JP2004155558A - 乗客コンベアの移動手摺り駆動装置および移動手摺り駆動装置の調整方法 - Google Patents
乗客コンベアの移動手摺り駆動装置および移動手摺り駆動装置の調整方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】複数個の駆動ローラの位置によりそれぞれの摩耗量が異なる不均等摩耗を防止できる乗客コンベアの移動手摺り駆動装置の提供。
【解決手段】駆動ローラ11a〜11cが回転自在に取付けられる支持枠14の両端部を押圧するコイルばね23a、23bと、コイルばね23a、23bを付勢する調整ボルト24a、24bとを備えた。これにより、移動手摺り8の進入側の調整ボルト24aをゆるめてコイルばね23aより支持枠14を押付ける力を小さくすることで、駆動ローラ11aの駆動力が減少して送出側の駆動ローラ11cの駆動力が増加し、駆動ローラ11a〜11cの駆動力が均等となる。
【選択図】 図1
【解決手段】駆動ローラ11a〜11cが回転自在に取付けられる支持枠14の両端部を押圧するコイルばね23a、23bと、コイルばね23a、23bを付勢する調整ボルト24a、24bとを備えた。これにより、移動手摺り8の進入側の調整ボルト24aをゆるめてコイルばね23aより支持枠14を押付ける力を小さくすることで、駆動ローラ11aの駆動力が減少して送出側の駆動ローラ11cの駆動力が増加し、駆動ローラ11a〜11cの駆動力が均等となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗客コンベアの移動手摺り駆動装置および移動手摺り駆動装置の調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3はこの種の乗客コンベアの移動手摺り駆動装置の一例を示す説明図である。
【0003】
図3に示す乗客コンベアは、隣接する図示しない階床間に取付けられるフレーム1と、このフレーム1内に配置された一対のターミナルギヤ2と、両ターミナルギヤ2間に掛けられたステップチェーン3と、このステップチェーン3に結合される複数の踏段4と、ターミナルギヤ2を回転させる駆動装置5と、この駆動装置5などを制御する制御盤6と、踏段4の両側に配置される欄干7と、この欄干7に沿って走行する移動手摺り8と、ターミナルギヤ2から駆動手段9を介し駆動力を得て移動手摺り8を駆動する移動手摺り駆動装置10とを有している。
【0004】
従来、このような移動手摺り駆動装置10は、移動手摺り8に接触して移動手摺り8に走行力を付与する例えば3個の駆動ローラ11a、11b、11cと、これらの駆動ローラ11a〜11cにそれぞれ対応して配置される従動ローラ12a、12b、12cとを備えており、これらの駆動ローラ11a〜11cと従動ローラ12a〜12cとにより移動手摺り8を挟圧した状態で駆動ローラ11a〜11cを介して移動手摺り8に走行力が付与するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10―175790号公報
(段落番号0015−0022、図1―図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来技術では、駆動ローラ11a〜11cがそれぞれ移動手摺り8を押付ける力を均等にして同一速度で回転させて移動手摺り8を駆動すると、この移動手摺り8が剛性体ではなく曲がりやたわみを生じる柔軟な構造体であるため、移動手摺り8の進入側に位置する例えば駆動ローラ11aに最大の駆動力が発生し、使用している間に最大の摩耗が生じ、一方、移動手摺り8の送出側に位置する例えば駆動ローラ11cの発生する駆動力が最小となり、この駆動ローラ11cの摩拝は少なくなる。要するに、駆動ローラ11a〜11cの位置によって駆動力が不均等になることによりそれぞれの摩耗量が異なる不均等摩耗が発生するという問題がある。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術における実情に鑑みてなされたもので、その目的は、複数個の駆動ローラの摩耗を均等なものとし、駆動ローラの取付け位置によってそれぞれの摩耗量が異なる不均等摩耗を防止することのできる乗客コンベアの移動手摺り駆動装置および移動手摺り駆動装置の調整方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る発明は、乗客コンベアの移動手摺りに接触してこの移動手摺りに走行力を付与する複数個の駆動ローラと、これらの駆動ローラにそれぞれ対応して配置される複数個の従動ローラとを備えた乗客コンベアの移動手摺り駆動装置において、前記複数個の駆動ローラのうち、前記移動手摺りの進入側に位置する駆動ローラが前記移動手摺りを押付ける力を小さくするとともに、前記移動手摺りの送出側に位置する駆動ローラが前記移動手摺りを押付ける力を大きくした構成にした。
【0009】
このように構成した本発明の請求項1に係る発明では、移動手摺りの進入側に位置する駆動ローラが押付ける力を小さくすることによりこの駆動ローラで移動手摺りを駆動する力が減少するとともに、送出側に位置する駆動ローラが押付ける力を大きくすることによりこの駆動ローラで移動手摺りを駆動する力が増加するので、これらの駆動ローラ間での駆動力の分担が均等となる。これにより、各駆動ローラの摩耗はほぼ同じ程度で進行していくため、複数個の駆動ローラの取付け位置によってそれぞれの摩耗量が異なる不均等摩耗を防止することができる。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明の請求項2に係る発明は、乗客コンベアの移動手摺りに接触してこの移動手摺りに走行力を付与する複数個の駆動ローラと、これらの駆動ローラにそれぞれ対応して配置される複数個の従動ローラとを備えた乗客コンベアの移動手摺り駆動装置において、前記複数個の駆動ローラがそれぞれ前記移動手摺りを押付ける力の配分比率を調整する配分比率調整手段を備えた構成にした。
【0011】
このように構成した本発明の請求項2に係る発明では、複数個の駆動ローラがそれぞれ移動手摺りを押付ける力の配分比率を配分比率調整手段で調整することによって、移動手摺りの進入側に位置する駆動ローラで移動手摺りを駆動する力が減少するとともに、送出側に位置する駆動ローラで移動手摺りを駆動する力が増加するので、これらの駆動ローラ間での駆動力の分担が均等となる。これにより、各駆動ローラの摩耗はほぼ同じ程度で進行していくため、複数個の駆動ローラの取付け位置によってそれぞれの摩耗量が異なる不均等摩耗を防止することができる。
【0012】
また、上記目的を達成するため、本発明の請求項3に係る発明は、乗客コンベアの移動手摺りに接触してこの移動手摺りに走行力を付与する複数個の駆動ローラと、これらの駆動ローラにそれぞれ対応して配置される複数個の従動ローラとを備えた乗客コンベアの移動手摺り駆動装置にあって、前記複数個の駆動ローラがそれぞれ前記移動手摺りを押付ける力を調整する移動手摺り駆動装置の調整方法において、前記複数個の駆動ローラのうち、前記移動手摺りの進入側に位置する駆動ローラが前記移動手摺りを押付ける力を、前記移動手摺りの送出側に位置する駆動ローラの押付け力より小さくなるように調整する構成にした。
【0013】
このように本発明の請求項3に係る発明では、移動手摺りの進入側に位置する駆動ローラが移動手摺りを押付ける力を、移動手摺りの送出側に位置する駆動ローラの押付け力より小さくなるように調整したので、これらの駆動ローラ間での駆動力の分担が均等となる。これにより、各駆動ローラの摩耗はほぼ同じ程度で進行していくため、複数個の駆動ローラの取付け位置によってそれぞれの摩耗量が異なる不均等摩耗を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の乗客コンベアの移動手摺り駆動装置および移動手摺り駆動装置の調整方法の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施形態に係る乗客コンベアの移動手摺り駆動装置を示す正面図、図2は本実施形態の移動手摺り駆動装置を示す平面図である。なお、図1および図2において前述した図3の示すものと同等のものには同一符号を付してある。
【0016】
図1、図2に示す本実施形態の移動手摺り駆動装置は、前述した図3に示すものと比べて、駆動ローラ11a〜11cがそれぞれ移動手摺り8を押付ける力の配分比率を調整する配分比率調整手段13を備えた点が異なっており、その他の構成は基本的に同様である。
【0017】
3個の駆動ローラ11a〜11cは、上下動可能な支持枠14に回転自在に取付けられるとともにゴムリング15が外周に装着されている。従動ローラ12a〜12cは、フレーム1に直接または間接的に固定される支持体16に回転自在に取付けられている。駆動手段9は、図3のターミナルギヤ2とスプロケット17とに巻掛けられる駆動チェーン18と、上記のスプロケット17、アイドラスプロケット19、および駆動ローラ11a〜11cの軸に固定されたスプロケット20a〜20cとに巻掛けられる他の駆動チェーン21とからなっている。
【0018】
また、配分比率調整手段13は、図3のフレーム1に固定された一対の固定部22a,22bと、これらの固定部22a,22bと支持枠14の両端部との間にそれぞれ介在され、ほぼ同等のばね定数を有する2個のコイルばね23a、23bと、固定部22a,22bに螺合して、コイルばね23a、23bをそれぞれ付勢する調整ボルト24a、24bと、フレーム1に固定され、支持枠14の両端に係合して支持枠14を水平方向に案内する支持枠ガイド25a,25bとを備えている。
【0019】
この実施形態の移動手摺り駆動装置の調整方法にあっては、移動手摺り8が図2の矢印方向に走行する場合、移動手摺り8の進入側、すなわち図2の右側に位置する調整ボルト24aをゆるめてコイルばね23aを介して支持枠14の一端(図2の右端)に加える押付け力を小さくすることにより、コイルばね23aから各駆動ローラ11a、11b、11cまでの距離の逆数に見合って押付け力が小さくなり、すなわち、進入側の駆動ローラ11aの押付け力が一番小さく、中間の駆動ローラ11bの押付け力が中間であり、送出側の駆動ローラ11cの押付け力が一番大きくなる。その結果、これらの駆動ローラ11a〜11cで移動手摺り8を駆動する力の分担が均等となり、各駆動ローラ11a〜11cに装着された各ゴムリング15の摩耗はほぼ同じ程度で進行していく。
【0020】
このように構成した実施形態では、3個の駆動ローラ11a〜11cの摩耗を均等なものとし、駆動ローラ11a〜11cの取付け位置によってそれぞれの摩耗量が異なる不均等摩耗を防止することができる。
【0021】
また、本実施形態では、駆動ローラ11a〜11cを回転自在に支持する支持枠14に作用する押付け力を加減しているので、調整ボルト24a,24bの少なくとも一方の調整で全部の駆動ローラ11a〜11cの押付け力を調整でき、各駆動ローラ11a〜11c毎に調整する場合に比べて調整作業を簡単かつ的確に行なうことができる。
【0022】
なお、上記実施形態では、移動手摺り8の進入側の調整ボルト24aをゆるめることにより、駆動ローラ11a〜11cがそれぞれ移動手摺り8を押付ける力の配分比率を調整する場合を例示したが、この場合には移動手摺り駆動装置全体としての押付け力は多少小さくなる。そこで、移動手摺り駆動装置全体としての押付け力を調整前と同程度にする場合には、進入側の調整ボルト24aをゆるめてコイルばね23aを介し支持枠14の一端(図1の右端)に加える押付け力を少し小さくするとともに、送出側の調整ボルト24bを締め込んでコイルばね23bを介し支持枠14の他端(図1の左端)に加える押付け力を少し大きくすればよい。
【0023】
さらに、上記実施形態では、調整ボルト24a、24bにより駆動ローラ11a〜11cの押付け力を調整するとともに押付け力の配分を同時に調整するようになっているが、コイルばね23a、23bのばね常数が異なるものを用いても同様の効果を得ることができる。
【0024】
さらに、上記実施形態では、駆動ローラ11a〜11cの押付け力を調整するようにしたが、この代わりに、駆動ローラ11a〜11cを固定して従動ローラ12a〜12cがそれぞれ移動手摺り8を押付ける力を調整するようにしても同様の効果を得ることができる。
【0025】
さらに、上記実施形態では、移動手摺り8が図2の矢印方向に走行する場合を例示したが、移動手摺り8が図2の矢印方向と反対方向に走行する場合も同様であり、この場合、移動手摺り8の進入側に位置する調整ボルト24cをゆるめて駆動ローラ11cの押付け力を小さくし、送出側の駆動ローラ11aの押付け力を大きくするようになっている。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数個の駆動ローラの摩耗を均等なものとし、駆動ローラの取付け位置によってそれぞれの摩耗量が異なる不均等摩耗を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る乗客コンベアの移動手摺り駆動装置を示す正面図である。
【図2】本実施形態の移動手摺り駆動装置を示す平面図である。
【図3】乗客コンベアの移動手摺り駆動装置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
8 移動手摺り
11a〜11c 駆動ローラ
12a〜12c 従動ローラ
13 配分比率調整手段
14 支持枠
15 ゴムリング
16 支持体
22a,22b 固定部、
23a、23b コイルばね
24a、24b 調整ボルト、
25a,25b 支持枠ガイド
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗客コンベアの移動手摺り駆動装置および移動手摺り駆動装置の調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3はこの種の乗客コンベアの移動手摺り駆動装置の一例を示す説明図である。
【0003】
図3に示す乗客コンベアは、隣接する図示しない階床間に取付けられるフレーム1と、このフレーム1内に配置された一対のターミナルギヤ2と、両ターミナルギヤ2間に掛けられたステップチェーン3と、このステップチェーン3に結合される複数の踏段4と、ターミナルギヤ2を回転させる駆動装置5と、この駆動装置5などを制御する制御盤6と、踏段4の両側に配置される欄干7と、この欄干7に沿って走行する移動手摺り8と、ターミナルギヤ2から駆動手段9を介し駆動力を得て移動手摺り8を駆動する移動手摺り駆動装置10とを有している。
【0004】
従来、このような移動手摺り駆動装置10は、移動手摺り8に接触して移動手摺り8に走行力を付与する例えば3個の駆動ローラ11a、11b、11cと、これらの駆動ローラ11a〜11cにそれぞれ対応して配置される従動ローラ12a、12b、12cとを備えており、これらの駆動ローラ11a〜11cと従動ローラ12a〜12cとにより移動手摺り8を挟圧した状態で駆動ローラ11a〜11cを介して移動手摺り8に走行力が付与するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10―175790号公報
(段落番号0015−0022、図1―図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来技術では、駆動ローラ11a〜11cがそれぞれ移動手摺り8を押付ける力を均等にして同一速度で回転させて移動手摺り8を駆動すると、この移動手摺り8が剛性体ではなく曲がりやたわみを生じる柔軟な構造体であるため、移動手摺り8の進入側に位置する例えば駆動ローラ11aに最大の駆動力が発生し、使用している間に最大の摩耗が生じ、一方、移動手摺り8の送出側に位置する例えば駆動ローラ11cの発生する駆動力が最小となり、この駆動ローラ11cの摩拝は少なくなる。要するに、駆動ローラ11a〜11cの位置によって駆動力が不均等になることによりそれぞれの摩耗量が異なる不均等摩耗が発生するという問題がある。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術における実情に鑑みてなされたもので、その目的は、複数個の駆動ローラの摩耗を均等なものとし、駆動ローラの取付け位置によってそれぞれの摩耗量が異なる不均等摩耗を防止することのできる乗客コンベアの移動手摺り駆動装置および移動手摺り駆動装置の調整方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る発明は、乗客コンベアの移動手摺りに接触してこの移動手摺りに走行力を付与する複数個の駆動ローラと、これらの駆動ローラにそれぞれ対応して配置される複数個の従動ローラとを備えた乗客コンベアの移動手摺り駆動装置において、前記複数個の駆動ローラのうち、前記移動手摺りの進入側に位置する駆動ローラが前記移動手摺りを押付ける力を小さくするとともに、前記移動手摺りの送出側に位置する駆動ローラが前記移動手摺りを押付ける力を大きくした構成にした。
【0009】
このように構成した本発明の請求項1に係る発明では、移動手摺りの進入側に位置する駆動ローラが押付ける力を小さくすることによりこの駆動ローラで移動手摺りを駆動する力が減少するとともに、送出側に位置する駆動ローラが押付ける力を大きくすることによりこの駆動ローラで移動手摺りを駆動する力が増加するので、これらの駆動ローラ間での駆動力の分担が均等となる。これにより、各駆動ローラの摩耗はほぼ同じ程度で進行していくため、複数個の駆動ローラの取付け位置によってそれぞれの摩耗量が異なる不均等摩耗を防止することができる。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明の請求項2に係る発明は、乗客コンベアの移動手摺りに接触してこの移動手摺りに走行力を付与する複数個の駆動ローラと、これらの駆動ローラにそれぞれ対応して配置される複数個の従動ローラとを備えた乗客コンベアの移動手摺り駆動装置において、前記複数個の駆動ローラがそれぞれ前記移動手摺りを押付ける力の配分比率を調整する配分比率調整手段を備えた構成にした。
【0011】
このように構成した本発明の請求項2に係る発明では、複数個の駆動ローラがそれぞれ移動手摺りを押付ける力の配分比率を配分比率調整手段で調整することによって、移動手摺りの進入側に位置する駆動ローラで移動手摺りを駆動する力が減少するとともに、送出側に位置する駆動ローラで移動手摺りを駆動する力が増加するので、これらの駆動ローラ間での駆動力の分担が均等となる。これにより、各駆動ローラの摩耗はほぼ同じ程度で進行していくため、複数個の駆動ローラの取付け位置によってそれぞれの摩耗量が異なる不均等摩耗を防止することができる。
【0012】
また、上記目的を達成するため、本発明の請求項3に係る発明は、乗客コンベアの移動手摺りに接触してこの移動手摺りに走行力を付与する複数個の駆動ローラと、これらの駆動ローラにそれぞれ対応して配置される複数個の従動ローラとを備えた乗客コンベアの移動手摺り駆動装置にあって、前記複数個の駆動ローラがそれぞれ前記移動手摺りを押付ける力を調整する移動手摺り駆動装置の調整方法において、前記複数個の駆動ローラのうち、前記移動手摺りの進入側に位置する駆動ローラが前記移動手摺りを押付ける力を、前記移動手摺りの送出側に位置する駆動ローラの押付け力より小さくなるように調整する構成にした。
【0013】
このように本発明の請求項3に係る発明では、移動手摺りの進入側に位置する駆動ローラが移動手摺りを押付ける力を、移動手摺りの送出側に位置する駆動ローラの押付け力より小さくなるように調整したので、これらの駆動ローラ間での駆動力の分担が均等となる。これにより、各駆動ローラの摩耗はほぼ同じ程度で進行していくため、複数個の駆動ローラの取付け位置によってそれぞれの摩耗量が異なる不均等摩耗を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の乗客コンベアの移動手摺り駆動装置および移動手摺り駆動装置の調整方法の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施形態に係る乗客コンベアの移動手摺り駆動装置を示す正面図、図2は本実施形態の移動手摺り駆動装置を示す平面図である。なお、図1および図2において前述した図3の示すものと同等のものには同一符号を付してある。
【0016】
図1、図2に示す本実施形態の移動手摺り駆動装置は、前述した図3に示すものと比べて、駆動ローラ11a〜11cがそれぞれ移動手摺り8を押付ける力の配分比率を調整する配分比率調整手段13を備えた点が異なっており、その他の構成は基本的に同様である。
【0017】
3個の駆動ローラ11a〜11cは、上下動可能な支持枠14に回転自在に取付けられるとともにゴムリング15が外周に装着されている。従動ローラ12a〜12cは、フレーム1に直接または間接的に固定される支持体16に回転自在に取付けられている。駆動手段9は、図3のターミナルギヤ2とスプロケット17とに巻掛けられる駆動チェーン18と、上記のスプロケット17、アイドラスプロケット19、および駆動ローラ11a〜11cの軸に固定されたスプロケット20a〜20cとに巻掛けられる他の駆動チェーン21とからなっている。
【0018】
また、配分比率調整手段13は、図3のフレーム1に固定された一対の固定部22a,22bと、これらの固定部22a,22bと支持枠14の両端部との間にそれぞれ介在され、ほぼ同等のばね定数を有する2個のコイルばね23a、23bと、固定部22a,22bに螺合して、コイルばね23a、23bをそれぞれ付勢する調整ボルト24a、24bと、フレーム1に固定され、支持枠14の両端に係合して支持枠14を水平方向に案内する支持枠ガイド25a,25bとを備えている。
【0019】
この実施形態の移動手摺り駆動装置の調整方法にあっては、移動手摺り8が図2の矢印方向に走行する場合、移動手摺り8の進入側、すなわち図2の右側に位置する調整ボルト24aをゆるめてコイルばね23aを介して支持枠14の一端(図2の右端)に加える押付け力を小さくすることにより、コイルばね23aから各駆動ローラ11a、11b、11cまでの距離の逆数に見合って押付け力が小さくなり、すなわち、進入側の駆動ローラ11aの押付け力が一番小さく、中間の駆動ローラ11bの押付け力が中間であり、送出側の駆動ローラ11cの押付け力が一番大きくなる。その結果、これらの駆動ローラ11a〜11cで移動手摺り8を駆動する力の分担が均等となり、各駆動ローラ11a〜11cに装着された各ゴムリング15の摩耗はほぼ同じ程度で進行していく。
【0020】
このように構成した実施形態では、3個の駆動ローラ11a〜11cの摩耗を均等なものとし、駆動ローラ11a〜11cの取付け位置によってそれぞれの摩耗量が異なる不均等摩耗を防止することができる。
【0021】
また、本実施形態では、駆動ローラ11a〜11cを回転自在に支持する支持枠14に作用する押付け力を加減しているので、調整ボルト24a,24bの少なくとも一方の調整で全部の駆動ローラ11a〜11cの押付け力を調整でき、各駆動ローラ11a〜11c毎に調整する場合に比べて調整作業を簡単かつ的確に行なうことができる。
【0022】
なお、上記実施形態では、移動手摺り8の進入側の調整ボルト24aをゆるめることにより、駆動ローラ11a〜11cがそれぞれ移動手摺り8を押付ける力の配分比率を調整する場合を例示したが、この場合には移動手摺り駆動装置全体としての押付け力は多少小さくなる。そこで、移動手摺り駆動装置全体としての押付け力を調整前と同程度にする場合には、進入側の調整ボルト24aをゆるめてコイルばね23aを介し支持枠14の一端(図1の右端)に加える押付け力を少し小さくするとともに、送出側の調整ボルト24bを締め込んでコイルばね23bを介し支持枠14の他端(図1の左端)に加える押付け力を少し大きくすればよい。
【0023】
さらに、上記実施形態では、調整ボルト24a、24bにより駆動ローラ11a〜11cの押付け力を調整するとともに押付け力の配分を同時に調整するようになっているが、コイルばね23a、23bのばね常数が異なるものを用いても同様の効果を得ることができる。
【0024】
さらに、上記実施形態では、駆動ローラ11a〜11cの押付け力を調整するようにしたが、この代わりに、駆動ローラ11a〜11cを固定して従動ローラ12a〜12cがそれぞれ移動手摺り8を押付ける力を調整するようにしても同様の効果を得ることができる。
【0025】
さらに、上記実施形態では、移動手摺り8が図2の矢印方向に走行する場合を例示したが、移動手摺り8が図2の矢印方向と反対方向に走行する場合も同様であり、この場合、移動手摺り8の進入側に位置する調整ボルト24cをゆるめて駆動ローラ11cの押付け力を小さくし、送出側の駆動ローラ11aの押付け力を大きくするようになっている。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数個の駆動ローラの摩耗を均等なものとし、駆動ローラの取付け位置によってそれぞれの摩耗量が異なる不均等摩耗を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る乗客コンベアの移動手摺り駆動装置を示す正面図である。
【図2】本実施形態の移動手摺り駆動装置を示す平面図である。
【図3】乗客コンベアの移動手摺り駆動装置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
8 移動手摺り
11a〜11c 駆動ローラ
12a〜12c 従動ローラ
13 配分比率調整手段
14 支持枠
15 ゴムリング
16 支持体
22a,22b 固定部、
23a、23b コイルばね
24a、24b 調整ボルト、
25a,25b 支持枠ガイド
Claims (3)
- 乗客コンベアの移動手摺りに接触してこの移動手摺りに走行力を付与する複数個の駆動ローラと、これらの駆動ローラにそれぞれ対応して配置される複数個の従動ローラとを備えた乗客コンベアの移動手摺り駆動装置において、
前記複数個の駆動ローラのうち、前記移動手摺りの進入側に位置する駆動ローラが前記移動手摺りを押付ける力を小さくするとともに、前記移動手摺りの送出側に位置する駆動ローラが前記移動手摺りを押付ける力を大きくしたことを特徴とする乗客コンベアの移動手摺り駆動装置。 - 乗客コンベアの移動手摺りに接触してこの移動手摺りに走行力を付与する複数個の駆動ローラと、これらの駆動ローラにそれぞれ対応して配置される複数個の従動ローラとを備えた乗客コンベアの移動手摺り駆動装置において、
前記複数個の駆動ローラがそれぞれ前記移動手摺りを押付ける力の配分比率を調整する配分比率調整手段を備えたことを特徴とする乗客コンベアの移動手摺り駆動装置。 - 乗客コンベアの移動手摺りに接触してこの移動手摺りに走行力を付与する複数個の駆動ローラと、これらの駆動ローラにそれぞれ対応して配置される複数個の従動ローラとを備えた乗客コンベアの移動手摺り駆動装置にあって、前記複数個の駆動ローラがそれぞれ前記移動手摺りを押付ける力を調整する移動手摺り駆動装置の調整方法において、
前記複数個の駆動ローラのうち、前記移動手摺りの進入側に位置する駆動ローラが前記移動手摺りを押付ける力を、前記移動手摺りの送出側に位置する駆動ローラが前記移動手摺りを押付ける力より小さくなるように調整したことを特徴とする移動手摺り駆動装置の調整方法。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010528957A (ja) * | 2007-06-01 | 2010-08-26 | コネ コーポレイション | 負荷分散型ハンドレール駆動装置 |
JP2013220888A (ja) * | 2012-04-16 | 2013-10-28 | Mitsubishi Electric Corp | 乗客コンベアの移動手摺駆動装置 |
JP2015016950A (ja) * | 2013-07-10 | 2015-01-29 | 三菱電機株式会社 | 乗客コンベヤの移動手摺駆動装置および乗客コンベヤの移動手摺駆動方法 |
JP2017095268A (ja) * | 2015-11-27 | 2017-06-01 | 東芝エレベータ株式会社 | 乗客コンベア |
-
2002
- 2002-11-07 JP JP2002323828A patent/JP2004155558A/ja active Pending
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