JP2007060010A - カメラシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 撮影の自由度をさらに向上させることができるカメラシステムを提供する。
【解決手段】 第1の撮像素子15を有するカメラ本体10と、カメラ本体に着脱可能で、かつ、カメラ本体に装着されたときに第1の撮像素子に被写体像を形成する第1の光学系41を有するレンズ鏡筒30と、第1の撮像素子とは特性の異なる第2の撮像素子60と、第2の撮像素子に被写体像を形成する第2の光学系62とを有すると共に、カメラ本体に着脱可能で、かつ、カメラ本体に装着されたときに前記第2の撮像素子の出力に基づいてカメラ本体に撮影画像を送信可能な撮像レンズユニット50とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、撮像素子を備えたレンズ交換式のカメラシステムに関する。
撮像素子をカメラ本体ではなくレンズユニットに内蔵し、このレンズユニットをカメラ本体に着脱可能とするカメラシステムが提案されている(例えば特許得文献1を参照)。撮影時には、レンズユニットがカメラ本体に装着され、レンズユニット内の撮像素子からの出力に応じた撮影画像がカメラ本体に送信される。このようなカメラシステムでは、レンズユニット内の光学系や撮像素子の特性を自由に決めることができ、複数のレンズユニットを交換してカメラ本体に装着することで多彩な撮影を行える。
特開平8−172561号公報
しかし、上記のカメラシステムでは、撮像素子を持たないレンズユニットをカメラ本体に装着しても撮影画像を得ることはできない。撮像素子を持たないレンズユニットとしては例えば一眼レフ用の一般的なレンズ鏡筒などが考えられ、このようなレンズ鏡筒を組み合わせてさらに撮影の自由度を向上させることが望まれるようになってきた。
本発明の目的は、撮影の自由度をさらに向上させることができるカメラシステムを提供することにある。
本発明のカメラシステムは、第1の撮像素子を有するカメラ本体と、前記カメラ本体に着脱可能で、かつ、前記カメラ本体に装着されたときに前記第1の撮像素子に被写体像を形成する第1の光学系を有するレンズ鏡筒と、前記第1の撮像素子とは特性の異なる第2の撮像素子と、該第2の撮像素子に被写体像を形成する第2の光学系とを有すると共に、前記カメラ本体に着脱可能で、かつ、前記カメラ本体に装着されたときに前記第2の撮像素子の出力に基づいて前記カメラ本体に撮影画像を送信可能な撮像レンズユニットとを備えたものである。
また、前記撮像レンズユニットは、前記第2の撮像素子を有するサブユニットと、前記第2の光学系を有するサブユニットとに分離可能で、かつ、前記第2の光学系を有するサブユニットに代えて前記レンズ鏡筒を装着可能とすることが好ましい。
さらに、前記撮像レンズユニットと前記カメラ本体との間に配置され、該撮像レンズユニットと該カメラ本体とを連結すると共に、該撮像レンズユニットから該カメラ本体への前記撮影画像の送信を仲介する連結部材をさらに備えることが好ましい。
また、前記カメラ本体を収容可能な防水構造の外装部材をさらに備え、前記撮像レンズユニットは、外装全体が防水構造を成し、前記外装部材を介して前記カメラ本体に着脱可能であり、前記外装部材および前記撮像レンズユニットの外装には、前記カメラ本体から前記撮像レンズユニットへの電力供給を行う非接触式の供給手段と、前記撮像レンズユニットから前記カメラ本体への前記撮影画像の送信を仲介する光通信手段とが設けることが好ましい。
さらに、前記撮像レンズユニットは、当該撮像レンズユニットの識別情報を記憶し、前記カメラ本体は、前記識別情報と対応づけて前記撮像レンズユニットによる撮影の条件を記憶すると共に、前記撮像レンズユニットが装着されたときに前記識別情報を読み出して、該識別情報と対応づけられた前記条件を前記撮像レンズユニットに設定することが好ましい。
また、前記撮像レンズユニットは、当該撮像レンズユニットによる撮影の条件として設定可能な条件範囲を記憶し、前記カメラ本体は、前記撮像レンズユニットが装着されたときに前記条件範囲を読み出し、該条件範囲に含まれるように前記撮影の条件を決定して前記撮像レンズユニットに設定することが好ましい。
さらに、前記カメラ本体は、前記レンズ鏡筒を用いた撮影後に前記撮像レンズユニットが装着されたときに、前記レンズ鏡筒を用いた撮影の条件と前記条件範囲とを比較して、前記撮像レンズユニットによる撮影の条件を決定することが好ましい。
また、前記カメラ本体は、前記レンズ鏡筒を用いた撮影後に前記撮像レンズユニットが装着されたときに、前記レンズ鏡筒を用いた撮影の条件を一時的に記憶して、該条件を前記撮像レンズユニットが取り外されたときに読み出して当該カメラ本体に設定することが好ましい。
本発明のカメラシステムによれば、撮影の自由度をさらに向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
(第1実施形態)
ここでは、図1(a),(b)に示すカメラシステム(10,30,50)を例に説明する。
第1実施形態のカメラシステム(10,30,50)は、カメラ本体10と、このカメラ本体10に着脱可能なレンズ鏡筒30および撮像レンズユニット50とで構成される。図1(a)はレンズ鏡筒30をカメラ本体10に装着した状態を示す。図1(b)は撮像レンズユニット50をカメラ本体10に装着した状態を示す。また、図2(a),(b)にはカメラシステム(10,30,50)の構成をブロック図で示す。図2(a),(b)は、それぞれ図1(a),(b)に対応する。
図1(a),図2(a)のように、レンズ鏡筒30をカメラ本体10に装着したとき、カメラ本体10の通信接点11にはレンズ鏡筒30の通信接点31が接続され、通信接点11,31を介してカメラ本体10の制御回路12とレンズ鏡筒30の制御回路32とが通信を行い、連動して撮影動作を行う。また、通信接点11,31には電源接点も設けられ、この電源接点を介してカメラ本体10の電源13からレンズ鏡筒30への電力供給が行われる。
カメラ本体10の制御回路12には、通信接点11と電源13とが接続される他、表示素子14と撮像素子15とAFセンサ16とAEセンサ17と画像メモリ18とが接続される。制御回路12の内部にはメモリとCPUと画像処理回路12Aとが設けられる。さらに、カメラ本体10の内部には、その他、メインミラー21とファインダスクリーン22とミラー23,24と接眼レンズ25とが設けられる。
また、レンズ鏡筒30の制御回路32には、通信接点31が接続される他、AFモータ33と設定スイッチ34と絞り制御モータ35とズームエンコーダ36と距離エンコーダ37と角速度センサ38と手ブレ補正モータ39とが接続される。制御回路32の内部にはメモリとCPUとが設けられる。さらに、レンズ鏡筒30の内部には、その他、光学系41と絞り42とが設けられる。
ここで、レンズ鏡筒30の光学系41のイメージサークルは、カメラ本体10の撮像素子15の対角サイズとほぼ一致する。また、レンズ鏡筒30をカメラ本体10に装着したとき、レンズ鏡筒30の光学系41の焦点面にはカメラ本体10の撮像素子15が位置している。
このように、レンズ鏡筒30をカメラ本体10に装着した状態において、被写体からの光は、レンズ鏡筒30の光学系41と絞り42とを通過した後、カメラ本体10の内部に導かれる。
撮影前、カメラ本体10の内部に導かれた光は、メインミラー21で反射した後、ファインダスクリーン22に入射する。このとき、ファインダスクリーン22には、レンズ鏡筒30の光学系41による被写体像が形成される。そして、ファインダスクリーン22を透過した光は、ミラー23,24と接眼レンズ25とを介した後、観察者の眼に導かれる。また、観察者の眼には、表示素子14からの光がミラー24と接眼レンズ25とを介して導かれる。そのため、観察者は、ファインダスクリーン22の像と表示素子14の像とを重ねて観察することができ、光学ファインダによる構図の確認を行うことができる。
そして、撮影時には、カメラ本体10のメインミラー21がファインダスクリーン22の方へ跳ね上げられ、カメラ本体10の内部に導かれた光は、そのまま直進して撮像素子15に入射する。このとき、撮像素子15には、レンズ鏡筒30の光学系41による被写体像が形成される。撮像素子15の出力は、制御回路12の画像処理回路12Aにて処理される。処理後の画像ファイル(撮影画像)は、画像メモリ18に記録される。このように、レンズ鏡筒30をカメラ本体10に装着したときには、撮像素子15の出力に基づいて撮影画像を得ることができる。
一方、図1(b),図2(b)のように、上記のレンズ鏡筒30に代えて撮像レンズユニット50をカメラ本体10に装着したとき、カメラ本体10の通信接点11には撮像レンズユニット50の通信接点51が接続され、通信接点11,51を介してカメラ本体10の制御回路12と撮像レンズユニット50の制御回路52とが通信を行い、連動して撮影動作を行う。また、通信接点51にも電源接点が設けられ、電源接点を介してカメラ本体10の電源13から撮像レンズユニット50への電力供給が行われる。
撮像レンズユニット50の制御回路52には、通信接点51が接続される他、上記したレンズ鏡筒30と同様のAFモータ53と設定スイッチ54と絞り制御モータ55とズームエンコーダ56と距離エンコーダ57と角速度センサ58と手ブレ補正モータ59とが接続され、これらに加えて、撮像素子60とAFセンサ61も接続される。制御回路52の内部にはメモリとCPUと画像処理回路52Aとが設けられる。さらに、撮像レンズユニット50の内部には、その他、光学系62と絞り63とが設けられる。
ここで、撮像レンズユニット50の光学系62は、レンズ鏡筒30の光学系41とは特性(例えば焦点距離や大きさなど)が異なる。撮像レンズユニット50の撮像素子60は、カメラ本体10の撮像素子15とは特性(例えばフォーマットや静止画撮影用か動画撮影用かなど)が異なる。また、撮像レンズユニット50では、光学系62のイメージサークルが撮像素子60の対角サイズとほぼ一致し、光学系62の焦点面に撮像素子60が配置されている。
このように、撮像レンズユニット50をカメラ本体10に装着した状態において、被写体からの光は、撮像レンズユニット50の内部の光学系62と絞り63とを通過した後、同じ撮像レンズユニット50の内部の撮像素子60に入射する。このとき、撮像素子60には、光学系62による被写体像が形成される。撮像素子60の出力は、撮像レンズユニット50の制御回路52の画像処理回路52Aにて処理される。
そして、処理後の画像ファイル(撮影画像)は、通信接点51,11を介してカメラ本体10の制御回路12に送信される。制御回路12では、撮像レンズユニット50から撮影画像を受信すると、この撮影画像を画像メモリ18に記録する。このように、撮像レンズユニット50をカメラ本体10に装着したときには、撮像素子60の出力に基づいて撮影画像を得ることができる。
さらに、撮像レンズユニット50からの撮影画像を表示素子14や他の表示手段(大型液晶パネルや外部映像出力など)に表示させることもできる。例えば表示素子14を用いて撮影前(カメラ起動時)に表示すれば、接眼レンズ25を介して光学ファインダによる構図の確認を行うことができ、レンズ鏡筒30を用いた撮影時と同等の使用感を得ることができる。他の表示手段を用いても同様である。
また、撮像レンズユニット50では、その内部に、撮像素子60,AFセンサ61,制御回路52の画像処理回路52Aなどを含む。このため、カメラ本体10からの電力供給によってレンズ側のみで、露出調整,焦点調整,手ブレ補正,画像処理などの一連の撮影動作を行うことができる。
第1実施形態のカメラシステム(10,30,50)では、カメラ本体10に撮像素子15を内蔵すると共に、このカメラ本体10に着脱可能なレンズ鏡筒30に光学系41のみを内蔵し(撮像素子は内蔵しない)、また、カメラ本体10に着脱可能な撮像レンズユニット50に光学系62と撮像素子60とを内蔵する。また、カメラ本体10の撮像素子15と撮像レンズユニット50の撮像素子60とを特性が異なるように構成した。
したがって、レンズ鏡筒30をカメラ本体10に装着したときには、カメラ本体10の撮像素子15からの出力に基づいて撮影画像を得ることができ、このレンズ鏡筒30に代えて撮像レンズユニット50をカメラ本体10に装着したときには、撮像レンズユニット50の撮像素子60からの出力に基づいて撮影画像を得ることができる。
このため、種類が異なる複数の撮像レンズユニット50を交換してカメラ本体10に装着することにより多彩な撮影を行うことができ、さらに、撮像素子を持たないレンズ鏡筒30であっもカメラ本体10の撮像素子15を用いて撮影を行うことができ、例えば一眼レフ用の一般的なレンズ鏡筒などを組み合わせて、撮影の自由度をさらに向上させることができる。
レンズ鏡筒30としては、カメラ本体10の撮像素子15の対角サイズやバックフォーカスを考慮して、光学系41のイメージサークルがカメラ本体10の撮像素子15の対角サイズとほぼ一致し、カメラ本体10に装着されたときに光学系41の焦点面が撮像素子15の撮像面とほぼ一致するものであれば、カメラ本体10に装着して光学系41と撮像素子15との組み合わせに応じた様々な撮影を行うことができる。
撮像レンズユニット50としては、カメラ本体10の撮像素子15の対角サイズやバックフォーカスとは無関係に、光学系62のイメージサークルが撮像素子60の対角サイズとほぼ一致し、光学系62の焦点面が撮像素子60の撮像面とほぼ一致する範囲で、光学系62や撮像素子60の特性を自由に決めることができる。そして、撮像レンズユニット50を用いた場合には、光学系62と撮像素子60との組み合わせに応じた様々な撮影を行うことができる。撮像レンズユニット50の具体的な構成例を以下に説明する。
《超マクロ撮影》
図3(a)に示す撮像レンズユニット50(1)には、超マクロ撮影に適した光学系62と撮像素子60とが内蔵され、さらに、照明装置71が先端部に設けられる。このため、撮像レンズユニット50(1)をカメラ本体10に装着したときに、撮像素子60からの出力に基づいて、小さい被写体を高倍率で撮影することができる。さらに、必要に応じて照明装置71を点灯することで、被写体の光量が不足する場合でも良好な超マクロ撮影が可能となる。
ちなみに、一般的な一眼レフ用のレンズ鏡筒で上記のような撮影を実現しようとすると、光学系62が極めて大型化したり、正立正像を得るためにリレーレンズを複数重ねる必要が生じるなど、実現にあたっての困難が多い。これに対し、撮像レンズユニット50(1)では、超マクロ撮影に適した光学系62と撮像素子60との組み合わせが選択可能であり、光学系62の大型化を回避できる。さらに、上下左右逆像で結像しても、電気的に正立正像とすることができ、実現が大変容易である。
また、図3(b)に示す通り、撮像レンズユニット50(1)とカメラ本体10との間に連結部材72を配置し、この連結部材72により撮像レンズユニット50(1)とカメラ本体10とを連結すると共に、撮像レンズユニット50(1)とカメラ本体10との通信(例えば撮像レンズユニット50(1)からカメラ本体10への撮影画像の送信など)を仲介するようにしてもよい。
ここでは、連結部材72の中に通信用のケーブル7Aが設けられる。このケーブル7Aの一端は撮像レンズユニット50(1)の通信接点51に接続され、他端はカメラ本体10の通信接点11に接続される。
また、連結部材72は蛇腹状の柔軟性を有する構造となっている。このため、アングルを決める際に、撮像レンズユニット50(1)とカメラ本体10との位置関係を固定しやすく、自由なアングル設定を容易に行うことができる。また、通信信号の劣化が無視できる範囲であれば、連結部材72を長くしてもよいし、数珠繋ぎにして延長してもよい。なお、連結部材72の蛇腹部分を省略して通信用のケーブル7Aのみで連結部材を構成しても構わない。
《水中撮影》
図4に示す撮像レンズユニット50(2)には、水中撮影に適した光学系62と撮像素子60とが内蔵される。さらに、撮像レンズユニット50(2)の外装73は、全体的に防水構造を成す。この撮像レンズユニット50(2)を用いる際、カメラ本体10は防水構造の外装部材74に収容される。そして、撮像レンズユニット50(2)は、外装部材74を介してカメラ本体10に装着される。
また、撮像レンズユニット50(2)の外装73とカメラ本体10の外装部材74には、カメラ本体10から撮像レンズユニット50(2)への電力供給を行うために、非接触式の供給装置(つまり電力送信装置75と電力受信装置76)が設けられる。非接触式の供給装置(75,76)としては電磁誘導を利用することが考えられる。
さらに、撮像レンズユニット50(2)の外装73とカメラ本体10の外装部材74には、撮像レンズユニット50(2)とカメラ本体10との通信(例えば撮像レンズユニット50(2)からカメラ本体10への撮影画像の送信など)を仲介するために、光通信装置(77,78)が設けられる。
このような構成によれば、カメラ本体10を外装部材74に収容し、外装部材74を介してカメラ本体10に専用の撮像レンズユニット50(2)を装着することにより、カメラ本体10を使用した水中撮影が可能となる。さらに、カメラ本体10と撮像レンズユニット50(2)とを独立した防水構造とするため、水中で撮像レンズユニット50(2)を交換することができる。
《動画撮影》
図5に示す撮像レンズユニット50(3)には、動画撮影に適した光学系62と撮像素子60とが内蔵され、さらに、マイク79が設けられる。このため、撮像レンズユニット50(3)をカメラ本体10に装着したときに、撮像素子60からの出力に基づいて動画像を得ることができ、マイク79からの出力に基づいて音声情報を得ることができる。このとき、動画像と音声情報とを同期して動画ファイルを構成し、カメラ本体10へ送信することが好ましい。
このような構成によれば、カメラ本体10の撮像素子15が静止画撮影用であっても、レンズ交換によって撮像レンズユニット50(3)を装着するだけで、ビデオカメラとすることができる。動画撮影に適した光学系62と撮像素子60との組み合わせが選択可能なため、カメラ本体10に内蔵された静止画向けの撮像素子15で無理に動画撮影を行う場合と比較して、好ましい特性の動画像を得ることができる。
(第2実施形態)
ここでは、上記の撮像レンズユニット50による撮影の条件の設定について説明する。この設定を適切かつ容易に行うため、撮像レンズユニット50の制御回路52内のメモリには自身の識別情報(ID)が予め記憶され、さらに、撮影の条件として設定可能な条件範囲も予め記憶される。これらの識別情報や条件範囲は、カメラ本体10によって読み出し可能である。一方、カメラ本体10の制御回路12内のメモリには、過去に使用したことのある撮像レンズユニット50について、その識別情報と過去の撮影の条件とが対応づけて記憶される。
カメラ本体10の制御回路12は、そのマウント部に撮像レンズユニット50(またはレンズ鏡筒30)が装着されたことを検出すると、予め記憶された識別情報を読み出し、マウント部に装着された部材が、撮像レンズユニット50であるかレンズ鏡筒30であるかを判定する。判定の結果、レンズ鏡筒30であった場合には、カメラ本体10の内部で撮影の条件を設定し、撮像素子15を用いた所定の撮影動作を行う。
一方、カメラ本体10に撮像レンズユニット50が装着されたと判断した場合、カメラ本体10の制御回路12は、図6のフローチャートの手順にしたがって撮影の条件を設定する。ここでは、レンズ鏡筒30を用いた撮影後に、撮像レンズユニット50に交換した場合を例に説明する。
カメラ本体10の制御回路12は、まず(図6のステップS1)、前回の撮影(レンズ鏡筒30を用いた撮影)の条件をメモリに一時的に記憶する。これは、撮像レンズユニット50による今回の撮影後に、再びレンズ鏡筒30を装着したとき、撮影の条件を速やかに復帰できるようにするためにである。レンズ鏡筒30による撮影の条件とは、撮像素子15の記録画素数,ファイル形式,ISO感度設定,輪郭強調,階調補正,フレームレート(コマ速),色空間などである。
その後(ステップS2)、制御回路12は、既に読み出した識別情報を用いてメモり内を検索し、装着された撮像レンズユニット50を過去に使用したことがあるか否か(つまり過去の撮影の条件が識別情報と対応づけて記憶されているか否か)を判定する。過去の撮影の条件には、撮像レンズユニット50の撮像素子60の画素数,感度,露出設定ステップ数,フレームレートなどが含まれる。
そして、過去のデータがある場合には(ステップS3がYes)、そのデータを読み出し(ステップS4)、撮像レンズユニット50に送信して設定する(ステップS5)。さらに、同じデータをカメラ本体10の内部でも設定し、表示素子14や他の表示手段などに表示する(ステップS6)。過去のデータがある場合には、これで図6の処理(初期設定)が終了する。
また、過去のデータがない場合(ステップS3がNo)、カメラ本体10の制御回路12は、ステップS7の処理に進み、撮像レンズユニット50から、撮影の条件として設定可能な条件範囲を読み出す。カメラ本体10と撮像レンズユニット50は、撮像素子15,60の特性が異なるため、設定可能な条件範囲も異なる可能性があるからである。そして、カメラ本体10では、ステップS7で読み出した条件範囲に含まれるように今回の撮影の条件を決定する(ステップS8)。
具体的には、例えば、レンズ鏡筒30を用いた前回の撮影の条件と、ステップS7で読み出した条件範囲とを項目ごとに比較し、前回の撮影の条件が条件範囲内に含まれていれば、前回の条件をそのまま採用して今回の条件とする。また、前回の撮影の条件が条件範囲から外れている場合は、前回の条件を採用せず、条件範囲の中から前回の条件に最も近い条件(最近値)を選択して今回の条件とする。
例えばISO感度を例に説明する。撮像レンズユニット50での条件範囲がISO=100〜400の場合、レンズ鏡筒30を用いた前回の撮影の条件がISO=400であれば、これを今回の条件として決定する。また、前回の条件がISO=800であれば、これを採用せず、最近値のISO=400を今回の条件として決定する。
このようにしてステップS8における決定処理が終了すると、次に、未決定項目の有無を判定する(ステップS9)。そして、未決定項目がある場合(ステップS9がYes)には、これを設定画面に表示して(ステップS10)、観察者に設定を要求する。ステップS9,S10を経て、全ての条件が決定すると(ステップS9No)、これらを撮像レンズユニット50に送信して設定する(ステップS5)。さらに、同じデータをカメラ本体10の内部でも設定し、表示素子14や他の表示手段などに表示する(ステップS6)。
図6の処理(初期設定)が終了した時点で、撮像レンズユニット50に設定された撮影の条件は、カメラ本体10に表示されている。このため、観察者は、カメラ本体10の表示画面により、設定された撮影の条件を確認することができる。さらに、表示画面を参照して所望の条件に設定し直すこともできる。この場合、観察者のボタン操作などによってカメラ本体10に入力された条件が、カメラ本体10から撮像レンズユニット50に送信されて設定される。
第2実施形態のカメラシステムでは、撮像レンズユニット50に識別情報を記憶させ、この識別情報と過去の撮影の条件とを対応づけてカメラ本体10のメモリに記憶させるため、撮像レンズユニット50による2回目以降の撮影動作において、撮影の条件の設定を適切かつ容易に行える。撮像レンズユニット50に内蔵された撮像素子60は、カメラ本体10に内蔵された撮像素子15とは異なる特性を持つが、各種条件を自動的に好ましい値に設定することができ、設定ミスの誘発を防止できる。
また、第2実施形態のカメラシステムでは、撮像レンズユニット50に設定可能な条件範囲を記憶させ、この条件範囲に含まれるように撮影の条件を決定するため、撮像レンズユニット50による1回目の撮影動作であっても、撮影の条件の設定を適切に行える。このとき、レンズ鏡筒30を用いた前回の撮影の条件との比較を行い、これと同じ条件または近い条件を採用するため、被写体の状態の継続性を考慮した適切な条件設定が可能となる(初期設定)。なお、レンズ鏡筒30を用いた前回の撮影の条件との比較を行わず、カメラ本体10に条件設定の画面表示を行って、マニュアル設定を促してもよい。
そして、撮像レンズユニット50による撮影の条件が確定すると、観察者のレリーズ操作に応じて、例えば図7に示す静止画撮影時のシーケンスに入る。図7のシーケンスでは、半押し操作(ステップS11)に応じてAE,AF,AGC,VRなどの制御が行われ(ステップS12)、撮像レンズユニット50からカメラ本体10へのファインダ画像の送信が開始される(ステップS13)。
さらに、観察者の全押し操作(ステップS14)に応じて撮像レンズユニット50の撮像素子60における蓄積が開始され(ステップS15)、所定時間後に、蓄積完了となる(ステップS16)。その後、撮像レンズユニット50の制御回路52の画像処理回路52Aにおいて画像ファイルが生成され(ステップS17)、この画像ファイルがカメラ本体10に送信されて(ステップS18)、画像メモリ18に記録される。
撮像レンズユニット50による撮影動作(例えば図7)が終了し、撮像レンズユニット50がカメラ本体10から取り外されると、カメラ本体10の制御回路12は、図8の復帰動作を行う。つまり、撮像レンズユニット50が取り外されたことを検出すると(ステップS21)、図6のステップS1でメモリに記憶させた撮影の条件を読み出し(ステップS22)、カメラ本体10に設定すると共に、表示素子14や他の表示手段などに表示する(ステップS23)。したがって、レンズ鏡筒30に適した撮影の条件をカメラ本体10に速やかに復帰でき、撮像レンズユニット50による撮影後に、再びレンズ鏡筒30を装着したとき、その撮影動作をスムーズに行うことができる。
(第3実施形態)
ここでは、図9に示す通り、撮像レンズユニット50を2つのサブユニット50A,50Bに分離可能とし、一方のサブユニット50Aに光学系62を設け、他方のサブユニット50Bに撮像素子60を設けた例を説明する。
一方のサブユニット50Aには、光学系62の他、AFモータ53と絞り63と制御回路81と通信接点82が設けられる。他方のサブユニット50Bには、撮像素子60の他、制御回路83と通信接点84,85とが設けられる。サブユニット50Aの通信接点82はサブユニット50Bの通信接点84に接続され、サブユニット50Bの通信接点85はカメラ本体10の通信接点11に接続される。
第3実施形態のカメラシステムでは、通信接点11,82,84,85を介して、カメラ本体10の制御回路12と撮像レンズユニット50の制御回路81,83とが通信を行い、連動して撮影動作を行う。また、カメラ本体10の電源13からの電力供給も、通信接点11,82,84,85の電源接点を介して行われる。
このような構成とする場合、撮像素子を持たないレンズ鏡筒(例えば上記のレンズ鏡筒30)をサブユニット50Aに代えてサブユニット50Bに装着することができ、撮影の自由度がさらに向上する。
例えば上記のレンズ鏡筒30をサブユニット50Bに装着可能とする場合、レンズ鏡筒30とカメラ本体10の撮像素子15とを用いた撮影の他、レンズ鏡筒30と撮像素子60とを用いた撮影も行える。ただし、サブユニット50Bのフランジバック長(マウント部の基準面と撮像素子60の撮像面との距離)は、カメラ本体10のフランジバック長と一致させることが必要となる。
サブユニット50Bの撮像素子60としては、カメラ本体10に内蔵して市販するには適さない撮像素子(例えば感度の非常に高い特殊な撮像素子や赤外線に感度のある撮像素子など)を用いることが考えられる。また、サブユニット50Aの光学系62のイメージサークルより対角サイズの小さい撮像素子を使えば、焦点距離の大きい巨大なレンズを使わなくても、望遠撮影が可能となる。
また、カメラ本体10に装着可能なレンズ鏡筒30に限らず、カメラ本体10に装着不可能なレンズ鏡筒であっても、上記のようなサブユニット50Bを用いることで、カメラ本体10に装着して撮影可能となる。
第1実施形態のカメラシステム(10,30,50)の構成を示す図である。 カメラシステム(10,30,50)の構成を示すブロック図である。 超マクロ撮影に適した撮像レンズユニット50(1)を説明する図である。 水中撮影に適した撮像レンズユニット50(2)を説明する図である。 動画撮影に適した撮像レンズユニット50(3)を説明する図である。 第2実施形態における撮影の条件の設定(初期設定)の手順を示すフローチャートである。 静止画撮影時の手順を示すフローチャートである。 撮像レンズユニットを取り外す際の復帰動作の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態のカメラシステムと撮像レンズユニット50の構成を説明する図である。
符号の説明
10 カメラ本体 ; 30 レンズ鏡筒 ; 50 撮像レンズユニット ;
11,31,51 通信接点 ; 12,32,52 制御回路 ;
15,60 撮像素子 ; 41,62 光学系 ; 50A,50B サブユニット ;
72 連結部材 ; 73 外装 ; 74 外装部材 ; 75 電力送信装置 ;
76 電力受信装置 ; 77,78 光通信装置

Claims (8)

  1. 第1の撮像素子を有するカメラ本体と、
    前記カメラ本体に着脱可能で、かつ、前記カメラ本体に装着されたときに前記第1の撮像素子に被写体像を形成する第1の光学系を有するレンズ鏡筒と、
    前記第1の撮像素子とは特性の異なる第2の撮像素子と、該第2の撮像素子に被写体像を形成する第2の光学系とを有すると共に、前記カメラ本体に着脱可能で、かつ、前記カメラ本体に装着されたときに前記第2の撮像素子の出力に基づいて前記カメラ本体に撮影画像を送信可能な撮像レンズユニットとを備えた
    ことを特徴とするカメラシステム。
  2. 請求項1に記載のカメラシステムにおいて、
    前記撮像レンズユニットは、前記第2の撮像素子を有するサブユニットと、前記第2の光学系を有するサブユニットとに分離可能で、かつ、前記第2の光学系を有するサブユニットに代えて前記レンズ鏡筒を装着可能とした
    ことを特徴とするカメラシステム。
  3. 請求項1に記載のカメラシステムにおいて、
    前記撮像レンズユニットと前記カメラ本体との間に配置され、該撮像レンズユニットと該カメラ本体とを連結すると共に、該撮像レンズユニットから該カメラ本体への前記撮影画像の送信を仲介する連結部材をさらに備えた
    ことを特徴とするカメラシステム。
  4. 請求項1に記載のカメラシステムにおいて、
    前記カメラ本体を収容可能な防水構造の外装部材をさらに備え、
    前記撮像レンズユニットは、外装全体が防水構造を成し、前記外装部材を介して前記カメラ本体に着脱可能であり、
    前記外装部材および前記撮像レンズユニットの外装には、前記カメラ本体から前記撮像レンズユニットへの電力供給を行う非接触式の供給手段と、前記撮像レンズユニットから前記カメラ本体への前記撮影画像の送信を仲介する光通信手段とが設けられる
    ことを特徴とするカメラシステム。
  5. 請求項1に記載のカメラシステムにおいて、
    前記撮像レンズユニットは、当該撮像レンズユニットの識別情報を記憶し、
    前記カメラ本体は、前記識別情報と対応づけて前記撮像レンズユニットによる撮影の条件を記憶すると共に、前記撮像レンズユニットが装着されたときに前記識別情報を読み出して、該識別情報と対応づけられた前記条件を前記撮像レンズユニットに設定する
    ことを特徴とするカメラシステム。
  6. 請求項1に記載のカメラシステムにおいて、
    前記撮像レンズユニットは、当該撮像レンズユニットによる撮影の条件として設定可能な条件範囲を記憶し、
    前記カメラ本体は、前記撮像レンズユニットが装着されたときに前記条件範囲を読み出し、該条件範囲に含まれるように前記撮影の条件を決定して前記撮像レンズユニットに設定する
    ことを特徴とするカメラシステム。
  7. 請求項6に記載のカメラシステムにおいて、
    前記カメラ本体は、前記レンズ鏡筒を用いた撮影後に前記撮像レンズユニットが装着されたときに、前記レンズ鏡筒を用いた撮影の条件と前記条件範囲とを比較して、前記撮像レンズユニットによる撮影の条件を決定する
    ことを特徴とするカメラシステム。
  8. 請求項5から請求項7の何れか1項に記載のカメラシステムにおいて、
    前記カメラ本体は、前記レンズ鏡筒を用いた撮影後に前記撮像レンズユニットが装着されたときに、前記レンズ鏡筒を用いた撮影の条件を一時的に記憶して、該条件を前記撮像レンズユニットが取り外されたときに読み出して当該カメラ本体に設定する
    ことを特徴とするカメラシステム。
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