JP2004153875A - モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のコンデンサに代えて、モータ本体外周、モータ回転軸外周又はモータ駆動装置外周に設けたコンデンサを使用し、従来のコンデンサが占有していたスペースを有効に活用できるモータを提供する。
【解決手段】ステータ8、ロータ2、およびロータ2に取付けられたモータ回転軸3などを有するモータ本体を、中空型のコンデンサC内側に内設させ、スイッチング素子を用いたPWM制御などを行うモータ駆動装置を前記コンデンサCに接続する。モータ駆動装置は前記コンデンサCと接続されており、モータ制御装置内にコンデンサを設ける必要が無くなるため、電界コンデンサなどのサイズが大きくスペースを占有する素子を無くして、モータ駆動装置を小型化する。
【選択図】 図3
【解決手段】ステータ8、ロータ2、およびロータ2に取付けられたモータ回転軸3などを有するモータ本体を、中空型のコンデンサC内側に内設させ、スイッチング素子を用いたPWM制御などを行うモータ駆動装置を前記コンデンサCに接続する。モータ駆動装置は前記コンデンサCと接続されており、モータ制御装置内にコンデンサを設ける必要が無くなるため、電界コンデンサなどのサイズが大きくスペースを占有する素子を無くして、モータ駆動装置を小型化する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータに関し、特にコンデンサを用いるモータ駆動装置などの電気回路と接続されたモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
モータの回転数を制御する方法として、スイッチング素子を用いたPWM制御が行われている(例えば、特許文献1参照)。スイッチング素子を用いてモータをPWM制御する場合、スイッチング時の高調波成分の発生を回避したり、オフからオンへのスイッチング切換時の急激な電流増加による電圧低下を回避するため、スイッチング素子近傍の電源ラインに大容量の電解コンデンサが配置されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−81961号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、電解コンデンサは円柱形状をしており、容量に比例してサイズが大きくなる。例えば図4(a)に示すように、回路基板50上に配置される一般的な回路素子52に比べて、電解コンデンサ54は大きなスペースを占有する。特に高さを占有し、スペースの使用効率を低下させる原因となっている。例えば、図4(a)においては、電解コンデンサ54によって、高さhのスペースが無駄に使われている。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、従来のコンデンサに代えて、モータ本体外周、モータ回転軸外周又はモータ駆動装置外周に設けた中空型のコンデンサを使用し、従来のコンデンサが占有していたスペースを有効に活用できるモータを提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、モータ本体外周、モータ回転軸外周又はモータ駆動装置外周にコンデンサを配置して、前記コンデンサの発熱を抑制できるモータを提供することを他の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係るモータは、回転子及び固定子を有するモータ本体が内設される中空型のコンデンサを備えることを特徴とする。
【0008】
第2発明に係るモータは、回転軸が回転自在に内挿される中空型のコンデンサを備えることを特徴とする。
【0009】
第3発明に係るモータは、モータ駆動装置と該モータ駆動装置によって駆動されるモータ本体とが一体的に構成されたモータにおいて、前記モータ駆動装置が内設及び接続される中空型のコンデンサを備えることを特徴とする。
【0010】
第1発明においては、中空型のコンデンサ内側にモータ本体を内設する。例えば円柱形状のモータ本体外周を、円筒型のコンデンサで囲繞する。ロータ(回転子)及びステータ(固定子)が円柱型又は円筒型であるため、モータ本体の外周は円筒型の場合が多い。また、円筒型のコンデンサは、例えば円筒型の2つの導体間に誘電体を配置したコンデンサであり、内側の導体はモータ本体の外周に沿うように配置される。コンデンサの導体は、例えば、モータを駆動するモータ駆動装置に接続される。モータ本体外周に設けたコンデンサを使用することにより、モータ駆動装置内にコンデンサを設ける必要が無くなる。
【0011】
第2発明においては、中空型のコンデンサにモータ回転軸を内挿する。例えば円柱状のモータ回転軸を回転可能なように、円筒型のコンデンサで囲む。円筒型のコンデンサは、例えば円筒型の2つの導体間に誘電体を配置したコンデンサであり、内側の導体はモータ回転軸を非接触で囲むように配置される。内側の導体とモータ回転軸外周とは非接触であるため、モータ回転軸は回転自在である。コンデンサの導体は、例えば、モータを駆動するモータ駆動装置に接続される。モータ回転軸外周部のコンデンサを使用することにより、モータ駆動装置内にコンデンサを設ける必要が無くなる。
【0012】
第3発明においては、中空型のコンデンサ内側にモータ駆動装置を内設する。例えばモータ本体と一体的に構成された円柱形状のモータ駆動装置外周を、円筒型のコンデンサで囲繞する。ロータ及びステータが円柱型又は円筒型であるため、モータ本体の外周は円筒型の場合が多く、モータ本体と一体化されるモータ駆動装置の外周も円筒型の場合が多い。また、円筒型のコンデンサは、例えば円筒型の2つの導体間に誘電体を配置したコンデンサであり、内側の導体はモータ駆動装置の外周に沿うように配置される。コンデンサの導体は、例えば、前記モータ駆動装置に接続される。モータ駆動装置外周部のコンデンサを使用することにより、モータ駆動装置内にコンデンサを設ける必要が無くなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。本実施の形態においては、電動パワーステアリング装置に用いられるモータを例にして説明を行う。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係るモータを用いた電動パワーステアリング装置の要部構成を示すブロック図である。この電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールなどの操舵部材(図示せず)に加えられたトルクを検出するトルクセンサ10が検出したトルク検出信号が、インターフェイス回路11を介してマイクロコンピュータ12に与えられる。また、車速を検出する車速センサ20が検出した車速信号が、インターフェイス回路21を介してマイクロコンピュータ12に与えられる。さらに、モータ7が回転する際に流れるモータ電流は、モータ電流検出回路17により検出され、検出されたモータ電流信号がマイクロコンピュータ12に与えられる。
【0014】
マイクロコンピュータ12は、トルク検出信号、車速信号及びモータ電流信号に基づき、トルク/電流テーブル18を参照して、目標とする電流をモータ7に流すためのモータ電流指令値(PWM指令値、モータ回転方向指示信号)を作成し、モータ駆動回路5へ与える。モータ駆動回路5には車載バッテリーPの電源電圧が印加され、与えられたPWM指令値及びモータ回転方向指示信号に基づき、操舵補助用のモータ7を回転駆動する。
【0015】
図2はモータ7及びモータ駆動回路5の構成を示すブロック図である。モータ7は、コイルα,β,γがスター結線されたステータ8と、3対の永久磁石からなり、コイルα,β,γが発生させる回転磁界により回転するロータ2と、該ロータ2の回転角度を検出する回転角度検出装置9とを備えている。モータ駆動回路5は、モータ7が回転する際に、回転角度検出装置9が検出したロータ2の回転角度に基づき、モータ7を回転制御する。
【0016】
モータ駆動回路5は、スイッチング回路5a及びゲート制御回路5bを備えている。スイッチング回路5aにおいては、正極側端子と接地端子との間に直列接続されたトランジスタQ1,Q2及び逆方向に直列接続されたダイオードD1,D2と、直列接続されたトランジスタQ3,Q4及び逆方向に直列接続されたダイオードD3,D4と、直列接続されたトランジスタQ5,Q6及び逆方向に直列接続されたダイオードD5,D6とが並列接続されている。
【0017】
トランジスタQ1,Q2の共通接続点と、ダイオードD1,D2の共通接続点とには、スター結線されたコイルαの外側端子Uが接続され、トランジスタQ3,Q4の共通接続点と、ダイオードD3,D4の共通接続点とには、スター結線されたコイルβの外側端子Vが接続され、トランジスタQ5,Q6の共通接続点と、ダイオードD5,D6の共通接続点とには、スター結線されたコイルγの外側端子Wが接続されている。
【0018】
ゲート制御回路5bには、回転角度検出装置9が検出したロータ2の回転角度と、マイクロコンピュータ12から出力されたロータ2のPWM指令値及び回転方向指示信号とが与えられる。ゲート制御回路5bは、ロータ2の回転角度と、回転方向指示信号とに応じて、トランジスタQ1〜Q6の各ゲートをオン/オフし、ステータ8に流れる電流の経路を切り換え、回転磁界を発生させる。
【0019】
また、ゲート制御回路5bは、PWM指令値に従って、トランジスタQ1〜Q6のオン/オフを制御することにより、コイルα,β,γにそれぞれ正弦波電圧を発生させ、モータ7の回転トルクを滑らかに増減制御する。なお、ダイオードD1〜D6は、トランジスタQ1〜Q6のオン/オフにより発生するノイズを吸収するためのものである。モータ駆動回路5は、例えばモータ駆動回路筐体内の回路基板に構成されている。
【0020】
図3(a)にモータ7の概略構成を示す。モータ7は、上述したようにステータ8とロータ2とを備え、ロータ2の回転は、モータ回転軸3に出力される。ステータ8及びロータ2は、中空型のコンデンサ(電解コンデンサ)Cの内側に内設されている。図3(b)にコンデンサCの概略構成を示す。コンデンサCは、誘電体30と、誘電体30を挟むように配置された導体32,32とを有し、誘電体30及び導体32,32は絶縁体34で覆われている。誘電体30及び誘電体を挟む導体32,32は、ステータ8の外周に巻重ねるように配置される。図3(b)は、1層のコンデンサCを表しており、各導体32,32が、図2に示すように、車載バッテリーP,スイッチング回路5aに夫々接続される。
【0021】
図4(b)に示すように、モータ7の外周にコンデンサCを配置し、モータ駆動回路5a(回路基板50)に接続することにより、モータ駆動回路筐体内にコンデンサCを設ける必要が無くなり、従来は電解コンデンサ54が占有していた無駄なスペース(図4(a)の高さh)を無くし、モータ駆動回路筐体を小型化することが可能になる。
【0022】
例えば、電解コンデンサ54の直径を20mm、高さを40mm、巻数を20(巻厚を0.5mm)とし、3個の電解コンデンサを使用している場合の導体平面の面積はほぼ8×104 mm2 (=2.64×104 ×3)である。モータ7の直径を80mm、長さを90mmとした場合、同じ8×104 mm2 の導体平面を得るためには、巻数4(面積はほぼ9×104 mm2 =2.26×104 ×4)が必要である。巻数が4(巻厚を0.5mm)の場合、モータ7の直径は4mm程度増えて84mmとなる。ただし、モータ外周にコンデンサを設けた場合、電界の分布を均一にするために、導体接続端子を複数個配置する必要がある。また、表面保護のために、モータ筐体を2重構造とする必要があり、モータ直径は84mmより若干大きくなる。
【0023】
また、モータ7外周にコンデンサCを配置することにより、コンデンサCの放熱特性は向上する。電解コンデンサは高温になると性能が低下するが、放熱特性の向上によって熱による性能低下が抑制される。さらに、多くのモータには、上限温度が設定されており、前記上限温度以下で駆動されるのが一般的である。モータに上限温度が設定されているため、モータ外周部の電解コンデンサの温度も前記上限温度以下に保たれ、温度上昇による性能低下が抑制される。
【0024】
(第2の実施の形態)
上述した実施の形態においては、モータ7外周にコンデンサCを配置したが、モータ回転軸3の外周近傍にコンデンサCを配置することも可能である。図5(a)、(b)に、モータ回転軸3及びコンデンサCの配置の例を示す。図5(a)に示すように、モータ回転軸3は、第1の実施の形態と同様の中空型のコンデンサCに内挿されている。モータ回転軸3は、例えば図5(b)に示すように、ハウジング40内で、例えばボールベアリング42によって回転自在に支持されており、ハウジング40のモータ回転軸3挿入口近傍に、コンデンサCが配置されている。
【0025】
コンデンサCの内径は、モータ回転軸3の外径よりも大きく、モータ回転軸3は回転自在である。コンデンサCは、モータ回転軸3の外周に非接触で配置されていればよく、モータ回転軸3の軸長方向の任意の位置に配置することが可能である。
【0026】
(第3の実施の形態)
モータ駆動回路5は、モータ7とは別の箇所に配置する以外に、図6に示すように、モータ7とモータ駆動回路筐体6とを一体的に構成し、モータ駆動回路筐体6の外周に、第1の実施の形態と同様のコンデンサCを配置することも可能である。
【0027】
モータ7と一体的に構成するのはモータ駆動回路5に限定はされず、例えばマイクロコンピュータ12及びモータ駆動回路5をモータ7と一体的に構成するなど、コンデンサCを使用する任意の電気回路とモータ7とを一体化し、前記電気回路の筐体外周にコンデンサCを設けることが可能である。
【0028】
上述した実施の形態においては、電動パワーステアリング装置を例にして説明したが、例えばスイッチング素子を用いてPWM制御を行うモータなどの任意のモータに対して、モータ外周、モータ回転軸外周又はモータ制御装置外周にコンデンサを設けることが可能である。
【0029】
中空型のコンデンサは、図7(a)に示すように、誘電体及び誘電体を挟む2つの導体を絶縁体でカバーしたものを、例えばステータ8外周に複数回(図7(a)の例では3回)巻き付けて、コンデンサCを形成することが可能である。また、図7(b)に示すように、誘電体及び誘電体を挟む2つの導体を絶縁体でカバーしたリング状のものを、例えばステータ8外周に複数個(図7(b)の例では3個)積層して、コンデンサC1,C2,C3を形成することが可能である。このように形成した3つのコンデンサC1,C2,C3を、例えば図8に示すように、モータ駆動回路5のQ1,Q3,Q5部分に夫々接続することが可能である。また、中空型のコンデンサCの断面は、円形に限定はされず、モータ7外周形状などに合わせて、例えば楕円形などの任意形状にすることが可能である。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、中空型のコンデンサ内側に、モータ本体、モータ回転軸又はモータ駆動装置を配置し、従来使用していたコンデンサの代わりに前記中空型のコンデンサを使用することにより、従来のコンデンサが占有していたスペースを有効に活用することができる。例えば、モータ駆動装置内のコンデンサを無くして、前記中空型のコンデンサを使用することにより、モータ駆動装置を小型化することができる。また、モータ本体外周、モータ回転軸外周又はモータ駆動装置外周にコンデンサを配置することにより、コンデンサの放熱特性が向上する。さらに、モータに上限温度が設定されている場合は、前記中空型のコンデンサの温度上昇が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るモータを用いた電動パワーステアリング装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】モータ及びモータ駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図3】(a)はモータの概略構成を示す図であり、(b)はコンデンサの概略構成を示す図である。
【図4】(a)は、回路基板上に配置された電解コンデンサの例を示す図であり、(b)は、電解コンデンサを回路基板上から無くした例を示す図である。
【図5】モータ回転軸及びコンデンサの配置の例を示す図である。
【図6】コンデンサの配置の例を示す図である。
【図7】コンデンサの例を示す図である。
【図8】モータ駆動回路の構成の一部を示すブロック図である。
【符号の説明】
2 ロータ
3 モータ回転軸
5 モータ駆動回路
7 モータ
8 ステータ
12 マイクロコンピュータ
30 誘電体
32 導体
34 絶縁体
40 ハウジング
42 ボールベアリング
50 回路基板
52 回路素子
54 電解コンデンサ
C,C1,C2,C3 コンデンサ(電解コンデンサ)
Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6 トランジスタ(スイッチング素子)
P 車載バッテリー
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータに関し、特にコンデンサを用いるモータ駆動装置などの電気回路と接続されたモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
モータの回転数を制御する方法として、スイッチング素子を用いたPWM制御が行われている(例えば、特許文献1参照)。スイッチング素子を用いてモータをPWM制御する場合、スイッチング時の高調波成分の発生を回避したり、オフからオンへのスイッチング切換時の急激な電流増加による電圧低下を回避するため、スイッチング素子近傍の電源ラインに大容量の電解コンデンサが配置されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−81961号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、電解コンデンサは円柱形状をしており、容量に比例してサイズが大きくなる。例えば図4(a)に示すように、回路基板50上に配置される一般的な回路素子52に比べて、電解コンデンサ54は大きなスペースを占有する。特に高さを占有し、スペースの使用効率を低下させる原因となっている。例えば、図4(a)においては、電解コンデンサ54によって、高さhのスペースが無駄に使われている。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、従来のコンデンサに代えて、モータ本体外周、モータ回転軸外周又はモータ駆動装置外周に設けた中空型のコンデンサを使用し、従来のコンデンサが占有していたスペースを有効に活用できるモータを提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、モータ本体外周、モータ回転軸外周又はモータ駆動装置外周にコンデンサを配置して、前記コンデンサの発熱を抑制できるモータを提供することを他の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係るモータは、回転子及び固定子を有するモータ本体が内設される中空型のコンデンサを備えることを特徴とする。
【0008】
第2発明に係るモータは、回転軸が回転自在に内挿される中空型のコンデンサを備えることを特徴とする。
【0009】
第3発明に係るモータは、モータ駆動装置と該モータ駆動装置によって駆動されるモータ本体とが一体的に構成されたモータにおいて、前記モータ駆動装置が内設及び接続される中空型のコンデンサを備えることを特徴とする。
【0010】
第1発明においては、中空型のコンデンサ内側にモータ本体を内設する。例えば円柱形状のモータ本体外周を、円筒型のコンデンサで囲繞する。ロータ(回転子)及びステータ(固定子)が円柱型又は円筒型であるため、モータ本体の外周は円筒型の場合が多い。また、円筒型のコンデンサは、例えば円筒型の2つの導体間に誘電体を配置したコンデンサであり、内側の導体はモータ本体の外周に沿うように配置される。コンデンサの導体は、例えば、モータを駆動するモータ駆動装置に接続される。モータ本体外周に設けたコンデンサを使用することにより、モータ駆動装置内にコンデンサを設ける必要が無くなる。
【0011】
第2発明においては、中空型のコンデンサにモータ回転軸を内挿する。例えば円柱状のモータ回転軸を回転可能なように、円筒型のコンデンサで囲む。円筒型のコンデンサは、例えば円筒型の2つの導体間に誘電体を配置したコンデンサであり、内側の導体はモータ回転軸を非接触で囲むように配置される。内側の導体とモータ回転軸外周とは非接触であるため、モータ回転軸は回転自在である。コンデンサの導体は、例えば、モータを駆動するモータ駆動装置に接続される。モータ回転軸外周部のコンデンサを使用することにより、モータ駆動装置内にコンデンサを設ける必要が無くなる。
【0012】
第3発明においては、中空型のコンデンサ内側にモータ駆動装置を内設する。例えばモータ本体と一体的に構成された円柱形状のモータ駆動装置外周を、円筒型のコンデンサで囲繞する。ロータ及びステータが円柱型又は円筒型であるため、モータ本体の外周は円筒型の場合が多く、モータ本体と一体化されるモータ駆動装置の外周も円筒型の場合が多い。また、円筒型のコンデンサは、例えば円筒型の2つの導体間に誘電体を配置したコンデンサであり、内側の導体はモータ駆動装置の外周に沿うように配置される。コンデンサの導体は、例えば、前記モータ駆動装置に接続される。モータ駆動装置外周部のコンデンサを使用することにより、モータ駆動装置内にコンデンサを設ける必要が無くなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。本実施の形態においては、電動パワーステアリング装置に用いられるモータを例にして説明を行う。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係るモータを用いた電動パワーステアリング装置の要部構成を示すブロック図である。この電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールなどの操舵部材(図示せず)に加えられたトルクを検出するトルクセンサ10が検出したトルク検出信号が、インターフェイス回路11を介してマイクロコンピュータ12に与えられる。また、車速を検出する車速センサ20が検出した車速信号が、インターフェイス回路21を介してマイクロコンピュータ12に与えられる。さらに、モータ7が回転する際に流れるモータ電流は、モータ電流検出回路17により検出され、検出されたモータ電流信号がマイクロコンピュータ12に与えられる。
【0014】
マイクロコンピュータ12は、トルク検出信号、車速信号及びモータ電流信号に基づき、トルク/電流テーブル18を参照して、目標とする電流をモータ7に流すためのモータ電流指令値(PWM指令値、モータ回転方向指示信号)を作成し、モータ駆動回路5へ与える。モータ駆動回路5には車載バッテリーPの電源電圧が印加され、与えられたPWM指令値及びモータ回転方向指示信号に基づき、操舵補助用のモータ7を回転駆動する。
【0015】
図2はモータ7及びモータ駆動回路5の構成を示すブロック図である。モータ7は、コイルα,β,γがスター結線されたステータ8と、3対の永久磁石からなり、コイルα,β,γが発生させる回転磁界により回転するロータ2と、該ロータ2の回転角度を検出する回転角度検出装置9とを備えている。モータ駆動回路5は、モータ7が回転する際に、回転角度検出装置9が検出したロータ2の回転角度に基づき、モータ7を回転制御する。
【0016】
モータ駆動回路5は、スイッチング回路5a及びゲート制御回路5bを備えている。スイッチング回路5aにおいては、正極側端子と接地端子との間に直列接続されたトランジスタQ1,Q2及び逆方向に直列接続されたダイオードD1,D2と、直列接続されたトランジスタQ3,Q4及び逆方向に直列接続されたダイオードD3,D4と、直列接続されたトランジスタQ5,Q6及び逆方向に直列接続されたダイオードD5,D6とが並列接続されている。
【0017】
トランジスタQ1,Q2の共通接続点と、ダイオードD1,D2の共通接続点とには、スター結線されたコイルαの外側端子Uが接続され、トランジスタQ3,Q4の共通接続点と、ダイオードD3,D4の共通接続点とには、スター結線されたコイルβの外側端子Vが接続され、トランジスタQ5,Q6の共通接続点と、ダイオードD5,D6の共通接続点とには、スター結線されたコイルγの外側端子Wが接続されている。
【0018】
ゲート制御回路5bには、回転角度検出装置9が検出したロータ2の回転角度と、マイクロコンピュータ12から出力されたロータ2のPWM指令値及び回転方向指示信号とが与えられる。ゲート制御回路5bは、ロータ2の回転角度と、回転方向指示信号とに応じて、トランジスタQ1〜Q6の各ゲートをオン/オフし、ステータ8に流れる電流の経路を切り換え、回転磁界を発生させる。
【0019】
また、ゲート制御回路5bは、PWM指令値に従って、トランジスタQ1〜Q6のオン/オフを制御することにより、コイルα,β,γにそれぞれ正弦波電圧を発生させ、モータ7の回転トルクを滑らかに増減制御する。なお、ダイオードD1〜D6は、トランジスタQ1〜Q6のオン/オフにより発生するノイズを吸収するためのものである。モータ駆動回路5は、例えばモータ駆動回路筐体内の回路基板に構成されている。
【0020】
図3(a)にモータ7の概略構成を示す。モータ7は、上述したようにステータ8とロータ2とを備え、ロータ2の回転は、モータ回転軸3に出力される。ステータ8及びロータ2は、中空型のコンデンサ(電解コンデンサ)Cの内側に内設されている。図3(b)にコンデンサCの概略構成を示す。コンデンサCは、誘電体30と、誘電体30を挟むように配置された導体32,32とを有し、誘電体30及び導体32,32は絶縁体34で覆われている。誘電体30及び誘電体を挟む導体32,32は、ステータ8の外周に巻重ねるように配置される。図3(b)は、1層のコンデンサCを表しており、各導体32,32が、図2に示すように、車載バッテリーP,スイッチング回路5aに夫々接続される。
【0021】
図4(b)に示すように、モータ7の外周にコンデンサCを配置し、モータ駆動回路5a(回路基板50)に接続することにより、モータ駆動回路筐体内にコンデンサCを設ける必要が無くなり、従来は電解コンデンサ54が占有していた無駄なスペース(図4(a)の高さh)を無くし、モータ駆動回路筐体を小型化することが可能になる。
【0022】
例えば、電解コンデンサ54の直径を20mm、高さを40mm、巻数を20(巻厚を0.5mm)とし、3個の電解コンデンサを使用している場合の導体平面の面積はほぼ8×104 mm2 (=2.64×104 ×3)である。モータ7の直径を80mm、長さを90mmとした場合、同じ8×104 mm2 の導体平面を得るためには、巻数4(面積はほぼ9×104 mm2 =2.26×104 ×4)が必要である。巻数が4(巻厚を0.5mm)の場合、モータ7の直径は4mm程度増えて84mmとなる。ただし、モータ外周にコンデンサを設けた場合、電界の分布を均一にするために、導体接続端子を複数個配置する必要がある。また、表面保護のために、モータ筐体を2重構造とする必要があり、モータ直径は84mmより若干大きくなる。
【0023】
また、モータ7外周にコンデンサCを配置することにより、コンデンサCの放熱特性は向上する。電解コンデンサは高温になると性能が低下するが、放熱特性の向上によって熱による性能低下が抑制される。さらに、多くのモータには、上限温度が設定されており、前記上限温度以下で駆動されるのが一般的である。モータに上限温度が設定されているため、モータ外周部の電解コンデンサの温度も前記上限温度以下に保たれ、温度上昇による性能低下が抑制される。
【0024】
(第2の実施の形態)
上述した実施の形態においては、モータ7外周にコンデンサCを配置したが、モータ回転軸3の外周近傍にコンデンサCを配置することも可能である。図5(a)、(b)に、モータ回転軸3及びコンデンサCの配置の例を示す。図5(a)に示すように、モータ回転軸3は、第1の実施の形態と同様の中空型のコンデンサCに内挿されている。モータ回転軸3は、例えば図5(b)に示すように、ハウジング40内で、例えばボールベアリング42によって回転自在に支持されており、ハウジング40のモータ回転軸3挿入口近傍に、コンデンサCが配置されている。
【0025】
コンデンサCの内径は、モータ回転軸3の外径よりも大きく、モータ回転軸3は回転自在である。コンデンサCは、モータ回転軸3の外周に非接触で配置されていればよく、モータ回転軸3の軸長方向の任意の位置に配置することが可能である。
【0026】
(第3の実施の形態)
モータ駆動回路5は、モータ7とは別の箇所に配置する以外に、図6に示すように、モータ7とモータ駆動回路筐体6とを一体的に構成し、モータ駆動回路筐体6の外周に、第1の実施の形態と同様のコンデンサCを配置することも可能である。
【0027】
モータ7と一体的に構成するのはモータ駆動回路5に限定はされず、例えばマイクロコンピュータ12及びモータ駆動回路5をモータ7と一体的に構成するなど、コンデンサCを使用する任意の電気回路とモータ7とを一体化し、前記電気回路の筐体外周にコンデンサCを設けることが可能である。
【0028】
上述した実施の形態においては、電動パワーステアリング装置を例にして説明したが、例えばスイッチング素子を用いてPWM制御を行うモータなどの任意のモータに対して、モータ外周、モータ回転軸外周又はモータ制御装置外周にコンデンサを設けることが可能である。
【0029】
中空型のコンデンサは、図7(a)に示すように、誘電体及び誘電体を挟む2つの導体を絶縁体でカバーしたものを、例えばステータ8外周に複数回(図7(a)の例では3回)巻き付けて、コンデンサCを形成することが可能である。また、図7(b)に示すように、誘電体及び誘電体を挟む2つの導体を絶縁体でカバーしたリング状のものを、例えばステータ8外周に複数個(図7(b)の例では3個)積層して、コンデンサC1,C2,C3を形成することが可能である。このように形成した3つのコンデンサC1,C2,C3を、例えば図8に示すように、モータ駆動回路5のQ1,Q3,Q5部分に夫々接続することが可能である。また、中空型のコンデンサCの断面は、円形に限定はされず、モータ7外周形状などに合わせて、例えば楕円形などの任意形状にすることが可能である。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、中空型のコンデンサ内側に、モータ本体、モータ回転軸又はモータ駆動装置を配置し、従来使用していたコンデンサの代わりに前記中空型のコンデンサを使用することにより、従来のコンデンサが占有していたスペースを有効に活用することができる。例えば、モータ駆動装置内のコンデンサを無くして、前記中空型のコンデンサを使用することにより、モータ駆動装置を小型化することができる。また、モータ本体外周、モータ回転軸外周又はモータ駆動装置外周にコンデンサを配置することにより、コンデンサの放熱特性が向上する。さらに、モータに上限温度が設定されている場合は、前記中空型のコンデンサの温度上昇が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るモータを用いた電動パワーステアリング装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】モータ及びモータ駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図3】(a)はモータの概略構成を示す図であり、(b)はコンデンサの概略構成を示す図である。
【図4】(a)は、回路基板上に配置された電解コンデンサの例を示す図であり、(b)は、電解コンデンサを回路基板上から無くした例を示す図である。
【図5】モータ回転軸及びコンデンサの配置の例を示す図である。
【図6】コンデンサの配置の例を示す図である。
【図7】コンデンサの例を示す図である。
【図8】モータ駆動回路の構成の一部を示すブロック図である。
【符号の説明】
2 ロータ
3 モータ回転軸
5 モータ駆動回路
7 モータ
8 ステータ
12 マイクロコンピュータ
30 誘電体
32 導体
34 絶縁体
40 ハウジング
42 ボールベアリング
50 回路基板
52 回路素子
54 電解コンデンサ
C,C1,C2,C3 コンデンサ(電解コンデンサ)
Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6 トランジスタ(スイッチング素子)
P 車載バッテリー
Claims (3)
- 回転子及び固定子を有するモータ本体が内設される中空型のコンデンサを備えることを特徴とするモータ。
- 回転軸が回転自在に内挿される中空型のコンデンサを備えることを特徴とするモータ。
- モータ駆動装置と該モータ駆動装置によって駆動されるモータ本体とが一体的に構成されたモータにおいて、
前記モータ駆動装置が内設及び接続される中空型のコンデンサを備えることを特徴とするモータ。
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JP2002313215A JP2004153875A (ja) | 2002-10-28 | 2002-10-28 | モータ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2002
- 2002-10-28 JP JP2002313215A patent/JP2004153875A/ja active Pending
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