JP2004157880A - 確認行動評価装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両などの移動体の挙動に応じて乗員がなした確認行動を適切に評価できる確認行動評価装置を得る。
【解決手段】確認行動評価装置10は、運転状態計測装置32、確認行動判定装置34、及び判定結果提示装置36に機能的に分類して構成される。本実施の形態の確認行動評価装置10は、運転状態計測装置32により運転状態を計測して、その運転状態の計測値を用いて確認行動判定装置34により乗員の確認行動を判定し、その判定結果を判定結果提示装置36において提示する。
【選択図】 図1
【解決手段】確認行動評価装置10は、運転状態計測装置32、確認行動判定装置34、及び判定結果提示装置36に機能的に分類して構成される。本実施の形態の確認行動評価装置10は、運転状態計測装置32により運転状態を計測して、その運転状態の計測値を用いて確認行動判定装置34により乗員の確認行動を判定し、その判定結果を判定結果提示装置36において提示する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、確認行動評価装置にかかり、特に、移動体の挙動に対応して乗員が確認すべき確認行動を評価する確認行動評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
走行中の車両などの移動体(以下、車両と総称する)の周囲における危険要因は、ドライバ自身の観察力および注意力によって把握されている。ドライバの心理状態、身体状態の不調などにより危険要因の見落とす場合がある。この場合、事故寸前の状態になってドライバがひやりとしたり、最悪の場合は、事故にいたったりする。
【0003】
このため、ドライバの視線方向を検出して、視線配分よりドライバがぼんやりしている状態の判定を行い、警報を発するようにした運転者状態判定装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
また、ドライバの状態を判定するものとして、ドライバの顔または視線の方向を検出して、運転状態検出手段で検出された運転状態に応じた基準値と視線方向を比較し、脇見運転の判定を行い、警報を発するようにした脇見運転判定装置が知られている(例えば、特許文献2を参照)。この脇見運転判定装置は、ドライバは車両前方を注視しなければならないとの前提から、ドライバの脇見状態を監視するものである。従って、安全確認のためにドライバが特定の方向、例えばサイドミラー、バックミラーまたは車両の左後方、右後方を見るという積極的な注意行動を監視するものではない。
【0005】
さらに、快適で安全な運転を支援するために、ドライバが気付いていない情報を確実に報知すると共に、認識しているものについては煩わしさを低減させることを目的としてドライバの注視方向、時間、頻度を用いて、適切な情報を報知する走行情報提供装置が知られている(例えば、特許文献3を参照)。
【0006】
また、カーナビゲーションのルート管理機能を用い、ドライバがとるべき注意行動を監視する車載情報処理装置が知られている(例えば、特許文献4を参照)。この車載情報処理装置では、カーナビゲーションのルート管理機能による目的地への案内中に、車両の外部環境を把握すると共に、その外部環境におけるドライバがとる行動に基づきドライバの視線が向かうべき視線領域を予測する。この予測結果の視線領域と、実際のドライバの視線領域の検出結果とを比較し、適合性を判定し、その結果を報知するこで、ドライバが行うべき注意行動を監視している。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−251273号公報 (第3−5頁、図1)
【特許文献2】
特開平8−207617号公報 (第3−4頁、図1)
【特許文献3】
特開平7−167688号公報 (第3−5頁、図1)
【特許文献4】
特開平2002−83400号公報 (第3−4頁、図2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カーナビゲーションのルート管理機能を用いたドライバの行動予測に基づく視線領域を予測する場合、例えば、カーナビゲーションのルート管理機能による目的地への案内中にその案内ルートに従わない等の逸脱行為が発生したり、ルート管理機能が非稼働でドライバの自由意志により走行されたりしたときには対処不可能である。
【0009】
また、通常のルートを熟知した通勤、通学、買い物時にカーナビゲーションのルート管理機能を用いるドライバは極めてまれである。また、交差点内の障害物等の検知を行うためには、インフラの整備が必須であり、コスト高になる。さらに、運転中視線を誘導する等の行為によって、危険な状況にドライバを追い込む可能性もある。
【0010】
本発明は、上記事実を考慮して、車両などの移動体の挙動に応じて乗員がなした確認行動を適切に評価できる確認行動評価装置を得ることが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明者は、ルート管理の上で確認行動の不足点や誤った点を運転中に指摘して、乗員(運転者やドライバ)の運転を無理に変更することよりも、常に乗員の確認行動を監視し、乗員の癖を把握した上で、運転に支障をきたすことの無い時点で、乗員に不適格な確認行動があった場面や良い確認行動をしていることを教示することが安全面でも有用である、という知見を得た。また、常に確認行動が監視することで、効果的に確認行動の癖をつけることが可能となり事故などの緊急状態へ至ることの低減を図ることができたり、仮にルート管理を行う場合に次の行動に至る以前に、乗員個人の癖から気をつける箇所を事前に提示することができたりする、という知見も得た。これにより、安全性を確保しつつ乗員の確認行動を評価することを可能とする本発明に至った。
【0012】
本発明の確認行動評価装置は、移動体の走行状態及び走行軌跡を検出すると共に、該移動体を操縦する乗員の確認行動を検出する検出手段と、予め記憶された地図データ及び前記走行軌跡から前記移動体が走行する走行路形態を導出しかつ前記走行状態から前記移動体の挙動を導出すると共に、導出した走行路形態及び移動体の挙動を予め定めた複数の基本行動内の一基本行動に分類する分類手段と、分類した基本行動における前記移動体の挙動遷移を求める演算手段と、前記挙動遷移と該挙動遷移において乗員が確認すべき確認行動との対応関係を予め記憶した規範データベースにより前記演算手段により求めた挙動遷移に対応する確認行動を抽出しかつ該抽出した確認行動と、前記検出した確認行動とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に基づいて前記乗員の確認行動を評価する評価手段と、を備えている。
【0013】
本発明の確認行動評価装置では、分類手段によって、地図データ及び検出手段により検出した移動体の走行軌跡から移動体が走行する走行路形態を導出する。また、検出手段により検出した走行状態から移動体の挙動を導出する。これと共に、導出した走行路形態及び移動体の挙動を複数の基本行動内の一基本行動に分類する。これにより、移動体の走行に関係した基本行動が得られる。演算手段は、分類した基本行動における移動体の挙動遷移を求める。この挙動遷移は、基本行動内における移動体の挙動に関する所定の期間ごとの状態及び変動や変動方向である。この挙動遷移に対応する規範データベースによる規範の確認行動と、検出手段により検出した確認行動とを比較手段により比較する。この比較手段の比較結果に基づいて評価手段は乗員の確認行動を評価する。これにより、基本行動のどの状態のときにどのような確認行動をなせばよいかを評価することが可能である。
【0014】
前記検出手段は、前記移動体を操縦する乗員の確認行動として、乗員の視線行動を検出する確認行動検出手段を含むことを特徴とする。
【0015】
乗員の確認行動として、代表的なものは目視確認である。この目視確認は、移動体内の様々な機器や移動体に関係する移動体外の物品に対してなされることが多い。これを把握するためには、視線方向が有効である。従って、確認行動として、乗員の視線行動を検出する確認行動検出手段を含むことで、容易に確認行動を把握することができる。
【0016】
前記評価手段は、前記比較手段の比較結果が予め定めた条件を越えたときに前記確認行動が良好であると判定する判定手段を含むことを特徴とする。
【0017】
乗員が確認行動の評価結果を参照する場合、その確認行動の良否を提示することが直感的である。そこで、評価手段が判定手段を含み、確認行動の評価を、比較結果が予め定めた条件を越えたときに良好であると判定するものとする。これによって、確認行動の良否が提示でき、乗員は直感的に確認行動を把握することができる。
【0018】
前記比較手段の規範データベースは、前記基本行動内における移動体の挙動遷移の過程点と、該挙動遷移の過程点における確認行動との対応関係を前記基本行動毎に備え、該対応関係毎に評価基準の数量データを付加したことを特徴とする。
【0019】
基本行動内では多様な挙動遷移になる。そこで、規範データベースとして、基本行動内における移動体の挙動遷移の過程点と、挙動遷移の過程点における確認行動との対応関係を基本行動毎に備えることで、基本行動内において容易に確認行動を特定することができる。また、対応関係毎に評価基準の数量データを付加することで、数値化したデータにより評価が容易となる。
【0020】
この場合、前記基本行動内における移動体の挙動遷移の過程点は、移動体の操舵角、方向指示、速度、位置、交差点までの距離、交差点の形態、ギアポジションなどの移動体の装備品や走行路形態で分類することによって、基本行動内の多様な挙動遷移を緻密に特定することが可能となる。
【0021】
前記挙動遷移の過程点における確認行動は、乗員の視線行動であり、前記数量データは予め定めた規範視線配分と注視時間に対する危険度合いを表す数量データであることを特徴とする。
【0022】
乗員の確認行動として視線行動を採用することで、乗員の確認行動の把握は容易となる。また、評価基準の数量データとして規範視線配分と注視時間に対する危険度合いを採用することで、確認行動の危険性を数値化した評価に変換することが可能となる。
【0023】
前記挙動遷移に対する前記評価手段の評価結果を履歴として記憶する履歴手段をさらに備えることを特徴とする。
【0024】
乗員は、確認行動を怠ったり少なかったりすることが傾向的に現れる場合がある。そこで、挙動遷移に対する評価手段の評価結果を履歴として記憶することで、その履歴には傾向が現れることになる。この履歴を抽出すれば、乗員の過去の履歴から、乗員が犯しやすい不適格な確認行動を抽出することができ、具体的な確認行動の改善方法などを容易にフィードバックできる。これにより、適正な確認行動を習得しやすく、事故などの緊急状態へ移行することの低減を図ることができる。また、乗員の安全意識の向上、運転スキルの向上が図られ、確認を忘れることが抑制できる。
【0025】
前記基本行動は、右折、左折、右側走行路変更、左側走行路変更、直進、及び右転回の何れか1つの挙動と、該挙動を遂行した走行路について叉路を有する交差点、非交差点、信号の有無、優先側からの進入、非優先側からの進入の何れか1つの走行路形態との組み合わせで定められることを特徴とする。
【0026】
走行路を走行するときの車両の挙動は、移動体を操縦する乗員の行動が反映される。そこで、基本行動は、右折、左折、右側走行路変更、左側走行路変更、直進及び右転回の何れか1つの挙動と、挙動を遂行した走行路について叉路を有する交差点、非交差点、信号の有無、優先側からの進入、非優先側からの進入の何れか1つの走行路形態との組み合わせで定めることで、基本行動のほぼ全てを分類することができる。
【0027】
前記検出手段は、移動体の走行状態を検出する走行状態検出手段と、前記移動体の走行軌跡を検出する走行軌跡検出手段との各々の検出手段を有することができる。また、前記分類手段は、予め記憶された地図データ及び前記走行軌跡に基づいて前記移動体が走行する走行路形態を導出する走行路形態導出手段と、前記走行状態に基づいて前記移動体の挙動を導出する挙動導出手段とを含むことができる。
【0028】
前記検出手段は、操舵角センサ、移動体速度センサ、ヨーレイトセンサ、移動体制動指示量センサ、移動体加速指示量センサ、方向指示センサ、走行路検出センサ、移動体位置センサの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0029】
車両の挙動や確認行動を検出する場合、車両に搭載された機器を用いることが好ましい。そこで、操舵角センサ、移動体速度センサ、ヨーレイトセンサ、移動体制動指示量センサ、移動体加速指示量センサ、方向指示センサ、走行路検出センサ、移動体位置センサの少なくとも1つを用いることによって、容易かつ簡便に緻密な検出が可能となる。
【0030】
前記挙動遷移に対する前記評価手段の評価結果を提示する提示手段をさらに備えることを特徴とする。このように、提示手段を備えることで、評価結果を容易に提示することが可能となる。
【0031】
前記挙動遷移において乗員が確認すべき確認行動に対応する移動体の事例を記憶した事例データベースと、前記挙動遷移に対する前記評価手段の評価結果を前記乗員毎に分類して蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積した評価結果から前記乗員の傾向を求めて乗員の傾向に対応する前記事例を検索する検索手段と、前記検索手段の検索結果を提供する提供手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0032】
従って、蓄積手段には乗員の過去の評価結果を蓄積でき、蓄積された傾向から乗員が陥りやすい緊急状態について事例データベースから抽出することで、不適格な確認行動を抽出できるので、具体的な確認行動の改善方法を乗員にフィードバックでき、適正な確認行動を習得しやすくなり、事故などの緊急状態に陥る危険性の低減を図ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。本実施の形態は、走行時における車両の挙動に対する乗員(ドライバ)の確認行動の良否を判定する確認行動判定装置として機能する部分を含む確認行動評価装置に本発明を適用したものである。
【0034】
図2に示すように、本実施の形態にかかる確認行動評価装置10は、CPU12、ROM14、RAM16、及び入出力インタフェース18をデータやコマンドを授受可能にバスにより接続したコンピュータを含んで構成されると共に、車両に搭載可能に構成されている。入出力インタフェース18には、各種データを記憶したメモリ20が接続されている。
【0035】
また、入出力インタフェース18には、各種センサ22、メディアリードライト装置24、出力装置としてのプリンタ26、入力装置としてのキーボード28、及び表示装置としてのモニタ30が接続されている。なお、プリンタ26は必須の構成ではなく、本実施の形態の確認行動評価装置10の評価結果を印刷する場合に接続する。また、メディアリードライト装置24も必須の構成ではなく、後述する処理ルーチンの読み書きや確認行動評価装置10の評価結果のデータを読み書きしたり、各種データを読み書きしたりするときに接続する。
【0036】
各種センサ22には、運転状態計測装置として、車両の挙動を検出するための挙動検出センサ及び車両の乗員の行動を検出する行動検出センサが含まれている。挙動検出センサの一例としては、操舵角センサ、車速センサ、ヨーレートセンサ、ブレーキペダル踏込み量センサ、アクセルペダル踏込み量センサ、及びウィンカセンサなどがある。また、車両の挙動として道路などの走行路における車線に対する挙動を把握するために、車線を検出する車線検出装置などの検出センサを含むことができ、また車両の位置を把握するためにGPSなどの位置検出センサを含むことができる。車線検出装置の一例には特開平08−261756号公報に開示された技術がある。さらに、ナビゲーションシステムのように、地図データを有して車両の経路を案内したり経路履歴を記憶したりする経路案内装置を含むことができる。
【0037】
行動検出センサの一例としては、乗員の視線方向や顔向きを検出する検出装置、乗員を撮影した画像により乗員を識別する識別装置がある。これらの装置の一例には、特開平11−276438号公報や特開平2000−168502号公報に開示された技術や市販製品(seeingmachines社製faceLab)がある。
【0038】
図1に示すように、確認行動評価装置10は、上記ハードウェア資源及び後述するソフトウェア資源を利用した、運転状態計測装置32、確認行動判定装置34、及び判定結果提示装置36に機能的に分類して構成される。本実施の形態の確認行動評価装置10は、運転状態計測装置32により運転状態を計測して、その運転状態の計測値を用いて確認行動判定装置34により乗員の確認行動を判定し、その判定結果を判定結果提示装置36において提示する。
【0039】
なお、判定結果提示装置36は、乗員の確認行動の判定結果を、印刷したり、表示したりする提示装置であり、プリンタなどの印刷装置、ディスプレイなどの表示装置、スピーカなどの拡声装置が一例として挙げられる。
【0040】
確認行動評価装置10を構成する運転状態計測装置32は、車両の挙動及び乗員の行動を含む運転状態を計測する装置であり、各種センサの検出値から、車両の挙動や車両の乗員の行動を含む運転状態を計測する。
【0041】
すなわち、操舵角センサ、車速センサ、ヨーレートセンサ、ブレーキペダル踏込み量センサ、アクセルペダル踏込み量センサ、及びウィンカセンサなどにより車両の挙動を把握して運転状態を求める。また、車線検出装置などの検出値により道路などの走行路における車線を把握したり、GPS(衛生利用測位システム)やGIS(地理情報システム)などの位置検出値により車両の位置や方向そして周囲の状況などを把握することもできる。また、運転状態計測装置32は、乗員の視線方向や顔向きを検出する検出装置による検出値から乗員の行動を計測したり、乗員を撮影した画像から乗員を識別する計測をしたりすることもできる。
【0042】
確認行動判定装置34は、運転状態計測装置32による計測結果から乗員の確認行動を判定するもので、基本行動分類部40、基本行動内状態演算部42、視線配分演算部44、比較演算部46、及び表示用処理部48から構成される。これらの基本行動分類部40、基本行動内状態演算部42、視線配分演算部44、比較演算部46及び表示用処理部48には、運転状態計測装置32の計測信号が入力されるように、運転状態計測装置32に接続されている。
【0043】
上記運転状態計測装置32は、本発明の検出手段に対応し、基本行動分類部40は本発明の分類手段に対応する。また、運転状態計測装置32は、走行状態検出手段及び走行軌跡検出手段の機能を含んでいる。また、基本行動内状態演算部42は本発明の演算手段に対応し、比較演算部46は本発明の比較手段に対応する。また、表示用処理部48は本発明の評価手段に対応し、判定結果提示装置36は本発明の提示手段に相当する。
【0044】
また、運転状態計測装置32における乗員の視線方向や顔の向きを検出する装置は、本発明の確認行動検出手段に相当する。また、表示用処理部48は、本発明の判定手段の機能を含んでいる。また、規範視線配分データベース54は、本発明の規範データベースに相当する。
【0045】
基本行動分類部40は運転状態計測装置32から出力された計測信号を用いて車両の挙動、及びこの挙動がなされた際の道路形態を求め、乗員による運転状態を、挙動と道路形態の組合わせからなる基本行動に分類するものである。基本行動分類部40は、運転状態計測装置32の計測信号が入力されるように運転状態計測装置32に接続され、その出力が基本行動内状態演算部42及び比較演算部46に出力されるように接続されている。
【0046】
この基本行動分類部40は、まず運転状態計測装置32から出力された計測信号を用いて車両の挙動(行動)を求め、次に、この車両の挙動(行動)が行われた際の道路形態を、運転状態計測装置32から出力された計測信号を用いて求める。これらの車両の挙動(行動)と道路形態を組合わせたものを基本行動とする。そして、基本行動分類部40は、運転状態計測装置32から出力された計測信号に対応する乗員による運転状態を、挙動と道路形態の組合わせからなる基本行動に分類する。
【0047】
図3には、上述のような車両の挙動と道路形態の組合わせからなる基本行動の分類テーブル41の一例を示した。本実施の形態では、上記車両の挙動の一例として、右折、左折、右側車線変更、左側車線変更、交差点直進、右転回の6つの車両の挙動(行動)を採用している。また、道路形態の一例として、信号のある4叉路以上の交差点、信号のある4叉路未満の交差点、信号のない交差点で優先側より進入、信号のない交差点で非優先側より進入、非交差点の5つの道路形態を採用している。
【0048】
また、本実施の形態では、基本行動として、図3に「○」印で示すように、21個の基本行動を採用する。従って、運転状態計測装置32による計測結果から、乗員による運転状態として、21個のうちの何れかの基本行動に分類される。
【0049】
また、本実施の形態では、車両の挙動(行動)と道路形態を組合わせからなる基本行動の各々を、シート50に対応させている。シート50は、基本行動を車両の挙動及び道路形態の遷移を含んで表現するための情報集合体である。図4乃至図8には本実施の形態において基本行動分類部40で分類される基本行動に対して用いられるシート50の一例を示した。これらのシート50は、確認行動評価装置10のメモリ20に記憶されている。
【0050】
図4は、右折行動で分類された基本行動用のシート例を示した。すなわち、信号有りで4叉路以上の交差点での右折行動、信号有りで4叉路未満の交差点での右折行動、信号無の交差点で優先側より進入したときの右折行動、信号無の交差点で非優先側より進入したときの右折行動、非交差点での右折行動の何れかの右折行動として基本行動が分類されたときに用いられるシート50Aの一例である。
【0051】
このシート50Aは、横軸に所定間隔の車速(速度軸)、縦軸に所定間隔の車両回頭(ステアリング操舵軸)で範囲を規定した複数のセルに分割されている。各セルにはセルの位置を特定するためのセル番号が付されている。図4の例では各セルの左下付近に2桁の数で表記している。ここでは、第1の桁を、車両回頭(ステアリング操舵軸)の範囲として右折準備、右折開始から右折中、右折中から右折終了の挙動を識別する数の「1」〜「3」で表している。また、第2の桁を、車速(速度軸)として0〜1km/hでブレーキオン、0〜1km/hでブレーキオフまたは1〜10km/h、10〜25km/h、25〜40km/h、40km/h以上の範囲を識別する数の「0」〜「4」で表している。従って、例えば、車速が10km/h〜25km/hで右折開始から右折中の状態は、セル番号「22」が対応される。
【0052】
図5は、左折行動で分類された基本行動用のシート例を示した。すなわち、信号有りで4叉路以上の交差点での左折行動、信号有りで4叉路未満の交差点での左折行動、信号無の交差点で優先側より進入したときの左折行動、信号無の交差点で非優先側より進入したときの左折行動、非交差点での左折行動の何れかの左折行動として基本行動が分類されたときに用いられるシート50Bの一例である。
【0053】
このシート50Bも、シート50Aと同様に、横軸に所定間隔の車速(速度軸)、縦軸に所定間隔の車両回頭(ステアリング操舵軸)で範囲を規定した複数のセルに分割されている。また、シート50Bのセル番号も同様に、第1の桁を、車両回頭(ステアリング操舵軸)の範囲を識別する数の「1」〜「3」で表し、第2の桁を、車速(速度軸)の範囲を識別する数の「0」〜「4」で表している。
【0054】
図6は、右転回行動で分類された基本行動用のシート例である。すなわち信号有りで4叉路以上の交差点での右転回行動、信号有りで4叉路未満の交差点での右転回行動、信号無の交差点で優先側より進入したときの右転回行動、信号無の交差点で非優先側より進入したときの右転回行動、非交差点での右転回行動の何れかの右転回行動として基本行動が分類されたときに用いられるシート50Cである。
【0055】
このシート50Cは、横軸に所定間隔の車速(速度軸)、縦軸に所定間隔の車両回頭(ステアリング操舵軸)で範囲を規定した複数のセルに分割されている。シート50Cの基本行動は、転回行動であり、車両の挙動として切り返しなど様々な挙動を含むことが考えられるため、セルは、次のように分割されている。車両回頭(ステアリング操舵軸)の範囲として行動開始から右転回準備までの準備段階を準備Aと準備Bとの2つを設けている。準備Bは、左方向ステアリング動作からステアリング中立位置までの挙動であり、準備Aは、右方向ステアリング動作からステアリング中立位置までの挙動である。そして、右転回開始から、右転回中までの挙動、右転回中から右転回終了までの挙動に分割している。これらを識別するために、セル番号の第1の桁を、数「0」〜「3」で表している。車速(速度軸)としては、後退を含むため、後退の範囲を設けて、前進と差異を付するためにセル番号にはマイナス符号「−」を付している。すなわち、第2の桁を、車速(速度軸)として、後退、0〜1km/hでブレーキオン、0〜1km/hでブレーキオフまたは1〜10km/h、10〜25km/h、25〜40km/h、40km/h以上の範囲を識別する数の「−1」、「0」〜「4」で表している。
【0056】
図7は、非交差点での右側車線変更行動として基本行動が分類されたときに用いられるシート50Dを示した。このシート50Dは、横軸に所定間隔の車速(速度軸)、縦軸に車線の跨ぎ状態(跨ぎ始めを基準として)で範囲を規定した複数のセルに分割されている。なお、左側車線変更行動に対応するシート50はシート50Dと同様であり、跨ぐ車線を左側とすれば良い。
【0057】
このシート50Dの基本行動は、車線変更行動であり、車両の高速走行などの挙動を含むことが考えられるため、車速(速度軸)についてセルを増加している。すなわち、上記のセルにおいて40km/h以上であった範囲を40km/h〜70km/hに変更し、70km/h以上の範囲を追加している。従って、セル番号として、第1の桁を、車線の跨ぎの範囲として車線変更準備と車線変更中の挙動を識別する数の「1」、「2」で表している。また、第2の桁を、車速(速度軸)として0〜1km/hでブレーキオン、0〜1km/hでブレーキオフまたは1〜10km/h、10〜25km/h、25〜40km/h、40km/h〜70km/h、70km/h以上の範囲を識別する数の「0」〜「5」で表している。
【0058】
図8は、交差点直進行動で分類されたシート例を示した。すなわち、信号有りで4叉路以上の交差点での交差点直進行動、信号有りで4叉路未満の交差点での交差点直進行動、信号無の交差点で優先側より進入したときの交差点直進行動、信号無の交差点で非優先側より進入したときの交差点直進行動の何れかの交差点直進行動として基本行動が分類されたときに用いられるシート50Eである。
【0059】
シート50Eは、横軸に所定間隔の車速(速度軸)、縦軸に交差点中心に対する車両位置を所定間隔で範囲を規定した複数のセルに分割されている。また、シート50Eのセル番号は、第1の桁を、交差点の通過前、通過直前、通過中の何れかの車両位置の範囲を識別する数の「1」〜「3」で表し、第2の桁を、車速(速度軸)の範囲を識別する数の「0」〜「4」で表している。
【0060】
次に、基本行動分類部40における基本行動を分類するアルゴリズムの一例を図9乃至図11を参照して説明する。
【0061】
図9に示すように、基本行動分類部40では基本行動を分類する処理ルーチンが実行され、ステップ102へ進み、車両の走行データを読み取る。次のステップ104では、運転状態計測装置32からの走行データから車両の走行軌跡を求めると共に、その走行軌跡と予め記憶された地図データとを照合する。なお、走行軌跡は、ナビゲーションシステムから抽出することができ、また地図データは、ナビゲーションシステムで用いる地図データやGISから入手することができる。これらの走行軌跡と地図データとの照合は、これら走行軌跡と地図データの幾何学的なデータを用いて行われる。
【0062】
次のステップ106では、走行軌跡上に交差点が存在するか否かを判断し、否定されると、次のステップ108において道路形態を非交差点と設定し、次のステップ110において道路境界線と走行軌跡が交差したか否かを判断する。ステップ110で肯定されると、ステップ112において後述する右左折行動判定ルーチンにより左折行動か右折行動と設定した後に本ルーチンを終了する。
【0063】
なお、ステップ108を経由したステップ112では、基本行動として、非交差点で左折行動または非交差点で右折行動の何れかに設定される(後述)。
【0064】
ステップ110で否定されると、ステップ114へ進み、同一道路の境界線内で道路中心線を跨いで走行方向が反対になったか否かを判断する。ステップ114で肯定されると、ステップ116において後述する右転回行動判定ルーチンにより右転回行動に関する行動を判定した後に本ルーチンを終了する。
【0065】
なお、ステップ108を経由したステップ116では、基本行動として、非交差点で右転回行動または交差点で右転回行動の何れかに設定される(後述)。
【0066】
ステップ114で否定されると、ステップ118へ進み、車両が車両の右側車線を跨いだか否かを判断し、肯定された場合には、ステップ120において、右側車線を跨ぐ前の4秒間及び跨いだ後の2秒間を右側車線変更と設定して本ルーチンを終了する。なお、ステップ120では、基本行動として、非交差点で右側車線変更行動が設定される。
【0067】
ステップ118で否定されると、ステップ122へ進み、車両が車両の左側車線を跨いだか否かを判断し、肯定された場合には、ステップ124において、左側車線を跨ぐ前の4秒間及び跨いだ後の2秒間を左側車線変更と設定して本ルーチンを終了する。なお、ステップ124では、基本行動として、非交差点で左側車線変更行動が設定される。
【0068】
ステップ122で否定されると、ステップ126へ進み、道なりの走行と設定され、本ルーチンを終了する。このステップ126では、基本行動の設定を行う必要はないが、道成の走行について確認行動を評価する場合には、その設定を行うようにしてもよい。
【0069】
走行軌跡上に交差点が存在して上記ステップ106において肯定された場合には、ステップ128において道路形態として交差点の形態を抽出する。このステップ128では、まず地図データを参照して、その交差点の信号有無を判別する。次に、信号有りのとき、その交差点が4叉路以上か否かを判別し、信号無のとき、進入形態が優先側からか非優先側からかを判別する。これによって、ステップ128では、道路形態として、信号有りで4叉路以上の交差点、信号有りで4叉路未満の交差点、信号無の交差点で優先側から進入、信号無の交差点で非優先側から進入、の何れかを道路形態と設定する。
【0070】
次のステップ130では、車両が交差点を通過する前後(例えば各々20m走行時)において車両進行方向の変動が30度以上で135度未満であるか否かを判断する。ステップ130で肯定されると、ステップ112へ進み、右左折行動判定ルーチンが実行される。
【0071】
なお、ここでは、ステップ128を経由したステップ112において設定される基本行動として、信号有りで4叉路以上の交差点、信号有りで4叉路未満の交差点、信号無の交差点で優先側から進入、信号無の交差点で非優先側から進入、の何れかを道路形態と、左折行動または右折行動の何れかの組み合わせが設定される。
【0072】
また、上記ステップ130の判断で車両進行方向の変動量として、30度以上で135度未満を採用したが、この数値に限定されるものではなく、車両の右折行動または左折行動を実行するときにおける車両進行方向の角度の上限及び下限を設定すればよい。この数値は、実験的に求めたり、統計的に求めたりしてもよい。
【0073】
ステップ130で否定されると、ステップ132へ進み、同一道路の境界線内で道路中心線を跨いで走行方向が反対になったか否かを判断する。ステップ132で肯定されると、ステップ116へ進み、右転回行動判定ルーチンが実行される。
【0074】
なお、ここでは、ステップ128を経由したステップ116において設定される基本行動として、信号有りで4叉路以上の交差点、信号有りで4叉路未満の交差点、信号無の交差点で優先側から進入、信号無の交差点で非優先側から進入、の何れかを道路形態と、右転回行動の組み合わせが設定される。
【0075】
上記ステップ132で否定されると、ステップ134へ進み、交差点の前60mから交差点後30以内の期間を交差点直進行動と設定した後に本ルーチンを終了する。なお、このステップ134では、信号有りで4叉路以上の交差点、信号有りで4叉路未満の交差点、信号無の交差点で優先側から進入、信号無の交差点で非優先側から進入、の何れかを道路形態と、直進である車両の挙動の組み合わせが基本行動として設定される。
【0076】
なお、上記のルーチンでは、図3に示す分類テーブル41に基づく基本行動に分類する場合を想定し、交差点付近で車線変更を除いているが、これに限定されるものではなく、交差点付近で車線変更を行った場合を基本行動に追加してもよいことは勿論である。
【0077】
図10に示すように、上記ステップ116では右転回行動判定ルーチンが実行される。
【0078】
この右転回行動判定ルーチンでは、まず、ステップ136において、交差点を追加したか否かを判断する。すなわち、上述のようにステップ106の判断結果に基づいて判別され、否定されると(非交差点)ステップ138へ進み、肯定されると(交差点通過)ステップ140へ進む。
【0079】
ステップ138では、道路中心線を横切る60m前となる時点から道路中心線を横切った地点から20m離れるまでの期間を右転回行動と設定する。ステップ140では、車両の進行方向を右方向に変更した交差点の60m前となる時点から30m後となる時点までの期間を右転回行動と設定する。
【0080】
図11に示すように、上記ステップ112では右左折行動判定ルーチンが実行される。
【0081】
この右左折行動判定ルーチンでは、まず、ステップ142において、交差点通過前後で(各々20m走行時)の車両進行方向の変化が進行方向に対して右側になるかまたは進行方向の右側の道路境界線上を走行軌跡が交差するか否かを判断する。すなわち、車両の挙動が右折行動か左折行動かを判断する。
【0082】
右折行動であり、ステップ142で肯定されると、ステップ144へ進み、交差点を通過したか否かを判断する。ステップ144で肯定されると、ステップ146へ進み、進行方向を右に変更した交差点の60m前となる時点から30m後となる時点までの期間を右折行動と設定して、本ルーチンを終了する。
【0083】
一方、ステップ144で否定されると、ステップ148において道路境界内から境界外へ移動する場合であるか否かを判断する。ステップ148において肯定されると、ステップ150へ進み、道路中心線を横切る60m前となる時点から道路境界外に出て1秒後までの期間を右折行動と設定し、本ルーチンを終了する。ステップ148で否定すなわち道路境界外から境界内に進入した場合には、ステップ152へ進み、道路境界内に進入する2秒前から道路中心線を横切って20m走行する時点までの期間を右折行動と設定し、本ルーチンを終了する。
【0084】
左折行動であり、ステップ142で否定されると、ステップ154へ進み、交差点を通過したか否かを判断する。ステップ154で肯定されると、ステップ156へ進み、進行方向を左に変更した交差点の60m前となる時点から30m後となる時点までの期間を左折行動と設定して、本ルーチンを終了する。
【0085】
一方、ステップ154で否定されると、ステップ158において道路境界内から境界外へ移動する場合であるか否かを判断する。ステップ158において肯定されると、ステップ160へ進み、道路中心線を横切る60m前となる時点から道路境界外に出て1秒後までの期間を左折行動と設定し、本ルーチンを終了する。ステップ158で否定すなわち道路境界外から境界内に進入した場合には、ステップ162へ進み、道路境界内に進入する2秒前から道路中心線を横切って20m走行する時点までの期間を左折行動と設定し、本ルーチンを終了する。
【0086】
以上のようにして、例えば、交差点を通り、交差点前後20mでの車両の方位角変化が30度以上135度未満であって、その際の交差点形状を行動が行われた交差点の地図データより、例えば信号のある4叉路以上の交差点と判断された場合、進行方向を右に変えた交差点の60m前となる時点から30m後となる時点までの期間を抽出し、信号のある4叉路以上交差点での右折行動という基本行動が抽出される。
【0087】
従って、基本行動分類部40では、例えば信号のある叉路以上の交差点での右折行動等の基本行動を乗員の行動後にその行動による車両の挙動や道路形態で分類し、その基本行動毎にシート50を選択し、基本行動内状態演算部42へ出力する。
【0088】
なお、上記では、走行軌跡と地図データとから基本行動を設定した場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、運転状態計測装置32の計測値の何れかを用いて基本行動を設定してもよい。一例として、ウィンカ(方向指示器)の信号を用いて基本行動を設定する場合を説明する。
【0089】
なお、上記図9乃至図11の処理は、本発明の演算手段の機能に相当し、走行路形態導出手段と挙動導出手段の機能も含んでいる。
【0090】
図12に示すように、基本行動分類部40でウィンカ信号を用いた基本行動を分類する処理ルーチンが実行され、ステップ202へ進み、車両の走行データを読み取る。次のステップ204では、運転状態計測装置32からの走行データから車両の走行軌跡を求めると共に、その走行軌跡と予め記憶された地図データとを照合する。
【0091】
次のステップ206では、走行軌跡上に交差点が存在するか否かを判断し、否定されると、次のステップ208において道路形態を非交差点と設定し、次のステップ210においてウィンカ(方向指示器)がオン)した(指示されたか否かを判断する。ステップ210で否定されるとステップ218において道なりの走行と設定し、本ルーチンを終了する。
【0092】
一方、ステップ210で肯定されると、ステップ212においてウィンカがオンした1秒前とオフした1秒後の車両の進行方向変化が30度未満か否かを判断する。ステップ212で肯定されるとステップ216へ進み、車両が車線を跨いだか否かを判断し、否定されるとステップ218へ進み、肯定されると、ステップ220へ進む。
【0093】
ステップ220では、右ウィンカがオンしたか否かを判断し、肯定されるとステップ222において、ウィンカがオンしていた期間を含めて前後3秒間を右車線変更行動と設定し、本ルーチンを終了する。一方、ステップ220で否定されると、ステップ224へ進み、ウィンカがオンしていた期間を含めて前後3秒間を左車線変更行動と設定する。
【0094】
車両の進行方向変化が30度以上の場合には、ステップ212で否定され、ステップ214へ進み、車両の進行方向変化が30度以上でかつ135度未満か否かを判断する。ステップ214で肯定されると、ステップ240へ進み、右ウィンカがオンしたか否かを判断し、肯定されるとステップ242においてウィンカがオンしていた期間を含めて前後3秒間を右折行動と設定し、本ルーチンを終了する。一方、ステップ240で否定されると、ステップ244へ進みウィンカがオンしていた期間を含めて前後3秒間を左折行動と設定する。
【0095】
一方、ステップ214で否定されるとステップ234へ進み、右ウィンカがオンしたか否かを判断し、肯定されると、ステップ238においてウィンカがオンしていた期間を含め前後3秒間とステアリングが中立位置を1秒間保持するまでの期間を右転回行動に設定した後に本ルーチンを終了する。ステップ234で否定されると、ステップ236においてステップ238と逆、すなわちウィンカがオンしていた期間を含め前後3秒間とステアリングが中立位置を1秒間保持するまでの期間を左転回行動に設定する。なお、左転回行動は、図3の分類テーブル41に含まれていないが、右転回行動と同様に扱うことができる。
【0096】
走行軌跡上に交差点が存在して上記ステップ206において肯定された場合には、ステップ226において道路形態として交差点の形態を抽出する。このステップ226では、上記ステップ128と同様に、道路形態として、信号有りで4叉路以上の交差点、信号有りで4叉路未満の交差点、信号無の交差点で優先側から進入、信号無の交差点で非優先側から進入、の何れかを道路形態と設定する。
【0097】
次のステップ228では、交差点付近でウィンカがオンしたか否かを判断する。ステップ228で肯定されると、ステップ230へ進み、交差点位置前後(例えば各々20m)の車両の進行方向の変動が30度以上でかつ135度未満であるか否かを判断する。ステップ230で否定されると、ステップ232において車両進行方向変化が135度以上か否かを判断し、肯定されるとステップ234へ進み、否定されるとステップ216へ進む。
【0098】
一方、ステップ230で肯定されると、ステップ240へ進み、右ウィンカがオンしたか否かを判断し、肯定されるとステップ242において、ウィンカがオンしていた期間を含めて前後3秒間を右折行動と設定し、本ルーチンを終了する。一方、ステップ240で否定されると、ステップ244へ進み、ウィンカがオンしていた期間を含めて前後3秒間を左折行動と設定する。
【0099】
上記ステップ228で否定されると、ステップ246へ進む。ステップ246では、交差点位置前後における車両の進行方向の変化が30度未満であったか否かを判断する。ステップ246で肯定されると、交差点真40mから交差点後20m以内であった期間を交差点直進行動に設定して本ルーチンを終了する。一方、ステップ246で否定されると、基本行動を設定することなく、ステップ250においてウィンカ消し忘れ状態であることを設定し、本ルーチンを終了する。
【0100】
図1に示す基本行動内状態演算部42は、基本行動分類部40で分類した基本行動において、どのような状態を遷移したかを表す遷移の過程、すなわち基本行動内における状態を求めるものである。
【0101】
すなわち、基本行動内状態演算部42では、運転状態計測装置32による計測結果から基本行動である、乗員によってなされた車両の操縦に対する車両の挙動についてその遷移を求めるもので、基本行動内状態演算部42は、運転状態計測装置32の計測信号が入力されるように運転状態計測装置32に接続され、その出力が視線配分演算部44及び比較演算部46に出力されるように接続されている。
【0102】
この基本行動内状態演算部42は、基本行動分類部40で分類された基本行動のシート50に、どのような状態からどのように遷移したかを記録した状態マップ52を生成し、出力する。この状態マップ52を生成するために、基本行動内状態演算部42は、基本行動を遷移を把握する。この遷移の把握は、シート50のセル単位で行われる。言い換えれば、基本行動内状態演算部42では、基本行動を、シート50のセル単位で区分けし、その区分けしたセル間の関係を遷移として扱う。
【0103】
図13乃至図16には、基本行動内における状態の遷移を、セル単位で区分けするための基準の一例を示した。
【0104】
図13は、右折行動または左折行動の基準行動について、すなわちシート50A,50Bを、操舵角θ及び車両回頭角φを用いてセル単位で区分けするための車両の挙動に関する基準例を示した。まず、右折行動について説明する。シート50Aの横軸の車速に関する分類は上記図4と同様である。縦軸の車両回頭角(操舵角)は、右折準備、右折開始から右折中、右折中から右折終了の挙動で分類する。この分類基準を、本実施の形態では、ステアリングの中立位置を0度の原点としたときに、30度、及び車両回頭角変化量の60%の時点を採用している。
【0105】
すなわち、右折行動が抽出された時間区間において、ステアリングの中立位置を0度として、操舵角θが右方向に最大となった時点から遡って、右側に30度未満となる時点以前を右折準備状態と分類する。また、右折準備状態の終了時の車両回頭角φを0とし右折行動終了時までの車両回頭角変化量をACと表す。そして、右折準備状態以降で車両回頭角φが車両回頭角変化量ACの65%となった時点までを右折開始〜右折中の状態、それ以降を右折中〜右折終了の状態として分類する。
【0106】
なお、左折行動は、右折行動と対称的でほぼ同様であり、上述の右折を左折におきかえれば良いため、説明を省略する。
【0107】
また、上記基準として、ステアリングの中立位置を0度の原点としたときに、30度、及び車両回頭角変化量の65%の時点を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、実験的や統計的に求めた任意の角度や任意の比率を基準として採用してもよい。
【0108】
図14は、右回転行動の基準行動について、すなわちシート50Cを、操舵角θ及び車両回頭角φを用いてセル単位で区分けするための車両の挙動に関する基準例を示した。シート50Cの横軸の車速に関する分類は上記図6にも示したが、前進か後進かをギアレンジまたは車速で判別する。前進時の車速の詳細分類は上述と同様である。縦軸の車両回頭角(操舵角)は、右転回準備、右転回開始から右転回中、右転回中から右転回終了の挙動で分類する。この分類基準を、本実施の形態では、ステアリングの中立位置を0度の原点としたときに、10度、30度、及び車両回頭角変化量の90%の時点を採用している。
【0109】
すなわち、右転回行動が抽出された時間区間において、交差点前10m時の車両回頭角φを0とし、車両回頭角φが右側90度未満で、操舵角θが右方向に最大となった時点から遡って、右側に30度未満となる時点以前を右転回準備状態と分類する。そして、分類した右転回準備状態内をさらに、ステアリングが中立位置より左側10度未満の右側である時(準備A)と、それ以外の時(準備B)の2つに分類する。次に、右転回準備状態から、右転回行動の開始時点から終了時までの車両回頭角変化量ACの90%となった時点までを右転回開始〜右転回中状態、それ以降を右転回中〜右転回終了状態として分類する。
【0110】
なお、本実施の形態では左転回行動について説明を省略するが、右転回行動とほぼ同様に扱うことができ、上述の右転回を左転回におきかえて分類することができる。
【0111】
また、上記基準として、ステアリングの中立位置を0度の原点としたときに、10度、30度、及び車両回頭角変化量の90%の時点を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、実験的や統計的に求めた任意の角度や任意の比率を基準として採用してもよい。
【0112】
図15は、右車線変更行動の基準行動について、すなわちシート50Dを、セル単位で区分けするための車両の挙動に関する基準例を示した。まず、右側車線行動について説明する。シート50Dの横軸の車速に関する分類は上記図7と同様である。縦軸の車線の跨ぎは、右側車線変更準備、右側車線変更中の挙動で分類する。この分類基準を、本実施の形態では、車線と車両の位置関係のうち車両右端が右側車線上に至る時点を採用している。
【0113】
すなわち、右側車線変更行動が抽出された時間区間において、行動開始から車両右端が右側車線上に至る時点以前を右側車線変更準備状態とし、右側車線準備状態以降から行動終了までを右側車線変更中〜行動終了として分類する。この場合の行動終了は、右側車線変更が完了してから所定時間を経過(2秒後)したまでの期間を含めることが好ましい。
【0114】
なお、左側車線変更行動は、右側車線変更行動とほぼ同様であり、上述の右側車線変更を左側車線変更におきかえれば良いため、説明を省略する。
【0115】
また、上記基準として、車線と車両の位置関係のうち車両右端が右側車線上に至る時点を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両に予め定めた位置や車線を基準として所定距離を隔てた位置を採用してもよい。
【0116】
図16は、交差点直進行動の基準行動について、すなわちシート50Eを、車両と交差点の距離関係を用いてセル単位で区分けするための車両の挙動に関する基準例を示した。シート50Eの横軸の車速に関する分類は上記図8と同様である。縦軸の車両と交差点の距離関係は、通過前、通過直前、通過中と通過後の挙動で分類する。この分類基準を、本実施の形態では、車両の交差点までの距離が10m、30mである時点を採用している。
【0117】
すなわち、交差点直進行動が抽出された期間において、交差点の基準位置を0として、行動開始から交差点の基準位置から車両の位置が10m前となる時点までを通過前状態と分類する。また、通過前状態の終了時(基準位置から10m前)から交差点の基準位置までを通過直前状態と設定する。そして、通過直前状態以降で行動終了までを通過中〜通過後の状態として分類する。
【0118】
なお、上記基準として、車両の交差点までの距離が10m、30mである時点を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、車速に応じて距離を変更したり、交差点の基準位置を所定許容量を有するようにしてもよい。。
【0119】
図17には、基本行動内状態演算部42で記録される状態マップ52の一例を、イメージで示した。図17は、信号有りで4叉路以上の交差点において右折行動と分類された基本行動の状態マップ52の例である。図17の図中の●印と矢印はある右折行動がどのような状態を遷移したかを示している。すなわち、ステアリングが中立状態かつ時速40km以上から減速をし、一旦停止をした後に発進し、ステアリングを右に切り、加速しながら交差点を右折している様子を示している。なお、図17の図中の●印は、本発明の移動体の挙動遷移の過程点に対応する。
【0120】
各セル間の関係は、始点側のセルから終点側のセルの向きを矢印で示しており、その向きにより行動を表している。図17では、「A」は加速、「D」は減速、「H」はステアリング操舵状態変化を表す。状態マップ52は、セル番号は基本状態における遷移についての該当状態に相当し、そのセルからの矢印の向きで行動を示すことが可能となる。従って、セル番号と行動を表すアルファベットの組合せで、個別の遷移を表すことができる。この始点側のセル番号と行動を表すアルファベットの組合せを状態マップ番号と定める。例えば、40km/h以上の車速で右折準備状態であったセル番号14の状態から減速行動を行った遷移を表す場合、状態マップ番号として、「14−D」と表記する。
【0121】
基本行動内状態演算部42は、この状態マップ番号を出力する。この出力の一例を次の表1に示す。
【0122】
【表1】
【0123】
図1に示す視線配分演算部44は、基本行動分類部40で分類した基本行動について、乗員の確認行動として乗員の視線方向を求めるものである。
【0124】
すなわち、視線配分演算部44では、運転状態計測装置32による計測結果から、基本行動内状態演算部42による状態の遷移を含む基本行動に対応する、乗員によってなされた確認行動である視線方向を求めるもので、基本行動内状態演算部42及び運転状態計測装置32に接続され、その出力が比較演算部46に出力されるように接続されている。
【0125】
図18に示すように、視線配分演算部44では、乗員の視線方向として、予め定めた10種類LL、FL、FF、FR、RR、BR、BB、BL、EI、ET、を定めている。まず、乗員が着座したときの正面方向を0度とし、右周りの旋回角を正符号、左周りの旋回角を負符号として、9度〜−9度までを正面方向FFと定め、171度〜180と−171度〜−180とを後方方向BBと定めている。
【0126】
また、9度〜25度までを右前方方向FR、25度〜135度までを右方向RR、135度〜171度までを右後方方向BRと定め、−9度〜−25度までを左前方方向FL、−25度〜―135度までを左方向LL、―135度〜―171度までを左後方方向BLと定めている。また、車両内の装備例えばインパネや計器類を向く方向EI、及びその他の方向ETも定めている。その他の方向の一例には、天井、シート上に置かれたものなどに視線が向いた場合の方向がある。
【0127】
図19には、視線配分演算部44における視線方向の分類について示した。図19(A)に示すように、車両内外の装備品についての位置関係を予め記憶されたメモリから読み取り、乗員との相対関係を求めておく。図19(B)に示すように、視線方向の分類は車両上に仮想原点Xを置き、乗員の視線方向を表す3次元空間での直線を求める。求めた直線が、各ミラー領域やインパネ領域を通過する場合には方向BR,BB,BL,EIの何れかを設定し、それ以外でかつガラス窓領域も通過しない場合には方向ETと設定する。
【0128】
また、図19(C)に示すように、方向LL,FL,FF,FR,RRの各方向の分類に際しては、方向BR,BB,BL,EI、ETと判定されていない場合かつ窓ガラス領域通過した場合を対象として、ドライバの頭部位置、顔向き、視線方向から、車両上の仮想原点からの角度に再計算した上で視線方向を求める。すなわち、仮想原点を中心とした半径10mの円柱面と、乗員の頭部を原点とした視線方向の直線と、の交点に仮想原点を通過する直線を仮想原点での視線方向として求め、その角度を視線方向とする。
【0129】
視線配分演算部44では、乗員の確認行動として乗員の視線方向について、上記10種類に分類された各方向への1回につき所定時間以上(本実施の形態では100msec以上)の保持時間を求めてテーブルを作成する。視線配分演算部44は、この表2に示したテーブルを出力する。このテーブルの一例を次の表2に示した。表2の例は、上述の表1で出力されたものに方向と保持時間を追加した形態である。
【0130】
【表2】
【0131】
図1に示すように、比較演算部46は、比較演算部46は、基本行動分類部40で分類した基本行動について、規範の視線配分と乗員の視線配分とを比較するものである。
【0132】
すなわち、比較演算部46では、運転状態計測装置32による計測結果、基本行動分類部40により分類された基準行動、基本行動内状態演算部42で求めた状態マップ52、視線配分演算部44で求めた視線方向を用いて、規範の視線配分と乗員の視線配分とを比較する。このため、比較演算部46は、運転状態計測装置32の計測信号が入力されるように運転状態計測装置32に接続されると共に、基本行動分類部40、基本行動内状態演算部42、視線配分演算部44に接続され、その出力が表示用処理部48に出力されるように接続されている。
【0133】
比較演算部46では、規範視線配分データベース54から基準行動に対する規範視線配分マップ56を抽出し、基準行動に対する乗員の視線方向についての視線配分マップ58を求、これらを比較して、得点結果60を算出して、表示用処理部48へ出力する。
【0134】
図20に示すように、比較演算部46は、視線方向結果入力部70、算出回路72、状態マップ番号入力部74、呼出回路76、及び視線配分比較採点回路78から構成されている。
【0135】
視線方向結果入力部70は、上記表2に示す状態マップ52を入力するための入力部であり、状態マップ番号入力部74は、上記表1に示す基本行動内状態演算部42から出力された状態マップ番号を入力するための入力部である。視線方向結果入力部70による状態マップ52は算出回路72へ出力される。算出回路72は、基本行動と状態マップ毎に状態が遷移する規定時間(本実施の形態では2秒)前毎の視線配分、各方向毎の保持時間を算出するための回路である。
【0136】
この算出回路72において、視線方向結果入力部70の出力から視線配分及び各方向の平均保持時間を算出した算出結果の一例を、次の表3に示した。
【0137】
【表3】
【0138】
また、状態マップ番号入力部74による状態マップ番号は呼出回路76へ出力される。呼出回路76は、基本行動と状態マップ毎の規範となる視線配分の対応などを記憶した規範視線配分データベース54を備えており、その規範視線配分データベース54から状態マップ番号の入力に応じたデータを参照するための回路である。この規範視線配分データベース54には、例えば、視線配分得点表(図21)や、各視線方向における平均保持時間の得点表を記憶している。
【0139】
図21には、規範視線配分データベース54に記憶した視線配分得点表の一例を示した。図21は、信号有りで4叉路以上の交差点での右折行動かつ状態マップ番号14―Dの規範視線配分マップを示すもので、この視線配分得点表は、視線方向と、規定時間(本実施の形態では2秒)内における視線配分の割合と、得点との対応関係を表している。次の表4には、図21のマップのうち、右折行動かつ状態マップ番号14―Dの規範視線配分マップの数値一覧を示した。
【0140】
【表4】
【0141】
呼出回路76は状態マップ番号入力部74からの出力から、視線配分得点表(例えば、図21)、各方向の平均保持時間の得点表を規範視線配分データベース54より取り出して、出力する。
【0142】
なお、この視線配分得点表や、各視線方向における平均保持時間の得点表は、運転指導員などの専門家による確認行動の判定基準を教師あり学習手法により得られたものを使用することが好ましい。また、上記得点表は、運転指導員などの専門家の運転時のデータからその頻度分布を用いて算出したものを使用しても良い。
【0143】
上記算出回路72及び呼出回路76の出力側は、視線配分比較採点回路78の比較側に接続される。視線配分比較採点回路78は、算出回路72と呼出回路76の出力を比較し、採点結果を出力するための回路であり、その出力すなわち比較結果は表示用処理部48へ入力されるように接続される。
【0144】
視線配分比較採点回路78は、次の数1に示すように、算出回路72より出力される基本行動(L)と状態マップ毎の視線配分(gL,i,k)、平均保持時間(hL,i,k)と、呼出回路76より出力される最高得点が「1」とした参照マップGL,j、HL,jから、方向i毎に得点(QL,j,k)を内挿し算出する。ここで添字iは方向を添字jは基本行動(L)中の状態マップ番号、添字kは基本行動において、任意の1つの基本行動中に状態マップ番号が遷移した順番を示し、k番目の状態マップ番号はjである。またNをkの最大値とし、Nは基本行動中に状態マップ番号が遷移した回数となる。
【0145】
【数1】
【0146】
そして、基本行動(L)での判定値を、次の数2とする。
【0147】
【数2】
【0148】
この計算結果の最低値と、そのときの基本行動(L)、状態マップ番号(j)と、参照マップGL,j(gL,i,k)と、参照マップHL,j(hL,i,k)と、の値を出力する。
【0149】
図1に示すように、表示用処理部48は、個人特性データベース64、及び事故事例データベース62を備えており、比較演算部46から出力された比較結果から、乗員(ドライバ)の確認行動に対する判定結果を表示するためのデータを処理するものである。
【0150】
すなわち、表示用処理部48では、運転状態計測装置32による計測結果、比較演算部46による比較結果を用いて、乗員の視線配分に対する判定結果に関するデータ処理をする。このため、表示用処理部48は、運転状態計測装置32の計測信号が入力されるように運転状態計測装置32に接続されると共に、比較演算部46に接続され、その出力が判定結果提示装置36に出力されるように接続されている。
【0151】
図22に示すように、表示用処理部48は、乗員(ドライバ)の氏名を入力するための入力回路80を備えており、入力回路80は個人特性データベース64を備えた個人DB処理回路82に接続されている。個人DB処理回路82は、事故事例データベース62を備えた事例DB処理回路84に接続されている。
【0152】
また、表示用処理部48は、比較演算部46から出力された判定結果を入力するための判定結果入力部86を備えており、判定結果入力部86は予め定めた規定値を記憶して判定結果入力部86からの出力と規定値を比較する比較回路88に接続されている。この比較回路88の出力側は、比較回路88の出力である比較結果に基づいてその原因を推定する原因推定回路90、及び判定結果提示用出力信号生成回路92に接続されている。
【0153】
なお、原因推定回路90の出力側は、個人DB処理回路82及び判定結果提示用出力信号生成回路92に接続されている。また、判定結果提示用出力信号生成回路92の出力側は、個人DB処理回路82及び判定結果提示装置36に接続されている。
【0154】
判定結果入力部86から判定結果が入力されると、比較回路88は、判定結果入力部86の入力結果中の得点QL *が例えば0.8以上であれば良好な確認行動が行われたと判断し、原因推定回路90、判定結果提示用出力信号生成回路92に結果を出力する。一方、例えば0.8未満で良好と認められない確認行動が行われたと判断された場合には、原因推定回路90に比較結果と、基本行動(L)、状態マップ番号(j)、参照マップGL,j(gL,i,k)、参照マップHL,j(hL,i,k)、の値を出力する。
【0155】
原因推定回路90は、参照マップGL,j(gL,i,k)と、参照マップHL,j(hL,i,k)と、の値より、値が低い視線方向iを抽出した後、判定結果提示用出力信号生成回路92、及び個人DB処理回路82に、基本行動(L)及び状態マップ番号(j)と、抽出結果(視線方向i)を出力する。
【0156】
個人DB処理回路82は、入力回路80、比較回路88、原因推定回路90の出力から判定結果を乗員毎に記録する。すなわち、入力回路80により入力された乗員を識別するための識別データから、個人DB処理回路82におけるその乗員の個人特性データベース64に対してアクセス可能とし、比較回路88による比較結果、及び原因推定回路90による推定結果を乗員毎に記録する。これによって、個人DB処理回路82の個人特性データベース64には、判定結果の良否に拘わらず全てのデータを記憶することができ、判定結果の良否に対応して該当するデータを抽出(検索)することができる。
【0157】
例えば、個人DB処理回路82は、判定結果提示装置36に対して、過去の良好と認められない確認行動の検索結果を出力する機能を有することができる。この場合、過去の良好と認められない確認行動の累積データが個人特性データベース64に存在しているので、検索命令の入力によって個人特性データベース64から該当するデータを抽出し、これを検索結果として出力すればよい。
【0158】
判定結果提示用出力信号生成回路92は、比較回路88の出力、原因推定回路90の出力、または事例DB処理回路84からの出力に対応して、判定結果提示装置36へ表示させるための表示信号を生成する回路である。
【0159】
図23に示すように、判定結果提示装置36が車両内のインパネ上に装備する。この場合、判定結果提示装置36は安全確認適正度メータとして機能し、判定結果提示用出力信号生成回路92は、この判定結果提示装置36に対して提示用信号出力を行う。図23の左方には、この安全確認適正度メータとして機能する判定結果提示装置36の一例の表示画面300を示した。表示画面300では、現在までの確認行動についての判定結果を棒グラフ形式で時系列的に表示した場合を示している。従って、判定結果提示装置36の表示画面300には、現在までの確認行動について、逐次最新の判定結果が表示される。
【0160】
表示画面300には、詳細ボタン302が含まれている。この詳細ボタン302は、判定結果の詳細を提示するための指示ボタンである。なお、この詳細ボタン302は、乗員による要求指示があった場合でかつ車両の停車中のみ、その要求を受け付けるものとし、その結果図24に一例を示す画像による提示を行う。また、この場合、判定結果提示装置36はタッチパネル形式とすることで、乗員の入力指示が容易となる。
【0161】
図24には、詳細ボタン302が指示されたときに提示する一例の詳細画面304を示した。図24では、確認行動を、車両の挙動に応じた時系列的な遷移をイメージとして提示した場合を示している。また、詳細画面304は、その遷移の過程において判定結果のうち特に注意しなければならない確認行動や、統計的に注意を促すべき確認行動のアドバイス306を共に提示した場合を示している。
【0162】
また、詳細画面304には、乗員の確認行動の癖を提示する要求を指示する癖ボタン308を含んでいる。この癖ボタン308は、乗員による要求があった場合でかつ車両が停車中にのみ要求を受け付けて情報を提示する。
【0163】
図25には、癖ボタン308が指示されたときに提示する一例の癖表示画面310を示した。図25では、個人特性データベース64を参照して、乗員の確認行動について、良否の少なくとも一方のデータを提示した場合を示している。すなわち、個人特性データベースから検索された最も回数の多い良好でない確認行動の基本行動(L)、状態マップ番号(j)、視線方向(i)から順に、所定数(図の例では2つ)を提示し、また個人特性データベースから検索された最も回数の多い良好な確認行動の基本行動(L)、状態マップ番号(j)、視線方向(i)を所定数(図の例では1つ)を提示することができる。
【0164】
また、癖表示画面310には、事故占いボタン312が含まれている。この事故占いボタン312は、乗員による要求があった場合でかつ車両が停車中にのみ要求を受け付けて事故占いの結果を提示する。事故占いとは、乗員の過去の運転行動から乗員が陥りやすい緊急状態を、事故事例を基にして提示するものである。例えば、事例DB処理回路84に含まれる事故事例データベース62として、公知である危険予知トレーニング等のように事故事例の行動と道路形態と危険な方向のフラグのついた事故事例データベースを具備する。そして、個人特性データベースから検索された最も回数の多い悪い確認行動の基本行動(L)、状態マップ番号(j)、視線方向(i)を使用して事故事例データベース62を検索し、ドライバが悪い確認行動を起こしやすい事例に適した事故事例、危険予知トレーニング例を出力する。
【0165】
図26には、事故占いボタン312が指示されたときに提示する一例の事故占い結果表示画面314を示した
なお、判定結果提示用出力信号生成回路92は、判定結果提示装置36として拡声器が設置された場合に、それに対応する、すなわち音声情報を生成することができる。例えば、判定結果提示用出力信号生成回路92は、走行中に確認行動の判定結果を通知する際、乗員が音声出力を希望する設定にしておけば、判定結果提示装置36を利用し、音声にて“先ほどの右折での確認行動は○点です。”等のアナウンスを行うこともできる。
【0166】
また、ナビゲーションシステムを装備し、そのルートガイドを使用する時には、各基本行動においてドライバが犯しやすいミスを個人特性データベースから検索し、ルート案内時に音声により気をつける点を提示することも可能である。
【0167】
上記表示用処理部48は、本発明の蓄積手段、検索手段、提供手段の機能を有するものである。
【0168】
このように本実施の形態では、乗員の運転状態に対応して基本行動を分類し、その基本行動に対する確認行動を評価(判定)し、提示している。この提示は、運転に影響の少ない範囲で提示しているので、確認行動の不足点や誤った点を運転中に指摘して、乗員の運転を強制することがない。また、常時乗員の確認行動を監視し、乗員の癖を把握した上で、運転に支障をきたすことの無い時点で、乗員に不適格な確認行動があった場面や良い確認行動をしていることを教示することができるので、安全行動が向上する。また、常に確認行動が監視することで、効果的に確認行動を良好な方向へ促すことができる。これによって事故などの緊急状態へ至ることの低減を図ることができる。従って、安全性を確保しつつ乗員の確認行動を評価することができる。
【0169】
また、基本行動のどの状態にいる場合にどの方向をどの程度見るべきかの一般的知識、例えば、右にステアリングを切る前に前もって右を充分見ておく、高速道路で頭部を大きく左右にふる確認を長くすべきでない、などを定量的に評価、判定することが可能である。
【0170】
なお、上記実施の形態では、基本行動としてシートに分類して用いて説明したが、本発明は、シートに限定されるものではなく、基本行動を把握可能なベクトル表現形式の数式を用いてもよい。
【0171】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、走行路形態及び移動体の挙動を導出して、走行路形態及び移動体の挙動を複数の基本行動内の一基本行動に分類し、規範の確認行動と、検出した確認行動とを比較した結果から乗員の確認行動を評価するので、基本行動のどの状態のときにどのような確認行動をなせばよいかを評価することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る確認行動評価装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る確認行動評価装置の基本構成を示すブロック図である。
【図3】確認行動評価装置において基本行動を分類する分類テーブルを示すイメージ図である。
【図4】右折行動のシートを示すイメージ図である。
【図5】左折行動のシートを示すイメージ図である。
【図6】右転回行動のシートを示すイメージ図である。
【図7】右側車線変更行動のシートを示すイメージ図である。
【図8】交差点直進行動のシートを示すイメージ図である。
【図9】確認行動判定装置の基本行動分類部で基本行動を分類する処理の過程を示すフローチャートである。
【図10】図9のステップ116の詳細を示すフローチャートである。
【図11】図9のステップ112の詳細を示すフローチャートである。
【図12】確認行動判定装置の基本行動分類部で、方向指示器の信号を用いて基本行動を分類する処理の過程を示すフローチャートである。
【図13】右折行動または左折行動について、操舵角θ及び車両回頭角φを用いてセル単位で区分けするための車両の挙動に関する基準例の説明図である。
【図14】右転回行動について、操舵角θ及び車両回頭角φを用いてセル単位で区分けするための車両の挙動に関する基準例の説明図である。
【図15】車線変更行動について、セル単位で区分けすることに関する基準例の説明図である。
【図16】交差点直進行動について、セル単位で区分けすることに関する基準例の説明図である。
【図17】状態マップを示すイメージ図である。
【図18】乗員の視線方向の範囲を示すイメージ図である。
【図19】視線配分演算部における視線方向の分類について示し、(A)、(B)は車両内外の装備品についての位置関係をを示し、(C)は窓ガラス領域通過した場合の説明図である。
【図20】確認行動判定装置に含まれる比較演算部の詳細を示すブロック図である。
【図21】規範視線配分データベースに記憶した視線配分得点表の一例を示すイメージ図である。
【図22】確認行動判定装置に含まれる表示用処理部の詳細を示すブロック図である。
【図23】車両内に装備された判定結果提示装置一例を示すイメージ図である。
【図24】判定結果提示装置に提示される確認行動についての判定結果の詳細を示すイメージ図である。
【図25】乗員の癖に関するデータの癖表示画面の一例を示すイメージ図である。
【図26】事故占い結果表示画面の一例を示すイメージ図である。
【符号の説明】
10…確認行動評価装置
32…運転状態計測装置
34…確認行動判定装置
36…判定結果提示装置
40…基本行動分類部
42…基本行動内状態演算部
44…視線配分演算部
46…比較演算部
48…表示用処理部
50…シート
52…状態マップ
54…規範視線配分データベース
56…規範視線配分マップ
58…視線配分マップ
60…得点結果
62…事故事例データベース
64…個人特性データベース
【発明の属する技術分野】
本発明は、確認行動評価装置にかかり、特に、移動体の挙動に対応して乗員が確認すべき確認行動を評価する確認行動評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
走行中の車両などの移動体(以下、車両と総称する)の周囲における危険要因は、ドライバ自身の観察力および注意力によって把握されている。ドライバの心理状態、身体状態の不調などにより危険要因の見落とす場合がある。この場合、事故寸前の状態になってドライバがひやりとしたり、最悪の場合は、事故にいたったりする。
【0003】
このため、ドライバの視線方向を検出して、視線配分よりドライバがぼんやりしている状態の判定を行い、警報を発するようにした運転者状態判定装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
また、ドライバの状態を判定するものとして、ドライバの顔または視線の方向を検出して、運転状態検出手段で検出された運転状態に応じた基準値と視線方向を比較し、脇見運転の判定を行い、警報を発するようにした脇見運転判定装置が知られている(例えば、特許文献2を参照)。この脇見運転判定装置は、ドライバは車両前方を注視しなければならないとの前提から、ドライバの脇見状態を監視するものである。従って、安全確認のためにドライバが特定の方向、例えばサイドミラー、バックミラーまたは車両の左後方、右後方を見るという積極的な注意行動を監視するものではない。
【0005】
さらに、快適で安全な運転を支援するために、ドライバが気付いていない情報を確実に報知すると共に、認識しているものについては煩わしさを低減させることを目的としてドライバの注視方向、時間、頻度を用いて、適切な情報を報知する走行情報提供装置が知られている(例えば、特許文献3を参照)。
【0006】
また、カーナビゲーションのルート管理機能を用い、ドライバがとるべき注意行動を監視する車載情報処理装置が知られている(例えば、特許文献4を参照)。この車載情報処理装置では、カーナビゲーションのルート管理機能による目的地への案内中に、車両の外部環境を把握すると共に、その外部環境におけるドライバがとる行動に基づきドライバの視線が向かうべき視線領域を予測する。この予測結果の視線領域と、実際のドライバの視線領域の検出結果とを比較し、適合性を判定し、その結果を報知するこで、ドライバが行うべき注意行動を監視している。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−251273号公報 (第3−5頁、図1)
【特許文献2】
特開平8−207617号公報 (第3−4頁、図1)
【特許文献3】
特開平7−167688号公報 (第3−5頁、図1)
【特許文献4】
特開平2002−83400号公報 (第3−4頁、図2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カーナビゲーションのルート管理機能を用いたドライバの行動予測に基づく視線領域を予測する場合、例えば、カーナビゲーションのルート管理機能による目的地への案内中にその案内ルートに従わない等の逸脱行為が発生したり、ルート管理機能が非稼働でドライバの自由意志により走行されたりしたときには対処不可能である。
【0009】
また、通常のルートを熟知した通勤、通学、買い物時にカーナビゲーションのルート管理機能を用いるドライバは極めてまれである。また、交差点内の障害物等の検知を行うためには、インフラの整備が必須であり、コスト高になる。さらに、運転中視線を誘導する等の行為によって、危険な状況にドライバを追い込む可能性もある。
【0010】
本発明は、上記事実を考慮して、車両などの移動体の挙動に応じて乗員がなした確認行動を適切に評価できる確認行動評価装置を得ることが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明者は、ルート管理の上で確認行動の不足点や誤った点を運転中に指摘して、乗員(運転者やドライバ)の運転を無理に変更することよりも、常に乗員の確認行動を監視し、乗員の癖を把握した上で、運転に支障をきたすことの無い時点で、乗員に不適格な確認行動があった場面や良い確認行動をしていることを教示することが安全面でも有用である、という知見を得た。また、常に確認行動が監視することで、効果的に確認行動の癖をつけることが可能となり事故などの緊急状態へ至ることの低減を図ることができたり、仮にルート管理を行う場合に次の行動に至る以前に、乗員個人の癖から気をつける箇所を事前に提示することができたりする、という知見も得た。これにより、安全性を確保しつつ乗員の確認行動を評価することを可能とする本発明に至った。
【0012】
本発明の確認行動評価装置は、移動体の走行状態及び走行軌跡を検出すると共に、該移動体を操縦する乗員の確認行動を検出する検出手段と、予め記憶された地図データ及び前記走行軌跡から前記移動体が走行する走行路形態を導出しかつ前記走行状態から前記移動体の挙動を導出すると共に、導出した走行路形態及び移動体の挙動を予め定めた複数の基本行動内の一基本行動に分類する分類手段と、分類した基本行動における前記移動体の挙動遷移を求める演算手段と、前記挙動遷移と該挙動遷移において乗員が確認すべき確認行動との対応関係を予め記憶した規範データベースにより前記演算手段により求めた挙動遷移に対応する確認行動を抽出しかつ該抽出した確認行動と、前記検出した確認行動とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に基づいて前記乗員の確認行動を評価する評価手段と、を備えている。
【0013】
本発明の確認行動評価装置では、分類手段によって、地図データ及び検出手段により検出した移動体の走行軌跡から移動体が走行する走行路形態を導出する。また、検出手段により検出した走行状態から移動体の挙動を導出する。これと共に、導出した走行路形態及び移動体の挙動を複数の基本行動内の一基本行動に分類する。これにより、移動体の走行に関係した基本行動が得られる。演算手段は、分類した基本行動における移動体の挙動遷移を求める。この挙動遷移は、基本行動内における移動体の挙動に関する所定の期間ごとの状態及び変動や変動方向である。この挙動遷移に対応する規範データベースによる規範の確認行動と、検出手段により検出した確認行動とを比較手段により比較する。この比較手段の比較結果に基づいて評価手段は乗員の確認行動を評価する。これにより、基本行動のどの状態のときにどのような確認行動をなせばよいかを評価することが可能である。
【0014】
前記検出手段は、前記移動体を操縦する乗員の確認行動として、乗員の視線行動を検出する確認行動検出手段を含むことを特徴とする。
【0015】
乗員の確認行動として、代表的なものは目視確認である。この目視確認は、移動体内の様々な機器や移動体に関係する移動体外の物品に対してなされることが多い。これを把握するためには、視線方向が有効である。従って、確認行動として、乗員の視線行動を検出する確認行動検出手段を含むことで、容易に確認行動を把握することができる。
【0016】
前記評価手段は、前記比較手段の比較結果が予め定めた条件を越えたときに前記確認行動が良好であると判定する判定手段を含むことを特徴とする。
【0017】
乗員が確認行動の評価結果を参照する場合、その確認行動の良否を提示することが直感的である。そこで、評価手段が判定手段を含み、確認行動の評価を、比較結果が予め定めた条件を越えたときに良好であると判定するものとする。これによって、確認行動の良否が提示でき、乗員は直感的に確認行動を把握することができる。
【0018】
前記比較手段の規範データベースは、前記基本行動内における移動体の挙動遷移の過程点と、該挙動遷移の過程点における確認行動との対応関係を前記基本行動毎に備え、該対応関係毎に評価基準の数量データを付加したことを特徴とする。
【0019】
基本行動内では多様な挙動遷移になる。そこで、規範データベースとして、基本行動内における移動体の挙動遷移の過程点と、挙動遷移の過程点における確認行動との対応関係を基本行動毎に備えることで、基本行動内において容易に確認行動を特定することができる。また、対応関係毎に評価基準の数量データを付加することで、数値化したデータにより評価が容易となる。
【0020】
この場合、前記基本行動内における移動体の挙動遷移の過程点は、移動体の操舵角、方向指示、速度、位置、交差点までの距離、交差点の形態、ギアポジションなどの移動体の装備品や走行路形態で分類することによって、基本行動内の多様な挙動遷移を緻密に特定することが可能となる。
【0021】
前記挙動遷移の過程点における確認行動は、乗員の視線行動であり、前記数量データは予め定めた規範視線配分と注視時間に対する危険度合いを表す数量データであることを特徴とする。
【0022】
乗員の確認行動として視線行動を採用することで、乗員の確認行動の把握は容易となる。また、評価基準の数量データとして規範視線配分と注視時間に対する危険度合いを採用することで、確認行動の危険性を数値化した評価に変換することが可能となる。
【0023】
前記挙動遷移に対する前記評価手段の評価結果を履歴として記憶する履歴手段をさらに備えることを特徴とする。
【0024】
乗員は、確認行動を怠ったり少なかったりすることが傾向的に現れる場合がある。そこで、挙動遷移に対する評価手段の評価結果を履歴として記憶することで、その履歴には傾向が現れることになる。この履歴を抽出すれば、乗員の過去の履歴から、乗員が犯しやすい不適格な確認行動を抽出することができ、具体的な確認行動の改善方法などを容易にフィードバックできる。これにより、適正な確認行動を習得しやすく、事故などの緊急状態へ移行することの低減を図ることができる。また、乗員の安全意識の向上、運転スキルの向上が図られ、確認を忘れることが抑制できる。
【0025】
前記基本行動は、右折、左折、右側走行路変更、左側走行路変更、直進、及び右転回の何れか1つの挙動と、該挙動を遂行した走行路について叉路を有する交差点、非交差点、信号の有無、優先側からの進入、非優先側からの進入の何れか1つの走行路形態との組み合わせで定められることを特徴とする。
【0026】
走行路を走行するときの車両の挙動は、移動体を操縦する乗員の行動が反映される。そこで、基本行動は、右折、左折、右側走行路変更、左側走行路変更、直進及び右転回の何れか1つの挙動と、挙動を遂行した走行路について叉路を有する交差点、非交差点、信号の有無、優先側からの進入、非優先側からの進入の何れか1つの走行路形態との組み合わせで定めることで、基本行動のほぼ全てを分類することができる。
【0027】
前記検出手段は、移動体の走行状態を検出する走行状態検出手段と、前記移動体の走行軌跡を検出する走行軌跡検出手段との各々の検出手段を有することができる。また、前記分類手段は、予め記憶された地図データ及び前記走行軌跡に基づいて前記移動体が走行する走行路形態を導出する走行路形態導出手段と、前記走行状態に基づいて前記移動体の挙動を導出する挙動導出手段とを含むことができる。
【0028】
前記検出手段は、操舵角センサ、移動体速度センサ、ヨーレイトセンサ、移動体制動指示量センサ、移動体加速指示量センサ、方向指示センサ、走行路検出センサ、移動体位置センサの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0029】
車両の挙動や確認行動を検出する場合、車両に搭載された機器を用いることが好ましい。そこで、操舵角センサ、移動体速度センサ、ヨーレイトセンサ、移動体制動指示量センサ、移動体加速指示量センサ、方向指示センサ、走行路検出センサ、移動体位置センサの少なくとも1つを用いることによって、容易かつ簡便に緻密な検出が可能となる。
【0030】
前記挙動遷移に対する前記評価手段の評価結果を提示する提示手段をさらに備えることを特徴とする。このように、提示手段を備えることで、評価結果を容易に提示することが可能となる。
【0031】
前記挙動遷移において乗員が確認すべき確認行動に対応する移動体の事例を記憶した事例データベースと、前記挙動遷移に対する前記評価手段の評価結果を前記乗員毎に分類して蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積した評価結果から前記乗員の傾向を求めて乗員の傾向に対応する前記事例を検索する検索手段と、前記検索手段の検索結果を提供する提供手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0032】
従って、蓄積手段には乗員の過去の評価結果を蓄積でき、蓄積された傾向から乗員が陥りやすい緊急状態について事例データベースから抽出することで、不適格な確認行動を抽出できるので、具体的な確認行動の改善方法を乗員にフィードバックでき、適正な確認行動を習得しやすくなり、事故などの緊急状態に陥る危険性の低減を図ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。本実施の形態は、走行時における車両の挙動に対する乗員(ドライバ)の確認行動の良否を判定する確認行動判定装置として機能する部分を含む確認行動評価装置に本発明を適用したものである。
【0034】
図2に示すように、本実施の形態にかかる確認行動評価装置10は、CPU12、ROM14、RAM16、及び入出力インタフェース18をデータやコマンドを授受可能にバスにより接続したコンピュータを含んで構成されると共に、車両に搭載可能に構成されている。入出力インタフェース18には、各種データを記憶したメモリ20が接続されている。
【0035】
また、入出力インタフェース18には、各種センサ22、メディアリードライト装置24、出力装置としてのプリンタ26、入力装置としてのキーボード28、及び表示装置としてのモニタ30が接続されている。なお、プリンタ26は必須の構成ではなく、本実施の形態の確認行動評価装置10の評価結果を印刷する場合に接続する。また、メディアリードライト装置24も必須の構成ではなく、後述する処理ルーチンの読み書きや確認行動評価装置10の評価結果のデータを読み書きしたり、各種データを読み書きしたりするときに接続する。
【0036】
各種センサ22には、運転状態計測装置として、車両の挙動を検出するための挙動検出センサ及び車両の乗員の行動を検出する行動検出センサが含まれている。挙動検出センサの一例としては、操舵角センサ、車速センサ、ヨーレートセンサ、ブレーキペダル踏込み量センサ、アクセルペダル踏込み量センサ、及びウィンカセンサなどがある。また、車両の挙動として道路などの走行路における車線に対する挙動を把握するために、車線を検出する車線検出装置などの検出センサを含むことができ、また車両の位置を把握するためにGPSなどの位置検出センサを含むことができる。車線検出装置の一例には特開平08−261756号公報に開示された技術がある。さらに、ナビゲーションシステムのように、地図データを有して車両の経路を案内したり経路履歴を記憶したりする経路案内装置を含むことができる。
【0037】
行動検出センサの一例としては、乗員の視線方向や顔向きを検出する検出装置、乗員を撮影した画像により乗員を識別する識別装置がある。これらの装置の一例には、特開平11−276438号公報や特開平2000−168502号公報に開示された技術や市販製品(seeingmachines社製faceLab)がある。
【0038】
図1に示すように、確認行動評価装置10は、上記ハードウェア資源及び後述するソフトウェア資源を利用した、運転状態計測装置32、確認行動判定装置34、及び判定結果提示装置36に機能的に分類して構成される。本実施の形態の確認行動評価装置10は、運転状態計測装置32により運転状態を計測して、その運転状態の計測値を用いて確認行動判定装置34により乗員の確認行動を判定し、その判定結果を判定結果提示装置36において提示する。
【0039】
なお、判定結果提示装置36は、乗員の確認行動の判定結果を、印刷したり、表示したりする提示装置であり、プリンタなどの印刷装置、ディスプレイなどの表示装置、スピーカなどの拡声装置が一例として挙げられる。
【0040】
確認行動評価装置10を構成する運転状態計測装置32は、車両の挙動及び乗員の行動を含む運転状態を計測する装置であり、各種センサの検出値から、車両の挙動や車両の乗員の行動を含む運転状態を計測する。
【0041】
すなわち、操舵角センサ、車速センサ、ヨーレートセンサ、ブレーキペダル踏込み量センサ、アクセルペダル踏込み量センサ、及びウィンカセンサなどにより車両の挙動を把握して運転状態を求める。また、車線検出装置などの検出値により道路などの走行路における車線を把握したり、GPS(衛生利用測位システム)やGIS(地理情報システム)などの位置検出値により車両の位置や方向そして周囲の状況などを把握することもできる。また、運転状態計測装置32は、乗員の視線方向や顔向きを検出する検出装置による検出値から乗員の行動を計測したり、乗員を撮影した画像から乗員を識別する計測をしたりすることもできる。
【0042】
確認行動判定装置34は、運転状態計測装置32による計測結果から乗員の確認行動を判定するもので、基本行動分類部40、基本行動内状態演算部42、視線配分演算部44、比較演算部46、及び表示用処理部48から構成される。これらの基本行動分類部40、基本行動内状態演算部42、視線配分演算部44、比較演算部46及び表示用処理部48には、運転状態計測装置32の計測信号が入力されるように、運転状態計測装置32に接続されている。
【0043】
上記運転状態計測装置32は、本発明の検出手段に対応し、基本行動分類部40は本発明の分類手段に対応する。また、運転状態計測装置32は、走行状態検出手段及び走行軌跡検出手段の機能を含んでいる。また、基本行動内状態演算部42は本発明の演算手段に対応し、比較演算部46は本発明の比較手段に対応する。また、表示用処理部48は本発明の評価手段に対応し、判定結果提示装置36は本発明の提示手段に相当する。
【0044】
また、運転状態計測装置32における乗員の視線方向や顔の向きを検出する装置は、本発明の確認行動検出手段に相当する。また、表示用処理部48は、本発明の判定手段の機能を含んでいる。また、規範視線配分データベース54は、本発明の規範データベースに相当する。
【0045】
基本行動分類部40は運転状態計測装置32から出力された計測信号を用いて車両の挙動、及びこの挙動がなされた際の道路形態を求め、乗員による運転状態を、挙動と道路形態の組合わせからなる基本行動に分類するものである。基本行動分類部40は、運転状態計測装置32の計測信号が入力されるように運転状態計測装置32に接続され、その出力が基本行動内状態演算部42及び比較演算部46に出力されるように接続されている。
【0046】
この基本行動分類部40は、まず運転状態計測装置32から出力された計測信号を用いて車両の挙動(行動)を求め、次に、この車両の挙動(行動)が行われた際の道路形態を、運転状態計測装置32から出力された計測信号を用いて求める。これらの車両の挙動(行動)と道路形態を組合わせたものを基本行動とする。そして、基本行動分類部40は、運転状態計測装置32から出力された計測信号に対応する乗員による運転状態を、挙動と道路形態の組合わせからなる基本行動に分類する。
【0047】
図3には、上述のような車両の挙動と道路形態の組合わせからなる基本行動の分類テーブル41の一例を示した。本実施の形態では、上記車両の挙動の一例として、右折、左折、右側車線変更、左側車線変更、交差点直進、右転回の6つの車両の挙動(行動)を採用している。また、道路形態の一例として、信号のある4叉路以上の交差点、信号のある4叉路未満の交差点、信号のない交差点で優先側より進入、信号のない交差点で非優先側より進入、非交差点の5つの道路形態を採用している。
【0048】
また、本実施の形態では、基本行動として、図3に「○」印で示すように、21個の基本行動を採用する。従って、運転状態計測装置32による計測結果から、乗員による運転状態として、21個のうちの何れかの基本行動に分類される。
【0049】
また、本実施の形態では、車両の挙動(行動)と道路形態を組合わせからなる基本行動の各々を、シート50に対応させている。シート50は、基本行動を車両の挙動及び道路形態の遷移を含んで表現するための情報集合体である。図4乃至図8には本実施の形態において基本行動分類部40で分類される基本行動に対して用いられるシート50の一例を示した。これらのシート50は、確認行動評価装置10のメモリ20に記憶されている。
【0050】
図4は、右折行動で分類された基本行動用のシート例を示した。すなわち、信号有りで4叉路以上の交差点での右折行動、信号有りで4叉路未満の交差点での右折行動、信号無の交差点で優先側より進入したときの右折行動、信号無の交差点で非優先側より進入したときの右折行動、非交差点での右折行動の何れかの右折行動として基本行動が分類されたときに用いられるシート50Aの一例である。
【0051】
このシート50Aは、横軸に所定間隔の車速(速度軸)、縦軸に所定間隔の車両回頭(ステアリング操舵軸)で範囲を規定した複数のセルに分割されている。各セルにはセルの位置を特定するためのセル番号が付されている。図4の例では各セルの左下付近に2桁の数で表記している。ここでは、第1の桁を、車両回頭(ステアリング操舵軸)の範囲として右折準備、右折開始から右折中、右折中から右折終了の挙動を識別する数の「1」〜「3」で表している。また、第2の桁を、車速(速度軸)として0〜1km/hでブレーキオン、0〜1km/hでブレーキオフまたは1〜10km/h、10〜25km/h、25〜40km/h、40km/h以上の範囲を識別する数の「0」〜「4」で表している。従って、例えば、車速が10km/h〜25km/hで右折開始から右折中の状態は、セル番号「22」が対応される。
【0052】
図5は、左折行動で分類された基本行動用のシート例を示した。すなわち、信号有りで4叉路以上の交差点での左折行動、信号有りで4叉路未満の交差点での左折行動、信号無の交差点で優先側より進入したときの左折行動、信号無の交差点で非優先側より進入したときの左折行動、非交差点での左折行動の何れかの左折行動として基本行動が分類されたときに用いられるシート50Bの一例である。
【0053】
このシート50Bも、シート50Aと同様に、横軸に所定間隔の車速(速度軸)、縦軸に所定間隔の車両回頭(ステアリング操舵軸)で範囲を規定した複数のセルに分割されている。また、シート50Bのセル番号も同様に、第1の桁を、車両回頭(ステアリング操舵軸)の範囲を識別する数の「1」〜「3」で表し、第2の桁を、車速(速度軸)の範囲を識別する数の「0」〜「4」で表している。
【0054】
図6は、右転回行動で分類された基本行動用のシート例である。すなわち信号有りで4叉路以上の交差点での右転回行動、信号有りで4叉路未満の交差点での右転回行動、信号無の交差点で優先側より進入したときの右転回行動、信号無の交差点で非優先側より進入したときの右転回行動、非交差点での右転回行動の何れかの右転回行動として基本行動が分類されたときに用いられるシート50Cである。
【0055】
このシート50Cは、横軸に所定間隔の車速(速度軸)、縦軸に所定間隔の車両回頭(ステアリング操舵軸)で範囲を規定した複数のセルに分割されている。シート50Cの基本行動は、転回行動であり、車両の挙動として切り返しなど様々な挙動を含むことが考えられるため、セルは、次のように分割されている。車両回頭(ステアリング操舵軸)の範囲として行動開始から右転回準備までの準備段階を準備Aと準備Bとの2つを設けている。準備Bは、左方向ステアリング動作からステアリング中立位置までの挙動であり、準備Aは、右方向ステアリング動作からステアリング中立位置までの挙動である。そして、右転回開始から、右転回中までの挙動、右転回中から右転回終了までの挙動に分割している。これらを識別するために、セル番号の第1の桁を、数「0」〜「3」で表している。車速(速度軸)としては、後退を含むため、後退の範囲を設けて、前進と差異を付するためにセル番号にはマイナス符号「−」を付している。すなわち、第2の桁を、車速(速度軸)として、後退、0〜1km/hでブレーキオン、0〜1km/hでブレーキオフまたは1〜10km/h、10〜25km/h、25〜40km/h、40km/h以上の範囲を識別する数の「−1」、「0」〜「4」で表している。
【0056】
図7は、非交差点での右側車線変更行動として基本行動が分類されたときに用いられるシート50Dを示した。このシート50Dは、横軸に所定間隔の車速(速度軸)、縦軸に車線の跨ぎ状態(跨ぎ始めを基準として)で範囲を規定した複数のセルに分割されている。なお、左側車線変更行動に対応するシート50はシート50Dと同様であり、跨ぐ車線を左側とすれば良い。
【0057】
このシート50Dの基本行動は、車線変更行動であり、車両の高速走行などの挙動を含むことが考えられるため、車速(速度軸)についてセルを増加している。すなわち、上記のセルにおいて40km/h以上であった範囲を40km/h〜70km/hに変更し、70km/h以上の範囲を追加している。従って、セル番号として、第1の桁を、車線の跨ぎの範囲として車線変更準備と車線変更中の挙動を識別する数の「1」、「2」で表している。また、第2の桁を、車速(速度軸)として0〜1km/hでブレーキオン、0〜1km/hでブレーキオフまたは1〜10km/h、10〜25km/h、25〜40km/h、40km/h〜70km/h、70km/h以上の範囲を識別する数の「0」〜「5」で表している。
【0058】
図8は、交差点直進行動で分類されたシート例を示した。すなわち、信号有りで4叉路以上の交差点での交差点直進行動、信号有りで4叉路未満の交差点での交差点直進行動、信号無の交差点で優先側より進入したときの交差点直進行動、信号無の交差点で非優先側より進入したときの交差点直進行動の何れかの交差点直進行動として基本行動が分類されたときに用いられるシート50Eである。
【0059】
シート50Eは、横軸に所定間隔の車速(速度軸)、縦軸に交差点中心に対する車両位置を所定間隔で範囲を規定した複数のセルに分割されている。また、シート50Eのセル番号は、第1の桁を、交差点の通過前、通過直前、通過中の何れかの車両位置の範囲を識別する数の「1」〜「3」で表し、第2の桁を、車速(速度軸)の範囲を識別する数の「0」〜「4」で表している。
【0060】
次に、基本行動分類部40における基本行動を分類するアルゴリズムの一例を図9乃至図11を参照して説明する。
【0061】
図9に示すように、基本行動分類部40では基本行動を分類する処理ルーチンが実行され、ステップ102へ進み、車両の走行データを読み取る。次のステップ104では、運転状態計測装置32からの走行データから車両の走行軌跡を求めると共に、その走行軌跡と予め記憶された地図データとを照合する。なお、走行軌跡は、ナビゲーションシステムから抽出することができ、また地図データは、ナビゲーションシステムで用いる地図データやGISから入手することができる。これらの走行軌跡と地図データとの照合は、これら走行軌跡と地図データの幾何学的なデータを用いて行われる。
【0062】
次のステップ106では、走行軌跡上に交差点が存在するか否かを判断し、否定されると、次のステップ108において道路形態を非交差点と設定し、次のステップ110において道路境界線と走行軌跡が交差したか否かを判断する。ステップ110で肯定されると、ステップ112において後述する右左折行動判定ルーチンにより左折行動か右折行動と設定した後に本ルーチンを終了する。
【0063】
なお、ステップ108を経由したステップ112では、基本行動として、非交差点で左折行動または非交差点で右折行動の何れかに設定される(後述)。
【0064】
ステップ110で否定されると、ステップ114へ進み、同一道路の境界線内で道路中心線を跨いで走行方向が反対になったか否かを判断する。ステップ114で肯定されると、ステップ116において後述する右転回行動判定ルーチンにより右転回行動に関する行動を判定した後に本ルーチンを終了する。
【0065】
なお、ステップ108を経由したステップ116では、基本行動として、非交差点で右転回行動または交差点で右転回行動の何れかに設定される(後述)。
【0066】
ステップ114で否定されると、ステップ118へ進み、車両が車両の右側車線を跨いだか否かを判断し、肯定された場合には、ステップ120において、右側車線を跨ぐ前の4秒間及び跨いだ後の2秒間を右側車線変更と設定して本ルーチンを終了する。なお、ステップ120では、基本行動として、非交差点で右側車線変更行動が設定される。
【0067】
ステップ118で否定されると、ステップ122へ進み、車両が車両の左側車線を跨いだか否かを判断し、肯定された場合には、ステップ124において、左側車線を跨ぐ前の4秒間及び跨いだ後の2秒間を左側車線変更と設定して本ルーチンを終了する。なお、ステップ124では、基本行動として、非交差点で左側車線変更行動が設定される。
【0068】
ステップ122で否定されると、ステップ126へ進み、道なりの走行と設定され、本ルーチンを終了する。このステップ126では、基本行動の設定を行う必要はないが、道成の走行について確認行動を評価する場合には、その設定を行うようにしてもよい。
【0069】
走行軌跡上に交差点が存在して上記ステップ106において肯定された場合には、ステップ128において道路形態として交差点の形態を抽出する。このステップ128では、まず地図データを参照して、その交差点の信号有無を判別する。次に、信号有りのとき、その交差点が4叉路以上か否かを判別し、信号無のとき、進入形態が優先側からか非優先側からかを判別する。これによって、ステップ128では、道路形態として、信号有りで4叉路以上の交差点、信号有りで4叉路未満の交差点、信号無の交差点で優先側から進入、信号無の交差点で非優先側から進入、の何れかを道路形態と設定する。
【0070】
次のステップ130では、車両が交差点を通過する前後(例えば各々20m走行時)において車両進行方向の変動が30度以上で135度未満であるか否かを判断する。ステップ130で肯定されると、ステップ112へ進み、右左折行動判定ルーチンが実行される。
【0071】
なお、ここでは、ステップ128を経由したステップ112において設定される基本行動として、信号有りで4叉路以上の交差点、信号有りで4叉路未満の交差点、信号無の交差点で優先側から進入、信号無の交差点で非優先側から進入、の何れかを道路形態と、左折行動または右折行動の何れかの組み合わせが設定される。
【0072】
また、上記ステップ130の判断で車両進行方向の変動量として、30度以上で135度未満を採用したが、この数値に限定されるものではなく、車両の右折行動または左折行動を実行するときにおける車両進行方向の角度の上限及び下限を設定すればよい。この数値は、実験的に求めたり、統計的に求めたりしてもよい。
【0073】
ステップ130で否定されると、ステップ132へ進み、同一道路の境界線内で道路中心線を跨いで走行方向が反対になったか否かを判断する。ステップ132で肯定されると、ステップ116へ進み、右転回行動判定ルーチンが実行される。
【0074】
なお、ここでは、ステップ128を経由したステップ116において設定される基本行動として、信号有りで4叉路以上の交差点、信号有りで4叉路未満の交差点、信号無の交差点で優先側から進入、信号無の交差点で非優先側から進入、の何れかを道路形態と、右転回行動の組み合わせが設定される。
【0075】
上記ステップ132で否定されると、ステップ134へ進み、交差点の前60mから交差点後30以内の期間を交差点直進行動と設定した後に本ルーチンを終了する。なお、このステップ134では、信号有りで4叉路以上の交差点、信号有りで4叉路未満の交差点、信号無の交差点で優先側から進入、信号無の交差点で非優先側から進入、の何れかを道路形態と、直進である車両の挙動の組み合わせが基本行動として設定される。
【0076】
なお、上記のルーチンでは、図3に示す分類テーブル41に基づく基本行動に分類する場合を想定し、交差点付近で車線変更を除いているが、これに限定されるものではなく、交差点付近で車線変更を行った場合を基本行動に追加してもよいことは勿論である。
【0077】
図10に示すように、上記ステップ116では右転回行動判定ルーチンが実行される。
【0078】
この右転回行動判定ルーチンでは、まず、ステップ136において、交差点を追加したか否かを判断する。すなわち、上述のようにステップ106の判断結果に基づいて判別され、否定されると(非交差点)ステップ138へ進み、肯定されると(交差点通過)ステップ140へ進む。
【0079】
ステップ138では、道路中心線を横切る60m前となる時点から道路中心線を横切った地点から20m離れるまでの期間を右転回行動と設定する。ステップ140では、車両の進行方向を右方向に変更した交差点の60m前となる時点から30m後となる時点までの期間を右転回行動と設定する。
【0080】
図11に示すように、上記ステップ112では右左折行動判定ルーチンが実行される。
【0081】
この右左折行動判定ルーチンでは、まず、ステップ142において、交差点通過前後で(各々20m走行時)の車両進行方向の変化が進行方向に対して右側になるかまたは進行方向の右側の道路境界線上を走行軌跡が交差するか否かを判断する。すなわち、車両の挙動が右折行動か左折行動かを判断する。
【0082】
右折行動であり、ステップ142で肯定されると、ステップ144へ進み、交差点を通過したか否かを判断する。ステップ144で肯定されると、ステップ146へ進み、進行方向を右に変更した交差点の60m前となる時点から30m後となる時点までの期間を右折行動と設定して、本ルーチンを終了する。
【0083】
一方、ステップ144で否定されると、ステップ148において道路境界内から境界外へ移動する場合であるか否かを判断する。ステップ148において肯定されると、ステップ150へ進み、道路中心線を横切る60m前となる時点から道路境界外に出て1秒後までの期間を右折行動と設定し、本ルーチンを終了する。ステップ148で否定すなわち道路境界外から境界内に進入した場合には、ステップ152へ進み、道路境界内に進入する2秒前から道路中心線を横切って20m走行する時点までの期間を右折行動と設定し、本ルーチンを終了する。
【0084】
左折行動であり、ステップ142で否定されると、ステップ154へ進み、交差点を通過したか否かを判断する。ステップ154で肯定されると、ステップ156へ進み、進行方向を左に変更した交差点の60m前となる時点から30m後となる時点までの期間を左折行動と設定して、本ルーチンを終了する。
【0085】
一方、ステップ154で否定されると、ステップ158において道路境界内から境界外へ移動する場合であるか否かを判断する。ステップ158において肯定されると、ステップ160へ進み、道路中心線を横切る60m前となる時点から道路境界外に出て1秒後までの期間を左折行動と設定し、本ルーチンを終了する。ステップ158で否定すなわち道路境界外から境界内に進入した場合には、ステップ162へ進み、道路境界内に進入する2秒前から道路中心線を横切って20m走行する時点までの期間を左折行動と設定し、本ルーチンを終了する。
【0086】
以上のようにして、例えば、交差点を通り、交差点前後20mでの車両の方位角変化が30度以上135度未満であって、その際の交差点形状を行動が行われた交差点の地図データより、例えば信号のある4叉路以上の交差点と判断された場合、進行方向を右に変えた交差点の60m前となる時点から30m後となる時点までの期間を抽出し、信号のある4叉路以上交差点での右折行動という基本行動が抽出される。
【0087】
従って、基本行動分類部40では、例えば信号のある叉路以上の交差点での右折行動等の基本行動を乗員の行動後にその行動による車両の挙動や道路形態で分類し、その基本行動毎にシート50を選択し、基本行動内状態演算部42へ出力する。
【0088】
なお、上記では、走行軌跡と地図データとから基本行動を設定した場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、運転状態計測装置32の計測値の何れかを用いて基本行動を設定してもよい。一例として、ウィンカ(方向指示器)の信号を用いて基本行動を設定する場合を説明する。
【0089】
なお、上記図9乃至図11の処理は、本発明の演算手段の機能に相当し、走行路形態導出手段と挙動導出手段の機能も含んでいる。
【0090】
図12に示すように、基本行動分類部40でウィンカ信号を用いた基本行動を分類する処理ルーチンが実行され、ステップ202へ進み、車両の走行データを読み取る。次のステップ204では、運転状態計測装置32からの走行データから車両の走行軌跡を求めると共に、その走行軌跡と予め記憶された地図データとを照合する。
【0091】
次のステップ206では、走行軌跡上に交差点が存在するか否かを判断し、否定されると、次のステップ208において道路形態を非交差点と設定し、次のステップ210においてウィンカ(方向指示器)がオン)した(指示されたか否かを判断する。ステップ210で否定されるとステップ218において道なりの走行と設定し、本ルーチンを終了する。
【0092】
一方、ステップ210で肯定されると、ステップ212においてウィンカがオンした1秒前とオフした1秒後の車両の進行方向変化が30度未満か否かを判断する。ステップ212で肯定されるとステップ216へ進み、車両が車線を跨いだか否かを判断し、否定されるとステップ218へ進み、肯定されると、ステップ220へ進む。
【0093】
ステップ220では、右ウィンカがオンしたか否かを判断し、肯定されるとステップ222において、ウィンカがオンしていた期間を含めて前後3秒間を右車線変更行動と設定し、本ルーチンを終了する。一方、ステップ220で否定されると、ステップ224へ進み、ウィンカがオンしていた期間を含めて前後3秒間を左車線変更行動と設定する。
【0094】
車両の進行方向変化が30度以上の場合には、ステップ212で否定され、ステップ214へ進み、車両の進行方向変化が30度以上でかつ135度未満か否かを判断する。ステップ214で肯定されると、ステップ240へ進み、右ウィンカがオンしたか否かを判断し、肯定されるとステップ242においてウィンカがオンしていた期間を含めて前後3秒間を右折行動と設定し、本ルーチンを終了する。一方、ステップ240で否定されると、ステップ244へ進みウィンカがオンしていた期間を含めて前後3秒間を左折行動と設定する。
【0095】
一方、ステップ214で否定されるとステップ234へ進み、右ウィンカがオンしたか否かを判断し、肯定されると、ステップ238においてウィンカがオンしていた期間を含め前後3秒間とステアリングが中立位置を1秒間保持するまでの期間を右転回行動に設定した後に本ルーチンを終了する。ステップ234で否定されると、ステップ236においてステップ238と逆、すなわちウィンカがオンしていた期間を含め前後3秒間とステアリングが中立位置を1秒間保持するまでの期間を左転回行動に設定する。なお、左転回行動は、図3の分類テーブル41に含まれていないが、右転回行動と同様に扱うことができる。
【0096】
走行軌跡上に交差点が存在して上記ステップ206において肯定された場合には、ステップ226において道路形態として交差点の形態を抽出する。このステップ226では、上記ステップ128と同様に、道路形態として、信号有りで4叉路以上の交差点、信号有りで4叉路未満の交差点、信号無の交差点で優先側から進入、信号無の交差点で非優先側から進入、の何れかを道路形態と設定する。
【0097】
次のステップ228では、交差点付近でウィンカがオンしたか否かを判断する。ステップ228で肯定されると、ステップ230へ進み、交差点位置前後(例えば各々20m)の車両の進行方向の変動が30度以上でかつ135度未満であるか否かを判断する。ステップ230で否定されると、ステップ232において車両進行方向変化が135度以上か否かを判断し、肯定されるとステップ234へ進み、否定されるとステップ216へ進む。
【0098】
一方、ステップ230で肯定されると、ステップ240へ進み、右ウィンカがオンしたか否かを判断し、肯定されるとステップ242において、ウィンカがオンしていた期間を含めて前後3秒間を右折行動と設定し、本ルーチンを終了する。一方、ステップ240で否定されると、ステップ244へ進み、ウィンカがオンしていた期間を含めて前後3秒間を左折行動と設定する。
【0099】
上記ステップ228で否定されると、ステップ246へ進む。ステップ246では、交差点位置前後における車両の進行方向の変化が30度未満であったか否かを判断する。ステップ246で肯定されると、交差点真40mから交差点後20m以内であった期間を交差点直進行動に設定して本ルーチンを終了する。一方、ステップ246で否定されると、基本行動を設定することなく、ステップ250においてウィンカ消し忘れ状態であることを設定し、本ルーチンを終了する。
【0100】
図1に示す基本行動内状態演算部42は、基本行動分類部40で分類した基本行動において、どのような状態を遷移したかを表す遷移の過程、すなわち基本行動内における状態を求めるものである。
【0101】
すなわち、基本行動内状態演算部42では、運転状態計測装置32による計測結果から基本行動である、乗員によってなされた車両の操縦に対する車両の挙動についてその遷移を求めるもので、基本行動内状態演算部42は、運転状態計測装置32の計測信号が入力されるように運転状態計測装置32に接続され、その出力が視線配分演算部44及び比較演算部46に出力されるように接続されている。
【0102】
この基本行動内状態演算部42は、基本行動分類部40で分類された基本行動のシート50に、どのような状態からどのように遷移したかを記録した状態マップ52を生成し、出力する。この状態マップ52を生成するために、基本行動内状態演算部42は、基本行動を遷移を把握する。この遷移の把握は、シート50のセル単位で行われる。言い換えれば、基本行動内状態演算部42では、基本行動を、シート50のセル単位で区分けし、その区分けしたセル間の関係を遷移として扱う。
【0103】
図13乃至図16には、基本行動内における状態の遷移を、セル単位で区分けするための基準の一例を示した。
【0104】
図13は、右折行動または左折行動の基準行動について、すなわちシート50A,50Bを、操舵角θ及び車両回頭角φを用いてセル単位で区分けするための車両の挙動に関する基準例を示した。まず、右折行動について説明する。シート50Aの横軸の車速に関する分類は上記図4と同様である。縦軸の車両回頭角(操舵角)は、右折準備、右折開始から右折中、右折中から右折終了の挙動で分類する。この分類基準を、本実施の形態では、ステアリングの中立位置を0度の原点としたときに、30度、及び車両回頭角変化量の60%の時点を採用している。
【0105】
すなわち、右折行動が抽出された時間区間において、ステアリングの中立位置を0度として、操舵角θが右方向に最大となった時点から遡って、右側に30度未満となる時点以前を右折準備状態と分類する。また、右折準備状態の終了時の車両回頭角φを0とし右折行動終了時までの車両回頭角変化量をACと表す。そして、右折準備状態以降で車両回頭角φが車両回頭角変化量ACの65%となった時点までを右折開始〜右折中の状態、それ以降を右折中〜右折終了の状態として分類する。
【0106】
なお、左折行動は、右折行動と対称的でほぼ同様であり、上述の右折を左折におきかえれば良いため、説明を省略する。
【0107】
また、上記基準として、ステアリングの中立位置を0度の原点としたときに、30度、及び車両回頭角変化量の65%の時点を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、実験的や統計的に求めた任意の角度や任意の比率を基準として採用してもよい。
【0108】
図14は、右回転行動の基準行動について、すなわちシート50Cを、操舵角θ及び車両回頭角φを用いてセル単位で区分けするための車両の挙動に関する基準例を示した。シート50Cの横軸の車速に関する分類は上記図6にも示したが、前進か後進かをギアレンジまたは車速で判別する。前進時の車速の詳細分類は上述と同様である。縦軸の車両回頭角(操舵角)は、右転回準備、右転回開始から右転回中、右転回中から右転回終了の挙動で分類する。この分類基準を、本実施の形態では、ステアリングの中立位置を0度の原点としたときに、10度、30度、及び車両回頭角変化量の90%の時点を採用している。
【0109】
すなわち、右転回行動が抽出された時間区間において、交差点前10m時の車両回頭角φを0とし、車両回頭角φが右側90度未満で、操舵角θが右方向に最大となった時点から遡って、右側に30度未満となる時点以前を右転回準備状態と分類する。そして、分類した右転回準備状態内をさらに、ステアリングが中立位置より左側10度未満の右側である時(準備A)と、それ以外の時(準備B)の2つに分類する。次に、右転回準備状態から、右転回行動の開始時点から終了時までの車両回頭角変化量ACの90%となった時点までを右転回開始〜右転回中状態、それ以降を右転回中〜右転回終了状態として分類する。
【0110】
なお、本実施の形態では左転回行動について説明を省略するが、右転回行動とほぼ同様に扱うことができ、上述の右転回を左転回におきかえて分類することができる。
【0111】
また、上記基準として、ステアリングの中立位置を0度の原点としたときに、10度、30度、及び車両回頭角変化量の90%の時点を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、実験的や統計的に求めた任意の角度や任意の比率を基準として採用してもよい。
【0112】
図15は、右車線変更行動の基準行動について、すなわちシート50Dを、セル単位で区分けするための車両の挙動に関する基準例を示した。まず、右側車線行動について説明する。シート50Dの横軸の車速に関する分類は上記図7と同様である。縦軸の車線の跨ぎは、右側車線変更準備、右側車線変更中の挙動で分類する。この分類基準を、本実施の形態では、車線と車両の位置関係のうち車両右端が右側車線上に至る時点を採用している。
【0113】
すなわち、右側車線変更行動が抽出された時間区間において、行動開始から車両右端が右側車線上に至る時点以前を右側車線変更準備状態とし、右側車線準備状態以降から行動終了までを右側車線変更中〜行動終了として分類する。この場合の行動終了は、右側車線変更が完了してから所定時間を経過(2秒後)したまでの期間を含めることが好ましい。
【0114】
なお、左側車線変更行動は、右側車線変更行動とほぼ同様であり、上述の右側車線変更を左側車線変更におきかえれば良いため、説明を省略する。
【0115】
また、上記基準として、車線と車両の位置関係のうち車両右端が右側車線上に至る時点を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両に予め定めた位置や車線を基準として所定距離を隔てた位置を採用してもよい。
【0116】
図16は、交差点直進行動の基準行動について、すなわちシート50Eを、車両と交差点の距離関係を用いてセル単位で区分けするための車両の挙動に関する基準例を示した。シート50Eの横軸の車速に関する分類は上記図8と同様である。縦軸の車両と交差点の距離関係は、通過前、通過直前、通過中と通過後の挙動で分類する。この分類基準を、本実施の形態では、車両の交差点までの距離が10m、30mである時点を採用している。
【0117】
すなわち、交差点直進行動が抽出された期間において、交差点の基準位置を0として、行動開始から交差点の基準位置から車両の位置が10m前となる時点までを通過前状態と分類する。また、通過前状態の終了時(基準位置から10m前)から交差点の基準位置までを通過直前状態と設定する。そして、通過直前状態以降で行動終了までを通過中〜通過後の状態として分類する。
【0118】
なお、上記基準として、車両の交差点までの距離が10m、30mである時点を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、車速に応じて距離を変更したり、交差点の基準位置を所定許容量を有するようにしてもよい。。
【0119】
図17には、基本行動内状態演算部42で記録される状態マップ52の一例を、イメージで示した。図17は、信号有りで4叉路以上の交差点において右折行動と分類された基本行動の状態マップ52の例である。図17の図中の●印と矢印はある右折行動がどのような状態を遷移したかを示している。すなわち、ステアリングが中立状態かつ時速40km以上から減速をし、一旦停止をした後に発進し、ステアリングを右に切り、加速しながら交差点を右折している様子を示している。なお、図17の図中の●印は、本発明の移動体の挙動遷移の過程点に対応する。
【0120】
各セル間の関係は、始点側のセルから終点側のセルの向きを矢印で示しており、その向きにより行動を表している。図17では、「A」は加速、「D」は減速、「H」はステアリング操舵状態変化を表す。状態マップ52は、セル番号は基本状態における遷移についての該当状態に相当し、そのセルからの矢印の向きで行動を示すことが可能となる。従って、セル番号と行動を表すアルファベットの組合せで、個別の遷移を表すことができる。この始点側のセル番号と行動を表すアルファベットの組合せを状態マップ番号と定める。例えば、40km/h以上の車速で右折準備状態であったセル番号14の状態から減速行動を行った遷移を表す場合、状態マップ番号として、「14−D」と表記する。
【0121】
基本行動内状態演算部42は、この状態マップ番号を出力する。この出力の一例を次の表1に示す。
【0122】
【表1】
【0123】
図1に示す視線配分演算部44は、基本行動分類部40で分類した基本行動について、乗員の確認行動として乗員の視線方向を求めるものである。
【0124】
すなわち、視線配分演算部44では、運転状態計測装置32による計測結果から、基本行動内状態演算部42による状態の遷移を含む基本行動に対応する、乗員によってなされた確認行動である視線方向を求めるもので、基本行動内状態演算部42及び運転状態計測装置32に接続され、その出力が比較演算部46に出力されるように接続されている。
【0125】
図18に示すように、視線配分演算部44では、乗員の視線方向として、予め定めた10種類LL、FL、FF、FR、RR、BR、BB、BL、EI、ET、を定めている。まず、乗員が着座したときの正面方向を0度とし、右周りの旋回角を正符号、左周りの旋回角を負符号として、9度〜−9度までを正面方向FFと定め、171度〜180と−171度〜−180とを後方方向BBと定めている。
【0126】
また、9度〜25度までを右前方方向FR、25度〜135度までを右方向RR、135度〜171度までを右後方方向BRと定め、−9度〜−25度までを左前方方向FL、−25度〜―135度までを左方向LL、―135度〜―171度までを左後方方向BLと定めている。また、車両内の装備例えばインパネや計器類を向く方向EI、及びその他の方向ETも定めている。その他の方向の一例には、天井、シート上に置かれたものなどに視線が向いた場合の方向がある。
【0127】
図19には、視線配分演算部44における視線方向の分類について示した。図19(A)に示すように、車両内外の装備品についての位置関係を予め記憶されたメモリから読み取り、乗員との相対関係を求めておく。図19(B)に示すように、視線方向の分類は車両上に仮想原点Xを置き、乗員の視線方向を表す3次元空間での直線を求める。求めた直線が、各ミラー領域やインパネ領域を通過する場合には方向BR,BB,BL,EIの何れかを設定し、それ以外でかつガラス窓領域も通過しない場合には方向ETと設定する。
【0128】
また、図19(C)に示すように、方向LL,FL,FF,FR,RRの各方向の分類に際しては、方向BR,BB,BL,EI、ETと判定されていない場合かつ窓ガラス領域通過した場合を対象として、ドライバの頭部位置、顔向き、視線方向から、車両上の仮想原点からの角度に再計算した上で視線方向を求める。すなわち、仮想原点を中心とした半径10mの円柱面と、乗員の頭部を原点とした視線方向の直線と、の交点に仮想原点を通過する直線を仮想原点での視線方向として求め、その角度を視線方向とする。
【0129】
視線配分演算部44では、乗員の確認行動として乗員の視線方向について、上記10種類に分類された各方向への1回につき所定時間以上(本実施の形態では100msec以上)の保持時間を求めてテーブルを作成する。視線配分演算部44は、この表2に示したテーブルを出力する。このテーブルの一例を次の表2に示した。表2の例は、上述の表1で出力されたものに方向と保持時間を追加した形態である。
【0130】
【表2】
【0131】
図1に示すように、比較演算部46は、比較演算部46は、基本行動分類部40で分類した基本行動について、規範の視線配分と乗員の視線配分とを比較するものである。
【0132】
すなわち、比較演算部46では、運転状態計測装置32による計測結果、基本行動分類部40により分類された基準行動、基本行動内状態演算部42で求めた状態マップ52、視線配分演算部44で求めた視線方向を用いて、規範の視線配分と乗員の視線配分とを比較する。このため、比較演算部46は、運転状態計測装置32の計測信号が入力されるように運転状態計測装置32に接続されると共に、基本行動分類部40、基本行動内状態演算部42、視線配分演算部44に接続され、その出力が表示用処理部48に出力されるように接続されている。
【0133】
比較演算部46では、規範視線配分データベース54から基準行動に対する規範視線配分マップ56を抽出し、基準行動に対する乗員の視線方向についての視線配分マップ58を求、これらを比較して、得点結果60を算出して、表示用処理部48へ出力する。
【0134】
図20に示すように、比較演算部46は、視線方向結果入力部70、算出回路72、状態マップ番号入力部74、呼出回路76、及び視線配分比較採点回路78から構成されている。
【0135】
視線方向結果入力部70は、上記表2に示す状態マップ52を入力するための入力部であり、状態マップ番号入力部74は、上記表1に示す基本行動内状態演算部42から出力された状態マップ番号を入力するための入力部である。視線方向結果入力部70による状態マップ52は算出回路72へ出力される。算出回路72は、基本行動と状態マップ毎に状態が遷移する規定時間(本実施の形態では2秒)前毎の視線配分、各方向毎の保持時間を算出するための回路である。
【0136】
この算出回路72において、視線方向結果入力部70の出力から視線配分及び各方向の平均保持時間を算出した算出結果の一例を、次の表3に示した。
【0137】
【表3】
【0138】
また、状態マップ番号入力部74による状態マップ番号は呼出回路76へ出力される。呼出回路76は、基本行動と状態マップ毎の規範となる視線配分の対応などを記憶した規範視線配分データベース54を備えており、その規範視線配分データベース54から状態マップ番号の入力に応じたデータを参照するための回路である。この規範視線配分データベース54には、例えば、視線配分得点表(図21)や、各視線方向における平均保持時間の得点表を記憶している。
【0139】
図21には、規範視線配分データベース54に記憶した視線配分得点表の一例を示した。図21は、信号有りで4叉路以上の交差点での右折行動かつ状態マップ番号14―Dの規範視線配分マップを示すもので、この視線配分得点表は、視線方向と、規定時間(本実施の形態では2秒)内における視線配分の割合と、得点との対応関係を表している。次の表4には、図21のマップのうち、右折行動かつ状態マップ番号14―Dの規範視線配分マップの数値一覧を示した。
【0140】
【表4】
【0141】
呼出回路76は状態マップ番号入力部74からの出力から、視線配分得点表(例えば、図21)、各方向の平均保持時間の得点表を規範視線配分データベース54より取り出して、出力する。
【0142】
なお、この視線配分得点表や、各視線方向における平均保持時間の得点表は、運転指導員などの専門家による確認行動の判定基準を教師あり学習手法により得られたものを使用することが好ましい。また、上記得点表は、運転指導員などの専門家の運転時のデータからその頻度分布を用いて算出したものを使用しても良い。
【0143】
上記算出回路72及び呼出回路76の出力側は、視線配分比較採点回路78の比較側に接続される。視線配分比較採点回路78は、算出回路72と呼出回路76の出力を比較し、採点結果を出力するための回路であり、その出力すなわち比較結果は表示用処理部48へ入力されるように接続される。
【0144】
視線配分比較採点回路78は、次の数1に示すように、算出回路72より出力される基本行動(L)と状態マップ毎の視線配分(gL,i,k)、平均保持時間(hL,i,k)と、呼出回路76より出力される最高得点が「1」とした参照マップGL,j、HL,jから、方向i毎に得点(QL,j,k)を内挿し算出する。ここで添字iは方向を添字jは基本行動(L)中の状態マップ番号、添字kは基本行動において、任意の1つの基本行動中に状態マップ番号が遷移した順番を示し、k番目の状態マップ番号はjである。またNをkの最大値とし、Nは基本行動中に状態マップ番号が遷移した回数となる。
【0145】
【数1】
【0146】
そして、基本行動(L)での判定値を、次の数2とする。
【0147】
【数2】
【0148】
この計算結果の最低値と、そのときの基本行動(L)、状態マップ番号(j)と、参照マップGL,j(gL,i,k)と、参照マップHL,j(hL,i,k)と、の値を出力する。
【0149】
図1に示すように、表示用処理部48は、個人特性データベース64、及び事故事例データベース62を備えており、比較演算部46から出力された比較結果から、乗員(ドライバ)の確認行動に対する判定結果を表示するためのデータを処理するものである。
【0150】
すなわち、表示用処理部48では、運転状態計測装置32による計測結果、比較演算部46による比較結果を用いて、乗員の視線配分に対する判定結果に関するデータ処理をする。このため、表示用処理部48は、運転状態計測装置32の計測信号が入力されるように運転状態計測装置32に接続されると共に、比較演算部46に接続され、その出力が判定結果提示装置36に出力されるように接続されている。
【0151】
図22に示すように、表示用処理部48は、乗員(ドライバ)の氏名を入力するための入力回路80を備えており、入力回路80は個人特性データベース64を備えた個人DB処理回路82に接続されている。個人DB処理回路82は、事故事例データベース62を備えた事例DB処理回路84に接続されている。
【0152】
また、表示用処理部48は、比較演算部46から出力された判定結果を入力するための判定結果入力部86を備えており、判定結果入力部86は予め定めた規定値を記憶して判定結果入力部86からの出力と規定値を比較する比較回路88に接続されている。この比較回路88の出力側は、比較回路88の出力である比較結果に基づいてその原因を推定する原因推定回路90、及び判定結果提示用出力信号生成回路92に接続されている。
【0153】
なお、原因推定回路90の出力側は、個人DB処理回路82及び判定結果提示用出力信号生成回路92に接続されている。また、判定結果提示用出力信号生成回路92の出力側は、個人DB処理回路82及び判定結果提示装置36に接続されている。
【0154】
判定結果入力部86から判定結果が入力されると、比較回路88は、判定結果入力部86の入力結果中の得点QL *が例えば0.8以上であれば良好な確認行動が行われたと判断し、原因推定回路90、判定結果提示用出力信号生成回路92に結果を出力する。一方、例えば0.8未満で良好と認められない確認行動が行われたと判断された場合には、原因推定回路90に比較結果と、基本行動(L)、状態マップ番号(j)、参照マップGL,j(gL,i,k)、参照マップHL,j(hL,i,k)、の値を出力する。
【0155】
原因推定回路90は、参照マップGL,j(gL,i,k)と、参照マップHL,j(hL,i,k)と、の値より、値が低い視線方向iを抽出した後、判定結果提示用出力信号生成回路92、及び個人DB処理回路82に、基本行動(L)及び状態マップ番号(j)と、抽出結果(視線方向i)を出力する。
【0156】
個人DB処理回路82は、入力回路80、比較回路88、原因推定回路90の出力から判定結果を乗員毎に記録する。すなわち、入力回路80により入力された乗員を識別するための識別データから、個人DB処理回路82におけるその乗員の個人特性データベース64に対してアクセス可能とし、比較回路88による比較結果、及び原因推定回路90による推定結果を乗員毎に記録する。これによって、個人DB処理回路82の個人特性データベース64には、判定結果の良否に拘わらず全てのデータを記憶することができ、判定結果の良否に対応して該当するデータを抽出(検索)することができる。
【0157】
例えば、個人DB処理回路82は、判定結果提示装置36に対して、過去の良好と認められない確認行動の検索結果を出力する機能を有することができる。この場合、過去の良好と認められない確認行動の累積データが個人特性データベース64に存在しているので、検索命令の入力によって個人特性データベース64から該当するデータを抽出し、これを検索結果として出力すればよい。
【0158】
判定結果提示用出力信号生成回路92は、比較回路88の出力、原因推定回路90の出力、または事例DB処理回路84からの出力に対応して、判定結果提示装置36へ表示させるための表示信号を生成する回路である。
【0159】
図23に示すように、判定結果提示装置36が車両内のインパネ上に装備する。この場合、判定結果提示装置36は安全確認適正度メータとして機能し、判定結果提示用出力信号生成回路92は、この判定結果提示装置36に対して提示用信号出力を行う。図23の左方には、この安全確認適正度メータとして機能する判定結果提示装置36の一例の表示画面300を示した。表示画面300では、現在までの確認行動についての判定結果を棒グラフ形式で時系列的に表示した場合を示している。従って、判定結果提示装置36の表示画面300には、現在までの確認行動について、逐次最新の判定結果が表示される。
【0160】
表示画面300には、詳細ボタン302が含まれている。この詳細ボタン302は、判定結果の詳細を提示するための指示ボタンである。なお、この詳細ボタン302は、乗員による要求指示があった場合でかつ車両の停車中のみ、その要求を受け付けるものとし、その結果図24に一例を示す画像による提示を行う。また、この場合、判定結果提示装置36はタッチパネル形式とすることで、乗員の入力指示が容易となる。
【0161】
図24には、詳細ボタン302が指示されたときに提示する一例の詳細画面304を示した。図24では、確認行動を、車両の挙動に応じた時系列的な遷移をイメージとして提示した場合を示している。また、詳細画面304は、その遷移の過程において判定結果のうち特に注意しなければならない確認行動や、統計的に注意を促すべき確認行動のアドバイス306を共に提示した場合を示している。
【0162】
また、詳細画面304には、乗員の確認行動の癖を提示する要求を指示する癖ボタン308を含んでいる。この癖ボタン308は、乗員による要求があった場合でかつ車両が停車中にのみ要求を受け付けて情報を提示する。
【0163】
図25には、癖ボタン308が指示されたときに提示する一例の癖表示画面310を示した。図25では、個人特性データベース64を参照して、乗員の確認行動について、良否の少なくとも一方のデータを提示した場合を示している。すなわち、個人特性データベースから検索された最も回数の多い良好でない確認行動の基本行動(L)、状態マップ番号(j)、視線方向(i)から順に、所定数(図の例では2つ)を提示し、また個人特性データベースから検索された最も回数の多い良好な確認行動の基本行動(L)、状態マップ番号(j)、視線方向(i)を所定数(図の例では1つ)を提示することができる。
【0164】
また、癖表示画面310には、事故占いボタン312が含まれている。この事故占いボタン312は、乗員による要求があった場合でかつ車両が停車中にのみ要求を受け付けて事故占いの結果を提示する。事故占いとは、乗員の過去の運転行動から乗員が陥りやすい緊急状態を、事故事例を基にして提示するものである。例えば、事例DB処理回路84に含まれる事故事例データベース62として、公知である危険予知トレーニング等のように事故事例の行動と道路形態と危険な方向のフラグのついた事故事例データベースを具備する。そして、個人特性データベースから検索された最も回数の多い悪い確認行動の基本行動(L)、状態マップ番号(j)、視線方向(i)を使用して事故事例データベース62を検索し、ドライバが悪い確認行動を起こしやすい事例に適した事故事例、危険予知トレーニング例を出力する。
【0165】
図26には、事故占いボタン312が指示されたときに提示する一例の事故占い結果表示画面314を示した
なお、判定結果提示用出力信号生成回路92は、判定結果提示装置36として拡声器が設置された場合に、それに対応する、すなわち音声情報を生成することができる。例えば、判定結果提示用出力信号生成回路92は、走行中に確認行動の判定結果を通知する際、乗員が音声出力を希望する設定にしておけば、判定結果提示装置36を利用し、音声にて“先ほどの右折での確認行動は○点です。”等のアナウンスを行うこともできる。
【0166】
また、ナビゲーションシステムを装備し、そのルートガイドを使用する時には、各基本行動においてドライバが犯しやすいミスを個人特性データベースから検索し、ルート案内時に音声により気をつける点を提示することも可能である。
【0167】
上記表示用処理部48は、本発明の蓄積手段、検索手段、提供手段の機能を有するものである。
【0168】
このように本実施の形態では、乗員の運転状態に対応して基本行動を分類し、その基本行動に対する確認行動を評価(判定)し、提示している。この提示は、運転に影響の少ない範囲で提示しているので、確認行動の不足点や誤った点を運転中に指摘して、乗員の運転を強制することがない。また、常時乗員の確認行動を監視し、乗員の癖を把握した上で、運転に支障をきたすことの無い時点で、乗員に不適格な確認行動があった場面や良い確認行動をしていることを教示することができるので、安全行動が向上する。また、常に確認行動が監視することで、効果的に確認行動を良好な方向へ促すことができる。これによって事故などの緊急状態へ至ることの低減を図ることができる。従って、安全性を確保しつつ乗員の確認行動を評価することができる。
【0169】
また、基本行動のどの状態にいる場合にどの方向をどの程度見るべきかの一般的知識、例えば、右にステアリングを切る前に前もって右を充分見ておく、高速道路で頭部を大きく左右にふる確認を長くすべきでない、などを定量的に評価、判定することが可能である。
【0170】
なお、上記実施の形態では、基本行動としてシートに分類して用いて説明したが、本発明は、シートに限定されるものではなく、基本行動を把握可能なベクトル表現形式の数式を用いてもよい。
【0171】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、走行路形態及び移動体の挙動を導出して、走行路形態及び移動体の挙動を複数の基本行動内の一基本行動に分類し、規範の確認行動と、検出した確認行動とを比較した結果から乗員の確認行動を評価するので、基本行動のどの状態のときにどのような確認行動をなせばよいかを評価することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る確認行動評価装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る確認行動評価装置の基本構成を示すブロック図である。
【図3】確認行動評価装置において基本行動を分類する分類テーブルを示すイメージ図である。
【図4】右折行動のシートを示すイメージ図である。
【図5】左折行動のシートを示すイメージ図である。
【図6】右転回行動のシートを示すイメージ図である。
【図7】右側車線変更行動のシートを示すイメージ図である。
【図8】交差点直進行動のシートを示すイメージ図である。
【図9】確認行動判定装置の基本行動分類部で基本行動を分類する処理の過程を示すフローチャートである。
【図10】図9のステップ116の詳細を示すフローチャートである。
【図11】図9のステップ112の詳細を示すフローチャートである。
【図12】確認行動判定装置の基本行動分類部で、方向指示器の信号を用いて基本行動を分類する処理の過程を示すフローチャートである。
【図13】右折行動または左折行動について、操舵角θ及び車両回頭角φを用いてセル単位で区分けするための車両の挙動に関する基準例の説明図である。
【図14】右転回行動について、操舵角θ及び車両回頭角φを用いてセル単位で区分けするための車両の挙動に関する基準例の説明図である。
【図15】車線変更行動について、セル単位で区分けすることに関する基準例の説明図である。
【図16】交差点直進行動について、セル単位で区分けすることに関する基準例の説明図である。
【図17】状態マップを示すイメージ図である。
【図18】乗員の視線方向の範囲を示すイメージ図である。
【図19】視線配分演算部における視線方向の分類について示し、(A)、(B)は車両内外の装備品についての位置関係をを示し、(C)は窓ガラス領域通過した場合の説明図である。
【図20】確認行動判定装置に含まれる比較演算部の詳細を示すブロック図である。
【図21】規範視線配分データベースに記憶した視線配分得点表の一例を示すイメージ図である。
【図22】確認行動判定装置に含まれる表示用処理部の詳細を示すブロック図である。
【図23】車両内に装備された判定結果提示装置一例を示すイメージ図である。
【図24】判定結果提示装置に提示される確認行動についての判定結果の詳細を示すイメージ図である。
【図25】乗員の癖に関するデータの癖表示画面の一例を示すイメージ図である。
【図26】事故占い結果表示画面の一例を示すイメージ図である。
【符号の説明】
10…確認行動評価装置
32…運転状態計測装置
34…確認行動判定装置
36…判定結果提示装置
40…基本行動分類部
42…基本行動内状態演算部
44…視線配分演算部
46…比較演算部
48…表示用処理部
50…シート
52…状態マップ
54…規範視線配分データベース
56…規範視線配分マップ
58…視線配分マップ
60…得点結果
62…事故事例データベース
64…個人特性データベース
Claims (10)
- 移動体の走行状態及び走行軌跡を検出すると共に、該移動体を操縦する乗員の確認行動を検出する検出手段と、
予め記憶された地図データ及び前記走行軌跡から前記移動体が走行する走行路形態を導出しかつ前記走行状態から前記移動体の挙動を導出すると共に、導出した走行路形態及び移動体の挙動を予め定めた複数の基本行動内の一基本行動に分類する分類手段と、
分類した基本行動における前記移動体の挙動遷移を求める演算手段と、
前記挙動遷移と該挙動遷移において乗員が確認すべき確認行動との対応関係を予め記憶した規範データベースにより前記演算手段により求めた挙動遷移に対応する確認行動を抽出しかつ該抽出した確認行動と、前記検出した確認行動とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に基づいて前記乗員の確認行動を評価する評価手段と、
を備えた確認行動評価装置。 - 前記検出手段は、前記移動体を操縦する乗員の確認行動として、乗員の視線行動を検出する確認行動検出手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の確認行動評価装置。
- 前記評価手段は、前記比較手段の比較結果が予め定めた条件を越えたときに前記確認行動が良好であると判定する判定手段を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の確認行動評価装置。
- 前記比較手段の規範データベースは、前記基本行動内における移動体の挙動遷移の過程点と、該挙動遷移の過程点における確認行動との対応関係を前記基本行動毎に備え、該対応関係毎に評価基準の数量データを付加したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の確認行動評価装置。
- 前記挙動遷移の過程点における確認行動は、乗員の視線行動であり、前記数量データは予め定めた規範視線配分と注視時間に対する危険度合いを表す数量データであることを特徴とする請求項4に記載の確認行動評価装置。
- 前記挙動遷移に対する前記評価手段の評価結果を履歴として記憶する履歴手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の確認行動評価装置。
- 前記基本行動は、右折、左折、右側走行路変更、左側走行路変更、直進、及び右転回の何れか1つの挙動と、該挙動を遂行した走行路について叉路を有する交差点、非交差点、信号の有無、優先側からの進入、非優先側からの進入の何れか1つの走行路形態との組み合わせで定められることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の確認行動評価装置。
- 前記検出手段は、操舵角センサ、移動体速度センサ、ヨーレイトセンサ、移動体制動指示量センサ、移動体加速指示量センサ、方向指示センサ、走行路検出センサ、移動体位置センサの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の確認行動評価装置。
- 前記挙動遷移に対する前記評価手段の評価結果を提示する提示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の確認行動評価装置。
- 前記挙動遷移において乗員が確認すべき確認行動に対応する移動体の事例を記憶した事例データベースと、前記挙動遷移に対する前記評価手段の評価結果を前記乗員毎に分類して蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積した評価結果から前記乗員の傾向を求めて乗員の傾向に対応する前記事例を検索する検索手段と、前記検索手段の検索結果を提供する提供手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の確認行動評価装置。
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