JP2004156546A - スロットルバルブ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン出力調整との関係で操作性・操作感を向上させること。
【解決手段】エンジン1の吸気通路2には、モータ4で駆動されるスロットルバルブ3が設けられる。アクセルグリップ10の操作量は、センサ11により検出される。エンジン回転速度は、センサ8により検出される。コントローラ12のCPU13は、スロットルバルブ3の開度が、検出操作量に対応した目標開度となるようモータ4を制御する。コントローラ12のメモリ14には、異なるエンジン回転速度についてエンジン出力が最大となるスロットル開度を上記操作量の最大値に対応させて設定すると共に操作量に対するスロットル開度の比例関係を定めたマップデータが記憶される。CPU13は、マップデータを参照し、検出操作量とエンジン回転速度に対応したスロットル開度を目標開度として設定する。
【選択図】 図1
【解決手段】エンジン1の吸気通路2には、モータ4で駆動されるスロットルバルブ3が設けられる。アクセルグリップ10の操作量は、センサ11により検出される。エンジン回転速度は、センサ8により検出される。コントローラ12のCPU13は、スロットルバルブ3の開度が、検出操作量に対応した目標開度となるようモータ4を制御する。コントローラ12のメモリ14には、異なるエンジン回転速度についてエンジン出力が最大となるスロットル開度を上記操作量の最大値に対応させて設定すると共に操作量に対するスロットル開度の比例関係を定めたマップデータが記憶される。CPU13は、マップデータを参照し、検出操作量とエンジン回転速度に対応したスロットル開度を目標開度として設定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンの吸気通路に設けられるスロットルバルブをアクチュエータにより開閉駆動させるように構成したスロットルバルブ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、二輪自動車や四輪自動車のエンジン等に使用されるスロットルバルブ制御装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された装置では、スロットルバルブを回動自在に支持するスロットルシャフトと、スロットルシャフトに固定された係合レバーと、係合レバーをスロットルバルブの開方向へ付勢する第1付勢手段と、スロットルシャフトと同軸上に回動するアクセルレバーと、アクセルレバーを上記係合レバーに当接させてスロットルバルブを閉方向に付勢する第2付勢手段と、スロットルシャフトを駆動するアクチュエータと、アクチュエータを制御するコントローラとを備える。そして、アクセルレバーにより指示されるアクセルレバー開度が、エンジン回転速度に応じて定められる設定開度以内であるときは、コントローラがアクチュエータを制御することにより、第1付勢手段とアクチュエータによりスロットルバルブ開度をアクセルレバー開度に追従させるようになっている。一方、アクセルレバー開度が上記設定開度を越えたときには、コントローラがアクチュエータを制御することにより、スロットルバルブ開度を設定開度に保持するようになっている。ここで、スロットルバルブ開度の設定開度とは、異なるエンジン回転速度のそれぞれについて、エンジン出力が最大となる開度である。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−81328号公報(第2−5頁,図1,図2,図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記の特許文献1に記載された装置では、アクセルレバー開度が設定開度を越えたときには、エンジン出力が最大となる設定開度までスロットルバルブ開度を速やかに追従させ、スロットルバルブ開度をその設定開度に保持するようになっていた。このため、エンジンに加速を要求するために、運転者が意識的にアクセルレバー開度を全開に操作したときには、要求通りの最大出力がエンジンで得られた。一方、運転者が無意識に操作して、アクセルレバー開度が設定開度になってしまった場合には、アクセルレバー開度が全開でないにも拘わらず、運転者の意に反してエンジン出力が過剰となることもあり、ドライバビリティの悪いものとなった。つまり、スロットルバルブによるエンジン出力の調整が、かならず運転者が想定したアクセルレバー開度に応じたものになるとは限らなかった。このため、スロットルバルブ制御装置としては、エンジン出力調整との関係で運転者にとって操作性・操作感の悪いものとなっていた。
【0006】
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、エンジン出力調整との関係で操作性・操作感を向上させることを可能にしたスロットルバルブ制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、エンジンの吸気通路を開閉するためのスロットルバルブと、そのスロットルバルブを駆動するためのアクチュエータと、運転者により操作される操作手段と、操作手段の操作量を検出するための操作量検出手段と、スロットルバルブの開度が検出される操作量に対応した目標開度となるようにアクチュエータを制御するためのアクチュエータ制御手段とを備えたスロットルバルブ制御装置において、エンジンの回転速度を検出するための回転速度検出手段と、エンジンの異なる回転速度のそれぞれについて、エンジンの出力が最大となるスロットルバルブの開度を操作手段の操作量の最大値に対応させて設定すると共に操作量に対する開度の関係を予め定めてなる関数データを記憶した関数データ記憶手段と、記憶された関数データを参照し、検出される操作量及び検出される回転速度に対応したスロットルバルブの開度を目標開度として設定するための目標開度設定手段とを備えたことを趣旨とする。
【0008】
上記発明の構成によれば、エンジンの運転時に、エンジンの回転速度が回転速度検出手段により検出されると共に、運転者による操作手段の操作量が操作量検出手段により検出される。このとき、目標開度設定手段により、関数データ記憶手段に記憶された関数データが参照されて、上記の検出される操作量及び検出される回転速度に対応したスロットルバルブの開度が目標開度として設定される。そして、その設定された目標開度となるようにアクチュエータ制御手段によりアクチュエータが制御される。ここで、上記関数データは、エンジンの異なる回転速度のそれぞれについて、エンジンの出力が最大となるスロットルバルブの開度が操作手段の操作量の最大値に対応させて設定されると共に操作量に対する開度の関係が予め定められている。従って、エンジンの加速を要求して、操作量が最大値となるように運転者が操作手段を操作すると、エンジンの出力が最大となるように調整され、最大値以外の操作量では、エンジンの出力が最大より小さく調整される。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、関数データは、操作量の最小値から最大値までの間で開度が操作量に比例して設定されることを趣旨とする。
【0010】
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、運転者による操作手段の操作量が、最小値から最大値までの間の値となるときには、その操作量に比例した開度がスロットルバルブの目標開度として設定されることになる。従って、エンジンの出力が、操作手段の操作量に比例した出力に調整される。
【0011】
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、エンジンの吸気通路を開閉するスロットルバルブを、運転者による操作手段の操作量に対応させて制御するスロットルバルブ制御方法であって、エンジンの異なる回転速度のそれぞれについて、エンジンの出力が最大となるスロットルバルブの開度を操作手段の操作量の最大値に対応させて設定すると共に操作量に対する開度の関係を関数データとして予め定めておき、エンジンの運転時に、関数データを参照して操作手段の操作量及びエンジンの回転速度に対応した開度を目標開度として設定し、その設定された目標開度となるようにスロットルバルブを制御することを趣旨とする。
【0012】
上記発明の構成によれば、エンジンの加速を要求して、操作量が最大値となるように運転者が操作手段を操作すると、エンジンの出力が最大となるように調整され、最大値以外の操作量では、エンジンの出力が最大より小さく調整される。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、関数データは、操作量の最小値から最大値までの間で開度が操作量に比例して設定されることを趣旨とする。
【0014】
上記発明の構成によれば、請求項3に記載の発明の作用に加え、エンジンの出力が、操作手段の操作量に比例した出力に調整される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスロットルバルブ制御装置及びスロットルバルブ制御方法を具体化した一実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1に、本実施の形態のスロットルバルブ制御装置を含むエンジンシステムの概略構成図を示す。この実施の形態では、単気筒又は2気筒の二輪車用エンジン1についてスロットルバルブ制御装置が具体化される。エンジン1の吸気通路2には、同通路2を開閉するためのスロットルバルブ3が設けられる。スロットルバルブ3は、アクチュエータとしてのモータ4により開閉駆動される。このスロットルバルブ3の開度(スロットル開度)STは、スロットルセンサ5により検出される。スロットルバルブ3の下流側には、吸気通路2に燃料を噴射供給するためのインジェクタ6が設けられる。エンジン1には、クランクシャフト7の回転速度をエンジン回転速度NEとして検出するための回転速度検出手段としての回転速度センサ8が設けられる。二輪車のハンドル9には、運転者により操作される操作手段としてのアクセルグリップ10が設けられる。ハンドル9には、アクセルグリップ10の操作量としてのアクセル開度APを検出するための操作量検出手段としてのアクセルセンサ11が設けられる。モータ4、インジェクタ6及び各種センサ5,8,11は、コントローラ12に接続される。
【0017】
コントローラ12は、スロットルバルブ3の開度がアクセルセンサ11により検出されるアクセル開度APに対応した目標開度TSTとなるようにモータ4を制御するものであり、本発明のアクチュエータ制御手段に相当する。コントローラ12は、各種センサ5,8,11の検出信号等に基づき、モータ4及びインジェクタ6をそれぞれ制御する。コントローラ12は、上記制御を実行するための中央処理装置(CPU)13の他、所定の制御プログラム及びマップデータ等を予め記憶したメモリ14を備える。
【0018】
図2に、このスロットルバルブ制御装置をブロック図に示す。コントローラ12には、モータ4及び各種センサ5,8,11が接続される。図2に示すように、図示しないスロットルシャフトに接続されるスロットルバルブ3は、全開ストッパ15と全閉ストッパ16との間で開閉駆動される。全開ストッパ15は、スロットルバルブ3が全開(ST=100%)となる位置で、同バルブ3の動きを止めるものである。全閉ストッパ16は、スロットルバルブ3が全閉(ST=0%)となる位置で、同バルブ3の動きを止めるものである。スロットルバルブ3には、同バルブ3を、閉方向へ付勢するためのリターンスプリング17が設けられる。
【0019】
図3に、本発明の関数データとしてのマップデータをグラフに示す。このマップデータは、コントローラ12のメモリ14に予め記憶されたものであり、アクセル開度APに対応するスロットル開度STの直線的な関係が、異なるエンジン回転速度NE1,NE2,NE3,NE4のそれぞれに対応して予め設定されたものである。各エンジン回転速度NE1〜NE4は、「NE1」が低回転領域(例えば、「1500rpm」)に相当し、「NE4」が高回転領域(例えば、「10000rpm」)に相当する。即ち、図3において、「NE1」から「NE4」へ向かうに連れてエンジン回転速度NEが順に高くなる。ここで、4つの異なるエンジン回転速度NE1〜NE4は、便宜的に例示されたものであり、実際には、エンジン回転速度NEの実用範囲において、更に細かい範囲分けがなされている。
【0020】
ここで、図3に複数の丸印で示すように、各エンジン回転速度NE1〜NE4について、アクセル開度APが全開(100%)となるときのスロットル開度ST(図3において各丸印に対応する値P1,P2,P3,P4)は、図4に示すように、各エンジン回転速度NE1〜NE4のそれぞれについて、エンジン1の出力(以下「エンジン出力」と言う。)が最大となるスロットル開度STの値P1〜P4に対応するものである。
【0021】
即ち、この実施の形態では、異なるエンジン回転速度NE1〜NE4のそれぞれについて、エンジン出力が最大となるスロットル開度STをアクセルグリップ10によるアクセル開度APの最大値(100%)に対応させて設定すると共にアクセル開度APに対するスロットル開度STの関係を予め定めてなるマップデータが、メモリ14に予め記憶される。この実施の形態で、このメモリ14が、本発明の関数データ記憶手段に相当する。
【0022】
又、この実施の形態で、図3に示すように、マップデータは、アクセル開度APの最小値(0%)から最大値(100%)までの間で、スロットル開度STがアクセル開度APに比例するように直線的に設定される。
【0023】
この実施の形態で、コントローラ12のCPU13は、メモリ14に記憶されたマップデータを参照し、上記検出されるアクセル開度AP及び上記検出されるエンジン回転速度NEに対応したスロットル開度STを目標開度TSTとして設定するものであり、本発明の目標開度設定手段に相当する。又、CPU13は、スロットルセンサ5により検出されるスロットル開度STが、アクセルセンサ11により検出されるアクセル開度APに対応した目標開度TSTとなるようにモータ4を制御するものであり、本発明のアクチュエータ制御手段に相当する。
【0024】
次に、コントローラ12のCPU13が実行する制御プログラムについて説明する。図5に、この制御プログラムをフローチャートに示す。
【0025】
先ず、ステップ100で、CPU13は、回転速度センサ8の検出信号に基づき、エンジン回転速度NEの値を読み込む。
【0026】
次に、ステップ110で、CPU13は、アクセルセンサ11の検出信号に基づき、アクセル開度APの値を読み込む。
【0027】
次に、ステップ120で、CPU13は、メモリ14に記憶されたマップデータ参照により目標開度TSTの値を設定する。即ち、CPU13は、図3に示すマップデータを参照して、検出され読み込まれたアクセル開度APの値と、検出され読み込まれたエンジン回転速度NEの値に対応したスロットル開度STの値を目標開度TSTとして設定するのである。
【0028】
そして、ステップ130で、CPU13は、スロットルバルブ3の実際の開度が、設定された目標開度TSTの値となるようにモータ4を制御する。この実施の形態では、スロットルセンサ5により検出されるスロットル開度STの値が、設定された目標開度TSTの値となるように、CPU13がモータ4を制御することによりスロットルバルブ3を開閉することになる。
【0029】
即ち、この実施の形態では、▲1▼エンジン1の吸気通路2を開閉するスロットルバルブ3を、運転者によるアクセルグリップ10の操作量(アクセル開度AP)に対応させて制御するスロットルバルブ制御方法において、▲2▼異なるエンジン回転速度NE1〜NE4のそれぞれについて、エンジン出力が最大となるスロットル開度STをアクセル開度APの最大値に対応させて設定すると共にアクセル開度APに対するスロットル開度STの関係をマップデータとして予め定めておき、▲3▼エンジン1の運転時に、マップデータを参照してアクセル開度AP及びエンジン回転速度NEに対応したスロットル開度STを目標開度TSTとして設定し、その設定された目標開度TSTとなるようにモータ4を制御することによりスロットルバルブ3を制御するというスロットルバルブ制御方法が実行されている。
【0030】
以上説明した本実施の形態のスロットルバルブ制御装置及びスロットルバルブ制御方法によれば、エンジン1の運転時に、エンジン回転速度NEが回転速度センサ8により検出され、運転者によるアクセルグリップ10の操作量(アクセル開度AP)がアクセルセンサ11により検出される。このとき、CPU13により、メモリ14に記憶されたマップデータが参照されて、検出されたアクセル開度AP及びエンジン回転速度NEの値に対応したスロットル開度STの値が目標開度TSTとして設定される。そして、スロットルバルブ3の開度が設定された目標開度TSTとなるようにCPU13によりモータ4が制御される。
【0031】
ここで、上記のマップデータは、図3に示すように、異なるエンジン回転速度NE1〜NE4のそれぞれについて、エンジン出力が最大となるスロットル開度STの値がアクセル開度APの最大値(100%)に対応させて設定されると共に、アクセル開度APに対するスロットル開度STの関係が予め定められている。従って、エンジン1の加速を要求して、アクセル開度APが最大値(100%)となるように運転者がアクセルグリップ10を操作すると、そのときのエンジン回転速度NEにおいて、エンジン出力が最大となるように調整され、最大値(100%)以外のアクセル開度APでは、エンジン出力が最大より小さく調整される。このため、運転者の要求通りの最大出力をエンジン1で得ることができ、エンジン1の加速応答性を良好なものにすることができる。つまり、滑らかな加速操作感を得ることができる。一方、減速を要求して、アクセル開度APが最大値(100%)以外の値となるように運転者がアクセルグリップ10を操作すると、そのときのエンジン回転速度NEにおいて、エンジン出力が低減方向へ調整される。このため、運転者の要求通りの出力低減を図ることができ、エンジン1の減速応答性を良好なものにすることができる。つまり、滑らかな減速操作感を得ることができる。この意味から、エンジン出力調整との関係で運転者にとっての操作性・操作感を向上させることができる。
【0032】
この実施の形態のスロットルバルブ制御装置及びスロットルバルブ制御方法によれば、運転者によるアクセルグリップ10の操作量(アクセル開度AP)が、最小値(0%)から最大値(100%)までの間の値となるとき、そのアクセル開度APの値に比例したスロットル開度STの値が目標開度TSTの値として設定される。従って、エンジン出力が、アクセル開度APの値に比例した値に調整されることになる。これにより、運転者がアクセルグリップ10の操作によりアクセル開度APの値を大きくすれば、相対的に大きい出力がエンジン1で得られ、運転者がアクセルグリップ10の操作によりアクセル開度APの値を小さくすれば、相対的に小さい出力がエンジン1で得られることになる。この結果、アクセル開度APの最小値(0%)から最大値(100%)までの間で、アクセル開度APの値にスロットル開度STを常に追従させることができ、エンジン出力をアクセル開度APの値に速やかに追従させることができる。このため、アクセルグリップ10の操作通りの出力をエンジン1で得ることができ、エンジン1が過剰出力となることを防止することができ、エンジン1のドライバビリティを向上させることができる。この意味でも、エンジン出力調整との関係で運転者にとっての操作性・操作感を向上させることができる。
【0033】
尚、この発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で以下のように実施することもできる。
【0034】
(1)前記実施の形態では、単気筒又は2気筒の二輪車用エンジン1に本発明のスロットルバルブ制御装置及びスロットルバルブ制御方法を具体化したが、四輪車用のエンジンに本発明のスロットルバルブ制御装置及びスロットルバルブ制御方法を具体化することもできる。
【0035】
(2)前記実施の形態では、運転者により操作される操作手段として、二輪車用のアクセルグリップ10を想定したが、四輪車の場合には、この操作手段をアクセルペダルとしてもよい。
【0036】
(3)前記実施の形態では、スロットルバルブ3の開度がアクセル開度APの値に対応した目標開度TSTの値となるように、スロットルセンサ5で検出されるスロットル開度STの値を監視しながらモータ4を制御することによりスロットルバルブ3を制御するように構成した。これに対して、スロットルバルブ3の開度がアクセル開度APの値に対応した目標開度TSTの値となるように、スロットルセンサ5で検出されるスロットル開度STの値を監視することなく、モータ4を制御することによりスロットルバルブ3を制御するように構成してもよい。
【0037】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明の構成によれば、エンジンの加速を要求して、操作量が最大値となるように運転者が操作手段を操作すると、エンジンの出力が最大となるように調整され、最大値以外の操作量では、エンジンの出力が最大より小さく調整される。このため、運転者の要求通りの最大出力をエンジンで得ることができ、エンジンの加速応答性を良好なものにすることができる。又、運転者の要求通りの出力低減を図ることができ、エンジンの減速応答性を良好なものにすることができる。この意味から、エンジン出力調整との関係で運転者にとっての操作性・操作感を向上させることができる。
【0038】
請求項2に記載の発明の構成によれば、エンジンの出力が、操作手段の操作量に比例した出力に調整される。このため、請求項1に記載の発明の効果に加え、操作手段の操作通りの出力をエンジンで得ることができ、エンジンが過剰出力となることを防止することができ、エンジンのドライバビリティを向上させることができる。
【0039】
請求項3に記載の発明の構成によれば、エンジンの加速を要求して、操作量が最大値となるように運転者が操作手段を操作すると、エンジンの出力が最大となるように調整され、最大値以外の操作量では、エンジンの出力が最大より小さく調整される。このため、運転者の要求通りの最大出力をエンジンで得ることができ、エンジンの加速応答性を良好なものにすることができる。又、運転者の要求通りの出力低減を図ることができ、エンジンの減速応答性を良好なものにすることができる。この意味から、エンジン出力調整との関係で運転者にとっての操作性・操作感を向上させることができる。
【0040】
請求項4に記載の発明の構成によれば、エンジンの出力が、操作手段の操作量に比例した出力に調整される。このため、請求項3に記載の発明の効果に加え、操作手段の操作通りの出力をエンジンで得ることができ、エンジンが過剰出力となることを防止することができ、エンジンのドライバビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係り、スロットルバルブ制御装置を含むエンジンシステムを示す概略構成図である。
【図2】スロットルバルブ制御装置を示すブロック図である。
【図3】マップデータを示すグラフである。
【図4】スロットル開度に対するエンジン出力の関係を示すグラフである。
【図5】制御プログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 吸気通路
3 スロットルバルブ
4 モータ(アクチュエータ)
8 回転速度センサ(回転速度検出手段)
10 アクセルグリップ(操作手段)
11 アクセルセンサ(操作量検出手段)
12 コントローラ(アクチュエータ制御手段、目標開度設定手段)
14 メモリ(関数データ記憶手段)
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンの吸気通路に設けられるスロットルバルブをアクチュエータにより開閉駆動させるように構成したスロットルバルブ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、二輪自動車や四輪自動車のエンジン等に使用されるスロットルバルブ制御装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された装置では、スロットルバルブを回動自在に支持するスロットルシャフトと、スロットルシャフトに固定された係合レバーと、係合レバーをスロットルバルブの開方向へ付勢する第1付勢手段と、スロットルシャフトと同軸上に回動するアクセルレバーと、アクセルレバーを上記係合レバーに当接させてスロットルバルブを閉方向に付勢する第2付勢手段と、スロットルシャフトを駆動するアクチュエータと、アクチュエータを制御するコントローラとを備える。そして、アクセルレバーにより指示されるアクセルレバー開度が、エンジン回転速度に応じて定められる設定開度以内であるときは、コントローラがアクチュエータを制御することにより、第1付勢手段とアクチュエータによりスロットルバルブ開度をアクセルレバー開度に追従させるようになっている。一方、アクセルレバー開度が上記設定開度を越えたときには、コントローラがアクチュエータを制御することにより、スロットルバルブ開度を設定開度に保持するようになっている。ここで、スロットルバルブ開度の設定開度とは、異なるエンジン回転速度のそれぞれについて、エンジン出力が最大となる開度である。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−81328号公報(第2−5頁,図1,図2,図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記の特許文献1に記載された装置では、アクセルレバー開度が設定開度を越えたときには、エンジン出力が最大となる設定開度までスロットルバルブ開度を速やかに追従させ、スロットルバルブ開度をその設定開度に保持するようになっていた。このため、エンジンに加速を要求するために、運転者が意識的にアクセルレバー開度を全開に操作したときには、要求通りの最大出力がエンジンで得られた。一方、運転者が無意識に操作して、アクセルレバー開度が設定開度になってしまった場合には、アクセルレバー開度が全開でないにも拘わらず、運転者の意に反してエンジン出力が過剰となることもあり、ドライバビリティの悪いものとなった。つまり、スロットルバルブによるエンジン出力の調整が、かならず運転者が想定したアクセルレバー開度に応じたものになるとは限らなかった。このため、スロットルバルブ制御装置としては、エンジン出力調整との関係で運転者にとって操作性・操作感の悪いものとなっていた。
【0006】
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、エンジン出力調整との関係で操作性・操作感を向上させることを可能にしたスロットルバルブ制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、エンジンの吸気通路を開閉するためのスロットルバルブと、そのスロットルバルブを駆動するためのアクチュエータと、運転者により操作される操作手段と、操作手段の操作量を検出するための操作量検出手段と、スロットルバルブの開度が検出される操作量に対応した目標開度となるようにアクチュエータを制御するためのアクチュエータ制御手段とを備えたスロットルバルブ制御装置において、エンジンの回転速度を検出するための回転速度検出手段と、エンジンの異なる回転速度のそれぞれについて、エンジンの出力が最大となるスロットルバルブの開度を操作手段の操作量の最大値に対応させて設定すると共に操作量に対する開度の関係を予め定めてなる関数データを記憶した関数データ記憶手段と、記憶された関数データを参照し、検出される操作量及び検出される回転速度に対応したスロットルバルブの開度を目標開度として設定するための目標開度設定手段とを備えたことを趣旨とする。
【0008】
上記発明の構成によれば、エンジンの運転時に、エンジンの回転速度が回転速度検出手段により検出されると共に、運転者による操作手段の操作量が操作量検出手段により検出される。このとき、目標開度設定手段により、関数データ記憶手段に記憶された関数データが参照されて、上記の検出される操作量及び検出される回転速度に対応したスロットルバルブの開度が目標開度として設定される。そして、その設定された目標開度となるようにアクチュエータ制御手段によりアクチュエータが制御される。ここで、上記関数データは、エンジンの異なる回転速度のそれぞれについて、エンジンの出力が最大となるスロットルバルブの開度が操作手段の操作量の最大値に対応させて設定されると共に操作量に対する開度の関係が予め定められている。従って、エンジンの加速を要求して、操作量が最大値となるように運転者が操作手段を操作すると、エンジンの出力が最大となるように調整され、最大値以外の操作量では、エンジンの出力が最大より小さく調整される。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、関数データは、操作量の最小値から最大値までの間で開度が操作量に比例して設定されることを趣旨とする。
【0010】
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、運転者による操作手段の操作量が、最小値から最大値までの間の値となるときには、その操作量に比例した開度がスロットルバルブの目標開度として設定されることになる。従って、エンジンの出力が、操作手段の操作量に比例した出力に調整される。
【0011】
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、エンジンの吸気通路を開閉するスロットルバルブを、運転者による操作手段の操作量に対応させて制御するスロットルバルブ制御方法であって、エンジンの異なる回転速度のそれぞれについて、エンジンの出力が最大となるスロットルバルブの開度を操作手段の操作量の最大値に対応させて設定すると共に操作量に対する開度の関係を関数データとして予め定めておき、エンジンの運転時に、関数データを参照して操作手段の操作量及びエンジンの回転速度に対応した開度を目標開度として設定し、その設定された目標開度となるようにスロットルバルブを制御することを趣旨とする。
【0012】
上記発明の構成によれば、エンジンの加速を要求して、操作量が最大値となるように運転者が操作手段を操作すると、エンジンの出力が最大となるように調整され、最大値以外の操作量では、エンジンの出力が最大より小さく調整される。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、関数データは、操作量の最小値から最大値までの間で開度が操作量に比例して設定されることを趣旨とする。
【0014】
上記発明の構成によれば、請求項3に記載の発明の作用に加え、エンジンの出力が、操作手段の操作量に比例した出力に調整される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスロットルバルブ制御装置及びスロットルバルブ制御方法を具体化した一実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1に、本実施の形態のスロットルバルブ制御装置を含むエンジンシステムの概略構成図を示す。この実施の形態では、単気筒又は2気筒の二輪車用エンジン1についてスロットルバルブ制御装置が具体化される。エンジン1の吸気通路2には、同通路2を開閉するためのスロットルバルブ3が設けられる。スロットルバルブ3は、アクチュエータとしてのモータ4により開閉駆動される。このスロットルバルブ3の開度(スロットル開度)STは、スロットルセンサ5により検出される。スロットルバルブ3の下流側には、吸気通路2に燃料を噴射供給するためのインジェクタ6が設けられる。エンジン1には、クランクシャフト7の回転速度をエンジン回転速度NEとして検出するための回転速度検出手段としての回転速度センサ8が設けられる。二輪車のハンドル9には、運転者により操作される操作手段としてのアクセルグリップ10が設けられる。ハンドル9には、アクセルグリップ10の操作量としてのアクセル開度APを検出するための操作量検出手段としてのアクセルセンサ11が設けられる。モータ4、インジェクタ6及び各種センサ5,8,11は、コントローラ12に接続される。
【0017】
コントローラ12は、スロットルバルブ3の開度がアクセルセンサ11により検出されるアクセル開度APに対応した目標開度TSTとなるようにモータ4を制御するものであり、本発明のアクチュエータ制御手段に相当する。コントローラ12は、各種センサ5,8,11の検出信号等に基づき、モータ4及びインジェクタ6をそれぞれ制御する。コントローラ12は、上記制御を実行するための中央処理装置(CPU)13の他、所定の制御プログラム及びマップデータ等を予め記憶したメモリ14を備える。
【0018】
図2に、このスロットルバルブ制御装置をブロック図に示す。コントローラ12には、モータ4及び各種センサ5,8,11が接続される。図2に示すように、図示しないスロットルシャフトに接続されるスロットルバルブ3は、全開ストッパ15と全閉ストッパ16との間で開閉駆動される。全開ストッパ15は、スロットルバルブ3が全開(ST=100%)となる位置で、同バルブ3の動きを止めるものである。全閉ストッパ16は、スロットルバルブ3が全閉(ST=0%)となる位置で、同バルブ3の動きを止めるものである。スロットルバルブ3には、同バルブ3を、閉方向へ付勢するためのリターンスプリング17が設けられる。
【0019】
図3に、本発明の関数データとしてのマップデータをグラフに示す。このマップデータは、コントローラ12のメモリ14に予め記憶されたものであり、アクセル開度APに対応するスロットル開度STの直線的な関係が、異なるエンジン回転速度NE1,NE2,NE3,NE4のそれぞれに対応して予め設定されたものである。各エンジン回転速度NE1〜NE4は、「NE1」が低回転領域(例えば、「1500rpm」)に相当し、「NE4」が高回転領域(例えば、「10000rpm」)に相当する。即ち、図3において、「NE1」から「NE4」へ向かうに連れてエンジン回転速度NEが順に高くなる。ここで、4つの異なるエンジン回転速度NE1〜NE4は、便宜的に例示されたものであり、実際には、エンジン回転速度NEの実用範囲において、更に細かい範囲分けがなされている。
【0020】
ここで、図3に複数の丸印で示すように、各エンジン回転速度NE1〜NE4について、アクセル開度APが全開(100%)となるときのスロットル開度ST(図3において各丸印に対応する値P1,P2,P3,P4)は、図4に示すように、各エンジン回転速度NE1〜NE4のそれぞれについて、エンジン1の出力(以下「エンジン出力」と言う。)が最大となるスロットル開度STの値P1〜P4に対応するものである。
【0021】
即ち、この実施の形態では、異なるエンジン回転速度NE1〜NE4のそれぞれについて、エンジン出力が最大となるスロットル開度STをアクセルグリップ10によるアクセル開度APの最大値(100%)に対応させて設定すると共にアクセル開度APに対するスロットル開度STの関係を予め定めてなるマップデータが、メモリ14に予め記憶される。この実施の形態で、このメモリ14が、本発明の関数データ記憶手段に相当する。
【0022】
又、この実施の形態で、図3に示すように、マップデータは、アクセル開度APの最小値(0%)から最大値(100%)までの間で、スロットル開度STがアクセル開度APに比例するように直線的に設定される。
【0023】
この実施の形態で、コントローラ12のCPU13は、メモリ14に記憶されたマップデータを参照し、上記検出されるアクセル開度AP及び上記検出されるエンジン回転速度NEに対応したスロットル開度STを目標開度TSTとして設定するものであり、本発明の目標開度設定手段に相当する。又、CPU13は、スロットルセンサ5により検出されるスロットル開度STが、アクセルセンサ11により検出されるアクセル開度APに対応した目標開度TSTとなるようにモータ4を制御するものであり、本発明のアクチュエータ制御手段に相当する。
【0024】
次に、コントローラ12のCPU13が実行する制御プログラムについて説明する。図5に、この制御プログラムをフローチャートに示す。
【0025】
先ず、ステップ100で、CPU13は、回転速度センサ8の検出信号に基づき、エンジン回転速度NEの値を読み込む。
【0026】
次に、ステップ110で、CPU13は、アクセルセンサ11の検出信号に基づき、アクセル開度APの値を読み込む。
【0027】
次に、ステップ120で、CPU13は、メモリ14に記憶されたマップデータ参照により目標開度TSTの値を設定する。即ち、CPU13は、図3に示すマップデータを参照して、検出され読み込まれたアクセル開度APの値と、検出され読み込まれたエンジン回転速度NEの値に対応したスロットル開度STの値を目標開度TSTとして設定するのである。
【0028】
そして、ステップ130で、CPU13は、スロットルバルブ3の実際の開度が、設定された目標開度TSTの値となるようにモータ4を制御する。この実施の形態では、スロットルセンサ5により検出されるスロットル開度STの値が、設定された目標開度TSTの値となるように、CPU13がモータ4を制御することによりスロットルバルブ3を開閉することになる。
【0029】
即ち、この実施の形態では、▲1▼エンジン1の吸気通路2を開閉するスロットルバルブ3を、運転者によるアクセルグリップ10の操作量(アクセル開度AP)に対応させて制御するスロットルバルブ制御方法において、▲2▼異なるエンジン回転速度NE1〜NE4のそれぞれについて、エンジン出力が最大となるスロットル開度STをアクセル開度APの最大値に対応させて設定すると共にアクセル開度APに対するスロットル開度STの関係をマップデータとして予め定めておき、▲3▼エンジン1の運転時に、マップデータを参照してアクセル開度AP及びエンジン回転速度NEに対応したスロットル開度STを目標開度TSTとして設定し、その設定された目標開度TSTとなるようにモータ4を制御することによりスロットルバルブ3を制御するというスロットルバルブ制御方法が実行されている。
【0030】
以上説明した本実施の形態のスロットルバルブ制御装置及びスロットルバルブ制御方法によれば、エンジン1の運転時に、エンジン回転速度NEが回転速度センサ8により検出され、運転者によるアクセルグリップ10の操作量(アクセル開度AP)がアクセルセンサ11により検出される。このとき、CPU13により、メモリ14に記憶されたマップデータが参照されて、検出されたアクセル開度AP及びエンジン回転速度NEの値に対応したスロットル開度STの値が目標開度TSTとして設定される。そして、スロットルバルブ3の開度が設定された目標開度TSTとなるようにCPU13によりモータ4が制御される。
【0031】
ここで、上記のマップデータは、図3に示すように、異なるエンジン回転速度NE1〜NE4のそれぞれについて、エンジン出力が最大となるスロットル開度STの値がアクセル開度APの最大値(100%)に対応させて設定されると共に、アクセル開度APに対するスロットル開度STの関係が予め定められている。従って、エンジン1の加速を要求して、アクセル開度APが最大値(100%)となるように運転者がアクセルグリップ10を操作すると、そのときのエンジン回転速度NEにおいて、エンジン出力が最大となるように調整され、最大値(100%)以外のアクセル開度APでは、エンジン出力が最大より小さく調整される。このため、運転者の要求通りの最大出力をエンジン1で得ることができ、エンジン1の加速応答性を良好なものにすることができる。つまり、滑らかな加速操作感を得ることができる。一方、減速を要求して、アクセル開度APが最大値(100%)以外の値となるように運転者がアクセルグリップ10を操作すると、そのときのエンジン回転速度NEにおいて、エンジン出力が低減方向へ調整される。このため、運転者の要求通りの出力低減を図ることができ、エンジン1の減速応答性を良好なものにすることができる。つまり、滑らかな減速操作感を得ることができる。この意味から、エンジン出力調整との関係で運転者にとっての操作性・操作感を向上させることができる。
【0032】
この実施の形態のスロットルバルブ制御装置及びスロットルバルブ制御方法によれば、運転者によるアクセルグリップ10の操作量(アクセル開度AP)が、最小値(0%)から最大値(100%)までの間の値となるとき、そのアクセル開度APの値に比例したスロットル開度STの値が目標開度TSTの値として設定される。従って、エンジン出力が、アクセル開度APの値に比例した値に調整されることになる。これにより、運転者がアクセルグリップ10の操作によりアクセル開度APの値を大きくすれば、相対的に大きい出力がエンジン1で得られ、運転者がアクセルグリップ10の操作によりアクセル開度APの値を小さくすれば、相対的に小さい出力がエンジン1で得られることになる。この結果、アクセル開度APの最小値(0%)から最大値(100%)までの間で、アクセル開度APの値にスロットル開度STを常に追従させることができ、エンジン出力をアクセル開度APの値に速やかに追従させることができる。このため、アクセルグリップ10の操作通りの出力をエンジン1で得ることができ、エンジン1が過剰出力となることを防止することができ、エンジン1のドライバビリティを向上させることができる。この意味でも、エンジン出力調整との関係で運転者にとっての操作性・操作感を向上させることができる。
【0033】
尚、この発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で以下のように実施することもできる。
【0034】
(1)前記実施の形態では、単気筒又は2気筒の二輪車用エンジン1に本発明のスロットルバルブ制御装置及びスロットルバルブ制御方法を具体化したが、四輪車用のエンジンに本発明のスロットルバルブ制御装置及びスロットルバルブ制御方法を具体化することもできる。
【0035】
(2)前記実施の形態では、運転者により操作される操作手段として、二輪車用のアクセルグリップ10を想定したが、四輪車の場合には、この操作手段をアクセルペダルとしてもよい。
【0036】
(3)前記実施の形態では、スロットルバルブ3の開度がアクセル開度APの値に対応した目標開度TSTの値となるように、スロットルセンサ5で検出されるスロットル開度STの値を監視しながらモータ4を制御することによりスロットルバルブ3を制御するように構成した。これに対して、スロットルバルブ3の開度がアクセル開度APの値に対応した目標開度TSTの値となるように、スロットルセンサ5で検出されるスロットル開度STの値を監視することなく、モータ4を制御することによりスロットルバルブ3を制御するように構成してもよい。
【0037】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明の構成によれば、エンジンの加速を要求して、操作量が最大値となるように運転者が操作手段を操作すると、エンジンの出力が最大となるように調整され、最大値以外の操作量では、エンジンの出力が最大より小さく調整される。このため、運転者の要求通りの最大出力をエンジンで得ることができ、エンジンの加速応答性を良好なものにすることができる。又、運転者の要求通りの出力低減を図ることができ、エンジンの減速応答性を良好なものにすることができる。この意味から、エンジン出力調整との関係で運転者にとっての操作性・操作感を向上させることができる。
【0038】
請求項2に記載の発明の構成によれば、エンジンの出力が、操作手段の操作量に比例した出力に調整される。このため、請求項1に記載の発明の効果に加え、操作手段の操作通りの出力をエンジンで得ることができ、エンジンが過剰出力となることを防止することができ、エンジンのドライバビリティを向上させることができる。
【0039】
請求項3に記載の発明の構成によれば、エンジンの加速を要求して、操作量が最大値となるように運転者が操作手段を操作すると、エンジンの出力が最大となるように調整され、最大値以外の操作量では、エンジンの出力が最大より小さく調整される。このため、運転者の要求通りの最大出力をエンジンで得ることができ、エンジンの加速応答性を良好なものにすることができる。又、運転者の要求通りの出力低減を図ることができ、エンジンの減速応答性を良好なものにすることができる。この意味から、エンジン出力調整との関係で運転者にとっての操作性・操作感を向上させることができる。
【0040】
請求項4に記載の発明の構成によれば、エンジンの出力が、操作手段の操作量に比例した出力に調整される。このため、請求項3に記載の発明の効果に加え、操作手段の操作通りの出力をエンジンで得ることができ、エンジンが過剰出力となることを防止することができ、エンジンのドライバビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係り、スロットルバルブ制御装置を含むエンジンシステムを示す概略構成図である。
【図2】スロットルバルブ制御装置を示すブロック図である。
【図3】マップデータを示すグラフである。
【図4】スロットル開度に対するエンジン出力の関係を示すグラフである。
【図5】制御プログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 吸気通路
3 スロットルバルブ
4 モータ(アクチュエータ)
8 回転速度センサ(回転速度検出手段)
10 アクセルグリップ(操作手段)
11 アクセルセンサ(操作量検出手段)
12 コントローラ(アクチュエータ制御手段、目標開度設定手段)
14 メモリ(関数データ記憶手段)
Claims (4)
- エンジンの吸気通路を開閉するためのスロットルバルブと、
前記スロットルバルブを駆動するためのアクチュエータと、
運転者により操作される操作手段と、
前記操作手段の操作量を検出するための操作量検出手段と、
前記スロットルバルブの開度が前記検出される操作量に対応した目標開度となるように前記アクチュエータを制御するためのアクチュエータ制御手段と
を備えたスロットルバルブ制御装置において、
前記エンジンの回転速度を検出するための回転速度検出手段と、
前記エンジンの異なる回転速度のそれぞれについて、前記エンジンの出力が最大となる前記スロットルバルブの開度を前記操作手段の操作量の最大値に対応させて設定すると共に前記操作量に対する前記開度の関係を予め定めてなる関数データを記憶した関数データ記憶手段と、
前記記憶された関数データを参照し、前記検出される操作量及び前記検出される回転速度に対応したスロットルバルブの開度を前記目標開度として設定するための目標開度設定手段と
を備えたことを特徴とするスロットルバルブ制御装置。 - 前記関数データは、前記操作量の最小値から最大値までの間で前記開度が前記操作量に比例して設定されることを特徴とする請求項1に記載のスロットルバルブ制御装置。
- エンジンの吸気通路を開閉するスロットルバルブを、運転者による操作手段の操作量に対応させて制御するスロットルバルブ制御方法であって、
前記エンジンの異なる回転速度のそれぞれについて、前記エンジンの出力が最大となる前記スロットルバルブの開度を前記操作手段の操作量の最大値に対応させて設定すると共に前記操作量に対する前記開度の関係を関数データとして予め定めておき、
前記エンジンの運転時に、前記関数データを参照して前記操作手段の操作量及び前記エンジンの回転速度に対応した開度を目標開度として設定し、その設定された目標開度となるように前記スロットルバルブを制御する
ことを特徴とするスロットルバルブ制御方法。 - 前記関数データは、前記操作量の最小値から最大値までの間で前記開度が前記操作量に比例して設定されることを特徴とする請求項3に記載のスロットルバルブ制御方法。
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