JP2004157367A - カメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】撮影レンズを着脱可能なカメラにおいて、撮影画面サイズが異なっても、煩雑な操作を必要とせず、撮影に集中することができ、撮影者が焦点距離表示及び画角の変化により違和感を受けることなく、従来通りの感覚でスムーズに撮影することが可能なカメラを提供する。
【解決手段】撮影レンズ8により得られる像を所定の撮影画面内において撮像する撮影手段3を備え、CPU2において、撮影レンズ8の焦点距離に関する情報を取得し、その情報に基づいて演算処理を行い、焦点距離に対して換算を行い、換算した換算焦点距離の表示及び換算焦点距離に対応した表示を行う表示部5を備えるカメラとする。
【選択図】 図1
【解決手段】撮影レンズ8により得られる像を所定の撮影画面内において撮像する撮影手段3を備え、CPU2において、撮影レンズ8の焦点距離に関する情報を取得し、その情報に基づいて演算処理を行い、焦点距離に対して換算を行い、換算した換算焦点距離の表示及び換算焦点距離に対応した表示を行う表示部5を備えるカメラとする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ本体に着脱可能な撮影レンズの焦点距離を表示する表示手段を備えたカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昨今、サイズの異なったフィルムや小型撮像素子の開発などにより、従来の様々な画面サイズのカメラが多数開発されており、その場合でも、カメラ本体に備えられた撮影レンズ用マウントが適合すれば、いずれの撮影レンズでも着脱、使用が可能となっている。
【0003】
従来から、カメラ本体に対して着脱可能な撮影レンズでは、焦点距離により望遠レンズであるか広角レンズであるかなどを判別することが一般的であった。例えば、35mmフィルムサイズ(画面サイズ24×36mm:以下、35mm判と呼ぶ)の一眼レフカメラにおいては、50mm前後の焦点距離を持つレンズは、標準レンズと称されることが多く、それより大きな、例えば200mmの焦点距離を持つレンズは、望遠レンズと、また、その逆に、28mm等の50mmよりも短い焦点距離を持つレンズは、広角レンズと称されることが多い。
【0004】
ただし、このように焦点距離により望遠レンズであるか広角レンズであるかを区分けすることは、正確な区分けではなく誤りである。望遠レンズであるか広角レンズであるかを区分けするには、画角により区分けすることが望ましい。なぜなら、同一の焦点距離のレンズであっても、画面サイズが異なると、撮影される範囲が異なるからである。
例えば、従来の35mm判用の50mmレンズを、画面サイズが35mm判よりも小さな画面サイズを撮影画面とするカメラに装着した場合、撮影される範囲は、35mm判に比べて狭くなり、望遠側の撮影範囲となる。
【0005】
しかし、一般に撮影者は、従来から広く用いられている35mm判における焦点距離により、望遠であるか広角であるかをイメージすることが多い。例えば、35mm判において標準レンズである50mmレンズを使った場合に、実際にファインダにより観察される像及び撮影される範囲が望遠レンズの画角であり、撮影者が混乱してしまうという問題があった。
【0006】
従来、撮影サイズの変化による画角の変化に対応できるように、レンズ鏡筒において、焦点距離を表す表示部を指示する指標部を備え、画角の変化に対応して指標部が表示部を指示する位置を変更する手法が提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−243894号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の特許文献1に記載の手法では、撮影者が画面サイズに応じて自ら指標部を変更する必要があり、操作が煩雑である上に、指標部の変更を忘れて使用すると、かえって混乱してしまったり、撮影ミスを起こしてしまったりするという問題があった。
【0009】
また、焦点距離の表示は、レンズ鏡筒に設けられているので、焦点距離の確認をしたい場合には、撮影者がファインダから目を離してレンズ鏡筒まで視線を向けなくてはならず、シャッターチャンスを逃すおそれがあった。
【0010】
さらに、撮影レンズに指標部を設けるためには、撮影レンズの製造時に予め使用される画面サイズを予定しておく必要があり、撮影レンズの製造後に、他の画面サイズのカメラが開発された場合、その都度改良したレンズ鏡筒を製造販売したり、以前のレンズ鏡筒の指標部が役に立たなくなったり、改良前のレンズ鏡筒を使用すると撮影者がさらに混乱したりするという問題があった。
【0011】
本発明の課題は、撮影レンズを着脱可能なカメラにおいて、撮影画面サイズが異なっても、煩雑な操作を必要とせず、撮影に集中することができ、撮影者が焦点距離表示及び画角の変化により違和感を受けることなく、従来通りの感覚でスムーズに撮影することが可能なカメラを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。すなわち、請求項1の発明は、撮影レンズ(8)により得られる像を所定の撮影画面内において撮像する撮影手段(3)と、前記撮影レンズの焦点距離に関する情報を取得する撮影レンズ情報取得部(2)と、前記撮影レンズ情報取得部が得た情報に基づいて演算処理を行い、前記焦点距離に対して換算を行う焦点距離換算部(2)と、前記焦点距離換算部が換算した換算焦点距離の表示及び/又は換算焦点距離に対応した表示を行う換算焦点距離表示部(5)と、を備えるカメラである。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1に記載のカメラにおいて、前記換算焦点距離は、前記撮影画面とは異なるフォーマットを有する仮想撮影画面において、前記撮影レンズと前記撮影画面との組み合わせにより形成される画角と同一の画角を有する仮想の撮影レンズの焦点距離であって、前記仮想撮影画面における対角線長と前記画角とにより決まる仮想の撮影レンズの焦点距離(f’)であること、を特徴とするカメラである。
【0014】
請求項3の発明は、請求項2に記載のカメラにおいて、前記仮想撮影画面は、対角線長が43.2mmの35mmフィルムカメラの撮影画面であること、を特徴とするカメラである。
【0015】
請求項4の発明は、請求項3に記載のカメラにおいて、前記焦点距離換算部による焦点距離の換算は、前記撮影手段の対角線長と前記仮想撮影画面の対角線長とが異なる場合に行われること、を特徴とするカメラである。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のカメラにおいて、前記撮影手段(3)は、撮影画面のアスペクト比が変更可能であって、前記焦点距離換算部(2)が行う演算処理は、前記撮影画面のアスペクト比の変更に応じて変化する前記撮影画面の対角線長に基づいて行われること、を特徴とするカメラである。
【0017】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のカメラにおいて、前記撮影レンズ(8)は、焦点距離を変更可能なレンズであって、前記換算焦点距離表示部(5)は、前記撮影レンズの焦点距離変化に連動して換算焦点距離を表示すること、を特徴とするカメラである。
【0018】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のカメラにおいて、前記換算焦点距離表示部(5)は、撮影時に撮影姿勢を変更することなく観察可能な位置に設けられていること、を特徴とするカメラである。
【0019】
請求項8の発明は、請求項7に記載のカメラにおいて、前記換算焦点距離表示部が設けられている位置は、ファインダ表示内及び/又はその近傍であること、を特徴とするカメラである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。
図1は、本発明によるカメラの実施形態の概要を説明する図である。
本実施形態におけるカメラ1は、CPU2,撮像素子3,スクリーン4,表示部5,ペンタプリズム6,クイックリターンミラー7等を備え、撮影レンズ8を交換自在なカメラである。
CPU2は、カメラ全体の動作を制御するマイコンであり、本実施形態では、特に、撮影レンズの焦点距離に関する情報を取得する撮影レンズ情報取得部と、撮影レンズ情報取得部が得た情報に基づいて演算処理を行い、焦点距離に対して換算を行う焦点距離換算部の機能を有している。これら撮影レンズ情報取得部及び焦点距離換算部としての機能については、後述する。
【0021】
撮像素子3は、撮影レンズ8により得られる像を所定の撮影画面内において撮像する素子であり、本実施形態では、CCDを用いているが、C−MOSセンサ等であってもよい。
撮像素子3は、最大で35mm判(画面サイズ24×36mm)の撮影を行うことができるが、これよりも小さな画面サイズの撮影も行うことができる。本実施形態では、16.7×30.2mmのアドバンスト・フォト・システムと同じ画面サイズ(以下、便宜上APS判と呼ぶ)の撮影が可能であるものとする。
【0022】
スクリーン4は、クイックリターンミラー7を介して撮像素子3の撮像面と光学的に等価な位置に配置された焦点板である。
表示部5は、スクリーン4に隣接して設けられており、CPU2に制御されて各種表示を行う換算焦点距離表示部である。
ペンタプリズム6は、スクリーン4に結像した像を左右反転して正立像として観察可能とするプリズムである。なお、ペンタプリズム6を通過した像は、不図示の接眼レンズにより拡大されて、撮影者により観察される。
クイックリターンミラー7は、撮影レンズ8からの光を反射してファインダ方向へ導くミラーであり、撮影時には、跳ね上げられて撮影光路から退避し、撮影終了後に復帰する。
【0023】
撮影レンズ8は、カメラ1に対して着脱自在な交換レンズであり、自らの焦点距離に関する情報を保持(記憶)している焦点距離情報保持部8aを備えている。焦点距離情報保持部8aには、単焦点レンズであれば、その焦点距離が保持され、ズームレンズであれば、焦点距離の可変範囲が保持されているとともに、現在のズーム位置における焦点距離も保持されている。焦点距離情報保持部8aの保持している情報は、不図示の接点を介してCPU2に伝えられる。
【0024】
次に、CPU2における撮影レンズ情報取得部及び焦点距離換算部としての機能について説明する。
図2は、撮像素子3により撮影する画面サイズの違いを説明する図である。
先にも述べたように、撮像素子3は、35mm判の撮影と、APS判の撮影を任意に切り替えて行うことができる。
35mm判の撮影を行うときには、a(=36mm)×b(=24mm)の画面サイズの画面サイズであり、APS判の撮影を行うときには、c(=30.2mm)×d(=16.7mm)の画面サイズで撮影を行う。また、35mm判の対角線長Lは、L=43.2mmであり、APS判の対角線長Lは、L’=34.5mmである。なお、この対角線長の比を求めると、L’/L=1.25となる。
【0025】
図3は、撮像素子3により撮影する画面サイズの違いによる画角の変化を説明する図である。なお、図3は、判りやすくするために、寸法を誇張して示している。
図2中の縦方向に示した寸法Lは、35mm判の対角線長(=43.2mm)を示し、寸法L’は、APS判の対角線長(=34.5mm)を示している。また、図中の寸法fは、撮影レンズ8の焦点距離を示し、撮像素子3の撮像面から焦点距離fだけ離れた位置に主点Oが存在している。
35mm判の撮影を行う場合の画角は、図3中の画角ωとなる。しかし、APS判の撮影を行う場合には、対角線長L’が35mm判の対角線長よりも短くなるので、画角ω’となり、35mm判よりも狭い範囲が撮影される。したがって、同じ撮影レンズ8を使用していても、APS判では、35mm判と比較すると、より望遠側の撮影結果が得られることになる。
【0026】
例えば、35mm判用の標準レンズである焦点距離f=50mmの撮影レンズは、35mm判の撮影を行う場合には、画角ω=47°であるが、同じ撮影レンズを用いてAPS判の撮影を行うと、画角ω’=38°となる。35mm判用において画角ω’=38°となる仮想の撮影レンズを考えると、その仮想の撮影レンズの焦点距離f’は、図3からも判るように、対角線長の比を乗算することにより求まる。すなわち、f’=f×(L/L’)=50mm×1.25=62.5mmとなる。つまり、APS判の撮影時にf=50mmの撮影レンズを装着したときに撮影される範囲は、35mm判の撮影時にf’=62.5mmの撮影レンズを装着した場合の撮影範囲と同じとなる。
【0027】
先にも述べたように、一般に撮影者は、従来から広く用いられている35mm判における焦点距離により、望遠であるか広角であるかをイメージ(観念)することが多い。したがって、上記例の場合、APS判の撮影時には、ファインダを観察したときに望遠側の像が得られており、違和感を覚えてしまう。
【0028】
そこで、本実施形態では、APS判の撮影時の画角ω’と同じ画角を有する35mm判における仮想の撮影レンズの焦点距離f’を演算し、この焦点距離f’をファインダ内に表示することとし、使用している撮影レンズがどの程度の望遠であるのか、又は、広角であるのか、ということを認識できるようにして、撮影者が違和感を覚えることなく自然に使用できるようにしている。
【0029】
次に、本実施形態におけるファインダ内の表示について、具体的な例を示して説明する。
最初に、本実施形態におけるカメラにおいて、35mm判の撮影を行うときのファインダ内の表示について説明する。
図4は、焦点距離「80−200mm」の焦点距離変更可能な撮影レンズ(以下「ズームレンズ」)を装着して、35mm判の撮影を行うときのファインダ内の表示を説明する図である。
図4において、画枠30は、35mm判の撮影を行う場合の視野を示しており、その上方及び下方に、表示領域10,20が形成されている。
【0030】
表示領域10は、CPU2により取得した撮影レンズ8の焦点距離に関する情報を表示する領域である。この表示領域10により撮影者は、現在装着している撮影レンズ8の焦点距離を一瞬にして確認することが可能となる。図4に示した例では、35mm判の撮影を行う場合であるので、撮影レンズ8の焦点距離「80−200mm」をそのまま表示(11)している。
【0031】
表示領域20は、カメラ本体に関する情報を示す領域であり、シャッター速度21、絞り値22、撮影モード23(図中では、プログラムモードの表示例)、撮影枚数24をそれぞれ表している。
【0032】
図5は、焦点距離「80−200mm」のズームレンズを装着して、35mm判の撮影を行うときのファインダ内の表示を説明する図であり、ズーム位置の表示も行う例である。
図5に示す例では、ズームレンズの焦点距離範囲内での85mm位置を表示(12)示しており、CPU2によって、焦点距離の変更と同時に表示を更新する。
【0033】
図6は、焦点距離「80−200mm」のズームレンズを装着して、APS判により撮影を行う場合のファインダ内表示を説明する図である。
図6に示す例では、カメラに装着された撮影レンズ8は、図1,2同様「80−200mm」のズームレンズであるが、撮影画面がAPS判であり狭いことから、撮影者が見る(ファインダ内に表示される)画枠31は、画枠30よりも狭くなる。
【0034】
この場合、仮想の撮影レンズの焦点距離f’は、上述したように、焦点距離fに対角線長の比を乗算することにより得られる。したがって、焦点距離fが「80−200mm」レンズを装着しても、APS判では、1.25を乗算して、焦点距離f’は、「100−250mm」の撮影レンズを装着した場合とほぼ一致する。したがって、ファインダ内には、焦点距離fを表示する表示11に加えて、焦点距離fから換算した焦点距離f’を表示する表示(13)を行う。この焦点距離fの換算及び表示の制御は、CPU2により行われ、表示部5に表示される。
【0035】
図7は、換算後のズーム範囲の焦点距離のみを表示(14)した例を示す図である。
図8は、換算後のズーム範囲の焦点距離の表示(15)と使用中のズーム位置における換算後の焦点距離の表示(16)とを行う例を示す図である。
図8の例では、ズーム位置がf=100mmにある例であり、このときの換算後の焦点距離f’=125mmが表示(16)されている。
図9は、単焦点レンズ(焦点距離固定レンズ)を装着した場合の表示例を示す図である。
図9に示す例では、焦点距離f=50mmの単焦点レンズを装着している状態を示しており、換算後の焦点距離f’=63mmを併せて表示している(17,18)。
【0036】
本実施形態によれば、撮影する画面サイズの違いに応じて撮影レンズの焦点距離を換算して表示するので、撮影者は、焦点距離、画角での違和感を受けることなく、従来通りの感覚でスムーズに撮影することが可能となる。
また、即座に焦点距離を表示するので、シャッターチャンスに応じた画角を素早く確実に捕らえることができる。
【0037】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)本実施形態において、焦点距離に関する各種情報の表示は、ファインダ内に表示する例を示したが、これに限らず、例えば、従来からカメラ外部に設けられている外部LCD内に表示したり、カメラ外部に新たな表示部を個別に設けて表示したりしてもよい。
【0038】
(2)本実施形態において、カメラは、35mm判とAPS判とを切り替えて撮影可能な例を示したが、これに限らず、例えば、撮影する画面サイズが自由に変更可能なカメラであってもよい。この場合にも、その画面サイズの変化に連動して焦点距離を換算し、表示を行えばよい。
【0039】
(3)本実施形態において、カメラは、1つのカメラにおいて複数の画面サイズの撮影を行える例を示したが、これに限らず、例えば、 図10に示すように、撮影可能な画面サイズが異なるカメラ(101,201等)に同じ撮影レンズ8を用いる場合に、本発明を適用してもよい。この場合には、カメラ毎に撮影する画面サイズが決まっているので、例えば、カメラ101が35mm判であるとすると、カメラ101に撮影レンズ8を装着した場合には、焦点距離の換算を行わず、35mm判よりも小さい画面サイズを有するカメラ201に撮影レンズ8を装着したときに、焦点距離を換算して表示すればよい。
【0040】
(4)本実施形態において、焦点距離を換算した仮想の焦点距離を表示する例を示したが、この換算後の仮想の焦点距離の表示に加えて、換算後の値であることを明示する表示を追加したり、換算後の表示の場合には、表示の色を変えるなど、換算後の表示であることを、より判りやすくしてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)撮影レンズ情報取得部と、焦点距離換算部と、換算焦点距離表示部とを備えるので、異なる撮影画面サイズにより撮影する場合であっても、撮影者が混乱することなく従来通りの感覚でスムーズに撮影することができる。
【0042】
(2)換算焦点距離は、撮影画面とは異なるフォーマットを有する仮想撮影画面における対角線長と画角とにより決まる仮想の撮影レンズの焦点距離であるので、任意の画面サイズにおける撮影レンズの焦点距離に相当する値とすることができ、撮影者の使いやすい形態とすることができる。
【0043】
(3)仮想撮影画面は、対角線長が43.2mmの35mmフィルムカメラの撮影画面であるので、広く普及している画面サイズを仮想撮影画面とし、多くの撮影者が使いやすいカメラとすることができる。
【0044】
(4)焦点距離換算部による焦点距離の換算は、撮影手段の対角線長と仮想撮影画面の対角線長とが異なる場合に行われるので、必要なときにのみ換算を行うことができる。
【0045】
(5)撮影手段は、焦点距離換算部が行う演算処理は、撮影画面のアスペクト比の変更に応じて変化する撮影画面の対角線長に基づいて行われるので、正確に換算を行うことができる。
【0046】
(6)換算焦点距離表示部は、撮影レンズの焦点距離変化に連動して換算焦点距離を表示するので、使用中の焦点距離を把握しやすく、撮影を円滑に行うことができる。
【0047】
(7)換算焦点距離表示部は、撮影時に撮影姿勢を変更することなく観察可能な位置に設けられているので、操作性を損なうことなく、換算焦点距離の確認を行うことができる。
【0048】
(8)換算焦点距離表示部が設けられている位置は、ファインダ表示内及び/又はその近傍であるので、シャッターチャンスを逃すことなく、換算焦点距離の確認を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカメラの実施形態の概要を説明する図である。
【図2】撮像素子3により撮影する画面サイズの違いを説明する図である。
【図3】撮像素子3により撮影する画面サイズの違いによる画角の変化を説明する図である。
【図4】焦点距離「80−200mm」の焦点距離変更可能な撮影レンズを装着して、35mm判の撮影を行うときのファインダ内の表示を説明する図である。
【図5】焦点距離「80−200mm」のズームレンズを装着して、35mm判の撮影を行うときのファインダ内の表示を説明する図であり、ズーム位置の表示も行う例である。
【図6】焦点距離「80−200mm」のズームレンズを装着して、APS判により撮影を行う場合のファインダ内表示を説明する図である。
【図7】換算後のズーム範囲の焦点距離のみを表示した例を示す図である。
【図8】換算後のズーム範囲の焦点距離の表示と使用中のズーム位置における換算後の焦点距離の表示とを行う例を示す図である。
【図9】単焦点レンズを装着した場合の表示例を示す図である。
【図10】変形形態を説明する図である。
【符号の説明】
1 カメラ
2 CPU
3 撮像素子
4 スクリーン
5 表示部
6 ペンタプリズム
7 クイックリターンミラー
8 撮影レンズ
8a 焦点距離情報保持部
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ本体に着脱可能な撮影レンズの焦点距離を表示する表示手段を備えたカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昨今、サイズの異なったフィルムや小型撮像素子の開発などにより、従来の様々な画面サイズのカメラが多数開発されており、その場合でも、カメラ本体に備えられた撮影レンズ用マウントが適合すれば、いずれの撮影レンズでも着脱、使用が可能となっている。
【0003】
従来から、カメラ本体に対して着脱可能な撮影レンズでは、焦点距離により望遠レンズであるか広角レンズであるかなどを判別することが一般的であった。例えば、35mmフィルムサイズ(画面サイズ24×36mm:以下、35mm判と呼ぶ)の一眼レフカメラにおいては、50mm前後の焦点距離を持つレンズは、標準レンズと称されることが多く、それより大きな、例えば200mmの焦点距離を持つレンズは、望遠レンズと、また、その逆に、28mm等の50mmよりも短い焦点距離を持つレンズは、広角レンズと称されることが多い。
【0004】
ただし、このように焦点距離により望遠レンズであるか広角レンズであるかを区分けすることは、正確な区分けではなく誤りである。望遠レンズであるか広角レンズであるかを区分けするには、画角により区分けすることが望ましい。なぜなら、同一の焦点距離のレンズであっても、画面サイズが異なると、撮影される範囲が異なるからである。
例えば、従来の35mm判用の50mmレンズを、画面サイズが35mm判よりも小さな画面サイズを撮影画面とするカメラに装着した場合、撮影される範囲は、35mm判に比べて狭くなり、望遠側の撮影範囲となる。
【0005】
しかし、一般に撮影者は、従来から広く用いられている35mm判における焦点距離により、望遠であるか広角であるかをイメージすることが多い。例えば、35mm判において標準レンズである50mmレンズを使った場合に、実際にファインダにより観察される像及び撮影される範囲が望遠レンズの画角であり、撮影者が混乱してしまうという問題があった。
【0006】
従来、撮影サイズの変化による画角の変化に対応できるように、レンズ鏡筒において、焦点距離を表す表示部を指示する指標部を備え、画角の変化に対応して指標部が表示部を指示する位置を変更する手法が提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−243894号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の特許文献1に記載の手法では、撮影者が画面サイズに応じて自ら指標部を変更する必要があり、操作が煩雑である上に、指標部の変更を忘れて使用すると、かえって混乱してしまったり、撮影ミスを起こしてしまったりするという問題があった。
【0009】
また、焦点距離の表示は、レンズ鏡筒に設けられているので、焦点距離の確認をしたい場合には、撮影者がファインダから目を離してレンズ鏡筒まで視線を向けなくてはならず、シャッターチャンスを逃すおそれがあった。
【0010】
さらに、撮影レンズに指標部を設けるためには、撮影レンズの製造時に予め使用される画面サイズを予定しておく必要があり、撮影レンズの製造後に、他の画面サイズのカメラが開発された場合、その都度改良したレンズ鏡筒を製造販売したり、以前のレンズ鏡筒の指標部が役に立たなくなったり、改良前のレンズ鏡筒を使用すると撮影者がさらに混乱したりするという問題があった。
【0011】
本発明の課題は、撮影レンズを着脱可能なカメラにおいて、撮影画面サイズが異なっても、煩雑な操作を必要とせず、撮影に集中することができ、撮影者が焦点距離表示及び画角の変化により違和感を受けることなく、従来通りの感覚でスムーズに撮影することが可能なカメラを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。すなわち、請求項1の発明は、撮影レンズ(8)により得られる像を所定の撮影画面内において撮像する撮影手段(3)と、前記撮影レンズの焦点距離に関する情報を取得する撮影レンズ情報取得部(2)と、前記撮影レンズ情報取得部が得た情報に基づいて演算処理を行い、前記焦点距離に対して換算を行う焦点距離換算部(2)と、前記焦点距離換算部が換算した換算焦点距離の表示及び/又は換算焦点距離に対応した表示を行う換算焦点距離表示部(5)と、を備えるカメラである。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1に記載のカメラにおいて、前記換算焦点距離は、前記撮影画面とは異なるフォーマットを有する仮想撮影画面において、前記撮影レンズと前記撮影画面との組み合わせにより形成される画角と同一の画角を有する仮想の撮影レンズの焦点距離であって、前記仮想撮影画面における対角線長と前記画角とにより決まる仮想の撮影レンズの焦点距離(f’)であること、を特徴とするカメラである。
【0014】
請求項3の発明は、請求項2に記載のカメラにおいて、前記仮想撮影画面は、対角線長が43.2mmの35mmフィルムカメラの撮影画面であること、を特徴とするカメラである。
【0015】
請求項4の発明は、請求項3に記載のカメラにおいて、前記焦点距離換算部による焦点距離の換算は、前記撮影手段の対角線長と前記仮想撮影画面の対角線長とが異なる場合に行われること、を特徴とするカメラである。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のカメラにおいて、前記撮影手段(3)は、撮影画面のアスペクト比が変更可能であって、前記焦点距離換算部(2)が行う演算処理は、前記撮影画面のアスペクト比の変更に応じて変化する前記撮影画面の対角線長に基づいて行われること、を特徴とするカメラである。
【0017】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のカメラにおいて、前記撮影レンズ(8)は、焦点距離を変更可能なレンズであって、前記換算焦点距離表示部(5)は、前記撮影レンズの焦点距離変化に連動して換算焦点距離を表示すること、を特徴とするカメラである。
【0018】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のカメラにおいて、前記換算焦点距離表示部(5)は、撮影時に撮影姿勢を変更することなく観察可能な位置に設けられていること、を特徴とするカメラである。
【0019】
請求項8の発明は、請求項7に記載のカメラにおいて、前記換算焦点距離表示部が設けられている位置は、ファインダ表示内及び/又はその近傍であること、を特徴とするカメラである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。
図1は、本発明によるカメラの実施形態の概要を説明する図である。
本実施形態におけるカメラ1は、CPU2,撮像素子3,スクリーン4,表示部5,ペンタプリズム6,クイックリターンミラー7等を備え、撮影レンズ8を交換自在なカメラである。
CPU2は、カメラ全体の動作を制御するマイコンであり、本実施形態では、特に、撮影レンズの焦点距離に関する情報を取得する撮影レンズ情報取得部と、撮影レンズ情報取得部が得た情報に基づいて演算処理を行い、焦点距離に対して換算を行う焦点距離換算部の機能を有している。これら撮影レンズ情報取得部及び焦点距離換算部としての機能については、後述する。
【0021】
撮像素子3は、撮影レンズ8により得られる像を所定の撮影画面内において撮像する素子であり、本実施形態では、CCDを用いているが、C−MOSセンサ等であってもよい。
撮像素子3は、最大で35mm判(画面サイズ24×36mm)の撮影を行うことができるが、これよりも小さな画面サイズの撮影も行うことができる。本実施形態では、16.7×30.2mmのアドバンスト・フォト・システムと同じ画面サイズ(以下、便宜上APS判と呼ぶ)の撮影が可能であるものとする。
【0022】
スクリーン4は、クイックリターンミラー7を介して撮像素子3の撮像面と光学的に等価な位置に配置された焦点板である。
表示部5は、スクリーン4に隣接して設けられており、CPU2に制御されて各種表示を行う換算焦点距離表示部である。
ペンタプリズム6は、スクリーン4に結像した像を左右反転して正立像として観察可能とするプリズムである。なお、ペンタプリズム6を通過した像は、不図示の接眼レンズにより拡大されて、撮影者により観察される。
クイックリターンミラー7は、撮影レンズ8からの光を反射してファインダ方向へ導くミラーであり、撮影時には、跳ね上げられて撮影光路から退避し、撮影終了後に復帰する。
【0023】
撮影レンズ8は、カメラ1に対して着脱自在な交換レンズであり、自らの焦点距離に関する情報を保持(記憶)している焦点距離情報保持部8aを備えている。焦点距離情報保持部8aには、単焦点レンズであれば、その焦点距離が保持され、ズームレンズであれば、焦点距離の可変範囲が保持されているとともに、現在のズーム位置における焦点距離も保持されている。焦点距離情報保持部8aの保持している情報は、不図示の接点を介してCPU2に伝えられる。
【0024】
次に、CPU2における撮影レンズ情報取得部及び焦点距離換算部としての機能について説明する。
図2は、撮像素子3により撮影する画面サイズの違いを説明する図である。
先にも述べたように、撮像素子3は、35mm判の撮影と、APS判の撮影を任意に切り替えて行うことができる。
35mm判の撮影を行うときには、a(=36mm)×b(=24mm)の画面サイズの画面サイズであり、APS判の撮影を行うときには、c(=30.2mm)×d(=16.7mm)の画面サイズで撮影を行う。また、35mm判の対角線長Lは、L=43.2mmであり、APS判の対角線長Lは、L’=34.5mmである。なお、この対角線長の比を求めると、L’/L=1.25となる。
【0025】
図3は、撮像素子3により撮影する画面サイズの違いによる画角の変化を説明する図である。なお、図3は、判りやすくするために、寸法を誇張して示している。
図2中の縦方向に示した寸法Lは、35mm判の対角線長(=43.2mm)を示し、寸法L’は、APS判の対角線長(=34.5mm)を示している。また、図中の寸法fは、撮影レンズ8の焦点距離を示し、撮像素子3の撮像面から焦点距離fだけ離れた位置に主点Oが存在している。
35mm判の撮影を行う場合の画角は、図3中の画角ωとなる。しかし、APS判の撮影を行う場合には、対角線長L’が35mm判の対角線長よりも短くなるので、画角ω’となり、35mm判よりも狭い範囲が撮影される。したがって、同じ撮影レンズ8を使用していても、APS判では、35mm判と比較すると、より望遠側の撮影結果が得られることになる。
【0026】
例えば、35mm判用の標準レンズである焦点距離f=50mmの撮影レンズは、35mm判の撮影を行う場合には、画角ω=47°であるが、同じ撮影レンズを用いてAPS判の撮影を行うと、画角ω’=38°となる。35mm判用において画角ω’=38°となる仮想の撮影レンズを考えると、その仮想の撮影レンズの焦点距離f’は、図3からも判るように、対角線長の比を乗算することにより求まる。すなわち、f’=f×(L/L’)=50mm×1.25=62.5mmとなる。つまり、APS判の撮影時にf=50mmの撮影レンズを装着したときに撮影される範囲は、35mm判の撮影時にf’=62.5mmの撮影レンズを装着した場合の撮影範囲と同じとなる。
【0027】
先にも述べたように、一般に撮影者は、従来から広く用いられている35mm判における焦点距離により、望遠であるか広角であるかをイメージ(観念)することが多い。したがって、上記例の場合、APS判の撮影時には、ファインダを観察したときに望遠側の像が得られており、違和感を覚えてしまう。
【0028】
そこで、本実施形態では、APS判の撮影時の画角ω’と同じ画角を有する35mm判における仮想の撮影レンズの焦点距離f’を演算し、この焦点距離f’をファインダ内に表示することとし、使用している撮影レンズがどの程度の望遠であるのか、又は、広角であるのか、ということを認識できるようにして、撮影者が違和感を覚えることなく自然に使用できるようにしている。
【0029】
次に、本実施形態におけるファインダ内の表示について、具体的な例を示して説明する。
最初に、本実施形態におけるカメラにおいて、35mm判の撮影を行うときのファインダ内の表示について説明する。
図4は、焦点距離「80−200mm」の焦点距離変更可能な撮影レンズ(以下「ズームレンズ」)を装着して、35mm判の撮影を行うときのファインダ内の表示を説明する図である。
図4において、画枠30は、35mm判の撮影を行う場合の視野を示しており、その上方及び下方に、表示領域10,20が形成されている。
【0030】
表示領域10は、CPU2により取得した撮影レンズ8の焦点距離に関する情報を表示する領域である。この表示領域10により撮影者は、現在装着している撮影レンズ8の焦点距離を一瞬にして確認することが可能となる。図4に示した例では、35mm判の撮影を行う場合であるので、撮影レンズ8の焦点距離「80−200mm」をそのまま表示(11)している。
【0031】
表示領域20は、カメラ本体に関する情報を示す領域であり、シャッター速度21、絞り値22、撮影モード23(図中では、プログラムモードの表示例)、撮影枚数24をそれぞれ表している。
【0032】
図5は、焦点距離「80−200mm」のズームレンズを装着して、35mm判の撮影を行うときのファインダ内の表示を説明する図であり、ズーム位置の表示も行う例である。
図5に示す例では、ズームレンズの焦点距離範囲内での85mm位置を表示(12)示しており、CPU2によって、焦点距離の変更と同時に表示を更新する。
【0033】
図6は、焦点距離「80−200mm」のズームレンズを装着して、APS判により撮影を行う場合のファインダ内表示を説明する図である。
図6に示す例では、カメラに装着された撮影レンズ8は、図1,2同様「80−200mm」のズームレンズであるが、撮影画面がAPS判であり狭いことから、撮影者が見る(ファインダ内に表示される)画枠31は、画枠30よりも狭くなる。
【0034】
この場合、仮想の撮影レンズの焦点距離f’は、上述したように、焦点距離fに対角線長の比を乗算することにより得られる。したがって、焦点距離fが「80−200mm」レンズを装着しても、APS判では、1.25を乗算して、焦点距離f’は、「100−250mm」の撮影レンズを装着した場合とほぼ一致する。したがって、ファインダ内には、焦点距離fを表示する表示11に加えて、焦点距離fから換算した焦点距離f’を表示する表示(13)を行う。この焦点距離fの換算及び表示の制御は、CPU2により行われ、表示部5に表示される。
【0035】
図7は、換算後のズーム範囲の焦点距離のみを表示(14)した例を示す図である。
図8は、換算後のズーム範囲の焦点距離の表示(15)と使用中のズーム位置における換算後の焦点距離の表示(16)とを行う例を示す図である。
図8の例では、ズーム位置がf=100mmにある例であり、このときの換算後の焦点距離f’=125mmが表示(16)されている。
図9は、単焦点レンズ(焦点距離固定レンズ)を装着した場合の表示例を示す図である。
図9に示す例では、焦点距離f=50mmの単焦点レンズを装着している状態を示しており、換算後の焦点距離f’=63mmを併せて表示している(17,18)。
【0036】
本実施形態によれば、撮影する画面サイズの違いに応じて撮影レンズの焦点距離を換算して表示するので、撮影者は、焦点距離、画角での違和感を受けることなく、従来通りの感覚でスムーズに撮影することが可能となる。
また、即座に焦点距離を表示するので、シャッターチャンスに応じた画角を素早く確実に捕らえることができる。
【0037】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)本実施形態において、焦点距離に関する各種情報の表示は、ファインダ内に表示する例を示したが、これに限らず、例えば、従来からカメラ外部に設けられている外部LCD内に表示したり、カメラ外部に新たな表示部を個別に設けて表示したりしてもよい。
【0038】
(2)本実施形態において、カメラは、35mm判とAPS判とを切り替えて撮影可能な例を示したが、これに限らず、例えば、撮影する画面サイズが自由に変更可能なカメラであってもよい。この場合にも、その画面サイズの変化に連動して焦点距離を換算し、表示を行えばよい。
【0039】
(3)本実施形態において、カメラは、1つのカメラにおいて複数の画面サイズの撮影を行える例を示したが、これに限らず、例えば、 図10に示すように、撮影可能な画面サイズが異なるカメラ(101,201等)に同じ撮影レンズ8を用いる場合に、本発明を適用してもよい。この場合には、カメラ毎に撮影する画面サイズが決まっているので、例えば、カメラ101が35mm判であるとすると、カメラ101に撮影レンズ8を装着した場合には、焦点距離の換算を行わず、35mm判よりも小さい画面サイズを有するカメラ201に撮影レンズ8を装着したときに、焦点距離を換算して表示すればよい。
【0040】
(4)本実施形態において、焦点距離を換算した仮想の焦点距離を表示する例を示したが、この換算後の仮想の焦点距離の表示に加えて、換算後の値であることを明示する表示を追加したり、換算後の表示の場合には、表示の色を変えるなど、換算後の表示であることを、より判りやすくしてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)撮影レンズ情報取得部と、焦点距離換算部と、換算焦点距離表示部とを備えるので、異なる撮影画面サイズにより撮影する場合であっても、撮影者が混乱することなく従来通りの感覚でスムーズに撮影することができる。
【0042】
(2)換算焦点距離は、撮影画面とは異なるフォーマットを有する仮想撮影画面における対角線長と画角とにより決まる仮想の撮影レンズの焦点距離であるので、任意の画面サイズにおける撮影レンズの焦点距離に相当する値とすることができ、撮影者の使いやすい形態とすることができる。
【0043】
(3)仮想撮影画面は、対角線長が43.2mmの35mmフィルムカメラの撮影画面であるので、広く普及している画面サイズを仮想撮影画面とし、多くの撮影者が使いやすいカメラとすることができる。
【0044】
(4)焦点距離換算部による焦点距離の換算は、撮影手段の対角線長と仮想撮影画面の対角線長とが異なる場合に行われるので、必要なときにのみ換算を行うことができる。
【0045】
(5)撮影手段は、焦点距離換算部が行う演算処理は、撮影画面のアスペクト比の変更に応じて変化する撮影画面の対角線長に基づいて行われるので、正確に換算を行うことができる。
【0046】
(6)換算焦点距離表示部は、撮影レンズの焦点距離変化に連動して換算焦点距離を表示するので、使用中の焦点距離を把握しやすく、撮影を円滑に行うことができる。
【0047】
(7)換算焦点距離表示部は、撮影時に撮影姿勢を変更することなく観察可能な位置に設けられているので、操作性を損なうことなく、換算焦点距離の確認を行うことができる。
【0048】
(8)換算焦点距離表示部が設けられている位置は、ファインダ表示内及び/又はその近傍であるので、シャッターチャンスを逃すことなく、換算焦点距離の確認を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカメラの実施形態の概要を説明する図である。
【図2】撮像素子3により撮影する画面サイズの違いを説明する図である。
【図3】撮像素子3により撮影する画面サイズの違いによる画角の変化を説明する図である。
【図4】焦点距離「80−200mm」の焦点距離変更可能な撮影レンズを装着して、35mm判の撮影を行うときのファインダ内の表示を説明する図である。
【図5】焦点距離「80−200mm」のズームレンズを装着して、35mm判の撮影を行うときのファインダ内の表示を説明する図であり、ズーム位置の表示も行う例である。
【図6】焦点距離「80−200mm」のズームレンズを装着して、APS判により撮影を行う場合のファインダ内表示を説明する図である。
【図7】換算後のズーム範囲の焦点距離のみを表示した例を示す図である。
【図8】換算後のズーム範囲の焦点距離の表示と使用中のズーム位置における換算後の焦点距離の表示とを行う例を示す図である。
【図9】単焦点レンズを装着した場合の表示例を示す図である。
【図10】変形形態を説明する図である。
【符号の説明】
1 カメラ
2 CPU
3 撮像素子
4 スクリーン
5 表示部
6 ペンタプリズム
7 クイックリターンミラー
8 撮影レンズ
8a 焦点距離情報保持部
Claims (8)
- 撮影レンズにより得られる像を所定の撮影画面内において撮像する撮影手段と、
前記撮影レンズの焦点距離に関する情報を取得する撮影レンズ情報取得部と、
前記撮影レンズ情報取得部が得た情報に基づいて演算処理を行い、前記焦点距離に対して換算を行う焦点距離換算部と、
前記焦点距離換算部が換算した換算焦点距離の表示及び/又は換算焦点距離に対応した表示を行う換算焦点距離表示部と、
を備えるカメラ。 - 請求項1に記載のカメラにおいて、
前記換算焦点距離は、前記撮影画面とは異なるフォーマットを有する仮想撮影画面において、前記撮影レンズと前記撮影画面との組み合わせにより形成される画角と同一の画角を有する仮想の撮影レンズの焦点距離であって、前記仮想撮影画面における対角線長と前記画角とにより決まる仮想の撮影レンズの焦点距離であること、
を特徴とするカメラ。 - 請求項2に記載のカメラにおいて、
前記仮想撮影画面は、対角線長が43.2mmの35mmフィルムカメラの撮影画面であること、
を特徴とするカメラ。 - 請求項3に記載のカメラにおいて、
前記焦点距離換算部による焦点距離の換算は、前記撮影手段の対角線長と前記仮想撮影画面の対角線長とが異なる場合に行われること、
を特徴とするカメラ。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のカメラにおいて、
前記撮影手段は、撮影画面のアスペクト比が変更可能であって、
前記焦点距離換算部が行う演算処理は、前記撮影画面のアスペクト比の変更に応じて変化する前記撮影画面の対角線長に基づいて行われること、
を特徴とするカメラ。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のカメラにおいて、
前記撮影レンズは、焦点距離を変更可能なレンズであって、
前記換算焦点距離表示部は、前記撮影レンズの焦点距離変化に連動して換算焦点距離を表示すること、
を特徴とするカメラ。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のカメラにおいて、
前記換算焦点距離表示部は、撮影時に撮影姿勢を変更することなく観察可能な位置に設けられていること、
を特徴とするカメラ。 - 請求項7に記載のカメラにおいて、
前記換算焦点距離表示部が設けられている位置は、ファインダ表示内及び/又はその近傍であること、
を特徴とするカメラ。
Priority Applications (1)
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Cited By (2)
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JP2009014831A (ja) * | 2007-07-02 | 2009-01-22 | Fujifilm Corp | 撮影装置 |
JP2013218309A (ja) * | 2012-03-14 | 2013-10-24 | Panasonic Corp | 撮像装置 |
-
2002
- 2002-11-07 JP JP2002323630A patent/JP2004157367A/ja active Pending
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