JP2004158713A - 多層配線板およびその製造方法 - Google Patents

多層配線板およびその製造方法 Download PDF

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Yusuke Kondo
裕介 近藤
Yasushi Shimada
靖 島田
Kazuhisa Otsuka
和久 大塚
Masanori Yamaguchi
正憲 山口
Yuichi Shimayama
裕一 島山
Takeshi Madarame
健 斑目
Etsuo Mizushima
悦男 水嶋
Kazunori Yamamoto
和徳 山本
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Abstract

【課題】容量ばらつきの小さなコンデンサを有する多層配線板を提供する。
【解決手段】複数の絶縁層と、複数の導体層と、複数の導体層を電気的に接続する導体化された穴と、少なくとも1層の絶縁層2の比誘電率が25℃、1MHzにおいて20〜100の高誘電率材料からなり、該絶縁層の上下面に電極7,8を形成してなるコンデンサ1と、を有する多層配線板であって、対向する電極の少なくとも片側の厚みが1〜18μmの範囲であることを特徴とする多層配線板、およびその製造方法により課題を解決した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサを内蔵する多層配線板、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器では電子部品の高性能化が進んでおり、これにともない半導体素子と共に搭載される受動素子の部品数が増加する傾向にある。その一方で小型化・軽量化の要求が一層高まっており、電子部品を搭載する多層配線板の面積を大型化することは困難である。このような背景から、多層配線板内部にコンデンサに代表される受動部品を内蔵する動きが出てきている。
【0003】
コンデンサを多層配線板に内蔵する技術としては高誘電率無機材料を焼成して誘電体層を形成する技術(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)、高誘電率無機材料と樹脂材料を複合化させて誘電体層を形成する技術(例えば、非特許文献2参照)、スパッタなどのプロセスを用いて薄膜の誘電体層を形成する技術(例えば、非特許文献3参照)などが公知となっている。
【0004】
さらに、本出願人は、樹脂を用いた多層配線板が高温焼結工程やスパッタ工程を経る必要がなく、経済的に優れているという知見から、樹脂材料を使用してコンデンサを多層配線板に内蔵する技術に関し、特許を出願した(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−55079号公報 (第1−4、12頁、第2図)
【特許文献2】
特願2002−209650号公報
【非特許文献1】
エレクトロニクス実装学会誌,第4巻,第2号,p.145−149
【非特許文献2】
Journal of Materials in Electronics,第11巻,p.253−268
【非特許文献3】
エレクトロニクス実装学会誌,第4巻,第7号,p.590〜596
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
コンデンサの重要な特性である容量は、コンデンサの対向電極面積に比例する。すなわち、製造時の容量ばらつきを抑制するためには、対向電極面積のばらつきを小さくすることが必要となる。前述した特許文献2に示す製造方法では、高誘電率材料からなる絶縁層に対向するコンデンサ電極の形成において、高誘電率材料を覆った金属箔を所望のパターンにエッチング除去して、あらかじめ形成した電極と対向するコンデンサ電極を形成する方法をとっている。しかしながらこの方法では、金属箔のエッチングばらつきにより、コンデンサの対向電極面積が変化し、コンデンサ容量にばらつきが発生してしまうことが問題となっていた。また、対向電極のずれによるコンデンサ容量のばらつきも問題となっていた。
【0007】
上記を鑑みて、本発明は、従来と比較して容量ばらつきを低減したコンデンサを内蔵する多層配線板、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の絶縁層と、複数の導体層と、複数の導体層を電気的に接続する導体化された穴と、少なくとも1層の絶縁層の比誘電率が25℃、1MHzにおいて20〜100の高誘電率材料からなり、該絶縁層の上下面に電極を形成してなるコンデンサと、を有する多層配線板であって、対向する電極の少なくとも片側の厚みが1〜18μmの範囲であることを特徴とする多層配線板に関する。
【0009】
また、本発明は、複数の絶縁層と、複数の導体層と、複数の導体層を電気的に接続する導体化された穴と、少なくとも1層の絶縁層の比誘電率が25℃、1MHzにおいて20〜100の高誘電率材料からなり、該絶縁層の上下面に電極を形成してなるコンデンサと、を有する多層配線板の製造方法であって、電極の少なくとも片側の厚みを1〜18μmの範囲とし、かつパターン形成時、感光性レジストのパターン露光面積を1〜250cm/回として、同一基板内に複数回露光することを特徴とする多層配線板の製造方法に関する。
【0010】
本発明によれば、基板内のエッチングばらつきを抑制し、コンデンサ容量のばらつきを低減することが可能となる。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の多層配線板は、複数の絶縁層と、複数の導体層と、複数の導体層を電気的に接続する導体化された穴と、少なくとも1層の絶縁層の比誘電率が25℃、1MHzにおいて20〜100の高誘電率材料からなり、該絶縁層の上下面に電極を形成してなるコンデンサと、を有する多層配線板であって、対向する電極の少なくとも片側の厚みが1〜18μmの範囲であることを特徴とするものである。このように、導体層厚みを限定することにより、パターニングの精度が向上し、エッチングばらつきを低減することができ、さらには位置ずれや寸法ばらつきをも抑制することが可能となる。
【0013】
また、本発明の多層配線板において、感光レジストのパターン露光時に発生しうる位置ずれにより、対向する両電極が重なり合う部分である対向電極面積が減少し、コンデンサの容量が低下することを抑制するために、1〜18μmの厚みを有する電極がこれに対向する電極の外周より内側にあることが好ましい。つまり、片側の電極を一方の電極が工程上位置ずれ得る範囲よりも大きくすることで、位置ずれによる容量変動を排除することが可能となる。
【0014】
また、本発明の多層配線板において、1〜18μmの厚みを有するコンデンサ電極の各側面と、これに対向する電極の各側面との最短となる水平距離が、それぞれ50〜100μmの範囲であることが好ましい。上記水平距離が50μm未満の場合、電極の位置ずれによる対向電極面積の減少が発生する可能性が高くなり、また、100μmを超える場合はコンデンサ電極のサイズが大きくなり、基板の大型化を招くため不経済である。なお、上記水平距離は、例えば、図9に示される距離a〜dを指し、図11の斜線部に示すような、一方のコンデンサ電極から延びて、対向するコンデンサ電極と重なる配線部分については無視する。
【0015】
また、本発明の多層配線板において、1〜18μmの厚みを有するコンデンサ電極の各側面と、該電極上に設けられた、任意の導体層間を電気的に接続する導体化された穴の外周部との最短となる水平距離が、それぞれ100μm以上であることが好ましい。上記水平距離が100μm未満では、1〜18μmの厚みを有する電極と任意の導体層を電気的に接続する穴との位置ずれにより、接続不良が発生する確率が高くなる。なお、上記水平距離は、例えば、図10に示される距離e〜hを指す。
【0016】
また、本発明の多層配線板において、1〜18μmの厚みを有する電極が、導体層の不要部分をエッチング除去することにより形成されることが好ましい。勿論、本発明のコンデンサ電極は、めっきを用いるアディティブ工法やセミアディティブ工法によっても形成することが可能であるが、エッチングを用いるサブトラクト工法で形成する方が経済的に有利であり、位置ずれや寸法ばらつき等の抑制をも期待することができる。
【0017】
また、本発明の多層配線板のコンデンサに用いる高誘電率材料は、少なくとも絶縁樹脂および高誘電率充填材を含む樹脂組成物である。該絶縁樹脂としては、特に限定されないが、半硬化状態で用いることが可能であり、かつ硬化後には絶縁性の優れた高誘電率材料を提供することができるエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0018】
エポキシ樹脂としては、硬化して接着作用を呈するものであればよいが、好ましくは二官能以上で、分子量が5000未満、より好ましくは3000未満のエポキシ樹脂を使用する。二官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型またはビスフェノールF型樹脂等が例示される。ビスフェノールA型またはビスフェノールF型液状樹脂は、油化シェルエポキシ株式会社から、エピコート807、エピコート827、エピコート828という商品名で市販されている。また、ダウケミカル日本株式会社からは、D.E.R.330、D.E.R.331、D.E.R.361という商品名で市販されている。さらに、東都化成株式会社から、YD8125、YDF8170という商品名で市販されている。
【0019】
また、高Tg化を目的に多官能エポキシ樹脂を加えてもよく、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が例示される。フェノールノボラック型エポキシ樹脂は、日本化薬株式会社から、EPPN−201という商品名で市販されている。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂は、住友化学工業株式会社から、ESCN−190、ESCN−195という商品名で市販されている。また、前記日本化薬株式会社から、EOCN1012、EOCN1025、EOCN1027という商品名で市販されている。さらに、前記東都化成株式会社から、YDCN701、YDCN702、YDCN703、YDCN704という商品名で市販されている。
【0020】
また、上記エポキシ樹脂を硬化させるための硬化剤としては、通常用いられているものを使用することでき、特に限定されないが、例えば、アミン、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィッド、三弗化硼素及びフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物であるビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。特に吸湿時の耐電食性に優れるためフェノール樹脂であるフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂等を用いるのが好ましい。好ましいとした硬化剤は、大日本インキ化学工業株式会社から、プライオーフェンLF2882、フェノライトTD−2090、フェノライトTD−2149、フェノライトVH4150、フェノライトVH4170という商品名で市販されている。
【0021】
さらに、硬化剤とともに従来公知の硬化促進剤を用いることができ、該硬化促進剤としては、各種イミダゾール類を用いることが好ましい。イミダゾールとしては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等が挙げられる。このようなイミダゾール類は、四国化成工業株式会社から、2E4MZ、2PZ−CN、2PZ−CNSという商品名で市販されている。
【0022】
高誘電率充填材としては、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛、二酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸鉛等を挙げることができ、これらは単独でも二種以上同時に用いてもよい。特に比誘電率が50以上のものを用いることが好ましい。また、上記のような高誘電率充填材の一種以上を重量比で絶縁樹脂100に対して300〜3000配合することが好ましい。
【0023】
また、本発明で用いる高誘電率材料の取り扱い性を向上させるために、エポキシ基、アミド基、カルボキシル基、シアネート基、ヒドロキシ基等の少なくとも一種類の官能基を有する重量平均分子量が1万〜80万である高分子量樹脂を配合することが好ましい。重量平均分子量が1万以上であるとBステージにおける高誘電率材料のタック性の低減や硬化時の可撓性を向上させることができる。また、重量平均分子量が80万を超えると高誘電率充填材を均一に分散することが困難となる。このような高分子量樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、高分子量エポキシ樹脂、超高分子量エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、官能基含有反応性ゴムなどが挙げられる。上記フェノキシ樹脂は、東都化成株式会社から、フェノトートYP−40、フェノトートYP−50という商品名で市販されている。また、フェノキシアソシエート社から、PKHC、PKHH、PKHJいう商品名で市販されている。上記高分子量エポキシ樹脂は、重量平均分子量が3万〜8万の高分子量エポキシ樹脂、さらには、重量平均分子量が8万を超える超高分子量エポキシ樹脂(特公平7−59617号、特公平7−59618号、特公平7−59619号、特公平7−59620号、特公平7−64911号、特公平7−68327号公報参照)があり、何れも日立化成工業株式会社で製造している。上記ポリアミドイミド樹脂は、日立化成工業株式会社からKS9000シリーズという商品名で市販されている。上記官能基含有反応性ゴムとしては、カルボキシル基含有アクリルゴムが帝国化学産業株式会社から、HTR−860Pという商品名で、エポキシ基含有アクリルゴムがHTR−860P−3という商品名で市販されている。
【0024】
さらに、本発明で用いる高誘電率材料に分散剤を加えても良い。用いることのできる分散剤としては、市販されている非シリコーン系の分散剤など従来公知のものであればよく、特に限定されない。また、その配合量は、実験により適宜決定すればよい。
【0025】
上記のような組成よりなる高誘電率材料は、メチルエチルケトン等の有機溶剤と混合してワニス状とし、これを導体層となる金属箔に塗布、乾燥し、シート状にして使用に供することが好ましい。ここで用いる金属箔としては、例えば、銅、アルミなどが挙げられ、その厚さは、該金属箔がコンデンサ電極を含む導体パターンとなる場合には、少なくともその片側を前述の通り1〜18μmの範囲とし、該金属箔がその他の導体層となる場合には、特に限定されないが、1〜35μmであることが好ましい。また、該金属箔に金属めっきを施さないことにより、金属箔厚みの増加を抑制することが可能となる。
【0026】
また、上記高誘電率材料の120℃における溶融粘度は100〜200Pa・Sであることが好ましい。最低溶融粘度が100Pa・Sよりも低い場合にはフローが大きいため厚みのばらつきが大きくなり、200Pa・Sよりも高い場合には接着性が低下する。
【0027】
本発明において、上記高誘電率材料からなる絶縁層以外の箇所の絶縁層に用いる絶縁樹脂としては、特に制限されないが、高誘電率材料と異なる絶縁樹脂を用いることが好ましく、さらにはガラス基材で補強され、かつ樹脂中に無機フィラーが添加されているものが好ましい。ガラス基材で補強されることにより、絶縁層の厚みが150μm以上であっても、ガラス基材がない場合に比べて、その厚み制御が容易である。また、無機フィラーが添加されることにより、ガラス基材の影響による表面のうねりが低減され、高周波特性に優れた平滑な表面を有する多層配線板を得ることができる。ガラス基材で補強され、かつ無機フィラーが添加された樹脂としては、市販のものとして、MCL−E−679F、MCL−BE−67G(H)(以上、日立化成工業株式会社製、商品名)やCS−3355S、CS−3357S(以上、利昌工業株式会社製、商品名)などの銅張積層板やGEA−679F、GEA−67BE(H)(以上、日立化成工業株式会社製、商品名)、ES−3305S(利昌工業株式会社製、商品名)などの層間接着絶縁材料を使用できる。
【0028】
また、多層配線板の導体パターン間の凹部を絶縁樹脂で充填し、あらかじめ高誘電率材料層が形成される基板表面を平坦にしておくことが好ましい。このように平坦化しておくことで、厚みの薄い高誘電材料を厚み精度よく配置することが可能となる。
【0029】
また、本発明の多層配線板は、コンデンサと併せてインダクタをも有しうる。インダクタは導体層をエッチング処理して形成され、好ましくはコンデンサの電極を含む導体パターンに形成される。また、該インダクタは導体パターンのライン幅が細い方がインダクタンス密度が高くなるため、他の導体層よりも厚みが薄く、かつその厚みが1〜12μmであることが好ましい。
【0030】
また、本発明の多層配線板を製造する方法について、導体パターン形成時、感光性レジストのパターン露光面積を1〜250cm/回として、同一基板内に複数回露光する。特に、1〜18μmの厚みを有するコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する際に複数回の露光を行うことが好ましい。1回の露光面積を1cm未満とすると露光回数が増加し、製造タクトが長くなってコストが増加する。一方、1回の露光面積が250cmを超えるとパターンの位置ずれ低減が困難となる。また、1回の露光面積を10〜200cmとすることがより好ましく、これにより位置ずれ低減と製造タクト抑制の両立が容易となる。さらに、1回の露光面積を50〜150cmとすることが特に好ましく、位置ずれ低減および製造タクト抑制に対して最適な効果を得ることができる。このように1回の露光面積を小さくして複数回露光を行う分割露光方式を用いることにより、通常の多層配線板製造で用いる大型基板において、基板の伸縮などに起因して発生するパターンの位置ずれに対し、露光時に発生する導体パターンの位置ずれを低減させることが可能となる。
【0031】
また、本発明の多層配線板を製造する方法について、感光性レジストのパターン露光する工程において、ソーダガラスなどの無機物を基材とするフォトマスクを使用することが好ましい。これにより感光性レジストの露光・現像後パターン精度が向上し、コンデンサ電極を含む導体パターン精度を向上するものである。
【0032】
以下に、実施例によってさらに本発明を詳細に説明する。
【0033】
【実施例】
銅箔付高誘電率樹脂シート1
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製のYD−8125を使用)66重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製のYDCN−703を使用)34重量部、エポキシ樹脂の硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製のプライオーフェンLF2882を使用)63重量部、高分子量樹脂としてフェノキシ樹脂(分子量5万、東都化成株式会社製のフェノトートYP−50を使用)24重量部、硬化促進剤として硬化促進剤1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(キュアゾール2PZ−CNを使用)0.6重量部、高誘電率フィラーとして平均粒径1.5μmのチタン酸バリウムフィラー(富士チタン工業株式会社製のBT−100PRを使用)1300重量部および平均粒径0.6μmのチタン酸バリウムフィラー(富士チタン工業株式会社製のHPBT−1を使用)400重量部、分散剤として非シリコーン系分散剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−W9010を使用)11.2重量部からなる組成物に、メチルエチルケトンを加えてビーズミルを用いて1000回転/分で1時間撹拌混合し、200メッシュのナイロン布でろ過した後に真空脱気した。この接着剤ワニスを、厚さ12μmの電解銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製のGTS−12を使用)上に塗布し、140℃で5分間加熱乾燥して、膜厚が10μmのBステージ状態の塗膜を形成し、銅箔付高誘電率樹脂シートを作製した。
【0034】
このBステージ状態の樹脂シートを170℃で1時間硬化させた硬化物について、LCRメータYHP4275A(横河ヒューレットパッカード株式会社、商品名)を用い、25℃、1MHzにおけるインピーダンス特性から誘電率を算出した結果、45であった。
【0035】
銅箔付高誘電率樹脂シート2
接着剤ワニスを塗布する電解銅箔を35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔(三井金属鉱業株式会社製のMT35S3を使用)に替えた以外は銅箔付高誘電率樹脂シート1と同様な工程により銅箔付高誘電率樹脂シートを得た。
【0036】
このBステージ状態の樹脂シートを170℃で1時間硬化させた硬化物について、LCRメータYHP4275A(横河ヒューレットパッカード株式会社、商品名)を用い、25℃、1MHzにおけるインピーダンス特性から誘電率を算出した結果、45であった。
【0037】
銅箔付高誘電率樹脂シート3
接着剤ワニスを塗布する電解銅箔を厚み9μmの電解銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製のGTS−9を使用)に替えた以外は銅箔付高誘電率樹脂シート1と同様な工程により銅箔付高誘電率樹脂シートを得た。
【0038】
このBステージ状態の樹脂シートを170℃で1時間硬化させた硬化物について、LCRメータYHP4275A(横河ヒューレットパッカード株式会社、商品名)を用い、25℃、1MHzにおけるインピーダンス特性から誘電率を算出した結果、45であった。
【0039】
銅箔付高誘電率樹脂シート4
接着剤ワニスを塗布する電解銅箔を厚み18μmの電解銅箔(古河サーキッ
フォイル株式会社製のGTS−18を使用)に替えた以外は銅箔付高誘電率樹脂シート1と同様な工程により銅箔付高誘電率樹脂シートを得た。
【0040】
このBステージ状態の樹脂シートを170℃で1時間硬化させた硬化物について、LCRメータYHP4275A(横河ヒューレットパッカード株式会社、商品名)を用い、25℃、1MHzにおけるインピーダンス特性から誘電率を算出した結果、45であった。
【0041】
銅箔付高誘電率樹脂シート5
接着剤ワニスを塗布する電解銅箔を厚み35μmの電解銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製のGTS−35を使用)に替えた以外は銅箔付高誘電率樹脂シート1と同様な工程により銅箔付高誘電率樹脂シートを得た。
【0042】
このBステージ状態の樹脂シートを170℃で1時間硬化させた硬化物について、LCRメータYHP4275A(横河ヒューレットパッカード株式会社、商品名)を用い、25℃、1MHzにおけるインピーダンス特性から誘電率を算出した結果、45であった。
【0043】
実施例1
銅箔厚3μm、板厚0.2mm、基板サイズ500×333cmの両面銅箔張ガラスエポキシ積層板MCL−E−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)に所望のドリル穴明けを行った。この基板に超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去後、触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、ドリル穴内壁と銅箔表面に約15μmの無電解銅めっき層を形成した。この基板表面に次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする黒化処理と、ジメチルアミノボランを主成分とする還元処理によって、粗化処理を行った。この基板のドリル穴内にスクリーン印刷によりペーストタイプの熱硬化型絶縁材料HRP−700BA(太陽インキ製造株式会社、商品名)を充填し、170℃で60分間の熱処理により硬化させた。この基板をバフブラシにより研磨し、余分な絶縁材料を除去した。この基板に触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、基板表面に約15μmの無電解銅めっき層を形成した。この基板をバフブラシで研磨後、感光性ドライフィルムH−9040(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、この基板表面にコンデンサ電極を含む導体パターンのエッチングレジストを、株式会社オーク製作所製EXM−1350B型自動平行露光機にて露光した。この基板を炭酸ナトリウム水溶液にて現像した後、塩化第二鉄液にて不要な銅をエッチング除去し、水酸化ナトリウム水溶液にてレジスト剥離してコンデンサの電極を含む回路パターンを有する回路板を作製した。
【0044】
この回路板表面にロールコータを用いてペーストタイプの熱硬化型絶縁材料HRP−700BA(太陽インキ製造株式会社、商品名)を基板絶縁層表面から約40μm、回路パターン表面から約5μm塗布し、170℃で60分間の熱処理により硬化させた。この基板をバフブラシにより回路パターン表面が現れるまで研磨し、余分な絶縁材料を除去した。この回路板の回路表面に次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする黒化処理と、ジメチルアミノボランを主成分とする還元処理によって、粗化処理を行った。
【0045】
この回路板の片面に銅箔付き高誘電率樹脂シート1を温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化した。
【0046】
この基板をバフブラシ研磨した後、感光性ドライフィルムH−9040(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートした。この基板表面にコンデンサ電極を含む導体パターンのエッチングレジストを、ウシオ電機株式会社製UX−5038SC型分割投影露光機にて、ソーダガラスを基材とするフォトマスクを使用して10cm四方のパターンに分割して露光した。この基板を炭酸ナトリウム水溶液にて現像した後、塩化第二鉄液にて不要な銅をエッチング除去し、水酸化ナトリウム水溶液にてレジスト剥離してコンデンサの電極を含む回路パターンを有する回路板を作製した。このようにして図2に示す構造のコンデンサを得た。コンデンサの電極サイズは、上部電極および下部電極共に1.0×0.75mmとして形成した。
【0047】
この回路板の回路表面に、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする黒化処理と、ジメチルアミノボランを主成分とする還元処理によって、粗化処理を行った。(1)35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔MT35S3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)、(2)厚み80μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を2枚、(3)回路板、(4)厚み80μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグGEA−679Fを2枚、(5)35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔MT35S3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)の順に重ね、温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化した。キャリア銅箔を剥がし、不要な基板端部を切断後、この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、不要な銅箔をエッチング除去して、所望の箇所にφ0.15mmの窓穴を形成した。
【0048】
この基板表面に設けた窓穴の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行った。超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去後、洗浄触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、レーザ穴内壁と銅箔表面に約20μmの無電解銅めっき層を形成した。この基板表面のパッドや回路パターンなど必要な箇所にエッチングレジストを形成し、不要な銅をエッチング除去して、外層回路を形成した。
【0049】
この基板表面にソルダーレジストPSR−4000 AUS5(太陽インキ製造株式会社、商品名)をロールコータで30μm塗布、乾燥後に露光・現像して所望の箇所にソルダーレジストを形成した。その後、3μmの無電解ニッケルめっきと0.1μmの無電解金めっきを外層回路パターン露出部表面層に形成して、図1に示すような多層配線板を得た。
【0050】
実施例2
実施例1と同様な工程により図3に示す構造のコンデンサを有する多層配線板を得た。コンデンサの電極サイズは、上部電極を1.0×0.75mm、下部電極を1.05×0.755mmとして形成した。
【0051】
実施例3
実施例1と同様な工程により図4に示す構造のコンデンサを有する多層配線板を得た。コンデンサの電極サイズは、上部電極を1.0×0.75mm、下部電極を1.1×0.85mmとして形成した。
【0052】
実施例4
実施例1と同様な工程により図5に示す構造のコンデンサを有する多層配線板を得た。コンデンサの電極サイズは、上部電極を1.0×0.75mm、下部電極を1.2×0.95mmとして形成した。
【0053】
実施例5
実施例1と同様な工程により図6に示す構造のコンデンサを有する多層配線板を得た。コンデンサの電極サイズは、上部電極を1.0×0.75mm、下部電極を1.4×1.15mmとして形成した。
【0054】
実施例6
銅箔厚3μm、板厚0.2mm、基板サイズ500×333cmの両面銅箔張ガラスエポキシ積層板MCL−E−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)に所望のドリル穴明けを行った。この基板に超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去後、触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、ドリル穴内壁と銅箔表面に約15μmの無電解銅めっき層を形成した。この基板表面に次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする黒化処理と、ジメチルアミノボランを主成分とする還元処理によって、粗化処理を行った。この基板のドリル穴内にスクリーン印刷によりペーストタイプの熱硬化型絶縁材料HRP−700BA(太陽インキ製造株式会社、商品名)を充填し、170℃で60分間の熱処理により硬化させた。この基板をバフブラシにより研磨し、余分な絶縁材料を除去した。この基板に触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、基板表面に約15μmの無電解銅めっき層を形成した。この基板をバフブラシで研磨後、感光性ドライフィルムH−9040(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、この基板表面にコンデンサ電極を含む導体パターンのエッチングレジストを、株式会社オーク製作所製EXM−1350B型自動平行露光機にて露光した。この基板を炭酸ナトリウム水溶液にて現像した後、塩化第二鉄液にて不要な銅をエッチング除去し、水酸化ナトリウム水溶液にてレジスト剥離してコンデンサの電極を含む回路パターンを有する回路板を作製した。
【0055】
この回路板表面にロールコータを用いてペーストタイプの熱硬化型絶縁材料HRP−700BA(太陽インキ製造株式会社、商品名)を基板絶縁層表面から約40μm、回路パターン表面から約5μm塗布し、170℃で60分間の熱処理により硬化させた。この基板をバフブラシにより回路パターン表面が現れるまで研磨し、余分な絶縁材料を除去した。この回路板の回路表面に次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする黒化処理と、ジメチルアミノボランを主成分とする還元処理によって、粗化処理を行った。
【0056】
この回路板の片面に銅箔付き高誘電率樹脂シート2を温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化した後、キャリア銅箔を剥がした。
【0057】
この基板をバフブラシ研磨した後、感光性ドライフィルムH−9030(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートした。この基板表面にコンデンサ電極を含む導体パターンのめっきレジストを、ウシオ電機株式会社製UX−5038SC型分割投影露光機にて、ソーダガラスを基材とするフォトマスクを使用して10cm四方のパターンに分割して露光した。この基板を炭酸ナトリウム水溶液にて現像し、電気銅めっきにて銅箔表面に約15μmの電解銅めっき層を形成した。この基板を水酸化ナトリウム水溶液にてレジスト剥離し、硫酸・過酸化水素混合溶液で下地銅をエッチング除去してコンデンサの電極を含む回路パターンを有する回路板を作製した。このようにして図7に示す構造のコンデンサを得た。コンデンサの電極サイズは、上部電極を1.0×0.75mm、下部電極を1.1×0.85mmとして形成した。
【0058】
この回路板の回路表面に、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする黒化処理と、ジメチルアミノボランを主成分とする還元処理によって、粗化処理を行った。(1)35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔MT35S3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)、(2)厚み80μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を2枚、(3)回路板、(4)厚み80μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグGEA−679Fを2枚、(5)35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔MT35S3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)の順に重ね、温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化した。キャリア銅箔を剥がし、不要な基板端部を切断後、この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、不要な銅箔をエッチング除去して、所望の箇所にφ0.15mmの窓穴を形成した。
【0059】
この基板表面に設けた窓穴の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行った。超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去後、洗浄触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、レーザ穴内壁と銅箔表面に約20μmの無電解銅めっき層を形成した。この基板表面のパッドや回路パターンなど必要な箇所にエッチングレジストを形成し、不要な銅をエッチング除去して、外層回路を形成した。
【0060】
この基板表面にソルダーレジストPSR−4000 AUS5(太陽インキ製造株式会社、商品名)をロールコータで30μm塗布、乾燥後に露光・現像して所望の箇所にソルダーレジストを形成した。その後、3μmの無電解ニッケルめっきと0.1μmの無電解金めっきを外層回路パターン露出部表面層に形成して、図1に示すような多層配線板を得た。
【0061】
実施例7
分割投影露光機の使用に際して、パターンを5cm四方に分割して露光した以外は実施例1と同様な工程により、図2に示す構造のコンデンサを有する多層配線板を得た。
【0062】
実施例8
分割投影露光機の使用に際して、パターンを15cm四方に分割して露光した以外は実施例1と同様な工程により、図2に示す構造のコンデンサを有する多層配線板を得た。
【0063】
実施例9
高誘電率樹脂シート1の替わりに高誘電率樹脂シート3を用いた以外は、実施例1と同様な工程により、図2に示す構造のコンデンサを有する多層配線板を得た。
【0064】
実施例10
高誘電率樹脂シート1の替わりに高誘電率樹脂シート4を用いた以外は、実施例1と同様な工程により、図2に示す構造のコンデンサを有する多層配線板を得た。
【0065】
比較例1
銅箔厚3μm、板厚0.2mm、基板サイズ500×333cmの両面銅箔張ガラスエポキシ積層板MCL−E−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)に所望のドリル穴明けを行った。この基板に超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去後、触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、ドリル穴内壁と銅箔表面に約15μmの無電解銅めっき層を形成した。この基板表面に次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする黒化処理と、ジメチルアミノボランを主成分とする還元処理によって、粗化処理を行った。この基板のドリル穴内にスクリーン印刷によりペーストタイプの熱硬化型絶縁材料HRP−700BA(太陽インキ製造株式会社、商品名)を充填し、170℃で60分間の熱処理により硬化させた。この基板をバフブラシにより研磨し、余分な絶縁材料を除去した。この基板に触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、基板表面に約15μmの無電解銅めっき層を形成した。この基板をバフブラシで研磨後、感光性ドライフィルムH−9040(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、この基板表面にコンデンサ電極を含む導体パターンのエッチングレジストを、株式会社オーク製作所製EXM−1350B型自動平行露光機にて露光した。この基板を炭酸ナトリウム水溶液にて現像した後、塩化第二鉄液にて不要な銅をエッチング除去し、水酸化ナトリウム水溶液にてレジスト剥離してコンデンサの電極を含む回路パターンを有する回路板を作製した。
【0066】
この回路板表面にロールコータを用いてペーストタイプの熱硬化型絶縁材料HRP−700BA(太陽インキ製造株式会社、商品名)を基板絶縁層表面から約40μm、回路パターン表面から約5μm塗布し、170℃で60分間の熱処理により硬化させた。この基板をバフブラシにより回路パターン表面が現れるまで研磨し、余分な絶縁材料を除去した。この回路板の回路表面に次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする黒化処理と、ジメチルアミノボランを主成分とする還元処理によって、粗化処理を行った。
【0067】
この回路板の片面に銅箔付き高誘電率樹脂シート5を温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化した。
【0068】
この基板をバフブラシ研磨した後、感光性ドライフィルムH−9040(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートした。この基板表面にコンデンサ電極を含む導体パターンのエッチングレジストを、株式会社オーク製作所製EXM−1350B型自動平行露光機にて、ポリエステルを基材とするフォトマスクを使用して一括露光した。この基板を炭酸ナトリウム水溶液にて現像した後、塩化第二鉄液にて不要な銅をエッチング除去し、水酸化ナトリウム水溶液にてレジスト剥離してコンデンサの電極を含む回路パターンを有する回路板を作製した。このようにして図8に示す構造のコンデンサを得た。コンデンサの電極サイズは、上部電極および下部電極共に1.0×0.75mmとして形成した。
【0069】
この回路板の回路表面に、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする黒化処理と、ジメチルアミノボランを主成分とする還元処理によって、粗化処理を行った。(1)35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔MT35S3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)、(2)厚み80μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を2枚、(3)回路板、(4)厚み80μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグGEA−679Fを2枚、(5)35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔MT35S3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)の順に重ね、温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化した。キャリア銅箔を剥がし、不要な基板端部を切断後、この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、不要な銅箔をエッチング除去して、所望の箇所にφ0.15mmの窓穴を形成した。
【0070】
この基板表面に設けた窓穴の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行った。超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去後、洗浄触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、レーザ穴内壁と銅箔表面に約20μmの無電解銅めっき層を形成した。この基板表面のパッドや回路パターンなど必要な箇所にエッチングレジストを形成し、不要な銅をエッチング除去して、外層回路を形成した。
【0071】
この基板表面にソルダーレジストPSR−4000 AUS5(太陽インキ製造株式会社、商品名)をロールコータで30μm塗布、乾燥後に露光・現像して所望の箇所にソルダーレジストを形成した。その後、3μmの無電解ニッケルめっきと0.1μmの無電解金めっきを外層回路パターン露出部表面層に形成して、図1に示すような多層配線板を得た。
【0072】
上記のように作製した各多層配線板ついて、それぞれのコンデンサ部分を切り出してエポキシ樹脂で注型し、基板断面を研磨した。そして、スケーラー機能付顕微鏡(OLYMPUS製MX50)を用いて該断面よりコンデンサの対向電極同士の位置ずれ量と上部電極面積を測定した。測定サンプル数は各多層配線板とも12サンプルとした。結果を表1および表2に示す。
【0073】
【表1】
Figure 2004158713
【0074】
【表2】
Figure 2004158713
【0075】
表1において、対向電極パターン同士の位置ずれ量は、実施例1,7および8において50μm未満であったが、比較例では80μm以上となった。また、表2において、上部電極のばらつきは、実施例1,9および10では±1%前後であったが、比較例ではばらつきが大きく±2.6%となった。この結果は、実施例1〜10の多層配線板製造時、電極の導体厚みを薄くし、エッチングばらつきを低減したこと、およびガラス基材の高精度フォトマスクを用い、分割露光方式により露光し、導体パターン形成を行ったことによる。
【0076】
次に、表1および表2の結果を用い、計算によりコンデンサの容量ばらつきを算出した。結果を表3に示す。
【0077】
【表3】
Figure 2004158713
【0078】
表3から、実施例1〜10のコンデンサの容量ばらつきは、いずれも比較例のそれより小さいことがわかる。また、実施例3〜5の中で優位差が見られないことから、感光性レジスト露光時の位置ばらつきを考慮した上で、下部電極面積を最小に設計してコンデンサ部の占有面積を小さくすることが可能であり、好ましいということがわかる。また、サブトラクト工法を用いた実施例3とセミアディティブ工法を用いた実施例6の比較において優位差が見られないことから、経済的に有利なサブトラクト工法によってコンデンサ電極を含む導体パターンを形成することが可能であり、好ましいということがわかる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来と比較して容量ばらつきを低減したコンデンサを内蔵する多層配線板、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例により作製された多層配線板の断面図である。
【図2】本発明の実施例1および7〜10により作製されたコンデンサ電極の構造を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例2により作製されたコンデンサ電極の構造を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例3により作製されたコンデンサ電極の構造を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例4により作製されたコンデンサ電極の構造を示す断面図である。
【図6】本発明の実施例5により作製されたコンデンサ電極の構造を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例6により作製されたコンデンサ電極の構造を示す断面図である。
【図8】本発明の比較例1により作製されたコンデンサ電極の構造を示す断面図である。
【図9】本発明の1〜18μmの厚みを有する電極の各側面と、これに対向する電極の各側面との最短となる水平距離を示す模式図。
【図10】本発明の1〜18μmの厚みを有する電極の各側面と、該電極上に設けられた穴の外周部との最短となる水平距離を示す模式図。
【図11】図9の最短となる水平距離として考慮しない部分(斜線部)を示す模式図。
【符号の説明】
1.コンデンサ
2.高誘電率樹脂
3.平坦化樹脂
4.穴埋め樹脂
5.めっき銅
6.銅箔
7.銅箔
8.めっき銅基材
9.銅箔
10.基材
11.基材(プリプレグ)
12.めっき銅
13.銅箔
14.厚みが1〜18μmのコンデンサ電極
15.電極14に対向するコンデンサ電極
16.電極14に設けられた導体化された穴
17.配線

Claims (9)

  1. 複数の絶縁層と、複数の導体層と、前記複数の導体層を電気的に接続する導体化された穴と、少なくとも1層の前記絶縁層の比誘電率が25℃、1MHzにおいて20〜100の高誘電率材料からなり、該絶縁層の上下面に電極を形成してなるコンデンサと、を有する多層配線板であって、対向する前記電極の少なくとも片側の厚みが1〜18μmの範囲であることを特徴とする多層配線板。
  2. 前記1〜18μmの厚みを有する電極が、これに対向する電極の外周より内側にあることを特徴とする請求項1記載の多層配線板。
  3. 前記1〜18μmの厚みを有する電極の各側面と、これに対向する電極の各側面との最短となる水平距離が、それぞれ50〜100μmの範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の多層配線板。
  4. 前記1〜18μmの厚みを有する電極の各側面と、該電極上に設けられた、任意の導体層間を電気的に接続する導体化された穴の外周部との最短となる水平距離が、それぞれ100μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の多層配線板。
  5. 前記1〜18μmの厚みを有する電極が、導体層の不要部分をエッチング除去することにより形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の多層配線板。
  6. 複数の絶縁層と、複数の導体層と、前記複数の導体層を電気的に接続する導体化されたと、少なくとも1層の前記絶縁層の比誘電率が25℃、1MHzにおいて20〜100の高誘電率材料からなり、該絶縁層の上下面に電極を形成してなるコンデンサと、を有する多層配線板の製造方法であって、前記電極の少なくとも片側の厚みを1〜18μmの範囲とし、かつ導体パターン形成時、感光性レジストのパターン露光面積を1〜250cm/回として、同一基板内に複数回露光することを特徴とする多層配線板の製造方法。
  7. 前記1〜18μmの厚さを有する電極を含む導体パターン形成時に前記複数回の露光を行うことを特徴とする請求項6記載の多層配線板の製造方法。
  8. 感光性レジストのパターン露光時に無機物からなるフォトマスクを使用することを特徴とする請求項6または7記載の多層配線板の製造方法。
  9. 前記電極を含む導体パターンを導体層の不要部分をエッチング除去して形成することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項記載の多層配線板の製造方法。
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