JP2004162102A - 溶融金属の脱ガス清浄化装置 - Google Patents

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Yoshiyuki Kondo
良之 近藤
Sadanori Kasugai
貞規 春日井
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Akechi Ceramics Co Ltd
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Abstract

【課題】フラキシングガスの気泡を微細化して脱ガス効果を高めることのできる脱ガス清浄化装置を提供する
【解決手段】攪拌羽根8の下面10に吐出口7から各羽根8aの先端に向かってフラキシングガスGを案内する径方向のガス案内溝11と、該ガス案内溝11の途中から回転方向の後側に向けてフラキシングガスGを案内する周方向のガス案内溝12を連設したから、該周方向のガス案内溝12から溶融金属M中に吹き込まれるフラキシングガスGの気泡は、後行する攪拌羽根8の羽根8aに当たって砕かれ微細化が促進され、脱ガス効果が著しく向上する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウムや銅等の非鉄金属叉はこれらを主成分とする合金の溶融金属中から水素ガスや酸素ガス等の溶存ガスを除去する溶融金属の脱ガス清浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平6−299261号公報に示すように、溶融金属の脱ガス清浄化装置の一形式として、下端部に撹拌羽根を設けた管状シャフトを溶解槽の溶融金属中に浸漬し、撹拌羽根で溶融金属を撹拌しながら不活性ガス等のフラキシングガスを、管状シャフト内部のガス通路を通して下端面の吐出口から溶融金属中に吹き込んで溶融金属中の水素ガス、酸素ガス等の溶存ガス及び非金属介在物を除去する装置が提案されている。そして、この攪拌羽根の下面には、中心の吐出口で交差する十文字形のガス案内溝が形成され、フラキシングガスが攪拌羽根の先端から溶融金属中に吹き込まれるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、攪拌羽根の先端から溶融金属中に吹き込まれるフラキシングガスの気泡は、該攪拌羽根の回転圏外に達してしまい、後行する攪拌羽根に当たって微細化されることが殆どない。
本発明はかかる点に鑑み溶融金属中に吐出されるフラキシングガスの気泡を微細化して脱ガス効果を高めることのできる脱ガス清浄化装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の脱ガス清浄化装置は、溶融金属中に浸漬する管状シャフトの下端に攪拌羽根を取り付け、前記管状シャフトを回転して攪拌羽根で溶融金属を攪拌する際、管状シャフトの下端の吐出口から吐出されるフラキシングガスを前記溶融金属中に吹き込み、該溶融金属中の溶存ガスを除去する溶融金属の脱ガス清浄化装置において、前記攪拌羽根の下面に前記吐出口から半径方向にフラキシングガスを案内する径方向のガス案内溝と、該ガス案内溝の途中から回転方向の後側に向けてフラキシングガスを案内する周方向のガス案内溝を連設したことを特徴とする。
【0005】
【発明の作用及び効果】
上記構成の脱ガス清浄化装置によれば、攪拌羽根の下面に吐出口から半径方向にフラキシングガスを案内する径方向のガス案内溝と、該ガス案内溝の途中から回転方向の後側に向けてフラキシングガスを案内する周方向のガス案内溝を連設したから、該周方向のガス案内溝から溶融金属中に吹き込まれるフラキシングガスの気泡は、後行する攪拌羽根に当たって砕かれ微細化が促進される。フラキシングガスの気泡が微細化されると、気泡の比表面積が大きくなるとともに気泡の浮上速度も遅くなり溶融金属中に滞留する時間が長くなり、脱ガス効果が著しく向上する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1には本発明の一実施形態に係る溶融金属の脱ガス清浄化装置1が示されている。当該脱ガス清浄化装置1は溶解槽2中の溶融金属M中に浸漬される管状シャフト3を備えている。該管状シャフト3は支持部4により回転可能に吊り下げられている。支持部4には管状シャフト3の中心部に形成されたフラキシングガスGの供給通路5に連通する送給通路6が形成され、フラキシングガスGのボンベ(図示略)に接続されている。
【0007】
管状シャフト3の供給通路5の下端に吐出口7が形成されている。また、管状シャフト3の下端部には撹拌羽根8が嵌着されている。図2に示すように攪拌羽根8には、4枚の羽根8aが一体形成され、中心に管状シャフト3の下端を嵌着する嵌着孔9が形成されている。そして、攪拌羽根8の下面10には、嵌着孔9から各羽根8aの先端に開口する径方向のガス案内溝11がそれぞれ形成されている。さらに、該ガス案内溝11の途中の2箇所から、回転方向の後側に向けてフラキシングガスGを案内する周方向のガス案内溝12が連設されている。
【0008】
本実施形態に係る溶融金属の脱ガス清浄化装置1の構造は上記の通りであって、管状シャフト3を溶融金属M中に浸漬して撹拌羽根8を回転させながらボンベからフラキシングガスGをガス供給通路5に送り、吐出口7から攪拌羽根8の中心の嵌着孔9に吐出する。フラキシングガスGは、先ず各径方向のガス案内溝11を通って各羽根8aの先端方に向かう。そして、途中に連設した2箇所の周方向のガス案内溝12から回転方向の後側に向けてフラキシングガスGが溶融金属中M中に吹き込まれる。同時に径方向のガス案内溝11からも、フラキシングガスGが溶融金属M中に吹き込まれる。
【0009】
本実施形態に係る溶融金属の脱ガス清浄化装置1によれば、攪拌羽根8の下面に吐出口7から各羽根8aの先端に向かってフラキシングガスGを案内する径方向のガス案内溝11と、該ガス案内溝11の途中から回転方向の後側に向けてフラキシングガスGを案内する周方向のガス案内溝12を連設したから、該周方向のガス案内溝12から溶融金属M中に吹き込まれるフラキシングガスGの気泡は、後行する攪拌羽根8の羽根8aに当たって砕かれ微細化が促進される。
【0010】
フラキシングガスGの気泡が微細化されると、気泡の比表面積が大きくなるとともに気泡の浮上速度も遅くなり溶融金属中に滞留する時間が長くなり、溶融金属M中の水素ガス、酸素ガス等の溶存ガスや非金属介在物7を除去する脱ガス効果が著しく向上する。
【0011】
表1は、700〜730℃に加熱保持したA6063合金の溶湯500kgを、攪拌羽根8を1000rpmで回転させて攪拌するとともに、Arガスを20l/minで供給して、上記溶融金属に含まれる水素量が0.1cc/100g.Alとなるまでの処理時間を計測したものである。
【0012】
【表1】
Figure 2004162102
【0013】
上記のように従来装置では、水素量が0.1cc/100g.Alとなるまでの処理時間として10分を要したが、本発明の実施形態の装置では5分と短縮でき、顕著な脱ガス清浄化の効果が認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱ガス装置の概略の断面図である。
【図2】攪拌羽根の下面図である。
【図3】図2に於けるA−A線断面図である。
【符号の説明】
1...脱ガス清浄化装置
3…管状シャフト
7…吐出口
8…攪拌羽根
8a…羽根
10…下面
11…径方向のガス案内溝
12…周方向のガス案内溝
M…溶融金属
G…フラキシングガス

Claims (1)

  1. 溶融金属中に浸漬する管状シャフトの下端に攪拌羽根を取り付け、前記管状シャフトを回転して攪拌羽根で溶融金属を攪拌する際、管状シャフトの下端の吐出口から吐出されるフラキシングガスを前記溶融金属中に吹き込み、該溶融金属中の溶存ガスを除去する溶融金属の脱ガス清浄化装置において、前記攪拌羽根の下面に前記吐出口から半径方向にフラキシングガスを案内する径方向のガス案内溝と、該ガス案内溝の途中から回転方向の後側に向けてフラキシングガスを案内する周方向のガス案内溝を連設したことを特徴とする溶融金属の脱ガス清浄化装置。
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US7858020B2 (en) 2008-03-14 2010-12-28 Thut Bruno H Molten metal flow powered degassing device
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