JP2014080663A - 金属溶湯の清浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フラックスを用いることなく、不活性ガスのみにより、H及び酸化物粒子等の不純物を高効率で除去できるようにする。
【解決手段】金属溶湯の清浄化装置1は、上下方向に延びる回転軸3の下端部に接続されて回転軸3の回転に伴って回転可能な回転体4を備え、回転軸3には回転体4にまで不活性ガスを供給するためのガス流路14が形成され、回転体4から金属溶湯中に不活性ガスを放出して金属溶湯を清浄化する。回転体4には、ガス流路14と連通し、回転体4の中央部から外周端にまで延びる不活性ガスが通るための複数の通路16が形成され、回転体4の回転により、不活性ガスが複数の通路16を通って、回転体4の外周端から金属溶湯中に不活性ガスの小気泡及び該小気泡よりも径が大きい大気泡が放出されるように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属溶湯中の不純物を除去するために用いられる清浄化装置に関する。
アルミニウム合金製の鋳物を製造する際、アルミニウム合金溶湯が用いられるが、通常、炉内のアルミニウム合金溶湯中には不純物として水素(H)や溶湯と接する空気中の酸素と結合した結果生じる酸化アルミニウム等が含まれる。このような不純物は、鋳物製品の中に不純物粒子として存在したり、鋳物表面にピンホールとして現れて、製品の品質に影響を及ぼす。このため、従来から溶湯中の不純物を除去するための装置が用いられている。
例えば、特許文献1には、不活性ガス及びフラックスを金属溶湯中に放出する放出口を有し、金属溶湯中で正逆回転することにより、不活性ガス及びフラックスを金属溶湯中に均一に分散する回転体を備えた金属溶湯の精製装置が開示されている。このような金属溶湯の精製装置によると、金属溶湯中に分散させたフラックスが不純物と反応して凝集し、不活性ガスの気泡がその凝集した不純物を物理的に浮上させることにより、金属溶湯中の不純物を除去することが可能となる。
特開2004−292941号公報
しかしながら、特許文献1の装置では、溶湯中のH、及び酸化アルミニウム等の酸化物粒子等の不純物を除去する効果が高いと考えられるものの、フラックスを用いているため、コストが高くなってしまう。さらに、フラックスには、例えばアルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩化物、フッ化物、炭酸塩、硫酸塩及び硝酸塩等が用いられているため、それらの溶湯中への投入量が好適でない場合、鋳物製品の品質に影響するおそれがある。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、フラックスを用いることなく、不活性ガスのみにより、H及び酸化物粒子等の不純物を高効率で除去できるようにして、低いコストで品質が高い鋳物製品を得られるようにすることにある。
前記の目的を達成するために、本発明は、金属溶湯の清浄化装置を、金属溶湯中に不活性ガスからなる径が小さい小気泡と小気泡よりも径が大きい大気泡との大きさが異なる気泡を放出できるように構成した。
具体的に、本発明に係る金属溶湯の清浄化装置は、上下方向に延びる回転軸の下端部に接続されて回転軸の回転に伴って回転可能な回転体を備え、回転軸には回転体にまで不活性ガスを供給するためのガス流路が形成され、回転体から金属溶湯中に不活性ガスを放出して金属溶湯を清浄化する装置である。さらに、回転体には、ガス流路と連通し、回転体の中央部から外周端にまで延びる不活性ガスが通るための複数の通路が形成され、回転体の回転により、不活性ガスが複数の通路を通って、回転体の外周端から金属溶湯中に不活性ガスの小気泡及び該小気泡よりも径が大きい大気泡が放出されるように構成されている。
本発明に係る金属溶湯の清浄化装置によると、回転体の外周端から不活性ガスの小気泡及び大気泡の異なるサイズの気泡が放出されるように構成されているため、不活性ガスのみを用いて、高効率で金属溶湯中のH及び酸化物粒子等の不純物を浮上させて除去できる。この理由を説明すると、まず、不活性ガスの気泡中と金属溶湯中におけるHの分圧差によって、溶湯中のHは気泡内に移動する、すなわち不活性ガスの気泡は、その気泡内にHを取り込むことができる(ジーベルツの法則)。同一の体積の小気泡と大気泡とを比較すると、小気泡の方が総表面積が大きいため、特に、小気泡が金属溶湯中のHを取り込むのに有利である。Hを取り込んだ小気泡は金属溶湯の液面に浮上するため、Hを金属溶湯中から除去することができる。逆に、金属溶湯中の酸化物粒子のうち大きいものを浮上させるためには、小気泡では浮力が足りず、そのような粒子を物理的に浮上させるためには、ある程度大きいサイズの気泡が必要となる。これらの理由から、小気泡と大気泡とを金属溶湯中に放出することにより、フラックスを用いなくとも、高効率で金属溶湯中のH及び酸化物粒子等の不純物を浮上させて除去することができる。
本発明に係る金属溶湯の清浄化装置において、回転体の外周端から金属溶湯中に不活性ガスの小気泡及び該小気泡よりも径が大きい大気泡が放出されるようにするために、回転体に形成される通路として、小気泡を放出するための小気泡用通路、及び前記大気泡を放出するための大気泡用通路が形成されていてもよい。具体的に、小気泡用通路及び大気泡用通路の両方は、回転体の中央部から外周端に向かって延びる幅が小さい幅狭部と、該幅狭部から回転体の外周端までに形成され且つ幅狭部よりも幅が大きい幅広部とからなり、小気泡用通路の幅狭部は、大気泡用通路の幅狭部よりも長くなるように形成されていてもよい。
このようにすると、回転体に形成された通路において、回転体の回転による遠心力によって、回転体の中央部から外周端に向かって加速する流れが生じる。このため、回転体にまで到達した不活性ガスが回転体の中央部から回転体に形成された通路を通って外周端に向かって加速する。このとき、ベルヌーイの定理より、通路の幅狭部において不活性ガスの流速が上がると幅狭部の流体の圧力が低下する。その後、不活性ガスが幅広部に達したときに圧力が元に戻る、すなわち急激な圧力変動が起こって不活性ガスの気泡が崩壊する。その結果、気泡が微細化することとなる。小気泡用通路の幅狭部は、大気泡用通路の幅狭部よりも長く、不活性ガスの気泡がより加速されるため、幅広部に達したときの圧力変動がより大きくなるため、大気泡用通路よりも小気泡通路の方がより小さい気泡を発生させる。このため、上記構成により小気泡と大気泡とのサイズが異なる気泡を発生できる。
また、回転体に形成される通路は、回転体の底面に形成された溝であってもよい。このようにすると、比較的に簡単に回転体に通路を形成できる。
本発明に係る金属溶湯の清浄化装置によると、フラックスを用いずに不活性ガスのみを用いても、高効率で金属溶湯中のH及び酸化物粒子等の不純物を浮上させて除去できて、低いコストで品質が高い鋳物製品を得ることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る金属溶湯の清浄化装置を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る金属溶湯の清浄化装置の回転体の一例を示す底面図である。 本発明の一実施形態に係る金属溶湯の清浄化装置の回転体の他の例を示す底面図である。 比較例に用いた回転体を示す底面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用方法或いはその用途を制限することを意図するものでない。
まず、本発明の一実施形態に係る金属溶湯の清浄化装置の構成について図1を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係る金属溶湯の清浄化を示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態に係る金属溶湯の清浄化装置1は、坩堝2内の例えばアルミニウム合金等が溶融された金属溶湯中に入れられる回転軸3を備えている。回転軸3は上下方向に延びており、その下端部には回転体4が接続されている。なお、回転軸3と回転体4とは、別々の部材として形成された後に互いに接続されてもよいし、それらが一体に形成されて接続されていてもよい。回転軸3及び回転体4は、金属溶湯が付着しにくい材料からなることが好ましく、アルミニウム溶湯の場合、例えば黒鉛等を材料に用いることができる。
回転軸3の上端部は、ジョイント部5,6及び軸受部7を介して制御部8に接続されている。制御部8は、回転軸3を回転させるためのモータ等である回転駆動手段9と、回転速度を制御するための回転制御手段10とを備えている。これらにより、回転軸3及び回転体4は、金属溶湯中において所望の回転速度で回転軸3の回転に伴って回転される。なお、回転駆動手段9は、回転軸3及び回転体4を一方向回転させるだけでなく、正方向及び逆方向回転を交互にできるように構成されていることが好ましい。このようにすると、一方向の回転では金属溶湯中に生じてしまう渦巻き流の発生を防止できる。渦巻き流が発生すると不活性ガスを金属溶湯中に均一に分散させることが困難となるため、渦巻き流の発生を抑制することで、不活性ガスを金属溶湯中に均一に分散させることが可能となり、金属溶湯の清浄化の効果を向上できる。
制御部8の底面側に設けられた軸受部7には、複数本の脚部11が接続され、制御部8は、脚部11によって坩堝2の上方に支持されている。
また、制御部8の上面側には、不活性ガスを装置内に供給するためのガス投入口12を有するロータリージョイント13が接続され、ガス投入口12は、例えば不活性ガスを含むボンベ等に接続され、これにより不活性ガスを装置内に供給することが可能となる。本実施形態の金属溶湯の清浄化装置1には、ガス投入口12と連通するガス流路14が設けられている。ガス流路14は、ロータリージョイント13から制御部8、軸受部7、ジョイント部5,6及び回転軸3を通って回転体4にまで達する。ここで、制御部8は、回転体4にまで送る不活性ガスの流量を制御するための弁等を有する流量制御手段15を備えていてもよい。
回転体4には、ガス流路14と連通するように、回転体4の中央部から外周端に向かって延びる複数の不活性ガスの通路が形成されている。この通路は、ガス流路14を通って回転体4にまで達した不活性ガスが、回転体4の回転により回転体4の中央部から外周端に向かって流れ、その外周端から金属溶湯中に放出され得るように形成されている。本実施形態では、このような通路として、回転体4の底面にその中央部から外周端に向かって延びる複数の溝16が形成されている。但し、通路は、当然に溝に限られず、例えば、回転体4の内部に形成された、その外周端とガス流路14とを連通する穴により構成されていても構わない。
次に、本実施形態における回転体4の底面に形成された溝である不活性ガスの通路について図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係る回転体4を示す底面図である。
図2に示すように、ガス流路14が回転体4の底面の中央部にまで達しており、開口している。また、その開口の周辺部には、窪部17が形成されており、さらにその窪部17を介してガス流路14と連通するように、回転体4の底面の中央部から外周端に向かって延びる複数の通路として溝が放射状に形成されている。このように、回転体4に不活性ガスの通路を形成することにより、ガス流路14から回転体4に供給された不活性ガスは、回転体4が回転されることによって生じる遠心力により、不活性ガスが上記通路を通って、回転体4の中央部から外周端に流れ、外周端から金属溶湯に不活性ガスの気泡が放出される。
本実施形態において、不活性ガスの通路である溝は、回転体4の中央部から外周端に向かって延びるように形成された幅が小さい幅狭部18a,19aと、該幅狭部18a,19aの外周端側の端部から回転体4の外周端までに形成された、幅狭部18a、19aよりも幅が大きい幅広部18b,19bとからなる。
また、本実施形態において、上記複数の溝である通路は、小気泡用通路18と大気泡用通路19との異なる種類の通路を含む。小気泡用通路18と大気泡用通路19と比較すると、小気泡用通路18の幅狭部18aの方が大気泡用通路19の幅狭部19aよりも長くなるように形成されている。このようにすることで、小気泡用通路18から金属溶湯中に放出された不活性ガスの気泡は、大気泡用通路19から放出された気泡よりも小さくなる。
この理由は、上述の通り、小気泡用通路18の幅狭部18aは、大気泡用通路19の幅狭部19aよりも長いため、不活性ガスの気泡がより加速される。ベルヌーイの定理より、流体の流速が上がるほどその流体の圧力が低下するため、小気泡用通路18の幅狭部18aでは大気泡用通路19の幅狭部19aと比較して、顕著な圧力低下が起こる。その結果、不活性ガスが幅広部18bに達した際の圧力変動がより大きくなるため、小気泡用通路18では大気泡用通路19よりも小さい気泡が形成される。ここで、小気泡用通路18から放出される小気泡の径は、H等のガスを取り込むのに適した径であることが好ましく、特に0.1mm〜0.3mm程度であることが好ましい。また、大気泡用通路19から放出される大気泡の径は、酸化物粒子等の不純物を金属溶湯中から物理的に浮上させるのに適した径であることが好ましく、特に、0.8mm〜1.5mm程度であることが好ましい。
また、小気泡用通路18の幅広部18bは、大気泡用通路19の幅広部19bと比較して、曲率半径が小さい円弧形状であるが、これに限られず、それぞれの幅狭部18a,19aと幅広部18b,19bとの間で、それぞれ所望の大きさの圧力変動を起こすことができればよい。また、本実施形態において、幅広部18b,19bは、幅狭部18a,19aから回転体4の外周端に向かって円弧状に広がっているが、幅狭部18a,19aよりも幅が広くて圧力変動が起こすことができれば、これに限られず、例えば、V字状に広がっていても構わないし、これらの他に幅狭部18a,19aと同様に矩形状の溝であっても構わない。
図2では、回転体4に、小気泡用通路18が8本及び大気泡用通路19が2本形成されて、合計で10本の通路が形成されているが、小気泡用通路18及び大気泡用通路19の数は、適宜変更することができ、例えば、図3に示すように、小気泡用通路18が8本及び大気泡用通路19が4本形成されて、合計で12本の通路が形成されていてもよい。
以上に説明した実施形態では、回転体4に小気泡を発生させるための小気泡用通路18と大気泡を発生させるための大気泡用通路19とを形成したが、小気泡と大気泡とのサイズが異なる気泡を発生することができる構成であれば、これに限られない。例えば、回転体4に上記の小気泡用通路18と同様の通路のみを形成し、回転制御手段10により回転体4の回転の加速及び減速を交互に繰り返すことによって小気泡と大気泡とを発生させてもよい。回転体4の回転速度を変えることにより生じる遠心力の大きさを変化させて、通路の幅狭部18aにおける流速を変えることにより、気泡が幅広部18bに達する際の圧力変動の大きさを調整して小気泡と大気泡とを発生させることができる。すなわち、回転体4の回転速度を上げることにより、幅狭部18aにおける流速が上がるため、圧力が低下して、気泡が幅広部18bに達した際の圧力変動が大きくなる。その結果、気泡が細かく崩壊して小気泡が発生する。反対に、回転体の回転速度を下げることにより、幅狭部18aにおける流速が下がるため、上記の小気泡発生時よりも圧力が低下しない。このため、気泡が幅広部18bに達した際の圧力変動が小さいので、小気泡よりも大きい大気泡が発生する。回転制御手段10により回転体の回転速度を所定の間隔で加速及び減速させることにより、金属溶湯中に小気泡と大気泡との両方を存在させることが可能となる。
以上のように、本実施形態に係る金属溶湯の清浄化装置は、回転体4の外周端から不活性ガスの小気泡及び大気泡の異なるサイズの気泡が放出することができる。不活性ガスの気泡は、その気泡中と溶湯中におけるHの分圧差によって、溶湯中のHを気泡内に取り込むことができる(ジーベルツの法則)。同一の体積の小気泡と大気泡とを比較すると、小気泡の方が総表面積が大きいため、特に、小気泡が溶湯中のHを取り込むことができるため、小気泡が溶湯の液面に浮上して、Hを溶湯中から除去することができる。また、大気泡は、小気泡よりも浮力が大きいため、溶湯中の酸化物粒子を物理的に浮上させるため、溶湯中から酸化物粒子を除去することができる。その結果、本実施形態に係る金属溶湯の清浄化装置によると、不活性ガスの小気泡と大気泡とを溶湯中に放出できるため、フラックスを用いることなく不活性ガスのみにより、高効率で溶湯中のH及び酸化物粒子等の不純物を浮上させて除去することができる。
以下に、本発明に係る金属溶湯の清浄化装置について詳細に説明するための実施例を示す。本実施例では、図2に示す8本の小気泡用通路と2本の大気泡用通路とを有する回転体を備えた金属溶湯の清浄化装置を用いて、不活性ガスのみによりアルミニウム合金溶湯中の不純物を除去した。また、不純物除去後の溶湯から形成されたテストピースに対して、従来から用いられているKモールド法による評価と、真空凝固法によるピンホールテストとを行った。また、比較例として、図4に示す8本の小気泡用通路のみを有する回転体を備えた金属溶湯の清浄化装置を用いて、従来のように不活性ガス及びフラックスをアルミニウム合金溶湯中に放出して不純物除去を行い、実施例と同様の評価を行い、実施例と比較例とを比較した。
なお、実施例及び比較例において、回転体を除いて、金属溶湯の清浄化装置として「静波」(日本軽金属社製)を用いた。回転体の径は、坩堝の径に応じて適宜設定できるが、坩堝の内径をAとし、回転体の径をBとしたとき、B/Aは1/4以上2/3以下の範囲であることが好ましい。本実施例の場合、坩堝の内径が600mmであり、用いた回転体の径は260mmであり、回転体に設けた溝の深さは15mmである。また、小気泡用通路の幅狭部の長さを75mmとした。また、実施例において、大気泡用通路の幅狭部の長さは60mmとした。
まず、アルミニウム溶湯を含む保持炉から取鍋に約500kgのアルミニウム溶湯を取り出した。そこから、不純物除去を行う前の試料として一部を採取した。この採取した溶湯は、板状(50mm×250mm×5mm)に鋳造してKモールド評価用のテストピース(清浄化処理前)を作製した。その後、本発明に係る回転体(実施例1及び実施例2)、又は従来の回転体(比較例)を備えた金属溶湯の清浄化装置を用いて、アルミニウム溶湯中の不純物を除去した。その際の実施例1、実施例2及び比較例の条件を以下の表1に示す。
上記の各条件で溶湯中の不純物を除去した後、各溶湯の一部を採取して上記と同様にKモールド評価のために板状に鋳造してテストピース(清浄化処理後)を作製した。その後、清浄化処理前及び処理後のテストピースを用いてKモールド法による評価を行った。Kモールド法による評価は、従来行われている通り、テストピースを割って、その破面に現れた介在物数を数えてK値を求めた。また、これとは別にピンホールテスト用の試料を採取して、真空凝固法を用いたピンホールテストを行った。このピンホールテストは、従来行われている通り、アルミニウム溶湯をカップ状の容器で汲み取った後、ピンホール試験器の真空装置にセットして減圧開始し、凝固後の試料におけるガス気泡の分布と大きさから水素量を定量した。
実施例1、実施例2及び比較例による金属溶湯の清浄化を行った試料におけるKモールド法による評価及びピンホールテストの結果を以下の表2に示す。表2に示すKモールド評価及びピンホールテストの判定は、日本軽金属社による清浄度判定基準に基づいた。
表2に示すように、実施例1では、Kモールド法による評価において、介在物が1つ認められたものの、不純物除去の処理前と比較して明らかに良好な結果が得られた。ピンホールテストにおいても、テストピース中におけるガスの混入がほとんど見られず、フラックスを用いた従来法である比較例と同等の結果が得られた。
また、実施例1よりもガス流量を上げた実施例2では、Kモールド法による評価において、K値が0であり、実施例1よりもさらに良好な結果が得られた。ピンホールテストにおいても実施例1と同等の良好な結果が得られた。
以上より、本発明に係る金属溶湯の清浄化装置を用いると、フラックスを用いることなく高効率で溶湯中の不純物の除去が可能となることが示された。
1 金属溶湯の清浄化装置
2 坩堝
3 回転軸
4 回転体
5,6 ジョイント
7 軸受部
8 制御部
9 回転駆動手段
10 回転制御手段
11 脚部
12 ガス投入口
13 ロータリージョイント
14 ガス流路
15 流量制御手段
16 溝(通路)
17 窪部
18 小気泡用通路
18a (小気泡用通路の)幅狭部
18b (小気泡用通路の)幅広部
19 大気泡用通路
19a (大気泡用通路の)幅狭部
19b (大気泡用通路の)幅広部

Claims (3)

  1. 上下方向に延びる回転軸の下端部に接続されて前記回転軸の回転に伴って回転可能な回転体を備え、前記回転軸には前記回転体にまで不活性ガスを供給するためのガス流路が形成され、前記回転体から金属溶湯中に不活性ガスを放出して前記金属溶湯を清浄化する装置であって、
    前記回転体には、前記ガス流路と連通し、前記回転体の中央部から外周端にまで延びる前記不活性ガスが通るための複数の通路が形成され、
    前記回転体の回転により、前記不活性ガスが前記複数の通路を通って、前記回転体の外周端から前記金属溶湯中に前記不活性ガスの小気泡及び該小気泡よりも径が大きい大気泡が放出されるように構成されていることを特徴とする金属溶湯の清浄化装置。
  2. 前記通路は、前記小気泡を放出するための小気泡用通路、及び前記大気泡を放出するための大気泡用通路を含み、
    前記小気泡用通路及び大気泡用通路の両方は、前記回転体の中央部から外周端に向かって延びるように形成された幅が小さい幅狭部と、該幅狭部の外周端側の端部から前記回転体の外周端までに形成され且つ前記幅狭部よりも幅が大きい幅広部とからなり、
    前記小気泡用通路の幅狭部は、前記大気泡用通路の幅狭部よりも長いことを特徴する請求項1に記載の金属溶湯の清浄化装置。
  3. 前記通路は、前記回転体の底面に設けられた溝であることを特徴とする請求項2に記載の金属溶湯の清浄化装置。
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