JP2023018756A - 金属精製方法および金属精製装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶融金属の飛散を抑制しつつ、優れた精製効率を実現できる金属精製方法を提供する。【解決手段】本発明は、溶湯保持容器1に収容した精製すべき溶融金属10内に冷却体2を浸漬し、この冷却体2をその軸芯回りに回転させながら冷却体2の表面に高純度金属を晶出させるようにした金属精製方法を対象とする。冷却体2を溶融金属10内で回転させる際に、冷却体2の軸芯X2を鉛直軸に対し5°~50°傾斜させる。【選択図】図1
Description
この発明は、金属を精製するための金属精製方法および金属精製装置に関し、さらに詳しく言えば、偏析凝固法の原理を利用して、共晶不純物を含む物質から、共晶不純物の含有量を元の物質よりも少なくし、高純度の物質を精製するようにした金属精製方法および金属精製装置に関する。
金属中に金属と共晶を生成するFe、Si、Cu等の不純物が含まれている場合、これらの不純物を除去して高純度の金属を得るためには、この金属を溶融し、これを冷却して凝固させる際の初晶を選択的に取り出すことが効果的であるという原理は周知である。
従来から上記原理を利用した種々の精製方法が提案されている。例えばるつぼ内の溶融金属(溶湯)に冷却体を浸漬し、この冷却体を回転させながら冷却体表面に高純度金属を晶出させる金属精製方法が周知である。このような精製方法では、回転する冷却体外周面と、冷却体の外周を旋回流動する溶湯との間の相対速度を高めることによって、不純物が少ない高純度の金属が得られるものである。
そこで下記特許文献1においては、冷却体の位置を、るつぼ内の溶湯の存在部分における中心からずらせた位置に設定して、るつぼの内周面と冷却体外周面との最短距離を、るつぼ内周面と冷却体外周面との最長距離に対して所定値以下に設定して精製を行うことにより、旋回流動する溶湯の流路が狭い箇所と、広い箇所とを意図的に形成し、溶湯にるつぼの径方向の流れを発生させることにより、溶湯の周方向の流速を遅くし、相対速度を高めるという金属精製方法が提案されている。
しかしながら、上記特許文献1の金属精製方法では流路の狭い箇所において、流速が速くなり過ぎて、かつ遠心力による局部的な過度の溶湯面上昇が発生する場合があり、溶湯の飛散(溶湯跳ね)が起こるというトラブル等が生じ易い、という課題があった。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、優れた精製効率を実現できるとともに、溶融金属の飛散を抑制することができる金属精製方法および金属精製装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を備えるものである。
[1]溶湯保持容器に収容した精製すべき溶融金属内に冷却体を浸漬し、この冷却体をその軸芯回りに回転させながら冷却体の表面に高純度金属を晶出させるようにした金属精製方法において、
前記冷却体を溶融金属内で回転させる際に、前記冷却体の軸芯を鉛直軸に対し5°~50°傾斜させるようにしたことを特徴とする金属精製方法。
前記冷却体を溶融金属内で回転させる際に、前記冷却体の軸芯を鉛直軸に対し5°~50°傾斜させるようにしたことを特徴とする金属精製方法。
[2]前記冷却体を溶融金属内で回転させる際に、前記冷却体の軸芯を鉛直軸に対し10°~40°傾斜させるようにした前項1に記載の金属精製方法。
[3]前記冷却体の軸芯と、前記溶湯保持容器の軸芯とを、溶融金属の表面位置で交差させるようにした前項1または2に記載の金属精製方法。
[4]前記冷却体を溶融金属内で回転させつつ、鉛直軸に対する前記冷却体の軸芯の傾斜角度を変化させるようにした前項1~3のいずれか1項に記載の金属精製方法。
[4]前記冷却体を溶融金属内で回転させつつ、鉛直軸に対する前記冷却体の軸芯の傾斜角度を変化させるようにした前項1~3のいずれか1項に記載の金属精製方法。
[5]鉛直軸に対する前記冷却体の軸芯の傾斜角度を、次第に小さく変化させるようにした前項4に記載の金属精製方法。
[6]溶融金属がアルミニウムである前項1~5のいずれか1項に記載の金属精製方法。
[7]精製すべき溶融金属を収容する溶湯保持容器と、その溶湯保持容器内の溶融金属内に浸漬された状態で軸芯回りに回転することによって表面に高純度金属が晶出されるようにした冷却体とを備えた金属精製装置において、
溶融金属内で回転する前記冷却体が、その軸芯を鉛直軸に対し5°~50°傾斜させた状態に設定可能に構成されていることを特徴とする金属精製装置。
溶融金属内で回転する前記冷却体が、その軸芯を鉛直軸に対し5°~50°傾斜させた状態に設定可能に構成されていることを特徴とする金属精製装置。
[8]溶融金属内で回転する前記冷却体の、鉛直軸に対する傾斜角度を変更可能に構成されている前項7に記載の金属精製装置。
発明[1][2]の金属精製方法によれば、冷却体を傾斜させることによって、冷却体の外周面と溶湯保持容器の内周面との間に狭い箇所と広い箇所とを形成できるため、狭い箇所から広い箇所に溶融金属が流れていくと、幅が広がっていくことで、溶融金属の流動方向は、溶湯保持容器内の周方向に加えて、半径方向にも流動することで、流動する溶融金属の周方向成分が小さくなり、溶融金属に対する冷却体外周面の相対速度を大きくでき、より高純度の金属塊を精製することができる。また冷却体の傾斜角度を特定範囲に設定しているため、冷却体の外周において、溶融金属の流路幅が極端に狭くなったり、広くなったりするのを防止でき、溶融金属の表面が乱れることなく安定し、溶融金属が飛散するのを防止することができる。
発明[3]の金属精製方法によれば、冷却体の軸芯を、溶湯保持容器の軸芯に対し溶融金属表面において一致させているため、溶融金属表面においては、冷却体は溶融金属の中心位置に配置され、溶融金属表面における冷却体外周の流路幅が全周にわたってほぼ一定となり、溶融金属表面がより一層安定し、溶融金属が飛散するのをより確実に抑制することができる。
発明[4]の金属精製方法によれば、精製の進行状況に応じて冷却体の傾斜角度を適宜変化させることができ、より一層高純度の金属塊を精製することができる。
発明[5]の金属精製方法によれば、冷却体の外周面と溶湯保持容器の内周面との最短距離が次第に広がっていくため、冷却体の外周面に成長していく金属塊が、溶湯保持容器の内周面に接触してしまうという不具合をより確実に解消することができる。
発明[6]の金属精製方法によれば、アルミニウムを精製するものであるため、所望のアルミニウム製品を得ることができる。
発明[7][8]は、上記金属精製方法の発明を実施可能な金属精製装置を特定するものであるため、上記と同様の効果を得ることができる。
図1はこの発明の実施形態である金属精製装置を示す概略構成図、図2はその概略断面図である。両図に示すように、この金属精製装置は、有低円筒状の溶湯保持容器としてのるつぼ1を備え、このるつぼ1の内部に溶融金属(「溶湯」とも称す)10が収容保持されている。るつぼ1は加熱炉で構成され、溶湯10が一定の温度となるように加熱されている。
本発明において、るつぼ1の形状は円筒に限定されることはなく、可能な限り内周面が曲線で構成されている方が望ましい。また、るつぼ1を構成する炉の加熱方法は、特に限定されるおのではなく、例えば電熱やガスバーナー等を好適に採用することができる。
溶湯10の温度は、凝固温度を超えていれば良いが、後述する冷却体2が溶湯10に浸漬している間は、溶湯中に固相が存在しなくなる温度よりも低い方がより望ましい。
本実施形態の金属精製装置には、るつぼ1内の溶湯10に浸漬可能な冷却体2が設けられている。冷却体2は、上端側が径大の逆円錐台形状に形成され、上下動可能な回転軸3の下端に設置されている。なお本発明において、冷却体2の形状は限定されることはなく、円柱状やその他の形状であっても良い。
回転軸3は管状になっており内部に中空管路が形成されるとともに、冷却体2の内部にも空間が形成されている。回転軸3の内部には冷媒供給管4および冷媒排出管5が挿通配置され、冷媒供給管4から冷媒が供給されるものとなされている。供給された冷媒は、冷媒供給管4を通って冷却体2の内部空間に噴出され、その後、回転軸3の内部の冷媒排出管5を通って排出されるようになっている。これにより冷却体2をその内側から冷やすことができるものとなされている。
冷媒としては気体あるいは液体が用いられる。冷却体2の表面の材質は金属あるいはグラファイト等、熱伝導率の高い材質を用いるのが望ましい。
回転軸3は駆動手段(図示省略)によって上下動可能および軸芯回りに回転駆動するように構成されており、下方に移動した際には、冷却体2が溶湯10に浸漬するように構成されるとともに、回転駆動した際には、冷却体2が自身の軸芯回りに回転するように構成されている。
また回転軸3は図示しない傾斜駆動手段によって、鉛直軸に対する傾斜角度を自在に変更できるように構成されており、その回転軸3の傾斜角度を変更させることによって、鉛直軸としてのるつぼ1の軸芯X1に対する、冷却体3の軸芯X2の傾斜角度θを自在に変更できるように構成されている。
本実施形態においては、冷却体3を溶湯10内に浸漬して回転させる際には、冷却体3の傾斜角度θを5°~50°(5°以上50°以下)に設定するようにしている。さらに冷却体3の軸芯X2をるつぼ1の軸芯X1に対し溶湯表面において交差するように設定している。
本実施形態においては、溶湯10内で冷却体2を傾斜させた状態で回転させることによって精製し、一定時間経過後に冷却体2を溶湯10から引き上げる。これにより冷却体2の外面に、精製された金属塊を付着させて、高純度の金属塊を得るものである。冷却体2に付着した金属塊は機械的に力を加えたり、あるいは、再加熱することによって除去、回収するものである。
なお冷却体2を溶湯10に投入する際には冷却体2をその軸芯X2が鉛直軸に一致させた垂直姿勢としておいて、投入後に冷却体2を傾斜させるようにしても良いし、傾斜姿勢のまま溶湯10内に投入するようにしても良い。また冷却体2を引き上げる際には、傾斜姿勢の冷却体2を垂直姿勢に戻してから引き上げるようにしても良いし、傾斜姿勢のまま溶湯10から引き上げるようにしても良い。重量バランス等を考慮すると、冷却体2を垂直姿勢で投入および引き上げるようにするのが良い。
本実施形態において精製金属としては、共晶不純物を含むアルミニウム、ケイ素、マグネシウム、鉛、亜鉛等の金属を好適例として挙げることができる。
本実施形態において、精製時に冷却体2を傾斜させるのは以下の理由による。すなわち冷却体2をその軸芯X2をるつぼ1の軸芯X1に対し傾斜させることによって、冷却体2の外周面とるつぼ1の内周面との間隔は相対的に狭い個所と広い個所が存在する。例えば冷却体2の下端部においては図1の左側における冷却体外周面とるつぼ内周面との間隔L1は、図1の右側における冷却体外周面とるつぼ内周面との間隔L2よりも狭くなっている。このように冷却体外周面とるつぼ内周面との間隔に、狭い箇所と広い箇所とが存在しているため、狭い箇所から広い箇所に溶湯10が流れていくと、幅が広がっていくことで、溶湯10の流動方向は、冷却体2の周方向に加えて、半径方向への自由度が増す。そこに冷却体2による遠心力が半径方向(外径方向)に及ぶことで、溶湯10の流れの向きが変化し、流れの大きさとしては同じであっても、溶湯の流れに半径方向成分が発生することで、流動する溶湯10の周方向成分が小さくなる。その結果、溶湯10に対する冷却体外周面の相対速度を大きくすることができ、より高純度の金属塊を精製することができる。
さらに溶湯10の流れが半径方向成分にも発生することによって、冷却体2の外周面に付着、成長する金属塊の凝固界面に形成される不純物濃化層の外側への拡散が促進され、より高純度の金属塊が得られるという効果も発生する。
また本実施形態においては、冷却体2の軸芯X2を、るつぼ1の軸芯X1に対し溶湯表面において一致させているため、溶湯10の液面下においては既述したように、高純度の金属塊を冷却体2の表面に付着、成長させつつも、図2に示すように溶湯表面においては、冷却体2が溶湯10の中心位置に配置されるため、冷却体外周面とるつぼ内周面との間隔が全周にわたってほぼ一定間隔となり、溶湯表面では、溶湯の流れが乱れることなく、周方向にスムーズに流動し、溶湯10が飛散するのを抑制できて、いわゆる溶湯跳ね(液跳ね)が生じるのを防止することができる。
特に本実施形態においては、冷却体2の傾斜角度θを特定範囲に設定しているため、冷却体2の外周において、溶湯10の流路幅が著しく狭くなったり、広くなったりすることもない。従って溶湯表面が乱れることがなく安定するためこの点においても、溶湯10の飛散を有効に防止することができる。
ここで本実施形態においては、冷却体2の傾斜角度θが5°未満の場合には、冷却体2の外周における溶湯10の流路幅の大小差を十分に確保できず、冷却体外周面と溶湯10との間の相対速度を大きくできず、さらに溶湯10の流れを径方向に十分に導くことができず、付着、成長する金属塊の純度を十分に高くできないおそれがあり、好ましくない。逆に冷却体2の傾斜角度θが50°超の場合には、冷却体2の外周面とるつぼ1の内周面との間の流路幅が、著しく狭くなる場所が発生し、溶湯表面(液面)の局部的な上昇により、溶湯10の飛散を助長してしまい、溶湯跳ねによる設備故障のトラブル等が生じるおそれがあり、好ましくない。本実施形態においては、より好ましくは冷却体2の傾斜角度θを10°~40°に設定するのが好ましい。
本実施形態において精製された金属は、高純度であるため、各種の加工や用途に用いることで優れた特性や機能を発揮させることができる。一例を挙げると、精製金属を鋳造に用いて鋳造品を製作しても良いし、この鋳造品を圧延して各種の金属板や金属箔として用いても良い。また、この金属箔を例えばアルミニウム電解コンデンサの電極材として用いても良い。
一方、本実施形態においては、精製しながら冷却体2の傾斜角度θを次第に変更するようにしても良い。例えば冷却体2を所定の傾斜角度θで精製を開始した後、傾斜角度θを段階的ないし連続的に小さくしていったり、大きくしていったりしても良い。特に本実施形態においては、冷却体2が溶湯内に浸漬している間に、冷却体2の傾斜角度θを少しずつ小さくなるように変化させることで、冷却体2の外周面とるつぼ1の内周面との最短距離が次第に広がっていくため、冷却体2の外周面に付着して成長していく金属塊が、るつぼ1の内周面に接触してしまうという不具合を確実に解消することができる。
また上記実施形態では、精製中において傾斜姿勢の冷却体2を溶湯表面のほぼ中心位置に配置するようにしているが、それだけに限られず、本発明では、精製中において傾斜姿勢の冷却体2を溶湯表面の中心位置から逸脱した位置に配置するようにしても良い。
<実施例1>
表1に示すように、Feの不純物濃度が400(質量ppm)、Siの不純物濃度が205(質量ppm)のアルミニウム原料からなるアルミニウム溶湯(元溶湯)10をるつぼ1に収容し、精製処理を実施した。精製装置および精製条件は次の通りである。
表1に示すように、Feの不純物濃度が400(質量ppm)、Siの不純物濃度が205(質量ppm)のアルミニウム原料からなるアルミニウム溶湯(元溶湯)10をるつぼ1に収容し、精製処理を実施した。精製装置および精製条件は次の通りである。
るつぼ1としては図1に示すように、溶湯上面における内径(開口部の内径と同じ)Dが500mm、深さHが800mmの有底円筒状で底面が下向き円弧面に形成されたものを用いた。冷却体2は上端側が径大の逆円錐台形状に形成され、溶湯上面における外径dが220mmのグラファイト製のものを使用した。
そして、冷却媒体として1200リットル/分の圧縮空気を冷却体2の内部に流通させ、回転周速度を4400mm/sの一定速度で冷却体2を回転させながら6分間、精製した。
この精製時において、るつぼ1の軸芯X1に対する、冷却体2の軸芯X2の傾斜角度θを6°に設定した。なお冷却体2の軸芯X2は、るつぼ1の軸芯X1に対し溶湯10の表面で交差するように設定した。
こうして得られた実施例1のアルミニウム精製塊に対し、Fe不純物濃度およびSi不純物濃度を測定し、精製効率を算出した。精製効率は、元のアルミニウム溶湯(元溶湯)に含まれる不純物濃度に対する、得られたアルミニウム精製塊(精製鋳塊)の不純物濃度の比率によって求められる。その結果を表1に併せて示す。
<実施例2~4>
表1に示す不純物濃度の元溶湯に対して、冷却体2の傾斜角度θを表1に示す角度に設定した以外は、上記実施例1と同様にして精製を行って、実施例2~4のアルミニウム精製塊を得、同様に精製効率を求めた。
表1に示す不純物濃度の元溶湯に対して、冷却体2の傾斜角度θを表1に示す角度に設定した以外は、上記実施例1と同様にして精製を行って、実施例2~4のアルミニウム精製塊を得、同様に精製効率を求めた。
<実施例5>
表1に示す表1に示す不純物濃度の元溶湯に対して、冷却体2の傾斜角度θを以下のように設定した。すなわち、精製開始時点では、冷却体2の傾斜角度θが35°、精製終了時点では、冷却体2の傾斜角度θが10°となるように、精製中の冷却体2の傾斜角度θが次第に小さくなるように変化させた。それ以外は、上記実施例1と同様にして精製を行って、実施例5のアルミニウム精製塊を得、同様に精製効率を求めた。
表1に示す表1に示す不純物濃度の元溶湯に対して、冷却体2の傾斜角度θを以下のように設定した。すなわち、精製開始時点では、冷却体2の傾斜角度θが35°、精製終了時点では、冷却体2の傾斜角度θが10°となるように、精製中の冷却体2の傾斜角度θが次第に小さくなるように変化させた。それ以外は、上記実施例1と同様にして精製を行って、実施例5のアルミニウム精製塊を得、同様に精製効率を求めた。
<比較例1,2>
表1に示す不純物濃度の元溶湯に対して、冷却体2の傾斜角度θを表1に示す角度に設定した以外は、上記実施例1と同様にして精製を行って、比較例1,2のアルミニウム精製塊を得、同様に精製効率を求めた。
表1に示す不純物濃度の元溶湯に対して、冷却体2の傾斜角度θを表1に示す角度に設定した以外は、上記実施例1と同様にして精製を行って、比較例1,2のアルミニウム精製塊を得、同様に精製効率を求めた。
<評価>
実施例および比較例の各精製方法において、精製中における溶湯の跳ね(溶湯跳ね)の評価を行った。溶湯跳ねの評価の基準としては、溶湯の跳ねが全く認められなかったものを「◎」、ほとんど認められなかったものを「〇」、若干認められたものを「△」として評価した。
実施例および比較例の各精製方法において、精製中における溶湯の跳ね(溶湯跳ね)の評価を行った。溶湯跳ねの評価の基準としては、溶湯の跳ねが全く認められなかったものを「◎」、ほとんど認められなかったものを「〇」、若干認められたものを「△」として評価した。
さらに実施例および比較例の各精製方法において、精製効率および溶湯跳ねの評価に基づいて、総合評価を行った。総合評価については以下の3つの条件1~3を全て満たしているものを「〇」、一つでも満たしていないものを「△」として評価した。これらの評価結果を表1に併せて示す。
条件1:Feの精製効率が0.13以下
条件2:Siの精製効率が0.23以下
条件3:湯跳ね評価が「◎」または「〇」
表1から理解されるように実施例1~5の精製方法は、比較例1に比べて精製効率が良く、かつ溶湯跳ねも発生しておらず、溶湯跳ねを抑制しつつ、高い効率で金属を精製できるのが判る。また、比較例2の精製方法は、精製効率は高いものの、溶湯跳ねを十分に抑制できず、この点において課題があることが判る。
条件2:Siの精製効率が0.23以下
条件3:湯跳ね評価が「◎」または「〇」
表1から理解されるように実施例1~5の精製方法は、比較例1に比べて精製効率が良く、かつ溶湯跳ねも発生しておらず、溶湯跳ねを抑制しつつ、高い効率で金属を精製できるのが判る。また、比較例2の精製方法は、精製効率は高いものの、溶湯跳ねを十分に抑制できず、この点において課題があることが判る。
この発明の金属精製方法は例えば、偏析凝固法の原理を利用して、共晶不純物を含む物質から、共晶不純物の含有量を元の物質よりも少なくし、高純度の物質を精製する際に利用可能である。
1:るつぼ(溶湯保持容器)
2:冷却体
10:溶湯(溶融金属)
X1:るつぼの軸芯(鉛直軸)
X2:冷却体の軸芯
θ:冷却体の傾斜角度
2:冷却体
10:溶湯(溶融金属)
X1:るつぼの軸芯(鉛直軸)
X2:冷却体の軸芯
θ:冷却体の傾斜角度
Claims (8)
- 溶湯保持容器に収容した精製すべき溶融金属内に冷却体を浸漬し、この冷却体をその軸芯回りに回転させながら冷却体の表面に高純度金属を晶出させるようにした金属精製方法において、
前記冷却体を溶融金属内で回転させる際に、前記冷却体の軸芯を鉛直軸に対し5°~50°傾斜させるようにしたことを特徴とする金属精製方法。 - 前記冷却体を溶融金属内で回転させる際に、前記冷却体の軸芯を鉛直軸に対し10°~40°傾斜させるようにした請求項1に記載の金属精製方法。
- 前記冷却体の軸芯と、前記溶湯保持容器の軸芯とを、溶融金属の表面位置で交差させるようにした請求項1または2に記載の金属精製方法。
- 前記冷却体を溶融金属内で回転させつつ、鉛直軸に対する前記冷却体の軸芯の傾斜角度を変化させるようにした請求項1~3のいずれか1項に記載の金属精製方法。
- 鉛直軸に対する前記冷却体の軸芯の傾斜角度を、次第に小さく変化させるようにした請求項4に記載の金属精製方法。
- 溶融金属がアルミニウムである請求項1~5のいずれか1項に記載の金属精製方法。
- 精製すべき溶融金属を収容する溶湯保持容器と、その溶湯保持容器内の溶融金属内に浸漬された状態で軸芯回りに回転することによって表面に高純度金属が晶出されるようにした冷却体とを備えた金属精製装置において、
溶融金属内で回転する前記冷却体が、その軸芯を鉛直軸に対し5°~50°傾斜させた状態に設定可能に構成されていることを特徴とする金属精製装置。 - 溶融金属内で回転する前記冷却体の、鉛直軸に対する傾斜角度を変更可能に構成されている請求項7に記載の金属精製装置。
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