JPH10139338A - 乗客コンベヤの手摺り駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動ローラ、従動ローラの圧痕を無くし、か
つ、ベルト下の間隔にスペースを必要としない乗客コン
ベヤの手摺り駆動装置を提供する。 【解決手段】 複数の駆動ローラ３を軸支した駆動ロー
ラユニット４と、前記駆動ローラユニット４の両端を手
摺りベルト１の厚さ方向にスライド可能に軸支したスラ
イド軸５、５と、手摺りベルト１を挟んで前記駆動ロー
ラユニット４に対向して配置された従動ローラユニット
７と、前記駆動ローラユニット４上の駆動ローラ３に連
結されたチエーンホイール３′と従動ローラユニット７
側のチエーンホイール９との間に巻回されたチエーン１
０と、前記従動ローラ８側のチエーンホイール９に横方
向から連結された駆動チエーン１４とからなる乗客コン
ベヤの手摺り駆動装置である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エスカレータおよ
び動く歩道等の乗客コンベヤの手すり駆動装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】エスカレータおよび動く歩道等の乗客コ
ンベヤには、踏み板であるパレットとパレットの動きに
同期して移動する手摺りベルトが設けられている。

【０００３】手摺りベルトの駆動装置は、駆動ローラと
従動ローラの挟圧方式で駆動されるが、乗客コンベヤの
停止中に手摺りベルトにローラ圧痕が発生し、美観を害
している。

【０００４】この対策として、特公昭６３ー１３９１０
号公報が開示されている。図２は、前記公報に開示され
た乗客コンベアの手摺駆動装置の側面図で、従動ローラ
ー２２は本体フレーム２９に軸支されている。ベース２
０は、本体フレーム２９に一本のガイドピン２７で取り
付けられており、手摺り厚さ方向にスライド可能となっ
ている。

【０００５】また、ベース２０には、複数の駆動ローラ
２１、チェーンホイール２５、２８が軸支されているの
で、ベース２０、駆動ローラ２１、チェーンホイール２
５、２８は、ベース２０を介してガイドピン２７により
手摺り厚さ方向に一体で可動となる。２４は、前記複数
の駆動ローラ２１、チェーンホイール２５、２８に掛け
回されたチェーンである。

【０００６】従って、ガイドピン２７の真下に設置し
た、チェーンホイールを備えたモーター３０が駆動され
ると、駆動チェーン２６に発生するモーター３０方向へ
の張力により、ベース２０、駆動ローラ２１、チェーン
ホイール２５、２８がモーター３０方向に一体で引っ張
られると共に、駆動ローラ２１にはチェーン２４による
回転力が伝えられる。その結果、手摺りベルト２３は、
駆動ローラ２１と従動ローラ２２間の挟圧力と駆動ロー
ラ２１の回転力により駆動されるものである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
特公昭６３ー１３９１０号公報に開示された手摺り駆動
装置においては、ベース２０、駆動ローラ２１、チェー
ンホイール２５、２８は、ベース２０を介して、ガイド
ピン２７の真下方向にモーター３０で引っ張らなけれ
ば、駆動ローラ２１と従動ローラ２２間に挟圧力が発生
しない構造である。

【０００８】従って、ガイドピン２７の真下方向の手摺
りベルト下部スペースには、上記ベース２０、モーター
３０を取り付ける充分なスペースが必要となる。その
為、手摺りベルト下部スペースが狭くなる動く歩道等の
ケースでは、実施に困難性がある。

【０００９】本発明は、手摺りベルトの下部スペースが
狭くても実施可能な乗客コンベヤの手摺り駆動装置を提
供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前述の課題は、チェーン
ホイールを備えた複数の駆動ローラを軸支した駆動ロー
ラユニットと、前記駆動ローラユニットの両端を手摺り
ベルトの厚さ方向にスライド可能に軸支したスライド軸
と、手摺りベルトを挟んで前記駆動ローラユニットに対
向して配置された従動ローラユニットと、前記従動ロー
ラユニット側に設けられたチェーンホイールと、前記駆
動ローラに備えられたチェーンホイールと前記従動ロー
ラユニット側に設けられたチェーンホイールとの間に巻
回されたチエーンとを有してなり、前記駆動ローラを駆
動する駆動力が、前記従動ローラユニット側に設けられ
たチェーンホイールを介して与えられることを特徴とす
る乗客コンベヤの手摺り駆動装置により解決される。

【００１１】前記の手段によれば、まず、従動ローラユ
ニット側に設けられたチェーンホイールが駆動され、こ
のチェーンホイールと駆動ローラに備えられたチェーン
ホイールとの間に巻回されたチェーンを介して駆動ロー
ラが駆動される。このとき、チェーンの引張力により、
駆動ローラが従動ローラユニット側に設けられたチェー
ンホイール側に引っ張られる。駆動ローラユニットの両
端は手摺りベルトの厚さ方向にスライドする２本のスラ
イド軸に軸支されているので、この引張力は、駆動ロー
ラユニットと従動ローラユニット間の挟圧力として作用
する。この作用は、従動ローラユニット側に設けられた
チェーンホイールの駆動方法にかかわりなく働く。よっ
て、前記本発明の構成によれば、従来技術のように、モ
ータ等の駆動源機器の設置位置が限定されないため、手
摺りベルト下部スペースを広く形成する必要がない。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１は、本発明にかかる乗客コン
ベヤの手摺り駆動装置の側面図である。

【００１３】図１において、１は手摺の戻り側である床
下方に移動した手摺りベルトであり、２、２は図示しな
い本体フレームに固定されたブラケットである。

【００１４】前記ブラケット２、２には、駆動ローラユ
ニット４の両端が軸５、５により手摺りベルト１の厚さ
方向にスライド可能に取り付けられている。前記駆動ロ
ーラユニット４には、手摺りベルト１の裏面に圧着する
複数の駆動ローラ３とチェーンホイール３′が同一軸に
より軸支されている。

【００１５】尚、６はチエーンアイドラーで駆動ローラ
ユニット４に軸支されている。前記駆動ローラユニット
４に対向して（手摺りベルト１を挟んで）従動ローラユ
ニット７、７が図示しない本体フレームに固定されてお
り、該従動ローラユニット７、７には手摺りベルト１の
表面に接する複数の従動ローラ８が軸支されている。

【００１６】９、９は図示しない本体フレームに軸支さ
れた従動チエーンホイールで、前記駆動ローラ３のチエ
ーンホイール３′と前記従動チエーンホイール９、９の
間にはチエーン１０が巻回されている。

【００１７】また、１１はチエーン１０の張力を調整す
るチエーンアイドラーで、図示しない本体フレームに軸
支されており、矢印方向に取り付け軸が可動となってい
る。

【００１８】１２はモータ等の駆動源（図示せず）側の
駆動チエーンホイールで、手摺りベルトの下部間隔が狭
いために従動ローラユニット７の横に配置されている。
駆動チエーンホイール１２と前記従動チエーンホイール
９の間には、駆動チエーン１３が巻回されている。尚、
駆動源は専用とするか、踏み板もしくは踏みベルト駆動
源から動力を分岐してもよい。

【００１９】以上の構成により、モータ等の駆動源側の
駆動チエーンホイール１２がＬ方向に駆動されると、駆
動チエーン１３、従動チエーンホイール９、チエーン１
０を介して、駆動ローラ３にもＬ方向の回転力が伝達さ
れると共に、駆動ローラユニット４にも、チェーン１０
の張力によりＬ’方向の力が働き、駆動ローラユニット
４と従動ローラユニット７間には挟圧力が生じるので、
手摺りはＵ方向に駆動されることになる。

【００２０】モータ等の駆動源側の駆動チエーンホイー
ル１２がＲ方向に駆動された場合も同様に、駆動チエー
ン１３、従動チエーンホイール９、チエーン１０を介し
て、駆動ローラ３にもＲ方向の回転力が伝達されると共
に、駆動ローラユニット４にも、チェーン１０の張力に
よりＲ’方向の力が働き、駆動ローラユニット４と従動
ローラユニット７間には挟圧力が生じるので、手摺りは
Ｄ方向に駆動されることになる。

【００２１】乗客コンベヤが停止中の場合は、駆動チエ
ーンホイール１２が駆動されないので、上記の駆動ロー
ラ３への回転力、駆動ローラユニット４と従動ローラユ
ニット７間の挟圧力は発生しない。

【００２２】また、手摺の移動速度を一定に保つ為に、
駆動チエーンホイール１２は一定回転で駆動されるの
で、手摺りベルトの負荷が大きくなるほど、駆動ローラ
ユニット４と従動ローラユニット７間に働く挟圧力も大
きくなり、手摺りベルトの負荷に応じた挟圧力を得るこ
とができる。

【００２３】

【発明の効果】本発明は以上のように構成されている
で、手摺りベルトの下部間隔を広くすることなく、停止
中にローラ圧痕が発生しない乗客コンベヤの手摺り駆動
装置を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる乗客コンベヤの手摺り駆動装置
の側面図。

【図２】従来技術にかかる乗客コンベヤの手摺り駆動装
置の側面図。

【符号の説明】

１ 手摺りベルト ２ ブラケット ３ 駆動ローラ ４ 駆動ローラユニット ５ スライド軸 ６ アイドルローラ ７ 従動ローラユニット ８ 従動ローラ ９ チエーンホイール １０ チエーン １１ チエーンアイドラー １２ 駆動チエーンホイール １３ 駆動チエーン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 博 横浜市鶴見区弁天町３番地 エヌケーケー 総合設計株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 チェーンホイールを備えた複数の駆動ロ
   ーラを軸支した駆動ローラユニットと、前記駆動ローラ
   ユニットの両端を手摺りベルトの厚さ方向にスライド可
   能に軸支したスライド軸と、手摺りベルトを挟んで前記
   駆動ローラユニットに対向して配置された従動ローラユ
   ニットと、前記従動ローラユニット側に設けられたチェ
   ーンホイールと、前記駆動ローラに備えられたチェーン
   ホイールと前記従動ローラユニット側に設けられたチェ
   ーンホイールとの間に巻回されたチエーンとを有してな
   り、前記駆動ローラを駆動する駆動力が、前記従動ロー
   ラユニット側に設けられたチェーンホイールを介して与
   えられることを特徴とする乗客コンベヤの手摺り駆動装
   置。