JP3216772U - ルーフヒーティング装置 - Google Patents

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橋 昌 起 高
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Abstract

【課題】設置工数を大幅削減することができ、既存の建築物屋根上にも短期間の中に低コストで設置することが可能である上、耐久性に優れ耐用年数を延ばし、ランニングコストを大幅に低廉化し、より経済的な融雪を実現化可能とする、建築物屋根のルーフヒーティング装置を提供する。【解決手段】建築物7屋根外装70上の適宜面積範囲71に渡り、フェンス用ネット材2を展開、被覆状として要所々々を固定、張設し、該張設フェンスネット2に対しヒーティングケーブル3を隈無く張り巡らせるよう配線すると共に、ヒーティングケーブル3の適宜長さ寸法置き毎となる複数適所を、結束体4,4,……で同張設フェンスネット2の対応箇所に固定した上、同ヒーティングケーブル3の電源コード部30を、建築物7適所に設置した融雪制御盤5まで延伸、接続してなるものとしたルーフヒーティング装置1である。【選択図】図1

Description

この考案は、建築物屋根上の融雪、凍結防止、氷柱防止、消雪、落雪防止などの技術に関連するものであり、特に、電力を熱エネルギーに変換して融雪可能とするルーフヒーティング装置を製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
豪雪地帯に留まらず、近年の地球温暖化や気候変動などにより、例年、あまり雪が降らない地域にも大雪が降ることが頻発するようになり、不慣れな除雪作業を余儀なくされたり、高齢者が危険な雪降ろし作業をしなければならなかったり、経験者の過信による油断によるなどといった様々な要因によって、建築物屋根上の除雪作業中に転落してしまう事故や、屋根からの落雪に巻き込まれてしまう事故などが、各地で毎年のように発生しており、こうした事故を未然に防ぐものとして屋根に設置する様々な融雪装置が開発されてきている。
この融雪装置には、地下水やボイラーからの温水を屋根に誘導して散水する散水方式や、ボイラーからの温水を循環するものや、屋根瓦下や金属葺き板下に融雪ヒーターを敷設するものの外、屋根外装上に融雪ヒーターを露出するよう設置するものなどの無散水方式を採用するものも広く実用化されており、地下水を散水するものは、その散水量を制限しないと地盤沈下などの被害を発生する虞があり、またボイラーの温水を利用するものでは、設置費用およびランニングコストが嵩んでしまうという欠点が有り、屋根葺き材下に融雪ヒーターを敷設するものにあっては、既存の屋根に設置しようとする場合、特に設置工事に多大な経費を要してしまうとい難点があり、かといって、屋根外装上に融雪ヒーターを露出設置するようにしたものでは、融雪ヒーターが強風や積雪の荷重に直接晒されてしまい、耐久性に課題を残すだけではなく、融雪ヒーターの放熱面積を広く確保するのが難しいという大きな課題があった。
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案も、これまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、蛇行状に複数回往復する延在させた発熱線に、複数本の耐熱性連結ロープを交叉状に連結して全体を網状構造のものとし、発熱線が風によって飛散してしまうのを防止可能となるようにしたものや、同特許文献1(2)に見られるような、建築物屋根上に網状上屋根を設け、該建築物屋根上であって、網状上屋根下面に接するようにした温水パイプからなる加熱手段を巡らせてなり、融雪水を建築物屋根上に排水し、排水によって温水パイプおよび網状上屋根が冷却されるのを阻止して再凍結を防止し、網状上屋根上の積雪に効率的に放熱し、融雪効果を高めるようにしたものなどが散見される。
しかし、前者特許文献1(1)に示されている融雪用電熱体などは、屋根上に設置する工事に際し、蛇行状に配した発熱線に対して複数本の耐熱性連結ロープを交叉状に連結して網状に組み立てる必要があり、組み立ておよび設置に多くの工数を要してしまうという欠点があり、また、特許文献1(2)のような融雪装置などは、温水パイプに供給する温水を加熱するのに相当の燃料や電力などを要するため、ボイラーや温水機などといった加熱装置類のメンテナンスコストやランニングコストが嵩んでしまうという大きな課題を抱えるものであった。
(1)特開2001−40833号公報 (2)実開平1−122150号公報
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある建築物屋根上に設置する各種融雪装置類は、何れも設置工数が嵩み、ボイラーや温水機などのメンテナンスコストやランニングコストが嵩むなど経済的負担が大きいという欠点を残すものである外、例えば、発熱線として連結ロープを用いて網状に組み立てるようにしたものなどは、柔軟性に優れてはいるものの、屋根の勾配に沿って次第に滑り移動する積雪の荷重に対する強度を確保することや、太陽光の紫外線、赤外線、風雨雪などに対する耐候性を高めるのが困難であるだけではなく、金属製の装着装置に比較して耐久性にも劣ることが懸念される外、網状上屋根を設置するものは、優れた耐久性を確保できるが、硬質な金属は、屋根の形状や寸法に応じ、適切な寸法および形状の設置枠部材を多種多様に準備しなければならず、設置コストの高騰化を招いてしまう虞があるなどといった欠点が有り、永年、様々な建築物の屋根に融雪装置を設置してきた経験から得られた様々な知見、および、顧客からの情報などに基づき、さらに、経済的且つ迅速に設置することができる上、耐久性にも優れ、しかもランニングコストも低減化できる新たな融雪設備の開発の可能性を痛感するに至ったものである。
(考案の目的)
そこで、この考案は、設置工数を大幅削減することができ、既存の建築物屋根上にも短期間の中に低コストで設置することが可能である上、耐久性に優れ耐用年数を延ばし、ランニングコストを大幅に低廉化し、より経済的な融雪を実現化可能とする、建築物屋根の新たな融雪装置技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造のルーフヒーティング装置を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの考案を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(考案の構成)
図面に示すこの考案を代表する実施例からも明確に理解されるように、この考案のルーフヒーティング装置は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、建築物屋根外装上の適宜面積範囲に渡り、厚みを有する立体的網目形状としたフェンス用ネット材を展開、被覆状として要所々々を固定、張設し、該張設フェンスネットに対し、少なくとも1本のヒーティングケーブルを、同張設フェンスネット面積範囲に渡り、適宜間隔を置いて隈無く張り巡らせるよう配線すると共に、ヒーティングケーブルの適宜長さ寸法置き毎となる複数適所を、結束体で同張設フェンスネットの対応箇所に固定した上、同ヒーティングケーブルの電源コード部を、建築物適所に設置した融雪制御盤まで延伸、接続してなるものとした構成を要旨とするルーフヒーティング装置である。
この基本的な構成からなるルーフヒーティング装置は、より具体的なものとして示すと、勾配を有する建築物屋根外装上の軒先面積範囲の直上となる位置に渡って雪止めアングルを設け、該雪止めアングルの直下となる軒先面積範囲に渡り、厚みを有する立体的網目形状としたフェンス用ネット材を展開、被覆状として要所々々を固定、張設し、該張設フェンスネットに対し、少なくとも1本のヒーティングケーブルを、同張設フェンスネット面積範囲に渡り、適宜間隔を置いて隈無く張り巡らせるよう配線すると共に、ヒーティングケーブルの適宜長さ寸法置き毎となる複数適所を、結束体で同張設フェンスネットの対応箇所に固定した上、同ヒーティングケーブルの電源コード部を、建築物適所に設置した融雪制御盤まで延伸、接続してなるものとした構成からなるルーフヒーティング装置となる。
以上のとおり、この考案のルーフヒーティング装置によれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、フェンス用ネット材の建築物屋根外装上への展開、張設、および、該張設フェンスネットにヒーティングケーブルを隈無く張り巡らせて結束体を用いて設置する作業が容易で、設置工数を大幅削減することができ、既存の建築物屋根上にも短期間の中に低コストで設置可能な上、少人数による作業であっても即日の中に、設置工事を終えて早速利用可能となるものとし、耐久性に優れ耐用年数を延ばし、ランニングコストを大幅に低廉化し、より経済的な融雪を実現化可能とすることができる。
そして、厚みを有する立体的網目形状とした張設フェンスネットが、建築物屋根外装上に積もった雪塊の滑落を阻止し、建築物屋根外装上と積雪との間に通気可能な空間層を確保し、雪解け水を速やかに排水して再凍結を防止する上、ヒーティングケーブルの放熱により、同ヒーティングケーブル自体の発熱と張設フェンスネットへの伝熱とによって、張設フェンスネット上の積雪を効率的に融雪するものとなるから、連日続く豪雪に際しても建築物屋根外装上の融雪および凍結防止を確実に達成し、従前までのような、建築物屋根上に登って行う人手による危険な除雪作業を一切不要とすることができる。
勾配を有する建築物屋根外装上の軒先面積範囲の直上となる位置に渡って雪止めアングルを設け、該雪止めアングルの直下となる軒先面積範囲に渡り、フェンス用ネット材を展開、設置するようにしたものは、該雪止めアングルが、建築物屋根外装上の積雪を堰き止め、当該ルーフヒーティング装置に過大な荷重が加わるのを阻止し、より高い耐久強度を確保することができ、軒先がわを重点的に融雪し、棟がわから徐々に移動してくる積雪を順次効率的に消雪することができる上、雪庇や氷柱の発生を確実に阻止し、軒先および雨樋などの設備を保護できるものとなり、しかも該雪止めアングルに張設フェンスネットの上端縁を、吊り下げるよう設置することによって部品点数を大幅削減すると共に、建築物屋根への荷重負担を軽減し、設置工数を削減して、より経済性に優れたものとすることができる。
加えて、張設フェンスネットのフェンス用ネット材が、一定ピッチで山谷が並ぶよう折り曲げた列線の複数本を互いに絡ませて平行四辺形の網目を有するものとした菱形金網からなるものとすれば、硬質素材製の柵状一体型フェンス材などを使用する場合に比較して大幅な軽量化を達成し、該張設フェンスネットの柔軟性および弾力性によって建築物屋根外装上への設置作業が、格段に容易なものとなり、ヒーティングケーブルの配線、設置作業性も高まるから、一層経済的に設置できるものとなる。
さらに、ヒーティングケーブルを、PTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)特性を有するものとすることにより、自動的な発熱の制御によって積雪や凍結の有る箇所で発熱し、日差しを受けて暖かい箇所の発熱を抑制することができるから、電力を無駄なく効率的に利用することができる上、張設フェンスネットの略全体を均質且つ過不足なく加熱し、融雪経費を大幅削減するという大きな効果を奏するものとなる。
上記したとおりの構成からなるこの考案の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
張設フェンスネットは、建築物屋根外装上と積雪下との上下間に、通気可能且つ雪解け水を排水可能とする空間を確保し、ヒーティングケーブルからの熱を積雪に効率的に伝達可能とする機能を担うものであり、厚みを有する立体的網目形状としたフェンス用ネット材製のものとしなければならず、硬質な柵状や網状のものなどとうすることが可能であるが、柔軟性を有する網状のものとするのが望ましく、織金金網、平織金網、綾織金網、クリンプ金網、亀甲金網、熔接金網、フラットトップ織金網、トンキャップ織金網、タイロッド織金網、ワイヤーでミスター、合成樹脂線織網など様々な網製のものとすることができ、表現を変えて示すと、ステンレス線製、亜鉛引き鉄線製、ビニル被覆鉄線製、銅線製、銅合金線製、アルミニウム強引線製などとすることが可能であり、後述する実施例にも示すとおり、山谷が並ぶ形状(ジグザグ形、稲妻形)に折曲した金属線を、菱形に編んで製造した市販のひし形網(JIS G3552)とするのが良く、より具体的には、亜鉛鍍金鉄線製や着色塗装亜鉛鍍金鉄線製、合成樹脂被覆鉄線製などによるものとするのが望ましい。
ヒーティングケーブルは、外部電力の供給を受けて発熱し、自らおよび張設フェンスネットを介して放熱して融雪可能とする機能を担うものであって、ある程度の柔軟性を有し、渦巻き状や蛇行状などの配線設置が容易なものとしなければならず、発熱しない電源コード部を有するものとするのが望ましく、例えば、ニクロム線(ニッケル・クロム・鉄)や、カンタル線(鉄・クロム・アルミニウム)、タングステン線などの様々な電熱線とすることができる外、後述する実施例にも示してあるように、自己発熱制御可能であって、該ヒーティングケーブルの中途部同士が重なり合った場合にも、重なり合った部分が過熱状態とならず、溶融や短絡、発火などを招くことの無い、PTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)特性を有するものとするのが良い。
また、このヒーティングケーブルは、建築物屋根外装上と張設フェンスネット下との間、および、張設フェンスネット上の少なくとも何れか1つに配線してなるものとすることができ、さらにまた、一部または全部を張設フェンスネットの網目上下厚み中に潜るよう配線したものとすることも可能である。
結束体は、張設フェンスネットの適所に対してヒーティングケーブルの要所々々を充分な強度と耐久性とをもって結着し、且つ結着作業を迅速に行えるようにする機能を担っていて、合成樹脂皮膜を施した金属線や、結束機構を有する金属製や合成樹脂製のバンドル類とするのが望ましく、市販の結束バンド、合成樹脂製のケーブル結束用バンド、金属製結束用バンド、金属製締め付け具、金属製留め具などすることができ、より具体的には、例えば、後述する実施例にも示すような、インシュロック(登録商標)やメタルタイ(登録商標)などを採用するようにしても良い。
融雪制御盤は、ヒーティングケーブルに外部電力を供給する機能を担うものであり、気象条件、季節、期間(時間、時刻)に応じてヒーティングケーブルに供給する電力量および電力供給のオン・オフを制御可能とする機能を有するものとするのが望ましく、例えば、降雪センサーや積雪量センサー、外気温度センサーなどを有し、それらの検出値に基づき、電力供給の制御を自動的に行うものとすることができる外、ユーズやブレーカー回路を備え、人為的にオン・オフ制御、電力供給量の制御を行えるようにしたスイッチパネルやスイッチボックス類を有するものなどとすることが可能であり、後述する実施例にも示すように、各電力会社が提供する融雪用電力契約など、様々なサービス形態に基づき供給される電力をヒーティングケーブルに供給するものとすることができる。
雪止めアングルは、建築物屋根から落雪するのを防止すると共に、当該張設フェンスネットおよびヒーティングケーブルの設置範囲に過大な量の積雪の荷重が加わるのを防止する機能を担うものであり、勾配を有する建築物屋根外装上の当該張設フェンスネットおよびヒーティングケーブルの設置範囲よりも僅かに上がわとなる位置に設置したものとしなければならず、より具体的に示すならば、後述する実施例にも示すように、勾配を有する建築物屋根外装上の軒先面積範囲の直上となる位置に渡って雪止めアングルを設け、該雪止めアングルの直下となる軒先面積範囲に渡り、当該フェンス用ネット材およびヒーティングケーブルを配し、当該フェンス用ネット材の上端を吊り下げ状に結着してなるものとすることができる。
建築物屋根は、新設および既存の何れであっても良く、この考案のルーフヒーティング装置は、屋根根外装上の何れの範囲にも設置可能であり、設置対象となる屋根の形状に制限をもつものではなく、例えば、切妻屋根、片流れ屋根、招き・差しかけ屋根、のこぎり屋根、M型屋根、バタフライ屋根、越屋根、半切妻屋根、腰折れ屋根、乗越し屋根、寄棟屋根、方形屋根、入母屋屋根、しころ屋根、から破風屋根、陸屋根、アーチ屋根、ドーム屋根、シェル屋根、カテナリー屋根、その他、何れの屋根にも設置可能であり、後述する実施例にも示すように、勾配を有する軒先に設置したものとすることができる。
以下では、図面に示すこの考案を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図面は、この考案のルーフヒーティング装置の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
軒先に設置したルーフヒーティング装置を示す斜視図である。 軒先に設置したルーフヒーティング装置を示す平面図である。 設置したルーフヒーティング装置の要部拡大平面図である。 設置した同上ルーフヒーティング装置の妻側側面図である。 設置した他のルーフヒーティング装置の要部拡大平面図である。 設置した同上ルーフヒーティング装置の妻側側面図である。
図1および図2に示す事例は、建築物7屋根外装70上の適宜面積範囲71に渡り、フェンス用ネット材2を展開、被覆状として要所々々を固定、張設し、該張設フェンスネット2に対しヒーティングケーブル3を隈無く張り巡らせるよう配線すると共に、ヒーティングケーブル3の適宜長さ寸法置き毎となる複数適所を結束体4,4,……で同張設フェンスネット2の対応箇所に固定した上、同ヒーティングケーブル3の電源コード部30を、建築物7適所に設置した融雪制御盤5まで延伸、接続してなるものとした、この考案のルーフヒーティング装置における代表的な一実施例を示すものである。
それら各図からも明確に把握できるとおり、この考案のルーフヒーティング装置1は、住宅などの建築物7の勾配を有する屋根外装70上の軒先面積範囲71の直上となる位置に、棟方向に渡ってL字断面形水平棒状の金属製雪止めアングル6を設け、該雪止めアングル6の直下となる軒先面積範囲71に渡り、樹脂被覆亜鉛鍍金鉄線製の菱形金網(JIS G3552)フェンス用ネット材2を展開、被覆状とし、同フェンス用ネット材2上端がわ要所々々を、雪止めアングル6に対し、適宜金具類を用いて強固に結着、吊り下げ状とし、同フェンス用ネット材2の屋根外装70破風がわとなる左右端縁2、および軒先端がわとなる下端縁2の要所々々について、適宜金具類を用いるなどして強固に固定、張設したものとした該張設フェンスネット2に対し、1本のヒーティングケーブル3を、同張設フェンスネット2面積範囲71に渡って適宜間隔を置いて隈無く張り巡らせるよう、棟方向左右端で蛇行状に折返し、同面積範囲71上下間に渡って配線すると共に、ヒーティングケーブル3の適宜長さ寸法置き毎となる複数適所は、結束体である合成樹脂製結束バンド4,4,……を用いて同張設フェンスネット2の各対応箇所に固定した上、同ヒーティングケーブル3の電源コード部30を、建築物7外壁適所に設置した融雪制御盤5まで延伸、接続して制御可能な状態に外部電力線に接続してなるものである。
図3および図4に示すように、ヒーティングケーブル3は、PTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)特性を有しており、紫外線防止層を被覆して湾曲配線可能な程度の可撓性を有するものであり、例えば、HEAT TRACE社(英国)製、GTeやGT2−e(何れも型式名)などとすることができ、張設フェンスネット2の網目上下厚み中に潜るよう配線し、同ヒーティングケーブル3の長手方向の要所々々を、該張設フェンスネット2の厚みを有する立体的網目形状の列線20,20,……の中、上側配置となる列線20,20,……に対し、結束バンド4,4,……を用いて結束、固定したものとするのが良い。
また、図5および図6中のAに示すものは、前記図3および図4に示したものと同様に、ヒーティングケーブル3を、張設フェンスネット2の網目上下厚み中に潜るよう配線し、上側配置となる列線20,20,……に対して結束バンド4,4,……を用いて結束、固定したものであり、同図5および図6中のBに示すものは、建築物7屋根外装70上と張設フェンスネット2下との間にヒーティングケーブル3を配線し、厚みを有する立体的網目形状の列線20,20,……の中、下側配置となる列線20,20,……に結束バンド4,4,……を用いて結束、固定したもの、同図5および図6中のCに示すものは、ヒーティングケーブル3の一部中途部を張設フェンスネット2の下がわに配線し、同ヒーティングケーブル3の他の一部を、該張設フェンスネット2の上がわに配線し、また、同ヒーティングケーブル3のさらに他の一部を、網目2上下厚み中に潜らせるよう配線し、同ヒーティングケーブル3の長手方向の要所々々を、対向する列線20,20,……に対し、結束バンド4,4,……を用いて結束、固定したものである。
さらにまた、同図5および図6中のDに示すものは、張設フェンスネット2の網目上下厚み中にヒーティングケーブル3を潜るよう配線し、同ヒーティングケーブル3の長手方向の要所々々を、同張設フェンスネット2の厚みを有する立体的網目形状の列線20,20,……の中、下側配置となる列線20,20,……に対し、結束バンド4,4,……を用いて結束、固定したものであり、同図5および図6中のEに示すものは、張設フェンスネット2の最も上がわにヒーティングケーブル3を配線し、同ヒーティングケーブル3の長手方向の要所々々は、同張設フェンスネット2の対応する列線20,20,……に対し、結束バンド4,4,……を用いて結束、固定するようにしたものである。
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの考案のルーフヒーティング装置1は、図1および図2中に示すように、柔軟性および耐久性を兼ね備えた菱形金網(JIS G3552)フェンス用ネット材2を張設フェンスネット2として採用したから、建築物7屋根外装70およびヒーティングケーブル3に過大なストレスを与えることなく、ヒーティングケーブル3を補強し、所望の範囲に張り巡らせることができる上、ヒーティングケーブル3が発する熱を効率的に伝導し、より広い範囲を融雪することができるという大きな効果を奏するものとなる。
加えて、ヒーティングケーブル3を、図3、図4、および図5、図6中のAに示すものは、張設フェンスネット2の網目上下厚み中に潜るよう配線し、同ヒーティングケーブル3の要所々々を、該張設フェンスネット2の厚みを有する立体的網目形状の上側配置となる列線20,20,……に対して結束、固定してあるから、該張設フェンスネット2上の積雪に、より近い位置で発熱、放熱するから、格段に効率的に融雪することができ、さらに、積雪直下の張設フェンスネット2網線2を直接的に加熱、伝熱するから、より広範囲を効率的に融雪可能なものとなる上、張設フェンスネット2を介して建築物7屋根外装70を加温し、屋根外装70上を流下する雪解け水の再凍結を防止可能とする。
図5および図6中のBに示すものは、ヒーティングケーブル3が、張設フェンスネット2および建築物7屋根外装70の双方をより効率的に加熱することができるから、張設フェンスネット2上の融雪を行うと共に、屋根外装70上を流下する雪解け水の再凍結を一段と効果的に防止できるものとなる。
また、図5および図6中のCに示すものは、張設フェンスネット2の網目上下厚みの最下位、網目中、最上位と、ヒーティングケーブル3を様々な高さに張り巡らせたものとしたから、張設フェンスネット2および建築物7屋根外装70の上下間に渡る全体を効果的に加熱し、優れた融雪効果を達成可能とするものになる。
図5および図6中のDに示すものは、張設フェンスネット2の網目上下厚み中に潜るよう配線し、ヒーティングケーブル3の要所々々は、該張設フェンスネット2の厚みを有する立体的網目形状の下側配置となる列線20,20,……に対して結束、固定してあるから、屋根外装70上を流下する雪解け水の再凍結を効率的に防止することができる上、張設フェンスネット2上の積雪に伝熱し、建築物屋根外装上と張設フェンスネット下との間の空気層を暖めると共に、輻射熱を伴って融雪効果を高めるものとなる。
図5および図6中のEに示すものは、張設フェンスネット2の上にヒーティングケーブル3を配線し、その要所々々を該張設フェンスネット2の対応する列線20,20,……に結束、固定してあるから、ヒーティングケーブル3上に接している積雪を、より迅速に融雪すると共に、張設フェンスネット2を加熱し、より広範囲を融雪できるようにすることができ、建築物屋根外装上と張設フェンスネット下との間の空気層を暖め、融雪効果を高めるものとなる。
(結 び)
叙述の如く、この考案のルーフヒーティング装置は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの屋根用の融雪装置技術に比較して大幅に耐久強度を高め、軽量且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、電力使用量を大幅削減し得るものとなり、その設置経費からメンテナンスコストおよびランニングコストまでを大幅軽減することができるため、従前までは、危険な屋根上の除雪作業を行ってきた人々や、大型且つ重量の嵩む融雪装置を多大な予算を割いて屋根上に設置し、その後も豪雪に見舞われる毎に高額の燃料費や電力料を支払わなければならなかったユーザーは固よりのこと、こうした人々に対し、より効率的で経済的負担の少ない融雪装置を提供しようとする融雪装置業界をはじめ、建築業界およびリフォーム業界などといった分野からも高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
1 ルーフヒーティング装置
2 張設フェンスネット(フェンス用ネット材)
20 同 列線
3 ヒーティングケーブル
30 同 電源コード部
4 結束バンド(結束体)
5 融雪制御盤
6 雪止めアングル
7 建築物
70 同 屋根外装
71 同 軒先面積範囲


Claims (6)

  1. 建築物屋根外装上の適宜面積範囲に渡り、適宜厚みのある立体的網目形状としたフェンス用ネット材を展開、被覆状とし、その要所々々を固定、張設し、該張設フェンスネットに対し、少なくとも1本のヒーティングケーブルが、同張設フェンスネット面積範囲に渡り、適宜間隔を置いて隈無く張り巡らせるよう配線すると共に、ヒーティングケーブルの適宜長さ寸法置き毎となる複数適所を、結束体で同張設フェンスネットの対応箇所に固定した上、同ヒーティングケーブルの電源コード部を、建築物適所に設置した融雪制御盤まで延伸、接続してなるものとしたことを特徴とするルーフヒーティング装置。
  2. 勾配を有する建築物屋根外装上の軒先面積範囲の直上となる位置に渡って雪止めアングルを設け、該雪止めアングルの直下となる軒先面積範囲に渡り、適宜厚みのある立体的網目形状としたフェンス用ネット材を展開、被覆状とし、その要所々々を固定、張設し、該張設フェンスネットに対し、少なくとも1本のヒーティングケーブルを、同張設フェンスネット面積範囲に渡り、適宜間隔を置いて隈無く張り巡らせるよう配線すると共に、ヒーティングケーブルの適宜長さ寸法置き毎となる複数適所を、結束体で同張設フェンスネットの対応箇所に固定した上、同ヒーティングケーブルの電源コード部を、建築物適所に設置した融雪制御盤まで延伸、接続してなるものとしたことを特徴とするルーフヒーティング装置。
  3. 張設フェンスネットのフェンス用ネット材が、一定ピッチで山谷が並ぶよう折り曲げた列線の複数本を互いに絡ませて、平行四辺形の網目を有するものとした菱形金網からなるものとした、請求項1または2何れか一方記載のルーフヒーティング装置。
  4. ヒーティングケーブルが、建築物屋根外装上と張設フェンスネット下との間、および、張設フェンスネット上の少なくとも何れか1つに配線してなる、請求項1ないし3何れか一記載のルーフヒーティング装置。
  5. ヒーティングケーブルが、その一部または全部を張設フェンスネットの網目上下厚み中に潜るよう配線してなる、請求項1ないし4何れか一記載のルーフヒーティング装置。
  6. ヒーティングケーブルが、PTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)特性を有するものとしてなる、請求項1ないし5何れか一記載のルーフヒーティング装置。


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