JP2004156509A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クランクシャフト側の駆動リング3とカムシャフト1側の従動軸部材7の間に、両者の組付角を変更するための組付角変更手段4を介在させ、組付角変更手段4を内燃機関の運転状態に応じてフィードバック制御する。このようなバルブタイミング制御装置において、駆動リング3と従動軸部材7の組付角が設定時間以上、組付角変更手段4のフィードバック制御が働かない誤差範囲内の一定角度位置に維持されたときに、前記フィードバック制御が働かない範囲で組付角変更手段4を微小作動させる。また、内燃機関の回転速度が設定速度以上になったときに、組付角変更手段4のフィードバック制御が働かない範囲で同変更手段4を微小作動させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、内燃機関の吸気側または排気側の機関弁の開閉タイミングを運転状態に応じて可変制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のバルブタイミング制御装置として、次のようなものが案出されている。
【0003】
このバルブタイミング制御装置は、クランクシャフトにタイミングチェーン等を介して連係されたハウジング(駆動回転体)がカムシャフトの端部に回動可能に組み付けられ、ハウジングの内側端面に形成された径方向ガイドに可動案内部が径方向に沿って摺動自在に係合支持されると共に、径方向外側に突出するレバーを有するレバー軸(従動回転体)がカムシャフトの端部にボルト結合され、可動案内部とレバー軸のレバーとがリンクによって枢支連結されている。そして、前記径方向ガイドに対向する位置には、渦巻き状ガイドを有する中間回転体がハウジングとレバー軸に対して相対回動可能に設けられ、前記可動案内部の軸方向の一方の端部に突設された略円弧状の複数の突条が前記渦巻き状ガイドに案内係合されている。また、中間回転体はハウジングに対して回転を進める側にゼンマイばねによって付勢されると共に、電磁ブレーキによって回転を遅らせる側の力を適宜受けるようになっている。この装置の場合、中間回転体に操作力を付与するゼンマイばね及び電磁ブレーキと、中間回転体の回動に応じてハウジング(駆動回転体)とレバー軸(従動回転体)の組付角を回動操作するリンクと、によって組付角変更手段が構成されている。
【0004】
この装置においては、電磁ブレーキがOFF状態のときには、中間回転体がゼンマイばねの付勢力を受けハウジングに対して初期位置に位置されており、渦巻き状ガイドに突条でもって噛合う可動案内部は径方向外側に最大に変位し、リンクを引き起こしてハウジングとレバー軸の組付角を最遅角位相の角度位置(以下、「最遅角位置」と呼ぶ。)または最進角位相の角度位置(以下、「最進角位置」と呼ぶ。)に維持している。そして、この状態から電磁ブレーキがONにされると、中間回転体が減速されてハウジングに対して遅れ側に相対回転する結果、渦巻き状ガイドに噛合う可動案内部が径方向内側に変位し、今まで引き起こされていたリンクを次第に倒すようにしてハウジングとレバー軸の組付角を最進角位置または最遅角位置に変更する。
【0005】
【特許文献】
特開2001−41013号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のバルブタイミング制御装置は、組付角変更手段の各部が摺動して駆動回転体と従動回転体の組付角を変更するが、駆動回転体と従動回転体の組付角が長時間一定角度位置に保持されると、カムシャフト等からの微振動の入力によって摺動部に局部的な摩耗や変形が生じ、その摩耗や変形によって装置の円滑な作動が阻害されることがある。
【0007】
そこでこの出願の発明は、駆動回転体と従動回転体の組付角が一定角度位置に長時間保持されることによる摺動部の摩耗や変形を確実に防止し、長期に亙って安定した作動を得ることのできる内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するための手段として、この出願の一つの発明は、駆動回転体と従動回転体の組付角が設定時間以上、組付角変更手段のフィードバック制御が働かない誤差範囲内の一定角度位置に維持されたときに、前記フィードバック制御が働かない範囲で組付角変更手段を微小作動させるようにした。
【0009】
この発明の場合、組付角が設定時間以上、一定角度位置に維持されると、組付角変更手段が微小作動することによって摺動部を変動させるため、組付角が一定角度位置に維持されることによる摺動部の局部的な摩耗や変形を確実に防止することができる。また、組付角変更手段の微小作動は、同変更手段のフィードバック制御が働かない範囲で行われるため、この微小作動が原因で組付角が大きく変動してしまう不具合は生じない。
【0010】
また、この出願の別の発明は、内燃機関の回転速度が設定速度以上になったときに、組付角変更手段のフィードバック制御が働かない範囲で同変更手段を微小作動させるようにした。
【0011】
この発明の場合、内燃機関の回転速度が設定速度以上になると、組付角変更手段が微小作動することによって摺動部を変動させるため、組付角が一定角度位置に維持されることによる摺動部の局部的な摩耗や変形を確実に防止することができる。内燃機関が高回転域にあるときには、組付角を頻繁に変える必要が少ないうえ、摺動部の摩耗や変形の原因となるカムシャフトの変動トルクの振れが大きくなる。この発明においては、内燃機関の回転速度が設定速度以上になったときに組付角変更手段を微小作動させるため、組付角の変更操作に悪影響を及ぼすことなく摺動部の摩耗や変形を効果的に防止することができる。また、組付角変更手段の微小作動は同変更手段のフィードバック制御が働かない範囲で行われるため、この微小振動による組付角の大きな狂いを無くすことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、この出願の発明の一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
【0013】
この実施形態は、この出願の発明にかかるバルブタイミング制御装置を内燃機関の吸気側の動弁系に適用したものであるが、排気側の動弁系に同様に適用することも可能である。
【0014】
バルブタイミング制御装置は、図1に示すように内燃機関のシリンダヘッド(図示せず)に回転自在に支持されたカムシャフト1と、このカムシャフト1の前端部に結合された従動軸部材7(従動回転体)と、この従動軸部材7に必要に応じて相対回動できるように組み付けられ、チェーン(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)に連係されるタイミングスプロケット2を外周に有する駆動リング3(駆動回転体)と、この駆動リング3と従動軸部材7の前方側(図1中左側)に配置され、両者3,1を相対回動させて組付角を操作する組付角変更手段4と、内燃機関の図外のシリンダヘッドとヘッドカバーの前面に跨って取り付けられて組付角変更手段4の前面と周域を覆う図外のVTCカバーと、を備えている。尚、組付角変更手段4は、回動操作力を発生する操作力発生部40と、その操作力発生部40で発生した回動操作力を駆動リング3と従動軸部材7の相対的な回転力に変換する変換機構部41と、によって構成されている。
【0015】
駆動リング3は、段差状の挿通孔6を備えた略円板状に形成され、この挿通孔6部分が従動軸部材7(従動回転体)に回転可能に組み付けられている。そして、駆動リング3の前面(カムシャフト1と逆側の面)には、図2,図3に示すように、対面する平行な側壁を有する3つの径方向溝8(径方向ガイド)が同リング3のほぼ半径方向に沿うように形成されている。
【0016】
また、従動軸部材7は、図1に示すように、カムシャフト1の前端部に突き合される基部側の外周に拡径部が形成されると共に、その拡径部よりも前方側の外周面に放射状に突出する三つのレバー9が一体に形成され、軸芯部を貫通するボルト10によってカムシャフト1に結合されている。各レバー9には、リンク11の基端がピン12によって枢支連結され、各リンク11の先端には前記各径方向溝8に摺動自在に係合する円柱状の突出部13が一体に形成されている。
【0017】
各リンク11は、突出部13が対応する径方向溝8に係合した状態において、ピン12を介して従動軸部材7に連結されているため、リンク11の先端側が外力を受けて径方向溝8に沿って変位すると、駆動リング3と従動軸部材7はリンク11の作用でもって突出部13の変位に応じた方向及び角度だけ相対回動する。
【0018】
また、各リンク11の先端部には、軸方向前方側に開口する収容穴14が形成され、この収容穴14に、後述する渦巻き溝15(渦巻き状ガイド)に係合する係合ピン16と、この係合ピン16を前方側(渦巻き溝15側)に付勢するコイルばね17とが収容されている。尚、この実施形態の場合、リンク11の先端の突出部13と係合ピン16、コイルばね17等によって径方向に変位可能な可動案内部が構成されている。
【0019】
一方、従動軸部材7のレバー9の突設位置よりも前方側には、円板状のフランジ壁を有する中間回転体18が軸受19を介して回転自在に支持されている。この中間回転体18のフランジ壁の後面側には断面半円状の前述の渦巻き溝15が形成され、この渦巻き溝15に、前記各リンク11の先端の係合ピン16が転動自在に案内係合されている。渦巻き溝15の渦巻きは、機関回転方向Rに沿って次第に縮径するように形成されている。したがって、各リンク11先端の係合ピン16が渦巻き溝15に係合した状態において、中間回転体18が駆動リング3に対して遅れ方向に相対回転すると、リンク11の先端部は径方向溝8に案内されつつ、渦巻き溝15の渦巻き形状に誘導されて半径方向内側に移動し、逆に、中間回転体18が進み方向に相対変位すると、半径方向外側に移動する。
【0020】
組付角変更手段4の変換機構部41は、以上説明した駆動リング3の径方向溝8、リンク11、突出部13、係合ピン16、レバー9、中間回転体18、渦巻き溝15等によって構成されている。この変換機構部41は、後述する操作力発生部40から中間回転体18にカムシャフト1に対する相対的な回動操作力が入力されると、その操作力が渦巻き溝15と係合ピン16の係合部を通してリンク11の先端を径方向に変位させ、このときリンク11が揺動してその揺動量に応じて駆動リング3と従動軸部材7を相対回動させる。
【0021】
尚、上述の変換機構部41には、カムシャフト1側から内燃機関の潤滑油が連続的に送られ、径方向溝8、リンク11、係合ピン16、渦巻き溝15をはじめとする各部の摺動部に潤滑油が常時供給されるようになっている。
【0022】
一方、操作力発生部40は、中間回転体18を駆動リング3に対して機関回転方向Rに付勢する付勢手段としてのゼンマイばね45と、中間回転体18を駆動リング3に対して機関回転方向Rと逆方向に作動させる(付勢手段に抗する力を発生する)ヒステリシスブレーキ20と、を備え、ゼンマイばね45の付勢力とヒステリシスブレーキ20の作動力とのバランスによって中間回転体18を回動操作するようになっている。尚、この実施形態においては、電磁アクチュエータの一例としてヒステリシスデレーキ20を用いたが、ヒステリシスブレーキに限らず他の形式の電磁ブレーキを採用することも可能である。
【0023】
ゼンマイばね45は、駆動リング3に延設された円筒壁21にその外周端部が結合される一方、内周端部が中間回転体18の円筒状の基部に結合されている。
【0024】
また、中間回転体18のカムシャフト1と逆側の端面には、封止壁46が一体に結合され、その封止壁46の外周面が前記円筒壁21の内面に摺動自在に密接している。
【0025】
図1,図4に示すように、ヒステリシスブレーキ20は、非回転部材であるVTCカバーに取り付けられると共に、略円筒状の隙間を挟む対向面を備えた磁気誘導部材22と、前記対向面に設けられた内側極歯23、及び、外側極歯24と、磁気誘導部材22に取り付けられて内側極歯23と外側極歯24の間に磁界を生じさせる電磁コイル25と、前記両極歯23,24間に非接触状態で挿入配置された円筒状のヒステリシスリング26と、外周端がこのヒステリシスリング26に一体に結合された状態で中間回転体18に連結ピン47とゴムブッシュ48を介して結合された円環プレート27と、を備え、電磁コイル25がコントローラ42の出力信号によって適宜通電制御されるようになっている。
【0026】
磁気誘導部材22の内側極歯23と外側極歯24は夫々軸方向に沿って延出する複数の極歯要素を有している。両極歯23,24の極歯要素は夫々円周方向に沿って配置され、極歯23,24の極歯要素相互は円周方向にオフセットされている。したがって、電磁コイル25が通電されると、両極歯23,24間には、オフセットした位置関係にある相手極歯要素に向かう磁界が発生する。
【0027】
ヒステリシスリング26は、磁気的ヒステリシス特性を有するヒステリシス材から成り、同リング26の回転中に内側極歯23と外側極歯24の間に磁界が発生すると、その磁界の向きとヒステリシスリング26内の磁束の向きとにずれが生じるようになっている。ヒステリシスブレーキ20は、このずれによって制動力を発生する。また、円環プレート27は、磁気誘導部材22の内周面に軸受28,29を介して支持された軸部材30に一体に結合されている。したがって、ヒステリシスリング20は、円環プレート27と軸部材30を介して磁気誘導部材22に相対回転可能に支持されている。
【0028】
また、コントローラ42には、クランク角センサ35やカム角センサ36等から機関の運転状態を判断するための信号が入力され、コントローラ42は、これらの信号に基づいてヒステリシスブレーキ20の通電電流を適宜制御するようになっている。具体的には、コントローラ42は上述の検出信号に基いてそのときの機関運転状態を判断し、その機関運転状態に適した組付角を目標組付角として決定した後、実際の組付角が目標組付角に近付くようにヒステリシスブレーキ20の通電電流をフィードバック制御する。
【0029】
ここで、コントローラ42は上述のように通電電流をフィードバック制御するが、このフィードバック制御では、組付角変更機構4の不安定な過敏作動を抑制するために所謂不感帯(フィードバック制御が働かない角度範囲。)が存在する。このバルブタイミング制御装置においては、組付角変更機構4の作動範囲が上記の不感帯の範囲内となるように、以下の(1),(2)条件下で電流波形が鋸歯状となるディザー電流(図5参照。)を通電するようにしている。以下、ディザー電流を通電する制御を「ディザー制御」と呼ぶものとする。
(1)内燃機関の回転速度が図6の設定速度R0以上であるとき。
【0030】
ただし、速度R0はカムシャフト1の変動トルク(バルブスプリングと駆動カムのプロフィールに起因する交番トルク)のピーク値を時間軸に沿って繋いだとき、その線の傾きが0から正または負の勾配を持ち始めるときの速度、即ち、変動トルクの正負いずれかのピークの絶対値が増加を始めるときの速度である。
(2)設定時間T1以上、設定角α以上の組付角変更指令が無いとき。
【0031】
ただし、時間T1は任意に決めた時間であり、設定角αは不感帯に相当する角度である。
【0032】
尚、図1〜図3中、43は、中間回転体18と駆動リング3の間に設けられ、両者18,3の相対回動範囲を規制するストッパである。
【0033】
このバルブタイミング制御装置は以上のような構成であるため、クランクシャフトとカムシャフト1の回転位相(機関弁の開閉タイミング)を最進角側に変更する場合には、ヒステリシスブレーキ20に所定の電流を通電することにより、ゼンマイばね45の力に抗する制動力が円環プレート27から中間回転体18に連結ピン47とゴムブッシュ48を介して伝達される。これにより、中間回転体18が駆動リング3に対して逆方向に回転し、それによってリンク11の先端の係合ピン16が渦巻き溝15に誘導されてリンク11の先端部が径方向内側に変位し、このとき、図3に示すようにリンク11の作用によって駆動リング3と従動軸部材7の組付角が最進角位置に変更される。
【0034】
また、クランクシャフトとカムシャフト1の回転位相(機関弁の開閉タイミング)を最遅角側に変更する場合には、ヒステリシスブレーキ20の通電をオフにすることにより、中間回転体18がゼンマイばね45の力によって機関回転方向に回転させられる。すると、渦巻き溝15による係合ピン16の誘導によってリンク11の先端部が径方向外側に変位し、このとき、図2に示すようにリンク11の作用によって駆動リング3と従動軸部材7の組付角が最遅角位置に変更される。
【0035】
そして、クランクシャフトとカムシャフト1の回転位相を最進角位置と最遅角位置の間の任意の位置に変更する場合には、ヒステリシスブレーキ20に通電する電流値を適宜制御することにより、駆動リング3に対する中間回転体18の相対回動位置がゼンマイばね45とヒステリシスブレーキ20とのバランスによって調整される。
【0036】
これらのヒステリシスブレーキ20に対する電流の制御は基本的に前述のフィードバック制御によって行われるが、この電流の制御にあたっては図7のフローチャートに示すような処理が実行される。
【0037】
この処理について説明すると、まず、S1において、機関回転速度が設定速度R0以上であるかどうかが判断され、設定速度R0以上でない場合にはディザー制御を行わない通常のフィードバック制御を行い、設定速度R0以上である場合にはS2に進む。S2においては、一定時間T1内に設定角度以上の組付角変換指令があったかどうかが判断され、その指令があった場合にはディザー制御を行わないフィードバック制御を行い、その指令がなかった場合にだけディザー制御を行う。
【0038】
したがって、このバルブタイミング制御装置においては、機関回転速度がR0以上であり、かつ、組付角が設定時間T1以上、フィードバック制御の働かない誤差範囲内の一定角度位置に維持されたときにのみ、ヒステリシスブレーキ20にディザー電流が通電される。そして、ディザー電流が通電されると、図5に示すように組付角がαの範囲で微小作動して組付角変更手段4の各部の摺動部が微小に変動し、その結果、摺動部が長時間一定接触状態に維持されることによる摩耗や変形が防止される。特に、この実施形態の場合、組付角変更手段4の各部に潤滑油が供給されるが、この潤滑油は上記の摺動部の微小作動によって摺動部の接触面に確実に回り込み、接触面の潤滑油切れを確実に防止する。
【0039】
ところで、この実施形態のバルブタイミング制御装置においては、上記二つの条件を満たすときにディザー制御に切換えるようにしているが、ディザー電流の切換えはいずれか一方の条件を満たすときのみ行うようにしても良い。
【0040】
即ち、前者の機関回転速度がR0以上の条件下では、機関回転速度が比較的高回転域であるために頻繁な組付角操作(回転位相の変更)を行う必要がなく、しかも、カムシャフトの変動トルクの振れが組付角変更手段4の各部の摺動部に摩耗や変形の危害を及ぼすことがない。したがって、この条件を満たすときのみディザー制御を行うようにすれば、ディザー電流の通電によってフィードバック制御に悪影響(制御が不安定になる影響。)が及ぶ可能性が少なくなる。
【0041】
また、後者の条件下では、組付角が長時間一定角度位置に維持され、組付角変更手段4の摺動部に摩耗や変形が最も生じ易くなり、この条件のときにのみディザー制御を行えば、やはりフィードバック制御への悪影響は少なくなる。
【0042】
ただし、上述の実施形態のように二つの条件を同時に満たすときにのみディザー制御を行うようにした場合には、フィードバック制御への悪影響をより少なくしつつ、摺動部の摩耗や変形を確実に防止することができる。
【0043】
尚、この発明の実施形態は以上で説明したものに限るものではなく、例えば、上記の実施形態においては、組付角変更手段の操作力発生部はゼンマイばねとヒステリシスブレーキによって構成したが、操作力発生部はこれら以外の付勢手段と電磁アクチュエータによって構成するようにしても良い。また、操作力発生部は必ずしも付勢手段を用いる必要はなく、正転逆転操作ができるアクチュエータを用いれば付勢手段を無くすこともできる。
【0044】
さらに、組付角変更手段の操作力発生部は油圧アクチュエータを用いるようにしても良い。この場合、例えば、フィードバック制御が働かない範囲で油圧アクチュエータの供給油圧を微小変動させれば前述の実施形態と同様に組付角変動機構を微小作動させることができる。
【0045】
次に、上記の各実施形態から把握し得る請求項に記載以外の発明について、以下にその作用効果と共に記載する。
【0046】
(イ) 内燃機関の回転速度が設定速度以上で、かつ、前記駆動回転体と従動回転体の組付角が設定時間以上、組付角変更手段のフィードバック制御が働かない誤差範囲内の一定角度位置に維持されたときに、前記フィードバック制御が働かない範囲で組付角変更手段を微小作動させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
【0047】
この場合、組付角変更手段の微小作動がフィードバック制御に悪影響を及ぼす可能性がより少なくなる。
【0048】
(ロ) 前記設定回転速度は、カムシャフトの変動トルクのピーク値が変化し始める回転速度であることを特徴とする請求項2または前記(イ)に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
【0049】
この場合、カムシャフトの変動トルクが摺動部の摩耗や変形に影響を与える回転域のみ組付角変更手段を微小作動させるため、必要外の回転域での組付角変更手段の微小作動がなく、フィードバック制御への悪影響や制御の複雑化を回避することができる。
【0050】
(ハ) 組付角変更手段の摺動部には潤滑油が供給されていることを特徴とする請求項1、2、前記(イ),(ロ)のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
【0051】
この場合、組付角変更手段の微小作動に伴なう摺動部の変動により、摺動部に確実に潤滑油が行き渡る。したがって、この潤滑油によって摺動部の局部的な摩耗や変形をより確実に防止することができる。
【0052】
(ニ) 組付角変更手段のアクチュエータとして電磁アクチュエータが用いられていることを特徴とする請求項1,2、前記(イ)〜(ハ)のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
【0053】
この場合、組付角変更手段に油圧アクチュエータを用いるものと異なり、組付角変更手段の各部がオイルの内部に浸されていないため、組付変更手段を微小作動させることは摺動部の局部的な摩耗や変形を防止するうえで特に有効となる。
【0054】
(ホ) 組付角変更手段は、
駆動回転体と従動回転体のいずれか一方に設けられた径方向ガイドと、
前記駆動回転体と従動回転体に対して相対回動可能に設けられ、前記径方向ガイドに対峙する側の面に渦巻き状ガイドを有する中間回転体と、
前記径方向ガイドと渦巻き状ガイドに変位可能に案内係合される可動案内部と、
前記駆動回転体と従動回転体のいずれか他方のものの回転中心から離間した部位と前記可動案内部とを揺動可能に連結するリンクと、
前記中間回転体を回動させる回動操作力を発生する操作力発生部と、を備え、中間回転体に入力された回動操作力を、渦巻き状ガイドと可動案内部の係合部によって増幅して、駆動回転体と従動回転体の組付角操作力に変換することを特徴とする請求項1,2、(イ)〜(ニ)のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
【0055】
この場合、操作力発生部から中間回転体に入力された回動操作力を渦巻き状ガイドを通して可動案内部の径方向の変位に変換するものでため、可動案内部に接触する渦巻き状ガイドの摺動部を円滑に保つうえで特に有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の一実施形態を示す縦断面図。
【図2】同実施形態を示す図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】同実施形態の作動状態を示す図2に対応の断面図。
【図4】同実施形態を示す分解斜視図。
【図5】同実施形態と従来のものの時間軸上における通電電流と変換角の変化を示す図。
【図6】同実施形態のカムシャフトトルク−機関回転数特性を示す図。
【図7】同実施形態の制御を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…カムシャフト
3…駆動リング(駆動回転体)
4…組付角変更手段
7…従動軸部材(従動回転体)
Claims (2)
- 内燃機関のクランクシャフトによって回転駆動される駆動回転体と、カムシャフト若しくは同シャフトに結合された別体部材から成り、前記駆動回転体が必要に応じて相対回動できるように組み付けられた従動回転体と、前記駆動回転体と従動回転体の組付角を操作する組付角変更手段と、を備え、前記組付角変更手段が、駆動回転体と従動回転体の組付角を目標角度位置に近付けるべくフィードバック制御される内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記駆動回転体と従動回転体の組付角が設定時間以上、組付角変更手段のフィードバック制御が働かない誤差範囲内の一定角度位置に維持されたときに、前記フィードバック制御が働かない範囲で組付角変更手段を微小作動させることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 内燃機関のクランクシャフトによって回転駆動される駆動回転体と、カムシャフト若しくは同シャフトに結合された別体部材から成り、前記駆動回転体が必要に応じて相対回動できるように組み付けられた従動回転体と、前記駆動回転体と従動回転体の組付角を操作する組付角変更手段と、を備え、前記組付角変更手段が、駆動回転体と従動回転体の組付角を目標角度位置に近付けるべくフィードバック制御される内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
内燃機関の回転速度が設定速度以上になったときに、組付角変更手段のフィードバック制御が働かない範囲で同変更手段を微小作動させることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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