軒先部分の温度等に応じて電力あるいは流体を自動的に供給するよう制御可能なものとすることができる。
【0017】
【関連する発明】
上記した軒先融雪装置に関連し、この発明には、当該軒先融雪装置を使用して実施する軒先融雪方法も包含するものであり、その構成は、基本的に次のとおりのものとなる。
即ち、軒先鼻隠しあるいは同鼻隠し相当箇所に配してなる発熱部を有する軒先融雪装置に、電力、あるいは気体または液体等の加熱流体を供給して放熱させ、専ら軒先鼻隠し部分、または軒先鼻隠し部分から屋根軒先面所定範囲に掛けて加温することによって融雪するようにした構成を要旨とする、前記この発明の軒先融雪装置を使用した軒先融雪方法である。
【0018】
さらに具体的な表現によるものとして示すと、線状または管状のヒータ自体からなるか、あるいは線状または管状のヒータを内蔵した長尺で伝熱素材製部材からなるかした発熱部を、軒先鼻隠しあるいは同鼻隠し相当箇所に配してなる軒先融雪装置に対し、前記ヒータに電力、あるいは気体または液体等の加熱流体を供給して放熱させ、軒先鼻隠し部分、または軒先鼻隠し部分から屋根軒先面所定範囲を加温して融雪するようにした軒先融雪方法であるということができる。
【0019】
そして、最も望ましい構成によるものとしては、鼻隠し型の略平板状に形成した装着板部の上端縁に沿って、鼻隠しに面して溝型に開口するヒータ内装用の発熱部を一体形成してなる高熱伝導率且つ耐腐触性の金属素材からなるヒータ装着板を有し、前記発熱部に沿って線状のヒータを嵌装状に内装したものとした上、当該発熱部上端縁を、屋根軒先先端屋根葺き材裏面に近接または略当接状とするようにした姿勢で、前記装着板部を軒先鼻隠しにか、もしくは同鼻隠し相当箇所に配してなる軒先融雪装置に対し、前記ヒータに電力を供給して放熱を適宜制御して当該ヒータを発熱させ、軒先鼻隠し部分、または軒先鼻隠し部分から屋根軒先面所定範囲を加温して融雪するようにした、この発明の軒先融雪装置を使用した軒先融雪方法となる。
【0020】
発熱部は、装着板部と一体に形成されたものに限定されず、発熱部を単独で軒先鼻隠しあるいは同鼻隠し相当箇所で屋根軒先先端屋根葺き材裏面に近接するか、略当接状となる箇所に装着したものとすべきであり、例えば軒先鼻隠し上端縁に位置する屋根軒先先端屋根葺き材裏面(屋根軒先先端裏側面)に沿ってヒータを配置させ、粘着テープや金具類等を用いて固定したものとすることが可能であり、また、工場生産によって鼻隠しに面する部分を溝型に開口した外皮状に形成され、該溝型内にヒータを予め一体に嵌着されたものを工事現場に持ち込み、軒先鼻隠しあるいは同鼻隠し相当箇所に装着、可能とすることができる外、工場生産によって鼻隠しに面する部分を溝型に開口した外皮状、または筒型外皮状に形成し、工事現場に持ち込んだ後に該溝型内にヒータを嵌着し、あるいは筒型内にヒータを挿通させて軒先鼻隠しあるいは同鼻隠し相当箇所に装着することも可能である。
【0021】
ヒータのための発熱源は、線状に形成された電熱ヒータや赤外線ヒータ等に電力を供給するものの外、パイプ状のヒータに蒸気や温風、その外の加熱ガスを供給したりボイラや温水器、太陽光利用等によって加熱された水や油、または地下水等を供給するものとしたり、あるいは放熱後の流体を再度加熱して循環利用するものとすることが可能であり、タイマーや軒先の適所に設置した温度センサ等を利用して時間帯や気温あるいは軒先部分の温度等に応じて電力あるいは流体を自動的に供給開始すると共に、供給量の細かな制御を行い、不要時には停止するよう制御可能なものとすることができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【0022】
【実施例】
図1の軒先融雪装置を設置した軒先の斜視図、および図2のヒータ装着板の斜視図に示される事例は、略平板状に形成した鼻隠し型の装着板部と、その上端縁に沿って一体に設けられ、鼻隠しに面する部分を開口した溝型に形成したヒータ内装用の発熱部とを有してなり、高い熱伝導率を有し、且つ耐腐触性に富む金属素材製のヒータ装着板からなり、前記発熱部に沿って線状の電熱型ヒータを嵌装状に内装すると共に、該発熱部の上部付近を、屋根軒先先端屋根葺き材裏面に略接合状とするよう配した上、前記装着板部を軒先鼻隠しに沿って装着し、さらにヒータに対して電力を供給可能とする発熱源を接続したこの発明の軒先融雪装置における代表的な一実施例を示すものである。
【0023】
当該軒先融雪装置1は、そのヒータ装着板11が、厚さ1〜2mm程度のアルミニウムまたはステンレス製の長尺平板状に形成された装着板部2と、その上縁に沿って略横転U字型あるいは略コ字型状に折曲されることにより、鼻隠しに面する側を開口する溝型の発熱部3とから形成され、その上下幅を、装着の対象となる軒先の鼻隠し6の上下幅と略同じ寸法に設定し、左右長さを1.8m〜3.6m程度の比較的取り扱い易い寸法に設定され、該発熱部3は、図2中に示されるように、上側の開口縁部31が、下側の開口縁部32よりも僅かに短く設定されたものとなっている。
【0024】
また、ヒータ4は、発熱部3の溝型部分に嵌着可能な略平板状の断面形状および断面寸法に設定され、この実施例では、図示しない平行する二本の銅線の全長間に渡り、導電性ポリマーと放射線架橋技術を結合することで得られた抵抗体素子からなる自己制御性発熱体を介在させ、冷えた部分では該発熱体が僅かに収縮して導電性ポリマーの結合が密になり、二本の銅線間に多数の電流通路を形成して発熱し、温度が高くなると発熱体が膨脹し、電流通路が分断状となって自動的に発熱量が低減されるよう形成されてなるアイス・ストップヒータ(商品名:レイケム社)を採用している。
【0025】
【作 用】
以上のとおりの構成からなるこの発明の軒先融雪装置1は、図1中に示しように、軒先鼻隠し6に対し、1.8m〜3.6m程度の単位長さに設定された複数枚のヒータ装着板11,11,……を、各ヒータ装着板11毎に、その上部に開口された溝型の発熱部3に沿って線状のヒータ4を緩やかに圧入するよう嵌着し、同発熱部3の開口を鼻隠し6に相対する姿勢とすると共に、図3の屋根軒先に取り付けられた軒先融雪装置の側面図に示されるように、同上側開口縁部31の上側壁面を屋根7の軒先先端屋根葺き材裏面71に接合状とした上、装着板部2を釘、ネジあるいは両面粘着テープ等を用いて鼻隠し6に確りと固定するよう装着し、軒先鼻隠し6の一方端から他方端へ順次同様に装着して行き、他方端に達した最後のヒータ装着板11の剰余分を切り詰めて左右長さ寸法を軒先鼻隠し6に一致させることにより、軒幅寸法の異なる個別の家屋に合せて装着することが可能となる。
【0026】
各ヒータ装着板11,11,……の左右接合部分には、必要に応じて鼻隠し6側となる内側か、これとは反対側となる外側の何れか一方もしくは双方に、雨水や雪解け水等の浸入を防止可能な防水シールや防水シート等を装着したものとすることも可能であり、軒先に鼻隠し6を有さない屋根に対しては、鼻隠し相当箇所となる例えば垂木軒端に露出する木口面を繋ぐようにヒータ装着板11,11,……を設置し、ヒータ装着板11,11,……自体が鼻隠し6を形成するものとすることも可能である。
【0027】
そして、図1中に示すように、軒先左右の一方端に位置するヒータ装着板11から延伸されたヒータ4の一方端を、軒下付近の外壁面に設置した発熱源5の一部を形成する温度センサ付きの制御ボックス51に接続し、また反対側に位置するヒータ装着板11から延伸されたヒータ4の他方端を図示しない家庭用交流電源である電力供給源に接続したものとする。
【0028】
このようにして設置された軒先融雪装置1は、制御ボックス51が、付属する図示しない温度センサによって軒先屋根面の温度が氷点下に達したことを検知すると電力の供給を自動的に開始し、1℃以上に達すると電力の供給を自動停止するように設定してあり、図3中に示すように、積雪が有り軒先屋根面が氷点下に達すると、ヒータ4への電力の供給が開始され、ヒータ装着板11,11,……への加温を開始することとなる。
【0029】
屋根7の軒先先端屋根葺き材裏面71に当接された発熱部3は、金属板製の瓦棒葺きまたは一文字葺きの折返部分、あるいは図示しない軒先包み板等の軒先先端屋根葺き材裏面71に直接的に伝熱し、あるいは野地板、ルーフィング張り、瓦葺き面等を逐次加温し、図3中に示すように、屋根軒先側の所定範囲72に渡って熱を伝えて解氷、融雪すると共に、下方の装着板部2を加温して軒先に氷柱が発生するのを防止するものとなり、さらに、屋根軒先側の所定範囲72の上端付近となる位置に、雪止め金具73,73,……を取り付けることにより、積雪8の滑落を防止することが可能となる。
【0030】
この実施例では、ヒータ4に、前記アイス・ストップヒータ(商品名:レイケム社)を採用してあって、軒先融雪装置1が設置された軒先全幅の中の各所毎の部分的な温度差に応じて、温度の低い箇所では自動的に加温を強め、それよりも温度の高い箇所では自動的に加温を弱めるので、通常の全域略同一加温のヒータを使用した場合に比較し、一層経済的に電力利用が可能となる。
【0031】
【効 果】
以上のとおり、この発明の軒先融雪装置によれば、軒先鼻隠しあるいは同鼻隠し相当箇所であって、屋根軒先先端屋根葺き材裏面に近接または略当接状に発熱部を配する構造としてあることから、屋根上面に設置する従前までの融雪装置に比較して軽量且つシンプルなものとすることが可能となり、しかも既存屋根の防水構造を損ねる虞れを一切伴わなずして、軒先付近に貯まる雪や氷塊を確実に融雪することができるものになると共に、軒先きでの氷柱の発生を確実に防止することができるという秀れた効果を奏するものとなる。
【0032】
また、この発明の軒先融雪方法によれば、発熱部を形成するか、もしくは発熱部の一部を形成する線状または管状のヒータに対し、発熱源からの電力あるいは気体または液体等の加熱流体を供給して放熱させることにより、軒先鼻隠し部分や同隠し相当部分を効率的に加温して軒先付近に発生した積雪や氷塊、氷柱を融雪、解氷し、さらに軒先付近の加温可能な所定範囲に渡って再凍結を防止し、落下による危険が懸念される軒先の氷塊や氷柱の発生原因そのものを根絶して軒先周辺の安全を確保することができ、しかも雪国の厳冬期における家屋自体の外的美観を確保できるという大きな特徴が得られることになる。
【0033】
特に、実施例に取り上げたこの発明を代表する構成の軒先融雪装置1は、上記した特徴に加え、図2中に示したように、軒先鼻隠しに略一致する寸法に設定され、長尺平板状の装着板部2の上端縁に沿って発熱部3を形成したヒータ装着板11を採用したことにより、既存の屋根鼻隠しの外側壁面に沿って外装状に装着するという簡単な取付け作業によって効率的に設置することが可能であり、しかもヒータ装着板11をアルミニウムまたはステンレス製とすることにより、鼻隠し部分の外敵美観の向上と防錆や耐久性の向上を果たすことができると共に、その高い熱伝導性によって効率的な放熱、加温が可能になるという利点が得られるものとなる。
【0034】
さらに、図1および図3に示したように、発熱部3側開口縁部31の上側壁面を屋根7の軒先先端屋根葺き材裏面71に当接状とするよう取り付けしたものでは、屋根上面から軒先先端屋根葺き材裏面71に回り込むように折曲、仕上げされている亜鉛鍍金鋼板製素材や銅板製素材等かなる瓦棒葺き材あるいは一文字葺き材等に直接、伝熱して熱損失を低減し、より経済的な融雪を可能とすることができ、また、スレートや和瓦葺き等のように屋根上面に比較的断熱性に秀れた瓦材を葺いた屋根の場合であっても、軒先先端屋根葺き材裏面71に近接または略当接状とした発熱部3から、図示しない野地板、ルーフィング等の下葺き材、および瓦葺きの順に、次第に熱を伝えるように放熱、加温して軒先所定範囲に渡る部分の融雪、解氷を行うものとすることが可能である。
【0035】
叙述の如く、この発明の軒先融雪装置、およびそれを使用した軒先融雪方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造が容易で、従前からの屋根上に設置される融雪装置に比較し、構造がシンプルで軽量な上に、既存の屋根面構造に一切手を掛けることのないものになり、しかも部品点数も減少させて遥かに経済的なものとすることができる上、作業効率自体も大幅に高められ、費用の削減と工期の短縮とを確実に達成可能にすることから、軒先回りの消雪に苦慮する雪国の一般市民からは勿論のこと、経済的でより消雪効果の高い融雪装置が求められる建築業界においても高い評価がなされることとなって、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明の軒先融雪装置、およびそれを使用した軒先融雪方法の技術的思想を具現化した代表的な一実施例を示すものである。
【図1】屋根軒先に装着された軒先融雪装置を示す斜視図である。
【図2】ヒータ装着板の形状を示す斜視図である。
【図3】融雪された軒先を示す側面図である。
【図4】氷柱が発生した軒先を示す側面図である。
【符号の説明】
1 軒先融雪装置
11 同 ヒータ装着板
2 装着板部
3 発熱部
31 同 開口縁部(上側)
32 同 開口縁部(下側)
4 ヒータ
5 発熱源
51 同 制御ボックス
6 鼻隠し
7 屋根
71 同 軒先先端屋根葺き材裏面
72 同 屋根軒先側の所定範囲
73 同 雪止め金具
8 雪(積雪)
81 同 氷(氷塊)
82 同 氷柱

Claims (9)

  1. 線状または管状のヒータ自体からなるか、あるいはそれら線状または管状のヒータを内蔵した長尺で伝熱素材製部材からなるかした発熱部を、軒先鼻隠しにか、または同鼻隠し相当箇所に配してなるものとしたことを特徴とする軒先融雪装置。
  2. 線状または管状のヒータ自体からなるか、あるいはそれら線状または管状のヒータを内蔵した長尺で伝熱素材製部材からなるかした発熱部を、軒先鼻隠しにか、または同鼻隠し相当箇所に配し、軒先鼻隠し部分から軒先面所定範囲を加温し得るようにしてなるものとしたことを特徴とする軒先融雪装置。
  3. 線状または管状のヒータ自体からなるか、あるいは外皮状をなす伝熱素材製部材であって、それら線状または管状のヒータを内蔵した長尺状のものとするかした発熱部を、適宜取着構造によって軒先鼻隠しにか、もしくは同鼻隠し相当箇所に間接的に装着してなるものとしたことを特徴とする軒先融雪装置。
  4. 鼻隠し型の装着板部の上端縁に沿って、溝型に形成されたヒータ内装用の発熱部を一体に形成した伝熱素材製のヒータ装着板を有し、該ヒータ装着板の溝型とした発熱部内に線状または管状のヒータを嵌装状に内装したものとした上、当該発熱部上端縁を、屋根軒先先端屋根葺き材裏面に近接または略当接状とするようにした姿勢で、前記装着板部を軒先鼻隠しにか、もしくは同鼻隠し相当箇所に沿って装着してなるものとしたことを特徴とする軒先融雪装置。
  5. 鼻隠し型の装着板部の上端縁に沿って、溝型に形成されたヒータ内装用の発熱部を一体に形成した伝熱素材製のヒータ装着板を有し、該ヒータ装着板の溝型とした発熱部内に線状または管状のヒータを嵌装状に内装したものとした上、当該発熱部上端縁を、屋根軒先先端屋根葺き材裏面に近接または略当接状とするようにした姿勢で、前記装着板部を軒先鼻隠しにか、もしくは同鼻隠し相当箇所に沿って装着し、ヒータに対して電力、あるいは気体または液体等の加熱流体を供給し得るようにしたことを特徴とする軒先融雪装置。
  6. 鼻隠し型の略平板状に形成した装着板部の上端縁に沿って、鼻隠しに面して溝型に開口するヒータ内装用の発熱部を一体形成してなる高熱伝導率且つ耐腐触性の金属素材からなるヒータ装着板を有し、前記発熱部に沿って線状のヒータを嵌装状に内装したものとした上、当該発熱部上端縁を、屋根軒先先端屋根葺き材裏面に近接または略当接状とするようにした姿勢で、前記装着板部を軒先鼻隠しにか、もしくは同鼻隠し相当箇所に沿って装着し、ヒータに対して電力を供給し得るようにしたことを特徴とする軒先融雪装置。
  7. 軒先鼻隠しあるいは同鼻隠し相当箇所に配してなる発熱部を有する軒先融雪装置に、電力、あるいは気体または液体等の加熱流体を供給して放熱させ、専ら軒先鼻隠し部分、または軒先鼻隠し部分から屋根軒先面所定範囲に掛けて加温することによって融雪するようにしたことを特徴とする請求項1ないし6何れか一項記載の軒先融雪装置を使用した軒先融雪方法。
  8. 線状または管状のヒータ自体からなるか、あるいは線状または管状のヒータを内蔵した長尺で伝熱素材製部材からなるかした発熱部を、軒先鼻隠しあるいは同鼻隠し相当箇所に配してなる軒先融雪装置に対し、前記ヒータに電力、あるいは気体または液体等の加熱流体を供給して放熱させ、軒先鼻隠し部分、または軒先鼻隠し部分から屋根軒先面所定範囲を加温して融雪するようにしたことを特徴とする請求項1ないし5何れか一項記載の軒先融雪装置を使用した軒先融雪方法。
  9. 鼻隠し型の略平板状に形成した装着板部の上端縁に沿って、鼻隠しに面して溝型に開口するヒータ内装用の発熱部を一体形成してなる高熱伝導率且つ耐腐触性の金属素材からなるヒータ装着板を有し、前記発熱部に沿って線状のヒータを嵌装状に内装したものとした上、当該発熱部上端縁を、屋根軒先先端屋根葺き材裏面に近接または略当接状とするようにした姿勢で、前記装着板部を軒先鼻隠しにか、もしくは同鼻隠し相当箇所に配してなる軒先融雪装置に対し、前記ヒータに電力を供給して放熱を適宜制御して当該ヒータを発熱させ、軒先鼻隠し部分、または軒先鼻隠し部分から屋根軒先面所定範囲を加温して融雪するようにしたことを特徴とする請求項6記載の軒先融雪装置を使用した軒先融雪方法。
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JP2017186826A (ja) * 2016-04-07 2017-10-12 アルアピア株式会社 折板屋根用融雪装置

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