JP2004155640A - セラミック断熱材を塗布した石こうボード - Google Patents

セラミック断熱材を塗布した石こうボード Download PDF

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博 千野
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Abstract

【課題】石こうボードに熱伝導を遮断する発泡ウレタン等を組み合わせた複合材は軽量ではあるが体積が大きいため、保管及び運送に大きな費用と作業量を要し、建築業務の合理化の妨げとなっている。
【解決手段】熱輻射に対する遮断性能が極めて大きい中空セラミック・ビーズを含む塗料を石こうボードに塗布することにより、断熱性能を損なわず、複合剤としての厚さを凡そ3分の1にして費用と作業量を低減することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の壁材として用いる石こうボードと断熱材を組み合わせた建築用複合材料(以下、複合材と略)に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物の壁材には機械的剛性、耐火性、断熱性等の複数の機能が求められる。石こうボードは機械的剛性と耐火性を兼ね備え、価格的にも低廉であるため広範に構造材として使用される建築資材である。これと組み合わせて使用される断熱材は一般的にはガラス繊維マットや発泡ウレタン或いは無機質発泡材等であり、作業性を向上するためこれら構造材と断熱材を一体に構成した複合材として提供されることが多い(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−262738号公報(請求項1、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
石こうボードに発泡ウレタンを組み合わせた複合材の場合を例にとろう。一般的に石こうボードの厚さは10mm程度、発泡ウレタンの厚さは20mm程度である。この場合の複合材としての仕上り厚さは構造材である石こうボードの凡そ3倍になっている。
【0005】
建築では非常に大量の資材が現場に搬入される。前述の建築複合材は重量は軽いが体積は大きく、いってみれば空気を運んでいるようなもので、大量の運搬作業をこなさなくてはならない建築業務において運搬効率を著しく低下させる問題の資材である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この問題を解決する手段の一つが断熱材の厚さを薄くすることである。断熱性能を維持しながら複合材としての厚さを石こうボードに近いまで薄くできれば、凡そ運搬効率を3倍にすることができる。
【0007】
前述複合材の体積を大きくしているのは断熱材である。ガラス繊維、発泡ウレタン、無機質発泡材等の断熱材は極めて密度が低い。これは断熱材の占める体積の大部分を空気で占有させる構造をとることにより、その熱伝導率をウレタン樹脂等より1桁小さい空気の熱伝導率に近づけるためである。複合材を貫流する熱量は断熱材の面積と熱伝導率と両面間の温度差の積を断熱材の厚さで除して得られる。従って断熱性能を維持するためには断熱材の厚さを低減することはできない。
【0008】
熱の移動には対流・伝導・輻射の3方式がある。前述の断熱材は伝導に対しての熱絶縁を動作原理としており、真空にでもしない限り原理的に厚さを薄くすることが困難である。本発明においては輻射原理により熱の移動を遮断する。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1に本発明になる断熱性能を有する複合材の断面図を示す。石こうボード1の上に断熱塗料膜2が約0.8mmの厚さで塗布されている。この断熱塗料膜2は中空セラミック・ビーズを濃密に含有する塗料、例えば商品名「シスターコート」として市販されている断熱塗料を、石こうボードを水平に保ってその上面にスプレー成いはローラーコーター等の塗布手段により塗布する。
【0010】
セラミック・ビーズは中空であって比重が塗料の樹脂成分より若干軽く、塗布後に浮上して塗料の表面及びその近傍に集積し、乾燥工程を経てその位置に固定される性質を有する。これは断熱材として極めて好ましい性質である。
【0011】
本発明になる複合材の用途の一つが外断熱方式の建物において外装壁の内側に設けられる断熱壁材である。複合材の表面に集積した前述セラミック・ビーズは白色である。夏季における外装壁からの赤外線輻射の相当部分をセラミック・ビーズは反射する。さらに、セラミック・ビーズは反射できなくて吸収した熱量により温度上昇するとセラミック特有の遠赤外線を輻射するが、その相当部分は外装壁へ向かっての輻射である。この直接反射と吸収輻射の総合効果により、本発明になる複合材は発泡ウレタン断熱材に匹敵する断熱性能を発揮することができる。
【0012】
本発明になる複合材は輻射として侵入する熱に対する断熱作用を有するものであり、断熱塗料を塗布してある面に対して断熱効果が大きい。それ故、夏季は外部から侵入する熱を遮断し、冬季は室内の熱の放散を阻止するためには石こうボードの両面に前述断熱塗料を塗布することが望ましい。
【0013】
【発明の効果】
本発明になる複合材は断熱材の厚さが極めて薄いため、仕上がり厚さが石こうボードと殆ど変らず、現在一般的に使用されている石こうボードとその2倍の厚さを有する発泡ウレタンを組み合わせた複合材に比較すると、凡そ3分の1の体積であるため倉庫保管や物流に要する費用が凡そ3分の1となり、著しい作業の合理化、費用の低減を実現することができる。
【0014】
また、製造設備費用が極めて大きい発泡ウレタン・石こうボード複合材に比較して、本発明になる複合材は製造設備が極めて簡単で低廉である。
【0015】
さらに、本発明になる複合材は使用資材の量が発泡ウレタン・石こうボード複合材に比較して極めて少なく、前述のように製造設備費も低廉であるため、製品価格も著しく安価にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる請求項1に相当する実施例の図である。
【符号の説明】
1 石こうボード
2 断熱塗料膜

Claims (1)

  1. 石こうボードの片面または両面に濃密に中空セラミック・ビーズを混合した塗料を塗布した断熱性能を有する建築用複合材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140114730A (ko) * 2013-03-19 2014-09-29 니치하 가부시키가이샤 건축판, 및 건축판의 제조 방법
JP2015086628A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 国立大学法人 筑波大学 代謝率向上ルーム、それに用いる内装材

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