JP2004161192A - 電動パーキングブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電動パーキングブレーキ装置の小型化を図ること、緊急解除の手動操作手段をプッシュプル操作可能として、車両への搭載性を良好とすること。
【解決手段】電動モータ11の回転力によって、回転伝達機構を正回転駆動することによりパーキングブレーキ53を制動状態とし、回転伝達機構を逆回転駆動することによりパーキングブレーキ53を解除状態とするように構成した電動パーキングブレーキ装置において、回転伝達機構(入力側から出力側に回転を減速して伝達する第1減速装置G1と第2減速装置G2を備えている)に、制動機能をプッシュプル操作にて有効・無効とし得て、有効時には、入力側(電動モータ11)から出力側(ケーブルガイド51)に回転力が伝達されるときの回転を許容し、出力側から入力側に回転力が伝達されるときの回転を規制するブレーキ機構B1を介装した。
【選択図】 図1
【解決手段】電動モータ11の回転力によって、回転伝達機構を正回転駆動することによりパーキングブレーキ53を制動状態とし、回転伝達機構を逆回転駆動することによりパーキングブレーキ53を解除状態とするように構成した電動パーキングブレーキ装置において、回転伝達機構(入力側から出力側に回転を減速して伝達する第1減速装置G1と第2減速装置G2を備えている)に、制動機能をプッシュプル操作にて有効・無効とし得て、有効時には、入力側(電動モータ11)から出力側(ケーブルガイド51)に回転力が伝達されるときの回転を許容し、出力側から入力側に回転力が伝達されるときの回転を規制するブレーキ機構B1を介装した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両において採用されるパーキングブレーキ装置、特に、電動モータを入力源として、同電動モータの回転力によって回転伝達機構を正回転駆動することによりパーキングブレーキを制動状態とし、前記電動モータの回転力によって前記回転伝達機構を逆回転駆動することにより前記パーキングブレーキを解除状態とするように構成した電動パーキングブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の電動パーキングブレーキ装置は、例えば、下記特許文献1、2等の先行技術文献に示されていて、それぞれにおいて回転伝達機構に減速装置(ねじ送り装置)が設けられていて、この減速装置での減速比を高く設定する(ねじのピッチを小さく設定する)ことで、出力側から入力側には回転力を伝達不能なセルフロック機能が得られるように構成されている。
【0003】
【特許文献1】
ドイツ国特許出願公開明細書DE4218717A1
【特許文献2】
ドイツ国特許出願公開明細書DE19710602A1
【0004】
また、上記した各先行技術文献に示されている電動パーキングブレーキ装置においては、パーキングブレーキを制動状態から解除状態とする作動を電動モータの逆回転駆動によって得られないような電気系フェール時において、パーキングブレーキを手動にて制動状態から解除状態とする緊急解除のための緊急解除用操作装置が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した各先行技術文献に示されている電動パーキングブレーキ装置において採用されている減速装置では、出力側から入力側には回転力を伝達不能なセルフロック機能が得られるように、減速比が高く設定されているため、回転伝達機構での伝達効率を不必要に低下させるおそれがある。このため、電動パーキングブレーキ装置での良好な作動性を確保するためには、回転伝達機構での伝達効率低下を補うための電動モータの大型化(高速・高トルク化)が必要である。
【0006】
また、上記した各先行技術文献に示されている電動パーキングブレーキ装置において採用されている緊急解除用操作装置では、減速装置の構成部材である回転体を手動にて回転駆動するためのクランクハンドルが採用されていて、パーキングブレーキを緊急解除するためには、クランクハンドルを何回も回転させる必要があって、操作性が悪いばかりか、クランクハンドルを回転操作するための操作空間を確保する必要があって車両への搭載性も悪い。
【0007】
【発明の概要】
本発明は、上記した課題を解決するために、上記した形式の電動パーキングブレーキ装置において、前記回転伝達機構に、入力側から出力側に回転力が伝達されるときには制動機能を解除されて回転を許容し出力側から入力側に回転力が伝達されるときには制動機能を発揮して回転を規制するブレーキ機構を介装したことに特徴がある。
【0008】
この電動パーキングブレーキ装置においては、入力側から出力側に回転力が伝達されるときには制動機能を解除されて回転を許容し出力側から入力側に回転力が伝達されるときには同制動機能を発揮して回転を規制するブレーキ機構が回転伝達機構に介装されているため、回転伝達機構にて、出力側から入力側には回転力を伝達不能なセルフロック機能が得られるように構成する(例えば、回転伝達機構に設ける減速装置での減速比を高く設定する)必要がなくて、回転伝達機構での伝達効率を不必要に低下させる必要がない。したがって、上記したセルフロック機能が得られるように構成することに伴う回転伝達機構の大型化を抑制することができるとともに、回転伝達機構での伝達効率低下を補うための電動モータの大型化が不要であり、当該電動パーキングブレーキ装置の小型化が可能である。
【0009】
また、本発明による電動パーキングブレーキ装置において、前記ブレーキ機構は、コイルスプリングを備えていて、同コイルスプリングのコイル径が変更されることにより、前記制動機能を解除されるコイルスプリング式ブレーキ機構であることも可能である。この場合には、回転伝達機構に介装されるブレーキ機構をシンプルかつコンパクトに構成することが可能である。
【0010】
また、本発明による電動パーキングブレーキ装置において、前記回転伝達機構は入力側から出力側に回転を減速して伝達する第1減速装置と第2減速装置を備えていて、これら両減速装置間に前記ブレーキ機構が介装されていることが望ましい。この場合には、電動モータ側(入力側)から第1減速装置を介してブレーキ機構に回転が減速されて伝達され、ブレーキ機構が低回転域で使用されるため、高回転域での使用に不向きなブレーキ機構を採用することが可能である。また、ブレーキ機構には、パーキングブレーキ側(出力側)から第2減速装置を介して回転が低トルクとされて伝達されるため、高トルクでの使用に不向きな小型のブレーキ機構を採用することが可能である。
【0011】
また、本発明による電動パーキングブレーキ装置において、前記ブレーキ機構は、制動機能を無効化する制動機能無効化手段を備えていることが望ましい。この場合には、ブレーキ機構の制動機能無効化手段により、ブレーキ機構の制動機能を無効化することが可能である。
【0012】
また、本発明による電動パーキングブレーキ装置において、前記ブレーキ機構は、回転不能状態にて制動機能を有効とし回転可能状態にて制動機能を無効とする反力部材を備えていて、この反力部材が緊急解除用のロック機構にて回転不能または回転可能とされることが望ましい。この場合には、緊急解除用のロック機構をロック状態として反力部材を回転不能とすることにより、ブレーキ機構の制動機能を有効とし、ロック機構をアンロック状態として反力部材を回転可能とすることにより、ブレーキ機構の制動機能を無効とすることができる。
【0013】
このため、パーキングブレーキを制動状態から解除状態とする作動を電動モータの逆回転駆動によって得られないような電気系フェール時(緊急解除の必要時)には、制動機能無効化手段によりブレーキ機構の制動機能を無効化する、または、ロック機構を手動にてアンロック操作することにより、ブレーキ機構の制動機能を無効として、電動モータを駆動することなくパーキングブレーキを制動状態から解除状態とすることが可能である。
【0014】
また、本発明による電動パーキングブレーキ装置において、前記ロック機構は、前記反力部材に係合位置にて係合して前記反力部材の回転を規制し離脱位置にて前記反力部材から離脱して前記反力部材の回転を許容するロック部材と、このロック部材を係合位置または離脱位置に手動にてプッシュプル操作可能な操作ケーブルを備えていることが望ましい。
【0015】
この場合には、緊急解除の必要時において、操作ケーブルを手動にて例えばプル操作(プッシュ操作とすることも可能)することで、ロック機構を簡単にアンロック操作することができ、ブレーキ機構の制動機能を無効として、電動モータを駆動することなくパーキングブレーキを制動状態から解除状態とすることが可能である。また、操作ケーブルを手動にてプッシュプル操作可能とする小さな操作空間を確保することで実施可能であるため車両への搭載性も良好である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1および図2は本発明による電動パーキングブレーキ装置を示していて、この電動パーキングブレーキ装置は、自動車用のパーキングブレーキ装置であり、入力源としての電動モータ11の回転力が第1減速装置G1とブレーキ機構B1と第2減速装置G2を介してケーブルガイド51に伝達されるようになっていて、ケーブルガイド51が回転(回動)することにより操作ケーブル52を介してパーキングブレーキ53が制動状態または解除状態とされるように構成されている。
【0017】
電動モータ11は、電気制御装置(図示省略)によって作動を制御されるようになっていて、運転者がパーキングブレーキ53を作動させる操作時(例えば、制動スイッチを操作したとき)に正回転方向に回転駆動され、パーキングブレーキ53を解除させる操作時(例えば、解除スイッチを操作したとき)に逆回転方向に回転駆動されるようになっている。
【0018】
第1減速装置G1は、電動モータ11の出力軸(図示省略)の回転をブレーキ機構B1の入力軸31に減速して伝達するものであり、電動モータ11の出力軸(図示省略)に同軸的かつ一体回転可能に連結したウォーム21と、このウォーム21に常時噛合してウォーム21によって回転駆動されるウォームホイール22と、このウォームホイール22の軸心に同軸的かつ一体回転可能に嵌合された出力軸23を備えている。
【0019】
ブレーキ機構B1は、入力側(第1減速装置G1側)から出力側(第2減速装置G2側)に回転力が伝達されるときには、制動機能を解除されて回転を許容し、出力側から入力側に回転力が伝達されるときには、制動機能を発揮して回転を規制するものであり、第1減速装置G1の出力軸23に同軸的かつ一体回転可能に設けた入力軸31と、この入力軸31に対して同軸的かつ所定量相対回転可能に配置された出力軸32と、入力軸31および出力軸32の重合部外周にてハウジング60に回転可能に組付けられた反力部材としての外輪33と、入力軸31および出力軸32と外輪33間に介装したコイルスプリング34を備えている。
【0020】
ブレーキ機構B1の入力軸31は、出力軸32側の端部に径外方に向けて膨出する扇形膨出部31aを有していて、出力軸32の端部に設けた穴32aに回転可能に組付けられている。出力軸32は、上記した穴32aと、入力軸31の扇形膨出部31aを収容する開口部32bを有していて、開口部32bの周方向両端部と扇形膨出部31aの周方向両端部は中立状態にて所定の周方向隙間S1で対向している。
【0021】
ブレーキ機構B1の外輪33は、外周に4個の係合溝(係合穴でも実施可能)33aを有していて、何れかの係合溝33aに緊急解除用ロック機構L1のロック部材であるポール(ロックピン)36が嵌合しているロック状態(図2の係合位置にあるとき)ではハウジング60に対して回転不能とされ、ポール36が係合溝33aから退避したアンロック状態(離脱位置にあるとき)ではハウジング60に対して回転可能とされる。
【0022】
ブレーキ機構B1のコイルスプリング34は、断面が矩形であり、外輪33内にて入力軸31および出力軸32の外周に非接触で組付けられていて、組付状態にて外輪33の内周面に所定の摩擦係合力(回転を制動停止させるブレーキ力)で内接しており、各端部34a,34bは径内方に向けて延びて入力軸31と出力軸32間の周方向隙間S1内に介在している。
【0023】
このコイルスプリング34は、入力軸31が回転駆動されるとき(入力側から出力側に回転力が伝達されるとき)、コイル径が縮径される方向に端部34aまたは34bが入力軸31の扇形膨出部31aにより押されて、上記した摩擦係合力が小さくされて制動機能を解除され、入力軸31および出力軸32とともに回転する。一方、出力軸32が回転駆動されるとき(出力側から入力側に回転力が伝達されるとき)、コイル径が拡径される方向に端部34aまたは34bが出力軸32により押されて、上記した摩擦係合力が大きくされて制動機能を発揮し、入力軸31および出力軸32の回転を規制する。
【0024】
ロック機構L1は、制動状態にあるパーキングブレーキ53を緊急解除する際に手動操作にてロック状態(ブレーキ機構B1の制動機能を有効とする状態)からアンロック状態(ブレーキ機構B1の制動機能を無効とする状態)とされるロック機構であり、図2に示したように、外輪33の回転を係合位置にて規制し離脱位置にて外輪33の回転を許容する上記したポール36と、このポール36を係合位置から離脱位置に手動にてプル操作可能な操作ケーブル37および操作ノブ38と、ポール36、操作ケーブル37および操作ノブ38を係合位置に向けて付勢するリターンスプリング39を備えている。
【0025】
第2減速装置G2は、ブレーキ機構B1の出力軸32の偏心軸部32cに回転可能に軸支されてケーブルガイド51を一体的に支持する可動外歯車41と、ハウジング60に回転不能に組付けられて可動外歯車41と噛合する固定内歯車42を備えていて、可動外歯車41の歯数と固定内歯車42の歯数との差で減速するようになっている。
【0026】
可動外歯車41は、その歯数を固定内歯車42の歯数より一つ少なく(二つ以上少なくして実施することも可能)形成されていて、電動モータ11の正回転に伴ってブレーキ機構B1の出力軸32が正回転方向に一回転するときには、一歯分(歯間ピッチ分)正回転方向に回転し、電動モータ11の逆回転に伴って出力軸32が逆回転方向に一回転するときには、一歯分逆回転方向に回転する。
【0027】
ケーブルガイド51は、操作ケーブル52のインナーワイヤ52aを巻き取り・巻き戻しするためのものであり、可動外歯車41が正回転方向に回転するときインナーワイヤ52aを巻き取り、可動外歯車41が逆回転方向に回転するときインナーワイヤ52aを巻き戻す。なお、ケーブルガイド51には、インナーワイヤ52aの端部に固着した連結ピン52cが連結固定されている。
【0028】
操作ケーブル52は、特定の車輪の回転を止めるパーキングブレーキ53を機械的に操作するためのものであり、ケーブルガイド51に一端を連結固定されるとともに他端をパーキングブレーキ53の作動部(詳細は図示省略)に連結固定される上記したインナーワイヤ52aと、このインナーワイヤ52aを移動可能に収容し両端を固定部に固定されるアウターチューブ52bを備えている。
【0029】
上記のように構成したこの実施形態においては、電動モータ11の電気系が正常であるとき、運転者がパーキングブレーキ53を作動させる操作を行うと、電動モータ11が正回転方向に回転駆動されるのに伴って、第1減速装置G1とブレーキ機構B1と第2減速装置G2を介してケーブルガイド51が正回転方向に回転駆動される。このため、インナーワイヤ52aがケーブルガイド51に巻き取られて引っ張られ、パーキングブレーキ53が制動状態とされる。
【0030】
このパーキングブレーキ53の制動状態は、電動モータ11を正回転方向に回転駆動するための通電が遮断されても維持される。すなわち、このときには、インナーワイヤ52aに作用する張力により、ケーブルガイド51が逆回転方向に回転駆動され、ブレーキ機構B1の出力軸32が逆回転方向に回転駆動されて回転しようとするものの、ブレーキ機構B1にてコイルスプリング34が出力軸32にてコイル径が拡径される方向に押されることで制動機能を発揮し、ロック機構L1によりハウジング60に対して回転不能とされている外輪33の内周面とコイルスプリング34の外周面間での摩擦係合力にて出力軸32の回転を阻止する。このため、ケーブルガイド51の逆回転方向への回転が阻止されて、パーキングブレーキ53が制動状態に維持される。
【0031】
また、電動モータ11の電気系が正常であるとき、運転者がパーキングブレーキ53を解除させる操作を行うと、電動モータ11が逆回転方向に回転駆動されるのに伴って、第1減速装置G1とブレーキ機構B1と第2減速装置G2を介してケーブルガイド51が逆回転方向に回転される。このため、インナーワイヤ52aがケーブルガイド51から巻き戻されて緩められ、パーキングブレーキ53が解除状態とされる。
【0032】
ところで、パーキングブレーキ53の制動状態において、電動モータ11の電気系に異常が生じたとき(電気系フェール時)には、運転者がパーキングブレーキ53を解除させる操作を行っても、電動モータ11が逆回転方向に回転駆動されなくて、パーキングブレーキ53が解除されないものの、このときには、操作ノブ38を手動にてプル操作することでパーキングブレーキ53を解除することが可能である。
【0033】
この操作ノブ38を手動にてプル操作したときには、操作ケーブル37を介してポール36がリターンスプリング39の付勢力に抗して係合位置から離脱位置に移動し、ブレーキ機構B1の外輪33をハウジング60に対して回転可能とする。このため、このときには、インナーワイヤ52aに作用する張力により、ケーブルガイド51が可動外歯車41とともに逆回転方向に回転駆動されて、ブレーキ機構B1の出力軸32が逆回転方向に回転駆動されることで、ブレーキ機構B1の入力軸31、出力軸32、外輪33およびコイルスプリング34が一体的で逆回転方向に回転する。したがって、ケーブルガイド51が逆回転方向に回転して、インナーワイヤ52aがケーブルガイド51から巻き戻されて緩められ、パーキングブレーキ53が解除状態とされる。
【0034】
また、上記したパーキングブレーキ53の解除状態にて電動モータ11の電気系異常が修理されて、電動モータ11の電気系が正常となったときには、運転者がパーキングブレーキ53を作動させる操作を行うことで、電動モータ11が正回転方向に回転駆動して、上記した制動作動(制動状態とする作動)と同様の作動が得られて、パーキングブレーキ53が制動状態とされる。
【0035】
電動モータ11の電気系異常が修理された状態にて、仮にロック機構L1のポール36とブレーキ機構B1の外輪33に設けた係合溝33aが一致していなくて、ポール36がリターンスプリング39の付勢力により係合位置に移動していない場合には、パーキングブレーキ53が制動状態とされることによりインナーワイヤ52aに作用する張力で、ブレーキ機構B1の外輪33が逆回転方向に回転駆動されて、ポール36と外輪33の係合溝33aが一致したときにポール36がリターンスプリング39の付勢力により係合位置に自動的に移動されて、外輪33がハウジング60に対して回転不能とされ、パーキングブレーキ53が制動状態に維持される。この際に、インナーワイヤ52aに作用する張力(制動力)が大きく減少しないように、外輪33の外周に4個(複数個)の係合溝33aが形成されている。
【0036】
以上の説明から明らかなように、この実施形態においては、電動モータ11の回転を減速する第1減速装置G1および第2減速装置G2を備えた回転伝達機構にブレーキ機構B1が介装されているため、回転伝達機構にて、出力側から入力側には回転力を伝達不能なセルフロック機能が得られるように構成する(各減速装置G1,G2での減速比を高く設定する)必要がなくて、回転伝達機構での伝達効率を不必要に低下させる必要がない。したがって、上記したセルフロック機能が得られるように構成することに伴う回転伝達機構の大型化を抑制することができるとともに、回転伝達機構での伝達効率低下を補うための電動モータ11の大型化が不要であり、当該電動パーキングブレーキ装置の小型化が可能である。
【0037】
また、この実施形態においては、電動モータ11側(入力側)から第1減速装置G1を介してブレーキ機構B1に回転が減速されて伝達され、ブレーキ機構B1が低回転域で使用されるため、高回転域での使用に不向きなブレーキ機構B1を採用することが可能である。また、ブレーキ機構B1には、パーキングブレーキ53側(出力側)から第2減速装置G2を介して回転が低トルクとされて伝達されるため、高トルクでの使用に不向きな小型のブレーキ機構B1を採用することが可能である。
【0038】
また、この実施形態においては、緊急解除用のロック機構L1をロック状態としてブレーキ機構B1の外輪33を回転不能とすることにより、ブレーキ機構B1の制動機能を有効とし、ロック機構L1をアンロック状態として外輪33を回転可能とすることにより、ブレーキ機構B1の制動機能を無効とすることができる。このため、パーキングブレーキ53を制動状態から解除状態とする作動を電動モータ11の逆回転駆動によって得られないような電気系フェール時(緊急解除の必要時)には、ロック機構L1を手動にてアンロック操作することにより、ブレーキ機構B1の制動機能を無効として、電動モータ11を駆動することなくパーキングブレーキ53を制動状態から解除状態とすることが可能である。
【0039】
また、この実施形態においては、緊急解除の必要時において、操作ノブ38にて操作ケーブル37を手動でプル操作することでロック機構L1を簡単にアンロック操作することができ、ブレーキ機構B1の制動機能を無効として、電動モータ11を駆動することなくパーキングブレーキ53を制動状態から解除状態とすることが可能である。また、操作ケーブル37を手動にてプッシュプル操作可能とする小さな操作空間を確保することで実施可能であるため車両への搭載性も良好である。
【0040】
上記実施形態においては、操作ノブ38にて操作ケーブル37を手動でプル操作することにより、ポール36を係合位置から離脱位置に移動させるようにして実施したが、プル操作される操作ノブ38に代えて、プッシュ操作をプル操作に反転する反転操作レバー(図示省略)を採用し、同反転操作レバーのプッシュ操作にて操作ケーブル37を手動でプル操作することにより、ポール36を係合位置から離脱位置に移動させるようにして実施することも可能である。
【0041】
また、上記実施形態においては、ロック部材としてのポール36と操作ケーブル37を備えたロック機構L1を採用して実施したが、このロック機構は、係合位置にてブレーキ機構B1の外輪33(反力部材)の回転を規制し離脱位置にて外輪33の回転を許容するロック部材と、このロック部材を係合位置または離脱位置に手動にてプッシュプル操作可能な操作ケーブルを備えておればよく、上記実施形態に限定されるものではない。
【0042】
また、上記実施形態においては、ブレーキ機構B1の外輪33とロック機構L1により、ブレーキ機構B1の制動機能を無効化する制動機能無効化手段を構成して実施したが、他の適宜な機構にてブレーキ機構B1の制動機能を無効化する制動機能無効化手段を構成して実施することも可能である。
【0043】
また、上記実施形態においては、電動モータ11(入力側)からケーブルガイド51(出力側)に回転を減速して伝達する第1減速装置G1と第2減速装置G2を採用して実施したが、これらの減速装置は上記実施形態に限定されるものではなく、他の種々な形式の減速装置を採用して実施することも可能である。
【0044】
また、上記実施形態においては、本発明による電動パーキングブレーキ装置において採用されるブレーキ機構および緊急解除用のロック機構として、図1および図2に示したブレーキ機構B1と緊急解除用のロック機構L1を採用して実施したが、これらに代えて、図3および図4に示したブレーキ機構B2と図5に示した緊急解除用のロック機構L2を採用しても、同様に実施することも可能である。
【0045】
図3および図4に示したブレーキ機構B2は、入力側(第1減速装置G1側)から出力側(第2減速装置G2側)に回転力が伝達されるときには、制動機能を解除されて回転を許容し、出力側から入力側に回転力が伝達されるときには、同制動機能を発揮して回転を規制するものであり、第1減速装置(G1)の出力ギヤ123に常時噛合する入力ギヤ131と、この入力ギヤ131に対して同軸的かつ所定量相対回転可能に配置された出力ギヤ132と、入力ギヤ131と出力ギヤ132の軸心部を貫通して両端部にてハウジング160に回転可能に組付けられた反力部材としてのシャフト133と、入力ギヤ131と出力ギヤ132間にてシャフト133の外周に組付けたコイルスプリング134を備えている。
【0046】
ブレーキ機構B2の入力ギヤ131は、出力ギヤ132側の端部から軸方向に膨出する円弧状膨出部131aを有していて、シャフト133上に回転可能に組付けられている。出力ギヤ132は、入力ギヤ131側の端部から軸方向に膨出しコイルスプリング134を収容する筒状膨出部132aを有していて、筒状膨出部132aの周方向両端部と円弧状膨出部131aの周方向両端部は中立状態にて所定の周方向隙間S2で対向している。なお、出力ギヤ132は第2減速装置(G2)の入力ギヤ141に常時噛合している。
【0047】
ブレーキ機構B2のシャフト133は、一端部に二面幅部133aを有していて、この二面幅部133aに緊急解除用ロック機構L2のロック部材136が嵌合しているロック状態(図5の係合位置にあるとき)ではハウジング160に対して回転不能とされ、ロック部材136が二面幅部133aから退避したアンロック状態(離脱位置にあるとき)ではハウジング160に対して回転可能とされる。
【0048】
ブレーキ機構B2のコイルスプリング134は、シャフト133上に組付けられていて、組付状態にてシャフト133の外周面に所定の摩擦係合力(回転を制動停止させるブレーキ力)で外接しており、各端部134a,134bは径外方に向けて延びて入力ギヤ131と出力ギヤ132間の周方向隙間S2内に介在している。
【0049】
このコイルスプリング134は、入力ギヤ131が回転駆動されるとき(入力側から出力側に回転力が伝達されるとき)、コイル径が拡径される方向に端部134aまたは134bが入力ギヤ131の円弧状膨出部131aにより押されて、上記した摩擦係合力が小さくされて制動機能を解除され、入力ギヤ131および出力ギヤ132とともに回転する。一方、出力ギヤ132が回転駆動されるとき(出力側から入力側に回転力が伝達されるとき)、コイル径が縮径される方向に端部134aまたは134bが出力ギヤ132の筒状膨出部132bにより押されて、上記した摩擦係合力が大きくされて制動機能を発揮し、入力ギヤ131および出力ギヤ132の回転を規制する。
【0050】
図5に示したロック機構L2は、制動状態にあるパーキングブレーキ53を緊急解除する際に手動操作にてロック状態(ブレーキ機構B2の制動機能を有効とする状態)からアンロック状態(ブレーキ機構B2の制動機能を無効とする状態)とされるロック機構であり、シャフト133の回転を係合位置にて規制し離脱位置にてシャフト133の回転を許容する上記したロック部材136と、このロック部材136を係合位置から離脱位置に手動にてプル操作可能な操作ケーブル137および操作ノブ138と、ロック部材136、操作ケーブル137および操作ノブ138を係合位置に向けて付勢するリターンスプリング139を備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電動パーキングブレーキ装置の一実施形態を示す図である。
【図2】図1の2−2線に沿った断面図である。
【図3】電動パーキングブレーキ装置の回転伝達機構に介装されるブレーキ機構の変形実施形態を概略的に示す縦断側面図である。
【図4】図3の4−4線に沿った断面図である。
【図5】図3の5−5線に沿った断面図である。
【符号の説明】
11…電動モータ、G1…第1減速装置、21…ウォーム、22…ウォームホイール、23…出力軸、B1…ブレーキ機構、31…入力軸、32…出力軸、33…外輪、33a…係合溝、34…コイルスプリング、L1…ロック機構、36…ポール、37…操作ケーブル、38…操作ノブ、39…リターンスプリング、G2…第2減速装置、41…可動外歯車、42…固定内歯車、51…ケーブルガイド、52…操作ケーブル、52a…インナーワイヤ、53…パーキングブレーキ、60…ハウジング、B2…ブレーキ機構、131…入力ギヤ、132…出力ギヤ、133…シャフト、133a…二面幅部、134…コイルスプリング、L2…ロック機構、136…ロック部材、137…操作ケーブル、138…操作ノブ、139…リターンスプリング、160…ハウジング。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両において採用されるパーキングブレーキ装置、特に、電動モータを入力源として、同電動モータの回転力によって回転伝達機構を正回転駆動することによりパーキングブレーキを制動状態とし、前記電動モータの回転力によって前記回転伝達機構を逆回転駆動することにより前記パーキングブレーキを解除状態とするように構成した電動パーキングブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の電動パーキングブレーキ装置は、例えば、下記特許文献1、2等の先行技術文献に示されていて、それぞれにおいて回転伝達機構に減速装置(ねじ送り装置)が設けられていて、この減速装置での減速比を高く設定する(ねじのピッチを小さく設定する)ことで、出力側から入力側には回転力を伝達不能なセルフロック機能が得られるように構成されている。
【0003】
【特許文献1】
ドイツ国特許出願公開明細書DE4218717A1
【特許文献2】
ドイツ国特許出願公開明細書DE19710602A1
【0004】
また、上記した各先行技術文献に示されている電動パーキングブレーキ装置においては、パーキングブレーキを制動状態から解除状態とする作動を電動モータの逆回転駆動によって得られないような電気系フェール時において、パーキングブレーキを手動にて制動状態から解除状態とする緊急解除のための緊急解除用操作装置が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した各先行技術文献に示されている電動パーキングブレーキ装置において採用されている減速装置では、出力側から入力側には回転力を伝達不能なセルフロック機能が得られるように、減速比が高く設定されているため、回転伝達機構での伝達効率を不必要に低下させるおそれがある。このため、電動パーキングブレーキ装置での良好な作動性を確保するためには、回転伝達機構での伝達効率低下を補うための電動モータの大型化(高速・高トルク化)が必要である。
【0006】
また、上記した各先行技術文献に示されている電動パーキングブレーキ装置において採用されている緊急解除用操作装置では、減速装置の構成部材である回転体を手動にて回転駆動するためのクランクハンドルが採用されていて、パーキングブレーキを緊急解除するためには、クランクハンドルを何回も回転させる必要があって、操作性が悪いばかりか、クランクハンドルを回転操作するための操作空間を確保する必要があって車両への搭載性も悪い。
【0007】
【発明の概要】
本発明は、上記した課題を解決するために、上記した形式の電動パーキングブレーキ装置において、前記回転伝達機構に、入力側から出力側に回転力が伝達されるときには制動機能を解除されて回転を許容し出力側から入力側に回転力が伝達されるときには制動機能を発揮して回転を規制するブレーキ機構を介装したことに特徴がある。
【0008】
この電動パーキングブレーキ装置においては、入力側から出力側に回転力が伝達されるときには制動機能を解除されて回転を許容し出力側から入力側に回転力が伝達されるときには同制動機能を発揮して回転を規制するブレーキ機構が回転伝達機構に介装されているため、回転伝達機構にて、出力側から入力側には回転力を伝達不能なセルフロック機能が得られるように構成する(例えば、回転伝達機構に設ける減速装置での減速比を高く設定する)必要がなくて、回転伝達機構での伝達効率を不必要に低下させる必要がない。したがって、上記したセルフロック機能が得られるように構成することに伴う回転伝達機構の大型化を抑制することができるとともに、回転伝達機構での伝達効率低下を補うための電動モータの大型化が不要であり、当該電動パーキングブレーキ装置の小型化が可能である。
【0009】
また、本発明による電動パーキングブレーキ装置において、前記ブレーキ機構は、コイルスプリングを備えていて、同コイルスプリングのコイル径が変更されることにより、前記制動機能を解除されるコイルスプリング式ブレーキ機構であることも可能である。この場合には、回転伝達機構に介装されるブレーキ機構をシンプルかつコンパクトに構成することが可能である。
【0010】
また、本発明による電動パーキングブレーキ装置において、前記回転伝達機構は入力側から出力側に回転を減速して伝達する第1減速装置と第2減速装置を備えていて、これら両減速装置間に前記ブレーキ機構が介装されていることが望ましい。この場合には、電動モータ側(入力側)から第1減速装置を介してブレーキ機構に回転が減速されて伝達され、ブレーキ機構が低回転域で使用されるため、高回転域での使用に不向きなブレーキ機構を採用することが可能である。また、ブレーキ機構には、パーキングブレーキ側(出力側)から第2減速装置を介して回転が低トルクとされて伝達されるため、高トルクでの使用に不向きな小型のブレーキ機構を採用することが可能である。
【0011】
また、本発明による電動パーキングブレーキ装置において、前記ブレーキ機構は、制動機能を無効化する制動機能無効化手段を備えていることが望ましい。この場合には、ブレーキ機構の制動機能無効化手段により、ブレーキ機構の制動機能を無効化することが可能である。
【0012】
また、本発明による電動パーキングブレーキ装置において、前記ブレーキ機構は、回転不能状態にて制動機能を有効とし回転可能状態にて制動機能を無効とする反力部材を備えていて、この反力部材が緊急解除用のロック機構にて回転不能または回転可能とされることが望ましい。この場合には、緊急解除用のロック機構をロック状態として反力部材を回転不能とすることにより、ブレーキ機構の制動機能を有効とし、ロック機構をアンロック状態として反力部材を回転可能とすることにより、ブレーキ機構の制動機能を無効とすることができる。
【0013】
このため、パーキングブレーキを制動状態から解除状態とする作動を電動モータの逆回転駆動によって得られないような電気系フェール時(緊急解除の必要時)には、制動機能無効化手段によりブレーキ機構の制動機能を無効化する、または、ロック機構を手動にてアンロック操作することにより、ブレーキ機構の制動機能を無効として、電動モータを駆動することなくパーキングブレーキを制動状態から解除状態とすることが可能である。
【0014】
また、本発明による電動パーキングブレーキ装置において、前記ロック機構は、前記反力部材に係合位置にて係合して前記反力部材の回転を規制し離脱位置にて前記反力部材から離脱して前記反力部材の回転を許容するロック部材と、このロック部材を係合位置または離脱位置に手動にてプッシュプル操作可能な操作ケーブルを備えていることが望ましい。
【0015】
この場合には、緊急解除の必要時において、操作ケーブルを手動にて例えばプル操作(プッシュ操作とすることも可能)することで、ロック機構を簡単にアンロック操作することができ、ブレーキ機構の制動機能を無効として、電動モータを駆動することなくパーキングブレーキを制動状態から解除状態とすることが可能である。また、操作ケーブルを手動にてプッシュプル操作可能とする小さな操作空間を確保することで実施可能であるため車両への搭載性も良好である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1および図2は本発明による電動パーキングブレーキ装置を示していて、この電動パーキングブレーキ装置は、自動車用のパーキングブレーキ装置であり、入力源としての電動モータ11の回転力が第1減速装置G1とブレーキ機構B1と第2減速装置G2を介してケーブルガイド51に伝達されるようになっていて、ケーブルガイド51が回転(回動)することにより操作ケーブル52を介してパーキングブレーキ53が制動状態または解除状態とされるように構成されている。
【0017】
電動モータ11は、電気制御装置(図示省略)によって作動を制御されるようになっていて、運転者がパーキングブレーキ53を作動させる操作時(例えば、制動スイッチを操作したとき)に正回転方向に回転駆動され、パーキングブレーキ53を解除させる操作時(例えば、解除スイッチを操作したとき)に逆回転方向に回転駆動されるようになっている。
【0018】
第1減速装置G1は、電動モータ11の出力軸(図示省略)の回転をブレーキ機構B1の入力軸31に減速して伝達するものであり、電動モータ11の出力軸(図示省略)に同軸的かつ一体回転可能に連結したウォーム21と、このウォーム21に常時噛合してウォーム21によって回転駆動されるウォームホイール22と、このウォームホイール22の軸心に同軸的かつ一体回転可能に嵌合された出力軸23を備えている。
【0019】
ブレーキ機構B1は、入力側(第1減速装置G1側)から出力側(第2減速装置G2側)に回転力が伝達されるときには、制動機能を解除されて回転を許容し、出力側から入力側に回転力が伝達されるときには、制動機能を発揮して回転を規制するものであり、第1減速装置G1の出力軸23に同軸的かつ一体回転可能に設けた入力軸31と、この入力軸31に対して同軸的かつ所定量相対回転可能に配置された出力軸32と、入力軸31および出力軸32の重合部外周にてハウジング60に回転可能に組付けられた反力部材としての外輪33と、入力軸31および出力軸32と外輪33間に介装したコイルスプリング34を備えている。
【0020】
ブレーキ機構B1の入力軸31は、出力軸32側の端部に径外方に向けて膨出する扇形膨出部31aを有していて、出力軸32の端部に設けた穴32aに回転可能に組付けられている。出力軸32は、上記した穴32aと、入力軸31の扇形膨出部31aを収容する開口部32bを有していて、開口部32bの周方向両端部と扇形膨出部31aの周方向両端部は中立状態にて所定の周方向隙間S1で対向している。
【0021】
ブレーキ機構B1の外輪33は、外周に4個の係合溝(係合穴でも実施可能)33aを有していて、何れかの係合溝33aに緊急解除用ロック機構L1のロック部材であるポール(ロックピン)36が嵌合しているロック状態(図2の係合位置にあるとき)ではハウジング60に対して回転不能とされ、ポール36が係合溝33aから退避したアンロック状態(離脱位置にあるとき)ではハウジング60に対して回転可能とされる。
【0022】
ブレーキ機構B1のコイルスプリング34は、断面が矩形であり、外輪33内にて入力軸31および出力軸32の外周に非接触で組付けられていて、組付状態にて外輪33の内周面に所定の摩擦係合力(回転を制動停止させるブレーキ力)で内接しており、各端部34a,34bは径内方に向けて延びて入力軸31と出力軸32間の周方向隙間S1内に介在している。
【0023】
このコイルスプリング34は、入力軸31が回転駆動されるとき(入力側から出力側に回転力が伝達されるとき)、コイル径が縮径される方向に端部34aまたは34bが入力軸31の扇形膨出部31aにより押されて、上記した摩擦係合力が小さくされて制動機能を解除され、入力軸31および出力軸32とともに回転する。一方、出力軸32が回転駆動されるとき(出力側から入力側に回転力が伝達されるとき)、コイル径が拡径される方向に端部34aまたは34bが出力軸32により押されて、上記した摩擦係合力が大きくされて制動機能を発揮し、入力軸31および出力軸32の回転を規制する。
【0024】
ロック機構L1は、制動状態にあるパーキングブレーキ53を緊急解除する際に手動操作にてロック状態(ブレーキ機構B1の制動機能を有効とする状態)からアンロック状態(ブレーキ機構B1の制動機能を無効とする状態)とされるロック機構であり、図2に示したように、外輪33の回転を係合位置にて規制し離脱位置にて外輪33の回転を許容する上記したポール36と、このポール36を係合位置から離脱位置に手動にてプル操作可能な操作ケーブル37および操作ノブ38と、ポール36、操作ケーブル37および操作ノブ38を係合位置に向けて付勢するリターンスプリング39を備えている。
【0025】
第2減速装置G2は、ブレーキ機構B1の出力軸32の偏心軸部32cに回転可能に軸支されてケーブルガイド51を一体的に支持する可動外歯車41と、ハウジング60に回転不能に組付けられて可動外歯車41と噛合する固定内歯車42を備えていて、可動外歯車41の歯数と固定内歯車42の歯数との差で減速するようになっている。
【0026】
可動外歯車41は、その歯数を固定内歯車42の歯数より一つ少なく(二つ以上少なくして実施することも可能)形成されていて、電動モータ11の正回転に伴ってブレーキ機構B1の出力軸32が正回転方向に一回転するときには、一歯分(歯間ピッチ分)正回転方向に回転し、電動モータ11の逆回転に伴って出力軸32が逆回転方向に一回転するときには、一歯分逆回転方向に回転する。
【0027】
ケーブルガイド51は、操作ケーブル52のインナーワイヤ52aを巻き取り・巻き戻しするためのものであり、可動外歯車41が正回転方向に回転するときインナーワイヤ52aを巻き取り、可動外歯車41が逆回転方向に回転するときインナーワイヤ52aを巻き戻す。なお、ケーブルガイド51には、インナーワイヤ52aの端部に固着した連結ピン52cが連結固定されている。
【0028】
操作ケーブル52は、特定の車輪の回転を止めるパーキングブレーキ53を機械的に操作するためのものであり、ケーブルガイド51に一端を連結固定されるとともに他端をパーキングブレーキ53の作動部(詳細は図示省略)に連結固定される上記したインナーワイヤ52aと、このインナーワイヤ52aを移動可能に収容し両端を固定部に固定されるアウターチューブ52bを備えている。
【0029】
上記のように構成したこの実施形態においては、電動モータ11の電気系が正常であるとき、運転者がパーキングブレーキ53を作動させる操作を行うと、電動モータ11が正回転方向に回転駆動されるのに伴って、第1減速装置G1とブレーキ機構B1と第2減速装置G2を介してケーブルガイド51が正回転方向に回転駆動される。このため、インナーワイヤ52aがケーブルガイド51に巻き取られて引っ張られ、パーキングブレーキ53が制動状態とされる。
【0030】
このパーキングブレーキ53の制動状態は、電動モータ11を正回転方向に回転駆動するための通電が遮断されても維持される。すなわち、このときには、インナーワイヤ52aに作用する張力により、ケーブルガイド51が逆回転方向に回転駆動され、ブレーキ機構B1の出力軸32が逆回転方向に回転駆動されて回転しようとするものの、ブレーキ機構B1にてコイルスプリング34が出力軸32にてコイル径が拡径される方向に押されることで制動機能を発揮し、ロック機構L1によりハウジング60に対して回転不能とされている外輪33の内周面とコイルスプリング34の外周面間での摩擦係合力にて出力軸32の回転を阻止する。このため、ケーブルガイド51の逆回転方向への回転が阻止されて、パーキングブレーキ53が制動状態に維持される。
【0031】
また、電動モータ11の電気系が正常であるとき、運転者がパーキングブレーキ53を解除させる操作を行うと、電動モータ11が逆回転方向に回転駆動されるのに伴って、第1減速装置G1とブレーキ機構B1と第2減速装置G2を介してケーブルガイド51が逆回転方向に回転される。このため、インナーワイヤ52aがケーブルガイド51から巻き戻されて緩められ、パーキングブレーキ53が解除状態とされる。
【0032】
ところで、パーキングブレーキ53の制動状態において、電動モータ11の電気系に異常が生じたとき(電気系フェール時)には、運転者がパーキングブレーキ53を解除させる操作を行っても、電動モータ11が逆回転方向に回転駆動されなくて、パーキングブレーキ53が解除されないものの、このときには、操作ノブ38を手動にてプル操作することでパーキングブレーキ53を解除することが可能である。
【0033】
この操作ノブ38を手動にてプル操作したときには、操作ケーブル37を介してポール36がリターンスプリング39の付勢力に抗して係合位置から離脱位置に移動し、ブレーキ機構B1の外輪33をハウジング60に対して回転可能とする。このため、このときには、インナーワイヤ52aに作用する張力により、ケーブルガイド51が可動外歯車41とともに逆回転方向に回転駆動されて、ブレーキ機構B1の出力軸32が逆回転方向に回転駆動されることで、ブレーキ機構B1の入力軸31、出力軸32、外輪33およびコイルスプリング34が一体的で逆回転方向に回転する。したがって、ケーブルガイド51が逆回転方向に回転して、インナーワイヤ52aがケーブルガイド51から巻き戻されて緩められ、パーキングブレーキ53が解除状態とされる。
【0034】
また、上記したパーキングブレーキ53の解除状態にて電動モータ11の電気系異常が修理されて、電動モータ11の電気系が正常となったときには、運転者がパーキングブレーキ53を作動させる操作を行うことで、電動モータ11が正回転方向に回転駆動して、上記した制動作動(制動状態とする作動)と同様の作動が得られて、パーキングブレーキ53が制動状態とされる。
【0035】
電動モータ11の電気系異常が修理された状態にて、仮にロック機構L1のポール36とブレーキ機構B1の外輪33に設けた係合溝33aが一致していなくて、ポール36がリターンスプリング39の付勢力により係合位置に移動していない場合には、パーキングブレーキ53が制動状態とされることによりインナーワイヤ52aに作用する張力で、ブレーキ機構B1の外輪33が逆回転方向に回転駆動されて、ポール36と外輪33の係合溝33aが一致したときにポール36がリターンスプリング39の付勢力により係合位置に自動的に移動されて、外輪33がハウジング60に対して回転不能とされ、パーキングブレーキ53が制動状態に維持される。この際に、インナーワイヤ52aに作用する張力(制動力)が大きく減少しないように、外輪33の外周に4個(複数個)の係合溝33aが形成されている。
【0036】
以上の説明から明らかなように、この実施形態においては、電動モータ11の回転を減速する第1減速装置G1および第2減速装置G2を備えた回転伝達機構にブレーキ機構B1が介装されているため、回転伝達機構にて、出力側から入力側には回転力を伝達不能なセルフロック機能が得られるように構成する(各減速装置G1,G2での減速比を高く設定する)必要がなくて、回転伝達機構での伝達効率を不必要に低下させる必要がない。したがって、上記したセルフロック機能が得られるように構成することに伴う回転伝達機構の大型化を抑制することができるとともに、回転伝達機構での伝達効率低下を補うための電動モータ11の大型化が不要であり、当該電動パーキングブレーキ装置の小型化が可能である。
【0037】
また、この実施形態においては、電動モータ11側(入力側)から第1減速装置G1を介してブレーキ機構B1に回転が減速されて伝達され、ブレーキ機構B1が低回転域で使用されるため、高回転域での使用に不向きなブレーキ機構B1を採用することが可能である。また、ブレーキ機構B1には、パーキングブレーキ53側(出力側)から第2減速装置G2を介して回転が低トルクとされて伝達されるため、高トルクでの使用に不向きな小型のブレーキ機構B1を採用することが可能である。
【0038】
また、この実施形態においては、緊急解除用のロック機構L1をロック状態としてブレーキ機構B1の外輪33を回転不能とすることにより、ブレーキ機構B1の制動機能を有効とし、ロック機構L1をアンロック状態として外輪33を回転可能とすることにより、ブレーキ機構B1の制動機能を無効とすることができる。このため、パーキングブレーキ53を制動状態から解除状態とする作動を電動モータ11の逆回転駆動によって得られないような電気系フェール時(緊急解除の必要時)には、ロック機構L1を手動にてアンロック操作することにより、ブレーキ機構B1の制動機能を無効として、電動モータ11を駆動することなくパーキングブレーキ53を制動状態から解除状態とすることが可能である。
【0039】
また、この実施形態においては、緊急解除の必要時において、操作ノブ38にて操作ケーブル37を手動でプル操作することでロック機構L1を簡単にアンロック操作することができ、ブレーキ機構B1の制動機能を無効として、電動モータ11を駆動することなくパーキングブレーキ53を制動状態から解除状態とすることが可能である。また、操作ケーブル37を手動にてプッシュプル操作可能とする小さな操作空間を確保することで実施可能であるため車両への搭載性も良好である。
【0040】
上記実施形態においては、操作ノブ38にて操作ケーブル37を手動でプル操作することにより、ポール36を係合位置から離脱位置に移動させるようにして実施したが、プル操作される操作ノブ38に代えて、プッシュ操作をプル操作に反転する反転操作レバー(図示省略)を採用し、同反転操作レバーのプッシュ操作にて操作ケーブル37を手動でプル操作することにより、ポール36を係合位置から離脱位置に移動させるようにして実施することも可能である。
【0041】
また、上記実施形態においては、ロック部材としてのポール36と操作ケーブル37を備えたロック機構L1を採用して実施したが、このロック機構は、係合位置にてブレーキ機構B1の外輪33(反力部材)の回転を規制し離脱位置にて外輪33の回転を許容するロック部材と、このロック部材を係合位置または離脱位置に手動にてプッシュプル操作可能な操作ケーブルを備えておればよく、上記実施形態に限定されるものではない。
【0042】
また、上記実施形態においては、ブレーキ機構B1の外輪33とロック機構L1により、ブレーキ機構B1の制動機能を無効化する制動機能無効化手段を構成して実施したが、他の適宜な機構にてブレーキ機構B1の制動機能を無効化する制動機能無効化手段を構成して実施することも可能である。
【0043】
また、上記実施形態においては、電動モータ11(入力側)からケーブルガイド51(出力側)に回転を減速して伝達する第1減速装置G1と第2減速装置G2を採用して実施したが、これらの減速装置は上記実施形態に限定されるものではなく、他の種々な形式の減速装置を採用して実施することも可能である。
【0044】
また、上記実施形態においては、本発明による電動パーキングブレーキ装置において採用されるブレーキ機構および緊急解除用のロック機構として、図1および図2に示したブレーキ機構B1と緊急解除用のロック機構L1を採用して実施したが、これらに代えて、図3および図4に示したブレーキ機構B2と図5に示した緊急解除用のロック機構L2を採用しても、同様に実施することも可能である。
【0045】
図3および図4に示したブレーキ機構B2は、入力側(第1減速装置G1側)から出力側(第2減速装置G2側)に回転力が伝達されるときには、制動機能を解除されて回転を許容し、出力側から入力側に回転力が伝達されるときには、同制動機能を発揮して回転を規制するものであり、第1減速装置(G1)の出力ギヤ123に常時噛合する入力ギヤ131と、この入力ギヤ131に対して同軸的かつ所定量相対回転可能に配置された出力ギヤ132と、入力ギヤ131と出力ギヤ132の軸心部を貫通して両端部にてハウジング160に回転可能に組付けられた反力部材としてのシャフト133と、入力ギヤ131と出力ギヤ132間にてシャフト133の外周に組付けたコイルスプリング134を備えている。
【0046】
ブレーキ機構B2の入力ギヤ131は、出力ギヤ132側の端部から軸方向に膨出する円弧状膨出部131aを有していて、シャフト133上に回転可能に組付けられている。出力ギヤ132は、入力ギヤ131側の端部から軸方向に膨出しコイルスプリング134を収容する筒状膨出部132aを有していて、筒状膨出部132aの周方向両端部と円弧状膨出部131aの周方向両端部は中立状態にて所定の周方向隙間S2で対向している。なお、出力ギヤ132は第2減速装置(G2)の入力ギヤ141に常時噛合している。
【0047】
ブレーキ機構B2のシャフト133は、一端部に二面幅部133aを有していて、この二面幅部133aに緊急解除用ロック機構L2のロック部材136が嵌合しているロック状態(図5の係合位置にあるとき)ではハウジング160に対して回転不能とされ、ロック部材136が二面幅部133aから退避したアンロック状態(離脱位置にあるとき)ではハウジング160に対して回転可能とされる。
【0048】
ブレーキ機構B2のコイルスプリング134は、シャフト133上に組付けられていて、組付状態にてシャフト133の外周面に所定の摩擦係合力(回転を制動停止させるブレーキ力)で外接しており、各端部134a,134bは径外方に向けて延びて入力ギヤ131と出力ギヤ132間の周方向隙間S2内に介在している。
【0049】
このコイルスプリング134は、入力ギヤ131が回転駆動されるとき(入力側から出力側に回転力が伝達されるとき)、コイル径が拡径される方向に端部134aまたは134bが入力ギヤ131の円弧状膨出部131aにより押されて、上記した摩擦係合力が小さくされて制動機能を解除され、入力ギヤ131および出力ギヤ132とともに回転する。一方、出力ギヤ132が回転駆動されるとき(出力側から入力側に回転力が伝達されるとき)、コイル径が縮径される方向に端部134aまたは134bが出力ギヤ132の筒状膨出部132bにより押されて、上記した摩擦係合力が大きくされて制動機能を発揮し、入力ギヤ131および出力ギヤ132の回転を規制する。
【0050】
図5に示したロック機構L2は、制動状態にあるパーキングブレーキ53を緊急解除する際に手動操作にてロック状態(ブレーキ機構B2の制動機能を有効とする状態)からアンロック状態(ブレーキ機構B2の制動機能を無効とする状態)とされるロック機構であり、シャフト133の回転を係合位置にて規制し離脱位置にてシャフト133の回転を許容する上記したロック部材136と、このロック部材136を係合位置から離脱位置に手動にてプル操作可能な操作ケーブル137および操作ノブ138と、ロック部材136、操作ケーブル137および操作ノブ138を係合位置に向けて付勢するリターンスプリング139を備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電動パーキングブレーキ装置の一実施形態を示す図である。
【図2】図1の2−2線に沿った断面図である。
【図3】電動パーキングブレーキ装置の回転伝達機構に介装されるブレーキ機構の変形実施形態を概略的に示す縦断側面図である。
【図4】図3の4−4線に沿った断面図である。
【図5】図3の5−5線に沿った断面図である。
【符号の説明】
11…電動モータ、G1…第1減速装置、21…ウォーム、22…ウォームホイール、23…出力軸、B1…ブレーキ機構、31…入力軸、32…出力軸、33…外輪、33a…係合溝、34…コイルスプリング、L1…ロック機構、36…ポール、37…操作ケーブル、38…操作ノブ、39…リターンスプリング、G2…第2減速装置、41…可動外歯車、42…固定内歯車、51…ケーブルガイド、52…操作ケーブル、52a…インナーワイヤ、53…パーキングブレーキ、60…ハウジング、B2…ブレーキ機構、131…入力ギヤ、132…出力ギヤ、133…シャフト、133a…二面幅部、134…コイルスプリング、L2…ロック機構、136…ロック部材、137…操作ケーブル、138…操作ノブ、139…リターンスプリング、160…ハウジング。
Claims (6)
- 電動モータを入力源として、同電動モータの回転力によって回転伝達機構を正回転駆動することによりパーキングブレーキを制動状態とし、前記電動モータの回転力によって前記回転伝達機構を逆回転駆動することにより前記パーキングブレーキを解除状態とするように構成した電動パーキングブレーキ装置において、前記回転伝達機構に、入力側から出力側に回転力が伝達されるときには制動機能を解除されて回転を許容し出力側から入力側に回転力が伝達されるときには制動機能を発揮して回転を規制するブレーキ機構を介装したことを特徴とする電動パーキングブレーキ装置。
- 請求項1に記載の電動パーキングブレーキ装置において、前記ブレーキ機構は、コイルスプリングを備えていて、同コイルスプリングのコイル径が変更されることにより、前記制動機能を解除されるコイルスプリング式ブレーキ機構であることを特徴とする電動パーキングブレーキ装置。
- 請求項1または2に記載の電動パーキングブレーキ装置において、前記回転伝達機構は入力側から出力側に回転を減速して伝達する第1減速装置と第2減速装置を備えていて、これら両減速装置間に前記ブレーキ機構が介装されていることを特徴とする電動パーキングブレーキ装置。
- 請求項1、2または3に記載の電動パーキングブレーキ装置において、前記ブレーキ機構は、その制動機能を無効化する制動機能無効化手段を備えていることを特徴とする電動パーキングブレーキ装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電動パーキングブレーキ装置において、前記ブレーキ機構は、回転不能状態にて前記制動機能を有効とし回転可能状態にて前記制動機能を無効とする反力部材を備えていて、この反力部材が緊急解除用のロック機構にて回転不能または回転可能とされることを特徴とする電動パーキングブレーキ装置。
- 請求項5に記載の電動パーキングブレーキ装置において、前記ロック機構は、前記反力部材に係合位置にて係合して前記反力部材の回転を規制し離脱位置にて前記反力部材から離脱して前記反力部材の回転を許容するロック部材と、このロック部材を係合位置または離脱位置に手動にてプッシュプル操作可能な操作ケーブルを備えていることを特徴とする電動パーキングブレーキ装置。
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