JP2020075136A - 生体振動信号検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 継続的に安定して心拍数や心拍間隔を算出する手法を提供する。【解決手段】 生体振動信号を検出するための振動センサと、前記振動センサで検出された生体振動信号から心音の音波に基づく心音波形を抽出する心音抽出手段と、前記心音抽出手段で抽出された心音波形から心拍間隔を算出する心拍間隔算出手段と、を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、生体の心音、心拍数、呼吸、体動などの生体振動信号を検出する生体振動信号検出装置に関し、特に、シート状の振動センサを備えた生体振動信号検出装置に関する。
従来、ベッド及び床に敷く寝床において、人の肺の呼吸活動及び心臓の拍動による振動等を振動センサで検出し、人の健康状態を24時間検出できるようにした人の健康状態検出装置が知られている(特許文献1)。例えば、介護業務において、ベッドで睡眠中の患者の状態を把握することが必要であったが、介護者の負担を軽減するために患者の状態を自動的に監視して、異常があった時、外部に通知するシステムが望まれている。従来、睡眠中の患者の動きを束縛せずに、睡眠状態を把握するために指先に血圧計を取り付けたり、振動計を腰に巻くといった患者の身体に密着した方法を用いていた。これらの方法でも、身体にセンサを密着させるため、信号が常に得られる点で信頼性が高いが、患者が嫌がること、センサが外れると状態を把握できないことなどの問題があった。このため、非拘束タイプのシステムが提案されてきている(特許文献1、2)。
特許文献1には、非拘束タイプの振動センサを用いた人の存在不在を検出する人存在不在検出装置が開示されている。特許文献1の方法では、ベッドパッド又はマットレスの上部や下部に、人の身体から発生する振動を検出するシート状の振動センサ手段を設置し、振動センサによって検出した身体振動信号の有無で人の存在及び不在検を判定している。さらに、検出した身体振動信号をフィルタリング処理して呼吸振動、心拍振動、いびき、及び体動信号などの生体振動信号を取得している。
また、特許文献2には、心拍間隔の変動と呼吸パターンの瞬時位相差の位相コヒーレンスによって心理ストレス又は睡眠状態の指標となる情報を取得する装置が開示されている。特許文献2において、心拍間隔の変動は、心電図計測用センサによって計測した心電図波形、振動を計測するセンサによって計測した心弾動図波形、又は振動を計測するセンサによって計測した生体振動信号から抽出した心拍由来の振動成分に基づいて心拍間隔を算出して求められていた。また、特許文献2には、シート型圧電センサをベッドマットレス上に設置し、その上にシーツをかけ、ベッドの上のヒトの心臓や呼吸の動きを体内、及び体表面を通じて振動波としてセンサで検出し、検出した生体振動信号から心拍検出用と呼吸検出用の特定のデジタルフィルタを用いて信号処理を行って、心拍由来の振動成分のみを抽出し、そのピークの間隔から拍動間隔を求め、呼吸由来の振動成分を抽出し、呼吸パターンを推定し、それらの拍動間隔と呼吸パターンから瞬時位相差の位相コヒーレンスを算出することが開示されている。
国際公開第2014/185397号 特開2017−64338号公報
特許文献1及び2では、シート型圧電センサによって検出した生体振動信号から心拍の心弾動に由来する振動信号を抽出して心拍数や心拍間隔を算出していたが、検出される信号の強度が弱く、また、心拍の周波数(振動数)が、通常、約0.5Hz〜3Hzの範囲であり、心弾動波形の周波数範囲も同様であることから、ノイズとなる振動の周波数と重なることが多く、心拍に由来する振動信号を抽出することが難しかった。特に、静止状態ではなく運動状態の場合や、車、電車、飛行機、船などの乗り物に乗ったり、運転したりした状態の場合等、周囲にノイズとなる振動が存在する環境下で検出した生体振動信号からは、部分的又は断片的に心拍を検出することができても、心弾動に起因する振動信号を安定して抽出することが困難であり、継続的に安定して心拍数や心拍間隔を算出する手法の開発が望まれていた。
本発明は、上記の課題を解決し、継続的に安定して心拍数や心拍間隔を算出する手法を提供することを目的とするものであり、さらには算出した心拍数や心拍間隔に基づいて健康状態、心理ストレス、睡眠状態等を検出する生体情報検出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の生体情報検出装置は、生体振動信号を検出するための振動センサと、振動センサで検出された生体振動信号から心音に基づく心音波形を抽出する心音抽出手段と、心音抽出手段で抽出された心音波形から心拍間隔を算出する心拍間隔算出手段と、を有することを特徴とする。
また、上記生体情報検出装置において、心拍間隔算出手段は、心音波形用の処理手段を有することが好ましく、心音抽出手段は、下限が5Hz以上のフィルタ又はウェーブレット変換する手段であってもよい。
また、上記生体情報検出装置において、振動センサで検出された生体振動信号から心弾動又は脈波を抽出する心弾動・脈波抽出手段をさらに有することが好ましく、心拍間隔算出手段は、心弾動・脈波抽出手段で抽出された心弾動又は脈波からも心拍間隔を算出することが好ましい。
また、上記生体情報検出装置において、振動センサで検出された生体振動信号から呼吸パターンに関する信号を抽出する呼吸波形抽出手段をさらに有することが好ましく、心拍間隔算出手段は、算出された心拍間隔から、さらに心拍間隔の変動を算出し、呼吸波形抽出手段で抽出された呼吸パターンと心拍間隔の変動との間の瞬時位相差の位相コヒーレンスを算出する位相コヒーレンス算出手段をさらに有することが好ましい。
また、上記生体情報検出装置において、振動センサは、圧電効果を有する材料を含むセンサ素材層と、センサ素材層の上面に形成された第1の電極層と、センサ素材層の下面に形成された第2の電極層と、を含むシート状であることが好ましく、センサ素材層は、多孔性ポリプロピレンエレクトレットフィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリフッ化ビニリデンと三フッ化エチレンとの共重合体、又はポリフッ化ビニリデンと四フッ化エチレンとの共重合体であってもよい。
本発明においては、心音抽出手段を有し、振動センサによって検出した生体振動信号から心音の音波に基づく心音波形を抽出し、心音波形に基づいて心拍数又は心拍間隔を検出するものであり、心音の音波の周波数は、心拍の周波数や心弾動波形又は脈波の周波数に比べて周波数が高く、ノイズとなる振動の周波数と分離することが容易であり、継続的に安定して心拍数や心拍間隔を算出することができた。心音の周波数域は、10〜500Hzと広範囲に分布しており、外部環境要因によって印加されるノイズ特性が100Hzを超える高周波帯と1〜30Hzの低周波帯とでは大きく異なるために、本発明においては、心音の広範囲に分布した周波数域からノイズ特性に対応した信号取得周波数帯域を選択して心拍数や心拍間隔を算出することが可能となる。つまり、印加されるノイズが比較的小さい周波数帯における心音又はその高調波の信号に基づいて心音を抽出することができる。例えば、低周波数帯、中周波数帯、高周波数帯などに周波数帯を分離して、各周波数帯における心音の信号を抽出し、最も心音の検出強度が高い周波数帯の心音を抽出してもよいし、複数の周波数帯における心音の信号を相補的に利用して心音を抽出してもよい。
また、心音は、弾性体を伝播する弾性波である音波であり、音波として空気中、液体(例えば生体内の水分、血液など)中、固体(肉、骨など)中を伝搬するため、振動センサを直接又は他の物体を介して間接的に生体と接触させた状態でも、振動センサを生体と接触させない状態、特に振動が物体を介して伝達しないような非接触状態でも、振動センサによって心音の音波の振動を検出することができ、応用性を高めることができた。
また、本発明においては、心音抽出手段及び心弾動抽出手段を有し、振動センサによって検出した心音の音波の振動に基づいて心拍数又は心拍間隔を検出するだけではなく、心弾動又は脈波の振動に基づいて心拍数又は心拍間隔を検出することもでき、二系統の手段によって心拍数又は心拍間隔を検出できるので、継続的に安定して心拍数や心拍間隔を算出することができる。心音と心弾動及び脈波とは、発生原理が異なり、また、周波数帯域も異なるため、それぞれのノイズ特性が異なり、異なる二つの信号源から心拍数や心拍間隔を相補的に用いることができる。例えば、安静状態の心弾動や脈波を基準(入力)として心音の信号(出力)の伝達関数を求めておけば、その伝達関数を心弾動や脈波に乗算することにより心弾動や脈波から心音を推定することが可能となり、心音それ自体の信号が微弱又は不安定な時に、心弾動や脈波から推定される心音で補完することができる。反対に、心弾動や脈波が微弱又は不安定な時に、逆伝達関数を心音に乗算することにより心音から心弾動や脈波を推定し、心弾動や脈波を補完することもできる。これにより、例えば、高周波帯域の心音信号によって、ノイズで乱された低周波帯域の心弾動や脈波のノイズ除去に貢献することや、その反対に低周波帯域の心弾動や脈波によって、ノイズで乱された高周波帯域の心音信号のノイズ除去に貢献することも可能になる。
さらに、一つ又は複数のセンサを介して、心弾動や脈波と同時に高周波領域の心音も取得できるために、広帯域を利用した信号取得と応用、及び、複数のセンサを使った信号処理も可能になる。心弾動や脈波の信号と、心音の信号とを取得できるセンサを複数使用すると、心弾動や脈波と同時に高周波領域の心音も複数個取得できるために、複数のセンサの結果を相補的に使用した信号処理も可能になる。その他の作用効果については、以下の実施形態において説明する。
本発明の生体振動信号検出装置の概略ブロック図。 (A)は生体振動信号の生データであり、(B)は生体振動信号をウェーブレット(wavelet)変換した信号であり、(C)は(A)の生体振動信号を280〜320Hzのバンドパスフィルタで抽出した信号である。 生体振動信号の周波数成分分析。 (A)は心拍間隔の変動を示すグラフであり、(B)は実線が心拍間隔の変動の瞬時位相(上実線)及び呼吸パターンの瞬時位相(上点線)と算出した位相コヒーレンスλ(下)である。 (A)は振動源を停止した状態における椅子の背もたれに配置された振動センサの検出結果であり、(B)はウェーブレット変換した信号であり、(C)はウェーブレット変換した信号に心電図波形(ECG)を併記した図である。 (A)は振動源を停止した状態における椅子の座面に配置された振動センサの検出結果であり、(B)はウェーブレット変換した信号であり、(C)はウェーブレット変換した信号に心電図波形(ECG)を併記した図である。 (A)は振動源を稼働させた状態における椅子の背もたれに配置された振動センサの検出結果であり、(B)はウェーブレット変換した信号であり、(C)はウェーブレット変換した信号に心電図波形(ECG)を併記した図である。 (A)はヒトを椅子に着座させて安静な状態で測定した振動センサの検出結果であり、(B)はウェーブレット変換した信号であり、(C)は(B)の点線で囲った部分の拡大図である。 (A)はヒトを椅子に着座させて体を動かし続けて測定した振動センサの検出結果であり、(B)はウェーブレット変換した信号であり、(C)は(B)の点線で囲った部分の拡大図である。 (A)、(B)は、図9の生体振動信号を120Hz〜300Hzの周波数帯域を抽出した信号であり、(C)は(B)の点線で囲った部分の拡大図である。 (A)は1m離間させた2つの椅子の一方の座面に振動センサを配置し、他方にヒトを着座させた状態で測定した振動センサの検出結果であり、(B)はウェーブレット変換した信号である。 プリアンプが接続された薄膜圧電センサの等価回路図。 薄膜圧電センサのインピーダンス周波数特性。 (A)は薄膜圧電センサの内部抵抗が純抵抗の場合の等価回路、(B)は起電力の部分を電流源に変更した等価回路図。 図14(B)の等価回路のインピーダンス周波数特性。 (A)は周波数特性を測定するための測定回路、(B)はプリアンプの入力インピーダンスをパラメータとした周波数特性。 生体振動信号検出装置の振動センサの入力部分の概略構成図。 心音の周波数スペクトルを示す図。 (A)は280〜320Hzのバンドパスフィルタで抽出した生体振動信号(下)とそのパワー(上)、(B)は心音波形のパワーを積分した波形、(C)は積分波形の瞬時位相、(D)は心拍間隔、(E)は呼吸パターン。 (A)、(B)、(C)は、入力インピーダンスを1MΩ、10kΩ、100Ωとした時の振幅波形とパワースペクトルのグラフ。 (A)は測定した振幅波形とパワースペクトルのグラフであり、(B)はそのウェーブレット解析した結果であり、(C)は心音の抽出処理を行った後の振幅波形とパワースペクトルのグラフである。 (A)は心音測定時に意図的に体動を加えた場合の測定した振幅波形とパワースペクトルのグラフであり、(B)はそのウェーブレット解析した結果であり、(C)は心音の抽出処理を行った後の振幅波形とパワースペクトルのグラフである。 (A)は1つのセンサで心弾動と心音を同時に測定した場合の振幅波形とパワースペクトルであり、(B)は心音の抽出処理を行った後の振幅波形とパワースペクトルのグラフである。
本発明の生体情報検出装置1は、図1に示すように、少なくとも情報取得部2及び情報処理部3を備えている。さらに生体情報検出装置1は、操作部4、出力部5、記憶部6及び電源7を備えていてもよい。本発明の生体情報検出装置1は、生体から発生した振動を含む振動(以下「生体振動」という)を振動センサによって測定するものであるが、検出可能な生体情報としては、生体振動だけではなく、生体振動に基づいて取得可能な心音、心弾動、呼吸パターン又は位相差コヒーレンスなどを含んでもよい。
情報取得部2は、少なくとも振動センサ21と、振動センサで検出した生体振動信号を情報処理部3に伝達する伝達手段22とを有している。振動センサ21は、少なくともセンサ素材層と、第1の電極層と、第2の電極層とを含むものであり、振動に応じてセンサ素材層で発生した電荷を第1の電極層及び第2の電極層によって取り出し可能としたものである。振動センサは、さらに外部の電磁場、静電気等によるノイズを低減するための遮蔽層及び遮蔽層と第1又は第2の電極層とを絶縁する絶縁層を含んでいてもよい。さらに、振動センサは、最外層に保護層を設けてもよい。振動センサ21は、基材となるフィルム(各層の一つでもよいし、別のものでもよい)上に各層を一体的に積層したものを含み、厚さに比べて平面寸法が広いシート状のものである。遮蔽層は定電位(例えば接地)とし、センサ素材層、第1の電極層及び第2の電極層の全体を囲うことが好ましい。振動センサは、第1又は第2の電極層の一方を定電位(例えば接地)とし、他方の電極層の電位で信号を取り出す構成とすることが好ましく、この場合、一方の定電位の電極層を遮蔽層として利用することができ、他方の電極層についてのみ遮蔽層で覆えば足りる。なお、本明細書において上下は、厚さ方向の相対的な位置を示すものであり、絶対的なものではなく、例えば、実際に製造又は使用する際に上下を逆にすることを妨げるものではない。本発明の生体情報検出装置及びそれに使用される振動センサは、生体振動信号を検出するために非常に微小な信号(例えばμVの電圧)についても検出できる高感度のものを採用することが好ましい。振動センサ21としては、圧電センサとしてピエゾ素子が好適に用いられるが、その他のセンサ、例えば高分子圧電体(ポリオレフィン系材料)を用いてもよい。さらに、その他の固体材料、セラミックス系強誘電体材料、例えば、PZT、BST等の強誘電体材料であっても良い。セラミックス系強誘電体材料としては、円形で直径が1mm〜50mmφ、厚さが0.1mm〜10mm程度が好ましいが、圧電効果があれば、必ずしも円形に拘らずに矩形でも構わない。フィルム系ピエゾ素子の素材としては、例えば、多孔性ポリプロピレンエレクトレットフィルム(Electro Mechanical Film(EMFI))、またはPVDF(ポリフッ化ビニリデンフィルム)、またはポリフッ化ビニリデンと三フッ化エチレンとの共重合体(P(VDF−TrFE))、又はポリフッ化ビニリデンと四フッ化エチレンとの共重合体(P(VDF−TFE))を用いてもよい。振動センサとしては、フィルム状であることが好ましい。さらに、振動センサで心音を検出する場合、動物を拘束せずに取得することが可能であり、場合によっては非接触状態でも検出できるので好ましい。ただし、振動センサは、リストバンド、ベルト、腕時計、指輪、ヘッドバンド等に取り付けて、動物に装着してウェアラブルセンサとして利用することもできる。振動センサは500Hz程度までの周波数帯域の信号を検出できることが好ましい。フィルム系ピエゾ素子は、高分子フィルムが変形することで起電力を発生し、非常に高感度であり、振動だけではなく、もう少し周波数の高い音波に対しても反応するが、周波数特性はフラットではなく、また、接続する機器によって特性が変化することがある。例えば、計測用の機器とコンピュータのマイク入力とでは周波数特性が明らかに異なっていた。これは、実施例4に示すように、接続する接続機器のプリアンプの入力インピーダンスによって周波数特性が変化するためであった。このため、フィルム系ピエゾ素子の振動センサによって、比較的周波数の高い心音を検出するためにプリアンプの入力インピーダンスを低くすることが好ましく、100Ω〜10KΩ、特に1KΩ〜10KΩとすることが好ましい。さらに、目的とする信号の周波数帯に合わせて、プリアンプの入力インピーダンスを調整するインピーダンス調整手段を設けてもよい。この場合、心弾動、脈波等の低周波数帯(〜20Hz)の信号を主に測定する場合にはインピーダンス調整手段によって入力インピーダンスを高く設定(例えば10KΩ以上)し、心音などの高周波数帯(50Hz〜)の信号を主に測定する場合にはインピーダンス調整手段によって入力インピーダンスを低く設定(例えば100〜10KΩ)することができる。インピーダンス調整手段は段階的に調整可能であってもよいし、連続的に調整可能であってもよい。
伝達手段22は、振動センサで検出した信号を情報処理部3に伝達するものであり、振動センサ21と情報処理部3とを接続する有線のケーブルであってもよいし、振動センサ21と情報処理部3とを無線で接続する通信手段であってもよい。情報取得部2は、複数の振動センサ21を有していてもよいし、複数の振動センサ21と情報処理部3とを有線又は無線で接続する複数の伝達手段22を有していてもよい。また、情報取得部2は、振動センサ以外の情報収集手段、例えば心電図計測センサ、呼吸センサ、温度センサ、光学センサ、加速度センサ、カメラ等を有していてもよく、他の情報収集手段によって生体情報及び生体周辺の環境の情報を取得してもよい。
情報処理部3は、少なくとも心音抽出手段31を有しており、さらに、心弾動・脈波抽出手段32、呼吸波形抽出手段33、心拍数算出手段34、心拍間隔算出手段35、ヒルベルト変換フィルタ36、瞬時位相差算出手段37、位相コヒーレンス算出手段38、判定手段39を有していてもよい。図1には各手段の接続配線が示されているが、単なる位置実施形態に過ぎず、かかる接続関係に限定されるものではなく、例えばバスラインを介してすべての手段を接続し、相互にデータ転送可能な構成としてもよい。情報処理部3は、入力された情報を処理するものであり、例えば、コンピュータのCPU(中央処理装置)の演算処理機能を利用することができる。また、情報処理の中には、デジタル回路ではなくアナログ回路で実現することも可能である。例えば、情報処理として周波数フィルタを行う場合は、コンデンサや抵抗及びオペアンプ等で構成されたローパスフィルタ(LPF)やハイパスフィルタ(HPF)のアナログフィルタで実現してもよいし、CPUの演算処理機能によってフィルタリングを行なうデジタルフィルタで実現してもよい。情報処理部3は、情報処理の種類に応じて、デジタル回路とアナログ回路の両方を含んでいてもよいし、入力される情報がアナログであれば、アナログ−デジタル変換回路によってデジタル信号に変換してもよい。
心音抽出手段31は、生体振動信号から心音の音波に基づく心音波形を抽出する手段である。心音は、心臓の拍動に伴って発生する音であり、気体、液体、固体の媒質を介して伝播する弾性波である。正常時においては、心音は、心室収縮期の初めに左右の房室弁が閉鎖するために発生する第一心音と、心室収縮期の直後に大動脈弁と肺動脈弁が閉鎖するために発声する第二心音とからなる周期信号である。一般的に第一心音は低調で長く、第二心音は高調で短い。第一心音から第二心音までの期間が心臓の収縮期であり、第二心音から次の周期の第一心音までの期間が心臓の拡張期であり、第一心音から次の第一心音までの期間又は第二心音から次の第二心音までの期間が心拍間隔に相当し、1分間の第一心音の数又は第二心音の数が心拍数に相当する。このように、心音は、周期的に第一心音及び第二心音が検出される周期信号であり、その周期性に基づく周波数は心拍や心弾動・脈波と同様に約0.5Hz〜3Hzであるが、心音は音波であるから、心音の音波に基づく周波数は約20Hz以上、通常は、約40〜100Hz近傍に主成分である周波数が存在し、その高周波領域も含めると約500Hz以上にまで分布している。図18は、心音の周波数スペクトルを示す図であり、縦軸は心音強度、横軸は周波数である。図18において、曲線181は心音と心雑音の信号であり、曲線182は人間の可聴域値を示すものである。心音と心雑音は、8Hzから1000Hz以上までの周波数帯域に渡って発生するが、人間が聞こえる範囲は曲線181と曲線182で囲まれた領域183であり、約50Hz〜約500Hzの周波数の範囲が心音として人の耳で聞くことができる。聴診器などで心音を聴診する場合は、この範囲に限定されるが、振動センサで検出する場合はこの範囲に限定されず、範囲外の周波数帯域のものも含めて適宜の範囲のものを選択して検出すればよい。本発明の心音抽出手段31では、少なくとも第一心音の信号及び第二心音の信号を含む心音波形を抽出するものであり、心音の基本波に基づいて心音波形を抽出してもよいし、心音の高調波に基づいて心音波形を抽出してもよいし、基本波と高調波とを組み合わせて心音波形を抽出してもよい。心音抽出手段31としては、下限周波数が4Hz以上、10Hz以上、20Hz以上、30Hz以上、40Hz以上、50Hz以上のフィルタ(ハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタ)を含んでいてもよいし、ウェーブレット(wavelet)変換する手段を含んでいてもよい。バンドパスフィルタの場合は、上限周波
数を500Hz以下、400Hz以下、300Hz以下とすることが好ましい。例えば、20Hzから500Hzのバンドパスフィルタを用いてもよい。心音波形は、ノイズ、測定条件、測定環境、振動センサの性能、異常心音等によって、第一心音又は第二心音の一部又は全部が検出されない場合もある。また、心音波形が特定可能であれば、心音以外の振動に基づく信号を含んでいてもよい。なお、心音には、心室拡張期の前半に心室に血液が流入する際に生じるといわれる第三心音や、心房の収縮に基づく振動による第四心音(心房音)もあるが、異常心音の特徴として出現するものであり、心音波形として第三心音又は第四心音を含んでいてもよい。また、判定手段40は、心音波形から第三心音又は第四心音を検出した際には、心音に異常があることを示す表示を出力してもよい。
図2(A)は、センサ素材としてPVDF(ポリフッ化ビニリデン)フィルムを用いた振動センサによって検出した生体振動信号の生データであり、縦軸は強度(任意単位:au)、横軸は時間(s)であり、図2(B)は、生体振動信号をウェーブレット(wavelet)変換した信号であり、縦軸が周波数(Hz)、横軸が時間(s)であり、明暗で信号
の強度(図2(B)では明るい部分は信号が強く、暗い部分は信号が弱い)を示しており、図2(C)は、図2(A)の生体振動信号を280〜320Hzのバンドパスフィルタで抽出した信号であり、縦軸は強度(au)、横軸は時間(s)である。図2(A)に示すように、生体振動信号の生データでは、多数の信号が重畳しており、周期性のある信号を確認できないが、図2(B)のウェーブレット変換した信号では、300Hz付近に周期性のある信号が確認された。例えば、ウェーブレット変換した信号波形からあるしきい値以上の明るさの領域又は暗さの領域を画像認識処理して識別することにより、心音の信号を検出することが可能である。また、図2(C)の280〜320Hzのバンドパスフィルタで抽出した信号では、太い信号S1と細い信号S2とが交互に検出されており、太い信号S1と細い信号S2との組み合わせが周期的に表れている。例えば、図2(C)のようなフィルタリング後の信号において、ピーク位置を検知する、または、あるしきい値以上の強度の信号を検知することにより、心音の信号を検出することが可能である。信号の太さは音の長さを意味し、一般的に第一心音は低調で長く、第二心音は高調で短いので、太い信号S1が第一心音の音波に相当し、細い信号S2が第二心音の音波に相当するものと推測される。つまり、図2(C)は第一心音の信号(太い信号S1)及び第二心音の信号(細い信号S2)を含む心音波形である。図2(B)に示すように、ウェーブレット変換によって心音波形が確認できることから、ウェーブレット変換する手段は心音抽出手段31である。また、図2(C)に示すように、280〜320Hzのバンドパスフィルタも心音抽出手段31であるが、バンドパスフィルタの周波数はかかる数値に限定されるものではない。生体振動信号をウェーブレット変換して心音の周波数を特定し、その結果に基づいてバンドパスフィルタの周波数を設定してもよい。
図2(C)に示すように、バンドパスフィルタ後の280〜320Hzの信号は、第一心音(太い信号S1)と次の周期の第一心音(太い信号S1)との間には第二心音(細い信号S2)が存在するため、単純に1分間のピークの数を計測しても心拍数とはならず、ピーク間の期間を算出しても心拍間隔とはならない。本発明の心拍数算出手段34及び/又は心拍間隔算出手段35は、第一心音の信号(太い信号S1)及び第二心音の信号(細い信号S2)を含む心音波形から、心拍数及び/又は心拍間隔を算出可能に構成される。
図19は、図2(C)で抽出した心音波形から心音間隔(BBI)及び呼吸パターンを得るための信号処理における各波形を示すものである。図19(A)の波形は、下側に図2(C)の心音波形を示し、上側にそのパワーを示す。上側のグラフにおける○は、図19(B)及び(C)で特定した心臓の鼓動のタイミングである。図19(B)の波形は、図19(A)の上側の心音波形のパワーを積分した波形(積分波形)であり、第一心音の信号に由来するピークの頂点(傾きが0となる位置:図19(C)の瞬時位相が負から正になる位置)を心臓の鼓動のタイミングとして特定し、○を付した。図19(C)の波形は、図19(B)の積分波形の瞬時位相であり、瞬時位相が図19(D)は、瞬時位相から求めた心拍間隔(BBI)である。図19(E)の波形は、図19(B)の積分波形の振幅変調から推定した呼吸パターンである。図19(A)の下側の信号波形は、バースト状の信号であり、どのピークを心拍発生点とするかによって心拍間隔が変化し、また、第一心音及び第二心音の信号が混在しており区別する必要があった。このため、積分することによりバースト状の信号を平滑化して第一心音のピークを強調し、第一心音と区別することができた。さらに、図19(C)のように瞬時位相を求めることにより、負から正になる位置を心拍発生のタイミングとして特定することができた。このように、心音波形から心拍間隔及び呼吸パターンを算出することが可能であった。さらに、心拍間隔から心拍間隔の変動も算出可能であり、これらから心拍間隔の変動の瞬時位相と、呼吸パターンの瞬時位相との瞬時位相差から位相コヒーレンスを算出することも可能となる。なお、第一心音と第二心音との区別する処理、心拍の発生時点の特定、心拍間隔の算出は図19の方法に限定されるものではない。他の算出方法については後述する。
図3は、センサ素材としてPVDF(ポリフッ化ビニリデン)フィルムを用いた振動センサによって検出した生体振動信号の周波数成分分析であり、30秒間の生体振動信号の周波数成分の平均値をグラフ化したものであり、縦軸は強度(デシベル)であり、横軸は周波数(0〜500Hz)である。図3の140Hz付近のピークS3は心音のピークであり、280Hz付近のピークS4は心音の高調波のピークである。図3に示すように、周波数が低い領域では全体的に信号の強度が高く、様々な波が混在して特定のピークが埋もれているが、高い周波数の領域(40Hz以上)では比較的各ピークが鋭く、ピークの分離が容易であることが確認できる。図3から、図2の心音波形は、心音の高調波を分離して抽出したものであることがわかる。
心弾動・脈波抽出手段32は、心弾動又は脈波に基づく信号を抽出して、心臓の拍動のタイミングを特定する手段であり、センサの種類又は入力される信号に応じて適宜適当な処理が選択される。心弾動(BCG)は、心臓により拍出される血液の勢いに起因する振動の波形である。脈波は、脈動する血流による血管の容積変化に起因する波形であり、一般的には近赤外や緑色光を照射して光の変化量として計測しているが、本発明においては血管の容積変化に起因する振動を計測する。成人の心拍は1秒間に60〜120回程度であるため、心弾動及び脈波の基本周波数は心拍と同じ1〜2Hz程度であるが、その高調波成分も含めると周波数範囲は1〜50Hz程度である。この周波数範囲は被験者の体動時に生じる振動と重なっており、比較的、体動に弱いという特徴がある。振動センサ21で検出した生体振動信号から心弾動又は脈波に関する信号を抽出する場合、通常、生体振動信号には、心臓の拍動による心弾動や脈波だけではなく、呼吸による振動や、体動、心音、発声、外部環境等に基づく振動も含まれる場合があり、これらのノイズを除去する処理を行うことが好ましい。かかる処理としては、例えば、生体振動信号の強度をn乗(nは2以上の整数であり、nが奇数の場合は絶対値を取る)して強調処理した後、バンドパスフィルタ(BPF)を通過させてもよい。心弾動・脈波抽出手段32のBPFは、通過域の下限周波数が0.5Hz以上、0.6Hz以上、0.7Hz以上、0.8Hz以上、0.9Hz又は1Hz以上であることが好ましく、上限周波数が10Hz以下、8Hz以下、6Hz以下、5Hz以下、3Hz以下であることが好ましく、これらの下限周波数の何れかと上限周波数の何れかを組み合わせた通過域を持つことが好ましい。心弾動・脈波抽出手段32の下限周波数が、呼吸波形抽出手段33の上限周波数と同じであってもよいし、呼吸波形抽出手段33の上限周波数よりも低く、心弾動・脈波抽出手段32の通過域の一部が呼吸波形抽出手段33の通過域と重畳していてもよい。また、心弾動抽出方法として、取得した生体振動信号からフィルタの上限周波数又は下限周波数を求めることが好ましく、さらに好ましくは、定期的又は不定期に、取得した生体振動信号からフィルタの上限周波数又は下限周波数を求めることが好ましい。例えば、生体振動信号もしくはこれらの信号に前処理(例えば、ノイズ除去、強調処理等)したもの(生体振動信号に由来する信号)について、パワースペクトルを求め、0.5Hz以上から密度を検索して最初のピークを同定し、そのピークが所定の閾値(例えばピークの半値幅)まで低下する低周波側および/又は高周波側の周波数の帯域を通過周波数としても良い。パワースペクトルは、例えばフーリエ変換することにより求めることができる。このように、取得した生体振動信号から求めた上限周波数又は下限周波数のフィルタを用いて信号処理を行うことにより、取得した生体に特有の生体情報や取得時の体勢、体調、環境等の条件が反映され、個人差や取得時の条件に対応したフィルタを設定することができ、リアルタイムで位相コヒーレンスを算出できた。
呼吸波形抽出手段33は、振動センサ21で検出した信号から呼吸パターンに関する信号を抽出する手段であり、センサの種類又は入力される信号に応じて適宜適当な処理が選択される。情報取得部2の一部に呼吸センサを使用し、呼吸センサによって呼吸パターンが実測される場合には、呼吸波形抽出手段33を設けなくてもよいし、呼吸波形抽出手段33でノイズとなる信号を除去する処理を行ってもよい。心電図波形、心弾動図波形又は生体振動信号から呼吸パターンに関する信号を抽出する場合には、かかる処理としては、例えば、心電図波形や振動信号の強度をn乗(nは2以上の整数であり、nが奇数の場合は絶対値を取る)して強調処理した後、0.5Hz以下の周波数範囲の通過域を有するローパスフィルタ(LPF)を通過させてもよい。呼吸波形抽出手段33のLPFの遮断周波数は、0.3Hz、0.4Hz、0.6Hz、0.7Hz、0.8Hzであってもよい。また、呼吸波形抽出手段33の遮断周波数は、心弾動・脈波抽出手段32の下限周波数と同じであってもよいし、下限周波数よりも高くして通過域の一部が重畳していてもよい。また、呼吸波形抽出方法として、取得した心電図波形、心弾動図波形又は生体振動信号からフィルタの上限周波数又は下限周波数を求めることが好ましく、さらに好ましくは、定期的又は不定期に、取得した心電図波形、心弾動図波形又は生体振動信号からフィルタの上限周波数又は下限周波数を求めることが好ましい。心電図波形、心弾動図波形又は生体振動信号もしくはこれらの信号に前処理(例えばノイズ除去のフィルタや強調処理等)したものについて、パワースペクトルを求め、低周波側からパワースペクトル密度を検索して最初のピークを同定し、そのピークが所定の閾値(例えばピークの半値幅)まで低下する高周波側の周波数を遮断周波数としても良い。このように、取得した心電図波形、心弾動図波形又は生体振動信号から求めた上限周波数又は下限周波数のフィルタを用いて信号処理を行うことにより、取得した生体に特有の生体情報や取得時の体勢、体調、環境等の条件が反映され、個人差や取得時の条件に対応したフィルタを設定することができ、リアルタイムで位相コヒーレンスを算出できた。また、LPFの代わりにBPFを通過させても良く、この場合、BPFの下限周波数は十分低い周波数であれば足り、例えば0.1Hzに設定してもよい。
心拍数算出手段34は、心音抽出手段31及び/又は心弾動・脈波抽出手段32で抽出された心音波形及び/又は心弾動図波形及び/又は脈波から心拍数を算出する手段であり、心拍間隔算出手段35は、心音抽出手段31及び/又は心弾動・脈波抽出手段32で抽出された心音波形及び/又は心弾動図波形及び/又は脈波から心拍間隔を算出する手段であり、さらに心拍間隔の変動、特に呼吸由来の心拍間隔の変動を算出してもよい。心音波形は、図2(C)に示すように、第一心音(太い信号S1)と第二心音(細い信号S2)とが交互に検出されるため、単純にピークの数や間隔を算出するだけでは足りず、本発明の心拍数算出手段34及び心拍間隔算出手段35の少なくとも一方は心音波形用の処理手段が必要となる。共通の心音波形用の処理手段としては、第一心音と第二心音を区別又は分離する手段を設け、何れか一方の心音のみを心拍数算出手段34及び心拍間隔算出手段35に供給してもよい。また、心拍数算出手段34の心音波形用の処理手段として、第一心音と第二心音の一分間の回数を計測した後、半分にしてもよい。心拍間隔算出手段35の心音波形用の処理手段として、第一心音から第二心音までの期間と第二心音から次の周期の第一心音までの期間との和を求めてもよい。第一心音と第二心音を区別する手段としては、通常、第一心音と第二心音とが交互に検出され、第一心音の方が長く、第二心音の方が短いので、これらの条件に基づいて、心音波形の第一心音と第二心音とを区別してもよい。具体的には心音波形のパワーを求め、一定の時定数の基で積分することで第一心音のピークを強調することができ、この波形の瞬時位相から第一心音のピーク位置を検出することができる。時定数は0.1秒〜0.5秒程度が望ましい。なお、実際の測定においては、ノイズ、測定条件、測定環境、振動センサの性能、異常心音等によって、第一心音又は第二心音の一部が検出されない場合もあるが、あるピークから次のピークまでの間隔が、通常の第一心音から第二心音までの間隔又は第二心音から次の周期の第一心音までの間隔に比べて、第一心音から次の周期の第一心音までの間隔に近い場合には、その間の心音の欠落があったと判定して、上記の心音波形用の処理回路を使用せずにピーク間の間隔を心拍間隔として算出してもよい。
心弾動図波形又は脈波から心拍数、心拍間隔を算出する場合は、各心弾動図又は脈波のピーク位置を特定し、1分間のピークの回数や、各ピーク間の間隔を算出すればよい。例えば、心弾動図波形を心拍の周波数よりも高い周波数を下限周波数とするハイパスフィルタ(HPF)を通過させ、HPF後の信号について絶対値をとることにより、利用したHPFを通過した信号の包絡線信号から、心弾動図波形の各心拍動の山を得ることができ、そのピーク値または心拍動の山の開始時点から心拍間隔を求めることができる。通常の心拍の周波数は最大でも3Hz程度であるが、このハイパスフィルタの下限周波数は、5Hz以上であることが好ましく、10Hz、20Hz、30Hz、40Hzであってもよい。この信号処理方法で心拍間隔の変動を算出して得られた位相コヒーレンス(λ)の値は、心電図波形から求めた位相コヒーレンス(λ)の値に非常に近い値を得ることができた。また、HPF後の信号について絶対値をとった信号について、上記のパワースペクトルから求めた通過周波数のBPF(またはLPF)を利用することがより好ましい。さらに、HPFを通過させる前に、ノイズ除去の前処理等を行ってもよい。生体振動信号(心弾動図波形を含む)は心拍動に伴う振動波形を含むものであるが、呼吸運動に伴う振動成分が心拍動成分と重畳すると波形が安定せず、原波形からRRIに相当する一拍毎の拍動間隔を得るのは従来難しかった。本手法では心拍動の基本周波数成分と重畳した呼吸周波数成分を予め除去した後、心拍動由来の高周波振動成分から拍動間隔を求めることにより、より正確な拍動間隔を得ることができ、その結果、心拍間隔の変動である呼吸性不整脈の検出も正確になり、算出した位相コヒーレンスは心電図と実測呼吸から求めたものとほぼ一致した。図4(A)は、心電図から算出した心拍間隔の変動を示すグラフであり、縦軸が心拍間隔(ms)、横軸が時間(s)である。図4(A)から、心拍間隔が一定の周期で変動していることが確認できる。なお、呼吸性不整脈(RSA)の振幅も、心理ストレス等を評価する指標の一つとして利用可能であるが、後述するように、呼吸周波数によっても呼吸性不整脈(RSA)の振幅が変化するので、位相コヒーレンスによる評価と組み合わせて補助的又は追加的に評価するのが好ましい。
ヒルベルト変換フィルタ36は、心拍間隔の変動及び呼吸パターンについて瞬時位相と瞬時振幅を出力するものである。ヒルベルト変換は、アナログ回路で90度位相差分波器を実現しても良いし,有限インパルス応答型のデジタルフィルタで構成しても良い。ヒルベルト変換した信号と実信号を加えて解析信号を得て、解析信号の実部と虚部の比から瞬時位相を求めることができる。図4(B)の上側のグラフは、実線が心拍間隔の変動の瞬時位相であり、点線が呼吸パターンの瞬時位相であり、縦軸が位相(ラジアン)であり、横軸が時間(s)である。
瞬時位相差算出手段37は、心拍間隔の変動の瞬時位相と呼吸パターンの瞬時位相との位相差(瞬時位相差)を算出し、結果を位相コヒーレンス算出手段38に出力する。位相コヒーレンス算出手段38では、上記のとおり、心拍間隔の変動の瞬時位相と呼吸パターンの瞬時位相との瞬時位相差を用いて位相コヒーレンスを算出する。位相コヒーレンスを求める際のデータは最低でも呼吸1周期の窓長で計算する。図4(B)の下側のグラフは、算出した位相コヒーレンスλである。図4(B)では、常に位相コヒーレンスが1に近く、比較的ばらつきが少ない状態であることが確認できる。
判定手段39は、図1においては、心音抽出手段31、心弾動・脈波抽出手段32、呼吸波形抽出手段33、心拍数算出手段34、心拍間隔算出手段35及び位相コヒーレンス算出手段38と接続されており、各手段によって得られた心音波形、心弾動波形、脈波、呼吸波形、心拍数、心拍間隔、位相コヒーレンスについて判定処理を行う。判定手段39は、例えば、心音波形が正常心音であるか異常心音であるかを判定してもよい。かかる判定としては、例えば、1周期分の心音波形について、正常心音又は異常心音のサンプル波形と相関を取ることにより、正常心音か異常心音かを判定してもよいし、第三心音又は第四心音等の異常心音を検出した場合に異常心音と判定してもよいし、その他の方法で判定してもよい。また、判定手段39は、心音波形、心弾動波形、脈波及び呼吸波形の一つ又は複数によって、生体の在不在を判定してもよい。また、判定手段39は、心拍数、心拍間隔又は位相コヒーレンスを閾値と比較して、その大小を判定したり、正常又は異常を判定したりしてもよい。例えば、心拍数が50より少ない場合又は100を超えた場合には警告したり、心拍間隔から頻脈、除脈又は期外収縮か判定したり、位相コヒーレンスの数値に応じてストレス状態又は睡眠状態を良好又は不良を判定したりしてもよい。閾値は、予め定めた数値であってもよいし、計測対象の過去に算出した数値から特定してもよい。また、判定手段39は、睡眠中の呼吸状態(無呼吸症候群)を判定してもよい。例えば、中枢性睡眠時無呼吸(脳の呼吸中枢の異常等により呼吸運動が停止して起こる無呼吸)については、呼吸運動が停止するので呼吸パターンが検出できなくなるので、無呼吸状態であることを判定できる。さらに、呼吸による空気の流れを計測して呼吸パターンを取得した場合は、呼吸の気流が停止して呼吸パターンが検出されなくなるので、中枢性睡眠時無呼吸だけではなく、閉塞性睡眠時無呼吸(呼吸運動はあるが気道の閉塞等による無呼吸)も判定できる。
操作部4は、使用者が生体情報検出装置1を操作するためのスイッチ、タッチパネル、ボタン、つまみ、キーボード、マウス、音声入力用マイク等の操作端子が設けられている。また操作部4には、操作内容等を表示するディスプレイが設けられていてもよい。出力部5は、検出した生体情報を出力してもよいし、判定手段39で判定した判定結果を出力してもよい。出力部5としては、結果を画像で表示するディスプレイ、結果を紙で出力するプリンター、結果を音声で出力するスピーカー、結果を電子情報で出力する有線又は無線の出力端子などを使用することができる。なお、出力部5としてのディスプレイを操作部4におけるタッチパネルや操作内容等を表示するディスプレイと兼用させる構成であってもよい。記憶部6は、情報取得部2で取得した情報や、情報処理部3で抽出又は算出した結果、判定手段39で判定した結果などを記憶することができる。
[実施例1]
本実施例では、振動センサを、外部振動源を接続させた椅子の背もたれと座面の2カ所に貼り付けて配置し、着座したヒトの生体振動信号を検出した。センサのサイズは、8cm×16cmのセンサを、それぞれ座面の上(臀部の下)及び背もたれに1枚ずつ貼り付けた。図5(A)は、振動源を停止した状態における背もたれに配置された振動センサの検出結果であり、(B)は、そのウェーブレット変換した信号であり、(C)は(B)のウェーブレット変換した信号に同時に計測した心電図波形(ECG)を併記したものである。図6(A)は、振動源を停止した状態における座面に配置された振動センサの検出結果であり、(B)は、そのウェーブレット変換した信号であり、(C)は(B)のウェーブレット変換した信号に同時に計測した心電図波形(ECG)を併記したものである。図7(A)は、振動源を稼働させた際の背もたれに配置された振動センサの検出結果であり、(B)は、そのウェーブレット変換した信号であり、(C)は(B)のウェーブレット変換した信号に同時に計測した心電図波形(ECG)を併記したものである。図5〜図7において、振動センサは1000Hzのサンプリングレートで信号を検出し、各図(A)の縦軸は強度(任意単位)であり、横軸はいずれも時間である。また、各図(B)及び(C)のウェーブレット変換した信号は、明暗で信号の強度を示しており、暗い部分(濃い部分)は信号が強く、明るい部分(薄い部分)は信号が弱い。
振動センサで検出された生体振動信号を解析する手法として、ウェーブレット解析を行った。これは、入力信号に含まれる周波数成分を時系列で可視化する解析方法である。一般的に、時系列信号に含まれる周波数成分を解析する場合、フーリエ変換(FFT)により時間軸から周波数軸への変換を行うが、フーリエ変換により得られる周波数成分は、ある一定時間内での平均値となってしまう。つまり周波数成分の時間領域での情報が失われ、時間的な解像度が悪くなる。周波数軸の解像度と時間軸の解像度は、不確定性の関係があり、両者を同時に向上させることはできない。そこで、フーリエ変換に変えてウェーブレット変換を用いたウェーブレット解析を行い、周波数成分の時間的解像度を上げた解析を行うことにした。ウェーブレット解析は、マザーウェーブレット関数を用い幾つかの種類があるが、時間軸の解像度が短時間で変化する心音の成分を検出可能なものを使用する。ここではω0=6のMorlet関数を使用した。この解析により、信号に含まれる周波数成
分のパワースペクトルを時間領域での情報を保ったまま可視化することができた。
図5(A)に示すように、椅子の背もたれに配置した振動センサによって、着座したヒトの背中を介して生体振動信号を検出することができ、同(B)及び(C)に示すように、ウェーブレット変換すると、4Hz〜32Hzの周波数帯における太めの信号S1と、信号S1に僅かに遅れて細めの信号S2が周期的に検出されている。図5(C)によれば、かかる周期性が心電図(ECG)のピークに対応していることが確認できる。信号S1が第一心音に対応し、信号S2が第二心音に対応する。このように、椅子の背もたれに配置した振動センサによって、第一心音及び第二心音のピークを含む生体振動信号を検出することができた。
図6(A)に示すように、椅子の座面に配置した振動センサによって、着座したヒトの臀部を介して生体振動信号を検出することができ、同(B)及び(C)に示すように、ウェーブレット変換すると、4Hz〜16Hzの周波数帯において2つの信号の組S1、S2が周期的に検出されており、かかる周期性が心電図(ECG)のピークに対応していることが確認できる。信号S1が第一心音に対応し、信号S2が第二心音に対応する。このように、椅子の座面に配置した振動センサによって、第一心音及び第二心音のピークを含む生体振動信号を検出することができた。
図7(A)では、椅子の背もたれに配置した振動センサによって、着座したヒトの背中を介して生体振動信号が検出されているが、振動源が稼働しているため、椅子には振動源の振動が伝達され、振動センサによって検出されている。このため、図7(A)では、図5(A)に比べると信号が密であり、ノイズが多い。図7(B)及び(C)に示すように、生体振動信号をウェーブレット変換した信号は、精度は比較的低くなるが、4Hz〜32Hzの周波数帯において心音に基づく信号が検出されており、外部振動源が稼働中の状態において、心音に基づく信号を分離抽出することが可能であった。
[実施例2]
本実施例では、事務所等で使用する椅子の座面に振動センサを配置し、振動センサ上に着座させたヒトの生体振動信号を検出した。図8(A)は、ヒトを椅子に着座させて安静な状態で測定した振動センサの検出結果であり、(B)は、そのウェーブレット変換した信号であり、(C)は(B)の点線の四角部分を拡大した図である。図8(A)に示すように、椅子の座面に配置した振動センサによって、着座したヒトの臀部を介して生体振動信号を検出することができ、同(B)及び(C)に示すように、ウェーブレット変換すると、第一心音に対応する信号S1が200Hz近傍及び300Hz近傍に検出され、第二心音に対応する信号S2が、300Hz近傍の信号S1の間に周期的に検出された。第一心音は複数の周波数帯において強い信号が検出されたが、第二心音は300Hz近傍で強い信号が検出された。このように、椅子の座面に配置した振動センサによって、第一心音及び第二心音のピークを含む生体振動信号を検出することができた。なお、図8〜図11におけるウェーブレット変換した信号は、明暗で信号の強度を示しており、暗い部分(濃い部分)は信号が強く、明るい部分(薄い部分)は信号が弱い。
図9(A)は、ヒトを椅子に着座させた状態で体及び臀部を左右に激しく揺さぶる運動を続けて測定した振動センサの検出結果であり、(B)は、そのウェーブレット変換した信号であり、(C)は(B)の点線の四角部分を拡大した図である。図9(A)に示すように、椅子の上でヒトが動いていた場合、体動による振動などが振動センサで検出されるため、ノイズが多くなっている。生体振動信号をウェーブレット変換した図9(B)及び(C)において、40Hz以下の低周波数帯域の信号が濃くなっているため、運動によるノイズは40Hz以下の低周波数帯域において多く発生している。また、図9(B)及び(C)に示すように、精度は比較的低くなるが、100Hz〜150Hzの間、200Hz〜250Hzの間、300Hz近傍及び400Hz近傍の周波数帯において心音に基づく信号が検出されている。運動による振動のノイズは40Hz以下が多いため、高周波帯域で検出される心音の信号によって、運動中のヒトからも心音に基づく信号を分離抽出することが可能であった。
図10(A)、(B)は、図9(A)の生体振動信号から120Hz〜300Hzの周波数帯域を抽出した信号であり、(C)は(B)の点線の四角部分を拡大した図である。図10では、体動などによるノイズ成分が除去され、信号S1、S2を確認しやすくなっている。図10(C)には、約180Hz付近の信号と、約270Hz付近の信号とが確認できた。
[実施例3]
本実施例では、1m離間させた2つの椅子のうち、一方の椅子の座面に振動センサを配置し、他方の椅子にヒトを着座させた状態で生体振動信号を検出した。図11(A)は、振動センサを配置した椅子の上には座らず、1m離れた椅子にヒトを着座させた状態の振動センサの検出結果であり、(B)は、そのウェーブレット変換した信号である。図11(B)に示すように、振動センサとヒトとが非接触な状態で検出した振動センサの検出結果をウェーブレット変換すると、188Hz〜375Hzの周波数帯における信号S1と、信号S1に僅かに遅れて信号S2が周期的に検出された。これは、1m離れた位置の椅子に着座したヒトの心音が音波として空気を介して振動センサに伝播し、振動センサにおいて生体振動信号として検出されたものである。このように、本発明の方法によれば、振動センサから離間した位置のヒトの心音の検出も可能となり、様々な場面において応用可能となる。
[実施例4]
上記実施例1〜3においては、従来と同様の構成の振動センサを使用して測定したが、従来の振動センサは、50Hz以下の低周波数帯域の信号を取り出すために最適化されており、高周波数帯域を含む心音の検出は強度が減衰してしまっていた。薄膜圧電センサは、接続するプリアンプの入力インピーダンスによって周波数特性が変化する。そこで、高周波数帯域を含む心音の信号も感度よく検出できるように振動センサに接続されたプリアンプの入力インピーダンスを設定した。図12は、プリアンプが接続された薄膜圧電センサの等価回路図であり、電源Viは薄膜圧電センサが変形などによって発生する起電力、抵抗Riは内部抵抗、負荷RLは接続するプリアンプの入力インピーダンスに相当し、コンデンサCは強誘電体からなる薄膜圧電センサの容量であり、等価回路では並列に接続される。実際には、薄膜圧電センサのインダクタンス分やコンデンサに並列に接続される漏れ電流に相当する抵抗、配線用同軸ケーブルの静電容量やインダクタンス、抵抗なども存在するが、想定する周波数帯(500Hz以下)ではその影響は少ないと予想されるため、ここでは省略している。
図12の内部抵抗(Ri)と静電容量(C)を推定するため、LCRメータ(A&D製AD−5827)を使用してC(キャパシタンス)、D(損失係数)、θ(位相角)を測定した。測定はパラレルモードで行い、測定周波数は100Hz、120Hz、1KHz、10KHzの4周波数である。測定結果を表1に示す。
この測定値をもとに、各周波数におけるキャパシタンス(C)のインピーダンス(Zc)、内部抵抗(Ri)のインピーダンスZr、総合インピーダンスZを計算すると表2(単位はΩ)のようになる。また、インピーダンスZのグラフは図13のようになる。
一般的にコンデンサのインピーダンスは周波数の上昇と共に減少し、自己共振周波数f0で最小となり、それ以上の周波数では急激にキャパシタンスが減少し、インダクタンス成分に切り替わるとされている。薄膜圧電センサでも同じ特性となると仮定すると、1KHzから10KHzの間、数KHz付近に薄膜圧電センサの自己共振周波数f0があると考えられる。最適な負荷抵抗RL(プリアンプの入力インピーダンス)は、周波数変化に対する出力電圧の変動が少なく、かつ、出力電圧が小さくなりすぎない値である。これを満たすのは、設定する最大周波数(自己共振周波数f0以下で、実際に測定しようとする信号の最大周波数成分の値)における内部の総合インピーダンスの値と同程度の値である。心音を測定する場合は、最大周波数を1KHzとすると、内部の総合インピーダンスは数KΩ程度(1KΩ〜10KΩの間)であり、プリアンプの入力インピーダンスは、100Ω〜10KΩ、特に1KΩ〜10KΩとすることが好ましい。なお、従来は、最大周波数は、100Hz程度であったため、プリアンプの入力インピーダンスは、約1MΩ程度であった。
薄膜圧電センサの内部抵抗が純抵抗であれば、その等価回路は、図14(A)に示すように出力電圧は単純に負荷抵抗(RL)との抵抗分割になるが、自己共振周波数f0付近ではキャパシタンスも内部抵抗も非線形に大きく変化するため、このモデルは使用することができない。そこで、図14(B)に示す別の等価回路を仮定する。この等価回路では、起電力の部分を電流源に変更している。もともと起電力は薄膜圧電センサの変形による電荷の分極に由来するため、定電圧源ではなく、瞬時値で考えると電流源に変更した方がより近くなる。図14(B)のインピーダンスZ’は、表2に示した薄膜圧電センサのインピーダンス推定値Zと同一ではないが、その傾向はほぼ同じ特性を有すると予想される。すなわち、周波数の上昇と共に減少し、自己共振周波数f0で最小となるという特性である。
図15に、薄膜圧電センサに純抵抗の負荷抵抗RLを並列接続して測定したインピーダンスの周波数特性を示す。インピーダンスを100Ω、1KΩ、10KΩ、100KΩ、1MΩに設定し、それぞれの周波数特性を測定した。これは図14(B)の等価回路のZ’とRLの総合インピーダンスの周波数特性と同等であると考えられる。また、自己共振周波数f0以下での出力電圧は、総合インピーダンスに比例すると考えられるため、図15の左半分、自己共振周波数f0よりも低周波数側の特性は出力電圧の特性と同一であると考えられる。なお、図15の右半分、自己共振周波数f0よりも高周波数側はインピーダンスの上昇に伴わず、出力電圧は低下すると予測される。
図16(A)は、周波数特性を測定するための測定回路であり、図16(B)は、入力インピーダンスによる周波数特性の変化の傾向を表したグラフである。測定は、図16(A)に示すように、シート型の薄膜圧電センサ161に入力インピーダンスRLと計装アンプとが接続された測定回路でバックグラウンドノイズの測定を行った。バックグラウンドノイズの測定とは、空調や換気等の一般室内レベルの騒音のある部屋で、その騒音をバックグラウンドノイズとしてパワースペクトルの測定を行い、センサからの信号をGNDに落とした時との差分で測定した。また、周波数特性がフラットな測定用マイク(BEHRINGER ECM8000)で測定した周囲の騒音の周波数特性で簡易的な補正も行った。図16(A)の測定回路で、シート型圧電センサ161の出力は計装アンプで受けている。計装アンプの入力インピーダンスは非常に高いため、この回路の入力インピーダンスは計装アンプの入力と並行に接続した抵抗RLに等しいと仮定した。この抵抗器は一般的な金属皮膜抵抗を使用したが、測定する周波数が比較的低いため、純抵抗とみなした。図16(B)の周波数特性の傾向は、全般的に低い周波数の利得が高い傾向にあるが、入力インピーダンスが高くなると、その傾向がより強くなる。一般的な計測器では入力インピーダンスが高い(1MΩ以上)と考えられるため、従来の環境下でのシート型圧電センサの周波数特性は極めて低域が強調されている。それに対してPCのマイク入力などでは一般的に入力インピーダンスが低い(200Ω程度)傾向にあるため、比較的高域の信号も測定できる。前述した図15の周波数特性は、図16(B)に示す、プリアンプの入力インピーダンスをパラメータとして実際に測定したデータから推定した周波数特性の値とその傾向が一致している。圧電薄膜センサの自己共振周波数f0はセンサの大きさや構造によって変化するが、今回使用したタイプのセンサでは、数KHzであると考えられ、これ以下の周波数なら有効な測定が可能である。
図20(A)、(B)、(C)は、入力インピーダンスを1MΩ、10kΩ、100Ωとした時の振幅波形とパワースペクトルのグラフであり、横軸は時間(10秒)である。測定は、椅子にシート型圧電センサ(PVDF)を置き、その上に着座して大腿動脈からの振動をセンサによって検出した。入力インピーダンスは抵抗器により変化させて測定を行った。なお、AD変換器は量子化ビット数16bit、サンプリング周波数6kHz、測定時間は10秒間で、特に後加工は行っていない。図20(A)の入力インピーダンスが1MΩのグラフでは、上側の振幅波形に心弾動図が表示されている。若干の波形の乱れがあるが、これはプリアンプ(計装アンプ)の電源ラインから商用電源周波数の50Hzを拾ったノイズであり、下側のパワースペクトルグラフでも50Hzとその高調波のノイズが横一直線で表示されている。心弾動の信号は、パワースペクトルから 0Hz〜20Hzの間に集中していることが分かる。図20(B)の入力インピーダンスが10kΩのグラフ、図20(C)の入力インピーダンスが100Ωのグラフと、入力インピーダンスが低くなるに従い振幅波形でSN比が悪くなっているように見えるが、実際にはより高い周波数の信号も含まれるようになり、単純な波形からより複雑な波形になったためである。パワースペクトルグラフから、入力インピーダンスが高い場合には周波数が高い領域に信号がなく、入力インピーダンスが低くなるに従って信号が現れていることが分かる。図20(C)のように入力インピーダンスが低い場合には、比較的周波数特性がフラットであり、図20(A)のように入力インピーダンスが高い場合には強いLPFが入ったように、低い周波数が強調された信号となっている。なお、図20(C)の信号でも、適当なLPFで高い周波数域をカットすれば、図20(A)と同じような心弾動の信号を得ることができる。ただし、各測定でプリアンプ部の利得は調整しており、図20(C)の方がより高い増幅率となっているため、LPFで処理をしても図20(A)の方がSN比を高くすることができる。図20から、同じ圧電センサであっても、入力インピーダンスを低くすることにより、より高周波数の信号を取得することが可能であることが確認された。
[実施例5]
次にシート型圧電センサを使用して心音図を測定する実験を行った。図21(A)は測定した振幅波形とパワースペクトルのグラフであり、図21(B)はそのウェーブレット解析した結果であり、図21(C)は心音の抽出処理を行った後の振幅波形とパワースペクトルのグラフである。横軸は時間軸(30秒)である。測定は、椅子にシート型圧電センサ(PVDF)を置き、その上に着座して大腿動脈からの振動をセンサによって検出した。本実施例においては、よりノイズを少なくするためUSB接続のオーディオインタフェースにシート型圧電センサ(PVDF)を接続した。このオーディオインタフェースは、マイクの風切り音などを防止する目的で20Hz以下の低域をカットするHPFが内蔵されているため、心弾動の信号は削除されている。なお測定は、量子化ビット数は16bit、サンプリング周波数は6kHzで、入力インピーダンスは3kΩである。図21(A)の振幅波形からは心音を判別することはできないが、パワースペクトルには約140Hzと280Hz付近に心音と思われる特徴的な信号を確認することができた。図21(B)のウェーブレット解析した結果からも、第1心音S1と第2心音S2が検出され、心音が測定できていることが確認できた。図21(C)は、80Hz〜350Hzのみ通過するBPFをソフトウェア的に実行し、心音の抽出処理を行った後の振幅波形とパワースペクトルのグラフであり、信号の振幅のノーマライズは行っていないが、それでも上側の振幅波形で心音図が確認できる。なお、フィルタはタップ数が1024のFIRフィルタを使用した。
図22(A)は、心音測定時に意図的に体動を加えた場合の振幅波形とパワースペクトルであり、図22(B)はそのウェーブレット解析した結果であり、図22(C)は心音の抽出処理を行った後の振幅波形とパワースペクトルのグラフである。測定は、測定時に体動を加えた点を除いては図21と同じ条件であり、測定中に極力音を立てないようにしながら、体の重心を左右に振ったり、手足を動かしたりする体動を行った。図22(A)において、心音に起因する信号は、主に領域221の周波数帯に含まれ、体動に起因する信号は、主に領域222の周波数帯に含まれる。図22(B)に示すように、体動に起因する振動224は概ね20Hz以下であるため、使用したオーディオインタフェースに付加されたHPFで低減されており、また、心音223の周波数帯と異なっているために分離が可能であった。図22(C)は、図21(C)と同じ条件で80Hz〜350HzのBPFを実行した後の振幅波形とパワースペクトルのグラフであり、体動がない状態での抽出結果である図21(C)の波形よりもノイズは多くなっているが、心音図が抽出できていることが確認できる。
[実施例6]
本実施例では、1つのセンサで心弾動と心音を同時に測定可能な整体振動信号検出装置を設計した。ここで問題となるのが、シート型圧電センサの周波数特性である。心弾動の信号は20Hz以下の低い周波数帯が主であり、心音の信号はそれよりも高い周波数帯が主となる。これまでは、心弾動の低い周波数帯の信号を測定する時は、プリアンプ部の入力インピーダンスを高くし、低い周波数のゲインを高くして雑音の影響を少なくしていた。逆に、心音の比較的高い周波数帯の信号を測定する時は、プリアンプ部の入力インピーダンスを低くして周波数によるゲイン差を抑え、AD変換器での分解能が不足しないように測定していた。これらの問題を解決し1つのセンサで心弾動と心音を同時に測定するため、測定回路の低雑音化と高分解能化(AD変換器のビット数を上げる)した。プリアンプ部の入力インピーダンスを高くして全体的なゲインを稼ぎ雑音の影響を抑えるとともに、高分解能化で音圧の小さな心音の信号も埋もれることなく測定する。AD変換器のビット数は、図16から、入力インピーダンスを1MΩとした場合、10Hzと10kHzでは約90dBのゲイン差があるところ、これまで使用していた16bitのAD変換器ではダイナミックレンジが約96dBであり、分解能が不足するため、ダイナミックレンジが約120dBの20bitのAD変換器又はそれ以上のビット数のAD変換器を採用することが望まれる。また、低雑音化として電源を金属ケースに入れてノイズを遮蔽するなどの対策をすることが好ましい。本実施例では、AD変換器として、24bitで高インピーダンス入力(1MΩ)のあるUSB接続のオーディオインタフェース(BEHRINGER UMC204HD)を使用した。
図23(A)は、1つのセンサで心弾動と心音を同時に測定した場合の振幅波形とパワースペクトルであり、図23(B)は心音の抽出処理を行った後の振幅波形とパワースペクトルのグラフである。横軸は時間軸(5秒)である。測定は、より心臓に近い椅子の背もたれ部分にシート型圧電センサ(PVDF)を設置し、USB接続のオーディオインタフェース(BEHRINGER UMC204HD)を使用し、測定時には背もたれにもたれかかる状態で安静状態を保った。測定条件は、量子化ビット数24bit、サンプリング周波数6kHz、入力インピーダンス1MΩである。図23(A)の上側の振幅波形は、心音と心弾動の2つの信号が混ざった波形であるが、周波数帯の低い心弾動の信号強度が非常に大きく支配的となっている。そのため、見た目上は殆ど心弾動図のみの波形となっていて、心音の波形は読み取ることができない。下側のパワースペクトルには、0〜20Hz付近の周波数帯に心弾動の信号232が確認され、30Hz〜60Hz付近に、心弾動とは異なるが周期的には一致している信号が観測されており、これが心音の基本波に起因する信号231である。この周波数帯は商用電源周波数50Hzの影響を強く受けるため、低雑音化することにより心音の信号の検出精度を高めることができる。図23(B)は、30Hz〜500Hzのみを通過させるBPFで抽出処理し、クリップしない程度に信号レベルを増幅した信号である。上側の振幅波形では、図23(A)の心弾動図と同期した心音の波形が確認された。しかし、振幅波形では第1心音のみが確認され、第2心音は殆ど見えていない。下側のパワースペクトルで、僅かに第2心音の痕跡が確認された。
[実施例7]
本実施例では、心音を含む生体信号をデジタル値に変換して安定に出力するまでの最適なシステム構成を示す。図17は、生体振動信号検出装置の振動センサの入力部分の概略構成図である。図17では、振動センサ171から順番に電圧制限用リミッター172、バッファーアンプ173、ローパスフィルタ174、AD変換器175、自動ゲイン調整機能176が接続されている。振動センサ171で検出した信号には必要とする生体信号の他にも直流成分や大信号が含まれるために、不要な直流成分を除去するハイパスフィルタと大信号を除去する電圧制限用リミッター172において生体信号のみを抽出する。さらに微弱な生体信号を減衰させることが無いようにバッファーアンプ173によって後段の回路を駆動する能力を向上させる。バッファーアンプ173は利得0dBのいわゆるインピーダンス変換でも良いが、生体信号の大きさや全体の回路構成から利得を数から数10dB持たせても良い。バッファーアンプ173によって駆動能力を得た信号は、AD変換器175によるサンプリングによって折り返し雑音が発生しないように、ローパスフィルタ174でサンプリング周波数の半分以下に生体信号の周波数帯域を制限する。ローパスフィルタ174のカットオフ周波数は従来の生体情報を取得する振動センサでは50Hz程度で良かったが、例えば500Hzの心音を抽出する場合は少なくとも500Hzまでは必要である。ローパスフィルタ174によって帯域制限された信号はAD変換器175によってデジタル値に変換されるが、その際の正確に変換する為には生体信号の少なくとも2倍以上のサンプリング周波数であることが好ましい。従来は、50Hz程度までの周波数帯の生体信号しか利用していなかったため、サンプリング周波数は100Hzで十分であったが、500Hzの心音を含む生体信号の場合には1KHz以上のサンプリング周波数とすることが好ましい。また生体信号に占める心音の成分は数100から数1000分の1と非常に小さく、従来の12bit分解能のAD変換器では正確にデジタル変換することは困難である為に例えば24bit程度の分解能が要求される。つまり従来の生体信号に用いるAD変換器に比べて高速で高分解能のAD変換器を用いる事で心音成分を正確にデジタル変換できる。デジタル値に変換されたデータは、生体信号は環境や被験者の違いによりその振幅が大きく異なるので、自動ゲイン調整機能176によってデータに対して演算により全体の振幅を一定に保つ様に補正する。振幅を一定に保つことにより心拍抽出の信号解析を正確に安定して行うことが出来る。
1 生体情報検出装置
2 情報取得部
3 情報処理部
21 振動センサ
31 心音抽出手段
32 心弾動・脈波抽出手段
33 呼吸波形抽出手段
34 心拍数算出手段
35 心拍間隔算出手段
36 ヒルベルト変換フィルタ
37 瞬時位相差算出手段
38 位相コヒーレンス算出手段
39 判定手段

Claims (9)

  1. 生体振動信号を検出するための振動センサと、
    前記振動センサで検出された生体振動信号から心音に基づく心音波形を抽出する心音抽出手段と、
    前記心音抽出手段で抽出された心音波形から心拍間隔を算出する心拍間隔算出手段と、を有することを特徴とする生体情報検出装置。
  2. 前記心拍間隔算出手段は、心音波形用の処理手段を有することを特徴とする請求項1に記載の生体情報検出装置。
  3. 前記心音抽出手段は、下限が5Hz以上のフィルタ又はウェーブレット変換する手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の生体情報検出装置。
  4. 前記振動センサで検出された生体振動信号から心弾動又は脈波を抽出する心弾動・脈波抽出手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の生体情報検出装置。
  5. 前記心拍間隔算出手段は、前記心弾動・脈波抽出手段で抽出された心弾動又は脈波からも心拍間隔を算出することを特徴とする請求項4に記載の生体情報検出装置。
  6. 前記振動センサで検出された生体振動信号から呼吸パターンに関する信号を抽出する呼吸波形抽出手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の生体情報検出装置。
  7. 前記心拍間隔算出手段は、算出された心拍間隔から、さらに心拍間隔の変動を算出し、
    前記呼吸波形抽出手段で抽出された呼吸パターンと前記心拍間隔の変動との間の瞬時位相差の位相コヒーレンスを算出する位相コヒーレンス算出手段をさらに有することを特徴とする請求項6に記載の生体情報検出装置。
  8. 前記振動センサは、圧電効果を有する材料を含むセンサ素材層と、前記センサ素材層の上面に形成された第1の電極層と、前記センサ素材層の下面に形成された第2の電極層と、を含むシート状であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の生体情報検出装置。
  9. 前記センサ素材層は、多孔性ポリプロピレンエレクトレットフィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリフッ化ビニリデンと三フッ化エチレンとの共重合体、又はポリフッ化ビニリデンと四フッ化エチレンとの共重合体であることを特徴とする請求項8に記載の生体情報検出装置。
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