JP2004159804A - 寝床への出入検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】患者からの振動を空気圧の変動としてとらえる生体センサから、患者の振動に起因する空気圧の変動を電気信号に変換し、前記電気信号から体動信号とそれ以外の少なくとも1つの生体情報信号とを分離する。そして、前記体動信号の入力をトリガとして、所定期間待機した後の所定期間、前記生体情報信号の入力の有無を検出する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、患者がベッド又は布団等の寝床に入ったこと(入床)及び患者が寝床から出たこと(出床)を検出する寝床への出入検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
痴呆患者がベッド上に寝ているか、いないかを検出することは、痴呆患者の徘徊を防止するために、重要である。従来、患者のベッド又は布団への出入りを検出する装置としては、感圧センサを内蔵したマットを、ベッド又は布団の横に配置し、患者が前記マットを踏むことによって、警報を発するように構成したものが公知である。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−145605号公報
【特許文献2】
特開2001−276019号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の出入り検出装置は、患者が前記マットを踏んだことは検出できるが、それが、入床なのか、又は出床なのかを判断することができない。もし、患者が入床したときに警報が出たのであれば、介護者はその警報により何ら行動を起こす必要がない。しかし、その警報が、患者が出床したときに出されたのであれば、徘徊の可能性があるため、介護者は注意が必要である。また、患者が寝ているときにも、脈拍及び心拍数等の生体情報を測定するためには、その専用の装置を患者に装着する必要がある。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、入床と出床とを区別して検出することができ、しかも、生体情報を何ら特別の装置を装着することなく、常時監視できる寝床への出入検出措置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る寝床への出入検出装置は、寝床に装着され患者からの振動を空気圧の変動としてとらえる生体センサと、前記生体センサにおける空気圧の変動を電気信号に変換する変換手段と、前記電気信号から体動信号とそれ以外の少なくとも1つの生体情報信号とを分離し前記体動信号の入力をトリガとして所定期間前記生体情報信号の入力の有無を検出する信号処理装置とを有することを特徴とする。
【0007】
この寝床への出入検出装置において、前記信号処理装置は、前記体動信号及び前記生体情報信号にしきい値を設定し、しきい値を超える体動信号が入力されたときにそれが最後のものである場合に、生体情報信号を所定期間Δt取り込み、しきい値を超える生体情報信号が入力された場合に、寝床への入床であると判断し、しきい値を超える生体情報信号が入力されない場合に、寝床からの出床であると判断するように構成することが好ましい。
【0008】
この場合に、前記信号処理装置は、前記最後のしきい値を超える体動信号が入力された後、所定期間tだけ経過した後、前記しきい値を超える生体情報信号をΔtの期間だけ取り込むことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施形態を示す図である。ベッド1上に患者2が横たわっており、患者2の胸の近傍に、生体センサ3が配置されている。この生体センサ3は特開2001−145605号公報(特許文献1)及び特開2001−276019号公報(特許文献2)に開示されたものであり、気密性を有する袋又はキャビネットの中に空気が封入されており、この袋の内部に連結されたチューブ4が、ベッドの脇に設けられたマイクロフォン5に接続され、マイクロフォン5により生体センサ3の袋内の空気圧の変化が検出されるようになっている。そして、マイクロフォン5の検出信号は、増幅器6により増幅された後、バンドパスフィルタ等を内蔵した信号処理装置7により信号処理される。
【0010】
生体センサ3は、柔軟なゴム、プラスチックス、布等で制作された気密性を有する袋又は金属、ゴム、プラスチックス、木材等で製作された内部容積が変動可能なキャビネット内に空気を封入したものであり、ベッドのマット上(即ち、患者とマットとの間)、マット内、又はマット下(即ち、マットと背ボトムとの間)に配置される。
【0011】
そして、この生体センサ3の内の空気圧の変化がマイクロフォン5により検出され、電気信号となって増幅器6に入力される。その後、この音声信号は信号処理装置7により分析され、種々の信号が取り出される。
【0012】
即ち、検出信号を複数個のバンドパスフィルタによりフィルタリングし、特定の帯域の音信号を取り出す。生体センサ3内の空気圧変動により検出された音信号の中には、種々の体から発生する振動による音信号が含まれており、この音信号を異なる複数の帯域で周波数分離すると、身体が動いたときの体動と、脈拍と、心拍と、呼吸と、血液の流れ等を分離して検出することができる。
【0013】
図2(a)は体動信号、図2(b)は出床時の呼吸信号、図2(c)は入床時の呼吸信号を例示的に示す。例えば、体動を表す信号はS/N(信号/ノイズ)比が高いので、フィルタをかけることなく、検出することができる。呼吸を表す信号は、マイクロフォン5により検出された音信号に対して、例えば、0.5Hz以下を通過させるバンドパスフィルタによりフィルタリングして検出することができる。心拍数は、7Hzを中心に通過させるバンドパスフィルタによりフィルタリングして検出することができる。
【0014】
そして、信号処理装置7においては、これらの各信号の振幅に対して、図2に示すように、しきい値が設定されている。図2(a)に示す体動信号の場合には、例えば、体動信号の振幅の85%のしきい値(ta,−ta)を設定する。増幅器6による増幅電圧のフルスケールが5Vであれば、しきい値を±4.25Vに設定する。また、図2(b)、(c)に示す呼吸信号の場合は、呼吸信号の振幅の56%のしきい値(tb、−tb)、(tc、−tc)を設定する。増幅器6による増幅電圧のフルスケールが5Vであれば、しきい値を±2.8Vに設定する。信号処理装置7は、フィルタリング後の各生体信号が、前記しきい値を超えたときにそれを出力し、患者がベッド上に存在するか、否かを検出する。
【0015】
次に、図3のフローチャートを参照して、本実施形態の動作について説明する。先ず、信号処理装置7は、図2(a)に示す体動信号を取り込み(ステップS1)、体動信号の振幅がしきい値±taを超えたか否かを判断し(ステップS2)、超えた場合に、体動信号を取り込み(ステップS3)、再度体動信号の振幅がしきい値±taを超えた場合に(ステップS4)、タイマーをスタートさせる(ステップS5)。そして、体動信号を取り込み(ステップS6)、この体動信号の振幅がしきい値±ta以内(絶対値がta以下)であるか否かを判断し(ステップS7)、±ta以内である場合は、更に、タイマーにより積算された時間が所定時間t以上か否かを判断し(ステップS8)、タイマー開始後所定時間tを経過している場合に、呼吸信号又は心拍信号等を取り込む(ステップS9)。
【0016】
ステップS2及びステップS4にて、体動信号の振幅がしきい値を超えていない場合には、その直前に戻る。また、ステップS5にてタイマーがスタートした後、体動信号の振幅が、しきい値以上となった場合には、ステップS5に戻ってタイマーが再度スタートする。従って、体動信号の振幅が、2回以上、しきい値以上となった後、体動信号の振幅がもはやしきい値を超えることがなくなった後、更に、所定時間tを経過した場合に、呼吸又は心拍等の生体信号を取り込む(ステップS9)。
【0017】
そして、この取り込んだ呼吸又は心拍等の生体信号の振幅が、更にΔt時間経過するまでに、呼吸又は心拍信号のしきい値±tb以上となった場合に(ステップS10)、患者が入床したと判断する。一方、呼吸又は心拍等の生体信号の振幅がしきい値tbを超えずにタイマー時間が所定時間t+Δtを超えた場合に(ステップS11)、患者が出床したと判断する。
【0018】
即ち、しきい値を超える大きさの体動信号が入力されたときに、患者が動いたことを検出し、その後、所定時間t経過してしきい値を超える体動信号が入力されなくなったときに、前記しきい値を超える体動信号が最後の体動信号であったと判断し、この最後の体動信号が検出された後、所定時間Δt以内にしきい値を超える呼吸信号又は心拍信号が入力されたときに、入床と判断し、所定時間Δtを超えてもしきい値を超える呼吸信号又は心拍信号が入力されないときに、出床と判断する。
【0019】
しきい値を超えた体動信号が最後の体動信号であったことを判断するための時間tは、例えば、10秒に設定される。この待ち時間tは、体動信号が減衰する時定数によって決定される。また、しきい値を超える呼吸信号又は心拍信号等の生体信号を検出するための時間Δtは、例えば、10秒に設定される。このしきい値を超える呼吸信号又は心拍信号の取り込み時間Δtは、人の呼吸周期以上とする。
【0020】
このようにして、患者が動いた後、その動きが入床であるか、又は出床であるかを区別して判断することができ、出床である場合に警報等を発して介護者に注意を喚起するようにすれば、徘徊危険患者の離床センサとして使用することができる。
【0021】
また、本発明は、出床及び入床を検出する検出装置であるが、生体センサ3から入力する信号は、体動のほかに、脈拍、心拍数、血液の流れ、呼吸等の生体情報を示す信号であるから、例えば、これらの生体情報も同時に測定することができ、これらの生体情報を測定するために、別の装置を装着する必要がないため、全体の装置コストを低減することができる。
【0022】
なお、上述の実施形態においては、ベッドへの入床及び出床を検出するものであるが、本発明は布団等の寝床一般に適用することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、患者の入床及び出床を区別して検出することができ、出床の場合に警報等により、患者の徘徊等を警告することができる。また、本発明により、同時に生体情報を測定することができ、生体情報を取り込むために格別の装置を使用する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図である。
【図2】検出された体動信号、呼吸信号の一例を示す波形図である。
【図3】本実施形態の動作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1:ベッド
2:患者
3:生体センサ
4:チューブ
5:マイクロフォン
6:増幅器
7:信号処理装置
Claims (3)
- 寝床に装着され患者からの振動を空気圧の変動としてとらえる生体センサと、前記生体センサにおける空気圧の変動を電気信号に変換する変換手段と、前記電気信号から体動信号とそれ以外の少なくとも1つの生体情報信号とを分離し前記体動信号の入力をトリガとして所定期間前記生体情報信号の入力の有無を検出する信号処理装置とを有することを特徴とする寝床への出入検出装置。
- 前記信号処理装置は、前記体動信号及び前記生体情報信号にしきい値を設定し、しきい値を超える体動信号が入力されたときにそれが最後のものである場合に、生体情報信号を所定期間Δt取り込み、しきい値を超える生体情報信号が入力された場合に、寝床への入床であると判断し、しきい値を超える生体情報信号が入力されない場合に、寝床からの出床であると判断することを特徴とする請求項1に記載の寝床への出入検出装置。
- 前記信号処理装置は、前記最後のしきい値を超える体動信号が入力された後、所定期間tだけ経過した後、前記しきい値を超える生体情報信号をΔtの期間だけ取り込むことを特徴とすることを特徴とする請求項2に記載の寝床への出入検出装置。
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