JP2004162037A - ワックス組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 構成成分の分散が均一なワックスを主体とする組成物を低コストで製造することができるワックス組成物の製造方法を提供すること。
【解決手段】 ワックスを主体とする組成物の製造方法であって、該ワックスの融解完了温度未満の温度で、該ワックスと該ワックスと混合される被混合物に外力を加えて混合することを特徴とする。上記ワックスの融解完了温度未満の温度で該ワックスと上記被混合物を混合した後、その混合物を該ワックスの融解完了温度以上に加熱することが好ましい。また、上記被混合物として非晶性高分子を含み、混合時の温度が該非晶性高分子のガラス転移温度以上であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ワックスを主体とする組成物およびその製造方法に関する。
防湿コーティング剤などのワックスを主体とする組成物を得る手段としては、従来は、主として組成物の成分を溶融状態で機械的に混合する方法(例えば、下記特許文献1参照。)、ワックスエマルジョンを用いて混合する方法(例えば、下記特許文献2参照。)が用いられてきた。また、溶剤を用いて混合した溶液を対象物に塗布し、溶剤を乾燥させて組成物の膜を形成する方法が用いられてきた(例えば、下記特許文献3参照。)しかし上記の方法では、以下の問題があった。
溶融状態で機械的に混合する方法では、溶融状態のワックスの粘度が低いために、固体状または高粘度の物質との混合を行う場合は、これら被混合物へ充分な剪断力が加わらないために、各成分の均一な分散状態を得るのが困難であった。
ワックスエマルジョンを用いる方法では、エマルジョンを構成する成分の粒子サイズ以下で該成分を分散させることが不可能であるため、均一な分散状態の組成物を得ることが困難であった。
溶剤を用いる方法では、中間製品や最終製品において残留溶剤による臭いや安全性での問題のほか、多量の溶剤を使用するために自然環境、労働環境などに悪影響を及ぼす問題を有している。近年、食品包装材料におけるラミネート接着剤や印刷インキ等に由来する残留溶剤による人体への影響が懸念されており、改善が求められている。そのためには、製造工程において溶剤を用いない方法が根本的な解決策となる。
また、高い融点を有するワックスは溶剤に溶解しにくいため、均一な組成物が得られにくい。被混合物が溶剤に不溶な物質(例えば無機粒子など)の場合には、被混合物へ十分な力が加わらないための十分な分散が難しく、比重差がある場合には沈降して濃度ムラが生じてしまう。
特開平7−278510号公報 特開昭59−66598号公報 特開2002−266284号公報
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、構成成分の分散が均一なワックスを主体とする残留溶剤のない安全なワックス組成物と、そのワックス組成物を低コストで製造することができるワックス組成物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、ワックスを主体とする組成物を、ワックスの融解完了温度未満の温度で混合することによって上記目的を達成し得ることを知見した。
本発明は、上記知見に基づきなされたものであり、ワックスを主体とする組成物の製造方法であって、該ワックスの融解完了温度未満の温度で、該ワックスと該ワックスと混合される被混合物に外力を加えて混合することを特徴とするワックス組成物の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、ワックスを主体とし、生分解性で非晶性の高分子を含有し、残留溶剤濃度が3ppm以下である生分解性ワックス組成物を提供するものである。
また、本発明は、前記本発明のワックス組成物の製造方法で製造された、ワックスを主体とし、生分解性で非晶性の高分子を含有する生分解性ワックス組成物を提供するものである。
本発明によれば、各成分の分散が均一なワックスを主体とする組成物を、短時間且つ低コストで収率よく製造する方法が提供される。また、溶剤を用いない製造方法で得られるワックスと高分子物質との組成物、および残留溶剤を実質的に含まないワックスと高分子物質との組成物が提供される。
以下、本発明を、その好ましい実施形態に基づいて説明する。
本発明のワックス組成物は、ワックスを主体としたものであり、被混合物として熱可塑性樹脂やエラストマー等の高分子物質、有機および無機の粉体などを選択することができる。具体的には、ワックスの溶融粘度に比べて高い粘度を有する粘稠な高分子物質を混合する場合や、粉体などの固体状物質をワックスに分散させる場合に、本発明の製造方法が特に効果を発揮する。なぜなら、本発明の製造方法を適用することで、未溶融状態の高粘度のワックスを介して、被混合物に対して高い剪断力を加えることができるからである。
また、前記ワックス組成物に生分解性が要求される場合には、該組成物の構成成分として生分解度(JIS K6950に定められた)が50%以上のものを用いることが好ましく、60%以上のものを用いることがより好ましい。
本発明のワックス組成物は、ワックスを主体とするものであり、該ワックスが含有される全成分の中で体積分率で最も多くを占める場合に高い効果を得ることができる。該ワックスの組成比が好ましくは40wt%以上の場合に高い効果を得ることができ、より好ましくは50wt%以上、さらに好ましくは60wt%以上でより高い効果を得ることができる。特に、被混合物が比重の高い無機粉体などの場合には、ワックスの体積分率が好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上でより高い効果を得ることができる。
前記ワックスには、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、石油系ワックス、合成ワックス等を用いることができる(例えば、府瀬川健蔵、「ワックスの性質と応用」、幸書房、1993年、改訂2版第1刷、2頁目、表1.0.1に記載されたワックスが使用可能である。)。
該植物系ワックスとしては、ライスワックス、カルナバワックス、木ろう、キャンデリラワックス等が、該動物系ワックスとしては、みつろう、ラノリン、鯨ろう等が、該石油系ワックスとしては、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等が、該合成ワックスとしては、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス等が、該鉱物ワックスとしては、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等が挙げられる。これらのワックスはいずれも好ましく使用することができるが、十分な冷却能力を持つ混合機を使用できない場合には、混合時の剪断発熱による温度上昇でワックス中の低融点成分が融解してワックスの粘度が低下し、被混合物に十分な剪断力が加わらなくなるおそれがあるので、低融点成分が少ないワックスを用いることが好ましい。同様の理由で、非晶成分が少ないワックスを用いることが好ましい。ただし、ワックス組成物の用途によっては、生活温度範囲である程度の粘着性を必要とする場合があるので、混合に大きな影響を与えない範囲で、適度な量の低融点成分や非晶成分を含有することが好ましい場合もある。かかる観点から、JISK2235−5.3.2に記載の方法で測定された融点が40℃以上であるものが好ましく、60℃以上であるものがより好ましい。
前記高分子物質は、ワックスの固体状態もしくは溶融状態の物性改質や機能付加等を目的として用いることができる。例えば、固体状態の力学強度(破断強度、衝撃強度、曲げ強度、柔軟性付与等)、他の材料への接着性向上や、溶融状態での溶融粘度向上等である。
前記高分子物質は、前記ワックスの重量に対して5〜35%、特に15〜30%含まれていることが好ましい。該高分子物質が斯かる範囲で含まれていると、前記ワックスの物性改質や機能付加等を効果的行うことができる。
前記高分子物質としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等の結晶性高分子、未架橋のゴムやポリエステル系、ポリアミド系、ポリスチレン系、ポリ(メタ)アクリル系の共重合体等の非晶性高分子若しくは低結晶性高分子等が挙げられる。ただし、混合する高分子を微細に分散するためには、結晶性高分子の場合にはワックスの融解終了温度以下である所望の混合温度において溶融するものが好ましく、非晶性高分子物質の場合にはワックスの融解終了温度以下である所望の混合温度以下にガラス転移温度を有するものが好ましい。
具体的には、前記結晶性高分子としては、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリカプロラクトン、ポリブチレンテレフタレートアジペート、ポリブチレンサクシネートアジペート等の融点の低い高分子が挙げられる。また、前記非晶性高分子としては、イソプレンゴム、天然ゴム、ポリd,l−乳酸等が挙げられる。これらの結晶性高分子及び非結晶性高分子は、単独で若しくは複数種を選択して用いることが出来る。
前記ワックス組成物に生分解性が要求される場合には、物性改質に高い効果を有する生分解性の高分子として、上記の中でも特に天然ゴム又は合成イソプレンゴムが好ましく用いられる。臭いや色、含まれるタンパクによるアレルギーなどの点を考慮すると、天然ゴムよりも合成イソプレンゴムが好ましい。ワックスと、天然ゴム又は合成イソプレンゴムとの混合において、本発明の製造方法は非常に高い効果を発現し、従来得られなかった物性改質効果を有する組成物を、溶剤等を用いることなしに得ることができる。ワックスと天然ゴム又は合成イソプレンゴムとを本発明の方法により混合することで、天然ゴム又は合成イソプレンゴムをワックス中に極めて均一に混合させることが可能となり、ワックスの溶融粘度を非常に高くしたり、ワックス融点以下でのワックスの脆さを大きく改善するなどの効果が得られる。
前記高分子物質は、単独で使用することもでき、二種以上を併用することもできる。
前記有機粉体としては、コーンスターチ、デンプン、各種高分子粉体などの有機粉体が挙げられる。また、前記無機粉体としては、酸化チタン、タルク、雲母、スメクタイト、シリカ等の無機粉体が挙げられる。
本発明のワックス組成物は溶剤を含まないので、残留溶剤を実質的に含まないものである。従って、残留溶剤の量は、検出可能な3ppm以下の濃度である。そのため、本発明のワックス組成物を用いた中間品や製品の製造工程においても、労働環境を汚染することがなく極めて安全性が高い。また、本発明のワックス組成物は、食品その他の包装材料をはじめとする多くの分野において安全に利用することができる。
本発明のワックス組成物には、その効果や製造工程に影響を与えない範囲で、酸化防止剤、着色剤、分散助剤、その他必要に応じて適宜添加剤等を含ませることもできる。
次に、本発明のワックス組成物の製造方法を説明する。
本発明のワックス組成物の製造方法は、前記所定の配合で前記ワックスと前記被混合物とを該ワックスの融解完了温度未満の温度、好ましくはDSC測定により得た融解曲線から求めた溶融ピーク温度以下の温度で各種の混練機の機械力によって混合して組成物を得る。溶融ピークが複数ある場合は、融解熱量の最も大きなピークのピーク温度以下で混合することが好ましい。該ワックスの融点以上の温度で該ワックスと該被混合物とを混合すると、ワックスの融解によりワックスの粘度が急激に低下するため、被混合物に十分な剪断力が加わらないために、混合が不十分となり均一な組成物を得ることが困難となる。ワックスの融解完了温度未満の温度で混合することで、未溶融状態のワックスの結晶が残っているため、ワックスを見かけ上高粘度の流動体として扱うことができるので、一般的に行われているプラスチック材料のコンパウンドと同様の方法により、ワックスと被混合物の混合を行うことができる。
また、より好ましい混合温度の選定方法として以下の方法がある。DSC測定により得た融解曲線から、図1に示すように、融解ワックス成分の全吸熱量をΔHとした場合に、低温側からの吸熱量(融解開始温度から混合温度Tmixまでの吸熱量)の積算値ΔH’が好ましくはΔHの70%以下となる温度範囲、より好ましくは50%以下となる温度範囲、さらに好ましくは30%以下となる温度範囲で、良好な混合が可能となる。ワックスの融解開始温度よりも低い温度で混合を行うことに支障は無いが、結晶性の高い硬いワックスなどにおいて、混合温度で粘りを有することが好ましい場合には、下限温度として、前記積算値ΔH’が好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上となるよう選択する。
最適な混合温度は、被混合物の物性に合わせて、上記の混合温度の中から適宜選択することができる。例えば、被混合物が非晶性高分子である場合は、非晶性高分子のガラス転移温度以上で混合することが好ましい。被混合物が結晶性高分子である場合は、結晶性高分子の融点以上の温度であることが好ましい。被混合物が前記無機又は前記有機粉体である場合は、粉体の均一分散を行いやすいよう、ワックスの融解完了温度よりも十分に低い温度(例えば、ワックスの融解開始温度よりも低い温度)で混合することが好ましい。ただし、ワックスのガラス転移温度よりも低い温度での混合は、ワックスが硬過ぎて、分散状態が悪化したり、混合装置に過度の負荷がかかるなどの悪影響がでる場合があるので、ワックスのガラス転移温度以上で混合することが好ましい。また、ワックスや被混合物の温度依存性を良く考慮し、上記の好ましい範囲の中でも、両者の物性が混合に最適な状態になるように混合温度を調整することが好ましい。
本発明におけるワックスの融解完了温度、融解ピーク温度、ΔHとΔH’の比は、例えば、以下の方法で求めることができる。
測定機:セイコー電子工業(株)の型式DSC220
試料容器:品番PN/50−020(アルミ製オープン型試料容器、容量15μl)および品番PN/50−021(アルミ製オープン型試料容器クリンプ用カバー)
試料重量:約10mg
昇温速度、降温速度:5℃/min
測定温度範囲:用いるワックスに応じて、最適な範囲を選択する。融解完了温度および融解ピーク温度は、一度融解させた後に5℃/minの速度で結晶化させた後、再度5℃/minの速度で昇温させたときのデータを使用して求める。
具体例を挙げると、[第1昇温過程]30℃から130℃まで、[降温過程]130℃(5分間保持)から−30℃まで、[第2昇温過程]30℃から130℃までと連続して測定を行い、第2昇温過程のデータを使用する。
融解完了温度:図2に示すように、融解ピークの高温側のベースラインの接線と、ピークの高温側傾斜ラインの1/5ピーク高さに位置する点の接線とが交差する点の温度を融解完了温度とする。複数のピークが存在する場合は、最も高温側に位置するピークを選択して、融解完了温度を求める。
主ピーク温度:融解曲線のピークの温度を上記データから求める。複数のピークを持つ場合は、融解熱量の最も大きなピークを選択し、それを融解ピーク温度とする。
前記ワックスと前記被混合物との混合は、ワックスの結晶が残っている状態での混合になるため、粘度の高い材料の混合に用いられる混合装置を用いることが好ましく、また均一な混合状態を得るためにはワックス融解完了温度以下の最適な温度に制御する必要があるので、混合容器が低温に制御できる仕様となっていることが好ましく、さらにはローターやスクリューなどの可動部も冷却できる仕様が好ましい。かかる観点から、加圧ニーダー、オープンニーダー、ロール混練機を用いて混合することが好ましい。
本発明の製造方法を用いると、前記有機粉体や無機粉体もワックス中に均一に分散させることができる。特に、疎水性の高いワックス中に、親水性の比較的高い粉体を分散させる場合、ワックスの融点以上では粉体が凝集してしまい、細かな分散が不可能であったが、本発明の製造方法を用いることで高い分散性を得ることが可能となった。
上記の方法で得た組成物は、混合の工程中に気泡を含むことがあるので、その気泡を抜くための脱泡を行うこともある。脱泡には一般的な方法を用いることができる。例えば、減圧下にある恒温槽中でワックスの融解温度以上に保持する方法、減圧手段を持つニーダーなどの混合装置を用いて減圧下でワックスの融解温度以上で混合する方法などが用いられる。
また、被混合物として天然ゴムやイソプレンゴムなどを用いる場合は、ワックスと被混合物との分散状態をより均一にするために、得られた前記組成物を前記ワックスの融解温度以上に加熱することが好ましい。
本発明の製造方法によれば、前記本発明のワックス組成物を短時間で収率よく製造することができ、被混合物をワックス中に均一に分散することができる。特に、ワックスと天然ゴムもしくはイソプレンゴムとの混合を行った場合には、ワックスが未溶融の状態であっても極めて均一な分散が可能となる。
本発明のワックス組成物は、ワックスを主体とする防湿性組成物や接着用組成物として特に好ましく用いられる。また、本発明のワックス組成物は、有機溶剤などを一切用いずに製造できるため、食品その他の包装材料を始めとして様々な分野において極めて安全に適用できる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は本実施例に何等制限されるものではない。
下記実施例1〜5及び比較例1〜3のようにしてワックス組成物を作製した。そして、該組成物について、下記のように分散の均一性を評価した。分散性の評価は、該組成物をワックスの融点以上に加熱して脱泡した後、溶融状態のまま5mm程度の厚みに伸ばして目視により粒状の被混合物の存在の有無を確認する方法で行った。なお、前記粒状物は未分散状態であると判断した。
〔実施例1〕
東洋精機製作所(株)製ラボプラストミル(30C150型)の混練容器に、マイクロクリスタリンワックス(日本精蝋(株)製、品番「Hi−Mic−1070」、融解完了温度86℃、主ピーク温度44℃)44gと素練りした未加硫の天然ゴム(以下、単に天然ゴムという。)11gを入れ、回転数30rpmで10分間混練を行った。材料投入前の混練容器内の温度計の表示温度は22℃であった。また、混練機のヒーターは全てOFFの状態で最後まで混合を行った。混練終了時の混練容器内の温度計の表示温度は37℃であった。37℃におけるΔH’はΔHの12%であった。ここでは、溶剤を一切使用せずに混練を行った。
得られた組成物は、気泡を含んだ白色のもので、各成分の分散が均一であることが確認できた。得られた組成物を110℃、窒素気流、−500mmHgの乾燥機中で脱泡し、溶融状態で再度分散状態を確認したところ、透明で均一な組成物であり、未分散の天然ゴムの存在は確認できなかった。
〔実施例2〕
実施例1において、天然ゴムをイソプレンゴム(日本ゼオン(株)製、品番Nipol−IR2200)に代えて、実施例1と同様の方法でワックス組成物を得た。混練終了時の混練容器内の温度計の表示温度は39℃であった。39℃におけるΔH’はΔHの16%であった。ヒーターOFFの状態での混練を行った後、そのまま混合容器のヒーターを85℃に上げて、さらに7.5分間の混練を行った。溶融状態のまま分散状態を確認したところ、85℃での混練により組成物中の気泡は抜け、透明で均一な組成物であり、未分散のイソプレンゴムの存在は確認できなかった。
〔実施例3〕
(株)森山製作所製の加圧ニーダー(DS0.3−3型)を用い、加圧ニーダーの混練容器にマイクロクリスタリンワックス(日本精蝋(株)製、品番「Hi−Mic−1070」)1800gと、イソプレンゴム(日本ゼオン(株)製、品番Nipol−IR2200)600gを入れ、回転数20rpmで5分間混練を行い、次いで同じワックス600gを追加投入してさらに10分間の混練を行った。混練は、混合容器及びローターに10℃の冷却水を流し、ヒーターは全てOFFの状態で行った。混練中の混合物の最高温度は37℃で(混合容器内の温度計の表示温度)、混練終了後の組成物の温度を接触式温度計で直接測定したところ、36〜42℃であった。36℃におけるΔH’はΔHの10%、42℃におけるΔH’はΔHの22%であった。
得られた組成物は、気泡を含んだ白色のもので、均一な分散状態であることが確認された。得られた組成物を実施例1と同じ方法で脱泡し、溶融状態で再度分散状態を確認したところ、透明で均一な組成物であり、未分散のイソプレンゴムの存在は確認できなかった。
〔実施例4〕
実施例3と同様の方法で、マイクロクリスタリンワックス(日本精蝋(株)製、品番「Hi−Mic−1070」)を、マイクロクリスタリンワックス(日本精蝋(株)製、品番「Hi−Mic−1080」、融解完了温度86℃、主ピーク温度59℃)に代えて混練を行った。混練中の混合物の最高温度は45℃で(混合容器内の温度計の表示温度)、混練終了後の組成物の温度を接触式温度計で直接測定したところ、37〜50℃であった。37℃におけるΔH’はΔHの0%、50℃におけるΔH’はΔHの5%であった。
得られた組成物は、気泡を含んだ白色のもので、均一な分散状態であることが確認できた。得られた組成物を実施例1と同じ方法で脱泡し、溶融状態で再度分散状態を確認したところ、透明で均一な組成物であり、未分散のイソプレンゴムの存在は確認できなかった。
〔実施例5〕
実施例1において、天然ゴムに代えて無機フィラーである親油性スメクタイト(コープケミカル(株)製、品番「ルーセンタイトSAN」)を用いた以外は、実施例1と同様の方法でワックス組成物を得た。混練終了時の混練容器内の温度計の表示温度は35℃であった。35℃におけるΔH’はΔHの9%であった。得られた組成物は、全体に白色で均一な分散状態であることが確認できた。得られた組成物を実施例1と同じ方法で脱泡し、溶融状態で再度分散状態を確認したところ、乳白色で均一な組成物であった。
〔比較例1〕
混合容器のヒーターを90℃にした以外は、実施例1と同様の方法で混合を行った。ワックスが融解により粘度が大きく低下したために、分散されないままの天然ゴムがローターと混合容器に貼り付いた状態となり、混練を続けてもその状態に変化はなかった。
〔比較例2〕
シクロヘキサン80wt%、キャンデリラワックス16wt%、天然ゴム4wt%の塗工液を以下の方法で作製した。シクロヘキサンに脱タンパク処理を行った天然ゴム(住友ゴム工業(株)製)を攪拌しながら3日間溶解し、次いで細かく粉砕したキャンデリラワックス((株)セラリカ野田製、融点64℃)を加えて70℃にて溶解させ、それを塗工液とした。得られた塗工液(固形分20wt%)を紙(コートボール)の上に#40のバーコーターにて室温で塗布し風乾させ、乾燥後に再度同じバーコーターで塗布して風乾により乾燥させた。2度目の塗工終了後から、以下の方法で塗膜中の残留シクロヘキサン量を測定した。紙の上から塗膜を1gかき取り、10mlに溶解させた後に、それを試料として水素炎イオン化検出器を装備したガスクロマトグラフ(アジレント−6890)にて残留するシクロヘキサンの量を測定した。その結果を表1に示す。表1に示したように、この方法で得られた組成物の塗膜には、7日経ってもシクロヘキサンが0.1wt%も残留していた。
Figure 2004162037
〔比較例3〕
混合容器のヒーターを90℃にした以外は、実施例5と同様の方法で混合を行った。フィラーは凝集したままで、ワックス中に均一に分散させることが不可能であった。
本発明のワックス組成物は、食品その他の包装材料を始めとして様々な分野に利用することができる。具体的には、紙や樹脂フィルムに防湿性を付与するための防湿材、紙に耐水性を付与するためのコーティング剤、フィルムや紙などを貼り合わせるための接着剤、ラベルやシールの接着剤として利用することができる。
DSC測定結果におけるΔH、ΔH'及び混合温度の関係を示す図である。 DSC測定結果から融解完了温度、融解ピーク温度を求める手法の説明図である。

Claims (8)

  1. ワックスを主体とする組成物の製造方法であって、該ワックスの融解完了温度未満の温度で、該ワックスと該ワックスと混合される被混合物に外力を加えて混合することを特徴とするワックス組成物の製造方法。
  2. 上記ワックスの融解完了温度未満の温度で該ワックスと上記被混合物を混合した後、その混合物を該ワックスの融解完了温度以上に加熱する請求項1記載のワックス組成物の製造方法。
  3. 上記被混合物として高分子物質を含む請求項1又は2記載のワックス組成物の製造方法。
  4. 上記高分子物質が非晶性高分子であり、混合時の温度が該非晶性高分子のガラス転移温度以上である請求項3記載のワックス組成物の製造方法。
  5. 上記高分子物質が、イソプレンゴム又は天然ゴムである請求項3又は4記載のワックス組成物の製造方法。
  6. ワックスを主体とし、生分解性の高分子を含有し、残留溶剤濃度が3ppm以下である生分解性ワックス組成物。
  7. 請求項1の製造方法で製造された、ワックスを主体とし、生分解性で非晶性の高分子を含有する生分解性ワックス組成物。
  8. 上記高分子がイソプレンゴム又は天然ゴムである請求項6又は7記載の生分解性ワックス組成物。

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