JP2004153436A - 無線携帯型端末および無線携帯型端末の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】センターに保持された電子メールを自動的に且つ効率的に受信することのできる無線携帯型端末を提供することを目的とする。
【解決手段】携帯電話基地局を介してセンターとの間で電子メールの送受信を行う携帯電話端末100は、制御回路107のCPUによりその動作を制御される。この制御回路107は、電子メールを受信できるか否かを判断する判断手段と、この判断手段により電子メールを受信できない状態から受信できる状態に移行した際、センターに対して電子メールの有無を確認する確認手段として機能する。そして、上記の判断手段により、電波の状態を検知して電波の受信レベルを把握することにより電子メールを受信できる状態か否かを判断し、確認手段により、電波の受信レベルが所定のレベル以上である状態が所定時間以上維持された場合に電子メールの有無を確認する。
【選択図】 図2
【解決手段】携帯電話基地局を介してセンターとの間で電子メールの送受信を行う携帯電話端末100は、制御回路107のCPUによりその動作を制御される。この制御回路107は、電子メールを受信できるか否かを判断する判断手段と、この判断手段により電子メールを受信できない状態から受信できる状態に移行した際、センターに対して電子メールの有無を確認する確認手段として機能する。そして、上記の判断手段により、電波の状態を検知して電波の受信レベルを把握することにより電子メールを受信できる状態か否かを判断し、確認手段により、電波の受信レベルが所定のレベル以上である状態が所定時間以上維持された場合に電子メールの有無を確認する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信端末である無線携帯型端末に係り、より詳しくは、サーバに着信した電子メールを受信する際の無線携帯型端末の制御方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話端末やPHS(Personal Handyphone System)端末、またはネットワーク機能を備えたPDA(Personal Digital Assistant)などの無線携帯型端末を用いた移動通信においては、無線基地局と無線携帯型端末とを所定の通信方式で接続することにより、他の無線携帯型端末またはコンピュータ装置との間で通信を行うことができる。これらの無線携帯型端末のユーザ(携帯電話端末またはPHS端末におけるサービスの加入者や、ISP(Internet Service Provider)サービスの加入者)に対して提供される通信サービスとしては、パケット通信による電子メールの送受信サービスやウェブ閲覧サービス等が挙げられる。ユーザは、このような端末を常時携帯することにより、通信電波の届く場所(以下、通信圏内とする)であれば、通信サービスを受けることができる。近年、多岐にわたる通信サービスの充実に伴い、これらの端末の利便性がさらに向上し、広く一般に普及している。
【0003】
ところで、上記のような端末は、ユーザが常時携帯可能であることが利点であるが、ユーザが通信圏内から通信電波の届かない場所(以下、通信圏外とする)に移動した場合、または端末の電源が入っていない場合には、通信サービスを受けることができなくなる。したがって、センターに電子メールが着信した際に、端末を携帯したユーザが通信圏外に居る場合や、端末の電源が入っていない場合など、受信できない状態にある場合には、この電子メールは配信されない。そして、配信されなかった上記の電子メールを受け取るためには、端末において確認操作を行う必要がある。しかし、この確認操作を行わなければ、上記の配信されなかった電子メールは、センターのメールボックス内に滞ったままとなってしまうため、ユーザは、自分宛てに送信されたメッセージを受け取ることができない。さらに、メールボックス内に大量の電子メールが溜まると、センターの負担が増える。このとき、配信されなかった上記の電子メールは、新しい電子メールが送信されてきた際、この新しい電子メールと共に配信することができる。しかしこのとき、端末の電源が入っており、且つ端末が通信圏内にあるという条件が満たされなければ、これらの電子メールは再び配信されず、メールボックスに溜まることになる。
【0004】
ここで、上述した電子メールの確認操作を手作業によらず自動的に行うことのできる技術として、所定時間毎にサーバに発呼して自分宛ての電子メールの有無を確認する手段と、送信する電子メールまたは受信した電子メールを表示する手段と、無線通信の通信可能領域に入った場合に自分宛ての電子メールを自動的に受信する手段とにより、電子メールの送受信を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−178061号公報(第3頁、図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1に記載された技術は、所定時間毎にサーバに発呼することにより、自分宛てのメールの有無を確認する手段を要件としている。つまり、特許文献1に記載された無線携帯型端末装置では、この無線携帯型端末装置が通信圏内であるか、または通信圏外であるかを区別することなく、内蔵されたタイマがタイムアップした場合に発呼を行っている。そのため、タイマがタイムアップしたときに無線携帯型端末装置が通信圏外にある可能性がある。一方、この技術では、無線携帯型端末装置が通信圏内にある場合であってもタイムアップが発生するまでは発呼を行わない。すると、タイムアップするまでの間に、この無線携帯型端末装置を携帯したユーザが通信圏内から通信圏外に移動してしまうことも考えられる。したがって、この従来技術では、これらの場合に電子メールを取得することができない。
【0007】
また、無線携帯型端末が通信圏外または電源が入っていないためにセンターに保持された電子メールの確認を行うには、この無線携帯型端末が通信圏外から通信圏内となった場合に確認することが有効である。上記のようにタイマによらず、無線携帯型端末が通信圏内となった際に直ちに電子メールの確認操作を行う制御が考えられる。しかしながらこのタイミングで確認すると、通信圏外から通信圏内へ遷移する度に確認操作を行ってしまう。したがって、電波状態が不安定なときには、頻繁に発呼して電子メールの有無を確認することになり、この確認の度に無駄な課金が生じてしまうため好ましくない。また、上述した特許文献1に記載された技術では、センターに電子メールが保持されており無線携帯型端末装置が通信圏内にある場合であっても、タイムアップするまでの無駄な時間を待つことになり、電子メールを確認する機会が減少してしまう。すなわち、従来においては、センターに保持された電子メールの有無を確認するための効率的、且つ有効な手段は開示されていない。
【0008】
本発明は、上記のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、センターに保持された電子メールを自動的に且つ効率的に受信することにある。
また、他の目的は、一旦、受信できなかった電子メールを受信する際、課金の増大を防止することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明は、以下のような機能を実現する無線携帯型端末を提供することができる。すなわち、本発明にて提供される電子メールを送受信可能な無線携帯型端末は、判断手段により電子メールを受信できるか否かを判断し、この判断手段により電子メールを受信できない状態から受信できる状態に移行した際、確認手段によりセンターに対して電子メールの有無を確認する。
ここで、判断手段は、電波の状態を検知して電波の受信レベルを把握することにより電子メールを受信できる状態か否かを判断する。また、確認手段は、電波の受信レベルが所定のレベル以上である状態が所定時間以上維持された場合に電子メールの有無を確認する。さらに、この確認手段は、電子メールを受信できない状態が所定時間以上維持された場合に、電子メールを受信できる状態になるまでは電子メールの有無の確認を行わない。
【0010】
また、上記の目的を達成する本発明は、以下のような構成の無線携帯型端末を提供することができる。この無線携帯型端末は、電子メールを受信する受信部と、この受信部による電子メールの受信動作を制御する制御部とを備えた構成とすることができる。そして、この制御部は、受信部により受信可能な電波の受信レベルを検知すると共に、この受信レベルが所定のレベル以上に維持された時間に基づいて電子メールの受信動作を制御する。
また、この制御部は、所定のレベル以上の時間を安定カウンタにて計数し、この安定カウンタの値が規定値に達した際に受信動作を行う。つまり、この安定カウンタは、電子メールを受信することができる状態となってからの時間を加算することにより、安定カウンタの値を計数する。ここで、この安定カウンタは、電波の受信ができない通信圏外の状態にてその値をクリアする。
ここで、この制御部は、電波の受信ができない通信圏外の状態が維持された時間を圏外カウンタにて計数し、この圏外カウンタの値が規定値に達した後、電波の受信ができる通信圏内の状態となった際に受信動作を行う。つまり、この圏外カウンタは、電子メールを受信することができない状態となってからの時間を加算することにより、圏外カウンタの値を計数する。
【0011】
さらに、上記の目的を達成する本発明は、電子メールの有無を自動的に確認する無線携帯型端末における以下のような制御方法を提供することができる。すなわち、この無線携帯型端末の制御方法は、無線携帯型端末における電波状態を受信レベルとして検知し、この受信レベルが所定のレベル以上に維持された時間をカウントし、このカウントした値が規定値に達した場合には、電子メールの有無を確認する動作を行う。この制御方法では、電波を受信することができない時間をカウントし、カウントした時間が規定値に達するまでは、電子メールの確認動作を抑制する。そして、所定期間内に受信された電子メールの受信間隔に基づいて電波を受信することができない時間をカウントし、電子メールの確認動作を抑制するための規定値を変更する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。第1〜第3の実施の形態では、無線携帯型端末の一例として、携帯電話端末を例示し、この携帯電話端末により実現される機能を説明する。
【0013】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態における通信サービスを実現するシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施の形態を実現するシステムは、無線通信によって電子メールのやりとりを行う携帯電話端末10と、この携帯電話端末10の基地局である携帯電話基地局20と、インターネット等のネットワーク網31と、このネットワーク網31を介して携帯電話基地局20やコンピュータ端末(図示せず)と接続されたセンター30とを備える。携帯電話端末10と携帯電話基地局20とは、アンテナ11,21を介して所定の無線通信方式にて接続されることにより電波の伝搬(送受信)が可能となり、この電波の送受信によって通信サービスが実現される。この携帯電話端末10にて利用可能な通信サービスとして、例えば、音声(信号)による通話サービス、電子メール等を送受信するパケット通信サービスなどがある。
【0014】
図1に示したシステムにおいて、ネットワーク網31には、携帯電話基地局20、ISP等を経由して、複数の携帯電話端末やコンピュータ装置を接続することができ、相互に通信して上記の通信サービスを享受することができる。以下では、何れかの携帯電話端末やコンピュータ装置から、所定の携帯電話端末10宛ての電子メールが送信された際の、この電子メールの受信に関する制御について説明する。
【0015】
上記のパケット通信サービスによる電子メールの送受信にあたって、他の携帯電話端末またはコンピュータ装置から携帯電話端末10宛てに送信された電子メールがネットワーク網31を介してセンター30に着信すると、この電子メールは、センター30の記録装置(図示せず)内の所定領域に設けられたメールボックス等に保持される。そして上記の電子メールは、センター30の配信機能により、この電子メールの宛先の携帯電話端末10に、ネットワーク網31、携帯電話基地局20を介して配信される。このとき、携帯電話基地局20と電子メールの宛先となる携帯電話端末10との通信が行えない場合には、この電子メールは配信されることなくセンター30内に保持される。通信が行えない場合としては、携帯電話端末10が無線通信の通信圏外にある場合や、携帯電話端末10の電源が入っていない場合が挙げられる。
【0016】
第1の実施の形態の携帯電話端末10は、自動的に電子メールの問い合わせを行ってセンター30に保持された電子メールの有無を確認し、センター30に保持された電子メールがあり、この電子メールを受信可能な場合には直ちに受信する。これにより、センター30に保持された電子メールの自動的且つ効率的な受信(取得)を実現する。
【0017】
図2は、携帯電話端末の機能構成を示すブロック図である。図2に示す携帯電話端末100は、図1のシステム構成に示した携帯電話端末10に含まれる。
図2に示すように、この携帯電話端末100は、携帯電話基地局20との間で種々の信号を電波として送受信するアンテナ101と、このアンテナ101にて受信された電波を受信する受信部102と、携帯電話端末100から送信される電波をアンテナ101へ送る送信部103と、デジタル信号と音声信号との変調および復調を行うモデム104と、受信部102にて受信された音声信号を音声として出力する音声出力部105と、送信部103から音声信号として送信される音声を入力する音声入力部106と、この携帯電話端末100を操作するための釦等からなるキー入力部108と、電話番号や電子メールアドレスなど種々のデータを保持することのできるメモリからなる記憶部109と、この携帯電話端末100を制御するファームウェアプログラムにしたがって動作するCPU(図示せず)を含む制御回路107とを備える。
【0018】
この携帯電話端末100は、さらに、液晶ディスプレイ等からなる表示部111を駆動するための表示部駆動回路110と、電話呼び出しの着呼または電子メールを受信した際の着信音(着信メロディ)やアラーム音を発する発音部113を駆動するための発音部駆動回路112と、バイブレータ機能を実現する振動ユニット115を駆動するための振動ユニット駆動回路114とが備えられており、それぞれの駆動回路は制御回路107に接続され、この制御回路107によってその動作を制御される。ここで、図2においては、上記の音声出力部105と発音部113とを、機能面から個別に記載したが、物理的には同じものであっても構わない。
【0019】
図2に示した携帯電話端末100において、電子メールの送信を行うにあたっては、まず、表示部111における表示内容にしたがって、ユーザによりキー入力部108が操作されることにより、電子メールが作成され、例えば記憶部109に送信メールとして保持される。そして、このキー入力部108に対して所定の操作が行われることにより、送信メールのデジタル信号は、モデム104において変調され、送信部103、アンテナ101を介して電波として携帯電話基地局20へ送信される。また、この携帯電話端末100の電源が入っており、通信可能な通信圏内にある場合には、センター30にて着信し、ネットワーク網31、携帯電話基地局20を介して電波として配信された電子メールは、アンテナ101、受信部102を介して受信され、モデム104において復調され、記憶部109に受信メールとして記憶される。携帯電話端末100において電子メールが受信された際には、発音部113により着信音を出力させたり、若しくは振動ユニット115によって携帯電話端末100を振動させたりして、電子メールの受信をユーザに知らせる。このような、電子メールの送受信に際し、携帯電話端末100の各部は、キー入力部108に対する操作に応じた制御回路107の制御にしたがって動作する。
【0020】
携帯電話端末100の制御回路107には、上記のCPUを動作させるためのファームウェアプログラムを記録したROM(図示せず)と、このCPUがファームウェアプログラムにしたがって動作する際に用いられるRAM(図示せず)が備えられている。この制御回路107は、アンテナ101および受信部102を介して受信される周囲の電波状況に基づいて、この携帯電話端末100が携帯電話基地局20との間での通信が可能な通信圏内であるか、若しくは通信が不可能な通信圏外であるかを判断することができる。さらに、第1の実施の形態における制御回路107は、電波状況から電波の強度をも認識することができ、この電波の強度を、例えばレベル1〜レベル3の3段階に分けて検知することができる。この携帯電話端末100の電波状況が通信圏外となるまでは、この電波状況は良好な状態に維持されるので、センター30に着信した電子メールは直ちに携帯電話端末100に配信される。しかしながら、電波状況が通信圏外となった場合には、センター30に着信した電子メールは溜まるので、以下の制御を行うことによりこの電子メールを確認する。
【0021】
制御回路107内のRAMには、ファームウェアプログラムによって書き替え可能な安定カウンタが設けられている。安定カウンタは、所定の強度の電波が検知されている状態が維持された時間に応じてその値が加算され、この値によって電波状況の安定度を認識するためのものである。この安定カウンタには、規定値が設けられており、安定カウンタにて計数された値と規定値とを比較することにより、電波状況が安定しているか否かを判断することができる。上記の規定値としては任意の値を設定することができるが、或る程度電波状況が安定していることを確認するに足る値とし、電波状態が安定した状態となってから動作制御が実行されるように設定するのが望ましい。所定の強度の電波が検知されている状態が、例えば、2〜3分間維持されたら電波状況が安定したと判断する場合には、上記の規定値として、例えば、“120〜180”といった値が設定される。
【0022】
制御回路107のCPUは、上記の安定カウンタの値が規定値に達した場合に電波状況が安定したものと判断し、この判断に基づいて、センター30に保持された電子メールの有無の問い合わせを行うための一連の各動作を実行する。まず、センター30に電子メールが保持されているか否かを確認するためのコマンドを含む所定の信号を送信(発呼)する。この信号を受信したセンター30から当該携帯電話端末100宛ての電子メールを保持している旨の応答を受け取ると、制御回路107は、次に、電子メールを受信するためのコマンドを含む所定の信号を送信する。そして、電子メールの受信コマンドを受け付けたセンター30から当該携帯電話端末100宛ての電子メールが送信される。すなわち、制御回路107のCPUにより、上記の電波状況を判断する判断手段、および電子メールの有無を確認する確認手段としての機能が実現される。これにより携帯電話端末100では、センター30に保持されていた電子メールを自動的且つ効率良く受信することができる。
【0023】
ここで、上記の安定カウンタの値は、携帯電話端末100の電源ON時および電源OFF時や、電波状況が通信圏内から通信圏外に切り替わった場合にクリアされる。その後、制御回路107にて所定の強度の電波が検知されると、安定カウンタの値が加算される。そして、制御回路107により、安定カウンタが規定値に達して電波状況が安定したと判断された後に、上述した電子メールの有無の問い合わせ動作が行われる。
【0024】
図3は、携帯電話端末100において受信される電波の受信レベルと安定カウンタの値との相関関係を示す図である。
図3に示した電波の受信レベルを示す図(上段の図)において、縦軸は携帯電話端末100における電波の受信レベルを、横軸は経過時間を示している。また、安定カウンタの値を示す図(下段の図)において、縦軸は安定カウンタの値を、横軸は経過時間を示している。第1の実施の形態では、一例として、受信レベル(電波状態)が通信圏外となった場合を安定カウンタの値をクリア(値として“0”を設定)するための条件とし、受信レベルがレベル2となった場合を安定カウンタの値を加算するための閾値としている。
【0025】
図3において、経過時間がaに達するまでは、受信レベルはレベル3〜レベル1の範囲内であり、通信圏外ではないので、安定カウンタは規定値として維持されている。そして、経過時間がaとなったときに、受信レベルは通信圏外となるので、安定カウンタには“0”が設定される。経過時間がa〜bの間は、受信レベルがレベル2(閾値)以下であるので、この間における安定カウンタは“0”のままである。経過時間がb〜cの間は、受信レベルが閾値以上(所定のレベル以上)となるので、安定カウンタは、例えば1秒毎に“1”ずつ加算される。経過時間がc〜dの間は、受信レベルが閾値以下であるが通信圏外ではないので安定カウンタの値は維持されるが、経過時間がdとなったときに受信レベルが通信圏外となるので、安定カウンタは“0”に設定される。そして、経過時間がd〜hの間は、上記のa〜dの間とほぼ同じような受信レベルの変化に基づいて安定カウンタの値が変更される。
【0026】
さらに、経過時間がhとなってからは、受信レベルが閾値以上の状態が維持される(安定した電波状況が得られる)。すると、安定カウンタの値は、1秒毎に“1”ずつ加算され、徐々に増加する。上述したように、安定カウンタの規定値としては、例えば“180”が設定されており、安定カウンタが“0”であった経過時間hの時点から180秒経過した経過時間iの時点において、この安定カウンタの値は規定値に達する。そして、安定カウンタの値が規定値に達したときに、制御回路107により各部の動作が制御され、センター30に対する電子メールの着信確認動作(電子メールの有無の問い合わせ)が実行される。
【0027】
図4は、第1の実施の形態の携帯電話端末100により電子メールの確認を行う際の処理の流れを説明するフローチャートである。
まず、制御回路107のRAMに設けられた安定カウンタの値として“0”が設定される(ステップ401)。制御回路107のCPUでは、キー入力部108に対して電源ONの操作が行われたか否かの判断が行われる(ステップ402)。ステップ402において、電源ONの操作が行われていないと判断された場合には、安定カウンタが“0”の状態において電源ONされるまで待機する。ステップ402において、電源ONの操作が行われたと判断されると、制御回路107のCPUにおいて、アンテナ101、受信部102を介して受信される電波の状態(受信レベル)が通信圏外であるか否かの判断が行われる(ステップ403)。ステップ403において通信圏外であると判断された場合には、制御回路107のCPUにより安定カウンタの値として再び“0”が設定され(ステップ404)、キー入力部108に対して電源OFFの操作が行われたか否かの判断が行われる(ステップ412)。
【0028】
ステップ412において電源OFFの操作が行われていないと判断された場合には、ステップ403以降の処理が行われる。また、ステップ412において電源OFF操作が行われたと判断されると、制御回路107のCPUにより安定カウンタの値として再び“0”が設定され(ステップ413)、その後、携帯電話端末100は、電源OFFの状態となる(ステップ414)。
【0029】
ステップ403において、通信圏外ではない、つまり通信圏内であると判断された場合には、電波の受信レベル(信号の強度)が所定の閾値以上であるか否かの判断が行われる(ステップ405)。ステップ405において、この受信レベルが閾値以上ではないと判断された場合には、ステップ412以降の処理が行われる。ステップ405において受信レベルが閾値以上であると判断されると、制御回路107のCPUにより、RAMに保持された安定カウンタの値が、例えば、1秒毎に“1”ずつ加算される(ステップ406)。そして、この安定カウンタの値が規定値に達したか否かの判断が行われる(ステップ407)。ステップ407において、安定カウンタの値が規定値に達していないと判断された場合には、ステップ412以降の処理が行われる。
【0030】
ステップ407において、安定カウンタの値が規定値に達したと判断された場合には、制御回路107のCPUの制御により、送信部103、アンテナ101を介して電子メールの確認コマンドが送信され、これにより携帯電話基地局20を介してセンター30への電子メールの有無の問い合わせが行われ(ステップ408)、このセンター30に着信し、保持された電子メールがあるか否かの判断が行われる(ステップ409)。尚、ステップ409において、センター30に保持された電子メールがないと判断された場合には、受信レベルが通信圏内から通信圏外に切り替わったか否かを判断する処理が行われる。そして、通信圏外となった場合には、安定カウンタの値として“0”が設定される(ステップ404)。
【0031】
ステップ409において、センター30に保持された電子メールがあると判断された場合には、制御回路107における電子メールの受信コマンドに応じて電子メールがセンター30より配信され、この電子メールは、アンテナ101、受信部102を介して受信される(ステップ410)。ステップ410にて携帯電話端末100に受信された電子メールは、モデム104、制御回路107を介して記憶部109に記憶される。そして、制御回路107の制御により、発音部113から着信音(着信メロディ)を発音させたり振動ユニット115により携帯電話端末100を振動させたりすることにより、電子メールを受信した旨がユーザに通知される(ステップ411)。尚、ステップ411において電子メールの受信が通知された後には、受信レベルが通信圏内から通信圏外に切り替わったか否かを判断する処理が行われる。そして、通信圏外となった場合には、安定カウンタの値として“0”が設定される(ステップ404)。その後、電源OFFの操作が行われたと判断された場合には、安定カウンタに“0”が設定され(ステップ413)、電源OFFの状態となる(ステップ414)。
【0032】
以上のように、第1の実施の形態に示した携帯電話端末100には、安定カウンタが設けられており、この安定カウンタが規定値となった際に、センター30に保持された電子メールの問い合わせを行っている。携帯電話端末100をこのような機能を備えた構成とすることにより、一定期間(2〜3分程度)電波状態が安定した状態にあるならば直ちに電子メールの問い合わせを行い、センター30に電子メールが保持されている場合には、この電子メールを自動的に取得することができる。これにより、センター30に着信し保持された電子メールが、携帯電話端末100にて受信されることなく放置されるのを極力防止することが可能となる。
【0033】
[第2の実施の形態]
ところで、第1の実施の形態に示したのと同様の構成を有する携帯電話端末100を用いて、以下のような機能を実現することも可能である。
第1の実施の形態に示した携帯電話端末100において、携帯電話基地局20を介してセンター30に保持された電子メールの有無の問い合わせを行う際、この問い合わせの度にパケット通信料が課金され、積算される。また、図1に示した通信サービスを実現するシステム全体において、各々の携帯電話端末100の電波状態(通信圏外および通信圏内)が切り替わる度に頻繁に、電子メールの確認だけを目的とした自動的な確認動作(パケット通信)を行うと、ネットワークトラフィックの増加を招くことが懸念される。そこで、本発明の発明者は、携帯電話端末100の電波状態の通信圏外、通信圏内の切り替えが頻繁に発生するような場合は、センター30に保持された電子メールの有無の問い合わせを或る程度制限する態様について検討した。
【0034】
上記の態様について検討するにあたり、電子メールの配信を受けることができないのは、携帯電話端末100の電波状態が通信圏外となっているためであり、この通信圏外である時間が短い場合は、携帯電話端末100に電子メールを配信できずセンター30に保持されてしまう可能性が低いことに着目した。第2の実施の形態では、携帯電話端末100の電波状態が通信圏外である時間が一定時間よりも短い場合には、安定カウンタが規定値に達した場合であってもセンター30への電子メールの問い合わせを見合わせる(確認を行わない)場合の制御について示す。すなわち、第2の実施の形態では、携帯電話端末100の電波状態が通信圏外である時間が短い場合には、第1の実施の形態の条件を満たした場合であっても携帯電話端末100からの問い合わせが行われない。
【0035】
第2の実施の形態における携帯電話端末100では、制御回路107内のRAMに、第1の実施の形態にて説明した安定カウンタと共に、ファームウェアプログラムによって書き替え可能な圏外カウンタが設けられている。圏外カウンタは、通信圏外である電波状態が継続している時間に応じてその値が加算され、この値によって通信圏外であった時間を計数するためのものである。この圏外カウンタには、規定値が設けられており、圏外カウンタにて計数された値と規定値とを比較することにより、所定時間以上通信圏外であったか否かを判断することができる。上記の圏外カウンタの規定値としては、携帯電話端末100の出荷時に予め設定された固有値、またはユーザにより設定された任意の値を設定することができる。
【0036】
図5は、携帯電話端末100において受信される電波の受信レベルと圏外カウンタの値との相関関係を示す図である。
図5に示した電波の受信レベルを示す図(上段の図)において、縦軸は携帯電話端末100における電波の受信レベルを、横軸は経過時間を示している。また、圏外カウンタの値を示す図(下段の図)において、縦軸は圏外カウンタの値を、横軸は経過時間を示している。図5では、予め圏外カウンタの値がクリア(値として“0”が設定され)された状態を示している。そして、制御回路107により受信レベルが通信圏外であることが検知され、この通信圏外の状態が継続している間は、圏外カウンタの値が変更(加算)される。
【0037】
図5において、携帯電話端末100の電源が入れられてから経過時間がjに達するまでは、受信レベルはレベル3〜レベル1の範囲内であり、通信圏外ではないので、圏外カウンタは“0”のまま維持されている。そして、経過時間がjとなったときに、受信レベルは通信圏外となるので、圏外カウンタには、再び“0”が設定される。経過時間がj〜kの間は、受信レベルが通信圏外である状態が維持されるので、圏外カウンタの値は、例えば1秒毎に“1”ずつ加算される。経過時間がk〜lの間は、受信レベルが通信圏外ではないので圏外カウンタの値は維持される。上記の経過時間がj〜kの間と同様に、経過時間がl〜m,n〜o,p〜qの間は、受信レベルが通信圏外となるので圏外カウンタの値は1秒毎に“1”ずつ加算される。また、上記の経過時間がk〜lの間と同様に、経過時間がm〜n,o〜pの間、または経過時間がq以降では、受信レベルが通信圏外ではないので圏外カウンタの値は維持される。このように、受信レベルが通信圏外となった際に、圏外カウンタの値は、1秒毎に“1”ずつ加算され、徐々に増加する。圏外カウンタの規定値としては、例えば“10分”が設定されており、この圏外カウンタの値は、所定時間以上(例えば10分以上)通信圏外の状態が継続された後に規定値に達する。そして、安定カウンタの値が規定値に達し、且つ圏外カウンタの値が規定値に達したときに、制御回路107により各部の動作が制御され、センター30に対する電子メールの着信確認動作(電子メールの有無の問い合わせ)が実行される。また、圏外カウンタの値が規定値に達した後には、この圏外カウンタの値はクリアされる(値として“0”が設定される)。
【0038】
図6は、第2の実施の形態の携帯電話端末100により電子メールの確認を行う際の処理の流れを説明するフローチャートである。
まず、制御回路107のRAMに設けられた安定カウンタの値として“0”が設定され、これと共に圏外カウンタの値として“0”が設定される(ステップ601)。制御回路107のCPUでは、キー入力部108に対して電源ONの操作が行われたか否かの判断が行われる(ステップ602)。ステップ602において、電源ONの操作が行われていないと判断された場合には、安定カウンタが“0”、且つ圏外カウンタが“0”の状態において電源ONされるまで待機する。ステップ602において、電源ONの操作が行われたと判断されると、制御回路107のCPUにおいて、アンテナ101、受信部102を介して受信される電波の状態(受信レベル)が通信圏外であるか否かの判断が行われる(ステップ603)。ステップ603において通信圏外であると判断された場合には、制御回路107のCPUによりRAMに保持された安定カウンタの値として再び“0”が設定され、圏外カウンタが、例えば、1秒毎に1ずつ加算させる(ステップ604)。そして、キー入力部108に対して電源OFFの操作が行われたか否かの判断が行われる(ステップ614)。つまり、ステップ603、ステップ604、およびステップ614の処理は、圏外カウンタに“1”を加算する時間に応じて、例えば上記の例の場合には、1秒毎に繰り返し行われる。
【0039】
ステップ614において電源OFFの操作が行われていないと判断された場合には、ステップ603以降の処理が行われる。また、ステップ614において電源OFF操作が行われたと判断されると、制御回路107のCPUにより安定カウンタおよび圏外カウンタの値として再び“0”が設定され(ステップ615)、その後、携帯電話端末100は、電源OFFの状態となる(ステップ616)。
【0040】
ステップ603において、通信圏外ではない、つまり通信圏内であると判断された場合には、この電波の受信レベル(信号の強度)が所定の閾値以上であるか否かの判断が行われる(ステップ605)。ステップ605において、この受信レベルが閾値以上ではないと判断された場合には、ステップ614以降の処理が行われる。ステップ605において受信レベルが閾値以上であると判断されると、制御回路107のCPUにより、RAMに保持された安定カウンタの値が、例えば、1秒毎に“1”ずつ加算される(ステップ606)。そして、この安定カウンタの値が規定値に達したか否かの判断が行われる(ステップ607)。ステップ607において、安定カウンタの値が規定値に達していないと判断された場合には、ステップ614以降の処理が行われる。
【0041】
ステップ607において、安定カウンタの値が規定値に達したと判断された場合には、さらに、圏外カウンタの値が規定値に達したか否かの判断が行われる(ステップ608)。ステップ608において、圏外カウンタの値が規定値に達していないと判断された場合には、ステップ614以降の処理が行われる。また、ステップ608において、圏外カウンタの値が規定値に達したと判断された場合には、制御回路107のCPUにより、圏外カウンタの値として再び“0”が設定される(ステップ609)。そして、第1の実施の形態に示したステップ408〜ステップ411に対応するステップ610〜ステップ613の処理が行われる。ステップ611において、センター30に保持された電子メールがないと判断された場合には、ステップ614以降の処理が行われる。
【0042】
尚、ステップ611にてセンター30に保持された電子メールがないと判断された場合、およびステップ613において電子メールの受信が通知された後には、受信レベルが通信圏内から通信圏外に変わったか否かを判断する処理が行われる。そして、通信圏外に切り替わった場合には、安定カウンタおよび圏外カウンタの値として“0”が設定され、ステップ614以降の処理が行われる。
【0043】
そして、電源OFFの操作が行われたか否かが判断され(ステップ614)、電源OFFの操作が行われていないと判断された場合には、ステップ603〜ステップ614の処理を繰り返し、電源OFFの操作が行われたと判断された場合には、安定カウンタおよび圏外カウンタに“0”が設定され(ステップ615)、電源OFFの状態となる(ステップ616)。
【0044】
以上のように、第2の実施の形態に示した携帯電話端末100には、安定カウンタに加えて、さらに圏外カウンタが設けられており、これら安定カウンタおよび圏外カウンタが規定値となった際に、センター30に保持された電子メールの問い合わせを行っている。携帯電話端末100をこのような機能を備えた構成とすることにより、通信圏外および通信圏内が切り替わる度に頻繁に確認動作が行われるのを抑制することができ、電子メールの問い合わせによる課金の積算、およびネットワークシステムにおけるトラフィックの増加を抑制することができる。
【0045】
[第3の実施の形態]
また、上記の第1、第2の実施の形態に示したのと同様の構成を有する携帯電話端末100を用いて、以下のような機能を実現することも可能である。
携帯電話端末100において、1日の内で頻繁に電子メールを受信するユーザと、あまり電子メールを受信することのないユーザとでは、前回受信した電子メールと新たに受信した電子メールとの受信間隔は異なる。第2の実施の形態では、安定カウンタおよび圏外カウンタの値が規定値に達した際に、電子メールの問い合わせを行う態様について示した。この圏外カウンタの規定値は、出荷時に予め設定された、またはユーザにより設定されたものであるが、上記のように、ユーザによって電子メールの受信間隔が異なるので、個別に適応させることが好ましい。そこで、本発明の発明者は、携帯電話端末100において、個々のユーザの使用態様に適合した圏外カウンタの規定値を設けることにより、より効率的な電子メールの問い合わせを行う態様について検討した。
【0046】
第3の実施の形態における携帯電話端末100では、制御回路107内のRAMに、上述した安定カウンタと共に、ファームウェアプログラムによって書き替え可能な圏外カウンタが設けられている。また、制御回路107のCPUの動作を制御するファームウェアプログラムでは、この圏外カウンタの規定値を動的に書き替えることが可能である。ここで、携帯電話端末100にて受信された受信メールは、記憶部109に記憶される。制御回路107のCPUは、この記憶部109に記憶された受信メールの送信時間から、電子メールが受信された受信間隔を検知することができる。例えば、携帯電話端末100の電波状態が通信圏外であった等の理由により、一度に複数の電子メールを受信した場合でも、制御回路107のCPUは、1つずつの電子メールについての送信時間から、上記の受信間隔を検知することができる。記憶部109に記憶された受信メールの数が増加すれば、個々のユーザ毎のより平均的な電子メールの受信間隔を求めることができる。そして、この受信間隔に基づいて、圏外カウンタの規定値を定めることができる。例えば、制御回路107のCPUが、検知された上記の受信間隔の半分の時間を圏外カウンタの規定値として求め、この規定値を設定することにより、平均メール受信間隔よりも短い間隔にて問い合わせを行う。
【0047】
図7は、第3の実施の形態の携帯電話端末100により圏外カウンタの規定値を求める際の処理の流れを説明するフローチャートである。
以下、図7に示すフローチャートでは、例えば、30日を1つの期間(ターム)として区切り、それぞれの期間毎に圏外カウンタ規定値を求める場合について例示する。このような場合には、例えば、1つ前の期間において求められた圏外カウンタ規定値を現在の期間において採用し、現在の期間において求められた圏外カウンタ規定値を次の期間において採用することができる。携帯電話端末100の使用を開始してから現在に至るまで(使用開始から30日以内)の圏外カウンタ規定値を求める場合には、使用開始から初めて受信された受信メールの送信時刻を基点時刻とし、所定の期間(使用開始から30日以降)における圏外カウンタ規定値を求める場合には、前の期間において最後に受信された電子メールの送信時刻を基点時刻とすることができる。
【0048】
まず、制御回路107のCPUは、携帯電話端末100において受信された受信メールの(送信者による)送信時刻を基点時刻として制御回路107内のRAMまたは記憶部109に記憶する(ステップ701)。ステップ701において、新たな期間が開始された場合には、過去の受信メール本数(前の期間において受信された電子メールの本数)、および上記の基点時刻と最後に受信された電子メールの送信時刻との差(以下、この時刻差を総時間と称する)はクリア(値として“0”が設定)される。そしてCPUでは、新たな電子メールが受信されたか否かの判断が行われ(ステップ702)、このステップ702において新たな電子メールの受信が検知されるまで待機する。携帯電話端末100の使用が開始された期間内であれば、ステップ702において新たな電子メールが受信される度にステップ703以降の処理が行われ、圏外カウンタ規定値が更新される。また、所定の期間においては、前の期間において求められた圏外カウンタ規定値が採用され、ステップ703以降の処理では、次の期間において採用される圏外カウンタ規定値が求められる。
【0049】
ステップ702において新たな電子メールが受信されたと判断されると、制御回路107のCPUにより、記憶部109に記憶された過去(所定期間内)の受信メール本数に今回新たに受信した受信メールの本数が加算され、これにより受信メール本数が求められる(ステップ703)。また、今回新たに受信した受信メールのうち、最新の電子メールの送信時刻から基点時刻が減算され、これにより総時間が求められる(ステップ704)。ここで、ステップ704で求められた総時間をステップ703で求められた受信メール本数で除算することにより、平均メール受信間隔が求められる(ステップ705)。そして、このステップ705にて求められた平均メール受信間隔を、例えば、“2”で除算することにより、圏外カウンタ規定値が求められる(ステップ706)。そして、制御回路107のCPUにより、ステップ706にて求められた圏外カウンタ規定値は、RAMに保持された圏外カウンタの規定値として設定される。
【0050】
以上、第3の実施の形態では、総時間を電子メールの本数で除算することにより平均メール受信間隔を求める場合について例示したが、所定期間内に受信された1つずつの電子メールの受信間隔を加算し、加算された受信間隔時間を電子メールの数で除算することにより、平均メール受信間隔を求めるようにしても構わない。
【0051】
このように、第3の実施の形態では、出荷時の初期値やユーザの釦操作などに依存することなく、携帯電話端末100自身が自動的に圏外カウンタの規定値の設定を行うことができる。また、平均メール受信間隔時間が常に変化するので、ユーザの生活パターンに変化があった場合にも、圏外カウンタの規定値を動的に追従することができる。例えば、電子メールを利用していなかったユーザが、急に電子メールの受信頻度が増加した場合であっても、圏外カウンタの規定値を自動的に追従させ、妥当な頻度での問い合わせを行うことが可能となる。さらに、上記のように、圏外カウンタの規定値を採用する期間を定めることにより、最大でも1ヶ月の遅れでユーザ毎の生活パターンに適合可能になる。これにより、圏外カウンタの規定値の再設定の煩わしさや、再設定のし忘れを防止することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、センターに保持された電子メールを自動的に且つ効率的に受信することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通信サービスを実現するシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】携帯電話端末の機能構成を示すブロック図である。
【図3】携帯電話端末において受信される電波の受信レベルと安定カウンタの値との相関関係を示す図である。
【図4】第1の実施の形態の携帯電話端末により電子メールの確認を行う際の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図5】携帯電話端末において受信される電波の受信レベルと圏外カウンタの値との相関関係を示す図である。
【図6】第2の実施の形態の携帯電話端末により電子メールの確認を行う際の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図7】第3の実施の形態の携帯電話端末により圏外カウンタの規定値を求める際の処理の流れを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10…携帯電話端末、20…携帯電話基地局、30…センター、100…携帯電話端末、104…モデム、105…音声出力部、106…音声入力部、107…制御回路、108…キー入力部、109…記憶部、110…表示部駆動回路、111…表示部、112…発音部駆動回路、113…発音部、114…振動ユニット駆動回路、115…振動ユニット
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信端末である無線携帯型端末に係り、より詳しくは、サーバに着信した電子メールを受信する際の無線携帯型端末の制御方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話端末やPHS(Personal Handyphone System)端末、またはネットワーク機能を備えたPDA(Personal Digital Assistant)などの無線携帯型端末を用いた移動通信においては、無線基地局と無線携帯型端末とを所定の通信方式で接続することにより、他の無線携帯型端末またはコンピュータ装置との間で通信を行うことができる。これらの無線携帯型端末のユーザ(携帯電話端末またはPHS端末におけるサービスの加入者や、ISP(Internet Service Provider)サービスの加入者)に対して提供される通信サービスとしては、パケット通信による電子メールの送受信サービスやウェブ閲覧サービス等が挙げられる。ユーザは、このような端末を常時携帯することにより、通信電波の届く場所(以下、通信圏内とする)であれば、通信サービスを受けることができる。近年、多岐にわたる通信サービスの充実に伴い、これらの端末の利便性がさらに向上し、広く一般に普及している。
【0003】
ところで、上記のような端末は、ユーザが常時携帯可能であることが利点であるが、ユーザが通信圏内から通信電波の届かない場所(以下、通信圏外とする)に移動した場合、または端末の電源が入っていない場合には、通信サービスを受けることができなくなる。したがって、センターに電子メールが着信した際に、端末を携帯したユーザが通信圏外に居る場合や、端末の電源が入っていない場合など、受信できない状態にある場合には、この電子メールは配信されない。そして、配信されなかった上記の電子メールを受け取るためには、端末において確認操作を行う必要がある。しかし、この確認操作を行わなければ、上記の配信されなかった電子メールは、センターのメールボックス内に滞ったままとなってしまうため、ユーザは、自分宛てに送信されたメッセージを受け取ることができない。さらに、メールボックス内に大量の電子メールが溜まると、センターの負担が増える。このとき、配信されなかった上記の電子メールは、新しい電子メールが送信されてきた際、この新しい電子メールと共に配信することができる。しかしこのとき、端末の電源が入っており、且つ端末が通信圏内にあるという条件が満たされなければ、これらの電子メールは再び配信されず、メールボックスに溜まることになる。
【0004】
ここで、上述した電子メールの確認操作を手作業によらず自動的に行うことのできる技術として、所定時間毎にサーバに発呼して自分宛ての電子メールの有無を確認する手段と、送信する電子メールまたは受信した電子メールを表示する手段と、無線通信の通信可能領域に入った場合に自分宛ての電子メールを自動的に受信する手段とにより、電子メールの送受信を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−178061号公報(第3頁、図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1に記載された技術は、所定時間毎にサーバに発呼することにより、自分宛てのメールの有無を確認する手段を要件としている。つまり、特許文献1に記載された無線携帯型端末装置では、この無線携帯型端末装置が通信圏内であるか、または通信圏外であるかを区別することなく、内蔵されたタイマがタイムアップした場合に発呼を行っている。そのため、タイマがタイムアップしたときに無線携帯型端末装置が通信圏外にある可能性がある。一方、この技術では、無線携帯型端末装置が通信圏内にある場合であってもタイムアップが発生するまでは発呼を行わない。すると、タイムアップするまでの間に、この無線携帯型端末装置を携帯したユーザが通信圏内から通信圏外に移動してしまうことも考えられる。したがって、この従来技術では、これらの場合に電子メールを取得することができない。
【0007】
また、無線携帯型端末が通信圏外または電源が入っていないためにセンターに保持された電子メールの確認を行うには、この無線携帯型端末が通信圏外から通信圏内となった場合に確認することが有効である。上記のようにタイマによらず、無線携帯型端末が通信圏内となった際に直ちに電子メールの確認操作を行う制御が考えられる。しかしながらこのタイミングで確認すると、通信圏外から通信圏内へ遷移する度に確認操作を行ってしまう。したがって、電波状態が不安定なときには、頻繁に発呼して電子メールの有無を確認することになり、この確認の度に無駄な課金が生じてしまうため好ましくない。また、上述した特許文献1に記載された技術では、センターに電子メールが保持されており無線携帯型端末装置が通信圏内にある場合であっても、タイムアップするまでの無駄な時間を待つことになり、電子メールを確認する機会が減少してしまう。すなわち、従来においては、センターに保持された電子メールの有無を確認するための効率的、且つ有効な手段は開示されていない。
【0008】
本発明は、上記のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、センターに保持された電子メールを自動的に且つ効率的に受信することにある。
また、他の目的は、一旦、受信できなかった電子メールを受信する際、課金の増大を防止することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明は、以下のような機能を実現する無線携帯型端末を提供することができる。すなわち、本発明にて提供される電子メールを送受信可能な無線携帯型端末は、判断手段により電子メールを受信できるか否かを判断し、この判断手段により電子メールを受信できない状態から受信できる状態に移行した際、確認手段によりセンターに対して電子メールの有無を確認する。
ここで、判断手段は、電波の状態を検知して電波の受信レベルを把握することにより電子メールを受信できる状態か否かを判断する。また、確認手段は、電波の受信レベルが所定のレベル以上である状態が所定時間以上維持された場合に電子メールの有無を確認する。さらに、この確認手段は、電子メールを受信できない状態が所定時間以上維持された場合に、電子メールを受信できる状態になるまでは電子メールの有無の確認を行わない。
【0010】
また、上記の目的を達成する本発明は、以下のような構成の無線携帯型端末を提供することができる。この無線携帯型端末は、電子メールを受信する受信部と、この受信部による電子メールの受信動作を制御する制御部とを備えた構成とすることができる。そして、この制御部は、受信部により受信可能な電波の受信レベルを検知すると共に、この受信レベルが所定のレベル以上に維持された時間に基づいて電子メールの受信動作を制御する。
また、この制御部は、所定のレベル以上の時間を安定カウンタにて計数し、この安定カウンタの値が規定値に達した際に受信動作を行う。つまり、この安定カウンタは、電子メールを受信することができる状態となってからの時間を加算することにより、安定カウンタの値を計数する。ここで、この安定カウンタは、電波の受信ができない通信圏外の状態にてその値をクリアする。
ここで、この制御部は、電波の受信ができない通信圏外の状態が維持された時間を圏外カウンタにて計数し、この圏外カウンタの値が規定値に達した後、電波の受信ができる通信圏内の状態となった際に受信動作を行う。つまり、この圏外カウンタは、電子メールを受信することができない状態となってからの時間を加算することにより、圏外カウンタの値を計数する。
【0011】
さらに、上記の目的を達成する本発明は、電子メールの有無を自動的に確認する無線携帯型端末における以下のような制御方法を提供することができる。すなわち、この無線携帯型端末の制御方法は、無線携帯型端末における電波状態を受信レベルとして検知し、この受信レベルが所定のレベル以上に維持された時間をカウントし、このカウントした値が規定値に達した場合には、電子メールの有無を確認する動作を行う。この制御方法では、電波を受信することができない時間をカウントし、カウントした時間が規定値に達するまでは、電子メールの確認動作を抑制する。そして、所定期間内に受信された電子メールの受信間隔に基づいて電波を受信することができない時間をカウントし、電子メールの確認動作を抑制するための規定値を変更する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。第1〜第3の実施の形態では、無線携帯型端末の一例として、携帯電話端末を例示し、この携帯電話端末により実現される機能を説明する。
【0013】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態における通信サービスを実現するシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施の形態を実現するシステムは、無線通信によって電子メールのやりとりを行う携帯電話端末10と、この携帯電話端末10の基地局である携帯電話基地局20と、インターネット等のネットワーク網31と、このネットワーク網31を介して携帯電話基地局20やコンピュータ端末(図示せず)と接続されたセンター30とを備える。携帯電話端末10と携帯電話基地局20とは、アンテナ11,21を介して所定の無線通信方式にて接続されることにより電波の伝搬(送受信)が可能となり、この電波の送受信によって通信サービスが実現される。この携帯電話端末10にて利用可能な通信サービスとして、例えば、音声(信号)による通話サービス、電子メール等を送受信するパケット通信サービスなどがある。
【0014】
図1に示したシステムにおいて、ネットワーク網31には、携帯電話基地局20、ISP等を経由して、複数の携帯電話端末やコンピュータ装置を接続することができ、相互に通信して上記の通信サービスを享受することができる。以下では、何れかの携帯電話端末やコンピュータ装置から、所定の携帯電話端末10宛ての電子メールが送信された際の、この電子メールの受信に関する制御について説明する。
【0015】
上記のパケット通信サービスによる電子メールの送受信にあたって、他の携帯電話端末またはコンピュータ装置から携帯電話端末10宛てに送信された電子メールがネットワーク網31を介してセンター30に着信すると、この電子メールは、センター30の記録装置(図示せず)内の所定領域に設けられたメールボックス等に保持される。そして上記の電子メールは、センター30の配信機能により、この電子メールの宛先の携帯電話端末10に、ネットワーク網31、携帯電話基地局20を介して配信される。このとき、携帯電話基地局20と電子メールの宛先となる携帯電話端末10との通信が行えない場合には、この電子メールは配信されることなくセンター30内に保持される。通信が行えない場合としては、携帯電話端末10が無線通信の通信圏外にある場合や、携帯電話端末10の電源が入っていない場合が挙げられる。
【0016】
第1の実施の形態の携帯電話端末10は、自動的に電子メールの問い合わせを行ってセンター30に保持された電子メールの有無を確認し、センター30に保持された電子メールがあり、この電子メールを受信可能な場合には直ちに受信する。これにより、センター30に保持された電子メールの自動的且つ効率的な受信(取得)を実現する。
【0017】
図2は、携帯電話端末の機能構成を示すブロック図である。図2に示す携帯電話端末100は、図1のシステム構成に示した携帯電話端末10に含まれる。
図2に示すように、この携帯電話端末100は、携帯電話基地局20との間で種々の信号を電波として送受信するアンテナ101と、このアンテナ101にて受信された電波を受信する受信部102と、携帯電話端末100から送信される電波をアンテナ101へ送る送信部103と、デジタル信号と音声信号との変調および復調を行うモデム104と、受信部102にて受信された音声信号を音声として出力する音声出力部105と、送信部103から音声信号として送信される音声を入力する音声入力部106と、この携帯電話端末100を操作するための釦等からなるキー入力部108と、電話番号や電子メールアドレスなど種々のデータを保持することのできるメモリからなる記憶部109と、この携帯電話端末100を制御するファームウェアプログラムにしたがって動作するCPU(図示せず)を含む制御回路107とを備える。
【0018】
この携帯電話端末100は、さらに、液晶ディスプレイ等からなる表示部111を駆動するための表示部駆動回路110と、電話呼び出しの着呼または電子メールを受信した際の着信音(着信メロディ)やアラーム音を発する発音部113を駆動するための発音部駆動回路112と、バイブレータ機能を実現する振動ユニット115を駆動するための振動ユニット駆動回路114とが備えられており、それぞれの駆動回路は制御回路107に接続され、この制御回路107によってその動作を制御される。ここで、図2においては、上記の音声出力部105と発音部113とを、機能面から個別に記載したが、物理的には同じものであっても構わない。
【0019】
図2に示した携帯電話端末100において、電子メールの送信を行うにあたっては、まず、表示部111における表示内容にしたがって、ユーザによりキー入力部108が操作されることにより、電子メールが作成され、例えば記憶部109に送信メールとして保持される。そして、このキー入力部108に対して所定の操作が行われることにより、送信メールのデジタル信号は、モデム104において変調され、送信部103、アンテナ101を介して電波として携帯電話基地局20へ送信される。また、この携帯電話端末100の電源が入っており、通信可能な通信圏内にある場合には、センター30にて着信し、ネットワーク網31、携帯電話基地局20を介して電波として配信された電子メールは、アンテナ101、受信部102を介して受信され、モデム104において復調され、記憶部109に受信メールとして記憶される。携帯電話端末100において電子メールが受信された際には、発音部113により着信音を出力させたり、若しくは振動ユニット115によって携帯電話端末100を振動させたりして、電子メールの受信をユーザに知らせる。このような、電子メールの送受信に際し、携帯電話端末100の各部は、キー入力部108に対する操作に応じた制御回路107の制御にしたがって動作する。
【0020】
携帯電話端末100の制御回路107には、上記のCPUを動作させるためのファームウェアプログラムを記録したROM(図示せず)と、このCPUがファームウェアプログラムにしたがって動作する際に用いられるRAM(図示せず)が備えられている。この制御回路107は、アンテナ101および受信部102を介して受信される周囲の電波状況に基づいて、この携帯電話端末100が携帯電話基地局20との間での通信が可能な通信圏内であるか、若しくは通信が不可能な通信圏外であるかを判断することができる。さらに、第1の実施の形態における制御回路107は、電波状況から電波の強度をも認識することができ、この電波の強度を、例えばレベル1〜レベル3の3段階に分けて検知することができる。この携帯電話端末100の電波状況が通信圏外となるまでは、この電波状況は良好な状態に維持されるので、センター30に着信した電子メールは直ちに携帯電話端末100に配信される。しかしながら、電波状況が通信圏外となった場合には、センター30に着信した電子メールは溜まるので、以下の制御を行うことによりこの電子メールを確認する。
【0021】
制御回路107内のRAMには、ファームウェアプログラムによって書き替え可能な安定カウンタが設けられている。安定カウンタは、所定の強度の電波が検知されている状態が維持された時間に応じてその値が加算され、この値によって電波状況の安定度を認識するためのものである。この安定カウンタには、規定値が設けられており、安定カウンタにて計数された値と規定値とを比較することにより、電波状況が安定しているか否かを判断することができる。上記の規定値としては任意の値を設定することができるが、或る程度電波状況が安定していることを確認するに足る値とし、電波状態が安定した状態となってから動作制御が実行されるように設定するのが望ましい。所定の強度の電波が検知されている状態が、例えば、2〜3分間維持されたら電波状況が安定したと判断する場合には、上記の規定値として、例えば、“120〜180”といった値が設定される。
【0022】
制御回路107のCPUは、上記の安定カウンタの値が規定値に達した場合に電波状況が安定したものと判断し、この判断に基づいて、センター30に保持された電子メールの有無の問い合わせを行うための一連の各動作を実行する。まず、センター30に電子メールが保持されているか否かを確認するためのコマンドを含む所定の信号を送信(発呼)する。この信号を受信したセンター30から当該携帯電話端末100宛ての電子メールを保持している旨の応答を受け取ると、制御回路107は、次に、電子メールを受信するためのコマンドを含む所定の信号を送信する。そして、電子メールの受信コマンドを受け付けたセンター30から当該携帯電話端末100宛ての電子メールが送信される。すなわち、制御回路107のCPUにより、上記の電波状況を判断する判断手段、および電子メールの有無を確認する確認手段としての機能が実現される。これにより携帯電話端末100では、センター30に保持されていた電子メールを自動的且つ効率良く受信することができる。
【0023】
ここで、上記の安定カウンタの値は、携帯電話端末100の電源ON時および電源OFF時や、電波状況が通信圏内から通信圏外に切り替わった場合にクリアされる。その後、制御回路107にて所定の強度の電波が検知されると、安定カウンタの値が加算される。そして、制御回路107により、安定カウンタが規定値に達して電波状況が安定したと判断された後に、上述した電子メールの有無の問い合わせ動作が行われる。
【0024】
図3は、携帯電話端末100において受信される電波の受信レベルと安定カウンタの値との相関関係を示す図である。
図3に示した電波の受信レベルを示す図(上段の図)において、縦軸は携帯電話端末100における電波の受信レベルを、横軸は経過時間を示している。また、安定カウンタの値を示す図(下段の図)において、縦軸は安定カウンタの値を、横軸は経過時間を示している。第1の実施の形態では、一例として、受信レベル(電波状態)が通信圏外となった場合を安定カウンタの値をクリア(値として“0”を設定)するための条件とし、受信レベルがレベル2となった場合を安定カウンタの値を加算するための閾値としている。
【0025】
図3において、経過時間がaに達するまでは、受信レベルはレベル3〜レベル1の範囲内であり、通信圏外ではないので、安定カウンタは規定値として維持されている。そして、経過時間がaとなったときに、受信レベルは通信圏外となるので、安定カウンタには“0”が設定される。経過時間がa〜bの間は、受信レベルがレベル2(閾値)以下であるので、この間における安定カウンタは“0”のままである。経過時間がb〜cの間は、受信レベルが閾値以上(所定のレベル以上)となるので、安定カウンタは、例えば1秒毎に“1”ずつ加算される。経過時間がc〜dの間は、受信レベルが閾値以下であるが通信圏外ではないので安定カウンタの値は維持されるが、経過時間がdとなったときに受信レベルが通信圏外となるので、安定カウンタは“0”に設定される。そして、経過時間がd〜hの間は、上記のa〜dの間とほぼ同じような受信レベルの変化に基づいて安定カウンタの値が変更される。
【0026】
さらに、経過時間がhとなってからは、受信レベルが閾値以上の状態が維持される(安定した電波状況が得られる)。すると、安定カウンタの値は、1秒毎に“1”ずつ加算され、徐々に増加する。上述したように、安定カウンタの規定値としては、例えば“180”が設定されており、安定カウンタが“0”であった経過時間hの時点から180秒経過した経過時間iの時点において、この安定カウンタの値は規定値に達する。そして、安定カウンタの値が規定値に達したときに、制御回路107により各部の動作が制御され、センター30に対する電子メールの着信確認動作(電子メールの有無の問い合わせ)が実行される。
【0027】
図4は、第1の実施の形態の携帯電話端末100により電子メールの確認を行う際の処理の流れを説明するフローチャートである。
まず、制御回路107のRAMに設けられた安定カウンタの値として“0”が設定される(ステップ401)。制御回路107のCPUでは、キー入力部108に対して電源ONの操作が行われたか否かの判断が行われる(ステップ402)。ステップ402において、電源ONの操作が行われていないと判断された場合には、安定カウンタが“0”の状態において電源ONされるまで待機する。ステップ402において、電源ONの操作が行われたと判断されると、制御回路107のCPUにおいて、アンテナ101、受信部102を介して受信される電波の状態(受信レベル)が通信圏外であるか否かの判断が行われる(ステップ403)。ステップ403において通信圏外であると判断された場合には、制御回路107のCPUにより安定カウンタの値として再び“0”が設定され(ステップ404)、キー入力部108に対して電源OFFの操作が行われたか否かの判断が行われる(ステップ412)。
【0028】
ステップ412において電源OFFの操作が行われていないと判断された場合には、ステップ403以降の処理が行われる。また、ステップ412において電源OFF操作が行われたと判断されると、制御回路107のCPUにより安定カウンタの値として再び“0”が設定され(ステップ413)、その後、携帯電話端末100は、電源OFFの状態となる(ステップ414)。
【0029】
ステップ403において、通信圏外ではない、つまり通信圏内であると判断された場合には、電波の受信レベル(信号の強度)が所定の閾値以上であるか否かの判断が行われる(ステップ405)。ステップ405において、この受信レベルが閾値以上ではないと判断された場合には、ステップ412以降の処理が行われる。ステップ405において受信レベルが閾値以上であると判断されると、制御回路107のCPUにより、RAMに保持された安定カウンタの値が、例えば、1秒毎に“1”ずつ加算される(ステップ406)。そして、この安定カウンタの値が規定値に達したか否かの判断が行われる(ステップ407)。ステップ407において、安定カウンタの値が規定値に達していないと判断された場合には、ステップ412以降の処理が行われる。
【0030】
ステップ407において、安定カウンタの値が規定値に達したと判断された場合には、制御回路107のCPUの制御により、送信部103、アンテナ101を介して電子メールの確認コマンドが送信され、これにより携帯電話基地局20を介してセンター30への電子メールの有無の問い合わせが行われ(ステップ408)、このセンター30に着信し、保持された電子メールがあるか否かの判断が行われる(ステップ409)。尚、ステップ409において、センター30に保持された電子メールがないと判断された場合には、受信レベルが通信圏内から通信圏外に切り替わったか否かを判断する処理が行われる。そして、通信圏外となった場合には、安定カウンタの値として“0”が設定される(ステップ404)。
【0031】
ステップ409において、センター30に保持された電子メールがあると判断された場合には、制御回路107における電子メールの受信コマンドに応じて電子メールがセンター30より配信され、この電子メールは、アンテナ101、受信部102を介して受信される(ステップ410)。ステップ410にて携帯電話端末100に受信された電子メールは、モデム104、制御回路107を介して記憶部109に記憶される。そして、制御回路107の制御により、発音部113から着信音(着信メロディ)を発音させたり振動ユニット115により携帯電話端末100を振動させたりすることにより、電子メールを受信した旨がユーザに通知される(ステップ411)。尚、ステップ411において電子メールの受信が通知された後には、受信レベルが通信圏内から通信圏外に切り替わったか否かを判断する処理が行われる。そして、通信圏外となった場合には、安定カウンタの値として“0”が設定される(ステップ404)。その後、電源OFFの操作が行われたと判断された場合には、安定カウンタに“0”が設定され(ステップ413)、電源OFFの状態となる(ステップ414)。
【0032】
以上のように、第1の実施の形態に示した携帯電話端末100には、安定カウンタが設けられており、この安定カウンタが規定値となった際に、センター30に保持された電子メールの問い合わせを行っている。携帯電話端末100をこのような機能を備えた構成とすることにより、一定期間(2〜3分程度)電波状態が安定した状態にあるならば直ちに電子メールの問い合わせを行い、センター30に電子メールが保持されている場合には、この電子メールを自動的に取得することができる。これにより、センター30に着信し保持された電子メールが、携帯電話端末100にて受信されることなく放置されるのを極力防止することが可能となる。
【0033】
[第2の実施の形態]
ところで、第1の実施の形態に示したのと同様の構成を有する携帯電話端末100を用いて、以下のような機能を実現することも可能である。
第1の実施の形態に示した携帯電話端末100において、携帯電話基地局20を介してセンター30に保持された電子メールの有無の問い合わせを行う際、この問い合わせの度にパケット通信料が課金され、積算される。また、図1に示した通信サービスを実現するシステム全体において、各々の携帯電話端末100の電波状態(通信圏外および通信圏内)が切り替わる度に頻繁に、電子メールの確認だけを目的とした自動的な確認動作(パケット通信)を行うと、ネットワークトラフィックの増加を招くことが懸念される。そこで、本発明の発明者は、携帯電話端末100の電波状態の通信圏外、通信圏内の切り替えが頻繁に発生するような場合は、センター30に保持された電子メールの有無の問い合わせを或る程度制限する態様について検討した。
【0034】
上記の態様について検討するにあたり、電子メールの配信を受けることができないのは、携帯電話端末100の電波状態が通信圏外となっているためであり、この通信圏外である時間が短い場合は、携帯電話端末100に電子メールを配信できずセンター30に保持されてしまう可能性が低いことに着目した。第2の実施の形態では、携帯電話端末100の電波状態が通信圏外である時間が一定時間よりも短い場合には、安定カウンタが規定値に達した場合であってもセンター30への電子メールの問い合わせを見合わせる(確認を行わない)場合の制御について示す。すなわち、第2の実施の形態では、携帯電話端末100の電波状態が通信圏外である時間が短い場合には、第1の実施の形態の条件を満たした場合であっても携帯電話端末100からの問い合わせが行われない。
【0035】
第2の実施の形態における携帯電話端末100では、制御回路107内のRAMに、第1の実施の形態にて説明した安定カウンタと共に、ファームウェアプログラムによって書き替え可能な圏外カウンタが設けられている。圏外カウンタは、通信圏外である電波状態が継続している時間に応じてその値が加算され、この値によって通信圏外であった時間を計数するためのものである。この圏外カウンタには、規定値が設けられており、圏外カウンタにて計数された値と規定値とを比較することにより、所定時間以上通信圏外であったか否かを判断することができる。上記の圏外カウンタの規定値としては、携帯電話端末100の出荷時に予め設定された固有値、またはユーザにより設定された任意の値を設定することができる。
【0036】
図5は、携帯電話端末100において受信される電波の受信レベルと圏外カウンタの値との相関関係を示す図である。
図5に示した電波の受信レベルを示す図(上段の図)において、縦軸は携帯電話端末100における電波の受信レベルを、横軸は経過時間を示している。また、圏外カウンタの値を示す図(下段の図)において、縦軸は圏外カウンタの値を、横軸は経過時間を示している。図5では、予め圏外カウンタの値がクリア(値として“0”が設定され)された状態を示している。そして、制御回路107により受信レベルが通信圏外であることが検知され、この通信圏外の状態が継続している間は、圏外カウンタの値が変更(加算)される。
【0037】
図5において、携帯電話端末100の電源が入れられてから経過時間がjに達するまでは、受信レベルはレベル3〜レベル1の範囲内であり、通信圏外ではないので、圏外カウンタは“0”のまま維持されている。そして、経過時間がjとなったときに、受信レベルは通信圏外となるので、圏外カウンタには、再び“0”が設定される。経過時間がj〜kの間は、受信レベルが通信圏外である状態が維持されるので、圏外カウンタの値は、例えば1秒毎に“1”ずつ加算される。経過時間がk〜lの間は、受信レベルが通信圏外ではないので圏外カウンタの値は維持される。上記の経過時間がj〜kの間と同様に、経過時間がl〜m,n〜o,p〜qの間は、受信レベルが通信圏外となるので圏外カウンタの値は1秒毎に“1”ずつ加算される。また、上記の経過時間がk〜lの間と同様に、経過時間がm〜n,o〜pの間、または経過時間がq以降では、受信レベルが通信圏外ではないので圏外カウンタの値は維持される。このように、受信レベルが通信圏外となった際に、圏外カウンタの値は、1秒毎に“1”ずつ加算され、徐々に増加する。圏外カウンタの規定値としては、例えば“10分”が設定されており、この圏外カウンタの値は、所定時間以上(例えば10分以上)通信圏外の状態が継続された後に規定値に達する。そして、安定カウンタの値が規定値に達し、且つ圏外カウンタの値が規定値に達したときに、制御回路107により各部の動作が制御され、センター30に対する電子メールの着信確認動作(電子メールの有無の問い合わせ)が実行される。また、圏外カウンタの値が規定値に達した後には、この圏外カウンタの値はクリアされる(値として“0”が設定される)。
【0038】
図6は、第2の実施の形態の携帯電話端末100により電子メールの確認を行う際の処理の流れを説明するフローチャートである。
まず、制御回路107のRAMに設けられた安定カウンタの値として“0”が設定され、これと共に圏外カウンタの値として“0”が設定される(ステップ601)。制御回路107のCPUでは、キー入力部108に対して電源ONの操作が行われたか否かの判断が行われる(ステップ602)。ステップ602において、電源ONの操作が行われていないと判断された場合には、安定カウンタが“0”、且つ圏外カウンタが“0”の状態において電源ONされるまで待機する。ステップ602において、電源ONの操作が行われたと判断されると、制御回路107のCPUにおいて、アンテナ101、受信部102を介して受信される電波の状態(受信レベル)が通信圏外であるか否かの判断が行われる(ステップ603)。ステップ603において通信圏外であると判断された場合には、制御回路107のCPUによりRAMに保持された安定カウンタの値として再び“0”が設定され、圏外カウンタが、例えば、1秒毎に1ずつ加算させる(ステップ604)。そして、キー入力部108に対して電源OFFの操作が行われたか否かの判断が行われる(ステップ614)。つまり、ステップ603、ステップ604、およびステップ614の処理は、圏外カウンタに“1”を加算する時間に応じて、例えば上記の例の場合には、1秒毎に繰り返し行われる。
【0039】
ステップ614において電源OFFの操作が行われていないと判断された場合には、ステップ603以降の処理が行われる。また、ステップ614において電源OFF操作が行われたと判断されると、制御回路107のCPUにより安定カウンタおよび圏外カウンタの値として再び“0”が設定され(ステップ615)、その後、携帯電話端末100は、電源OFFの状態となる(ステップ616)。
【0040】
ステップ603において、通信圏外ではない、つまり通信圏内であると判断された場合には、この電波の受信レベル(信号の強度)が所定の閾値以上であるか否かの判断が行われる(ステップ605)。ステップ605において、この受信レベルが閾値以上ではないと判断された場合には、ステップ614以降の処理が行われる。ステップ605において受信レベルが閾値以上であると判断されると、制御回路107のCPUにより、RAMに保持された安定カウンタの値が、例えば、1秒毎に“1”ずつ加算される(ステップ606)。そして、この安定カウンタの値が規定値に達したか否かの判断が行われる(ステップ607)。ステップ607において、安定カウンタの値が規定値に達していないと判断された場合には、ステップ614以降の処理が行われる。
【0041】
ステップ607において、安定カウンタの値が規定値に達したと判断された場合には、さらに、圏外カウンタの値が規定値に達したか否かの判断が行われる(ステップ608)。ステップ608において、圏外カウンタの値が規定値に達していないと判断された場合には、ステップ614以降の処理が行われる。また、ステップ608において、圏外カウンタの値が規定値に達したと判断された場合には、制御回路107のCPUにより、圏外カウンタの値として再び“0”が設定される(ステップ609)。そして、第1の実施の形態に示したステップ408〜ステップ411に対応するステップ610〜ステップ613の処理が行われる。ステップ611において、センター30に保持された電子メールがないと判断された場合には、ステップ614以降の処理が行われる。
【0042】
尚、ステップ611にてセンター30に保持された電子メールがないと判断された場合、およびステップ613において電子メールの受信が通知された後には、受信レベルが通信圏内から通信圏外に変わったか否かを判断する処理が行われる。そして、通信圏外に切り替わった場合には、安定カウンタおよび圏外カウンタの値として“0”が設定され、ステップ614以降の処理が行われる。
【0043】
そして、電源OFFの操作が行われたか否かが判断され(ステップ614)、電源OFFの操作が行われていないと判断された場合には、ステップ603〜ステップ614の処理を繰り返し、電源OFFの操作が行われたと判断された場合には、安定カウンタおよび圏外カウンタに“0”が設定され(ステップ615)、電源OFFの状態となる(ステップ616)。
【0044】
以上のように、第2の実施の形態に示した携帯電話端末100には、安定カウンタに加えて、さらに圏外カウンタが設けられており、これら安定カウンタおよび圏外カウンタが規定値となった際に、センター30に保持された電子メールの問い合わせを行っている。携帯電話端末100をこのような機能を備えた構成とすることにより、通信圏外および通信圏内が切り替わる度に頻繁に確認動作が行われるのを抑制することができ、電子メールの問い合わせによる課金の積算、およびネットワークシステムにおけるトラフィックの増加を抑制することができる。
【0045】
[第3の実施の形態]
また、上記の第1、第2の実施の形態に示したのと同様の構成を有する携帯電話端末100を用いて、以下のような機能を実現することも可能である。
携帯電話端末100において、1日の内で頻繁に電子メールを受信するユーザと、あまり電子メールを受信することのないユーザとでは、前回受信した電子メールと新たに受信した電子メールとの受信間隔は異なる。第2の実施の形態では、安定カウンタおよび圏外カウンタの値が規定値に達した際に、電子メールの問い合わせを行う態様について示した。この圏外カウンタの規定値は、出荷時に予め設定された、またはユーザにより設定されたものであるが、上記のように、ユーザによって電子メールの受信間隔が異なるので、個別に適応させることが好ましい。そこで、本発明の発明者は、携帯電話端末100において、個々のユーザの使用態様に適合した圏外カウンタの規定値を設けることにより、より効率的な電子メールの問い合わせを行う態様について検討した。
【0046】
第3の実施の形態における携帯電話端末100では、制御回路107内のRAMに、上述した安定カウンタと共に、ファームウェアプログラムによって書き替え可能な圏外カウンタが設けられている。また、制御回路107のCPUの動作を制御するファームウェアプログラムでは、この圏外カウンタの規定値を動的に書き替えることが可能である。ここで、携帯電話端末100にて受信された受信メールは、記憶部109に記憶される。制御回路107のCPUは、この記憶部109に記憶された受信メールの送信時間から、電子メールが受信された受信間隔を検知することができる。例えば、携帯電話端末100の電波状態が通信圏外であった等の理由により、一度に複数の電子メールを受信した場合でも、制御回路107のCPUは、1つずつの電子メールについての送信時間から、上記の受信間隔を検知することができる。記憶部109に記憶された受信メールの数が増加すれば、個々のユーザ毎のより平均的な電子メールの受信間隔を求めることができる。そして、この受信間隔に基づいて、圏外カウンタの規定値を定めることができる。例えば、制御回路107のCPUが、検知された上記の受信間隔の半分の時間を圏外カウンタの規定値として求め、この規定値を設定することにより、平均メール受信間隔よりも短い間隔にて問い合わせを行う。
【0047】
図7は、第3の実施の形態の携帯電話端末100により圏外カウンタの規定値を求める際の処理の流れを説明するフローチャートである。
以下、図7に示すフローチャートでは、例えば、30日を1つの期間(ターム)として区切り、それぞれの期間毎に圏外カウンタ規定値を求める場合について例示する。このような場合には、例えば、1つ前の期間において求められた圏外カウンタ規定値を現在の期間において採用し、現在の期間において求められた圏外カウンタ規定値を次の期間において採用することができる。携帯電話端末100の使用を開始してから現在に至るまで(使用開始から30日以内)の圏外カウンタ規定値を求める場合には、使用開始から初めて受信された受信メールの送信時刻を基点時刻とし、所定の期間(使用開始から30日以降)における圏外カウンタ規定値を求める場合には、前の期間において最後に受信された電子メールの送信時刻を基点時刻とすることができる。
【0048】
まず、制御回路107のCPUは、携帯電話端末100において受信された受信メールの(送信者による)送信時刻を基点時刻として制御回路107内のRAMまたは記憶部109に記憶する(ステップ701)。ステップ701において、新たな期間が開始された場合には、過去の受信メール本数(前の期間において受信された電子メールの本数)、および上記の基点時刻と最後に受信された電子メールの送信時刻との差(以下、この時刻差を総時間と称する)はクリア(値として“0”が設定)される。そしてCPUでは、新たな電子メールが受信されたか否かの判断が行われ(ステップ702)、このステップ702において新たな電子メールの受信が検知されるまで待機する。携帯電話端末100の使用が開始された期間内であれば、ステップ702において新たな電子メールが受信される度にステップ703以降の処理が行われ、圏外カウンタ規定値が更新される。また、所定の期間においては、前の期間において求められた圏外カウンタ規定値が採用され、ステップ703以降の処理では、次の期間において採用される圏外カウンタ規定値が求められる。
【0049】
ステップ702において新たな電子メールが受信されたと判断されると、制御回路107のCPUにより、記憶部109に記憶された過去(所定期間内)の受信メール本数に今回新たに受信した受信メールの本数が加算され、これにより受信メール本数が求められる(ステップ703)。また、今回新たに受信した受信メールのうち、最新の電子メールの送信時刻から基点時刻が減算され、これにより総時間が求められる(ステップ704)。ここで、ステップ704で求められた総時間をステップ703で求められた受信メール本数で除算することにより、平均メール受信間隔が求められる(ステップ705)。そして、このステップ705にて求められた平均メール受信間隔を、例えば、“2”で除算することにより、圏外カウンタ規定値が求められる(ステップ706)。そして、制御回路107のCPUにより、ステップ706にて求められた圏外カウンタ規定値は、RAMに保持された圏外カウンタの規定値として設定される。
【0050】
以上、第3の実施の形態では、総時間を電子メールの本数で除算することにより平均メール受信間隔を求める場合について例示したが、所定期間内に受信された1つずつの電子メールの受信間隔を加算し、加算された受信間隔時間を電子メールの数で除算することにより、平均メール受信間隔を求めるようにしても構わない。
【0051】
このように、第3の実施の形態では、出荷時の初期値やユーザの釦操作などに依存することなく、携帯電話端末100自身が自動的に圏外カウンタの規定値の設定を行うことができる。また、平均メール受信間隔時間が常に変化するので、ユーザの生活パターンに変化があった場合にも、圏外カウンタの規定値を動的に追従することができる。例えば、電子メールを利用していなかったユーザが、急に電子メールの受信頻度が増加した場合であっても、圏外カウンタの規定値を自動的に追従させ、妥当な頻度での問い合わせを行うことが可能となる。さらに、上記のように、圏外カウンタの規定値を採用する期間を定めることにより、最大でも1ヶ月の遅れでユーザ毎の生活パターンに適合可能になる。これにより、圏外カウンタの規定値の再設定の煩わしさや、再設定のし忘れを防止することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、センターに保持された電子メールを自動的に且つ効率的に受信することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通信サービスを実現するシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】携帯電話端末の機能構成を示すブロック図である。
【図3】携帯電話端末において受信される電波の受信レベルと安定カウンタの値との相関関係を示す図である。
【図4】第1の実施の形態の携帯電話端末により電子メールの確認を行う際の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図5】携帯電話端末において受信される電波の受信レベルと圏外カウンタの値との相関関係を示す図である。
【図6】第2の実施の形態の携帯電話端末により電子メールの確認を行う際の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図7】第3の実施の形態の携帯電話端末により圏外カウンタの規定値を求める際の処理の流れを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10…携帯電話端末、20…携帯電話基地局、30…センター、100…携帯電話端末、104…モデム、105…音声出力部、106…音声入力部、107…制御回路、108…キー入力部、109…記憶部、110…表示部駆動回路、111…表示部、112…発音部駆動回路、113…発音部、114…振動ユニット駆動回路、115…振動ユニット
Claims (11)
- 電子メールを送受信可能な無線携帯型端末であって、
電子メールを受信できる状態か否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により電子メールを受信できない状態から受信できる状態に移行した際、センターに対して電子メールの有無を確認する確認手段と
を備えたことを特徴とする無線携帯型端末。 - 前記判断手段は、電波の状態を検知して電波の受信レベルを把握することにより電子メールを受信できる状態か否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の無線携帯型端末。
- 前記確認手段は、電波の受信レベルが所定のレベル以上である状態が所定時間以上維持された場合に電子メールの有無を確認することを特徴とする請求項1に記載の無線携帯型端末。
- 前記確認手段は、電子メールを受信できない状態が所定時間以上維持された場合に、電子メールを受信できる状態になるまでは電子メールの有無の確認を行わないことを特徴とする請求項1に記載の無線携帯型端末。
- 電子メールを受信する受信部と、
前記受信部による電子メールの受信動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記受信部により受信可能な電波の受信レベルを検知すると共に、当該受信レベルが所定のレベル以上に維持された時間に基づいて電子メールの受信動作を制御することを特徴とする無線携帯型端末。 - 前記制御部は、前記所定のレベル以上の時間を安定カウンタにて計数し、当該安定カウンタの値が規定値に達した際に前記受信動作を行うことを特徴とする請求項5に記載の無線携帯型端末。
- 前記安定カウンタは、電波の受信ができない通信圏外の状態にてその値をクリアすることを特徴とする請求項6に記載の無線携帯型端末。
- 前記制御部は、電波の受信ができない通信圏外の状態が維持された時間を圏外カウンタにて計数し、当該圏外カウンタの値が規定値に達した後、電波の受信ができる通信圏内の状態となった際に受信動作を行うことを特徴とする請求項5に記載の無線携帯型端末。
- 電子メールの有無を自動的に確認する無線携帯型端末の制御方法であって、
前記無線携帯型端末における電波状態を受信レベルとして検知し、
前記受信レベルが所定のレベル以上に維持された時間をカウントし、
前記カウントした値が規定値に達した場合には、前記電子メールの有無を確認する動作を行うことを特徴とする無線携帯型端末の制御方法。 - 電波を受信することができない時間をカウントし、
前記カウントした時間が規定値に達するまでは、電子メールの確認動作を抑制することを特徴とする請求項9に記載の無線携帯型端末の制御方法。 - 所定期間内に受信された電子メールの受信間隔に基づいて前記規定値を変更することを特徴とする請求項10に記載の無線携帯型端末の制御方法。
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