JP2004158312A - 電源システム及び電源システムの異常検出方法 - Google Patents

電源システム及び電源システムの異常検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発電手段を有する電源システムにおいて、ガスセンサを設けることなく、ガス漏れ等を高確度で検出する。
【解決手段】燃料電池27を用いた電源システムとしての燃料電池システム20において、発電制御部22は、気化器24への発電用燃料の注入量から算出される予想発電電力に対する実発電電力の発電効率が異常であるか否かを判別する。そして、発電制御部22は、発電効率が異常であると判別された場合に、気化器24、改質器25及びCO除去器26の温度と、薄膜ヒータ24a,25a,26aの加熱を一定にしつつ、ポンプ23の発電用燃料の供給量を増加制御した際の気化器24、改質器25及びCO除去器26の温度変化とが適正であるか否かを判別する。そして、温度及び温度変化が適正であると判別された場合に、発電制御部22は、燃料電池27において水素ガス漏れの異常が発生していることを検出する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源システムに関し、特に、水素ガスの漏れ等に起因する異常の発生の有無を判定する機能を備える電源システム及びその異常判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、民生用や産業用のあらゆる分野において、様々な化学電池が使用されている。例えば、アルカリ乾電池やマンガン乾電池等の一次電池や、ニッケル・カドミウム蓄電池やニッケル・水素蓄電池、リチウムイオン電池等の二次電池等である。これに対し、近年においては、環境への影響(負担)が少なく、且つ、例えば、30〜40%程度の極めて高いエネルギー利用効率を実現することができる燃料電池を用いた電源システムの実用化のための研究、開発が盛んに行われている。また、このような燃料電池を用いた電源システムを小型化して、携帯情報端末、ノート型パソコン等の携帯機器の二次電池に代わる電源ユニットとして適用できるようにして、使用可能時間を長くするための研究、開発も進められている。
【0003】
さて、従来の燃料電池を用いた電源システムにおいては、例えばメタノール等の発電用燃料を気化器により気化し、気化された発電用燃料改質器により水素ガス等に改質し、その改質された水素ガス中の一酸化炭素をCO除去器により除去した後の水素ガスを燃料電池に供給して発電する。ここで、水素ガス等の供給系においてガスの漏れが発生した場合、安全のためにガスの供給系の動作を停止させ、発電動作を停止させるようにすることが必要となる。このような機能を備えるために、従来においては、例えば、水素ガスを検出する水素センサを電源システムの水素ガスの供給系路近傍に設けるようにして、水素センサによって水素ガスの漏れを検出するようにしたものがある。このような水素センサは、センサ素子、加熱用のヒータ等を備えて構成されている。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
【特許文献1】
特開2001−27626 (第3−5頁、図1、図7)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような水素センサは比較的大きく、また高価であるため、例えば、電気自動車の電源システム等の比較的大型のシステムに用いることができる程度のものであった。
一方、前述のように、燃料電池を用いた電源システムを小型化して携帯機器等の電源として適用できるようにすることが研究、開発され、この場合も、水素ガス等の漏れが発生した場合、引火や爆発を招く可能性が高いため、安全のために、ガスの供給を停止させ、発電動作を停止させる等の安全対策を備えることが強く求められるが、携帯機器等に適用することができる程度に小型化した電源システムに上記のようなガスセンサを設けることは、サイズ的にも、また、コスト的にも困難であった。
【0006】
本発明の課題は、電源システムにおいて、ガスセンサを設けることなく、ガスの漏れ等を検出する機能を備え、小型化した電源システムに適用できるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、所定の発電用燃料を用いて発電する発電手段を有する電源システムにおいて、前記発電手段に供給された前記発電用燃料の供給量を検知する燃料量検知手段と、前記発電手段により実際に発電された実発電電力を検知する実発電電力検知手段と、前記燃料量検知手段により検知された前記発電用燃料の供給量から予想される予想発電電力と、前記実発電電力検知手段により検知された前記実発電電力との比較に基づいて、前記電源システムに異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電源システムにおいて、前記異常判定手段は、前記実発電電力が前記予想発電電力よりも所定値以上少ない場合に、前記電源システムに異常が発生していると判定する電力異常判定手段を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の電源システムにおいて、前記実発電電力検知手段における前記実発電電力の検知は、前記発電手段から出力される出力電圧、及び、出力電流の少なくとも一方の検出に基づいて行われることを特徴とする。
【0008】
また、請求項12に記載の発明は、所定の発電用燃料が供給されて発電を行う発電手段を有する電源システムにおける、該電源システムに異常が発生しているか否かを判定する異常判定方法において、前記発電手段に供給される前記発電用燃料の供給量を検知するステップと、前記発電用燃料の供給量から予想される予想発電電力を算出するステップと、前記発電手段により実際に発電された実発電電力を検知するステップと、前記検知された実発電電力と前記算出された予想発電電力とを比較するステップと、を含み、前記実発電電力と前記予想発電電力との比較に基づいて、前記実発電電力が前記予想発電電力よりも所定値以上少ない場合に、前記電源システムに異常が発生していると判定することを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の電源システムの異常判定方法において、前記実発電電力を検知するステップは、前記発電手段から出力される出力電圧を検出するステップ、及び、前記発電手段から出力される出力電流を検出するステップ、の少なくとも一方を含むことを特徴とする。
【0009】
請求項1、2、3、12、又は13に記載の発明によれば、発電手段に供給される発電用燃料の供給量から予想される予想発電電力と、発電手段により実際に発電された、例えば発電手段から出力される出力電圧、出力電流の検出に基づく、実発電電力との比較に基づき、実発電電力が予想発電電力よりも所定値以上少ない場合に、電源システムに水素ガスの漏れ等に起因する異常が発生していることを検出できる。よって、ガスセンサ等の検知器を用いることなく、電源システム内の異常発生を高確度に検出できる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の電源システムにおいて、前記電源システムは、さらに、前記異常判定手段により該電源システムに異常が発生していると判定された場合に、異常発生の旨を報知する異常報知手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明によれば、電源システムに異常が発生していると判定された場合に、異常発生の旨を報知するので、電源システム内の水素ガスの漏れ等に起因する異常発生を即座に報知することができる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の電源システムにおいて、前記発電手段は、少なくとも、前記発電用燃料を気化する気化部と、前記気化された前記発電用燃料から所定の触媒反応により水素を含む特定の燃料成分を生成する燃料改質部と、前記燃料改質部における前記触媒反応により発生する副生成物を除去する副生成物除去部と、前記特定の燃料成分を用いた電気化学反応により発電する燃料電池部と、を備えていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の電源システムにおいて、前記発電手段は、さらに、前記気化部、前記燃料改質部、及び、前記副生成物除去部の各々の温度を検知する温度検知手段を備え、前記異常判定手段は、前記温度検知手段により検知された各温度が適正であるか否かを判別する温度判別手段を備え、前記電力異常判定手段により前記電源システムに異常が発生していると判定された場合に、前記温度判別手段による判別結果に基づいて前記各部に異常があるか否かを判定することを特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、請求項12又は13に記載の電源システムの異常判定方法において、前記発電手段は、少なくとも、前記発電用燃料を気化する気化部と、前記気化された前記発電用燃料から所定の触媒反応により水素を含む特定の燃料成分を生成する燃料改質部と、前記燃料改質部における前記触媒反応により発生する副生成物を除去する副生成物除去部と、前記特定の燃料成分を用いた電気化学反応により発電する燃料電池部と、を有し、前記電源システムの異常判定方法は、さらに、前記発電手段の前記各部の温度を検知するステップと、前記各部の温度が適正であるか否かを判別するステップと、を含み、前記実発電電力と前記予想発電電力との比較に基づいて前記電源システムに異常が発生していると判定された場合に、前記各部の温度が適正であるか否かの判別結果に基づいて、前記各部に異常があるか否かを判定することを特徴とする。
【0013】
請求項5、6、又は14に記載の発明によれば、実発電電力と予想発電電力との比較に基づいて電源システムに異常が発生していると判定された場合に、発電手段の気化部、燃料改質部及び副生成物除去部の各部の温度が適正であるか否かを判別して、発電手段のどの部分に異常があるかを検出できる。特に、燃料改質部及び副生成物除去部で温度異常が発生した場合に、水素ガスの漏れが発生している可能性があることを検出できる。
【0014】
また、この場合、請求項7に記載の発明のように、請求項6に記載の電源システムにおいて、前記異常判定手段は、前記電力異常判定手段により前記電源システムに異常が発生していると判定され、且つ、前記温度判別手段により前記各部の温度の何れも異常でないと判別された場合に、前記燃料電池部に水素ガスの漏れによる異常が発生していると判定する。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の電源システムにおいて、前記発電手段は、さらに、前記気化部、前記燃料改質部、及び、前記副生成物除去部を加熱する加熱手段を備え、前記異常判定手段は、さらに、前記加熱手段による前記各部の加熱状態が一定とされた状態で、前記発電手段に供給される前記発電用燃料の供給量を所定量変化させた際の、前記温度検知手段により検知された前記各部の温度の変化が適正であるか否を判別する温度変化判別手段を備え、前記電力異常判定手段により前記電源システムに異常が発生していると判定され、且つ、前記温度判別手段により前記各部の温度の何れも異常でないと判別された場合に、前記温度変化判別手段による判別結果に基づいて前記各部の異常を判定することを特徴とする。
また、請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の電源システムの異常判定方法において、前記電源システムの異常判定方法は、さらに、前記発電手段の前記各部の加熱状態を一定とするステップと、前記発電手段に供給される前記発電用燃料の供給量を所定量増加させるステップと、前記発電用燃料の供給量を所定量増加させた際の、前記発電手段の前記各部の温度変化を検知するステップと、前記各部の温度変化が適正であるか否かを判別するステップと、を含み、前記実発電電力と前記予想発電電力との比較に基づいて前記電源システムに異常が発生していると判定され、且つ、前記各部の温度が適正であるか否かの判別結果に基づいて前記各部の温度に異常がないと判定された場合に、前記各部の温度変化が適正であるか否かの判別結果に基づいて、前記各部に異常があるか否かを判定することを特徴とする。
【0016】
請求項8又は15に記載の発明によれば、実発電電力と予想発電電力との比較に基づいて電源システムに異常が発生していると判定され、且つ、発電手段の各部の温度の何れも異常でないと判別された場合に、発電手段の各部の加熱状態が一定に制御されつつ、発電用燃料の供給量を所定量変化させた際の各部の温度変化が適正であるか否を判別することによって、発電手段の各部に異常があるかを検出できる。特に、改質部及び副生成物除去部に異常があることを検出した場合、これらの部位で水素ガスの漏れが発生している可能性があることを検出できる。
【0017】
また、この場合、請求項9に記載の発明のように、請求項8に記載の電源システムにおいて、前記温度変化判別手段は、前記気化部、又は、前記燃料改質部において、前記加熱手段により前記各部の加熱状態が一定とされた状態で、前記発電用燃料の供給量が所定量増加制御された際に、前記各部が前記発電用燃料の供給量の増加量に対応した温度低下を示すか否かを判別するようにしてもよい。
また、請求項10に記載の発明のように、請求項8又は9に記載の電源システムにおいて、前記温度変化判別手段は、前記副生成物除去部において、前記加熱手段により前記各部の加熱状態が一定とされた状態で、前記発電用燃料の供給量が所定量増加制御された際に、前記副生成物除去部が前記発電用燃料の供給量の増加量に対応した温度上昇を示すか否かを判別するようにしてもよい。
【0018】
請求項9又は10に記載の発明によれば、加熱状態が一定に制御されつつ、燃料の供給量を所定量増加制御された際に、気化部、又は、燃料改質部が適正な温度低下を示すか否かを判別するので、加熱状態が一定の場合、燃料の供給量が増加すると吸熱反応により温度が低下するという気化部及び燃料改質部の正常時の性質に基づいて、これらの部位の異常を容易に検出でき、また、燃料の供給量を所定量増加制御された際に、副生成物除去部が適正な温度上昇を示すか否かを判別するので、加熱状態が一定の場合、燃料の供給量が増加すると発熱反応により温度が上昇するという正常時の性質に基づいて、副生成物除去部の異常を容易に検出できる。
【0019】
また、この場合、請求項11に記載の発明のように、請求項8から10のいずれか一項に記載の電源システムにおいて、前記異常判定手段は、前記電力異常判定手段により前記電源システムに異常が発生していると判定され、且つ、前記温度変化判別手段により前記各部の温度変化の何れにも異常がないと判別された場合に、前記燃料電池部に水素ガス漏れによる異常が発生していると判定する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
先ず、図1及び2を参照して本実施の形態の装置の特徴を説明する。図1は、本実施の形態に係る携帯機器10の内部構成の一例を示す図である。図2は、携帯機器10に搭載された燃料電池システム20の内部構成を示す図である。
【0022】
本実施の形態に係る燃料電池システム20は、図1に示すように、携帯機器10内に設けられる。例えば、携帯情報端末のPDA(Personal Digital Assistants)である携帯機器10は、各部を中央制御するCPU(Central Processing Unit)11と、情報が読み込み可能に記憶されているROM(Read Only Memory)12と、情報を一時的に記憶するRAM(Random Acccess Memory)13と、情報を読み書き可能に記憶する不揮発性のFROM(Flash Read Only Memory)14と、表示情報を画面表示するLCD(Liquid Crystal Display)15と、CPU11から送信された表示制御信号によりLCD15の画面表示制御を行うLCDドライバ16と、ユーザのLCD15上のタッチ操作により入力された入力情報をCPU11へ送信するタッチパネル17と、赤外線通信、コネクタ通信及び無線LAN通信方式等による外部機器との通信を制御する通信I/F(インターフェース)18と、携帯機器10の電源であり燃料電池による発電を行う燃料電池システム20とを備えて構成され、LCD15を除く各部はバス19により接続されている。なお、これらの構成は携帯機器における代表的な構成例を示したに過ぎず、他の構成を有するものであってもよいことはいうまでもない。
【0023】
CPU11は、ROM12又はFROM14内に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたアプリケーションプログラムを読み出してRAM13内に展開する。そして、CPU11は、タッチパネル17から入力される各種指示又はそれに応じた各種データをRAM13内に一時的に格納し、この入力指示及び入力データを用いて前記展開されたアプリケーションプログラムに従って各種処理を実行する。そして、CPU11は、その処理結果をRAM13内に格納すると共に、LCD15に表示させる。また、CPU11は、燃料電池システム20の発電動作を指示するための指示信号と、携帯機器10の駆動状態の内容を示す負荷駆動状態信号とを燃料電池システム20に送信する。またCPU11は、燃料電池システム20の発電状態の内容を示す信号と、燃料電池システム20に水素ガス等のガス漏れの可能性が起こった際のガス漏れを示す信号とを燃料電池システム20から受信する。
【0024】
また、ROM12、FROM14に記憶されたプログラム、データ等は、その一部若しくは全部を外部機器から通信ネットワーク及び通信I/F18を介して受信して格納する構成にしてもよい。LCD15は、液晶表示方式で画面表示を行うが、これに限るものではなく、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等に代えてもよい。
【0025】
また、携帯機器10は、PDAに限られるものではなく、ノート型パソコン、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯テレビ等の他の機器でもよい。
【0026】
次に、図2を参照して燃料電池システム20の内部構成を説明する。燃料電池システム20は、燃料改質方式を採用した固体高分子型の燃料電池27を有する。
【0027】
燃料電池システム20は、同図に示すように、大別して、発電用燃料が封入され、着脱可能な燃料カートリッジ21と、装着された燃料カートリッジ21に結合して、燃料カートリッジ21から供給される発電用燃料に基づいて所定の電力(電気エネルギー)を発生(発電)する発電モジュール20aとを備えて構成される。以下、各構成について具体的に説明する。
【0028】
〔燃料カートリッジ〕
燃料カートリッジ21は、その組成に水素を含有する液体燃料又は液化燃料からなる発電用燃料が充填、封入された密閉性の高い燃料容器である燃料タンク21aと、燃料タンク21a内の発電用燃料の残量を検出する残量センサ21bとを備えて構成される。
【0029】
燃料タンク21a内の発電用燃料は、発電モジュール20aの発電制御部22の制御により、燃料電池27が所定電圧の電力を発生するために必要な量が、ポンプ23を介して、随時気化器24へ供給される。
【0030】
また、燃料電池システム20に用いられる発電用燃料は、メタノール及び水の混合液を用いるものとするが、これに限るものではなく、メタノールに代えてエタノール、ブタノール等のアルコール系の液体燃料や、常温、常圧下で気体であるジメチルエーテルやイソブタン、天然ガス等の炭化水素からなる液化燃料を適用することができる。
【0031】
燃料タンク21aには、発電モジュール20aに結合された状態でのみ、燃料タンク21aに封入されている発電用燃料の供給が可能となるように、制御弁が設けられている。これにより、燃料カートリッジ21が発電モジュール20aから分離された状態においては、燃料タンク21a内の発電用燃料が燃料カートリッジ21の外部に漏出することはない。
【0032】
また、燃料カートリッジ21内の残量センサ21bは、例えば、燃料タンク21a内の所定位置に配設された略棒状体の導体からなる導体組を有して構成され、この導体の間の電気抵抗値が測定されることで、燃料カートリッジ21に封入された発電用燃料の残量が検出される。その導体は、例えば、カーボン等の良導体で形成されるが、例えば金等により形成される印刷パターンにより、燃料タンク21aの内周面に形成されることとしても良い。
【0033】
残量センサ21bには、導体の間の電気抵抗値を計測する抵抗計測回路が内蔵されており、計測された電気抵抗値は、発電制御部22へ出力され、その電気抵抗値から発電用燃料の残量が算出される。残量センサ21bは、このような抵抗線方式に限られるものではなく、光センサ方式、光ファイバを用いるファイバセンサ方式、超音波の反射時間の変化を計測する超音波方式等の他のセンサを用いてもよい。なお、燃料カートリッジ21は、着脱式であることに限定されず、発電モジュール20aと一体に設けられる構成でもよい。
【0034】
〔発電モジュール〕
次に、発電モジュール20aについて説明する。本実施の形態に係る発電モジュール20aは、図2に示すように、CPU11と通信を行い、受信した指示信号に従って発電モジュール20aの各部を制御するとともに、発電モジュール20aの状況をCPU11へ送信する発電制御部22と、発電制御部22の制御信号に従って燃料カートリッジ21から供給される発電用燃料の送り出し又は遮断をするポンプ23と、ポンプ23から送り出された発電用燃料を気化する気化器24と、気化器24により気化された発電用燃料を燃料電池27用の燃料に改質する改質器25と、改質器25による改質により発生した燃料中のCO(一酸化炭素)を除去するCO除去器(一酸化炭素除去器)26と、燃料電池システム20に接続された負荷(当該燃料電池システム20の供給電源で動作する携帯機器10を意味しており、以下同様とする。)に駆動電源(電圧/電流)となる電気エネルギーを発生し出力する燃料電池27とを備える。
【0035】
また、発電モジュール20aは、気化器24、改質器25及びCO除去器26をそれぞれ加熱する薄膜ヒータ24a,25a,26aと、燃料電池システム20から出力される供給電力を用いて発電制御部22からの制御信号に基づき、薄膜ヒータ24a,25a,26aに駆動用電力を出力するドライバ24b,25b,26bと、気化器24、改質器25及びCO除去器26のそれぞれの温度を検知して出力する温度センサ24c,25c,26cと、温度センサ24c,25c,26cから出力された温度情報を発電制御部22に出力する温度計測回路28とを備える。
【0036】
また、発電モジュール20aは、燃料電池27において発生された電力(実発電電力)を計測して発電制御部22へその計測結果を出力する発電電力計測回路29と、燃料電池27において発生された電力を一旦保持する電気二重層コンデンサ等からなる電力保持部31と、発電制御部22からの制御信号に基づいて電力保持部31の充電及び負荷への電源供給を制御する制御回路30と、発電制御部22からの制御信号に基づいて燃料電池27及び電力保持部31から出力される電力を、直流に変換して負荷に供給し、その供給電力を示す信号(燃料電池27、電力保持部31から出力された電力の電力信号)を発電制御部22へ出力するDC/DCコンバータ32と、後述するように、燃料電池システム20に異常が発生していることを検出した場合に、その旨を光や音等でユーザに報知する報知部33とを備える。ここで、発電電力計測回路29は、例えば燃料電池27と制御回路30との間に設けられ、燃料電池27から出力される出力電圧、及び、出力電流を計測して、燃料電池27で発生された実発電電力を求める機能を有するものであり、また、出力電圧及び出力電流の少なくとも一方を計測して、実発電電力に換算するように構成されているものであってもよい。
【0037】
また、発電制御部22は、RAM22aと、ROM22bとを内蔵する。また、燃料電池システム20は、例えば、家庭用の交流電源に接続され、交流電流を所定の直流電流に変換するACアダプタAを接続可能に構成されている。ACアダプタAが接続された場合には、制御回路30は、燃料電池27に代えて、ACアダプタAから出力される直流電流を電力保持部31及びDC/DCコンバータ32に供給して、負荷の電源電力とする。
【0038】
〔気化器、改質器、CO除去器及び燃料電池〕
本実施の形態のように、メタノール(CHOH)及び水(HO)を発電用燃料として燃料電池27用の水素ガス(H)を発生する場合にあっては、気化器24は、蒸発過程を介して、燃料カートリッジ21から供給される発電用燃料を薄膜ヒータ24aで加熱して気化する。そして、改質器25は、気化器24で気化された発電用燃料を、水蒸気改質反応過程を介して、水素(H)と副生成物の二酸化炭素(CO)との混合ガスに変換する。そして、CO除去器26は、改質器25により変換された混合ガスに微量の副生成物として含まれる一酸化炭素ガス(CO)を二酸化炭素ガスに変換して除去する。そして、燃料電池27は、改質器25及びCO除去器26において生成された高濃度の水素ガスにより、負荷への供給電力及び発電モジュール20aの各部の動作電力を発生する。
【0039】
さらに具体的には、気化器24は、燃料カートリッジ21からポンプ23を介して供給された発電用燃料であるメタノール及び水に対して、ドライバ24bにより制御された薄膜ヒータ24aで概ね沸点程度の温度条件の雰囲気を設定することにより、メタノール及び水を気化させ、改質器25へ導出する。また、気化器24は、能率よく発電用燃料を気化するため、薄膜ヒータ24a及びCO除去器26から効率よく熱を伝導する構造と、この熱を外部に漏らさない断熱構造とを有する。
【0040】
改質器25は、燃料カートリッジ21から気化器24を介して導入された発電用燃料を、水素ガス(H)に変換する。具体的には、上記気化されて導入されたメタノール及び水に対して、ドライバ25bにより制御された薄膜ヒータ25aで概ね300[℃]の温度条件の雰囲気を設定することにより、次の式(1)の化学反応に示すように、水素と二酸化炭素との混合ガスへと変換する。
CHOH+HO→3H+CO ・・・(1)
【0041】
また、改質器25は、導入されたメタノール及び水を改質するための、例えば、進行方向に直行する断面の縦、横の長さが500[μm]以下の細い流路からなるマイクロリアクタであり、式(1)に示した化学反応を能率よく進行させるためのCu、ZuO、Al等の周知の触媒が流路の表面に担持されている。また、式(1)に示した化学反応は吸熱反応であるので、改質器25は、この反応を効率良く進行させるため、薄膜ヒータ25a及びCO除去器26から効率よく熱を伝導する構造と、この熱を外部に漏らさない断熱構造とを有する。
【0042】
CO除去器26は、改質器25で生成された水素と二酸化炭素とを主成分とする混合ガスに含まれる微量の副生成物のうち、燃料電池27の発電特性に悪影響を及ぼす一酸化炭素ガスを除去するため、ドライバ26bにより制御された薄膜ヒータ26aで所定の温度条件の雰囲気を設定することにより、この一酸化炭素ガスを、次の式(2)に示す化学反応で水素ガスと二酸化炭素ガスとに変換する。また、CO除去器26の内部には、式(2)に示す化学反応を効率良く進行させるためのPt,Al等の周知の酸化触媒が担持されている。また、式(2)に示す化学反応は発熱反応であるので、CO除去器26には、この反応熱を排出するための図示しない放熱手段を設置することとしても良い。
CO+HO→H+CO ・・・(2)
【0043】
尚、式(2)に示す化学反応に要する水(HO)には、燃料カートリッジ21から発電用燃料として供給される水の内、改質器25で反応し残った水が充当されるが、この水が混合ガス中の一酸化炭素ガスに対して充分な量でない場合には、不足した分の水をCO除去器26に供給する構造を付加しても良い。
【0044】
更に、CO除去器26は、式(3)で示す化学反応により、一酸化炭素ガスを二酸化炭素ガスへ変換する。これにより、上記混合ガスから、式(2)に示す化学反応で除去し切れなかった一酸化炭素ガスを除去して、上記混合ガス中の一酸化炭素ガスの濃度を、燃料電池27の発電特性に悪影響が及ばない範囲まで低めることができる。
2CO+O→2CO ・・・(3)
【0045】
また、CO除去器26の内部には、改質器25から導入された混合ガスに含有されている水素ガスを消費することなく、一酸化炭素ガスのみを選択的に式(3)に示す化学反応で酸化するための周知の酸化触媒が担持されている。
【0046】
燃料電池27は、例えば高分子型の燃料電池であり、大別して、例えば白金や白金−ルテニウム合金等の触媒微粒子が付着した炭素電極からなる燃料極(カソード)と、白金、ルテニウム等の触媒微粒子が付着した炭素電極からなる空気極(アノード)と、燃料極と空気極との間に介挿されたフィルム状の周知のイオン導電膜(交換膜)と、を有して構成される。ここで、燃料電極には、上述した改質器25及びCO除去器26により抽出された(濃度が高められた)水素ガス(H)が供給され、一方、空気極には、大気中の酸素ガス(O)が供給されることにより、電気化学反応が進行して発電が行われ、負荷に対して所定の駆動電源(電圧/電流)となる電気エネルギーが供給される。
【0047】
具体的には、燃料極に水素ガスが供給されると、次の式(4)に示す化学反応のように、上記触媒により電子(e)が分離した水素イオン(プロトン:H)が発生し、イオン導電膜を介して空気極に透過するとともに、燃料極を構成する炭素電極により電子(e)が取り出されて負荷へ供給される。
3H→6H+6e ・・・(4)
【0048】
一方、空気極に空気が供給されると、次の式(5)に示す化学反応のように、上記触媒により負荷を経由した電子(e)と、イオン導電膜を透過した水素イオン(H)と空気中の酸素ガスが反応して水(3HO)が生成される。
6H+3/2O+6e→3HO ・・・(5)
【0049】
このような一連の電気化学反応式(式(4)、(5))は、概ね60〜80[℃]という比較的低温の環境下で進行し、電力以外の副生成物は、基本的に水(HO)のみとなる。
【0050】
尚、上述したような電気化学反応式(式(4)、(5))により負荷に供給される駆動電源(電圧/電流)は、燃料電池27の燃料極に供給される水素ガスの量に依存する。従って、発電制御部22がポンプ23を制御し、燃料極に供給される水素ガスの量を制御することにより、燃料電池27によって発生される電力(発生電力)の電気エネルギーを任意に調節することができる。
【0051】
このように、先ず、燃料カートリッジ21からポンプ23を介して気化器24に供給された発電用燃料は、気化器24で気化された後、改質器25で水素と二酸化炭素の混合ガスに変換される。次に、この混合ガスに不純物として微量に含まれる一酸化炭素ガスが、CO除去器26で二酸化炭素ガスに変換、除去され、高濃度の水素ガスとして燃料電池27に供給される。
【0052】
〔電力保持部〕
制御回路30は、燃料電池27から供給された電力の出力先を発電制御部22からの制御信号に基づいて制御することで、電力保持部31を充電したり、DC/DCコンバータ32への出力をしたりする。電力保持部31は、携帯機器10の起動時には燃料電池27に代わって主電源となる。
【0053】
具体的には、携帯機器10の電源ON操作がなされた場合は、電力保持部31に蓄積された電力がDC/DCコンバータ32を介してドライバ24b,25b,26bに出力される。そして、薄膜ヒータ24a,25a,26aが通電することで加熱し、またポンプ23から発電用燃料が気化器24に導入されることにより燃料電池27が発電を開始する。発電開始後に、発電電力計測回路29から燃料電池27が発電を開始したことを示す電力信号を入力すると、発電制御部22は、電力保持部31がフル充電された後、制御回路30の電力出力先を電力保持部31からDC/DCコンバータ32に切り換える。
【0054】
このため、制御回路30は、燃料電池27の発電中には電力保持部31をフル充電する。また、携帯機器10は、電源OFF操作がなされた際、電力保持部31がフル充電されていない場合には、電力保持部31をフル充電してから燃料電池システム20を停止する。
【0055】
〔報知部〕
報知部33は、例えば、LED等の発光手段、LCDやEL等の表示パネルを有する表示手段、スピーカ等の音声出力手段、振動発生手段等の内から、少なくとも1つを備えて構成される。
【0056】
報知部33が、表示手段を備える場合にあっては、例えば、発電制御部22によって算出された発電用燃料の残量を、燃料タンク21aの容積に対する割合(%)でデジタル表示したり、5段階表示等の段階的な表示をしたりすることができる。
【0057】
また同様に、後述する異常検出処理において、異常が検出された場合には、異常の検出の旨と、発生場所(ポンプ23から気化器24まで、改質器25、CO除去器26又はCO除去器26から燃料電池27までのいずれか)等をメッセージ表示することができる。
【0058】
報知部33が、音声出力手段を備える場合には、上述した表示手段による表示内容をメッセージにして音声出力する。
【0059】
〔制御部〕
次に、発電制御部22の機能を説明する。携帯機器10(負荷)の起動時には、電力保持部31に蓄積された電力がドライバ24b、25b、26bに供給される。この起動動作において、発電制御部22には、温度計測回路28から温度センサ24c,25c,26cが検知した温度の温度計測信号が入力される。発電制御部22は、温度計測信号に基づいた温度制御信号をドライバ24b,25b,26bへ出力して薄膜ヒータ24a,25a,26aの温度制御を行う。
【0060】
発電制御部22は、薄膜ヒータ24a,25a,26aの温度制御と並行して、燃料供給制御信号をポンプ23へ出力し、ポンプ23の動作(供給動作、停止動作)を制御することで、燃料カートリッジ21から気化器24への発電用燃料の供給、遮断を制御する。発電用燃料の供給量を制御することにより、燃料電池27による発電電力を調整する。
【0061】
具体的には、発電制御部22は、気化器24、改質器25、CO除去器26及び燃料電池27が駆動していない状態で、負荷を起動する旨の信号をCPU11から受信した場合には、ポンプ23の燃料供給動作及び薄膜ヒータ24a,25a,26aの温度制御を開始させ、気化器24への発電用燃料の供給を開始させることで、気化器24、改質器25、CO除去器26及び燃料電池27を駆動させる。
【0062】
また、発電制御部22は、気化器24、改質器25、CO除去器26及び燃料電池27が駆動している状態において、負荷の駆動状態の内容を示す負荷駆動状態信号をCPU11から受信する。また、発電制御部22は、DC/DCコンバータ32から供給電力を示す供給電力信号を入力する。発電制御部22は、受信した負荷駆動状態信号及び入力した供給電力信号に基づいて燃料供給制御信号をポンプ23へ出力し、ポンプ23の供給動作を制御することで、燃料電池27の発電電力を調整する。また発電制御部22は、ポンプ23の供給動作制御と並行して、受信した負荷駆動状態信号及び入力した供給電力信号に基づいて薄膜ヒータ24a,25a,26aの温度制御を行う。こうして発電制御部22は、燃料電池27の発電の制御を実行する。
【0063】
そして、発電制御部22は、制御信号を制御回路30へ出力して、燃料電池27から供給された電力の出力先をDC/DCコンバータ32にするか又は電力保持部31へ充電するかを制御する。更に、発電制御部22は、DC/DCコンバータ32から出力される供給電力を示す信号を入力し、受信した供給電力に基づいて、変換制御信号をDC/DCコンバータ32へ出力する。DC/DCコンバータ32は、変換制御信号に基づいて燃料電池27からの発電電力又はその発電電力と電力保持部31のチャージからの放電電力との合計電力を、負荷に適応した直流に変換させる。
【0064】
例えば、発電制御部22は、CPU11から受信した負荷駆動状態信号が携帯機器10に大きな供給電力を要求することを示す場合には、燃料電池27の発電電力に加えて電力保持部31に蓄積されている電力も出力させるように変換制御信号をDC/DCコンバータ32へ出力する。
【0065】
また、気化器24、改質器25、CO除去器26及び燃料電池27が駆動している状態において、発電制御部22は、残量センサ21bから抵抗値信号を入力し、その抵抗値信号から燃料タンク21a内の発電用燃料の残量を算出する。発電制御部22は、算出された発電用燃料の残量を、CPU11へ送信する。また、その残量が少ない場合には、発電制御部22は、報知部33にその旨を報知させる。
【0066】
また、発電制御部22は、燃料タンク21a内の発電用燃料の残量を算出してその変化量を燃料注入量(燃料量)とし、その燃料注入量を用いて予想される予想発電電力を算出する。また、燃料注入量から予想発電電力を算出するための係数は予めROM22bに記憶されており、発電制御部22は、予想発電電力の算出時にはその係数をROM22bから読み込む。
【0067】
また、ROM22bには、気化器24、改質器25及びCO除去器26それぞれの温度が適正であるか否かを判別するための温度基準範囲が予め記憶される。発電制御部22は、温度異常の判別時には温度基準範囲を読み込んで使用する。また同様に、発電制御部22の制御により、RAM22aには、気化器24、改質器25、CO除去器26及びその周辺部(ポンプ気化系、改質器系及びCO除去器系)が異常であるか否かを示す異常フラグが記憶される。
【0068】
また、発電制御部22は、後述する異常検出処理を実行する。異常検出処理の実行により、発電制御部22は、燃料注入量から算出した予想発電電力に対する実発電電力の発電効率が著しく低いか否かを判別し、発電効率が著しく低い場合に、気化器、改質器及びCO除去器の温度が適正であるか否かを判別し、温度が適正である場合に、一定の加熱で燃料注入量を増加した際の気化器、改質器及びCO除去器の温度変化が適正であるか否かを判別し、温度変化が適正である場合に、燃料電池27に水素ガスの漏れによる異常が発生していることを報知部33に報知させる。詳しくは、以下で説明する。
【0069】
〔異常検出処理〕
次に、図3〜図6を参照して、本実施の形態に係る燃料電池システム20の動作としての異常検出処理を説明する。図3は、異常検出処理を示すフローチャートである。図4は、異常検出処理中のポンプ気化系検査処理を示すフローチャートである。図5は、異常検出処理中の改質器系検査処理を示すフローチャートである。図6は、異常検出処理中のCO除去器系検査処理を示すフローチャートである。
【0070】
なお、異常検出処理は、燃料電池27の発電動作中、携帯機器10において、常時、もしくは定期的に、あるいは燃料電池27の異常検出の要請があったときに実行される一連の動作である。以下の説明において、CO除去器26の燃料排出から燃料電池27の燃料排出までの流路部分を燃料電池系と定義し、ポンプ23の燃料排出から気化器24の燃料排出までの流路部分をポンプ気化系と定義する。また、改質器25の流入から排出までの流路部分を改質器系と定義し、CO除去器26の流入から排出までの流路部分をCO除去器系と定義する。
【0071】
先ず、CPU11から異常検出処理実行指示信号を受信すると、発電制御部22は、発電電力計測回路29から出力される実発電電力信号を入力する(ステップS11)。そして、発電制御部22は、残量センサ21bから入力した抵抗値信号から燃料タンク21a内の残量を算出し、所定時間前の残量と現在の残量との差から発電用燃料の燃料注入量を算出し、その燃料注入量から予想される発電電力である予想発電電力を算出する(ステップS12)。そして、発電制御部22は、ステップS11において入力された実発電電力とステップS12において算出された予想発電電力とを用いて、発電効率=実発電電力/予想発電電力を算出する(ステップS13)。
【0072】
そして、発電制御部22は、ステップS13で算出された発電効率が著しく低いか否かを判別する(ステップS14)。ステップS14において、発電制御部22は、例えば、発電効率がROM22bに記憶された所定基準値と比較して大きいか否かにより判別する。発電効率が著しく低くない場合(ステップS14;NO)、発電制御部22は、「水素漏れなし」の旨の信号をCPU11に送信し(ステップS15)、異常検出処理を終了する。
【0073】
発電効率が著しく低い場合(ステップS14;YES)、発電制御部22は、温度センサ25cにより検知された温度検知信号に対する温度計測信号を温度計測回路28から入力して、改質器25の温度を取得する(ステップS16)。そして、発電制御部22は、ステップS16で取得した改質器25の温度が予め設定された適正な温度に対して異常であるか否かを判別する(ステップS17)。具体的には、発電制御部22は、改質器25の温度が、ROM22b内の改質器25の温度基準範囲内であれば正常とし、範囲外であれば異常であるとする。
【0074】
改質器25の温度が適正でなく、異常である場合(ステップS17;YES)、発電制御部22は、「改質器の温度異常」の旨の信号をCPU11に送信し、更に「改質器の温度異常」の旨の信号を報知部33へ出力する(ステップS18)。報知部33は、「改質器の温度異常」の旨を音声、画面表示、光等によりユーザに報知する。そして、発電制御部22は、異常検出処理を終了する。「改質器の温度異常」とは、改質器25の故障等の異常を意味し、改質器25での発電用燃料の水素ガス等の漏れの可能性があることも意味する。
【0075】
改質器25の温度が適正であって、異常でない場合(ステップS17;NO)、発電制御部22は、温度センサ26cにより検知された温度検知信号に対する温度計測信号を温度計測回路28から入力して、CO除去器26の温度を取得する(ステップS19)。そして、発電制御部22は、ステップS19で取得したCO除去器26の温度が適正であるか否かを判別する(ステップS20)。具体的には、発電制御部22は、CO除去器26の温度が、ROM22b内のCO除去器26の温度基準範囲内であれば正常とし、範囲外であれば異常であるとする。
【0076】
CO除去器26の温度が適正でなく、異常である場合(ステップS20;YES)、発電制御部22は、「CO除去器の温度異常」の旨の信号をCPU11に送信し、更に「CO除去器の温度異常」の旨の信号を報知部33へ出力する(ステップS21)。報知部33は、「CO除去器の温度異常」の旨を音声、画面表示、光等によりユーザに報知する。そして、発電制御部22は、異常検出処理を終了する。「CO除去器の温度異常」とは、CO除去器26の故障等の異常を意味し、CO除去器26での発電用燃料のガス漏れの可能性があることも意味する。
【0077】
CO除去器26の温度が適正であって、異常でない場合(ステップS20;NO)、発電制御部22は、温度センサ24cにより検知された温度検知信号に対する温度計測信号を温度計測回路28から入力して、気化器24の温度を取得する(ステップS22)。そして、発電制御部22は、ステップS22で取得した気化器24の温度が適正であるか否かを判別する(ステップS23)。具体的には、発電制御部22は、気化器24の温度が、ROM22b内の気化器24の温度基準範囲内であれば正常とし、範囲外であれば異常であるとする。
【0078】
気化器24の温度が適正でなく、異常である場合(ステップS23;YES)、発電制御部22は、「気化器の温度異常」の旨の信号をCPU11に送信し、更に「気化器の温度異常」の旨の信号を報知部33へ出力する(ステップS24)。報知部33は、「気化器の温度異常」の旨を音声、画面表示、光等によりユーザに報知する。そして、発電制御部22は、異常検出処理を終了する。「気化器の温度異常」とは、気化器24の故障等の異常を意味し、気化器24での発電用燃料の液漏れ又はガス漏れの可能性があることも意味する。
【0079】
気化器24の温度が適正であって、異常でない場合(ステップS23;NO)、発電制御部22は、ポンプ気化系検査処理を実行する(ステップS25)。ここで、図4を参照してポンプ気化系検査処理を詳細に説明する。先ず、発電制御部22は、気化器24への加熱を一定にするようにドライバ24bに温度制御信号を出力して、薄膜ヒータ24aに流す電流を現状の値に固定させる(ステップS251)。そして、発電制御部22は、気化器24への発電用燃料の燃料注入量を所定量増加するようにポンプ23に燃料供給制御信号を出力する(ステップS252)。
【0080】
そして、発電制御部22は、温度センサ24cにより検知された温度検知信号に対する温度計測信号を温度計測回路28から入力して、気化器24の温度を取得し、その温度が適正量だけ低下したか否かを判別する(ステップS253)。気化器24の温度が適正量だけ低下した場合(ステップS253;YES)、ポンプ気化系は正常に動作していると判断され、発電制御部22は、RAM22a内のポンプ気化系異常フラグに“0”を記憶し、ポンプ気化系異常フラグを立てない(ステップS254)。何故ならば、気化器24における化学反応は吸熱反応であるため、ポンプ気化系が正常であれば、気化器24の加熱を一定とした状態で発電用燃料の燃料注入量が増加した場合、燃料注入量に応じて温度が下がるためである。
【0081】
気化器24の温度が低下しない場合(ステップS253;NO)、ポンプ気化系に異常があると判断され、発電制御部22は、RAM22a内のポンプ気化系異常フラグに“1”を記憶し、ポンプ気化系異常フラグを立てる(ステップS255)。そして、ステップS254,S255の後、発電制御部22は、気化器24への発電用燃料の燃料注入量を元に戻すようにポンプ23に燃料供給制御信号を出力する(ステップS256)。そして、発電制御部22は、再び気化器24の温度を通常制御するようにドライバ24bに温度制御信号を出力して、薄膜ヒータ24aに流す電流を制御する(ステップS257)。
【0082】
再び、図3に戻り、発電制御部22は、RAM22aを参照してポンプ気化系異常フラグが立っているか(“1”であるか)否かを判別する(ステップS26)。ポンプ気化系異常フラグが立っている場合(ステップS26;YES)、発電制御部22は、「ポンプ気化系の異常」の旨の信号をCPU11に送信し、更に「ポンプ気化系の異常」の旨の信号を報知部33へ出力する(ステップS27)。報知部33は、「ポンプ気化系の異常」の旨を音声、画面表示、光等によりユーザに報知する。そして、発電制御部22は、異常検出処理を終了する。「ポンプ気化系の異常」とは、ポンプ気化系の故障等の異常を意味し、ポンプ気化系における発電用燃料の液漏れ及びガス漏れの可能性があることも意味する。
【0083】
ポンプ気化系異常フラグが立っていない場合(ステップS26;NO)、すなわち、ポンプ気化系が正常である場合、発電制御部22は、改質器系検査処理を実行する(ステップS28)。ここで、図5を参照して改質器系検査処理を詳細に説明する。先ず、発電制御部22は、改質器25への加熱を一定にするようにドライバ25bに温度制御信号を出力して、薄膜ヒータ25aに流す電流を現状の値に固定させる(ステップS281)。そして、発電制御部22は、改質器25への発電用燃料の燃料注入量を所定量増加するようにポンプ23に燃料供給制御信号を出力する(ステップS282)。
【0084】
そして、発電制御部22は、温度センサ25cにより検知された温度検知信号に対する温度計測信号を温度計測回路28から入力して、改質器25の温度を取得し、その温度が適正量だけ低下したか否かを判別する(ステップS283)。改質器25の温度が適正量だけ低下した場合(ステップS283;YES)、改質器系は正常に動作していると判断され、発電制御部22は、RAM22a内の改質器系異常フラグに“0”を記憶し、改質器系異常フラグを立てない(ステップS284)。何故ならば、式(1)に示した通り、改質器25内の化学反応は吸熱反応であるため、改質器系が正常であれば、改質器25の加熱を一定とした状態で発電用燃料の燃料注入量が増加した場合、燃料注入量に応じて温度が下がるためである。
【0085】
改質器25の温度が低下しない場合(ステップS283;NO)、改質器系に異常があると判断され、発電制御部22は、RAM22a内の改質器系異常フラグに“1”を記憶し、改質器系異常フラグを立てる(ステップS285)。そして、ステップS284,S285の後、発電制御部22は、改質器25への発電用燃料の燃料注入量を元に戻すようにポンプ23に燃料供給制御信号を出力する(ステップS286)。そして、発電制御部22は、再び改質器25の温度を通常制御するようにドライバ25bに温度制御信号を出力して、薄膜ヒータ25aに流す電流を制御する(ステップS287)。
【0086】
再び、図3に戻り、発電制御部22は、RAM22aを参照して改質器系異常フラグが立っているか(“1”であるか)否かを判別する(ステップS29)。改質器系異常フラグが立っている場合(ステップS29;YES)、発電制御部22は、「改質器系の異常」の旨の信号を生成してCPU11に送信し、更に「改質器系の異常」の旨の信号を報知部33へ出力する(ステップS30)。報知部33は、「改質器系の異常」の旨を音声、画面表示、光等によりユーザに報知する。そして、発電制御部22は、異常検出処理を終了する。「改質器系の異常」とは、改質器系の故障等の異常を意味し、改質器系における水素ガスのガス漏れ及びその他生成物のガス漏れの可能性があることも意味する。
【0087】
改質器系異常フラグが立っていない場合(ステップS29;NO)、すなわち、改質器系が正常である場合、発電制御部22は、CO除去器系検査処理を実行する(ステップS31)。ここで、図6を参照してCO除去器系検査処理を詳細に説明する。先ず、発電制御部22は、CO除去器26への加熱を一定にするようにドライバ26bに温度制御信号を出力して、薄膜ヒータ26aに流す電流を現状の値に固定させる(ステップS311)。そして、発電制御部22は、CO除去器26への発電用燃料の燃料注入量を所定量増加するようにポンプ23に燃料供給制御信号を出力する(ステップS312)。
【0088】
そして、発電制御部22は、温度センサ26cにより検知された温度検知信号に対する温度計測信号を温度計測回路28から入力して、CO除去器26の温度を取得し、その温度が適正量だけ上昇したか否かを判別する(ステップS313)。CO除去器26の温度が適正量だけ上昇した場合(ステップS313;YES)、CO除去器系は正常に動作していると判断され、発電制御部22は、RAM22a内のCO除去器系異常フラグに“0”を記憶し、CO除去器系異常フラグを立てない(ステップS314)。何故ならば、式(2),(3)に示した通り、CO除去器26内の化学反応は発熱反応であるため、CO除去器系が正常であれば、CO除去器26の加熱を一定とした状態で発電用燃料の燃料注入量が増加した場合、燃料注入量に応じて温度が上がるためである。
【0089】
CO除去器26の温度が上昇しない場合(ステップS313;NO)、CO除去器系に異常があると判断され、発電制御部22は、RAM22a内のCO除去器系異常フラグに“1”を記憶し、CO除去器系異常フラグを立てる(ステップS315)。そして、ステップS314,S315の後、発電制御部22は、CO除去器26への発電用燃料の燃料注入量を元に戻すようにポンプ23に燃料供給制御信号を出力する(ステップS316)。そして、発電制御部22は、再びCO除去器26の温度を通常制御するようにドライバ26bに温度制御信号を出力して、薄膜ヒータ26aに流す電流を制御する(ステップS317)。
【0090】
再び、図3に戻り、発電制御部22は、RAM22aを参照してCO除去器系異常フラグが立っているか(“1”であるか)否かを判別する(ステップS32)。CO除去器系異常フラグが立っている場合(ステップS32;YES)、発電制御部22は、「CO除去器系の異常」の旨の信号を生成してCPU11に送信し、更に「CO除去器系の異常」の旨の信号を報知部33へ出力する(ステップS33)。報知部33は、その「CO除去器系の異常」の旨を音声、画面表示、光等によりユーザに報知する。そして、発電制御部22は、異常検出処理を終了する。「CO除去器系の異常」とは、CO除去器系の故障等の異常を意味し、CO除去器系における水素ガスのガス漏れ及びその他生成物のガス漏れの可能性があることも意味する。
【0091】
CO除去器系異常フラグが立っていない場合(ステップS33;NO)、発電制御部22は、「燃料電池系の水素漏れ異常」の旨の信号をCPU11に送信し、更に「燃料電池系の水素漏れ異常」の旨の信号を報知部33へ出力する。報知部33は、「燃料電池系の水素漏れ異常」の旨を音声、画面表示、光等によりユーザに報知する。そして、発電制御部22は、燃料電池27での発電を停止制御し(ステップS34)、異常検出処理を終了する。ここで、「燃料電池系の水素漏れ異常」とは、燃料電池系での水素ガス漏れの可能性が高いことを意味する。
【0092】
以上、本実施の形態によれば、燃料電池システム20において、予想発電電力に対する実発電電力の発電効率が著しく低いか否かの判別と、気化器24、改質器25及びCO除去器26それぞれの温度が適正(温度基準範囲内)であるか否かの判別と、一定加熱で燃料注入量を増加した場合の温度変化の判別とを行うので、発電効率が異常で且つ気化器24、改質器25及びCO除去器26の温度及び温度変化が異常でない場合に、燃料電池系の水素ガス漏れの異常を検出できる。よって、水素センサ等のガスセンサを用いることなく、燃料電池系の水素ガス漏れの異常発生を高確度に検出できる。また、その燃料電池系の水素ガス漏れの異常発生を報知部33により報知することができる。
【0093】
また、気化器24、改質器25又はCO除去器26の温度が異常である場合に、異常が見つかった部位にガス漏れの可能性があることを検出することができる。また、気化器24、改質器25又はCO除去器26の温度変化が異常である場合に、異常が見つかった部位の周り(ポンプ気化系、改質器系又はCO除去器系)のガス漏れの可能性があることを検出できる。また、そのガス漏れの可能性を報知部33により報知することができる。特に、改質器25及びCO除去器26においては、危険度の高い水素漏れの可能性があることを検出及び報知することができる。
【0094】
なお、本実施の形態は、発電効率が異常であるか否かの判別と、気化器24、改質器25及びCO除去器26の温度が適正であるか否かの判別と、その温度変化が適正であるか否かの判別を全て行う構成であるが、これに限るものではない。例えば、少なくとも発電効率が異常であるか否かの判別又は温度変化が適正であるか否かの判別を行う構成でもよい。その判別の数が多いほど、より高確度に燃料電池系の水素ガス漏れを検出することができる。
【0095】
また、本実施の形態では、温度異常の判別を、改質器25、気化器24、CO除去器26の順に行っているが他の順番でもよい。また、本実施の形態では、温度変化異常の判別を、気化器24、改質器25、CO除去器26の順に行っているが、他の順番でもよい。但し、温度変化異常の判別は、最初に気化器24の温度変化異常の判別を行うのが好ましい。
【0096】
また、本実施の形態では発電制御部22が異常検出処理を実行する構成であるが、これに限るものではない。例えば、CPU11が異常検出処理を実行する構成でもよい。CPU11が異常検出処理を実行する場合には、CPU11と燃料電池システム20との間で送受信される各種信号を発電制御部22が通信制御する構成となる。
【0097】
また、本実施の形態では、温度センサ24c,25c,26cと薄膜ヒータ24a,25a,26aとを別個に設けたが、これに限るものではない。例えば、温度検知機能を薄膜ヒータ24a,25a,26aで実現する構成等でもよい。その場合は、薄膜ヒータ24a,25a,26aに入力した電流に対する出力電流を温度計測回路28で計測して発電制御部22へ出力する。発電制御部22は、その計測値から薄膜ヒータ内の温度に依存する抵抗値を算出して、その抵抗値に対応する温度を算出する。
【0098】
また、本実施の形態では、薄膜ヒータ24a,25a,26aを設けたが、これに代えて、例えばシリコン基板上に蛇行された流路の内壁にPt,Au,Ag等の燃焼触媒層を設ける触媒燃焼器を設ける構成等でもよい。この構成において、その流路内に水素ガス等の燃焼用流体及び大気中の酸素を注入して、燃焼触媒層上での燃焼用流体及び酸素の燃焼反応により発生する熱エネルギーにより加熱を行う。更に、(薄膜)ヒータ及び触媒燃焼器の両方を設ける構成でもよい。
【0099】
また、本実施の形態は、燃料電池システム20内に報知部33を設け、ガス漏れ等の異常がある場合に、異常の旨の信号をCPU11に送信しつつ、報知部33に報知させているが、これに限るものではない。例えば、異常の旨の信号をCPU11に送信した後、CPU11がLCD15の画面表示等やその他の報知手段によりその異常の旨を報知する構成等でもよい。
【0100】
また、本実施の形態では、発電制御部22は、残量センサ21bによる燃料タンク21a内の発電用燃料の変化から気化器24に注入する発電用燃料の燃料注入量を算出しているが、これに限るものではない。例えば、ポンプ23に発電用燃料の供給量を検知する供給量センサを設け、発電制御部22はその供給量センサからその供給量の信号を入力して燃料注入量を取得する構成等でもよい。また、発電制御部22がポンプ23に出力する燃料供給制御信号から燃料注入量を算出して取得する構成等でもよい。
【0101】
以上、本発明の実施の形態につき説明したが、本発明は、必ずしも上述した手段及び手法にのみ限定されるものではなく、本発明にいう目的を達成し、本発明にいう効果を有する範囲内において適宜に変更実施が可能なものである。
【0102】
【発明の効果】
本発明によれば、発電手段に供給される発電用燃料の供給量から予想される予想発電電力と、発電手段により実際に発電された実発電電力が予想発電電力との比較に基づき、実発電電力が予想発電電力よりも所定値以上少ない場合に、電源システムに水素ガス漏れ等に起因する異常が発生していることを検出できる。よって、水素センサ等のガスセンサ用いることなく、電源システム内の水素ガス漏れ等の異常発生を高確度に検出できる。
【0103】
また、本発明によれば、実発電電力と予想発電電力との比較に基づいて電源システムに異常が発生していると判定された場合に、発電手段の気化部、改質部及び副生成物除去部の各部の温度が適正であるか否かを判別して、発電手段のどの部分に異常があるかを検出できる。特に、改質部及び副生成物除去部で温度異常が発生した場合、水素センサ等のガスセンサを用いることなく、水素ガス等の漏れが発生している可能性があることを検出できる。
【0104】
また、本発明によれば、実発電電力と予想発電電力との比較に基づいて電源システムに異常が発生していると判定され、且つ、発電手段の各部の温度の何れも異常でないと判別された場合に、発電手段の各部の加熱状態が一定に制御されつつ、発電用燃料の供給量を所定量変化させた際の各部の温度変化が適正であるか否を判別することによって、発電手段の各部に異常があるか否かを検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯機器10の内部構成の一例を示す図である。
【図2】携帯機器10に搭載された燃料電池システム20の内部構成を示す図である。
【図3】異常検出処理を示すフローチャートである。
【図4】異常検出処理中のポンプ気化系検査処理を示すフローチャートである。
【図5】異常検出処理中の改質器系検査処理を示すフローチャートである。
【図6】異常検出処理中のCO除去器系検査処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 携帯機器
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 FROM
15 LCD
16 LCDドライバ
17 タッチパネル
18 通信I/F
19 バス
20 燃料電池システム
20a 発電モジュール
21 燃料カートリッジ
21a 燃料タンク
21b 残量センサ
22 発電制御部
22a RAM
22b ROM
23 ポンプ
24 気化器
25 改質器
26 CO除去器
24a,25a,26a 薄膜ヒータ
24b,25b,26b ドライバ
24c,25c,26c 温度センサ
27 燃料電池
28 温度計測回路
29 発電電力計測回路
30 制御回路
31 電力保持部
32 DC/DCコンバータ
33 報知部
A ACアダプタ

Claims (15)

  1. 所定の発電用燃料を用いて発電する発電手段を有する電源システムにおいて、
    前記発電手段に供給された前記発電用燃料の供給量を検知する燃料量検知手段と、
    前記発電手段により実際に発電された実発電電力を検知する実発電電力検知手段と、
    前記燃料量検知手段により検知された前記発電用燃料の供給量から予想される予想発電電力と、前記実発電電力検知手段により検知された前記実発電電力との比較に基づいて、前記電源システムに異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段と、
    を備えることを特徴とする電源システム。
  2. 前記異常判定手段は、前記実発電電力が前記予想発電電力よりも所定値以上少ない場合に、前記電源システムに異常が発生していると判定する電力異常判定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の電源システム。
  3. 前記実発電電力検知手段における前記実発電電力の検知は、前記発電手段から出力される出力電圧、及び、出力電流の少なくとも一方の検出に基づいて行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の電源システム。
  4. 前記電源システムは、さらに、前記異常判定手段により該電源システムに異常が発生していると判定された場合に、異常発生の旨を報知する異常報知手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電源システム。
  5. 前記発電手段は、少なくとも、
    前記発電用燃料を気化する気化部と、
    前記気化された前記発電用燃料から所定の触媒反応により水素を含む特定の燃料成分を生成する燃料改質部と、
    前記燃料改質部における前記触媒反応により発生する副生成物を除去する副生成物除去部と、
    前記特定の燃料成分を用いた電気化学反応により発電する燃料電池部と、
    を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電源システム。
  6. 前記発電手段は、さらに、前記気化部、前記燃料改質部、及び、前記副生成物除去部の各々の温度を検知する温度検知手段を備え、
    前記異常判定手段は、前記温度検知手段により検知された各温度が適正であるか否かを判別する温度判別手段を備え、前記電力異常判定手段により前記電源システムに異常が発生していると判定された場合に、前記温度判別手段による判別結果に基づいて前記各部に異常があるか否かを判定することを特徴とする請求項5に記載の電源システム。
  7. 前記異常判定手段は、前記電力異常判定手段により前記電源システムに異常が発生していると判定され、且つ、前記温度判別手段により前記各部の温度の何れも異常でないと判別された場合に、前記燃料電池部に異常が発生していると判定することを特徴とする請求項6に記載の電源システム。
  8. 前記発電手段は、さらに、前記気化部、前記燃料改質部、及び、前記副生成物除去部を加熱する加熱手段を備え、
    前記異常判定手段は、さらに、前記加熱手段による前記各部の加熱状態が一定とされた状態で、前記発電手段に供給される前記発電用燃料の供給量を所定量変化させた際の、前記温度検知手段により検知された前記各部の温度の変化が適正であるか否を判別する温度変化判別手段を備え、前記電力異常判定手段により前記電源システムに異常が発生していると判定され、且つ、前記温度判別手段により前記各部の温度の何れも異常でないと判別された場合に、前記温度変化判別手段による判別結果に基づいて前記各部の異常を判定することを特徴とする請求項6に記載の電源システム。
  9. 前記温度変化判別手段は、前記気化部、又は、前記燃料改質部において、前記加熱手段により前記各部の加熱状態が一定とされた状態で、前記発電用燃料の供給量が所定量増加制御された際に、前記各部が前記発電用燃料の供給量の増加量に対応した温度低下を示すか否かを判別することを特徴とする請求項8に記載の電池システム。
  10. 前記温度変化判別手段は、前記副生成物除去部において、前記加熱手段により前記各部の加熱状態が一定とされた状態で、前記発電用燃料の供給量が所定量増加制御された際に、前記副生成物除去部が前記発電用燃料の供給量の増加量に対応した温度上昇を示すか否かを判別することを特徴とする請求項8又は9に記載の電源システム。
  11. 前記異常判定手段は、前記電力異常判定手段により前記電源システムに異常が発生していると判定され、前記温度判別手段により前記各部の温度の何れも異常でないと判別され、且つ、前記温度変化判別手段により前記各部の温度変化の何れにも異常がないと判別された場合に、前記燃料電池部に異常が発生していると判定することを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載の電源システム。
  12. 所定の発電用燃料が供給されて発電を行う発電手段を有する電源システムにおける、該電源システムに異常が発生しているか否かを判定する異常判定方法において、
    前記発電手段に供給される前記発電用燃料の供給量を検知するステップと、
    前記発電用燃料の供給量から予想される予想発電電力を算出するステップと、
    前記発電手段により実際に発電された実発電電力を検知するステップと、
    前記検知された実発電電力と前記算出された予想発電電力とを比較するステップと、を含み、
    前記実発電電力と前記予想発電電力との比較に基づいて、前記実発電電力が前記予想発電電力よりも所定値以上少ない場合に、前記電源システムに異常が発生していると判定することを特徴とする電源システムの異常判定方法。
  13. 前記実発電電力を検知するステップは、
    前記発電手段から出力される出力電圧を検出するステップ、及び、前記発電手段から出力される出力電流を検出するステップ、の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項12に記載の電源システムの異常判定方法。
  14. 前記発電手段は、少なくとも、前記発電用燃料を気化する気化部と、前記気化された前記発電用燃料から所定の触媒反応により水素を含む特定の燃料成分を生成する燃料改質部と、前記燃料改質部における前記触媒反応により発生する副生成物を除去する副生成物除去部と、前記特定の燃料成分を用いた電気化学反応により発電する燃料電池部と、を有し、
    前記電源システムの異常判定方法は、さらに、前記発電手段の前記各部の温度を検知するステップと、
    前記各部の温度が適正であるか否かを判別するステップと、を含み、
    前記実発電電力と前記予想発電電力との比較に基づいて前記電源システムに異常が発生していると判定された場合に、前記各部の温度が適正であるか否かの判別結果に基づいて、前記各部に異常があるか否かを判定することを特徴とする請求項12又は13に記載の電源システムの異常判定方法。
  15. 前記電源システムの異常判定方法は、さらに、前記発電手段の前記各部の加熱状態を一定とするステップと、
    前記発電手段に供給される前記発電用燃料の供給量を所定量増加させるステップと、
    前記発電用燃料の供給量を所定量増加させた際の、前記発電手段の前記各部の温度変化を検知するステップと、
    前記各部の温度変化が適正であるか否かを判別するステップと、を含み、
    前記実発電電力と前記予想発電電力との比較に基づいて前記電源システムに異常が発生していると判定され、且つ、前記各部の温度が適正であるか否かの判別結果に基づいて前記各部の温度に異常がないと判定された場合に、前記各部の温度変化が適正であるか否かの判別結果に基づいて、前記各部に異常があるか否かを判定することを特徴とする請求項14に記載の電源システムの異常判定方法。
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