JP2004159734A - 眼科装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】眼科装置の駆動部の使用状況及び異常検出し、メンテナンスしやすい装置を提供する。
【解決手段】眼科装置のデバイスの劣化又は使用頻度の情報を検出し、その情報を送信するための外部記憶媒体への記録手段や送信手段を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】眼科装置のデバイスの劣化又は使用頻度の情報を検出し、その情報を送信するための外部記憶媒体への記録手段や送信手段を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検眼に検眼部を位置合わせする眼科装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
被検眼を検眼する検眼部を可動台の上に配置し、可動台に設けられた操作かんを操作し、固定台に対して、検眼部を被検眼に位置合わせする手動タイプの眼科装置や、装置内に被検眼の位置を検出する位置検出手段と、装置の一部を上下、左右、前後方向又はその何れかの方向に移動するための駆動手段とを有し、位置検出手段からの位置情報に基づいて駆動手段を駆動して自動的に位置合わせをする自動タイプ装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
測定光源の劣化は特殊な計測機器が必要であり、サービスマン全体に準備することが難しかった。また、レンズ汚れチェックはサービスマンが目視で調べており、作業に手間がかかっていた。さらに手動タイプの眼科装置では、操作者が使っているうちに可動台の移動の際に手に違和感を感じ、位置合わせがしずらくなると装置の異常を発見できた。自動タイプの眼科装置では、手動に比べ突然異常が発生し、位置合わせができなくなることが往々にしてあり、操作者は急に検査ができなく診療に不具合を生じる。
【0004】
また、眼圧計や眼底カメラの場合、使用する環境がことなり、ある場合は使用頻度の少ない開業医であったり、ある場合は、一日に多くの人を検眼する集団検診であったり、またある場合はサービスメンテナンスの届きにくい遠隔地であったりする。眼屈折計においても比較的頻度の多い眼科病院や眼鏡店と、そうでない眼科病院や眼鏡店があり、定期的なメンテナンスでは対応できない問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため本発明は、装置を操作する者に装置の異常をすぐに適切に知らせ、かつ定期的なメンテナンスを効率良く行い、またメンテナンス情報を蓄積し、品質向上のための重要なデータとすることを目的とするものである。そのために、被検眼の眼情報を光学系を介して入手する検眼手段と、該検眼手段を被検眼に対して位置合わせするための位置合わせ手段と、前記検眼手段で得られた眼情報を表示する眼科装置において、前記検眼手段と前記位置合わせ手段のいずれかのデバイスの劣化又は使用頻度の情報を検出する情報検出手段と、該情報検出手段の情報を記録媒体に記録し送信する記録送信手段を有することを特徴とする眼科装置を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の眼科装置の外観図である。検者が操作する面には測定値や被検眼像などの表示や各種装置の設定を選択する表示装置1と、その表示画面を操作するトラックボール2とローラー3と、プリンター印字スイッチ4aや測定開始スイッチ4bや選択設定スイッチ4cなどが配置された操作スイッチパネル4とプリンター5が配置されている。操作スイッチパネル4は図1(a)に示す。被検者はこの検者が操作する面と反対側にある顔受け部(不図示)に顔をのせ、測定部の対物部の前に被検眼を置くことで測定可能となる。
【0007】
図2は、測定装置上部の内部を簡単に示した図である。検眼部6は被検眼側に対物部6aが配置され、検眼部6を上下方向に移動させるための上下駆動部7と接合されており、測定部を約30mm上下方向に移動できるようになっている。上下駆動部7は左右駆動部8の上で接合され、検眼部6を含め上下駆動部7を左右方向に約90mm移動できるようになっている。また、左右駆動部8は前後駆動部9の上に接合され、検眼部6及び上下、左右駆動部7、8を前後方向に約40mm移動できるようになっている。したがって検眼部6は被検眼に対して3次元方向に移動でき、子供から大人までの被検者を顔受け部に顔を載せただけで位置合わせできる構造になっている。
【0008】
図3は検眼部6の内部の構成を示したものである。これは眼圧計の測定部を示したものであるが、眼屈折測定や角膜曲率測定や眼底カメラでもなんら問題無い。
【0009】
被検眼Eに対向して対物レンズ10と対物レンズ11の中心軸上にノズル12が配置され、被検眼Eとは反対側に空気室13、観察窓14、ダイクロミラー15、16、プリズム絞り17、結像レンズ18、撮像素子19の順に配置されている。これは被検眼の観察光学系の受光用光路及びアライメント検出用光路になっている。空気室13内の空気はソレノイド20の駆動により押し上げられるピストン21によって圧縮されパルス状の空気がノズル12を介して被検眼Eに噴出するようになっている。ダイクロミラー15の反射方向には、測定及びアライメントの兼用LED光源22と投影レンズ23が配置されている。投影されるLED光源22の光束は細い光束でノズル12内で一度結像され、被検眼Eの角膜に照射され、角膜での反射光束はノズル12の外側の対物レンズ10、11を通るようになっている。ダイクロミラー16の反射方向には、被検眼Eの角膜がパルス状に発せられた空気によって視軸方向に変形する時の変形検出受光光学系が配置されている。ダイクロミラー15の一部を透過する角膜反射光束は、レンズ24によって所定変形時にアパーチャ25とほぼ同等の大きさの角膜反射像を結像するように設計され、受光光束は受光素子26によって光電変換された電気信号に変換される。図は省略したが、測定及びアライメント兼用光源LED22の投影側の光路の光源LED22と投影レンズ23の間にダイクロミラーを挿入し、固視灯投影光系も構成されている。さらに前眼部の照明する前眼照明27a、27bが、対物レンズ10の上下に配置されている。また、ソレノイド20によってピストン21が押し上げられた時の空気室13内の圧力をモニターするための圧力センサー28が配置されている。
【0010】
被検眼のアライメント検出は、前眼照明27a、27bで照明された映像を撮像素子19で受光され、瞳孔検出して上下左右方向の粗アライメント検出が行われる。ほぼ被検眼Eと対物レンズ10の位置が合わされると、LED光源22の角膜反射像の光束は、ダイクロミラー16をも一部透過し、このLED光源22の波長のみ透過する2つのプリズムと中心の開口部を抜けた光束は、結像レンズ18によって集光され、輝点として撮像素子19に結像される。図3(a)はこのプリズムの形状が示されており、上下方向に3つの開口部があり、そのうち上下の2ケ所の開口部は図のような楔型のプリズムが、互い違いに配置されている。このプリズムは、測定LED22の光源の角膜反射光束が通ることによって左右方向にずらすように作用し、撮像素子に映される輝点像が被検眼と測定部の作動距離方向のずれによって上下にずれることになる。また、これらの3つの輝点は、被検眼Eと測定部の光軸Oとの偏心ずれも確認できる。このようにアライメントずれにより、輝点像がずれるので予めアライメントが適正である輝点像の位置に装置を被検眼に対して移動させる事でアライメントが完了する。
【0011】
図4は、検眼部6を被検眼に位置合わせするための駆動部を詳細に示した図である。上下駆動部7には上下固定フレーム30に2組みのガイドレール31a、31bが配置され、この内側に上下可動フレーム33が矢印Aのように上下方向に移動できるようになっている。ガイドレール31a、31bは鋼球が内蔵され、レールが移動する際に回転しながら永久にガイドレール内を移動できるようになっている。したがって、上下可動フレーム33が上下方向に移動する際は、摩擦が少なくスムーズに約30mm程度の範囲で移動できるようになっている。上下可動フレーム33には雌ねじナット34が固定され、送りネジ35とネジ合わせされている。上下可動フレーム33は検眼部6とも接合され、検眼部6を上下方向に昇降できるようになっている。送りネジ35の軸端にはカップリング36とエンコーダ円盤37と上下モーター38が軸中心に合されて接続されている。また、上下固定フレーム30にはリミットスイッチ39が固定され、上下可動フレーム33が最下点に降りた時、スイッチがオンされるようになっている。
【0012】
図5は、エンコーダ円盤37とその回転を検出するフォトカップラ40の平面及び側面部分図である。エンコーダ円盤37は送りネジ35の回転とともに回転し、フォトカップラ40は一個の発光部及び2個の受光部から構成され、エンコーダ円盤37によって発光光束を透過したり遮光したりして回転状態を検出できるようになっている。受光された光束は光電変換され、2つのパルス波形信号として後述する電気回路へ入力される。
【0013】
上下駆動部7の下部は、左右駆動部8が配置されており、上下固定フレーム30は、左右可動フレーム41の上に固定され、ガイドレール42a、42bに支えられ左右方向に移動できるようになっている。ガイドレール42a、42bは、上下駆動部7と同じ構造をしており、摩擦なくスムーズに移動できるようになっている。左右可動フレーム41は、雌ねじナット43が接合され、送りネジ44とねじ合わせされている。上下駆動部7と同様にカップリング(不図示)とエンコーダ円盤45と左右モーター46が軸中心を合されて接続されている。エンコーダ円盤45の検出センサーとしてフォトカップラ47も左右固定フレーム48側に配置されている。図4には示されていないが、左右方向に移動できる左右可動フレーム41は、左側端ではリミットスイッチにより移動限界がわかるようになっている。
【0014】
左右駆動部8の下部には、前後駆動部9が配置されている。左右固定フレーム48は前後可動フレーム49に固定されており、前後方向にスムーズに移動できるようになっている。構造は、上下、左右と同様に前後固定フレーム50に配置されたガイドレール51の2本によって前後可動フレームが支えられている。前後可動フレームには雌ねじナット52が固定され、送りネジ53とねじ合わせされ、カップリング54とエンコーダ円盤55が前後モーター56の軸中心で合わされて接続されている。エンコーダ円盤55はフォトカップラ57で回転状態を検出できるようになっている。前後移動においてもリミットスイッチ58によって後方の移動限界がわかるようになっている。
【0015】
図6は電気制御のブロック図を示す。図の中心部に横に伸びる線Lはバスラインであり、デジタルの制御信号が通過する。そのバスラインLには、システム全体の制御をつかさどる中央演算処理60(以下CPU)、画像メモリ61、画像をデジタル信号に変換する画像取り込装置62、デジタル信号から所定の画像を生成する画像発生装置63、検者が操作する操作スイッチパネル4、全てのLEDのオン・オフや光量を調整できるLED制御ドライバ65、検眼に必要な各種センサーの信号をデジタル変換するAD変換器66、測定部を上下左右前後に移動させる駆動モーター38、46、55やソレノイド20を駆動させるためのアクチュエータドライバ67、プリンターを駆動させるプリンタードライバ68、駆動部の累計移動量を記憶するメモリ69と接続されている。また、バスラインLにはフォトカップラ40、47、56からの信号が送られる位置検知回路70のデジタル信号が入力できるようになっている。また、71は、フロッピー(登録商標)ディスクドライブやインターフェースボードなど外部へデータを出力するためのインターフェースである。画像表示装置63と表示装置1の間には画像合成装置71が配置されている。これは撮像素子19で得られた観察像と、測定値や各種設定画面の色や文字やアライメントの目安となる指標図形を合成させるものである。
【0016】
このような構成において眼圧測定は次のように行われる。図7は、被検眼の測定を始める時の表示装置1の状態を示す。図7(a)は被検眼は測定部の光軸と被検眼角膜中心を通る視軸が一致していないのでLED光源の角膜反射像は映っていない。したがってこの状態で操作スイッチパネル4の測定開始スイッチ4bを押すと、まず装置は被検眼Eの瞳孔検出する制御を行う。瞬間的に前眼照明27a、27bの光量を上げ、より瞳孔部がはっきりした時の撮像素子19に映された映像を画像取り込装置62に取り込まれ、取り込まれた画像はAD変換され画像メモリ61に記憶される。瞳孔相当の大きさの暗い部分を検出し、次にその瞳孔部分の中心座標がCPU60によって算出される。瞳孔位置が算出されると、瞳孔中心を測定部の光軸に合わせるように上下、左右の駆動部8が制御される。ほぼ被検眼が検眼部6の光軸に合わされると角膜反射像の2つの輝点が撮像される。この3つの輝点も瞳孔と同様に画像取り込装置62で瞬時の画像が記憶され、得られた画像は画像メモリ61に記憶され、CPU60にとって輝点の抽出とその位置が検出される。2つの輝点が予め決められた所定エリアに入るように上下、左右、前後駆動部7、8、9を制御させる。この制御で適正位置にアライメントされると自動的に眼圧測定を行うようになっている。ソレノイド20が駆動され空気が被検眼Eに向けて噴射され、所定角膜変形前後の空気室13内の圧力データを圧力センサー28で検出し記憶し、所定変形時の圧力値から眼圧値を換算する関数プログラムを介して測定値が求められる。
【0017】
このような眼圧測定装置での光源の発光光量は下記のようにして測定する。図8は、その光学図を示し、符号が図3と同じものは、同じ部材を示す。図8において、80は、検眼部6の光学対物部の防塵用キャップである。キャップ80の内側の面は、略被検眼が眼圧測定する際の所定変形状態に相当する曲率で形成され、近赤外光を反射するようにコーティングされている。眼圧測定装置の操作スイッチパネル4の選択設定スイッチ4cを操作し、各種検眼の設定画面から予めプログラムが内蔵されているメンテナンスモードに入る。各種メンテナンス項目の中で測定光源22の発光光量検査のモードに入る(図9(a))。発光光量検査モードでは、検査手順にしたがって検査を進める。まず『対物部にキャップを付けてください。』のメッセージに応じてキャップを装着し、『OK』を選択入力すると『測定開始』及び『キャンセル』の選択入力が表示され、『測定開始』を選択入力すると、所定時間の間に測定光源が発光する(図9(b))。測定光源22で発光された光束はノズル12の中を通ってキャップ80に照射されその反射光は対物レンズ11を通って、変形検出光学系の受光素子26へ入射される。入射された光は、光電変換され、電気信号としてAD変換器66に入力されデジタルデータに変換されメモリ69に記憶される。この場合は、眼圧計の使用者が、通常検査終了時に使用するキャップを使って検査できるので、使用者が操作できるセットモードにメンテナンスモードを組み込むことで、日常検査できるようになっている。そして得られた光量データの最大値が所定値より下回ったかどうかCPU60で判断され、下回った場合、表示装置1に検査結果として『測定光源装置が不足しています。サービスマンを呼んでください。』などのメッセージを表示するようになっている。また、所定値以上であれば『測定光源光量は正常です。』のメッセージを表示するようになっている。上述は眼圧計の測定光源として説明したが、眼屈折計及びケラト測定機の測定光源や眼底カメラの観察光源及び撮影光源であっても良い。
【0018】
次にサービスマンが検査する際の検査項目の一例としてレンズ汚れ検査がある。これは比較的レンズの汚れがつきやすい対物レンズ10、11やピストン21で送られる空気が接する光学部品の汚れをチェックするものである。メンテナンス作業の効率を上げるため対物部にレンズ汚れ検査用の光源工具を装着して検査するものである。図10は、その光学図を示し、81は光源工具であり、符号が図3と同じものは、同じ部材を示す。光源工具81には検眼部6に内蔵された撮像素子19及び受光素子26の受光波長を含んだ光源82と光束全域が検査できるよう拡散板83と透過チャート84を備えた工具であり、予め光量は規定値に調整されている。サービスマン用のメンテナンスモードに入り、レンズ汚れチェックモードに入る。メンテナンスモードは予め装置に内蔵されたプログラムに入っており、操作スイッチパネル4から特殊コマンドによって入ることができる。そのレンズ汚れチェックモードで測定開始の選択入力を行うことで、所定時間の間に光源工具81の光源82が点灯し、撮像素子19及び受光素子26に光束が受光される。撮像素子19に受光された光束は光電変換され画像取り込装置62に入力される。そこでAD変換され画像データは画像メモリ61に記録される。一方受光素子26に受光された光束も光電変換され電気信号となってAD変換器66に入力されデジタルデータとしてメモリ69に記録される。撮像素子19から取り込まれる画像は、光源工具81の透過チャート84が図10(b)のような放射状のスリットマスクになっているので、受光エリアのほぼ全域に渡る汚れチェックが行える。各スリットの画像データの光量レベル値はメモリ69に記憶され、撮像されたエリア毎に工場出荷時のレベルと比較され、所定値以上のデータが得られているか判断でき、検査結果を表示装置1に表示する。受光素子26に記録されたデータについても同様に比較され検査結果を表示する。図11はその検査結果の表示画面を示す。85、86は検査測定で得られたデータのAD値(最大値255)であり、87、88は、比較される規格値である。89は規格値を下回ったことを示す反転表示である。85は、図10(b)の放射状スリットの位置に対応したイメージで測定値が表示され、この場合図10(b)の90のスリット側の光量が規格値を満たしていないことが判断され、サービスマンは、その位置に対応した光学部材を清掃すれば良いことがわかる。
【0019】
次に、位置合わせのための駆動部の摩耗劣化を検査するための累計移動距離の検出は下記のように行われる。図4に示した上下、左右、前後駆動部7、8、9が撮像素子19の位置検出を基づき駆動されるオートアライメントの場合やトラックボール2、ローラー3の操作で駆動される場合は、いずれにおいても各モーター軸が回転する場合エンコーダ円盤37、45、55もそれに伴って回転する。フォトカップラ40、47、57の信号は位置検知回路70に入力されるとフィルターを通して、矩形波状のパルス信号に整えられ、パルス波形の位相ずれを検知し、各モーターの正転・逆転の検知をデジタルデータとして出力したり、各モーターの始動開始信号からパルス信号の立ち上がりをカウントし、停止信号の入力までカウントされた総数をデジタルデータとして出力したり、所定時間の立ち上がりパルスをカウントし、その総数をデジタルデータとして出力したりする。それらのデータはメモリ69に記憶され、上下、左右、前後方向の各送りネジ35、44、53のリードピッチから各方向の実際の移動量が換算できる。このようにして位置検知回路70により得られたデータによる移動量は、オートアライメントのひとつの駆動指令毎やトラックボール2やローラー3の1操作毎に行われ、メモリ69上に移動距離が加算され更新される。メモリ69に記録された累計移動距離は、所定値以上になるかどうかCPU60で常に判断される。この累計移動距離が所定値に達するかの判断は、図12のフローチャートで次に詳細に説明する。
【0020】
図12(a)は、トラックボール2及びローラー3による操作で、検眼部6が移動する移動量を駆動部6、7、8のエンコーダ円盤37とフォトカップラ40と位置検知回路70で検出するフローである。検眼部6を被検眼に位置合わせのためトラックボール2とローラー3の操作を行うとCPU60は操作が入ったと図12(a)の『操作部入力判断』工程で判断され、その1回の操作から上述した移動量算出方法に基づいて『操作量算出』工程が行われる。次の『駆動量算出』工程では、操作量から各方向のモーターを駆動する駆動量の演算がCPU60で行われる。その後駆動量がモータードライバ67に送られ、モーター駆動が行われる。これが『駆動量動作』工程である。この1回の駆動量には、モーター種類(どのモーターの制御か)と回転方向と回転速度及び駆動開始及び停止の指令動作がある。その後、位置検知回路70で、駆動量動作どおりの駆動による移動がなされたか確認する『移動量判断』工程が行われ、OKであればその移動量を累計移動距離へ加算する『累計移動距離』工程へ移る。何らかの原因で正しく移動できなかった場合は、『A』に移る。これは例えば駆動部に塵やホコリが溜り送りネジ部に付着しモーター駆動しても動かない場合や、駆動する部分に操作者の手が触れそれが負荷になってモーター駆動ができない場合などが考えられる。『移動量判断』工程では操作量に応じて本来移動すべき移動量に対して、位置検出回路70からの信号を基に実際に移動した量を差し引いて移動ずれ量を算出する。その量が所定値を超えれば『A』に移り、所定値以内であればずれ量をリセットする『移動距離加算』工程に入る。所定値は約1mm程度である。累計移動距離の加算は上述したようにメモリ69に記憶された過去の累計移動距離を書き換えることで行われる。これが『移動距離加算』工程で行われる。次にこの累計移動距離が所定値に達したかどうかを判断する『累計距離判断』工程に移る。ここで所定値に達したと判断されると各駆動部の送りネジ35、44、53と雌ねじナット34、43、52に塗布されたグリスが切れる目安の距離に達したことを意味する。所定値未満であれば、位置合わせの一回の操作が終了し、次の操作入力もしくはオートアライメント開始の入力の待機状態になる。
【0021】
このようにしてトラックボール2とローラー3の操作の繰り返し図7(a)のような表示画面を得る。被検眼は測定部の光軸と被検眼角膜中心を通る視軸が一致していないのでLED光源の角膜反射像は映っていない。
【0022】
次に図12(b)について説明する。操作部の操作で被検眼が図7(a)のように映ると操作スイッチパネル4の測定開始スイッチ4bを押すことで図12(b)の『A・A動作開始入力判断』工程に入る。位置合わせの制御はまず、被検眼Eの瞳孔検出する制御を行う。瞬間的に前眼照明27a、27bの光量を上げ、より瞳孔部がはっきりした時の撮像素子19に映された映像を画像取り込装置62に取り込まれ、取り込まれた画像はAD変換され画像メモリ61に記憶される。瞳孔相当の大きさの暗い部分を検出し、次にその瞳孔部分の中心座標がCPU60によって算出される。これが『A・A動作開始入力判断』と『位置検出処理』工程である。位置検出処理は、後述するがこの瞳孔の検出だけでなく角膜反射像の輝点による位置検出処理もある。位置検出処理工程で得られた位置ずれは、モーターを駆動させる駆動量を『駆動量算出』工程で算出し、『駆動量動作』工程でモータードライバ68へ駆動量が送られ、モーター駆動動作が行われる。操作部の操作工程と同様に1回の位置ずれ検出による移動が正しく行われたかを判断する『移動量判断』工程で、正しい移動量で移動されない場合は、『A』へ移る。もし正しい移動量で移動されていればその移動量を累計移動距離へ加算する工程へ移る。これも上述した操作部の操作時と同様に所定値に達するか否かで判断される。累計移動距離の加算は上述したように『移動距離加算』工程でメモリ69に記憶された過去の累計移動距離を書き換え、次にこの累計移動距離が所定値に達したかどうかを判断する『累計距離判断』工程に移る。所定値に達したと判断されると『C』へ移る。所定値未満であれば、オートアライメントによる被検眼と検眼部6の相対位置合わせが適正範囲に入ったかどうかを判断する『アライメント判断』工程に入る。適正範囲に位置合わせされていなければ、一回のオートアライメント動作が終了し、次のオートアライメント動作のための『位置検出処理』の工程に移る。オートアライメント動作で図7(b)のように被検眼に検眼部6の光軸に概略位置合わせされると、角膜の反射像によるアライメント輝点が映り、『位置検出処理』工程でも検出されるアライメント輝点を基に位置合わせが行われる。これも瞳孔検出のオートアライメント動作のフローにしたがって繰り返される。もし『アライメント判断』工程で適正範囲に位置合わせされれば『検眼動作』工程に移る。ここでは眼圧測定を開始する。ソレノイド20が駆動され空気が被検眼Eに向けて噴射され、所定角膜変形前後の空気室13内の圧力データを圧力センサー28で検出し記憶し、所定変形時の圧力値から眼圧値を換算する関数プログラムを介して測定値が求められる。
【0023】
上述した実施例では一回の駆動動作を加算することしか説明しなかったが、操作部の操作やオートアライメントの動作を繰り返すことで目的の位置に検眼部6を移動でき、一回のアライメント動作の合計移動量を加算することになる。図12(b)のフローチャートではこの『検眼動作』工程終了後は『待機状態』に入るが、これは次の操作部の入力か、オートアライメント動作開始入力か、被検眼が入れ替わることでのプリンター印字入力あるいはデータ転送か、左右眼切換の動作入力か、あるいは全て終了し電源OFFか、などいろいろな状態への待機状態となる。また、上述した『移動距離加算』工程では、オートアライメントで位置合わせが完了し、測定動作を行うと信号とともにメモリ69の測定回数記憶エリアのカウントアップを行うことで、累計測定回数や各測定毎の累計移動距離も算出できる。また左右どちらの眼を測定しているかも位置検出回路70とリミットセンサーの信号により左右方向の絶対位置が判断できるので累計測定眼数や被検眼毎の累計移動距離も算出でき、プリンター印字開始入力などの被検者が変わる際に行う操作や制御を基に累計被検者数や被検者毎の累計移動距離も算出できる。したがって、メモリ69には単なるエラー情報だけでなく、使用頻度の情報も記憶されることになる。
【0024】
図12(a)、(b)のフローチャートで『A』へ移った場合について説明する。図12(c)にそのフローチャートが示される。『A』に移ると『駆動部に異常あり』とエラー表示が表示装置1になされ、操作者に装置の異常を警報する(『エラー表示』工程)。次の『リセット動作判断』工程では、たまたま故意又は事故的に駆動部の動作が阻止された場合は、リセット動作を行うことでもとの状態に復帰できる。これはいずれかのスイッチ操作でリセット動作を行い、復帰できるようになっている(i=1)。リセット動作の入力有りと判断されると電源ON時に行われる駆動部動作チェックの初期位置駆動動作の工程を行う。ここで再び『絶対位置判断』工程でエラーとなると、再度『A』に移りエラー表示の警報がなされる。リセット動作後の『絶対位置判断』工程でエラーとなると、たまたま故意又は事故的に駆動部の動作が阻止された場合でなく、駆動部の移動機構に不具合があると『リセット動作判断』工程で判断され(i=2)、サービスマンコールの表示を行う『サービスマンコール表示』工程に移る。そこで操作者はサービスマンの連絡先を確認し、電源がオフされるまでその状態が維持される。『リセット動作判断』工程での通過回数は電源ONの初期化でリセットされる(i=0)。
【0025】
上述したフローの実施例では、累計移動距離が所定値になるとすぐにサービスマンコール表示となり、使用停止状態になったが、所定値を2段階に分けることで、注意表示を行うこともできる。この場合は、内蔵された時計による最新の所定期間内の仕様頻度(所定期間内の移動距離の総和)を算出し、例えば『グリス注油が必要です。サービスマンによるメンテナンスを10日以内に行ってください。』などの表示を行うとよい。それでも使用続けると、上述と同様にサービスマンコール表示と共に使用できなくなる。このように事前に注意警告指示することで、検査の途中で使えなくならず、操作者が都合の良い時間にサービスマンがメンテナンスを行うことができ便利である。
【0026】
また、メンテナンスモードでの検査時の日時及び環境温度を計測し記憶できるようになっている。図13は図6の電気制御ブロック図の一部を変更したものである。AD変換器66′は、受光素子26、圧力センサー28の他に、温度センサー100と接続されている。温度センサーは、装置の熱源例えばモーターや電源部から離れた場所に内蔵し、メンテナンス検査時に環境温度を記録するようになっている。日時は、検眼時のデータとして計測されるCPU60に内蔵された時計101によりデータが送られ記憶できるようになっている。
【0027】
メモリに記録された上述した、測定光源光量データ、レンズ汚れチェックデータ、累計移動距離データ、及び日時、温度のデータは、メンテナンスモードの外部記憶媒体に保存するモードで記録できるようになっている。外部記憶媒体として例えばフロッピー(登録商標)ディスクなどの磁気記憶媒体や半導体メモリーカードや光磁気による記録媒体などが使える。図14は、フロッピー(登録商標)ディスクを使った場合の電気制御ブロック図であり、図6の一部のみが描かれている。符号が同じデバイスは、同じものを示す。バスラインLにフロッピー(登録商標)ディスクドライブ102が接続され、フロッピー(登録商標)ディスク103が挿入された場合、メモリ69に記憶された測定光源光量データ、レンズ汚れチェックデータ、累計移動距離データ、及び日時、温度のデータを記録できるようになっている。操作手順は図15の表示画面に添って説明する。操作パネルスイッチ4の入力キーの特別な操作で、メンテナンスモードに入る。サービスマンのID No.及びパスワードの入力をスイッチパネルで行うとメンテナンスモードで行う設定画面が表示装置1に表示される。ここで『4.外部デバイスへの出力』をトラックボール2でカーソル操作して選択し(反転表示)、次へを選択すると、図15(c)の画面になる。そこで転送に必要なデータだけを選択し、『転送』を選択入力すると、メモリ69の選択されたデータとそれに付随する日時、温度のデータがフロッピー(登録商標)ディスクに記録される。もし『全データ』を選択すると、メモリ69に記憶されたデータを全て記録するようになっている。データが記憶されたフロッピー(登録商標)ディスクは、外部パソコン104に挿入し、予めインストールされたメンテナンスデータ解析ソフトを起動して、そのデータを表示したり、解析したりできる。
【0028】
また、装置の外部出力端子から上述したデータを外部パソコンに送信することもできる。
【0029】
図16は、外部パソコンに送信する場合の電気制御ブロック図であり、図6の一部のみが描かれている。符号が同じデバイスは、同じものを示す。バスラインLにインターフェース回路105が接続され、通信ケーブルを使って外部パソコン105が接続されている。メモリ69に記憶された測定光源光量データ、レンズ汚れチェックデータ、累計移動距離データ、及び日時、温度のデータを送信できるようになっている。パソコンへのデータ転送の操作手順は、眼科装置の外部出力端子とパソコンの外部出力端子をケーブルで接続した後、転送フォーマットを合わせる設定を行ってから、上述と同様にメンテナンスモードから転送できるようになっている。
【0030】
このように外部記録媒体にデータを記録したり外部パソコンにデータを送信することは、必要最小限のデータを扱うことで、眼科装置本体のメモリやメンテナンスモードのプログラムを記憶するROMの領域を少なくできる。装置本体だけでメンテナンスモードを構成するとメンテナンスモードの表示画面の情報や装置から得られたデータを加工して解析するためのプログラムも必要となる。これは、通常の使用者による検眼には不要なものである。できるだけメンテナンスモードをわかりやすくしかも多くの情報をサービスマンに呈示するためには、容量の大きいメンテナンスプログラムとなる。したがって外部パソコンによるデータ解析は有効である。また、このように眼科装置以外でデータを解析することは、ある程度時間のかかる解析を外部処理能力の高いパソコンで行え効率が良い。また、個々の眼科装置のデータを蓄積でき、眼科装置の品質向上の重要な情報になり得る。
【0031】
次に、眼科装置にモデムを内蔵し、電話回線でメンテナンスに関する情報を送信する変形例を説明する。図17は、その電気制御ブロック図であり、図6の一部のみが描かれている。符号が同じデバイスは、同じものを示す。バスラインLにモデム107が接続され、メモリ69に記憶された測定光源光量データ、レンズ汚れチェックデータ、累計移動距離データ、及び日時、温度のデータを送信できるようになっている。パソコンへのデータ転送の操作手順は、眼科装置のモデム106と電話回線を接続した後、操作スイッチパネル4から電話番号を入力し、電話を掛け、通信がつながる状態に設定を行ってから、上述と同様にメンテナンスモードから転送できるようになっている。このように電話回線を使うことで遠隔地で眼科装置が使われた場合の使用頻度やデバイスの劣化状況が把握できる。
【0032】
また、眼科装置のシステムソフトに電話番号を登録する設定を設け、上述した装置の異常を画面表示だけでなく、オートダイヤルで電話をかけ、メーカーのサービス部門に異常情報を警報することもできる。さらに、装置の設置時に、特定の電話番号から電話がかかってきたら、眼科装置の内部のデータやソフトを操作できる環境にすることで、電話回線を利用した外部パソコンからの操作によって情報を引き出せることもできる。例えば、定期的に眼科装置の使用頻度やデバイスの劣化状況のデータを吸い上げたり、システムソフトのバージョンアップなども行えるようになっている。
【0033】
上述したデバイスの劣化データとして、この他に液晶ディスプレイのバックライトユニットに光量検知デバイスを内蔵し、点灯所定時間の光量落ちを検出し、所定値以下になれば、バックライトユニットの交換を知らせるデータも追加できる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、眼科装置の使用頻度や劣化に関するデータを外部記憶媒体に記憶したり、外部に送信したりすることで、眼科装置のメンテナンスプログラムの容量を軽減し、記憶領域を縮小できたり、ある程度時間のかかる解析を外部処理能力の高いパソコンで行え効率が良い。また、個々の眼科装置のデータを蓄積でき、眼科装置の品質向上の重要な情報になり得る。電話回線を使うことで遠隔地での使用頻度やデバイスの劣化状況や異常警報が把握できたり、定期的に眼科装置の使用頻度やデバイスの劣化状況のデータを吸い上げたり、システムソフトのバージョンアップが行え、眼科装置に対するメンテナンスを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】眼科装置の外観図
【図2】眼科装置の内部構成図
【図3】眼圧計の光学図
【図4】駆動部の詳細図
【図5】エンコーダ及びフォトカップラの説明図
【図6】電気制御ブロック図
【図7】アライメント時の表示画面の代表図
【図8】実施例の光学図説明図
【図9】メンテナンスモード画面の説明図
【図10】実施例の光学図説明図
【図11】メンテナンスモード画面の説明図
【図12】フローチャート図
【図13】電気制御ブロック図
【図14】電気制御ブロック図
【図15】メンテナンスモード画面の説明図
【図16】電気制御ブロック図
【図17】電気制御ブロック図
【符号の説明】
1 表示装置
6 検眼部
7 上下駆動部
8 左右駆動部
9 前後駆動部
19 撮像素子
20 ソレノイド
35、46、56 モーター
37 エンコーダ円盤
40 フォトカップラ
60 CPU
69 メモリ
70 位置検知回路
71 インターフェース
80 キャップ
81 測定光源工具
101 時計
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検眼に検眼部を位置合わせする眼科装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
被検眼を検眼する検眼部を可動台の上に配置し、可動台に設けられた操作かんを操作し、固定台に対して、検眼部を被検眼に位置合わせする手動タイプの眼科装置や、装置内に被検眼の位置を検出する位置検出手段と、装置の一部を上下、左右、前後方向又はその何れかの方向に移動するための駆動手段とを有し、位置検出手段からの位置情報に基づいて駆動手段を駆動して自動的に位置合わせをする自動タイプ装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
測定光源の劣化は特殊な計測機器が必要であり、サービスマン全体に準備することが難しかった。また、レンズ汚れチェックはサービスマンが目視で調べており、作業に手間がかかっていた。さらに手動タイプの眼科装置では、操作者が使っているうちに可動台の移動の際に手に違和感を感じ、位置合わせがしずらくなると装置の異常を発見できた。自動タイプの眼科装置では、手動に比べ突然異常が発生し、位置合わせができなくなることが往々にしてあり、操作者は急に検査ができなく診療に不具合を生じる。
【0004】
また、眼圧計や眼底カメラの場合、使用する環境がことなり、ある場合は使用頻度の少ない開業医であったり、ある場合は、一日に多くの人を検眼する集団検診であったり、またある場合はサービスメンテナンスの届きにくい遠隔地であったりする。眼屈折計においても比較的頻度の多い眼科病院や眼鏡店と、そうでない眼科病院や眼鏡店があり、定期的なメンテナンスでは対応できない問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため本発明は、装置を操作する者に装置の異常をすぐに適切に知らせ、かつ定期的なメンテナンスを効率良く行い、またメンテナンス情報を蓄積し、品質向上のための重要なデータとすることを目的とするものである。そのために、被検眼の眼情報を光学系を介して入手する検眼手段と、該検眼手段を被検眼に対して位置合わせするための位置合わせ手段と、前記検眼手段で得られた眼情報を表示する眼科装置において、前記検眼手段と前記位置合わせ手段のいずれかのデバイスの劣化又は使用頻度の情報を検出する情報検出手段と、該情報検出手段の情報を記録媒体に記録し送信する記録送信手段を有することを特徴とする眼科装置を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の眼科装置の外観図である。検者が操作する面には測定値や被検眼像などの表示や各種装置の設定を選択する表示装置1と、その表示画面を操作するトラックボール2とローラー3と、プリンター印字スイッチ4aや測定開始スイッチ4bや選択設定スイッチ4cなどが配置された操作スイッチパネル4とプリンター5が配置されている。操作スイッチパネル4は図1(a)に示す。被検者はこの検者が操作する面と反対側にある顔受け部(不図示)に顔をのせ、測定部の対物部の前に被検眼を置くことで測定可能となる。
【0007】
図2は、測定装置上部の内部を簡単に示した図である。検眼部6は被検眼側に対物部6aが配置され、検眼部6を上下方向に移動させるための上下駆動部7と接合されており、測定部を約30mm上下方向に移動できるようになっている。上下駆動部7は左右駆動部8の上で接合され、検眼部6を含め上下駆動部7を左右方向に約90mm移動できるようになっている。また、左右駆動部8は前後駆動部9の上に接合され、検眼部6及び上下、左右駆動部7、8を前後方向に約40mm移動できるようになっている。したがって検眼部6は被検眼に対して3次元方向に移動でき、子供から大人までの被検者を顔受け部に顔を載せただけで位置合わせできる構造になっている。
【0008】
図3は検眼部6の内部の構成を示したものである。これは眼圧計の測定部を示したものであるが、眼屈折測定や角膜曲率測定や眼底カメラでもなんら問題無い。
【0009】
被検眼Eに対向して対物レンズ10と対物レンズ11の中心軸上にノズル12が配置され、被検眼Eとは反対側に空気室13、観察窓14、ダイクロミラー15、16、プリズム絞り17、結像レンズ18、撮像素子19の順に配置されている。これは被検眼の観察光学系の受光用光路及びアライメント検出用光路になっている。空気室13内の空気はソレノイド20の駆動により押し上げられるピストン21によって圧縮されパルス状の空気がノズル12を介して被検眼Eに噴出するようになっている。ダイクロミラー15の反射方向には、測定及びアライメントの兼用LED光源22と投影レンズ23が配置されている。投影されるLED光源22の光束は細い光束でノズル12内で一度結像され、被検眼Eの角膜に照射され、角膜での反射光束はノズル12の外側の対物レンズ10、11を通るようになっている。ダイクロミラー16の反射方向には、被検眼Eの角膜がパルス状に発せられた空気によって視軸方向に変形する時の変形検出受光光学系が配置されている。ダイクロミラー15の一部を透過する角膜反射光束は、レンズ24によって所定変形時にアパーチャ25とほぼ同等の大きさの角膜反射像を結像するように設計され、受光光束は受光素子26によって光電変換された電気信号に変換される。図は省略したが、測定及びアライメント兼用光源LED22の投影側の光路の光源LED22と投影レンズ23の間にダイクロミラーを挿入し、固視灯投影光系も構成されている。さらに前眼部の照明する前眼照明27a、27bが、対物レンズ10の上下に配置されている。また、ソレノイド20によってピストン21が押し上げられた時の空気室13内の圧力をモニターするための圧力センサー28が配置されている。
【0010】
被検眼のアライメント検出は、前眼照明27a、27bで照明された映像を撮像素子19で受光され、瞳孔検出して上下左右方向の粗アライメント検出が行われる。ほぼ被検眼Eと対物レンズ10の位置が合わされると、LED光源22の角膜反射像の光束は、ダイクロミラー16をも一部透過し、このLED光源22の波長のみ透過する2つのプリズムと中心の開口部を抜けた光束は、結像レンズ18によって集光され、輝点として撮像素子19に結像される。図3(a)はこのプリズムの形状が示されており、上下方向に3つの開口部があり、そのうち上下の2ケ所の開口部は図のような楔型のプリズムが、互い違いに配置されている。このプリズムは、測定LED22の光源の角膜反射光束が通ることによって左右方向にずらすように作用し、撮像素子に映される輝点像が被検眼と測定部の作動距離方向のずれによって上下にずれることになる。また、これらの3つの輝点は、被検眼Eと測定部の光軸Oとの偏心ずれも確認できる。このようにアライメントずれにより、輝点像がずれるので予めアライメントが適正である輝点像の位置に装置を被検眼に対して移動させる事でアライメントが完了する。
【0011】
図4は、検眼部6を被検眼に位置合わせするための駆動部を詳細に示した図である。上下駆動部7には上下固定フレーム30に2組みのガイドレール31a、31bが配置され、この内側に上下可動フレーム33が矢印Aのように上下方向に移動できるようになっている。ガイドレール31a、31bは鋼球が内蔵され、レールが移動する際に回転しながら永久にガイドレール内を移動できるようになっている。したがって、上下可動フレーム33が上下方向に移動する際は、摩擦が少なくスムーズに約30mm程度の範囲で移動できるようになっている。上下可動フレーム33には雌ねじナット34が固定され、送りネジ35とネジ合わせされている。上下可動フレーム33は検眼部6とも接合され、検眼部6を上下方向に昇降できるようになっている。送りネジ35の軸端にはカップリング36とエンコーダ円盤37と上下モーター38が軸中心に合されて接続されている。また、上下固定フレーム30にはリミットスイッチ39が固定され、上下可動フレーム33が最下点に降りた時、スイッチがオンされるようになっている。
【0012】
図5は、エンコーダ円盤37とその回転を検出するフォトカップラ40の平面及び側面部分図である。エンコーダ円盤37は送りネジ35の回転とともに回転し、フォトカップラ40は一個の発光部及び2個の受光部から構成され、エンコーダ円盤37によって発光光束を透過したり遮光したりして回転状態を検出できるようになっている。受光された光束は光電変換され、2つのパルス波形信号として後述する電気回路へ入力される。
【0013】
上下駆動部7の下部は、左右駆動部8が配置されており、上下固定フレーム30は、左右可動フレーム41の上に固定され、ガイドレール42a、42bに支えられ左右方向に移動できるようになっている。ガイドレール42a、42bは、上下駆動部7と同じ構造をしており、摩擦なくスムーズに移動できるようになっている。左右可動フレーム41は、雌ねじナット43が接合され、送りネジ44とねじ合わせされている。上下駆動部7と同様にカップリング(不図示)とエンコーダ円盤45と左右モーター46が軸中心を合されて接続されている。エンコーダ円盤45の検出センサーとしてフォトカップラ47も左右固定フレーム48側に配置されている。図4には示されていないが、左右方向に移動できる左右可動フレーム41は、左側端ではリミットスイッチにより移動限界がわかるようになっている。
【0014】
左右駆動部8の下部には、前後駆動部9が配置されている。左右固定フレーム48は前後可動フレーム49に固定されており、前後方向にスムーズに移動できるようになっている。構造は、上下、左右と同様に前後固定フレーム50に配置されたガイドレール51の2本によって前後可動フレームが支えられている。前後可動フレームには雌ねじナット52が固定され、送りネジ53とねじ合わせされ、カップリング54とエンコーダ円盤55が前後モーター56の軸中心で合わされて接続されている。エンコーダ円盤55はフォトカップラ57で回転状態を検出できるようになっている。前後移動においてもリミットスイッチ58によって後方の移動限界がわかるようになっている。
【0015】
図6は電気制御のブロック図を示す。図の中心部に横に伸びる線Lはバスラインであり、デジタルの制御信号が通過する。そのバスラインLには、システム全体の制御をつかさどる中央演算処理60(以下CPU)、画像メモリ61、画像をデジタル信号に変換する画像取り込装置62、デジタル信号から所定の画像を生成する画像発生装置63、検者が操作する操作スイッチパネル4、全てのLEDのオン・オフや光量を調整できるLED制御ドライバ65、検眼に必要な各種センサーの信号をデジタル変換するAD変換器66、測定部を上下左右前後に移動させる駆動モーター38、46、55やソレノイド20を駆動させるためのアクチュエータドライバ67、プリンターを駆動させるプリンタードライバ68、駆動部の累計移動量を記憶するメモリ69と接続されている。また、バスラインLにはフォトカップラ40、47、56からの信号が送られる位置検知回路70のデジタル信号が入力できるようになっている。また、71は、フロッピー(登録商標)ディスクドライブやインターフェースボードなど外部へデータを出力するためのインターフェースである。画像表示装置63と表示装置1の間には画像合成装置71が配置されている。これは撮像素子19で得られた観察像と、測定値や各種設定画面の色や文字やアライメントの目安となる指標図形を合成させるものである。
【0016】
このような構成において眼圧測定は次のように行われる。図7は、被検眼の測定を始める時の表示装置1の状態を示す。図7(a)は被検眼は測定部の光軸と被検眼角膜中心を通る視軸が一致していないのでLED光源の角膜反射像は映っていない。したがってこの状態で操作スイッチパネル4の測定開始スイッチ4bを押すと、まず装置は被検眼Eの瞳孔検出する制御を行う。瞬間的に前眼照明27a、27bの光量を上げ、より瞳孔部がはっきりした時の撮像素子19に映された映像を画像取り込装置62に取り込まれ、取り込まれた画像はAD変換され画像メモリ61に記憶される。瞳孔相当の大きさの暗い部分を検出し、次にその瞳孔部分の中心座標がCPU60によって算出される。瞳孔位置が算出されると、瞳孔中心を測定部の光軸に合わせるように上下、左右の駆動部8が制御される。ほぼ被検眼が検眼部6の光軸に合わされると角膜反射像の2つの輝点が撮像される。この3つの輝点も瞳孔と同様に画像取り込装置62で瞬時の画像が記憶され、得られた画像は画像メモリ61に記憶され、CPU60にとって輝点の抽出とその位置が検出される。2つの輝点が予め決められた所定エリアに入るように上下、左右、前後駆動部7、8、9を制御させる。この制御で適正位置にアライメントされると自動的に眼圧測定を行うようになっている。ソレノイド20が駆動され空気が被検眼Eに向けて噴射され、所定角膜変形前後の空気室13内の圧力データを圧力センサー28で検出し記憶し、所定変形時の圧力値から眼圧値を換算する関数プログラムを介して測定値が求められる。
【0017】
このような眼圧測定装置での光源の発光光量は下記のようにして測定する。図8は、その光学図を示し、符号が図3と同じものは、同じ部材を示す。図8において、80は、検眼部6の光学対物部の防塵用キャップである。キャップ80の内側の面は、略被検眼が眼圧測定する際の所定変形状態に相当する曲率で形成され、近赤外光を反射するようにコーティングされている。眼圧測定装置の操作スイッチパネル4の選択設定スイッチ4cを操作し、各種検眼の設定画面から予めプログラムが内蔵されているメンテナンスモードに入る。各種メンテナンス項目の中で測定光源22の発光光量検査のモードに入る(図9(a))。発光光量検査モードでは、検査手順にしたがって検査を進める。まず『対物部にキャップを付けてください。』のメッセージに応じてキャップを装着し、『OK』を選択入力すると『測定開始』及び『キャンセル』の選択入力が表示され、『測定開始』を選択入力すると、所定時間の間に測定光源が発光する(図9(b))。測定光源22で発光された光束はノズル12の中を通ってキャップ80に照射されその反射光は対物レンズ11を通って、変形検出光学系の受光素子26へ入射される。入射された光は、光電変換され、電気信号としてAD変換器66に入力されデジタルデータに変換されメモリ69に記憶される。この場合は、眼圧計の使用者が、通常検査終了時に使用するキャップを使って検査できるので、使用者が操作できるセットモードにメンテナンスモードを組み込むことで、日常検査できるようになっている。そして得られた光量データの最大値が所定値より下回ったかどうかCPU60で判断され、下回った場合、表示装置1に検査結果として『測定光源装置が不足しています。サービスマンを呼んでください。』などのメッセージを表示するようになっている。また、所定値以上であれば『測定光源光量は正常です。』のメッセージを表示するようになっている。上述は眼圧計の測定光源として説明したが、眼屈折計及びケラト測定機の測定光源や眼底カメラの観察光源及び撮影光源であっても良い。
【0018】
次にサービスマンが検査する際の検査項目の一例としてレンズ汚れ検査がある。これは比較的レンズの汚れがつきやすい対物レンズ10、11やピストン21で送られる空気が接する光学部品の汚れをチェックするものである。メンテナンス作業の効率を上げるため対物部にレンズ汚れ検査用の光源工具を装着して検査するものである。図10は、その光学図を示し、81は光源工具であり、符号が図3と同じものは、同じ部材を示す。光源工具81には検眼部6に内蔵された撮像素子19及び受光素子26の受光波長を含んだ光源82と光束全域が検査できるよう拡散板83と透過チャート84を備えた工具であり、予め光量は規定値に調整されている。サービスマン用のメンテナンスモードに入り、レンズ汚れチェックモードに入る。メンテナンスモードは予め装置に内蔵されたプログラムに入っており、操作スイッチパネル4から特殊コマンドによって入ることができる。そのレンズ汚れチェックモードで測定開始の選択入力を行うことで、所定時間の間に光源工具81の光源82が点灯し、撮像素子19及び受光素子26に光束が受光される。撮像素子19に受光された光束は光電変換され画像取り込装置62に入力される。そこでAD変換され画像データは画像メモリ61に記録される。一方受光素子26に受光された光束も光電変換され電気信号となってAD変換器66に入力されデジタルデータとしてメモリ69に記録される。撮像素子19から取り込まれる画像は、光源工具81の透過チャート84が図10(b)のような放射状のスリットマスクになっているので、受光エリアのほぼ全域に渡る汚れチェックが行える。各スリットの画像データの光量レベル値はメモリ69に記憶され、撮像されたエリア毎に工場出荷時のレベルと比較され、所定値以上のデータが得られているか判断でき、検査結果を表示装置1に表示する。受光素子26に記録されたデータについても同様に比較され検査結果を表示する。図11はその検査結果の表示画面を示す。85、86は検査測定で得られたデータのAD値(最大値255)であり、87、88は、比較される規格値である。89は規格値を下回ったことを示す反転表示である。85は、図10(b)の放射状スリットの位置に対応したイメージで測定値が表示され、この場合図10(b)の90のスリット側の光量が規格値を満たしていないことが判断され、サービスマンは、その位置に対応した光学部材を清掃すれば良いことがわかる。
【0019】
次に、位置合わせのための駆動部の摩耗劣化を検査するための累計移動距離の検出は下記のように行われる。図4に示した上下、左右、前後駆動部7、8、9が撮像素子19の位置検出を基づき駆動されるオートアライメントの場合やトラックボール2、ローラー3の操作で駆動される場合は、いずれにおいても各モーター軸が回転する場合エンコーダ円盤37、45、55もそれに伴って回転する。フォトカップラ40、47、57の信号は位置検知回路70に入力されるとフィルターを通して、矩形波状のパルス信号に整えられ、パルス波形の位相ずれを検知し、各モーターの正転・逆転の検知をデジタルデータとして出力したり、各モーターの始動開始信号からパルス信号の立ち上がりをカウントし、停止信号の入力までカウントされた総数をデジタルデータとして出力したり、所定時間の立ち上がりパルスをカウントし、その総数をデジタルデータとして出力したりする。それらのデータはメモリ69に記憶され、上下、左右、前後方向の各送りネジ35、44、53のリードピッチから各方向の実際の移動量が換算できる。このようにして位置検知回路70により得られたデータによる移動量は、オートアライメントのひとつの駆動指令毎やトラックボール2やローラー3の1操作毎に行われ、メモリ69上に移動距離が加算され更新される。メモリ69に記録された累計移動距離は、所定値以上になるかどうかCPU60で常に判断される。この累計移動距離が所定値に達するかの判断は、図12のフローチャートで次に詳細に説明する。
【0020】
図12(a)は、トラックボール2及びローラー3による操作で、検眼部6が移動する移動量を駆動部6、7、8のエンコーダ円盤37とフォトカップラ40と位置検知回路70で検出するフローである。検眼部6を被検眼に位置合わせのためトラックボール2とローラー3の操作を行うとCPU60は操作が入ったと図12(a)の『操作部入力判断』工程で判断され、その1回の操作から上述した移動量算出方法に基づいて『操作量算出』工程が行われる。次の『駆動量算出』工程では、操作量から各方向のモーターを駆動する駆動量の演算がCPU60で行われる。その後駆動量がモータードライバ67に送られ、モーター駆動が行われる。これが『駆動量動作』工程である。この1回の駆動量には、モーター種類(どのモーターの制御か)と回転方向と回転速度及び駆動開始及び停止の指令動作がある。その後、位置検知回路70で、駆動量動作どおりの駆動による移動がなされたか確認する『移動量判断』工程が行われ、OKであればその移動量を累計移動距離へ加算する『累計移動距離』工程へ移る。何らかの原因で正しく移動できなかった場合は、『A』に移る。これは例えば駆動部に塵やホコリが溜り送りネジ部に付着しモーター駆動しても動かない場合や、駆動する部分に操作者の手が触れそれが負荷になってモーター駆動ができない場合などが考えられる。『移動量判断』工程では操作量に応じて本来移動すべき移動量に対して、位置検出回路70からの信号を基に実際に移動した量を差し引いて移動ずれ量を算出する。その量が所定値を超えれば『A』に移り、所定値以内であればずれ量をリセットする『移動距離加算』工程に入る。所定値は約1mm程度である。累計移動距離の加算は上述したようにメモリ69に記憶された過去の累計移動距離を書き換えることで行われる。これが『移動距離加算』工程で行われる。次にこの累計移動距離が所定値に達したかどうかを判断する『累計距離判断』工程に移る。ここで所定値に達したと判断されると各駆動部の送りネジ35、44、53と雌ねじナット34、43、52に塗布されたグリスが切れる目安の距離に達したことを意味する。所定値未満であれば、位置合わせの一回の操作が終了し、次の操作入力もしくはオートアライメント開始の入力の待機状態になる。
【0021】
このようにしてトラックボール2とローラー3の操作の繰り返し図7(a)のような表示画面を得る。被検眼は測定部の光軸と被検眼角膜中心を通る視軸が一致していないのでLED光源の角膜反射像は映っていない。
【0022】
次に図12(b)について説明する。操作部の操作で被検眼が図7(a)のように映ると操作スイッチパネル4の測定開始スイッチ4bを押すことで図12(b)の『A・A動作開始入力判断』工程に入る。位置合わせの制御はまず、被検眼Eの瞳孔検出する制御を行う。瞬間的に前眼照明27a、27bの光量を上げ、より瞳孔部がはっきりした時の撮像素子19に映された映像を画像取り込装置62に取り込まれ、取り込まれた画像はAD変換され画像メモリ61に記憶される。瞳孔相当の大きさの暗い部分を検出し、次にその瞳孔部分の中心座標がCPU60によって算出される。これが『A・A動作開始入力判断』と『位置検出処理』工程である。位置検出処理は、後述するがこの瞳孔の検出だけでなく角膜反射像の輝点による位置検出処理もある。位置検出処理工程で得られた位置ずれは、モーターを駆動させる駆動量を『駆動量算出』工程で算出し、『駆動量動作』工程でモータードライバ68へ駆動量が送られ、モーター駆動動作が行われる。操作部の操作工程と同様に1回の位置ずれ検出による移動が正しく行われたかを判断する『移動量判断』工程で、正しい移動量で移動されない場合は、『A』へ移る。もし正しい移動量で移動されていればその移動量を累計移動距離へ加算する工程へ移る。これも上述した操作部の操作時と同様に所定値に達するか否かで判断される。累計移動距離の加算は上述したように『移動距離加算』工程でメモリ69に記憶された過去の累計移動距離を書き換え、次にこの累計移動距離が所定値に達したかどうかを判断する『累計距離判断』工程に移る。所定値に達したと判断されると『C』へ移る。所定値未満であれば、オートアライメントによる被検眼と検眼部6の相対位置合わせが適正範囲に入ったかどうかを判断する『アライメント判断』工程に入る。適正範囲に位置合わせされていなければ、一回のオートアライメント動作が終了し、次のオートアライメント動作のための『位置検出処理』の工程に移る。オートアライメント動作で図7(b)のように被検眼に検眼部6の光軸に概略位置合わせされると、角膜の反射像によるアライメント輝点が映り、『位置検出処理』工程でも検出されるアライメント輝点を基に位置合わせが行われる。これも瞳孔検出のオートアライメント動作のフローにしたがって繰り返される。もし『アライメント判断』工程で適正範囲に位置合わせされれば『検眼動作』工程に移る。ここでは眼圧測定を開始する。ソレノイド20が駆動され空気が被検眼Eに向けて噴射され、所定角膜変形前後の空気室13内の圧力データを圧力センサー28で検出し記憶し、所定変形時の圧力値から眼圧値を換算する関数プログラムを介して測定値が求められる。
【0023】
上述した実施例では一回の駆動動作を加算することしか説明しなかったが、操作部の操作やオートアライメントの動作を繰り返すことで目的の位置に検眼部6を移動でき、一回のアライメント動作の合計移動量を加算することになる。図12(b)のフローチャートではこの『検眼動作』工程終了後は『待機状態』に入るが、これは次の操作部の入力か、オートアライメント動作開始入力か、被検眼が入れ替わることでのプリンター印字入力あるいはデータ転送か、左右眼切換の動作入力か、あるいは全て終了し電源OFFか、などいろいろな状態への待機状態となる。また、上述した『移動距離加算』工程では、オートアライメントで位置合わせが完了し、測定動作を行うと信号とともにメモリ69の測定回数記憶エリアのカウントアップを行うことで、累計測定回数や各測定毎の累計移動距離も算出できる。また左右どちらの眼を測定しているかも位置検出回路70とリミットセンサーの信号により左右方向の絶対位置が判断できるので累計測定眼数や被検眼毎の累計移動距離も算出でき、プリンター印字開始入力などの被検者が変わる際に行う操作や制御を基に累計被検者数や被検者毎の累計移動距離も算出できる。したがって、メモリ69には単なるエラー情報だけでなく、使用頻度の情報も記憶されることになる。
【0024】
図12(a)、(b)のフローチャートで『A』へ移った場合について説明する。図12(c)にそのフローチャートが示される。『A』に移ると『駆動部に異常あり』とエラー表示が表示装置1になされ、操作者に装置の異常を警報する(『エラー表示』工程)。次の『リセット動作判断』工程では、たまたま故意又は事故的に駆動部の動作が阻止された場合は、リセット動作を行うことでもとの状態に復帰できる。これはいずれかのスイッチ操作でリセット動作を行い、復帰できるようになっている(i=1)。リセット動作の入力有りと判断されると電源ON時に行われる駆動部動作チェックの初期位置駆動動作の工程を行う。ここで再び『絶対位置判断』工程でエラーとなると、再度『A』に移りエラー表示の警報がなされる。リセット動作後の『絶対位置判断』工程でエラーとなると、たまたま故意又は事故的に駆動部の動作が阻止された場合でなく、駆動部の移動機構に不具合があると『リセット動作判断』工程で判断され(i=2)、サービスマンコールの表示を行う『サービスマンコール表示』工程に移る。そこで操作者はサービスマンの連絡先を確認し、電源がオフされるまでその状態が維持される。『リセット動作判断』工程での通過回数は電源ONの初期化でリセットされる(i=0)。
【0025】
上述したフローの実施例では、累計移動距離が所定値になるとすぐにサービスマンコール表示となり、使用停止状態になったが、所定値を2段階に分けることで、注意表示を行うこともできる。この場合は、内蔵された時計による最新の所定期間内の仕様頻度(所定期間内の移動距離の総和)を算出し、例えば『グリス注油が必要です。サービスマンによるメンテナンスを10日以内に行ってください。』などの表示を行うとよい。それでも使用続けると、上述と同様にサービスマンコール表示と共に使用できなくなる。このように事前に注意警告指示することで、検査の途中で使えなくならず、操作者が都合の良い時間にサービスマンがメンテナンスを行うことができ便利である。
【0026】
また、メンテナンスモードでの検査時の日時及び環境温度を計測し記憶できるようになっている。図13は図6の電気制御ブロック図の一部を変更したものである。AD変換器66′は、受光素子26、圧力センサー28の他に、温度センサー100と接続されている。温度センサーは、装置の熱源例えばモーターや電源部から離れた場所に内蔵し、メンテナンス検査時に環境温度を記録するようになっている。日時は、検眼時のデータとして計測されるCPU60に内蔵された時計101によりデータが送られ記憶できるようになっている。
【0027】
メモリに記録された上述した、測定光源光量データ、レンズ汚れチェックデータ、累計移動距離データ、及び日時、温度のデータは、メンテナンスモードの外部記憶媒体に保存するモードで記録できるようになっている。外部記憶媒体として例えばフロッピー(登録商標)ディスクなどの磁気記憶媒体や半導体メモリーカードや光磁気による記録媒体などが使える。図14は、フロッピー(登録商標)ディスクを使った場合の電気制御ブロック図であり、図6の一部のみが描かれている。符号が同じデバイスは、同じものを示す。バスラインLにフロッピー(登録商標)ディスクドライブ102が接続され、フロッピー(登録商標)ディスク103が挿入された場合、メモリ69に記憶された測定光源光量データ、レンズ汚れチェックデータ、累計移動距離データ、及び日時、温度のデータを記録できるようになっている。操作手順は図15の表示画面に添って説明する。操作パネルスイッチ4の入力キーの特別な操作で、メンテナンスモードに入る。サービスマンのID No.及びパスワードの入力をスイッチパネルで行うとメンテナンスモードで行う設定画面が表示装置1に表示される。ここで『4.外部デバイスへの出力』をトラックボール2でカーソル操作して選択し(反転表示)、次へを選択すると、図15(c)の画面になる。そこで転送に必要なデータだけを選択し、『転送』を選択入力すると、メモリ69の選択されたデータとそれに付随する日時、温度のデータがフロッピー(登録商標)ディスクに記録される。もし『全データ』を選択すると、メモリ69に記憶されたデータを全て記録するようになっている。データが記憶されたフロッピー(登録商標)ディスクは、外部パソコン104に挿入し、予めインストールされたメンテナンスデータ解析ソフトを起動して、そのデータを表示したり、解析したりできる。
【0028】
また、装置の外部出力端子から上述したデータを外部パソコンに送信することもできる。
【0029】
図16は、外部パソコンに送信する場合の電気制御ブロック図であり、図6の一部のみが描かれている。符号が同じデバイスは、同じものを示す。バスラインLにインターフェース回路105が接続され、通信ケーブルを使って外部パソコン105が接続されている。メモリ69に記憶された測定光源光量データ、レンズ汚れチェックデータ、累計移動距離データ、及び日時、温度のデータを送信できるようになっている。パソコンへのデータ転送の操作手順は、眼科装置の外部出力端子とパソコンの外部出力端子をケーブルで接続した後、転送フォーマットを合わせる設定を行ってから、上述と同様にメンテナンスモードから転送できるようになっている。
【0030】
このように外部記録媒体にデータを記録したり外部パソコンにデータを送信することは、必要最小限のデータを扱うことで、眼科装置本体のメモリやメンテナンスモードのプログラムを記憶するROMの領域を少なくできる。装置本体だけでメンテナンスモードを構成するとメンテナンスモードの表示画面の情報や装置から得られたデータを加工して解析するためのプログラムも必要となる。これは、通常の使用者による検眼には不要なものである。できるだけメンテナンスモードをわかりやすくしかも多くの情報をサービスマンに呈示するためには、容量の大きいメンテナンスプログラムとなる。したがって外部パソコンによるデータ解析は有効である。また、このように眼科装置以外でデータを解析することは、ある程度時間のかかる解析を外部処理能力の高いパソコンで行え効率が良い。また、個々の眼科装置のデータを蓄積でき、眼科装置の品質向上の重要な情報になり得る。
【0031】
次に、眼科装置にモデムを内蔵し、電話回線でメンテナンスに関する情報を送信する変形例を説明する。図17は、その電気制御ブロック図であり、図6の一部のみが描かれている。符号が同じデバイスは、同じものを示す。バスラインLにモデム107が接続され、メモリ69に記憶された測定光源光量データ、レンズ汚れチェックデータ、累計移動距離データ、及び日時、温度のデータを送信できるようになっている。パソコンへのデータ転送の操作手順は、眼科装置のモデム106と電話回線を接続した後、操作スイッチパネル4から電話番号を入力し、電話を掛け、通信がつながる状態に設定を行ってから、上述と同様にメンテナンスモードから転送できるようになっている。このように電話回線を使うことで遠隔地で眼科装置が使われた場合の使用頻度やデバイスの劣化状況が把握できる。
【0032】
また、眼科装置のシステムソフトに電話番号を登録する設定を設け、上述した装置の異常を画面表示だけでなく、オートダイヤルで電話をかけ、メーカーのサービス部門に異常情報を警報することもできる。さらに、装置の設置時に、特定の電話番号から電話がかかってきたら、眼科装置の内部のデータやソフトを操作できる環境にすることで、電話回線を利用した外部パソコンからの操作によって情報を引き出せることもできる。例えば、定期的に眼科装置の使用頻度やデバイスの劣化状況のデータを吸い上げたり、システムソフトのバージョンアップなども行えるようになっている。
【0033】
上述したデバイスの劣化データとして、この他に液晶ディスプレイのバックライトユニットに光量検知デバイスを内蔵し、点灯所定時間の光量落ちを検出し、所定値以下になれば、バックライトユニットの交換を知らせるデータも追加できる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、眼科装置の使用頻度や劣化に関するデータを外部記憶媒体に記憶したり、外部に送信したりすることで、眼科装置のメンテナンスプログラムの容量を軽減し、記憶領域を縮小できたり、ある程度時間のかかる解析を外部処理能力の高いパソコンで行え効率が良い。また、個々の眼科装置のデータを蓄積でき、眼科装置の品質向上の重要な情報になり得る。電話回線を使うことで遠隔地での使用頻度やデバイスの劣化状況や異常警報が把握できたり、定期的に眼科装置の使用頻度やデバイスの劣化状況のデータを吸い上げたり、システムソフトのバージョンアップが行え、眼科装置に対するメンテナンスを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】眼科装置の外観図
【図2】眼科装置の内部構成図
【図3】眼圧計の光学図
【図4】駆動部の詳細図
【図5】エンコーダ及びフォトカップラの説明図
【図6】電気制御ブロック図
【図7】アライメント時の表示画面の代表図
【図8】実施例の光学図説明図
【図9】メンテナンスモード画面の説明図
【図10】実施例の光学図説明図
【図11】メンテナンスモード画面の説明図
【図12】フローチャート図
【図13】電気制御ブロック図
【図14】電気制御ブロック図
【図15】メンテナンスモード画面の説明図
【図16】電気制御ブロック図
【図17】電気制御ブロック図
【符号の説明】
1 表示装置
6 検眼部
7 上下駆動部
8 左右駆動部
9 前後駆動部
19 撮像素子
20 ソレノイド
35、46、56 モーター
37 エンコーダ円盤
40 フォトカップラ
60 CPU
69 メモリ
70 位置検知回路
71 インターフェース
80 キャップ
81 測定光源工具
101 時計
Claims (3)
- 被検眼の眼情報を光学系を介して入手する検眼手段と、該検眼手段を被検眼に対して位置合わせするための位置合わせ手段と、前記検眼手段で得られた眼情報を表示する眼科装置において、前記検眼手段と前記位置合わせ手段の少なくともいずれかのデバイスの劣化又は使用頻度の情報を検出する情報検出手段と、該情報検出手段の情報を外部装置へ記録し送信する記録送信手段を有することを特徴とする眼科装置。
- 前記デバイスの劣化情報は、前記検眼手段の光源光量である請求項1記載の眼科装置。
- 前記デバイスの使用頻度情報は、前記位置合わせ手段の累計移動距離である請求項1記載の眼科装置。
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2002
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