JP2004158582A - 多段熱電モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】各段の熱電変換部における熱電素子を、高い耐久性を備えた方法により電気的に接続することによって、信頼性が高い多段熱電モジュールを提供する。
【解決手段】複数個のn型及びp型の第1段熱電素子を交互に隣り合わせに並べ、放熱側基板4hと中段基板4mとの対向面上に形成された複数個の銅電極に接合し挟持することにより直列に接続し、複数個のn型及びp型の第2段熱電素子を交互に隣り合わせに並べ、中段基板4mと吸熱側基板4cとの対向面上に形成された複数個の銅電極に接合し挟持することにより直列に接続する。そして、中段基板4m端部に矩形の切欠5を設け、1対の接続用熱電素子1の一方の端を放熱側基板4h上の銅電極と接合し、切欠5を貫通させて他端を吸熱側基板4c上の銅電極と接合することによって、1段目熱電変換部15の熱電素子2と2段目熱電変換部16の熱電素子3とを電気的に直列接続する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペルチェ効果を持つ熱電素子対を絶縁基板間に配置した熱電モジュールを、熱流が一方向になるように多段に積み重ねて構成された多段熱電モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
熱エネルギーを電気エネルギーに変換したり、逆に電気エネルギーを供給することにより熱エネルギーを移動し冷却作用を及ぼしたりする熱電材料として、BiTe系の半導体が良好な熱電性能を有する熱電材料として利用されている。特に、この半導体の持つ熱電効果の1種であるペルチェ効果を利用した電子冷却素子及びゼーベック効果を利用した熱電素子は、構造が簡単で小型化及び軽量化が容易であること並びに無音及び無振動でメンテナンスも不要であることから、特殊な用途向けの小型冷蔵庫及び半導体レーザ等の半導体装置内部の温度調整器への適用等、広範囲に利用できる可能性がある。
【0003】
このようなペルチェ効果を利用した電子冷却及びゼーベック効果を利用した熱電発電に用いる熱電モジュールは、多段型のモジュール構造に組み立てられて使用されるものがある。例えば、図5に示すような2段型熱電モジュール100においては、第1段n型熱電素子101nと第1段p型熱電素子101pとが交互に隣り合わせて配置され、上部電極103d及び下部電極103eを介して直列接続され、中段絶縁基板104mと下側絶縁基板104hとで挟まれて1段目熱電変換部105を形成している。同様に、第2段n型熱電素子102nと第2段p型熱電素子102pとが交互に隣り合わせて配置され、上部電極103a及び下部電極103bを介して直列接続され、上側絶縁基板104cと中段絶縁基板104mとで挟まれて2段目熱電変換部106を形成している。また、中段絶縁基板104mの一部には貫通孔107が形成されており、この貫通孔107の内周壁には導電性被膜108が塗布されている。この導電性被膜108は、1段目熱電変換部105における第1段n型熱電素子101nに接合された上部電極103dと2段目熱電変換部106における第2段p型熱電素子102pに接合された下部電極103bとに接続され、これらの1段目熱電変換部105の第1段n型熱電素子101nと2段目熱電変換部106の第2段p型熱電素子102pとを電気的に直列接続している。このようにして構成される従来の2段型熱電モジュール100においては、これらの各段の熱電素子に通電することによって、各熱電素子が各段の吸熱側でペルチェ吸熱すると共に各段の放熱側でペルチェ放熱し、例えば、吸熱側の最外側となる上側絶縁基板104cから放熱側の最外側となる下側絶縁基板104hに向けて一方向に熱が流れる。中段絶縁基板104mは、1段目熱電変換部105の吸熱側絶縁基板であり、且つ、2段目熱電変換部106の放熱側絶縁基板でもある。
【0004】
このような従来の2段型熱電モジュール100に通電すると、例えば、1段目熱電変換部105に配置された第1段n型熱電素子101n及び第1段p型熱電素子101pに電流が流れる。これらのn型及びp型の熱電素子101n,101pは、ペルチェ効果によって、吸熱側となる中段絶縁基板104m側で吸熱すると共に、放熱側となる下側絶縁基板104hで放熱する。この電流は、更に、中段絶縁基板104mに設けられた貫通孔107内周壁に形成された導電性被膜108を介して第1段n型熱電素子101nから第2段n型熱電素子102nに流れる。そうすると、2段目熱電変換部106に配置された第2段p型熱電素子102p及び第2段n型熱電素子102nにも順次交互に電流が流れ、2段目熱電変換部106においても、1段目熱電変換部105と同様に、ペルチェ効果によって、吸熱側となる上側絶縁基板104c側で吸熱すると共に、放熱側となる中段絶縁基板104m側で放熱する。この従来の多段熱電モジュール100においては、貫通孔107内周壁に形成された導電性被膜108を介して各段の熱電素子同士を電気的に接続することによって、リード線等で各段の熱電素子同士を接続する場合と比較して、よりコンパクトで信頼性が高い多段熱電モジュールを構成している(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−190071号公報(第1頁、第4図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の多段熱電モジュール100において、より高密度に熱電素子を設置するために、例えば、図6に示すように、1段目熱電変換部105に配置された第1段n型熱電素子101nの直上に第2段n型熱電素子102nを配置し、これらの第1段n型熱電素子101nと第2段n型熱電素子102nとの間に位置する中段絶縁基板104mに貫通孔107を設けて、この貫通孔107内周壁に形成された導電性被膜108を、第1段n型熱電素子101nとはんだ110dを介して接合された上部電極103d及び第2段n型熱電素子102nとはんだ110bを介して接合された下部電極103bと一体化させることによって、1段目熱電変換部105に配置された第1段n型熱電素子101nと2段目熱電変換部106に配置された第2段n型熱電素子102nとを電気的に接続するような場合、この貫通孔107の内部には気泡(ボイド)111が残ってしまう。このような気泡111が残留した多段熱電モジュール100においては、この多段熱電モジュール100を稼働することにより熱冷サイクルが発生するような場合、気泡111内部の圧力が温度変化に応じて変動し、この気泡111周辺に応力が発生する。このため、貫通孔107の上下に配置された第1段n型熱電素子101n及び第2段n型熱電素子102nと夫々の上部電極103d及び下部電極103bに接合するためのはんだ110d及び110bとの接合部にクラックが入り易い等、耐久性が劣化する原因となり、この多段熱電モジュールの性能劣化の要因ともなる。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、各段の熱電変換部における熱電素子を高い耐久性を備えた方法により電気的に接続することによって、高い信頼性を有する多段熱電モジュールを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る多段熱電モジュールは、上下に対向して配置された3個以上の基板と、前記各基板の各対向面に形成された夫々複数個の上部電極及び下部電極と、前記各基板間に配置された複数個のp型熱電素子及びn型熱電素子とを有し、前記基板間に配置された熱電素子群毎に前記p型熱電素子及びn型熱電素子が交互に直列及び/又は並列に接続されるように前記上部電極及び下部電極に夫々1対あるいは複数対のp型熱電素子及びn型熱電素子が接触し、更に前記熱電素子群が直列に接続されて構成され、一方の最外側の基板から他方の最外側の基板に向けて一方向に熱が流れる多段の熱電モジュールにおいて、特定の基板の下部電極とそれより2段以上上方の基板の上部電極とを接続する接続用熱電素子を有することを特徴とする。
【0009】
前記接続用熱電素子は、前記特定の基板の上方の基板に形成されたスルーホール間に配置されると共に、前記特定の基板の下部電極と前記2段以上上方の基板の上部電極とを接続することができる。
【0010】
前記接続用熱電素子は、前記特定の基板の上方の基板に形成された切欠間に配置されると共に、前記特定の基板の下部電極と前記2段以上上方の基板の上部電極とを接続しても良い。
【0011】
また、前記特定の基板の上方の基板は、前記特定の基板及び前記2段以上上方の基板よりも平面視での外形寸法が小さく、前記接続用熱電素子は、前記特定の基板及び前記2段以上上方の基板が前記上方の基板より平面視において突出した部分に設けられると共に、前記突出した部分の対抗面に形成された前記特定の基板の下部電極と前記2段以上上方の基板の上部電極とを接続しても良い。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る多段熱電モジュールの実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る多段熱電モジュールにおける接続用熱電素子を示す断面図である。本実施形態においては、放熱側基板4h上に形成された下部電極7b上にはんだ6bを介して接合された接続用熱電素子1が、中段基板4mに設けられたスルーホール5の間に配置され、吸熱側基板4c上に形成された上部電極7a上にはんだ6aを介して接合されている。接続用熱電素子1は、放熱側基板4h上の下部電極7b及び吸熱側基板4c上の上部電極7aに夫々はんだ7b及び7aを介して接続されて、1段目熱電変換部15と2段目熱電変換部16とを電気的に接続している。
【0013】
このような構成とすることによって、本実施形態に係る多段熱電モジュールにおいては、1段目熱電変換部15の下部電極7bより2段目熱電変換部16の上部電極7aに届く高さの接続用熱電素子1が、中段基板4mに設けられたスルーホール5を貫通して1段目熱電変換部15の下部電極7bと2段目熱電変換部16の上部電極7aとにはんだ6b及び6aを介して接合される。このため、多段熱電モジュールを稼働させるために通電する場合、この接続用熱電素子1自身が、1段目熱電変換部15と2段目熱電変換部16とを電気的に接続する。よって、従来のように、1段目熱電変換部の熱電素子と2段目熱電変換部の熱電素子とを電気的に接続するために、スルーホール内周壁に導電性被膜を形成する必要が無い。従って、従来の多段熱電モジュールにおいて、スルーホール内部に残存して多段熱電モジュールの耐久性を劣化させる原因となっていた気泡が形成されることがない。また、本実施形態においては、1段目熱電変換部15の熱電素子と2段目熱電変換部16の熱電素子とを電気的に接続するのではなく、接続用熱電素子1自身が、1段目熱電変換部15の熱電素子と2段目熱電変換部16の熱電素子とを兼ねている。即ち、接合箇所が少ないので、信頼性が高い構成となっている。よって、本実施形態に係る多段熱電モジュールは、耐久性及び信頼性を向上させることができる。
【0014】
次に、本発明の第2の実施形態について、図2を参照して説明する。図2(a)は第2の実施形態に係る多段熱電モジュールを示す平面図であり、図2(b)は図2(a)におけるA−A線による断面図であり、図2(c)は図2(a)におけるB−B線による断面図である。本実施形態においては、1辺が8.0mmの正方形状で厚さが0.3mmのアルミナからなる放熱側基板4h上に形成された銅電極(図示せず)上に、底面形状が1辺が0.75mmの正方形状で高さが0.90mmの立方柱状であるn型及びp型の第1段熱電素子2が交互に隣り合わせに並べられてはんだ(図示せず)を介して接合されると共に、底面形状が1辺が0.75mmの正方形状で高さが2.20mmの立方柱状である1対のn型及びp型の接続用熱電素子1が、第1段熱電素子2の最端列に配置され、全部で31対の熱電素子対が1段目に設置されている。そして、これらの熱電素子対が直列に接続されるように下面に銅電極(図示せず)のパターンが形成されると共に、接続用熱電素子1を間に配置することができる大きさの矩形の切欠25が1辺に設けられた1辺が8.0mmの正方形状で厚さが0.3mmのアルミナからなる中段基板4mが、熱電素子対とはんだ(図示せず)を介して、この下面の銅電極で接合されている。このようにして、1段目熱電変換部15が構成されている。一方、中段基板4mの上面にも銅電極(図示せず)が形成されており、この銅電極上に、底面形状が1辺が0.75mmの正方形状で高さが0.90mmの立方柱状であるn型及びp型の第2段熱電素子3が交互に隣り合わせに並べられてはんだ(図示せず)を介して接合されている。また、これらの第2段熱電素子3と、中段基板4mに設けられた切欠25を貫通して第2段熱電素子3と隣り合わせに並んだ接続用熱電素子1とが、直列に接続されるように下面に銅電極(図示せず)のパターンが形成され1辺が4.0mmの正方形状で厚さが0.3mmのアルミナからなる吸熱側基板4cが、第2段熱電素子3及び接続用熱電素子1とはんだ(図示せず)を介して、この下面の銅電極で接合されることによって、全部で8対の熱電素子対が2段目に設置されている。このようにして、2段目熱電変換部16が構成されている。
【0015】
次に、本発明の第3の実施形態について、図3を参照して説明する。図3(a)は第3の実施形態に係る多段熱電モジュールを示す平面図であり、図3(b)は図3(a)におけるC−Cによる断面図であり、図3(c)は図3(a)におけるD−Dによる断面図である。本実施形態においては、1辺が8.0mmの正方形状で厚さが0.3mmのアルミナからなる放熱側基板4h上に形成された銅電極(図示せず)上に、底面形状が1辺が0.75mmの正方形状で高さが0.90mmの立方柱状であるn型及びp型の第1段熱電素子2が交互に隣り合わせに並べられてはんだ(図示せず)を介して接合されると共に、底面形状が1辺が0.75mmの正方形状で高さが2.20mmの立方柱状である1対のn型及びp型の接続用熱電素子1が、中段基板4mから離れて第1段熱電素子2の最端列に配置されると共に、吸熱側基板4c及び放熱側基板4hが突出したモジュール外端部に配置されることによって、全部で29対の熱電素子対が1段目に設置されている。そして、これらの熱電素子対が直列に接続されるように下面に銅電極(図示せず)のパターンが形成された長辺が8.0mm、短辺が7.0mmの長方形状で厚さが0.3mmのアルミナからなる中段基板4mが、熱電素子対とはんだ(図示せず)を介して、この下面の銅電極で接合されている。このようにして、1段目熱電変換部15が構成されている。一方、中段基板4mの上面にも銅電極(図示せず)が形成されており、この銅電極上に、底面形状が1辺が0.75mmの正方形状で高さが0.90mmの立方柱状であるn型及びp型の第2段熱電素子3が交互に隣り合わせに並べられてはんだ(図示せず)を介して接合されている。また、これらの第2段熱電素子3と、中段基板4mから離れて吸熱側基板4c及び放熱側基板4hが突出したモジュール外端部に配置されて第2段熱電素子3と隣り合わせに並んだ接続用熱電素子1とが、直列に接続されるように下面に銅電極(図示せず)のパターンが形成され1辺が4.0mmの正方形状で厚さが0.3mmのアルミナからなる吸熱側基板4cが、第2段熱電素子3及び接続用熱電素子1とはんだ(図示せず)を介して、この下面の銅電極で接合されることによって、全部で7対の熱電素子対が2段目に設置されている。このようにして、2段目熱電変換部16が構成されている。
【0016】
本発明の第2及び第3の実施形態においては、1段目熱電変換部15の下部電極より2段目熱電変換部16の上部電極に届く高さの接続用熱電素子1が、中段基板4m端部に設けられた矩形の切欠25の間か又は中段基板4mから離れて吸熱側基板4c及び放熱側基板4hが突出したモジュール外端部に配置されることによって、1段目熱電変換部15の下部電極7bと2段目熱電変換部16の上部電極7aとにはんだ6b及び6aを介して接合される。このため、多段熱電モジュールを稼働させるために通電する場合、1段目熱電変換部15に配置された一部の熱電素子2を経由して流れた電流が、この1対の接続用熱電素子1のうちの1個を介して1段目熱電変換部15から2段目熱電変換部16へ流れ(上向き矢印にて図示)、2段目熱電変換部15に配置された熱電素子3を経由した後、もう1個の接続用熱電素子1を介して1段目熱電変換部15へ戻り(下向き矢印にて図示)、残りの熱電素子2に流れる。このようにして接続用熱電素子1は、1段目熱電変換部15と2段目熱電変換部16とを電気的に接続することができる。よって、従来のように、1段目熱電変換部と2段目熱電変換部とを電気的に接続するための導電性被膜等を形成する必要が無い。従って、1段目熱電変換部と2段目熱電変換部とを電気的に接続するためのスルーホール内部等に残存して多段熱電モジュールの耐久性を劣化させる原因となっていた気泡が形成されることもない。また、本発明においては、1段目熱電変換部15の熱電素子と2段目熱電変換部16の熱電素子とを電気的に接続するのではなく、接続用熱電素子1自身が、1段目熱電変換部15の熱電素子2と2段目熱電変換部16の熱電素子3とを兼ねていて接合箇所が少ないので、熱冷サイクルに対しての耐久性が高い構成となっている。よって、本発明に係る多段熱電モジュールは、耐久性を向上させることができる。なお、図2に示す第2実施形態の中段基板4mのように、切欠型の場合には、チップとの寸法マージンをとることができるという利点があり、図3に示す第3実施形態の吸熱側基板4c及び放熱側基板4hのように、突出型の場合には、基板加工が少なくてすむという利点がある。
【0017】
本実施形態においては、多段熱電モジュールとして、2段の熱電変換部で構成される熱電モジュールの例を示したが、本発明は段数を限定せずに複数の段数を有する多段熱電モジュールに適用することができる。
【0018】
【実施例】
次に、本発明の実施例について、添付の図面を参照して具体的に説明する。本実施例においては、図2に示した第2の実施形態と同一構造の多段熱電モジュールを22個製造した。また、図4(a)は比較例として製造した従来技術による多段熱電モジュールを示す平面図であり、図4(b)は図4(a)におけるE−Eによる断面図であり、図4(c)は図4(a)におけるF−Fによる断面図である。この比較例の多段熱電モジュールにおいては、第2の実施形態と同様に、1辺が8.0mmの正方形状で厚さが0.3mmのアルミナからなる放熱側基板4h上に形成された銅電極(図示せず)上に、底面形状が1辺が0.75mmの正方形状で高さが0.90mmの立方柱状であるn型及びp型の第1段熱電素子2が交互に隣り合わせに並べられてはんだ(図示せず)を介して接合され、全部で31対の熱電素子対が1段目に設置されている。そして、これらの熱電素子対が直列に接続されるように下面に銅電極(図示せず)のパターンが形成され1辺が8.0mmの正方形状で厚さが0.3mmのアルミナからなる中段基板4mが、熱電素子対とはんだ(図示せず)を介して、この下面の銅電極で接合されている。このようにして、1段目熱電変換部15が構成されている。一方、中段基板4mの上面にも銅電極(図示せず)が形成されており、この銅電極上に、底面形状が1辺が0.75mmの正方形状で高さが0.90mmの立方柱状であるn型及びp型の第2段熱電素子3が交互に隣り合わせに並べられてはんだ(図示せず)を介して接合されている。そして、これらの熱電素子対が直列に接続されるように下面に銅電極(図示せず)のパターンが形成され1辺が4.0mmの正方形状で厚さが0.3mmのアルミナからなる吸熱側基板4cが、第2段熱電素子3とはんだ(図示せず)を介して、この下面の銅電極で接合されることによって、全部で8対の熱電素子対が2段目に設置されて、2段目熱電変換部16が構成されている。また、中段基板4mの一部には2個のスルーホール112が設けられている。そして、スルーホール112の内周壁には導電性被膜(図示せず)が形成されており、このスルーホール112の上下に配置された第1段熱電素子2及び第2段熱電素子3に接合された銅電極(図示せず)と接続されて、1段目熱電変換部15と2段目熱電変換部16とを電気的に接続している。このように構成された従来技術による多段熱電モジュールを、22個製造して比較例とした。
【0019】
上述のような夫々22個の実施例及び比較例の多段熱電モジュールのサンプルに対し、これらの実施例及び比較例の全てのサンプルのAC抵抗を測定してから、−40℃で15分間及び+85℃で15分間の熱冷サイクルを1000サイクル実施した。その後、AC抵抗を再測定し、1000サイクルの熱冷サイクルの前後において、AC抵抗変化率が5%を超えたサンプルを不良品と判定した。本実施例及び比較例によるサンプルでの判定結果を下記表1に示す。
【0020】
【表1】
Figure 2004158582
【0021】
上記表1から明らかなように、従来技術による比較例の多段熱電モジュールでは、熱冷サイクル後に2個の不良品が発生した。一方、本実施例の多段熱電モジュールは、温度差が125℃の過酷な1000サイクルの熱冷サイクルによってもAC抵抗変化率が5%を超える不良品が発生することがなく、優れた耐久性を備えていることが証明された。
【0022】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る多段熱電モジュールにおいては、接続用熱電素子が、各段の熱電変換部を分ける中段基板に設けられたスルーホール又は切欠を貫通するか若しくは下段の熱電変換部の放熱側基板及び上段の熱電変換部の吸熱側基板が突出したモジュール外端部に中段基板から離れて配置されると共に、下段の熱電変換部の下部電極と上段の熱電変換部の上部電極とにはんだ等を介して接合される。このため、多段熱電モジュールを稼働させるために通電する場合、この接続用熱電素子自身が、複数段の熱電変換部を電気的に接続することができる。よって、従来のように、複数段の熱電変換部を電気的に接続するために、スルーホール内周壁に導電性被膜を形成する必要が無い。従って、従来の多段熱電モジュールにおいて、スルーホール内部に残存して多段熱電モジュールの耐久性を劣化させる原因となっていた気泡は形成されない。また、本発明による複数段の熱電変換部を電気的に接続する方法は、接合箇所が少なく耐久性が高い構成となっている。従って、本発明に係る多段熱電モジュールは、耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る多段熱電モジュールを示す部分的断面図である。
【図2】図2(a)は第2の実施形態の平面図であり、図2(b)は図2(a)におけるA−Aによる断面図であり、図2(c)は図2(a)におけるB−Bによる断面図である。
【図3】図3(a)は第3の実施形態の平面図であり、図3(b)は図3(a)におけるC−Cによる断面図であり、図3(c)は図3(a)におけるD−Dによる断面図である。
【図4】図4(a)は比較例としての従来技術による多段熱電モジュールの平面図であり、図4(b)は図4(a)におけるE−Eによる断面図であり、図4(c)は図4(a)におけるF−Fによる断面図である。
【図5】従来の多段熱電モジュールを示す断面図である。
【図6】従来の多段熱電モジュールにおける問題点を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1;接続用熱電素子
2;第1段熱電素子
3;第2段熱電素子
4c;吸熱側基板
4m;中段基板
4h;放熱側基板
5,112;スルーホール
6a,6b,110a,110b,110d,110e;はんだ
7a;上部電極
7b;下部電極
15,105;1段目熱電変換部
16,106;2段目熱電変換部
25;切欠
100;従来技術による2段型熱電モジュール
101n;第1段n型熱電素子
101p;第1段p型熱電素子
102n;第2段n型熱電素子
102p;第1段p型熱電素子
103a;第2段上部電極
103b;第2段下部電極
103d;第1段上部電極
103e;第1段下部電極
104c;上側絶縁基板
104m;中段絶縁基板
104h;下側絶縁基板
107;貫通孔
108;導電性被膜
111;気泡(ボイド)

Claims (4)

  1. 上下に対向して配置された3個以上の基板と、前記各基板の各対向面に形成された夫々複数個の上部電極及び下部電極と、前記各基板間に配置された複数個のp型熱電素子及びn型熱電素子とを有し、前記基板間に配置された熱電素子群毎に前記p型熱電素子及びn型熱電素子が交互に直列及び/又は並列に接続されるように前記上部電極及び下部電極に夫々1対又は複数対のp型熱電素子及びn型熱電素子が接触し、更に前記熱電素子群が直列に接続されて構成され、一方の最外側の基板から他方の最外側の基板に向けて一方向に熱が流れる多段の熱電モジュールにおいて、特定の基板の下部電極とそれより2段以上上方の基板の上部電極とを接続する接続用熱電素子を有することを特徴とする多段熱電モジュール。
  2. 前記接続用熱電素子は、前記特定の基板の上方の基板に形成されたスルーホール間に配置されると共に、前記特定の基板の下部電極と前記2段以上上方の基板の上部電極とを接続することを特徴とする請求項1に記載の多段熱電モジュール。
  3. 前記接続用熱電素子は、前記特定の基板の上方の基板に形成された切欠間に配置されると共に、前記特定の基板の下部電極と前記2段以上上方の基板の上部電極とを接続することを特徴とする請求項1に記載の多段熱電モジュール。
  4. 前記特定の基板の上方の基板は前記特定の基板及び前記2段以上上方の基板よりも平面視での外形寸法が小さく、前記接続用熱電素子は前記特定の基板及び前記2段以上上方の基板が前記上方の基板より平面視において突出した部分に設けられると共に、前記突出した部分の対抗面に形成された前記特定の基板の下部電極と前記2段以上上方の基板の上部電極とを接続することを特徴とする請求項1に記載の多段熱電モジュール。
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