JP5012627B2 - 燃料供給方法 - Google Patents

燃料供給方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5012627B2
JP5012627B2 JP2008097781A JP2008097781A JP5012627B2 JP 5012627 B2 JP5012627 B2 JP 5012627B2 JP 2008097781 A JP2008097781 A JP 2008097781A JP 2008097781 A JP2008097781 A JP 2008097781A JP 5012627 B2 JP5012627 B2 JP 5012627B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power generation
fuel
remaining amount
power
tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008097781A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008171831A (ja
Inventor
仁保 美藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Casio Computer Co Ltd filed Critical Casio Computer Co Ltd
Priority to JP2008097781A priority Critical patent/JP5012627B2/ja
Publication of JP2008171831A publication Critical patent/JP2008171831A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5012627B2 publication Critical patent/JP5012627B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Description

本発明は、携帯機器の駆動電力を発電するための発電手段への燃料供給方法に関する。
従来、民生用や産業用のあらゆる分野において、様々な化学電池が使用されている。例えば、アルカリ乾電池やマンガン乾電池等の一次電池や、ニッケル・カドミウム蓄電池やニッケル・水素蓄電池、リチウムイオン電池等の二次電池等である。これに対し、近年においては、環境への影響(負担)が少なく、且つ、例えば、30〜40%程度の極めて高いエネルギー利用効率を実現することができる燃料電池を用いた電源システムの実用化のための研究、開発が盛んに行われている。
さて、燃料電池を用いた電源システムにおいては、例えばメタノール等の発電用燃料を気化器により気化し、気化された発電用燃料を改質器により水素ガス等に改質し、その改質された水素ガス中の一酸化炭素をCO除去器により除去した後の水素ガスを燃料電池に供給して発電する。気化器、改質器及びCO除去器などを有する化学反応部への発電用燃料の供給は、燃料タンクから行う。ここで、燃料電池における発電を安定的に行うためは、燃料タンクから発電用燃料が滞りなく供給されるようにしなければならず、燃料タンクからの発電用燃料の供給を良好に行うための構成が種々考えられている。
燃料タンクから発電用燃料を安定して供給する機構として、例えば、燃料タンク内に設けられた液体燃料浸透材により、発電用燃料の残量によらずに、発電用燃料を供給する構成や、燃料容器に圧力調整機構を備えて、燃料容器内の圧力を一定に保って、供給を安定させる構成(例えば、特許文献1参照)等が考えられている。
特開2001−93551号公報
ところで、近年、燃料電池を用いた電源システムを小型化し、携帯情報端末、ノート型パソコン等の携帯機器の二次電池に代わる電源ユニットとして適用できるようにするとともに、使用可能時間を長くするための研究、開発が進められている。このような携帯機器に燃料電池を用いた電源システムを搭載した場合、使用中、機器の向きは一定せず、頻繁に様々な向きに向けられてしまうことがある。例えば、この携帯機器が逆さに向けられてしまうこともある。
しかしながら、例えば特許文献1に記載の従来の燃料容器の構成は、大型装置に取り付ける電源システムを前提として考えられている。このため、燃料タンクに対する発電用燃料の供給の安定化に際し、ある程度の傾き量には対応できるが、限度があった。
本発明の課題は、携帯機器に用いる小型の電源システムにおいて、安定して発電用燃料を発電手段に供給することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、主タンクから搬送される発電用燃料を一時的に貯える予備タンクを備え、該予備タンクから供給される前記発電用燃料を用いて発電する発電手段を備えた電源システムにおける前記発電用燃料の燃料供給方法であって、
前記予備タンク内の前記発電用燃料の残量を検知して、前記予備タンクに所定量以上の前記発電用燃料が貯えられているように前記主タンクから前記予備タンクへ発電用燃料を搬送する第1搬送工程と、
前記発電手段の発電に要する前記発電用燃料を前記予備タンクから前記発電手段に搬送する第2搬送工程と、
を含み、
前記燃料供給方法は、前記主タンク及び前記予備タンクの傾斜角度を検知する傾斜角度検知工程を含むことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の燃料供給方法において、
前記主タンク内の発電用燃料の残量情報を取得する残量情報取得工程と、
前記予備タンク内の発電用燃料の残量を予測する残量予測工程と
含むことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の燃料供給方法において、
前記発電手段による発電動作が正常であるか否かを判別する発電動作判別工程と、
前記発電手段による発電量の低下を検知する発電量低下検知工程と、
前記残量予測工程に用いる演算係数の値を補正する演算係数補正工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、予備タンク内に所定量以上の発電用燃料を貯えておくように、予備タンクに発電用燃料を搬送するとともに、発電手段の発電に要する発電用燃料量に応じて発電手段に発電用燃料を搬送するため、安定して発電用燃料を発電手段に供給して発電することができる。
以下、添付図面を参照して本発明に係る第1及び第2の実施の形態を順に説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図6を参照して第1の実施の形態を説明する。先ず、図1〜図3を参照して、本実施の形態の装置の特徴を説明する。図1は、本実施の形態の携帯機器10の内部構成の一例を示す図である。図2は、本実施の形態の携帯機器10に搭載された燃料電池システム20Aの内部構成を示す図である。図3は、携帯機器10の外観図であり、(a)は携帯機器10の正面図であり、(b)は携帯機器10の上面図であり、(c)は携帯機器10の右側面図である。
本実施の形態の燃料電池システム20Aは、携帯機器10内に設けられる。携帯機器10は、例えば携帯情報端末のPDA(Personal Digital Assistants)であり、各部を中央制御するCPU(Central Processing Unit)11と、情報が読み出し可能に記憶されているROM(Read Only Memory)12と、情報を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)13と、情報を読み書き可能に記憶する不揮発性のFROM(Flash Read Only Memory)14と、表示情報を画面表示するLCD(Liquid Crystal Display)15と、CPU11から出力された表示制御信号によりLCD15の画面表示制御を行うLCDドライバ16と、ユーザのLCD15上のタッチ操作により入力された入力情報をCPU11へ送信するタッチパネル17と、赤外線通信、コネクタ通信及び無線LAN通信方式などによる外部機器との通信を制御する通信I/F(インタフェース)18と、携帯機器10の電源として燃料電池による発電を行う燃料電池システム20Aとを備えて構成され、LCD15を除く各部はバス19により接続されている。
CPU11は、ROM12又はFROM14内に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたアプリケーションプログラムを読み出してRAM13内に展開する。そして、CPU11は、タッチパネル17から入力される各種指示又はそれに応じた各種データをRAM13内に一時的に格納し、この入力指示及び入力データを用いて前記展開されたアプリケーションプログラムに従って各種処理を実行する。そして、CPU11は、その処理結果をRAM13内に格納すると共に、LCD15に適宜表示させる。
また、CPU11は、燃料電池システム20Aの発電動作を指示するための指示信号と、携帯機器10の駆動状態の内容を示す負荷駆動状態信号とを燃料電池システム20Aに送信する。またCPU11は、燃料電池システム20Aの発電状態の内容を示す信号を燃料電池システム20Aから受信する。
また、ROM12に、後述する起動時供給プログラム、稼動時供給プログラム及び燃料切れ時制御プログラムが記憶される。また、FROM14には、後述する主タンク残量T1R、予備タンク残量T2R、係数K2などのデータが更新可能に記憶される。また、FROM14に記憶されたプログラム、データなどは、その一部若しくは全部を外部機器から通信ネットワーク及び通信I/F18を介して受信して格納する構成にしてもよい。LCD15は、液晶表示方式で画面表示を行うが、これに限るものではなく、EL(Electro Luminescent)ディスプレイ等に代えてもよい。なお、これらの構成は携帯機器における代表的な構成例を示したに過ぎず、他の構成を有するものであってもよいことはいうまでもない。
また、携帯機器10は、PDAに限られるものではなく、ノート型パソコン、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯テレビ、携帯ゲーム機などの他の機器でもよい。
次に、図2を参照して燃料電池システム20Aの内部構成を説明する。燃料電池システム20Aは、燃料改質方式を採用した固体高分子型の燃料電池41を有する。
燃料電池システム20Aは、同図に示すように、大別して、発電用燃料が封入され、着脱可能な燃料カートリッジ21と、装着された燃料カートリッジ21に結合して、燃料カートリッジ21から供給される発電用燃料に基づいて所定の電力(電気エネルギー)を発生(発電)する発電モジュール30Aとを備えて構成される。以下、各構成について具体的に説明する。
〔燃料カートリッジ〕
燃料カートリッジ21は、その組成に水素を含有する液体燃料又は液化燃料からなる発電用燃料が充填、封入された密閉性の高い燃料タンクとしての主タンク22と、主タンク22内の発電用燃料の残量を検出する残量センサ(主タンク残量検知手段)23とを備えて構成される。
主タンク22内の発電用燃料は、発電モジュール30Aの発電制御部31Aの制御により、燃料電池41が所定電圧の電力を発生するために必要な量が、第1のポンプ(第1の搬送手段)32、予備タンク33、第2のポンプ(第2の搬送手段)34を順に介して、随時化学反応部35の気化器36へ供給される。
ここで、第1のポンプ、第2のポンプの構造、サイズ等は特に限定するものではなく、所定の駆動信号によって搬送量が制御されるものであればよく、ポンプの構造として、例えば、ダイアフラムポンプを適用することができる。また、このようなポンプを、例えば、シリコン基板に微細加工することによって形成して、ポンプを小型化するようにしてもよい。
また、燃料電池システム20Aに用いられる発電用燃料は、メタノール及び水の混合液を用いるものとするが、これに限るものではなく、メタノールに代えてエタノール、ブタノール等のアルコール系の液体燃料を適用することができる。
主タンク22には、発電モジュール30Aに結合された状態でのみ、主タンク22に封入されている発電用燃料の供給が可能となるように、制御弁が設けられている。これにより、燃料カートリッジ21が発電モジュール30Aから分離された状態においては、主タンク22内の発電用燃料が燃料カートリッジ21の外部に漏出することはない。
また、燃料カートリッジ21内の残量センサ23は、例えば、主タンク22内の所定位置に配設された略棒状体の導体からなる導体組を有して構成され、この導体の間の電気抵抗値が測定されることで、燃料カートリッジ21に封入された発電用燃料の残量が検出される。その導体は、例えば、カーボン等の良導体で形成されるが、例えば金等により形成される印刷パターンにより、主タンク22の内周面に形成されることとしてもよい。
残量センサ23には、導体の間の電気抵抗値を計測する抵抗計測回路が内蔵されており、計測された電気抵抗値は、発電制御部31Aへ出力され、その電気抵抗値から発電用燃料の残量が算出される。残量センサ23は、このような抵抗線方式に限られるものではなく、光センサ方式、光ファイバを用いるファイバセンサ方式、超音波の反射時間の変化を計測する超音波方式等の他のセンサを用いてもよい。なお、燃料カートリッジ21は、着脱式であることに限定されず、発電モジュール30Aと一体に設けられる構成でもよい。
〔発電モジュール〕
次に、発電モジュール30Aについて説明する。本実施の形態の発電モジュール30Aは、図2に示すように、CPU11とバス19を介した通信を行い、受信した指示信号に従って発電モジュール30Aの各部を制御するとともに、発電モジュール30Aに関する信号をCPU11へ送信する発電制御部31Aと、発電制御部31Aの制御信号に従って燃料カートリッジ21から供給される発電用燃料の搬送又は遮断をする第1のポンプ32と、内部に含浸材を含み、発電用燃料が充填、封入された密閉性の高い燃料タンクとしての予備タンク33と、発電制御部31Aの制御信号に従って予備タンク33から供給される発電用燃料の搬送又は遮断をする第2のポンプ34とを備える。
含浸材は、例えば、ウレタンフォームなどである。含浸材は、少なくとも、予備タンク33内で第2のポンプ34との接続部分周辺に配置されるものであればよいが、予備タンク33内全体に充填するように配置される方がより好適である。このため、含浸材は、予備タンク33内の発電用燃料が第2のポンプ34に搬送されるにあたり、携帯機器10が傾けられても含浸材に含まれる発電用燃料から安定して搬送される。
また、発電モジュール30Aは、第2のポンプ34から送出された発電用燃料を気化する気化器36と、気化器36により気化された発電用燃料を燃料電池41用の燃料に改質する改質器37と、改質器37による改質により発生した燃料中のCO(一酸化炭素)を除去するCO除去器(一酸化炭素除去器)38と、気化器36、改質器37及びCO除去器38を加熱する薄膜ヒータなどのヒータ39と、燃料電池システム20Aに接続された負荷(当該燃料電池システム20Aの供給電源で動作する携帯機器10を意味しており、以下同様とする)に駆動電源(電圧/電流)となる電気エネルギーを発生し出力する燃料電池41とを備える。
特に、気化器36と、改質器37と、CO除去器38と、ヒータ39とからなる部分を化学反応部35とする。また、発電モジュール30Aは、燃料電池システム20Aから出力される供給電力を用いて発電制御部31Aからの制御信号に基づき、ヒータ39に駆動用電力を出力するドライバ40を備える。
また、発電モジュール30Aは、燃料電池41において発生された電力を一旦保持する電気二重層コンデンサなどからなる電力保持部42と、発電制御部31Aからの制御信号に基づいて電力保持部42の充電及び負荷への電源供給を制御する制御回路43と、発電制御部31Aからの制御信号に基づいて燃料電池41及び電力保持部42から出力される電力を、直流に変換して負荷に供給し、その供給電力を示す信号(燃料電池41、電力保持部42から出力された電力の電力信号)を発電制御部31Aへ出力するDC/DCコンバータ44とを備える。
また、発電モジュール30Aは、携帯機器10(燃料カートリッジ21及び予備タンク33)の向き及び傾斜の度合いを検知する傾斜センサ45を備える。傾斜センサ45は、例えば、内部にボールを備えて、そのボールの移動を電極との接触又は光学的に検知して傾斜情報を検知する方式や、内部に磁石を備えて、その磁石の移動を磁力の変化により検知して傾斜情報を検知する方式、内部に液体を備え、その液面の変化に応じた電気容量の変化により傾斜情報を検知する方式などがある。
また、燃料電池システム20Aは、図示しないが、家庭用の交流電源に接続され、交流電流を所定の直流電流に変換するACアダプタを接続可能に構成されている。ACアダプタが接続された場合には、制御回路43は、燃料電池41に代えて、ACアダプタから出力される直流電流を電力保持部42及びDC/DCコンバータ44に供給して、負荷の電源電力とする。
〔気化器、改質器、CO除去器及び燃料電池〕
本実施の形態のように、メタノール(CH3OH)及び水(H2O)を発電用燃料とし、燃料電池41用の水素ガス(H2)を発生する場合にあっては、気化器36は、蒸発過程を介して、燃料カートリッジ21から供給される発電用燃料をヒータ39で加熱して気化する。そして、改質器37は、気化器36で気化された発電用燃料を、水蒸気改質反応過程を介して、水素(H2)と副生成物の二酸化炭素(CO2)との混合ガスに変換する。そして、CO除去器38は、改質器37により変換された混合ガスに微量の副生成物として含まれる一酸化炭素ガス(CO)を二酸化炭素ガスに変換して除去する。そして、燃料電池41は、改質器37及びCO除去器38において生成された高濃度の水素ガスにより、負荷への供給電力及び発電モジュール30Aの各部の動作電力を発生する。
さらに具体的には、気化器36は、燃料カートリッジ21から第2のポンプ34を介して供給された発電用燃料であるメタノール及び水に対して、ドライバ40により制御されたヒータ39で概ね沸点程度の温度条件の雰囲気を設定することにより、メタノール及び水を気化させ、改質器37へ導出する。また、ヒータ39による熱が周囲へ放熱されて、加熱効率が低下してしまうことを防ぐために、気化器36及びヒータ40は、真空、不活性ガス又は空気などの断熱構造の断熱容器に併設される構成でもよい。
改質器37は、燃料カートリッジ21から気化器36を介して導入された発電用燃料を、水素ガス(H2)に変換する。具体的には、上記気化されて導入されたメタノール及び水に対して、ドライバ40により制御されたヒータ39で概ね300[℃]の温度条件の雰囲気を設定することにより、次の式(1)の化学反応に示すように、水素と二酸化炭素との混合ガスへと変換する。
CH3OH+H2O→3H2+CO2 ・・・(1)
改質器37は、例えば、導入されたメタノール及び水の混合ガスを改質して、水素及び二酸化炭素の混合ガスを排出するマイクロリアクタなどにより構成される。
また、式(1)に示した化学反応は吸熱反応であるので、改質器37は、この反応を効率良く進行させるため、ヒータ39が併設される。また、ヒータ39による熱が周囲へ放熱されて、加熱効率が低下してしまうことを防ぐために、改質器37も断熱容器によって覆われ、外気から断熱される構成でもよい。
CO除去器38は、改質器37で生成された水素と二酸化炭素とを主成分とする混合ガスに含まれる微量の副生成物のうち、人体に有毒となる一酸化炭素ガスを除去するため、ドライバ40により制御されたヒータ39で所定の温度条件の雰囲気を設定することにより、この一酸化炭素ガスを、次の式(2)に示す化学反応で水素ガスと二酸化炭素ガスとに変換する。また、CO除去器38の内部には、式(2)に示す化学反応を効率良く進行させるためのPt,Al23等の周知の触媒が担持されている。
CO+H2O→H2+CO2 ・・・(2)
式(2)に示す化学反応は発熱反応であるので、CO除去器38で発生した熱を改質器37に伝導する構造を有するようにしてもよい。また、CO除去器38についても、熱が周囲へ放熱されて加熱効率が低下してしまうことを防ぐために、断熱容器によって覆われ、外気から断熱される構成としてもよい。また、CO除去器38には、この反応熱を排出するための図示しない放熱手段を設置する構成としてもよい。
なお、式(2)に示す化学反応に要する水(H2O)には、燃料カートリッジ21から発電用燃料として供給される水の内、改質器37で反応し残った水が充当されるが、この水が混合ガス中の一酸化炭素ガスに対して充分な量でない場合には、不足した分の水をCO除去器38に供給する構造を付加しても良い。
更に、CO除去器38は、式(3)で示す化学反応により、一酸化炭素ガスを二酸化炭素ガスへ変換する。これにより、上記混合ガスから、式(2)に示す化学反応で除去し切れなかった一酸化炭素ガスを除去して、上記混合ガス中の一酸化炭素ガスの濃度を、人体に影響がない程度にまで低めることができる。
2CO+O2→2CO2 ・・・(3)
また、CO除去器38の内部には、改質器37から導入された混合ガスに含有されている水素ガスを消費することなく、一酸化炭素ガスのみを選択的に式(3)に示す化学反応で酸化するための周知の触媒が担持されている。
燃料電池41は、例えば固体高分子型の燃料電池であり、大別して、例えば白金や白金−ルテニウム合金等の触媒微粒子が付着した炭素電極からなる燃料極(カソード)と、白金、ルテニウム等の触媒微粒子が付着した炭素電極からなる空気極(アノード)と、燃料極と空気極との間に介挿されたフィルム状の周知のイオン導電膜(交換膜)とを有して構成される。ここで、燃料電極には、上述した改質器37及びCO除去器38により抽出された(濃度が高められた)水素ガス(H2)が供給され、一方、空気極には、大気中の酸素ガス(O2)が供給されることにより、電気化学反応が進行して発電が行われ、負荷に対して所定の駆動電源(電圧/電流)となる電気エネルギーが供給される。
具体的には、燃料極に水素ガスが供給されると、次の式(4)に示す化学反応のように、上記触媒により電子(e-)が分離した水素イオン(プロトン:H+)が発生し、イオン導電膜を介して空気極に透過するとともに、燃料極を構成する炭素電極により電子(e-)が取り出されて負荷へ供給される。
3H2→6H++6e- ・・・(4)
一方、空気極に空気が供給されると、次の式(5)に示す化学反応のように、上記触媒により負荷を経由した電子(e-)と、イオン導電膜を透過した水素イオン(H+)と空気中の酸素ガスが反応して水(3H2O)が生成される。
6H++3/2O2+6e-→3H2O ・・・(5)
このような一連の電気化学反応式(式(4)、(5))は、概ね60〜80[℃]という比較的低温の環境下で進行し、電力以外の副生成物は、基本的に水(H2O)のみとなる。
尚、上述したような電気化学反応式(式(4)、(5))により負荷に供給される駆動電源(電圧/電流)は、燃料電池41の燃料極に供給される水素ガスの量に依存する。従って、発電制御部31Aが第2のポンプ34を制御し、燃料極に供給される水素ガスの量を制御することにより、燃料電池41によって発生される電力(発生電力)の電気エネルギーを任意に調節することができる。
このように、先ず、燃料カートリッジ21から第1のポンプ32、予備タンク33、第2のポンプ34を介して気化器36に供給された発電用燃料は、気化器36で気化された後、改質器37で水素と二酸化炭素の混合ガスに変換される。次に、この混合ガスに不純物として微量に含まれる一酸化炭素ガスが、CO除去器38で二酸化炭素ガスに変換、除去され、高濃度の水素ガスとして燃料電池41に供給される。
〔電力保持部〕
制御回路43は、燃料電池41から供給された電力の出力先を発電制御部31Aからの充電制御信号に基づいて制御することで、電力保持部42を充電したり、DC/DCコンバータ44への出力をしたりする。電力保持部42は、携帯機器10の起動時には燃料電池41に代わって主電源となる。
具体的には、携帯機器10の電源ON操作がなされた場合は、電力保持部42に蓄積された電力がDC/DCコンバータ44を介してドライバ40に出力される。そして、ヒータ39が通電することで加熱し、第2のポンプ34を介して予備タンク33から発電用燃料が気化器36に搬送されることにより燃料電池41が発電を開始する。実際には、後述する起動時処理の後に、発電が実行される。発電開始後に、発電制御部31Aは、電力保持手段31をフル充電した後、制御回路43の電力出力先を電力保持部42からDC/DCコンバータ44に切り換える。また、発電制御部31Aによる第2のポンプ34を介して予備タンク33から供給される発電用燃料の燃料注入量の制御は、例えば、ヒータ39が発電の準備のために十分加熱された後に開始される。
このため、制御回路43は、燃料電池41の発電中には電力保持部42をフル充電する。また、携帯機器10は、電源OFF操作がなされた際、電力保持部42がフル充電されていない場合には、電力保持部42をフル充電してから燃料電池システム20Aを停止する。
〔発電制御部〕
次に、発電制御部31Aの機能を説明する。発電制御部31Aは、基本的にCPU11の制御により各種制御機能を実現する。携帯機器10(負荷)の起動時には、電力保持部42に蓄積された電力がドライバ40に供給される。この起動動作において、発電制御部31Aは、図示しない温度センサにより検知された温度に基づき、温度制御信号をドライバ40へ出力してヒータ39の温度制御を行う。
発電制御部31Aは、ヒータ39の温度制御と並行して、後述する第1、第2の駆動量の信号を、第1のポンプ32、第2のポンプ34へそれぞれ出力し、第1のポンプ32、第2のポンプ34の動作(供給動作、停止動作)を制御することで、燃料カートリッジ21から予備タンク33を介して気化器36への発電用燃料の搬送及び遮断を制御する。発電用燃料の供給量を制御することにより、燃料電池41による発電電力を調整する。
具体的には、発電制御部31Aが、気化器36、改質器37、CO除去器38及び燃料電池41が駆動していない状態で、負荷を起動する旨の信号をCPU11から受信した場合には、第1のポンプ32、第2のポンプ34の燃料供給動作及びヒータ39の温度制御を開始させ、気化器36への発電用燃料の供給を開始させることで、気化器36、改質器37、CO除去器38及び燃料電池41を駆動させる。
また、発電制御部31Aは、気化器36、改質器37、CO除去器38及び燃料電池41が駆動している状態において、DC/DCコンバータ44から供給電力を示す供給電力信号を入力され、傾きセンサ45から燃料電池システム20Aの傾きの向き及び度合いを示す傾き信号が入力され、それらの入力された信号をCPU11に送信する。また、発電制御部31Aは、第1、第2の駆動量の信号をCPU11から受信して第1のポンプ32、第2のポンプ34へ出力し、第1のポンプ32、第2のポンプ34の供給動作を制御することで、燃料電池41の発電電力を調整する。また発電制御部31Aは、第1のポンプ32の供給動作制御と並行して、CPU11から温度制御信号を受信して、その温度制御信号に基づいてヒータ39の温度制御を行う。こうして発電制御部31Aは、燃料電池41の発電の制御を実行する。
そして、発電制御部31Aは、CPU11から充電制御信号を受信して制御回路43へ出力して、燃料電池41から供給された電力の出力先をDC/DCコンバータ44にするか又は電力保持部42へ充電するかを制御する。さらに、発電制御部31Aは、DC/DCコンバータ44から出力される供給電力を示す信号が入力され、その供給電力に基づいて、変換制御信号をDC/DCコンバータ44へ出力する。DC/DCコンバータ44は、変換制御信号に基づいて燃料電池41からの発電電力又はその発電電力と電力保持部42からの放電電力との合計電力を、負荷に適応した直流に変換させる。
例えば、発電制御部31Aは、CPU11から受信した負荷駆動状態信号が携帯機器10に大きな供給電力を要求することを示す場合には、燃料電池41の発電電力に加えて電力保持部42に蓄積されている電力も出力させるように変換制御信号をDC/DCコンバータ44へ出力する。
また、気化器36、改質器37、CO除去器38及び燃料電池41が駆動している状態において、発電制御部31Aは、残量センサ23から抵抗値信号が入力され、その抵抗値信号から主タンク22内の発電用燃料の残量を算出してCPU11へ送信する。
また、例えば図3(a),(b),(c)に示すように、携帯機器10の内部に、一点鎖線で示される燃料カートリッジ21と、点線で示される予備タンク33とが搭載される。
〔燃料供給動作〕
ここで、図4〜図6を参照して、携帯機器10において、燃料カートリッジ21内の発電用燃料を化学反応部35に供給する燃料供給動作を説明する。図4は、起動時供給処理を示すフローチャートである。図5は、稼動時供給処理を示すフローチャートである。図6は、燃料切れ時制御処理を示すフローチャートである。燃料供給動作として、携帯機器10の起動時の発電用燃料の供給を行う起動時供給処理と、携帯機器10の稼動中の発電用燃料の供給を行う稼動時供給処理と、第1のポンプ32の燃料切れを判別する燃料切れ時制御処理とを順に説明する。
先ず、図4を参照して、起動時供給処理を説明する。起動時供給処理は、携帯機器10の電源がONされたことをトリガとして、CPU11がROM12に記憶された起動時供給プログラムを読み出してRAM13に展開する。そして、CPU11が、RAM13に展開された起動時供給プログラムを実行することにより起動時供給処理が実現される。負荷における起動時の電源としては、電力保持部42の蓄積電力を用いる。
ここで、主タンク22内の発電用燃料の残量を主タンク残量T1Rとする。主タンク残量T1Rは、残量センサ23で測定できる。また、携帯機器10の傾斜情報をSとする。傾斜情報Sは、傾斜センサ45から出力される。また、予備タンク33内の発電用燃料の残量を予備タンク残量T2Rとする。予備タンク残量T2Rは、直接測定できず、算出によって求まる。また、主タンク残量T1R及び予備タンク残量T2RがFROM14に記憶されているものとする。
また、第1のポンプ32の単位時間あたりの発電用燃料の搬送量を、第1の搬送量T1(T1R,S)とする。第1の搬送量T1は、例えば、その実験値が、主タンク残量T1Rと傾斜情報Sとの値に関連付けられてテーブルの形でFROM14に記憶される。よって、主タンク残量T1R及び傾斜情報Sが決まれば、そのテーブルを参照することにより、第1の搬送量T1が決まる。また、第1のポンプ32の駆動量を、第1の駆動量P1Dとする。第1の駆動量P1Dは、例えば、第1のポンプ32の駆動時間となる。
図4に示すように、先ず、残量センサ23における主タンク残量の計測が可能か否か、つまり、携帯機器10の傾斜角度が、残量センサ23による主タンク残量の計測が可能な範囲内であるか否か、が判別される(ステップS11)。主タンク残量が計測可能である場合(ステップS11;YES)、残量センサ23により主タンク残量T1Rが計測され、残量センサ23から発電制御部31Aを介して主タンク残量T1Rが取得される(ステップS12)。そして、FROM14に記憶された予備タンク残量T2Rが読み出される(ステップS13)。
主タンク残量が計測可能でない場合(ステップS11;YES)、FROM14に記憶された主タンク残量T1Rが読み出され(ステップS14)、ステップS13に移行される。ステップS13の後、傾斜センサ45により傾斜情報が検知され、傾斜センサ45から発電制御部31Aを介して傾斜情報Sが取得される(ステップS15)。
そして、ステップS12,13,14,15で取得された主タンク残量T1R、予備タンク残量T2R、傾斜情報Sを用いて、次の式(6)により、第1の駆動量P1Dが算出される(ステップS16)。
P1D=K1*(F2−T2R)/T1(T1R,S) ・・・(6)
但し、F2は予備タンク33の全容量である。K1は演算に用いる係数である。係数K1は、FROM14に記憶されて、その使用時に読み出される。また、第1の駆動量P1Dは、予備タンク33を満杯(残量100%)にするように算出される。
そして、ステップS16において算出された第1の駆動量P1Dに基づいて、主タンク22内の発電用燃料が、第1のポンプ32により予備タンク33に搬送される(ステップS17)。そして、FROM14に記憶された予備タンク残量T2Rが、満杯(100%)に更新され(ステップS18)、起動時供給処理が終了される。ステップS18において、燃料搬送後の主タンク残量T1Rも残量センサ23により測定されてFROM14に記憶(更新)されるとしてもよい。
次に、図5を参照して、稼動時供給処理を説明する。稼動時供給処理は、携帯機器10の稼動中に所定時間間隔で周期的に実行される処理である。稼動時供給処理は、新規にあるいは前回の稼動時供給処理の実行後に所定時間が経過したことをトリガとして、CPU11がROM12に記憶された稼動時供給プログラムを読み出してRAM13に展開する。そして、CPU11が、RAM13に展開された稼動時供給プログラムを実行することにより稼動時供給処理が実現される。
ここで、第2のポンプ34の単位時間あたりの搬送量を、第2の搬送量T2(T2R,S)とする。第2の搬送量T2は、例えば、その実験値が、予備タンク残量T2Rと傾斜情報Sとの値に関連付けられてテーブルの形でFROM14に記憶される。よって、予備タンク残量T2R及び傾斜情報Sが決まれば、そのテーブルを参照することにより、第2の搬送量T2が決まる。また、第2のポンプ34の駆動量を、第2の駆動量P2Dとする。第2の駆動量P2Dは、例えば、第2のポンプ34の駆動時間となる。
図5に示すように、先ず、FROM14から予備タンク残量T2Rが読み出され、傾斜センサ45により傾斜情報が検知され、傾斜センサ45から発電制御部31Aを介して傾斜情報Sが取得される(ステップS21)。そして、ステップS21において取得された予備タンク残量T2R及び傾斜情報Sと、携帯機器10(負荷)で必要な電力とに対応する第2の駆動量P2Dが算出される(ステップS22)。
そして、ステップS22において算出された第2の駆動量P2Dに基づいて、予備タンク33内の発電用燃料が、第2のポンプ34により化学反応部35に搬送される(ステップS23)。
そして、ステップS23における搬送後の予備タンク残量T2R(T2R(New)とする)が次式(7)を用いて算出され、FROM14に記憶された予備タンク残量T2R(T2R(Old)とする)が、算出された予備タンク残量T2R(New)に更新される(ステップS24)。予備タンク残量T2R(New)は、
T2R(New)=T2R(Old)−K2*T2(T2R,S)*P2D ・・・(7)
の式により算出される。ただし、K2は演算のための係数である。また、係数K2は、FROM14に書き換え可能に記憶されている。式(7)の計算時には、FROM14から係数K2が読み出されて算出される。
そして、ステップS24において更新された予備タンク残量T2Rが、予備タンク33の全容量F2に対して、例えば、50%以下であるか否かが判別される(ステップS25)。50%以下でない場合(ステップS25;NO)、同様にして、ステップS24において更新された予備タンク残量T2Rが、予備タンク33の全容量F2に対して、例えば、90%以下であるか否かが判別される(ステップS26)。90%以下でない場合(ステップS26;NO)、稼動時供給処理が終了される。
90%以下である場合(ステップS26;YES)、FROM14から主タンク残量T1Rが読み出され、傾斜センサ45から傾斜情報が検知され、傾斜センサ45から発電制御部31Aを介して傾斜情報Sが取得される(ステップS27)。そして、ステップS27において取得された主タンク残量T1R及び傾斜情報Sと、ステップS24において更新された予備タンク残量T2Rとを用いて、予備タンク残量T2Rが90%以上となるように、式(1)により第1の駆動量P1Dが算出される(ステップS28)。具体的には、主タンク残量T1Rと傾斜情報Sとにより第1の搬送量T1を算出した後、その第1の搬送量T1と予備タンク残量T2Rとを用いて式(1)により第1の駆動量P1Dが算出される。
そして、ステップS28において算出された第1の駆動量P1Dに基づいて、主タンク22内の発電用燃料が、第1のポンプ32により予備タンク33に搬送される(ステップS29)。そして、FROM14に記憶された主タンク残量T1Rが、ステップS27において取得された主タンク残量T1Rに更新され、FROM14に記憶された予備タンク残量T2Rが、ステップS29における発電用燃料の搬送後の予備タンク残量T2Rに更新され(ステップS30)、稼動時供給処理が終了される。例えば、ステップS27〜S29において、予備タンク残量T2Rが100%となるように実行される構成でもよい。
50%以下である場合(ステップS25;YES)、予備タンク33内の残量が異常に少ない状態が発生しているので、携帯機器10の向きの変動を含む傾きの度合いが大きく、予備タンク33から化学反応部35に発電用燃料が供給できない状態となっていると判断する。そこで、LCD15に「携帯機器10の向き及び傾きの修正を促す旨」のメッセージが表示され(ステップS31)、稼動時供給処理が終了される。ユーザは、そのメッセージを目視により確認して、携帯機器10の傾き(姿勢)を正すことができる。なお、上記ステップS24,S25,S26は、本発明における、予備タンク残量検知手段を構成する。
次に、図6を参照して、燃料切れ時制御処理を説明する。燃料切れ時制御処理は、携帯機器10の稼動中に所定時間間隔で周期的に実行される処理である。燃料切れ時制御処理は、新規にあるいは前回の燃料切れ時制御処理の実行後に所定時間が経過したことをトリガとして、CPU11がROM12に記憶された燃料切れ時制御プログラムを読み出してRAM13に展開する。そして、CPU11が、RAM13に展開された燃料切れ時制御プログラムを実行することより燃料切れ時制御処理が実現される。
図6に示すように、先ず、FROM14に記憶された主タンク残量T1R及び予備タンク残量T2Rが読み出される(ステップS41)。主タンク残量T1Rについては、残量センサ23から主タンク残量T1Rが取得される構成でもよい。そして、ステップS41において取得された主タンク残量T1Rが“0”であるか、つまり、主タンク22が空であるか否かが判別される(ステップS42)。主タンク22が空でない場合(ステップS42;NO)、燃料切れ時制御処理が終了される。
主タンク22が空である場合(ステップS42;YES)、LCD15に「発電用燃料切れの発生により燃料カートリッジ21の交換を促す旨」のメッセージが表示される(ステップS43)。ユーザは、そのメッセージを目視により確認して、空の燃料カートリッジ21を、発電用燃料の入った燃料カートリッジ21に交換することができる。
そして、FROM14に記憶されている主タンク残量T1Rが“0”に更新される(リセットされる)(ステップS44)。そして、ステップS41において取得された予備タンク残量T2Rが“0”であるか、つまり、予備タンク33が空であるか否かが判別される(ステップS45)。予備タンク33が空でない場合(ステップS45;NO)、燃料電池システム20Aにおける発電動作が正常であるか否かが判別される(ステップS46)。ステップS46は、例えば、化学反応部35の温度が異常に高かったり、逆に温度が低かったりしているか否かに基づいて判別される。発電動作が正常である場合(ステップS46;YES)、制御回路43から発電制御部31Aを介して燃料電池41の発電量が取得され、その発電量が低下しているか否かが判別される(ステップS47)。
発電量が低下していない場合(ステップS47;NO)、燃料切れ時制御処理が終了される。これは、例え、主タンク22内の発電用燃料が切れたとしても、予備タンク33内の発電用燃料により発電が正常で発電量の低下もなく行われているためである。この場合、ユーザは、予備タンク33内の発電用燃料が切れる前に、燃料切れの燃料カートリッジ21を、発電用燃料が入っている燃料カートリッジ21に交換することで、間欠的に携帯機器10を使用することができる。
一方、発電量が低下している場合(ステップS47;YES)、予備タンク33内の発電用燃料の残量が、式(7)による計算上は“0”でないにもかかわらず、実際には“0”になっているものと判断され、式(7)における係数K2が適切でなかったと判断される。そこで、次式(8)により新たな補正係数K2(New)が算出され、FROM14に記憶されている係数K2(Old)が係数K2(New)に更新される(ステップS48)。係数K2(New)は、
K2(New)=K2(Old)*F2/(F2−T2R) ・・・(8)
の式により算出される。
そして、予備タンク残量T2Rが“0”であるとみなされ、FROM14に記憶されている予備タンク残量T2Rが“0”に更新される(リセットされる)(ステップS49)。予備タンク33が空である場合(ステップS42;YES)、ステップS49に移行される。そして、燃料電池システム20Aにおける発電動作が停止され(ステップS50)、燃料切れ時制御処理が終了される。発電動作が正常でない場合(ステップS46;NO)、ステップS50に移行される。
以上、本実施の形態によれば、携帯機器10に用いる小型の燃料電池システム20Aにおいて、予備タンク33が設けられ、予備タンク残量が90%以上(略満杯)になるように、燃料カートリッジ21から発電用燃料が供給されるとともに、発電に要する発電用燃料量に応じて第2のポンプ34を駆動制御する。このため、燃料カートリッジ21の傾きに関わらず、安定して発電用燃料を化学反応部35に供給して、燃料電池41で発電することができる。
また、傾斜センサ45の傾斜情報を用いて第1の搬送量T1及び第2の搬送量T2を正確に算出して、第1のポンプ32及び第2のポンプ34を駆動制御することができる。また、予備タンク33内には含浸材が配置されているので、燃料カートリッジ21の傾きの度合いが大きい場合にも、第2のポンプ34により発電用燃料を安定して化学反応部35に搬送できる。
また、予備タンク33内の予備タンク残量が90%未満となる場合に第1のポンプを駆動するので、予備タンク33に発電用燃料を過剰に搬送することを防ぐことができる。また、残量センサ23により検知された主タンク容量T1Rに基づいて第1の搬送量T1が算出されるので、その第1の搬送量T1に基づいて、所定量の発電用燃料を正確に予備タンク33に搬送することができる。また、主タンク22が空で、予備タンク内の残量が有り、発電動作が正常でかつ発電電力の低下が検知された異常な場合に、係数K2を補正する。そして、次回の起動以後、その補正された係数K2を用いて第2のポンプを駆動制御する。このため、次回の起動以後、燃料カートリッジ21の傾きに関わらず、さらに安定して発電用燃料を化学反応部35に供給して、燃料電池41で発電することができる。
(第2の実施の形態)
図7を参照して、第2の実施の形態を説明する。図7は、本実施の形態の携帯機器10に搭載された燃料電池システム20Bの内部構成を示す図である。本実施の形態は、第1の実施の形態同様の構成を有するものである。説明の重複を防ぐために、第1の実施の形態と異なる部分を主として説明する。本実施の形態の携帯機器10は、第1の実施の形態の燃料電池システム20Aに代えて、燃料電池システム20Bを有するものである。
燃料電池システム20Bは、燃料カートリッジ21と、発電モジュール30Bとを備える。発電モジュール30Bは、発電モジュール30Aの各部に加えて、予備タンク33から溢れ出る発電用燃料を主タンク22へ流入する自由流路46と、自由流路46において主タンク22から予備タンク33への発電用燃料の逆流を防ぐための逆流防止部としての逆流防止弁47とを有する。
第1の実施の形態では、第1のポンプ32の制御において、主タンク残量T1R及び予備タンク残量T2Rなどを用いて第1の駆動量P1Dを算出していた。この第1の駆動量P1Dは、予想値であるので、算出された結果が実際に必要な値よりも大きいと予備タンク33から発電用燃料が溢れ出る虞があった。
本実施の形態は、自由流路46及び逆流防止弁47を設けたことにより、たとえ予備タンク33に必要以上の発電用燃料が搬送されたとしても、溢れ出る分は自由流路46を介して主タンク22に戻される。予備タンク33から発電用燃料が溢れ出る場合に逆流防止弁47が開く。このため、予備タンク残量T2Rを監視する必要がなく、予備タンク残量T2Rに基づいて第1の駆動量P1Dを算出する必要もない。第1のポンプ32においては、例えば、一定の第1の駆動量P1Dで連続的、周期的又は断続的に所定のタイミングで発電用燃料を搬送させることができる。このため、予備タンク33は、常時、略満杯の発電用燃料を貯えることとなる。
例えば、前回の主タンク22からの発電用燃料の搬送から次に主タンク22からの発電用燃料の搬送が可能となる状態となるまでの間に、
(第2のポンプの駆動量)*(第2のポンプの最大搬送量)<(第1のポンプの駆動量)*(第1のポンプの最小搬送量)
とするように、第1のポンプ32を駆動させるだけでよい。
さらに、逆流防止弁47により、主タンク22から自由流路46を介して予備タンク33に発電用燃料が流れて予備タンク33から溢れ出ることも防ぐことができる。第2のポンプ34の駆動制御は、第1の実施の形態と同様に、発電に要する発電用燃料を化学反応部35に搬送させるように行う。
以上、本実施の形態によれば、携帯機器10に用いる小型の燃料電池システム20Bにおいて、予備タンク33内に略満杯の発電用燃料を貯えておくように所定タイミングで第1のポンプ32を所定量駆動するとともに、発電に要する発電用燃料量に応じて第2のポンプ34を駆動制御する。このため、主タンク22の傾きに関わらず、安定して発電用燃料を化学反応部35に供給して、燃料電池41で発電することができるとともに、予備タンク33に過剰に発電用燃料を搬送しても、自由流路46により予備タンク33の溢れを防ぎ、第1のポンプ32の制御を容易にすることができる。また、逆流防止弁47を設けたことにより、主タンク22から予備タンク33へ直接、発電用燃料が流入することによる燃料供給異常を防ぐことができる。
なお、上記実施の形態で説明した詳細な部分は上記内容に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
また、第1の実施の形態において、燃料供給に関する各種処理(起動時供給処理、稼動時供給処理及び燃料切れ時制御処理)を、CPU11、ROM12、RAM13及びFROM14の協働で行っているが、これに限るものではない。例えば、発電制御部31AにROM、RAM及びFROMを設け、発電制御部31Aが各種処理の主体となる構成でもよい。
また、第1の実施の形態と第2の実施の形態を組合わせる構成でもよい。例えば、発電モジュール30Aに自由流路46及び逆流防止弁47を設ける構成である。また、水素、メタノールなどの燃焼反応により発熱する燃焼触媒器を、ヒータ39に代えて設けてもよい。さらに、燃焼触媒器とヒータ39を併設する構成でもよい。
本発明に係る第1の実施の形態の携帯機器10の内部構成の一例を示す図である。 第1の実施の形態の携帯機器10に搭載された燃料電池システム20Aの内部構成を示す図である。 携帯機器10の外観図であり、(a)は携帯機器10の正面図であり、(b)は携帯機器10の上面図であり、(c)は携帯機器10の右側面図である。 起動時供給処理を示すフローチャートである。 稼動時供給処理を示すフローチャートである。 燃料切れ時制御処理を示すフローチャートである。 本発明に係る第2の実施の形態の携帯機器10に搭載された燃料電池システム20Bの内部構成を示す図である。
符号の説明
10 携帯機器
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 FROM
15 LCD
16 LCDドライバ
17 タッチパネル
18 通信I/F
19 バス
20A,20B 燃料電池システム
21 燃料カートリッジ
22 主タンク
23 残量センサ
30A,30B 発電モジュール
31A,31B 発電制御部
32 第1のポンプ
33 予備タンク
34 第2のポンプ
35 化学反応部
36 気化器
37 改質器
38 CO除去器
39 ヒータ
40 ドライバ
41 燃料電池
42 電力保持部
43 制御回路
44 DC/DCコンバータ
45 傾斜センサ
46 自由流路
47 逆流防止弁

Claims (3)

  1. 主タンクから搬送される発電用燃料を一時的に貯える予備タンクを備え、該予備タンクから供給される前記発電用燃料を用いて発電する発電手段を備えた電源システムにおける前記発電用燃料の燃料供給方法であって、
    前記予備タンク内の前記発電用燃料の残量を検知して、前記予備タンクに所定量以上の前記発電用燃料が貯えられているように前記主タンクから前記予備タンクへ発電用燃料を搬送する第1搬送工程と、
    前記発電手段の発電に要する前記発電用燃料を前記予備タンクから前記発電手段に搬送する第2搬送工程と、
    を含み、
    前記燃料供給方法は、前記主タンク及び前記予備タンクの傾斜角度を検知する傾斜角度検知工程を含むことを特徴とする燃料供給方法。
  2. 前記燃料供給方法は、
    前記主タンク内の発電用燃料の残量情報を取得する残量情報取得工程と、
    前記予備タンク内の発電用燃料の残量を予測する残量予測工程と
    含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料供給方法。
  3. 前記燃料供給方法は、
    前記発電手段による発電動作が正常であるか否かを判別する発電動作判別工程と、
    前記発電手段による発電量の低下を検知する発電量低下検知工程と、
    前記残量予測工程に用いる演算係数の値を補正する演算係数補正工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料供給方法。
JP2008097781A 2008-04-04 2008-04-04 燃料供給方法 Expired - Fee Related JP5012627B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008097781A JP5012627B2 (ja) 2008-04-04 2008-04-04 燃料供給方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008097781A JP5012627B2 (ja) 2008-04-04 2008-04-04 燃料供給方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003082169A Division JP4415173B2 (ja) 2003-03-25 2003-03-25 電源システム及び携帯機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008171831A JP2008171831A (ja) 2008-07-24
JP5012627B2 true JP5012627B2 (ja) 2012-08-29

Family

ID=39699681

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008097781A Expired - Fee Related JP5012627B2 (ja) 2008-04-04 2008-04-04 燃料供給方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5012627B2 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57182975A (en) * 1981-05-08 1982-11-11 Hitachi Ltd Detection of liquid level of fuel cell
US4585708A (en) * 1985-06-11 1986-04-29 Energy Research Corporation Fuel cell system with premixing of water miscible hydrocarbon fuel and water
JPS6477878A (en) * 1987-09-18 1989-03-23 Hitachi Ltd Fuel supply method for fuel cell
JPH04267067A (ja) * 1991-02-21 1992-09-22 Fuji Electric Co Ltd 燃料電池発電装置の液体燃料蒸発器
JPH0773897A (ja) * 1993-09-03 1995-03-17 Toshiba Corp 燃料電池発電装置
JP4081207B2 (ja) * 1999-06-22 2008-04-23 本田技研工業株式会社 燃料電池システム
US20030010115A1 (en) * 2001-07-16 2003-01-16 Kelley Ronald J. Means for measuring the liquid level in a reservoir for a fuel cell
ATE407459T1 (de) * 2001-07-18 2008-09-15 Univ Tel Aviv Future Tech Dev Brennstoffzelle mit protonenleitender membran und mit verbesserter wasser- und brennstoffhandhabung
AU2002364024A1 (en) * 2002-06-28 2004-01-19 Foamex L.P. Fuel reservoir for liquid fuel cells

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008171831A (ja) 2008-07-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3838192B2 (ja) 電源システム及び電源システムの異常検出方法
JP3899518B2 (ja) 燃料電池システム及びその駆動制御方法並びに電源システムを備えた電子機器
US20060177711A1 (en) Fuell cell control and data reporting
KR100858166B1 (ko) 발전모듈, 시스템, 발전모듈의 제어부 및 발전모듈의 구동방법
JP5373256B2 (ja) 電源システム及び電源システムの制御方法並びに電源システムを備える電子機器
JP2004093409A (ja) 燃料カートリッジ及びそれを用いた携帯機器並びに残量検出方法
JP4951917B2 (ja) 燃料改質システム
JP4415173B2 (ja) 電源システム及び携帯機器
JP4894809B2 (ja) 電源システム及び携帯機器
JP2004220845A (ja) 電子機器システムおよび動作制御方法
JP5012627B2 (ja) 燃料供給方法
JP2007258061A (ja) 車両用発電システム
JP4843898B2 (ja) 燃料電池装置及びその制御方法
JP4304961B2 (ja) 電源システム及び電源システムの異常判定方法
JP4561030B2 (ja) 電子機器
JP2005293281A (ja) 情報処理装置および情報処理装置の制御方法
JP2009238457A (ja) 燃料電池システム及びその起動方法
JP2004139742A (ja) 燃料供給装置および携帯機器
JP5125181B2 (ja) 反応装置及び発電装置並びに反応装置の停止方法
JP5865239B2 (ja) 燃料電池車両
JP2010086676A (ja) 燃料電池システム
JP2008123771A (ja) 発電モジュール及び電子機器
JP2010015936A (ja) 燃料供給装置及び燃料供給システム

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120508

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120521

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees