JP2004158090A - データ再生装置 - Google Patents

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浩隆 越智
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Abstract

【課題】レベル変動への追従性が必要となるシーク時、再生信号の精度が必要である連続データの再生時共に適切なDCオフセット制御をするデータ再生装置を提供する。
【解決手段】本発明のデータ再生装置は、DCオフセット抽出部104で信号の傾きから本来ゼロレベルであるポイントの振幅を検出し、DCオフセット制御信号を生成し、減算器103によって、信号のDCオフセットを補正する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ再生装置に関するものであり、特にデジタル再生データからDCオフセット成分を除去するデータ再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
データ再生装置が記録媒体からデータを正確に再生する上で、再生信号に含まれるDCオフセット成分を正確に除去することが重要である。特開2001−195830号公報に、記録媒体から再生されたデータのDCオフセット成分を除去する従来例のデータ再生装置が記載されている。以下、特開2001−195830号公報に記載された従来例のデータ再生装置を説明する。従来例のデータ再生装置は、記録媒体に記録されたデジタルデータを再生するデジタル記録データ再生装置であって、そのフェーズロックドループ(以下、「PLL」と呼ぶ。
)及びDCオフセットの補正方法を改良したものである。従来例のデータ再生装置は、チルトによる再生波形の品質劣化が発生した条件、信号雑音比が悪い条件、及びディフェクト等が頻繁に発生する条件等の悪条件下において、再生デジタルデータ品質を改善し、プレイアビリティを向上する等の特徴を有するものであった。
【0003】
従来例のデータ再生装置は、DCオフセット調整を行う際に、標本化された波形がゼロレベル(本来のDCレベル)とクロスするポイントを求め、本来はゼロレベルであるポイントにおける振幅成分をDCオフセット誤差として検出する。
現在のDCオフセットの補正値にDCオフセット誤差を所定の積分係数で加算して新たなDCオフセットの補正値を得る。それ以外の正負の符号が確定しているポイントに関しては、記録媒体への記録信号がDCフリーの符号化方式で符号化されていることを利用して、再生信号からDCオフセット成分を差し引いた値の正負の符号に応じて、所定値を加算又は減算するようにしてDCオフセットの補正値を得ている。
【0004】
従来例のデータ再生装置は、信号がゼロレベルをクロスするポイントにおける振幅成分(クロス振幅)を出力するゼロクロス振幅出力手段を有する。このゼロクロス振幅出力手段は、本発明のクロス振幅検出手段とほぼ同一の手段である。
このゼロクロス振幅出力手段を用いたDCオフセットの補正値の検出方法は、信号が本来のゼロレベルをクロスするポイント又はゼロレベルに近いポイントを検出し、そのポイントにおける誤差つまりクロス振幅をDCオフセットの誤差として検出し、検出した誤差に基づいて新たなDCオフセットの補正値を導出する方法である。
【0005】
再生符号からDCオフセット成分を差し引いた値の極性(正負の符号)に応じてDCオフセットの補正値を検出する方法(「極性によるDCオフセット補正値検出方法」と略称する。)は、記録媒体に記録された符号化信号がDCフリーであることを利用した方法である。信号がゼロレベル(本来のDCレベル)に対してプラスであればプラスの所定値、マイナスであればマイナスの所定値を加算し、加算結果を平滑することによってDCオフセットの補正値を導出する。導出されたDCオフセットの補正値を現在のDCオフセット成分の値に加算し、新たなDCオフセット成分の値を求める。
上記の2つのDCオフセットの補正値の検出方法を組み合わせることにより、正確なDCオフセット成分の値を求めることができ、高周波成分を含んだ直流変動に対してDCオフセット調整を応答させる場合にも、動作の安定化と調整後のノイズの低減が可能となり、直流変動に対して有効なデータ再生手段を実現できるとされていた。
【0006】
また、再生符号に従ってその極性(正負の符号)に応じた所定値の加算値をシーク動作時とそれ以外とで異ならせるようにし、シーク動作時には加算値の値を大きくし、位相同期状態には加算値の値を小さくするようにしたものである。つまり、ゼロクロス振幅出力手段の出力値との比率を調整する極性値出力可変手段を備え、これにより、再生信号の精度よりもレベル変動への追従性が必要となるシーク時には、符号の極性を主として制御を行ない、再生信号の精度が必要である連続データの再生時には、クロス振幅を主として制御を行なった。このように、状況に応じて最適なDCオフセット補正が行った。これにより、制御の収束性も改善され、シーク後の高速な位相同期引き込みが可能となった。位相同期状態になると制御雑音を抑えることができ、最適なDCオフセット制御が可能となった。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−195830号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、信号がゼロレベルとクロスするポイントにおける振幅を検出してDCオフセット成分の誤差を検出する方法だけではDCオフセット成分が大きい場合には妥当でない誤差を出力し、正しいDCオフセット制御を行うことはできなかった。従来例では極性によるDCオフセット補正値検出方法を用いてDCオフセット成分の誤差検出も行っていた。しかし再生信号において局所的な符号の偏りがある場合には、データ再生装置が正しいDCオフセット成分を記憶していても、極性によるDCオフセット補正値検出方法はDCオフセットの誤差を検出してしまった。従来例のデータ再生装置は、位相同期状態での精密な制御が必要となる時は、極性によるDCオフセット補正値検出方法のフィードバックゲインを下げざるをえなかった。そのため、位相同期状態ではクロス振幅を用いた方法によりDCオフセット成分の制御をほとんど行っており、符号の極性による制御は補助的な役割しか果たしていなかった。そのため、位相同期状態でDCオフセット成分が大きく変動すると、DCオフセット成分の制御が追随できず、再生データの誤り率が増加する恐れがあるという問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明のデータ再生装置は、記録媒体から読み出された信号に積分系の等化を適用する前置等化手段と、前記前置等化手段によって等化された信号を標本化するA/D変換手段と、前記A/D変換手段の出力であるA/D変換情報のDCオフセット成分を抽出するDCオフセット抽出手段と、前記A/D変換情報から前記DCオフセット成分を減算する減算器を備え、前記DCオフセット抽出手段は、前記A/D変換情報又は前記減算器の出力データの時間軸の第1の傾きを検出する傾き検出手段と、前記第1の傾きの大きさをもとに、本来はDCレベルであるポイント(ゼロレベル)又はゼロレベルに近いポイントを検出し、そのポイントにおける前記A/D変換情報又は前記減算器の出力データであるゼロ振幅を検出するゼロ振幅検出手段と、少なくとも前記ゼロ振幅から前記A/D変換情報の前記DCオフセット成分を導出するDC成分抽出用フィルタと、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明は、レベル変動への追従性が必要となるシーク時、再生信号の精度が必要であるオントラック状態での連続データの再生時、のいずれにおいても正確なDCオフセット誤差を検出し、オントラック状態で大きなDCオフセット成分の変動があった時にも高い応答性で追随して正確なDCオフセット誤差を検出し、正確なDCオフセット成分の値を出力するデータ再生装置を実現できるという作用を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載のデータ再生装置は、記録媒体から読み出された信号に積分系の等化を適用する前置等化手段と、前記前置等化手段によって等化された信号を標本化するA/D変換手段と、前記A/D変換手段の出力であるA/D変換情報のDCオフセット成分を抽出するDCオフセット抽出手段と、前記A/D変換情報から前記DCオフセット成分を減算する減算器を備え、前記DCオフセット抽出手段は、前記A/D変換情報又は前記減算器の出力データの時間軸の第1の傾きを検出する傾き検出手段と、前記第1の傾きの大きさをもとに、本来はDCレベルであるポイント(ゼロレベル)又はゼロレベルに近いポイントを検出し、そのポイントにおける前記A/D変換情報又は前記減算器の出力データであるゼロ振幅を検出するゼロ振幅検出手段と、少なくとも前記ゼロ振幅から前記A/D変換情報の前記DCオフセット成分を導出するDC成分抽出用フィルタと、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明は、レベル変動への追従性が必要となるシーク時、再生信号の精度が必要であるオントラック状態での連続データの再生時、のいずれにおいても正確なDCオフセット誤差を検出し、オントラック状態で大きなDCオフセット成分の変動があった時にも高い応答性で追随して正確なDCオフセット誤差を検出し、正確なDCオフセット成分の値を出力するデータ再生装置を実現できるという作用を有する。
【0013】
本発明の請求項2に記載のデータ再生装置は、更に、前記傾き検出手段は、前記A/D変換情報又は前記減算器の出力を補間することによって、位相がスライドした補間情報を生成する補間フィルタと、前記補間情報を微分することによって前記第1の傾きを導出する微分フィルタと、を備え、前記補間フィルタによってスライドさせる位相は、前記微分フィルタの微分処理によりスライドする位相を補正していることを特徴とする。本発明は、離散データの各ポイントの傾きを精度よく検出し、この傾きの情報をもとに、レベル変動への追従性が必要となるシーク時、再生信号の精度が必要である連続データの再生時のいずれにおいても高い精度で且つ高い応答性でDCオフセット制御を行うデータ再生装置を実現出来るという作用を有する。
【0014】
本発明の請求項3に記載のデータ再生装置は、更に、前記傾き検出手段は、前記A/D変換情報又は前記減算器の出力を微分することによって時間軸の第2の傾きを導出する微分フィルタと、前記第2の傾きを補間することによって、位相のスライドした傾きを導出する補間フィルタとを備え、前記位相のスライドした傾きを前記第1の傾きとして出力し、前記補間フィルタによってスライドさせる位相は、前記微分フィルタの微分処理によりスライドする位相を補正していることを特徴とする。本発明は、離散データの各ポイントの傾きを精度よく検出し、この傾きの情報をもとに、レベル変動への追従性が必要となるシーク時、再生信号の精度が必要である連続データの再生時のいずれにおいても高い精度で且つ高い応答性でDCオフセット制御を行うデータ再生装置を実現出来るという作用を有する。
【0015】
本発明の請求項4に記載のデータ再生装置は、更に、前記補間フィルタは(1+D)処理(Dは1チャネルレート期間の遅延データ)を行い、前記微分フィルタは(1−D)処理を行うことを特徴とする。本発明は、簡易な回路構成で、離散データの各ポイントの傾きを精度よく検出し、この傾きの情報をもとに、レベル変動への追従性が必要となるシーク時、再生信号の精度が必要である連続データの再生時のいずれにおいても高い精度で且つ高い応答性でDCオフセット制御を行うデータ再生装置を実現出来るという作用を有する。
【0016】
本発明の請求項5に記載のデータ再生装置は、更に、前記DCオフセット抽出手段は、第1の閾値を出力する第1の閾値発生手段を備え、前記ゼロ振幅検出手段は、前記第1の傾きの大きさが前記第1の閾値より大きくなった時から、次に前記第1の閾値を横切って小さくなるまでの間に前記第1の傾きの大きさが最も大きいポイントを検出するゼロ時刻検出手段を備え、前記ゼロ時刻検出手段により検出されたポイントに対応する前記A/D変換情報又は前記減算器出力の振幅成分をゼロ振幅として検出することを特徴とする。
本発明によれば、第1の閾値を横切って大きくなってから小さくなるまでの、検出窓の中で傾きが最大であるポイント、つまり本来のゼロレベル又はゼロレベルに近いポイントを精度よく検出することができる。本発明は、離散データの各ポイントの傾きを精度よく検出し、この傾きの情報をもとに、レベル変動への追従性が必要となるシーク時、再生信号の精度が必要である連続データの再生時のいずれにおいても高い精度で且つ高い応答性でDCオフセット制御を行うデータ再生装置を実現出来るという作用を有する。
【0017】
本発明の請求項6に記載のデータ再生装置は、更に、前記DCオフセット抽出手段は、前記減算器の出力を補間して生成された前記補間情報又は前記減算器の出力の符号変化を検出することによって、ゼロレベルのポイント又はゼロレベルに近いポイントを検出するクロス時刻検出手段と、前記クロス時刻検出手段が検出したポイントに対応する前記A/D変換情報又は前記減算器の出力データ(クロス振幅)を検出するクロス振幅検出手段と、前記クロス振幅及び前記ゼロ振幅の各々に重み付けを行う重み付け手段と、重み付けされた前記クロス振幅と前記ゼロ振幅とを加算する加算器と、を備え、前記加算器の出力データを前記DC成分抽出用フィルタに入力しDCオフセット成分を得ることを特徴とする。
本発明によれば、傾きを検出する過程で使用する補間フィルタを利用して、従来のゼロクロス振幅検出を行い、2つの異なる検出方式で求めた誤差に重み付けをおこない加算することによって、より精度の良い誤差を検出することができる。本発明は、離散データの各ポイントの傾きを精度よく検出し、この傾きの情報をもとに、レベル変動への追従性が必要となるシーク時、再生信号の精度が必要である連続データの再生時のいずれにおいても高い精度で且つ高い応答性でDCオフセット制御を行うデータ再生装置を実現出来るという作用を有する。
【0018】
本発明の請求項7に記載のデータ再生装置は、更に、前記A/D変換手段がA/D変換する適切な位相を検出する位相同期手段を備え、前記位相同期手段は、前記ゼロ時刻検出手段により検出された前記ゼロ振幅を位相誤差導出に使用する位相誤差検出手段を備える。本発明は、ゼロ時刻検出手段を利用して得られる情報から位相誤差検出を行い、PLLの安定性を向上させたデータ再生装置を実現出来るという作用を有する。
【0019】
本発明の請求項8に記載のデータ再生装置は、更に、前記A/D変換情報又は前記減算器の出力データの振幅の大きさを検出する振幅検出手段を備え、前記第1の閾値発生手段は、前記振幅検出手段により検出された振幅の大きさに対応して前記第1の閾値を制御する。本発明は、信号の振幅変動に対応したゼロ振幅検出手段の検出窓を確保し、レベル変動への追従性が必要となるシーク時、再生信号の精度が必要である連続データの再生時のいずれにおいても高い精度で且つ高い応答性でDCオフセット制御を行うデータ再生装置を実現出来るという作用を有する。
【0020】
本発明の請求項9に記載のデータ再生装置は、更に、前記DCオフセット抽出手段は、前記ゼロ振幅が検出されてから次に検出されるまでの期間をカウントする第1のカウンタと、第2の閾値を発生する第2の閾値発生手段とを備え、前記第1のカウンタのカウント数が前記第2の閾値を超えたとき、前記第1の閾値発生手段は、前記第1の閾値を小さくする。本発明によれば、信号振幅が小さくなったときでも、第1の閾値を小さくしてゼロ振幅検出手段の検出窓を確保する。
本発明は、レベル変動への追従性が必要となるシーク時、再生信号の精度が必要である連続データの再生時のいずれにおいても高い精度で且つ高い応答性でDCオフセット制御を行うデータ再生装置を実現出来るという作用を有する。
【0021】
本発明の請求項10に記載のデータ再生装置は、更に、前記DCオフセット抽出手段は、前記ゼロ時刻検出手段により検出されるポイントと、前記クロス時刻検出手段により検出されるポイントとの一致数をカウントする第2のカウンタと、所定の期間における前記第2のカウンタのカウント数が所定のカウント数未満である時、前記第2のカウンタのカウント数が所定のカウント数に達するまでの時間が所定の時間以上である時、前記ゼロ時刻検出手段により検出されるポイントの数、前記クロス時刻検出手段により検出されるポイントの数、若しくは前記ゼロ時刻検出手段により検出されるポイントの数と前記クロス時刻検出手段により検出されるポイントの数との合計ポイント数(以下、「前記ゼロ時刻検出手段により検出されるポイントの数等」と呼ぶ。)が所定の数に達した時の前記第2のカウンタのカウント数が所定のカウント数未満である時、又は前記第2のカウンタのカウント数の前記ゼロ時刻検出手段により検出されるポイントの数等に対する割合が所定の値未満である時、DCオフセット制御が安定でないという情報を出力するDCオフセット安定検出手段と、を有し、前記DCオフセット安定検出手段が出力する情報が少なくとも一方に変化した時、前記DCオフセット抽出手段が内部のパラメータの値を変更することを特徴とする。
本発明によれば、DCオフセット制御の安定性を検出することができ、その検出結果に応じて様々な設定値を変更することができる。本発明は、レベル変動への追従性が必要となるシーク時、再生信号の精度が必要である連続データの再生時のいずれにおいても高い精度で且つ高い応答性でDCオフセット制御を行うデータ再生装置を実現出来るという作用を有する。
【0022】
本発明の請求項11に記載のデータ再生装置は、更に、前記A/D変換手段がA/D変換する適切な位相を検出する位相同期手段と、前記位相同期手段が有するフェーズロックドループがロック状態か又はアンロック状態かを検出し、その検出結果であるロック/アンロック検出情報を出力するロック検出手段と、を備え、前記重み付け手段は、前記ロック/アンロック検出情報が少なくとも一方に変化した時、前記ゼロ振幅と前記クロス振幅の重み付けの比率又はいずれかの重み付けの大きさを変化させる。本発明によれば、信号の状態に応じてDCオフセットの制御ができる。本発明は、レベル変動への追従性が必要となるシーク時、再生信号の精度が必要である連続データの再生時のいずれにおいても高い精度で且つ高い応答性でDCオフセット制御を行うデータ再生装置を実現出来るという作用を有する。
【0023】
本発明の請求項12に記載のデータ再生装置は、更に、前記重み付け手段は、前記DCオフセット安定検出手段が出力する情報が変化した時、前記ゼロ振幅と前記クロス振幅の重み付けの比率又は大きさを変化させる。本発明によれば、信号の状態に応じたDCオフセットの制御ができる。本発明は、レベル変動への追従性が必要となるシーク時、再生信号の精度が必要である連続データの再生時のいずれにおいても高い精度で且つ高い応答性でDCオフセット制御を行うデータ再生装置を実現出来るという作用を有する。
【0024】
本発明の請求項13に記載のデータ再生装置は、更に、前記記録媒体に記録された符号化データは1Tデータを含まず、前記前置等化手段は、前記記録媒体から読み出された信号を、PR(1,1)特性(「PR()特性」は、前置等化手段の出力信号がPartial Response方式の関数であるPR()で表現される特性)、PR(a,b,b,a)特性(a、bは任意の自然数)、又は前記PR(a,b,b,a)の(a,b,b,a)に(1,1)をn回(nは自然数)畳み込んだ特性に等化する手段である。
本発明によれば、本来のゼロレベルであるポイントの傾きを容易に検出できる。また、PLLの制御の安定が図れる。本発明は、レベル変動への追従性が必要となるシーク時、再生信号の精度が必要である連続データの再生時のいずれにおいても高い精度で且つ高い応答性でDCオフセット制御を行うデータ再生装置を実現出来るという作用を有する。
【0025】
1Tデータは遷移間隔が1Tのデータである(1Tは1チャネルレート)。PR()はPartial Response方式の関数である。前置等化手段の出力データy=PR(1,1)はy=1+Dである(Dは1チャネルレート期間Tの遅延データを意味する。)。出力データy=PR(a,b,b,a)は、y=a+bD+bD+aDである。「(a,b,b,a)に(1,1)をn回畳み込んだ特性」とは、出力データyがy=(a+bD+bD+aD)(1+D)の特性を有することを意味する。
【0026】
《実施例1》
図1〜図7、図10を用いて、本発明の実施例1のデータ再生装置を説明する。
図1は本発明の実施例1のデータ再生装置(DCオフセット制御関連部分のみ)のブロック図である。図2は本発明の実施例1のDCオフセット抽出手段104のブロック図である。
図1及び図2において、101は記録媒体から読み出された信号に積分系の等化を適用する前置等化手段である。102は等化された信号を標本化し、A/D変換情報を出力するA/D変換手段である。103はA/D変換情報からDCオフセット成分を減算する減算器である。104は減算器103の出力からDCオフセットを抽出するDCオフセット抽出手段である。105はDCオフセット制御の安定性を検出するDCオフセット安定検出手段である。106は信号の振幅の大きさを検出する振幅検出手段である。107はDCオフセットを除去した信号の位相誤差を求める位相誤差検出手段である。108はPLLのループフィルタである。109はデジタル/アナログ変換手段(以下、「D/A変換手段」と呼ぶ。)である。110は電圧制御発振器である。111は適応的に波形等化を適用する後置等化手段である。112は最尤復号器である。113はPLLがロックしたか又はアンロックかを検出するロック検出手段である。
【0027】
DCオフセット安定検出手段は、ゼロ時刻検出手段10431及びクロス時刻検出手段10441のそれぞれの検出ポイントの一致数をカウントする第2のカウンタ1051、第2のカウンタ1051のカウント値を閾する第3の閾値を発生する第3の閾値発生手段1052、ゼロ時刻検出手段10431の検出数をカウントする第3のカウンタ1053を有する。
【0028】
DCオフセット抽出手段104は、減算器103の出力の傾きを検出する傾き検出手段1041、傾きの大きさを閾する第1の閾値を発生する第1の閾値発生手段1042、ゼロ振幅検出手段1043、クロス振幅検出手段1044、ゼロ振幅検出手段1043とクロス振幅検出手段1044の両出力データにそれぞれ重みをつける重み付け手段1045、重み付け手段1045によって重み付けされたゼロ振幅検出手段1043とクロス振幅検出手段1044の両出力データを加算する加算器1046、加算器1046の出力データから信号のDCオフセット成分を導出するフィルタ1047を有する。
【0029】
傾き検出手段1041は、減算器103の出力に(1+D)処理を行う補間フィルタ10411、補間フィルタ10411の出力に(1−D)処理を行う微分フィルタ10412を有する。
ゼロ振幅検出手段1043は、傾きから本来はゼロレベル又はそれに近いポイントを検出するゼロ時刻検出手段10431を有する。ゼロ振幅検出手段1043は、ゼロ時刻検出手段10431で求めたポイントに対応する減算器103の出力振幅を検出する。
クロス振幅検出手段1044は、補間フィルタ10411の出力データの符号変化から減算器103の出力がゼロレベルとクロスするポイントを検出するクロス時刻検出手段10441を有する。クロス振幅検出手段1044は、クロス時刻検出手段10441が検出した本来はゼロレベル又はそれに近いポイントに対応する減算器103の出力振幅を検出する。
【0030】
記録媒体例えばCD(Compact Disk)ROMから読み出された信号は、アンプ等(図示しない)を通して、前置等化手段101に入力される。前置等化手段101で例えばPR(1,3,3,1)等化された信号は、A/D変換手段102でデジタル変換され減算器103に入力される。減算器103でDCオフセットを補正した信号は後置等化手段111でさらに等化を調整し、最尤復号器112によって、最尤復号され2値データとなる。
【0031】
以上のパーシャルレスポンス方式(PR、Partial Response)と、最尤復号(ML、Maximum Likelihood)とを組み合わせたPRML方式は、高い記録密度で情報が記録された最近の記録媒体のデータ再生装置に広く採用されている。パーシャルレスポンス方式(PR)には様々な方式があり、方式の違いによって最尤復号器(ML)の構造も変化する。PR(1,3,3,1)方式と最尤復号器MLを組み合わせたPR(1,3,3,1)ML方式を用いて、CD ROMから読み出された信号を2値化する方法を例示的に説明する。
【0032】
記録媒体から読み出された信号が、PR(1,3,3,1)の特性から外れていた場合、前置等化手段101によってPR(1,3,3,1)の特性になるように等化される。この前置等化手段101には予め、記録媒体等の特性に応じて前置等化手段101の出力がPR(1,3,3,1)等化されるように設定されている。ただし、この実施例では後に述べる後置等化手段111によって等化を補正できるので、前置等化手段101では完全にPR(1,3,3,1)に等化する必要はない。前置等化手段101は、PR(1,3,3,1)にある程度近く、正しい位相のサンプルポイントを得るためのPLLの性能を引き出すために十分な程度に、信号のジッターを少なくする等化を行えばよい。
図3に3Tの連続記録データに対するPR(1,3,3,1)等化後の波形の例を示す。図3(a)は、記録媒体に記録された3Tデータのパターンを示す。
図3(a)で、線で囲まれた領域のデータ(黒点)は0、線で囲まれない領域のデータは1である。図3(b)は、各ポイントにおける3Tデータに基づくPR(1,3,3,1)等化後の演算値を示す。図3(c)は、記録媒体から読み出した3Tデータの等化後の波形を示す。
【0033】
前記等化手段101でほぼPR(1,3,3,1)等化された信号は、A/D変換手段102によって、適切な位置でサンプリングされデジタル変換される。
デジタル変換された信号は、減算器103でDCオフセットを補正した後、後置等化手段111に入力される。後置等化手段111の目的は、これもPR(1,3,3,1)等化である。前述したように前置等化手段101の特性は予め設定されている。よって、記録装置の違いによる記録特性の差異、記録媒体のむら、前置等化手段101の温度特性などさまざまな要因で、前置等化手段101の出力信号の等化がずれることはありうる。そこで、後置等化手段111を挿入しLMSアルゴリズム(Least Mean Squareアルゴリズム、最小平均二乗法)などによって適応的に等化を行っている。ここで、LMSアルゴリズムによる適応等化について簡単に述べる。
【0034】
LMSアルゴリズムによる更新式は式(1)のようになる。
h(n+1)=h(n)+(1/2)*μe(n)u(n) (1)
ここで、h(n)はn回目の更新後のフィルタ係数ベクトル、h(n+1)は(n+1)回目の更新後のフィルタ係数ベクトル、μはステップサイズパラメター(μは、出来るだけ早く収束し、且つ発振しない最適値に設定する。)、e(n)はn回目の更新後の誤差信号、u(n)はn回目の更新後のタップ入力ベクトルである。
誤差信号は、式(2)のようになる。
e(n)=d(n)−uT(n)h(n) (2)
ここで、d(n)は望みの応答、uT(n)はタップ入力ベクトルの転置である。
【0035】
LMSアルゴリズムを動作させると誤差信号e(n)が最小つまり等化の誤差を最小にするように係数ベクトルh(n)が最適値h0に近づいていく。後置等化手段111はFIRフィルタ(Finite Inpulse Response)で構成されている。FIRフィルタのフィルタ係数は上記の適応アルゴリズムによって、最適値h0に収束していき、信号の等化は調整される。実施例ではLMSアルゴリズムを採用したが、他の適応アルゴリズムを用いても良い。
【0036】
最尤復号器112は、前置等化手段101と、後置等化手段111とによって等化された信号を入力とし、最尤復号する。最尤復号は復号器入力信号系列の間に相関性がある時に特性改善が得られ、最も確からしいデータを復号するものである。この例ではPR(1,3,3,1)等化によって入力信号系列に間に相関性がもたらされているので、最尤復号器112で2値データに復号することにより、特性改善が得られる。
【0037】
記録符号にd=2制約(最小遷移間隔が2Tより大きい(最小で3T)であるという制約)があるPR(1,3,3,1)ML方式の例を用いて、PRMLについて簡単に述べる。図4は、記録符号にd=2制約があり、PR(1,3,3,1)等化された信号の状態遷移図である。この信号は、必ずこの図の状態遷移をする。
【0038】
例えば、現在状態S0(−4)にあるとして、次の復号器への入力信号のレベルが−4,−3,0,3,4の5値のうち−4のレベルだと”0”、−3のレベルだと”1”が復号される。状態S0の時、次の復号器への入力信号のレベルが−3、−4以外のレベルになることはありえない。最尤復号器により行われる処理において、演算される値にはパスメトリックと呼ばれる、ある時それぞれの状態である確率がどの程度かをあらわすものと、ブランチメトリックと呼ばれる、それぞれの状態から次の状態に遷移する時どの程度の確率で遷移するのかをあらわすものがあり、ある時のそれぞれの状態に到るまでのブランチメトリックの合計がパスメトリックである。図4で説明すると、ある時にS0、S1、S2、S3、S4、S5のそれぞれの状態にある確率を表すのがパスメトリック、それぞれの状態から出ている矢印をどの程度の確率で通るのかを表すのがブランチメトリックである。これらの演算によって、最も確からしいデータを復号していく。
【0039】
A/D変換手段102による適切な位相でのサンプリングはPLLを用いることによって実現している。まず、位相誤差検出手段107によって、減算器103の出力から位相誤差を検出する。次に、位相誤差をループフィルタ108に通してリードクロックのコントロール信号を生成する。D/A変換手段109でアナログ変換されたコントロール信号は、電圧制御発振器110に入力され、リードクロックを調整する。このようにしてA/D変換手段102は、適切なポイント(位相)でサンプリングを行っている。PLLの構成は実施例の構成に限られるものではなく、他の構成であっても良い。
以上の様にして、リードチャネルでは記録媒体から読み出された信号から2値データを得ている。
【0040】
記録媒体から読み込まれたデータは、前記後置等化手段111の説明でも述べたように様々な要因で悪化する。その1つにDCオフセットずれがある。積分系の場合には信号振幅の変動によってDCオフセット量も変動する。例えばCD ROMに指紋がついた場合(フィンガープリント)にはDCオフセット量は激しく変動する。
これらの変動に追従するために本実施例のデータ再生装置においては、傾き検出手段1041が信号の傾きを検出し、ゼロ時刻検出手段10431が傾きをもとに本来ゼロレベル又はゼロレベルに近いポイントを検出し、ゼロ振幅検出手段1043が検出されたポイントに対応する信号の振幅情報(ゼロ振幅)を検出する。フィルタ1047がゼロ振幅をフィルタリングし、DCオフセットを制御するための信号を出力する。
【0041】
以下、本実施例のDCオフセットの補正について詳しく述べる。
本実施例のDCオフセット成分の補正はフィードバック制御によってなされている。A/D変換機102によってデジタル変換された信号は減算器103によってDCオフセット成分を減算し補正する。DCオフセット抽出手段104は、減算器103の出力をもとに、減算器103により減算するDCオフセット制御信号を導出する。補間フィルタ10411は、減算器103の出力信号を入力し、位相のスライドした信号を生成する。本実施例の補間フィルタ10411の構成は(1+D)である。(1+D)は線形補間であり、π/2位相のスライドした信号を得ることができる(1リードクロックの位相のスライド、つまり、遅延1つ分の位相をπとしている)。本来は連続した2つのサンプルでの線形補間は(1+D)/2とすべきであるが、傾きの指標がわかればよいので信号の大きさにはこだわらないで良い。補間フィルタ10411によって位相をスライドさせる理由は、次に述べる微分フィルタ10412で傾きを求めるときに位相が更にπ/2スライドするので、事前に補正を行うためである。補間フィルタ10411によって位相がスライドした信号は微分フィルタ10412に入力される。微分フィルタ10412は(1−D)の構成を有する。一般的に信号w(t)の時間軸上の傾きはdw(t)/dtとなるが、この場合dtをサンプリング周期、dw(t)を(1−D)とすることで(1−D)が微分により傾きを求める処理となる。このようにして、信号の傾きを検出できる。求められた信号の傾き(位相がπスライドしている。)は、1T前の減算器103の出力データと位相が一致する。
【0042】
次に傾きと本来のゼロレベルとの関係について述べる。例えばCD ROMではd=2制約の記録符号が用いられている。この時PR(1,3,3,1)又はそれに近い積分系の信号は本来のゼロレベルの傾きが最も大きくなる。つまり傾きの大きさがある一定値以上を持っている区間での傾きのピークを検出すればそこが本来のゼロレベルである。図5(a)は、PR(1,3,3,1)に等化された信号を示している。図5(a)の信号の傾きを求めた信号(微分フィルタ10412の出力信号)を図5(b)に示す(但し、理解の容易のため、微分処理等による遅延がないように、時間軸をずらして表示している。)。図5(b)の信号の絶対値をとり、第1の閾値と比較する。図5(c)は、図5(b)の信号の絶対値と第1の閾値とを示す図、その絶対値が第1の閾値より大きい範囲を抜き取って得られた検出窓を示す図、及び各検出窓における傾きのピーク値のポイントを示す図を示す。タイミングを合わせると(処理による遅延がなかったものとすると)、各検出窓が開いているときのピークのポイントが、図5(a)の信号におけるゼロレベルとなる。
【0043】
図2のゼロ時刻検出手段10431は、傾き検出手段1041によって検出された傾きの大きさ(絶対値の大きさ)が第1の閾値(第1の閾値発生手段1042が発生する。)を超えている間を検出窓とし、検出窓が開いている間の傾きのピークを検出する。これにより、本来のゼロレベルのポイントにフラグを立てることができる。ゼロ時刻検出手段10431で検出されたゼロレベルのポイントに対応する減算器103の出力データが本来ゼロレベルであるべき点であるといえる。ゼロ振幅検出手段1043は、ゼロ時刻検出手段10431がゼロレベルのポイントを示すフラグを立てた時、減算器103がデータを出力してからゼロ時刻検出手段10431がゼロレベルのポイントを検出を行うまでの間に発生する遅延時間を考慮して、ゼロレベルのポイントに対応する減算器103の出力データ(ゼロ振幅)を検出する。
【0044】
DCオフセットの制御信号を生成するためにはゼロ振幅検出手段1043で得られるゼロ振幅の情報だけでも良いのであるが、より制御の安定性を増すために本実施例では従来の方式であるゼロレベルをクロスする時の振幅(クロス振幅)を求める。クロス振幅を求めるクロス振幅検出手段1044は、補間フィルタ10411を利用することで僅かな回路増加で構成することができる。クロス時刻検出手段10441は、補間フィルタ10411の出力信号の符号(+又は−)を観測し、符号が変化するポイントにフラグを立てて、減算器103の出力データがゼロレベルとクロスするポイントを検出する。この検出方法も積分系であるという制約を利用したものである。例えば減算器103の出力データが図6(a)のような信号の場合、位相がπ/2スライドした信号(図6(b)に示す。)の符号変化を観測することで、減算器103の出力がゼロレベルとクロスするポイントを得ることが可能である。このようにして得られたクロスポイントの情報を用いてクロス振幅を求めることができる。
【0045】
以上のようにして、DCオフセットの制御信号を生成するための情報であるゼロ振幅とクロス振幅とが得られる。この両情報は重み付け手段1045でそれぞれ重み付けされ加算器1046で加算される。このように異なる複数の検出方法で検出された情報を加算することでより信頼性の高い情報を生成することができる。積分の特性を持つフィルタ1047は、加算器1046の出力データを入力して、DCオフセット制御信号(DCオフセット成分)を導出する。
図7(a)は、フィルタ1047の構成を示すブロック図である。図7(a)において、フィルタ1047は、加算器701、1クロック(D)の遅延器702、増幅器703を有する。遅延器702は、現在のDCオフセット値を記憶する。加算器701は、加算器1046の出力データに、所定のゲインを掛けた現在のDCオフセット値に加算し、更新されたDCオフセット値を出力する。遅延器702は、更新されたDCオフセット値を入力し、1クロック(D)遅延して出力する。増幅器703は、遅延器702の出力データを増幅して(例えばゲイン1)出力する。加算器701において、現在のDCオフセット値に掛けるゲインが高いとDCオフセット抽出手段104の周波数応答特性は低く(積分の特性が強い)、ゲインが低いとDCオフセット抽出手段104の周波数応答特性は高い(積分の特性が弱い)。図7(b)は、加算器701において現在のDCオフセット値に掛けるゲインと、DCオフセット抽出手段104の周波数応答特性との関係を示すグラフである。
【0046】
以上のようにして生成されたDCオフセット制御信号(DCオフセット成分)は減算器103に入力され、A/D変換情報のDCオフセットを補正する。本実施例の構成ではPLLがロックしていない場合やDCオフセットのずれが大きい場合であっても妥当な補正量を得ることができる。
【0047】
次に、信号振幅が小さくなり、ゼロ時刻検出手段10431でのゼロレベルのポイントの検出が困難になる場合について説明する。
データ再生装置のリードチャネルは、一般に信号振幅制御ループを有する。これにより、読み込まれたデータの振幅はある程度安定している。しかしながら、信号振幅制御ループで完全に振幅の変動を抑えることは難しく、振幅の変動は存在する。この振幅の変動によって前述した傾きの大きさによる検出方法(ゼロ振幅検出手段1043)は影響を受ける場合がある。つまり、信号振幅が小さくなった場合、傾きの大きさもそれに比例して小さくなる。このため、第1の閾値発生手段1042が発生する第1の閾値が傾きの大きさに比べて大きすぎると、検出窓が開かず、ゼロ振幅検出手段1043がゼロ振幅を検出できない恐れがある。そこで、第1の閾値発生手段1042が発生する傾きの大きさを閾する第1の閾値を制御することによって、減算器103の出力データの振幅が小さい場合にはゼロ時刻検出手段10431の検出窓を広げ、信号振幅が小さい場合であっても検出可能にしている。実施例では、次の方法により、第1の閾値発生手段1042が発生する第1の閾値を制御している。
【0048】
振幅検出手段106が信号(減算器103の出力データ)の振幅を検出する。
信号振幅の検出方法には様々なものが存在する。実施例ではピークホールドを採用している。この方法は一定区間の最大値を検出し、その値を次に検出されるまで保持する方法である。光ディスク媒体など信号の非対称性が存在する場合には、信号の上ピーク値と下ピーク値とをそれぞれ別個独立に検出し、ホールドする方法もある。このようにして検出された信号の振幅の大きさに基づいて、第1の閾値発生手段1042は、発生する第1の閾値の大きさを決定する。第1の閾値発生手段1042は、例えば検出された振幅の大きさの1/2を第1の閾値とする。
図10(a)は、振幅検出手段106の入力信号を示す。図10(b)は、振幅検出手段106が検出しホールドした所定の区間毎のピーク値を示す。図10(c)は、傾きの大きさと、第1の閾値(検出された振幅の大きさの1/2のレベル)とを示す。このようにすることによって、信号の振幅変動に適応した検出窓を確保でき、信頼性の高いDCオフセット制御が可能となる。
【0049】
次に、本実施例のDCオフセット制御の安定性を検出するDCオフセット安定検出手段105を説明する。DCオフセット安定検出手段105がDCオフセット制御の動作安定性を検出することによって、重み付け手段1045の重みの比率や大きさの設定、前述の信号振幅制御ループのフィードバックゲインの設定など、様々な制御を行っている。DCオフセット安定検出手段105が出力する動作安定性の情報が、信号の悪化状況を知らせるフラグとして使用可能なためである。実施例のDCオフセット安定検出手段105は、以下のようにして安定性の検出を行っている。DCオフセット安定検出手段105は、ゼロ時刻検出手段10431とクロス時刻検出手段10441とがそれぞれ検出したゼロレベルのポイントの一致数をカウントする第2のカウンタ1051と、ゼロ時刻検出手段10431の検出数をカウントする第3のカウンタ1053と、第3の閾値発生手段1052とを有する。
【0050】
ゼロ時刻検出手段10431とクロス時刻検出手段10441とが同一のポイントをゼロレベルであるとして検出した場合に、第2のカウンタ1051はひとつインクリメントする。ゼロ時刻検出手段10431がゼロレベルのポイントを検出すると、第3のカウンタ1053はひとつインクリメントする。第3の閾値発生装置1052が発生し、第2のカウンタ1051のカウント値を閾する第3の閾値を例えば90に設定する。第3のカウンタ1053のカウント値が例えば100になったとき(第3のカウンタ1053のカウント値100を単位として安定検出を行う。)、第2のカウンタ1051のカウント値が第3の閾値以上であった場合(ゼロ時刻検出手段10431とクロス時刻検出手段10441の両検出ポイントの一致は90%以上であった場合)、DCオフセット安定検出手段105は、DCオフセット制御が安定であるという情報を出力し、第2のカウンタ1051のカウント値が第3の閾値未満であった場合、DCオフセット制御が安定でないという情報を出力する。
【0051】
第3の閾値は、データ再生装置の特性に応じて任意の値に設定する。例えば第3の閾値を50に設定する。第3のカウンタ1053のカウント値が例えば100になったとき、第2のカウンタ1051のカウント値が第3の閾値以上であった場合、DCオフセット安定検出手段105は、DCオフセット制御が安定であるという情報を出力し、第2のカウンタ1051のカウント値が第3の閾値未満であった場合(ゼロ時刻検出手段10431とクロス時刻検出手段10441の両検出ポイントの一致が50%未満であった場合)、DCオフセット制御が安定でないという情報を出力する。
【0052】
通常、信号が安定し、PLLがロックしていれば両者の検出ポイントはほとんど一致する。つまり、一致が少ない場合、信号又は制御が安定していない。DCオフセット安定検出手段105が出力する安定又は安定でないという情報が変化した時、その状態に合わせて(例えばDCオフセット制御が安定していなければ、安定したDCオフセット制御が行えるように)、重み付け手段1045の重みの比率や大きさの設定、信号振幅制御ループのフィードバックゲインの設定などの種種の制御パラメータの変更を行う。
【0053】
次に、重み付け手段1045の重み付けの変化について説明する。ゼロ振幅と、クロス振幅の両者に付ける重みは、信号の状態によって変化させるのが望ましい。本実施例の重み付け手段1045は、前記DCオフセット安定判別手段105と、PLLのロック検出手段113の両検出手段の出力に応じて、重み付けの制御を行う。PLLがロックしていない場合には、ゼロクロスの振幅を検出するクロス振幅検出手段1044で検出されたクロス振幅は、誤った点を検出する可能性が強い。そこで重み付け手段1045は、クロス振幅の比率を軽くし、ゼロ振幅の比率を重するように制御を行う。また、PLLのロック以外の要因で制御の安定性を欠く事も考えられるので、DCオフセット安定判別手段がDCオフセット制御が安定であるという情報を出力するように、重み付け手段1045は重み付けの比率の制御を行う。例えば重み付け手段1045は、いくつかのテーブルを有し、その中から最も適した比率を選ぶ。このように、ゼロ振幅とクロス振幅の比率を制御することによって、信号の状態にあった制御を行うことができる。
【0054】
本実施例では、DCオフセット成分の補正をフィードバック制御によって行う。これに代えて、フィードフォワード制御でも良い。この場合、フィルタ1047の構成は積分の特性ではなくローパスの特性を持つものに置き換わる。また、重み付け手段1045の重みもその制御の変化に伴ったものに変更される。
【0055】
《実施例2》
図8、図9、図11を用いて、本発明の実施例2のデータ再生装置を説明する。図8は本発明の実施例2のデータ再生装置(DCオフセット制御関連部分のみ)のブロック図である。図9は本発明の実施例2のDCオフセット抽出手段804のブロック図である。実施例2において、実施例1と同じブロックについては同じ符号を用い、説明を省略する。
図8において、804は減算器103の出力からDCオフセット制御信号を抽出するDCオフセット抽出手段である。807は減算器103の出力から位相誤差を検出する位相誤差検出手段である。
【0056】
図9において、実施例2のDCオフセット抽出手段804は、減算器103の出力の傾きを検出する傾き検出手段8041、ゼロ振幅検出手段8043、ゼロ振幅検出手段8043の出力に重みをつける重み付け手段8045、フィルタ1047、ゼロ時刻検出手段80431によってゼロレベルのポイントが検出されてから次に検出されるまでの期間をカウントする第1のカウンタ8048、第1の閾値発生手段8042、第1のカウンタ8048でカウントされた値を閾する第2の閾値を発生する第2の閾値発生手段8049を有する。
傾き検出手段8041は、減算器103の出力の傾きを求める微分フィルタ80411、微分フィルタ80411で求めた傾きから位相のスライドした傾きを求める補間フィルタ80412を有する。
ゼロ振幅検出手段8043は、求めた傾きから本来のゼロレベルであるポイントを検出するゼロ時刻検出手段80431を有する。ゼロ振幅検出手段8043は、ゼロ時刻検出手段80431で検出したゼロレベルのポイントに対応する減算器103の出力データ(ゼロ振幅)を検出する。
【0057】
記録媒体例えばCD ROMから読み出された信号は、アンプ等(図示しない)を通して、前置等化手段101に入力される。前置等化手段101で例えばPR(1,3,3,1)等化された信号は、A/D変換手段102でデジタル変換され減算器103に入力される。減算器103でDCオフセットを補正した信号は後置等化手段111でさらに等化を調整し、最尤復号器112によって、最尤復号され2値データとなる。
【0058】
以下、本実施例のDCオフセットの補正について詳しく述べる。
本実施例のDCオフセットの補正はフィードバック制御によってなされている。減算器103は、A/D変換機102によってデジタル変換された信号からDCオフセット成分を減算する。この時、減算器103により減算するDCオフセット制御信号(DCオフセット成分)は減算器103の出力データをもとに補正される。微分フィルタ80411は、減算器103の出力信号を入力し、信号の傾きを導出する。本実施例の微分フィルタ80411は(1−D)の構成を有する。実施例1で説明したように、この構成によって傾きが求められる。微分フィルタ80411が求めた傾きは、信号処理によって元の信号からπ/2だけ位相がずれている。補間フィルタ80412は、この位相のスライドした傾きを入力し、この入力信号の位相を更にπ/2ずらして補正し、出力する。このように補正された傾きは、1T前の減算器103の出力データと位相が一致する。以上のようにして、信号の傾きを検出している。
このようにして求められた傾きは、ゼロ時刻検出手段80431へ入力される。ゼロ時刻検出手段80431は実施例1と同様に、第1の閾値発生手段8042が発生する第1の閾値を超えている区間で最も傾きの大きさが大きいポイントを、ゼロレベルのポイントとして検出する。
【0059】
ここで、実施例2の第1の閾値発生手段8042が発生する第1の閾値について述べる。実施例1でも述べたように、信号の振幅が小さくなっていくと、それにしたがって第1の閾値発生手段8042は第1の閾値を小さく調整し、適切な検出窓を確保する必要がある。実施例2の第1のカウンタ8048は、ゼロ時刻検出手段80431がゼロレベルのポイントを検出してから次にゼロレベルのポイントを検出するまでの期間をカウントする。第1のカウンタ8048のカウント値が第2の閾値発生手段8049が発生する第2の閾値を超えたとき、第1の閾値発生手段8042は発生する第1の閾値を小さくし、ゼロ時刻検出手段80431がゼロレベルのポイントを検出するための検出窓を確保している。信号振幅が小さくなると、それにつれて傾きも小さくなるので、ゼロ時刻検出手段80431は、検出窓が確保できず、ゼロレベルのポイントを検出できなくなってくる。そこで、一定時間(第2の閾値)を超えてゼロレベルのポイントが検出できなかった時、第1の閾値発生手段8042は、発生する第1の閾値を小さくする。これにより、ゼロ時刻検出手段80431は検出窓を確保できる。
【0060】
例えば、CD ROMには3Tから11Tまでのデータが存在する故に、読み出し時にPLLロックしていれば本来のゼロレベルであるポイントは11サンプルに1つは必ず存在することになる。ゼロ時刻検出手段80431は、PLLがロックしていない場合や検出誤りを考慮しても、第1の閾値が適切な値であれば、例えば30サンプルに1つはゼロレベルのポイントを検出できると期待できる。例えば第2の閾値を30Tに設定する。30サンプルの間1つもゼロレベルのポイントを検出できないときは、信号振幅が小さくなっており現在の第1の閾値は大きすぎて検出窓が開かないと考えられる。図9の第1のカウンタ8048はゼロレベルのポイントが検出されてから次に検出されるまでのサンプルポイント数をカウントする。第1のカウンタ8048のカウント値が第2の閾値発生手段8049が発生する第2の閾値の大きさ(この例では30)を超えたときに、第1の閾値発生手段8042は第1の閾値の大きさを小さくする。これにより、ゼロ時刻検出手段80431は信号振幅に対応して第1の閾値を調整し、正確にゼロレベルのポイントを検出できる。
【0061】
ゼロ振幅検出手段8043は、ゼロ時刻検出手段80431によって検出されたゼロレベルのポイントに対応する減算器013の出力データを検出し、ゼロ振幅として出力する。重み付け手段8045は、検出されたゼロ振幅に重み付けをする。積分の特性を持つフィルタ1047は、重み付けされたゼロ振幅を入力し、フィルタリングし、DCオフセット制御信号として出力する。
【0062】
次に、実施例2のPLLの位相誤差検出手段807を説明する。実施例2の位相誤差検出手段807はゼロ振幅検出手段8043の出力情報(ゼロ振幅)と傾き検出手段8041の出力情報を利用して、PLLの位相誤差を検出する。
図11を用いて、振幅情報と位相誤差情報の関係を説明する。図11(a)は、傾き検出手段8041の入力信号と、DCオフセット値とを示す図、図11(b)は、図11(a)の信号の傾きを示す図である。図11において、1101は本来振幅がゼロであるべき時刻における振幅であり、1102はその時刻における位相誤差である。
信号のゼロクロス付近の傾きが一定であると仮定した場合、ゼロクロス付近の振幅情報(ゼロ振幅)と、信号が立ち上がりか又は立ち下がりかの情報とに基づいて、位相誤差を求めることができることが図11から読み取れる。例えば、ゼロ振幅を+w(t)、信号のゼロクロス付近の傾きをK、このポイントがゼロクロスの立ち上がり部分に存在するとした場合、PLLの位相誤差ΔΦは+w(t)/Kに比例した値であるといえる。位相誤差検出手段807は、振幅情報(ゼロ振幅)を位相誤差情報として使用する。位相誤差検出手段807は、±a・w(t)/Kを演算し(aは比例定数)、演算結果を位相誤差として出力する。
【0063】
この検出方法によれば、検出される位相誤差は信号の傾きにも依存する。しかし、たとえゼロレベル近傍における信号の傾きが一定でなく、実際の信号のように変化していたとしても、方向性(位相誤差の極性)は妥当であることが理解できるであろう。クロス振幅(クロス振幅検出手段の出力)に基づいて位相誤差を検出する方法は従来知られていた。しかしこの従来の方法によれば、DCオフセット成分が残留している場合には、本来のゼロレベルであるポイントを見つけることができない恐れがあった。実施例2においては、ゼロ振幅(ゼロ振幅検出手段8043の出力)に基づいて位相誤差を検出する。ゼロ振幅検出手段8043は、DCオフセット成分が大きく変動した場合にも、クロス振幅検出手段よりも早く応答して、正確なDCオフセット成分を検出する。
【0064】
図11(a)及び(b)に示すように、位相誤差ΔΦは、本来ゼロレベルであるポイントの振幅成分w(t)と、そのポイントが存在するのが立ち上がりか又は立ち下がりかの情報と、に基づいて求めることができる。つまり、実施例2においては、ゼロ振幅と、傾きの符号を見れば良い。傾きがプラスであれば立ち上がり、傾きがマイナスであれば立ち下がり位置となる。例えば信号にDCオフセットが残っている場合もある故に、1点だけの位相誤差を検出したのでは、検出精度に欠ける恐れがある。そこで、1つ前に検出された位相誤差と、現在検出した位相誤差とを加算し、位相誤差の高域成分をカットすることで、より精度の良い位相誤差検出が可能となる。以上のように位相誤差を検出することにより、DCオフセット成分が残っていたとしても正しい(大きな誤りのない)位相誤差を検出することができる。
ループフィルタ108は、このようにして位相誤差検出手段807が求めた位相誤差を入力し、リードクロックの制御信号を生成する。
【0065】
なお、本実施例では、DCオフセット成分の補正をフィードバック制御によって成したが、フィードフォワード制御でも良く、この場合、フィルタ1047の構成は積分の特性ではなくローパスの特性を持つものに置き換わる。また、重み付け手段8045の重みもその制御の変化に伴ったものに変更される。また、PLL回路も本実施例に限定されるものではなく、例えばクロックを制御せずに補間を用いる構成でもよい。
【0066】
実施例においては、DCオフセット抽出手段は、減算器103の出力データを入力した。これに代えて、DCオフセット抽出手段は、A/D変換情報を入力し、A/D変換情報の時間軸の傾きを検出しても良い。
【0067】
実施例のDCオフセット安定検出手段は、第3のカウンタ1053のカウント値が100になる毎に、第2のカウンタのカウント値が第3の閾値以上であった場合(ゼロ時刻検出手段10431とクロス時刻検出手段10441の両検出ポイントの一致が所定の比率以上であった場合)、DCオフセット制御が安定であるという情報を出力し、第2のカウンタ1051のカウント値が第3の閾値未満であった場合、DCオフセット制御が安定でないという情報を出力した。
これに代えてDCオフセット安定検出手段は、所定の期間における第2のカウンタのカウント数が所定のカウント数未満である時、DCオフセット制御が安定でないという情報を出力し、所定のカウント数以上である時、DCオフセット制御が安定であるという情報を出力しても良い。
【0068】
DCオフセット安定検出手段は、第2のカウンタのカウント数が所定のカウント数に達するまでの時間が所定の時間以上である時、DCオフセット制御が安定でないという情報を出力し、所定の時間未満である時、DCオフセット制御が安定であるという情報を出力しても良い。
DCオフセット安定検出手段は、ゼロ時刻検出手段により検出されるポイントの数、クロス時刻検出手段により検出されるポイントの数、若しくはゼロ時刻検出手段により検出されるポイントの数とクロス時刻検出手段により検出されるポイントの数との合計ポイント数(以下、「前記ゼロ時刻検出手段により検出されるポイントの数等」と呼ぶ。)が所定の数に達した時の第2のカウンタのカウント数が所定のカウント数未満である時、DCオフセット制御が安定でないという情報を出力し、所定のカウント数以上である時、DCオフセット制御が安定であるという情報を出力しても良い。
【0069】
DCオフセット安定検出手段は、第2のカウンタのカウント数の、クロス時刻検出手段により検出されるポイントの数、若しくはゼロ時刻検出手段により検出されるポイントの数とクロス時刻検出手段により検出されるポイントの数との合計ポイント数に対する割合が所定の値未満である時、DCオフセット制御が安定でないという情報を出力し、所定の値以上である時、DCオフセット制御が安定であるという情報を出力しても良い。
【0070】
実施例において、記録媒体に記録された符号化データは1Tデータを含まず、前置等化手段は、記録媒体から読み出された信号をPR(1,3,3,1)特性に等化した。これに代えて、記録媒体に記録された符号化データは1Tデータを含まず、前置等化手段は、記録媒体から読み出された信号をPR(1,1)特性、PR(a,b,b,a)特性、又は前記PR(a,b,b,a)の(a,b,b,a)に(1,1)をn回(nは自然数)畳み込んだ特性に等化する手段であっても良い。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、レベル変動への追従性が必要となるシーク時、再生信号の精度が必要であるオントラック状態での連続データの再生時、のいずれにおいても正確なDCオフセット誤差を検出し、オントラック状態で大きなDCオフセット成分の変動があった時にも高い応答性で追随して正確なDCオフセット誤差を検出し、正確なDCオフセット成分の値を出力するデータ再生装置を実現できるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のデータ再生装置のブロック図
【図2】本発明の実施例1のDCオフセット抽出手段のブロック図
【図3】本発明の実施例1のパーシャルレスポンス方式を説明するための図
【図4】本発明の実施例1のパーシャルレスポンス方式の状態遷移を説明するための図
【図5】本発明の実施例1のデータ再生装置における傾きによるゼロ振幅の検出を説明するための図
【図6】本発明の実施例1のデータ再生装置におけるクロス振幅の検出を説明するための図
【図7】図7(a)は本発明の実施例1のデータ再生装置のDCオフセット抽出手段中のフィルタの構成を示す図、図7(b)はその周波数特性を概略的に示す図
【図8】本発明の実施例2のデータ再生装置のブロック図
【図9】本発明の実施例2のDCオフセット抽出手段のブロック図
【図10】本発明の実施例のデータ再生装置における振幅検出手段と第1の閾値発生手段との動作を説明するための図
【図11】本発明の実施例2のデータ再生装置における位相誤差の検出方法を説明するための図
【符号の説明】
101 前置等化手段
102 A/D変換手段
103 減算器
104 DCオフセット抽出手段
105 DCオフセット安定検出手段
106 振幅検出手段
107 位相誤差検出手段
108 ループフィルタ
109 D/A変換手段
110 電圧制御発振器
111 後置等化手段
112 最尤復号器
113 ロック検出手段
1041 傾き検出手段
1042 第1の閾値発生手段
1043 ゼロ振幅検出手段
1044 クロス振幅検出手段
1045 重み付け手段
1046 加算器
1047 フィルタ
1051 第2のカウンタ
1052 第3の閾値発生手段
1053 第3のカウンタ
10411 補間フィルタ
10412 微分フィルタ
10431 ゼロ時刻検出手段
10441 クロス時刻検出手段
804 DCオフセット抽出手段
807 位相誤差検出手段
8041 傾き検出手段
8042 第1の閾値発生手段
8043 ゼロ振幅検出手段
8048 第1のカウンタ
8049 第2の閾値発生手段
80411 微分フィルタ
80412 補間フィルタ
80431 ゼロ時刻検出手段

Claims (13)

  1. 記録媒体から読み出された信号に積分系の等化を適用する前置等化手段と、前記前置等化手段によって等化された信号を標本化するアナログ/デジタル変換手段(以下、「アナログ/デジタル変換」を「A/D変換」と略す。)と、前記A/D変換手段の出力であるA/D変換情報の直流オフセット成分(以下、「直流」を「DC」と呼ぶ。)を抽出するDCオフセット抽出手段と、前記A/D変換情報から前記DCオフセット成分を減算する減算器を備え、
    前記DCオフセット抽出手段は、前記A/D変換情報又は前記減算器の出力データの時間軸の第1の傾きを検出する傾き検出手段と、前記第1の傾きの大きさをもとに、本来はDCレベルであるポイント(以下、「本来のDCレベル」を「ゼロレベル」と呼ぶ。)又はゼロレベルに近いポイントを検出し、そのポイントにおける前記A/D変換情報又は前記減算器の出力データであるゼロ振幅を検出するゼロ振幅検出手段と、少なくとも前記ゼロ振幅から前記A/D変換情報の前記DCオフセット成分を導出するDC成分抽出用フィルタと、を備えることを特徴とするデータ再生装置。
  2. 前記傾き検出手段は、前記A/D変換情報又は前記減算器の出力を補間することによって、位相がスライドした補間情報を生成する補間フィルタと、前記補間情報を微分することによって前記第1の傾きを導出する微分フィルタと、を備え、
    前記補間フィルタによってスライドさせる位相は、前記微分フィルタの微分処理によりスライドする位相を補正していることを特徴とした請求項1に記載のデータ再生装置。
  3. 前記傾き検出手段は、前記A/D変換情報又は前記減算器の出力を微分することによって時間軸の第2の傾きを導出する微分フィルタと、前記第2の傾きを補間することによって、位相のスライドした傾きを導出する補間フィルタとを備え、前記位相のスライドした傾きを前記第1の傾きとして出力し、
    前記補間フィルタによってスライドさせる位相は、前記微分フィルタの微分処理によりスライドする位相を補正していることを特徴とした請求項1記載のデータ再生装置。
  4. 前記補間フィルタは(1+D)処理(Dは1チャネルレート期間の遅延データ)を行い、前記微分フィルタは(1−D)処理を行うことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のデータ再生装置。
  5. 前記DCオフセット抽出手段は、第1の閾値を出力する第1の閾値発生手段を備え、
    前記ゼロ振幅検出手段は、前記第1の傾きの大きさが前記第1の閾値より大きくなった時から、次に前記第1の閾値を横切って小さくなるまでの間に前記第1の傾きの大きさが最も大きいポイントを検出するゼロ時刻検出手段を備え、前記ゼロ時刻検出手段により検出されたポイントに対応する前記A/D変換情報又は前記減算器出力の振幅成分をゼロ振幅として検出することを特徴とする請求項1に記載のデータ再生装置。
  6. 前記DCオフセット抽出手段は、
    前記減算器の出力を補間して生成された前記補間情報又は前記減算器の出力の符号変化を検出することによって、ゼロレベルのポイント又はゼロレベルに近いポイントを検出するクロス時刻検出手段と、
    前記クロス時刻検出手段が検出したポイントに対応する前記A/D変換情報又は前記減算器の出力データ(以下、「クロス振幅」と呼ぶ。)を検出するクロス振幅検出手段と、
    前記クロス振幅及び前記ゼロ振幅の各々に重み付けを行う重み付け手段と、
    重み付けされた前記クロス振幅と前記ゼロ振幅とを加算する加算器と、
    を備え、
    前記加算器の出力データを前記DC成分抽出用フィルタに入力しDCオフセット成分を得ることを特徴とする請求項2に記載のデータ再生装置。
  7. 前記A/D変換手段がA/D変換する適切な位相を検出する位相同期手段を備え、
    前記位相同期手段は、前記ゼロ時刻検出手段により検出された前記ゼロ振幅を位相誤差導出に使用する位相誤差検出手段を備えることを特徴とする請求項5に記載のデータ再生装置
  8. 前記A/D変換情報又は前記減算器の出力データの振幅の大きさを検出する振幅検出手段を備え、前記第1の閾値発生手段は、前記振幅検出手段により検出された振幅の大きさに対応して前記第1の閾値を制御することを特徴とする請求項5に記載のデータ再生装置。
  9. 前記DCオフセット抽出手段は、前記ゼロ振幅が検出されてから次に検出されるまでの期間をカウントする第1のカウンタと、第2の閾値を発生する第2の閾値発生手段とを備え、
    前記第1のカウンタのカウント数が前記第2の閾値を超えたとき、前記第1の閾値発生手段は、前記第1の閾値を小さくすることを特徴とする請求項5に記載のデータ再生装置。
  10. 前記DCオフセット抽出手段は、
    前記ゼロ時刻検出手段により検出されるポイントと、前記クロス時刻検出手段により検出されるポイントとの一致数をカウントする第2のカウンタと、
    所定の期間における前記第2のカウンタのカウント数が所定のカウント数未満である時、前記第2のカウンタのカウント数が所定のカウント数に達するまでの時間が所定の時間以上である時、前記ゼロ時刻検出手段により検出されるポイントの数、前記クロス時刻検出手段により検出されるポイントの数、若しくは前記ゼロ時刻検出手段により検出されるポイントの数と前記クロス時刻検出手段により検出されるポイントの数との合計ポイント数(以下、「前記ゼロ時刻検出手段により検出されるポイントの数等」と呼ぶ。)が所定の数に達した時の前記第2のカウンタのカウント数が所定のカウント数未満である時、又は前記第2のカウンタのカウント数の前記ゼロ時刻検出手段により検出されるポイントの数等に対する割合が所定の値未満である時、DCオフセット制御が安定でないという情報を出力するDCオフセット安定検出手段と、
    を有し、
    前記DCオフセット安定検出手段が出力する情報が少なくとも一方に変化した時、前記DCオフセット抽出手段が内部のパラメータの値を変更することを特徴とする請求項6に記載のデータ再生装置。
  11. 前記A/D変換手段がA/D変換する適切な位相を検出する位相同期手段と、
    前記位相同期手段が有するフェーズロックドループがロック状態か又はアンロック状態かを検出し、その検出結果であるロック/アンロック検出情報を出力するロック検出手段と、
    を備え、
    前記重み付け手段は、前記ロック/アンロック検出情報が少なくとも一方に変化した時、前記ゼロ振幅と前記クロス振幅の重み付けの比率又はいずれかの重み付けの大きさを変化させることを特徴とする請求項6に記載のデータ再生装置。
  12. 前記重み付け手段は、前記DCオフセット安定検出手段が出力する情報が変化した時、前記ゼロ振幅と前記クロス振幅の重み付けの比率又は大きさを変化させることを特徴とする請求項10に記載のデータ再生装置。
  13. 前記記録媒体に記録された符号化データは1Tデータを含まず、前記前置等化手段は、前記記録媒体から読み出された信号を、PR(1,1)特性(「PR()特性」は、前置等化手段の出力信号がPartial Response方式の関数であるPR()で表現される特性)、PR(a,b,b,a)特性(a、bは任意の自然数)、又は前記PR(a,b,b,a)の(a,b,b,a)に(1,1)をn回(nは自然数)畳み込んだ特性に等化する手段であることを特徴とする請求項1に記載のデータ再生装置。
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