JP2004153166A - プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラズマ処理装置は、ウェハWが収容されるチャンバ3と、プラズマを形成用のガスをチャンバ内に供給するガス供給部30と、上面にウェハを支持するサセプタ5と、サセプタに対向して配置されたシャワーヘッド部40と、プラズマを形成する高周波電源部60と、サセプタからウェハを脱着させる際にウェハを支承するとともにサセプタの上面の法線方向とウェハの被処理面の法線方向とが略平行となるように、ウェハをサセプタに対して上下動させるリフト機構90とを有している。リフト機構はサセプタを貫通して伸びる上下動可能な少なくとも1本のリフトピン91を有している。サセプタの上面とウェハとの間に、2.54mm以下の厚さtを有するスペーサSが少なくとも1つ配置されている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置に関し、特に半導体ウェハ等の被処理基体をプラズマ処理する際に用いるプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
チャンバ内に石英ウェハやシリコンウエハ等の被処理基体を収容し、次いでチャンバ内にプラズマを発生させ、このプラズマにより被処理基体を処理するプラズマ処理の機構を有する半導体製造装置等のプラズマ処理装置には、ウェハを1枚ずつ処理する枚葉式と称される方式のものがある。この方式のプラズマ処理装置においては、通常、ウェハを1枚だけ水平に支持する支持部を有するウェハ支持装置が処理チャンバ内に設けられている。
【0003】
一般的なウェハ支持装置は、ウェハが載置される支持部(いわゆるサセプタ)から基本的に構成されている。また、ウェハ支持装置には、ウェハを支持部に対して上下動させるためのリフト機構が設けられている。
【0004】
従来一般のリフト機構は、支持部を貫通して延びる複数本のリフトピンを有しており、これらのリフトピンの上端にウェハを載せ、リフトピンを上下動させることで、ウェハを昇降させることができるようになっている。このようなリフト機構により、搬送ロボットのブレードに載せて運ばれてきたウェハを支持部上に移載したり、或いはその逆に、ウェハを支持部から搬送ロボットに受け渡したりすることが可能となる。
【0005】
上記のプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置においては、支持部の上面にウェハを支持している時には、リフトピンを支持部内部に収容しておきその上端が支持部の上面から突出しないようにしておく。また、支持部からウェハを脱着させる時には、リフトピンを上昇させてその上端をウェハの裏面(被処理面とは反対側のウェハの面)に接触させて、ウェハを支持部から持ち上げる。このようなプラズマ処理方法を採用したプラズマ処理装置としては、例えば、下記特許文献1に記載された装置が知られている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−227859号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の装置をはじめとする従来のプラズマ処理装置及びこれに採用されているプラズマ処理方法においては、プラズマ処理後に得られる被処理基体を観察すると、その被処理面のリフトピンの真上にあたる部分にリフトピンの断面形状と同様の形状を有する色斑が生じてしまうという問題があった。
【0008】
即ち、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法等のプラズマを利用する成膜方法により被処理基体の被処理面上に所定の化学組成を有する膜を形成する場合、上記の被処理面のリフトピンの真上にあたる部分に形成される膜の厚さが他の部分に形成される膜厚と異なってしまい、リフトピンの真上にあたる部分が色斑として残るため、被処理面の全面にわたって均一な膜厚を有する膜を形成することができなかった。
【0009】
そして、このような問題は被処理基体として石英ウエハを用い、セラミック製のリフトピンを用いたときにより顕著に生じていた。
【0010】
そこで、本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、被処理基体の被処理面における色斑の発生を充分かつ容易に防止することのできるプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、プラズマ処理中のチャンバ内の内圧と、支持部の被処理基体が配置されている側の面と該面に対向する対向電極の面との間の距離とが、被処理基体の被処理面上の色斑の発生にそれぞれ大きく影響していることを見出した。また、プラズマ処理中において、支持部と被処理基体との間に所定のスペースを設けることにより被処理基体の被処理面における色斑の発生を抑制することが可能となることことを見出し、本発明に到達した。
【0012】
すなわち、本発明は、被処理基体を支持する支持部と、該支持部に対向して配置される対向電極と、支持部を貫通して伸びる上下動可能な少なくとも1本のリフトピンを備えており被処理基体を支持部に対して上下動させるためのリフト機構とを有するチャンバを使用し、チャンバ内にプラズマを発生させ、被処理基体を該プラズマにより処理するプラズマ処理方法であって、チャンバ内に被処理基体を収容し、支持部上に該被処理基体を配置する基体配置工程と、チャンバ内に所定のガスを供給し、高周波電力を印加してチャンバ内にプラズマを形成し、該プラズマにより被処理基体を処理するプラズマ処理工程と、を有しており、プラズマ処理工程におけるチャンバ内の内圧X[Pa]を下記式(1)で表される条件を満たすように調節することを特徴とするプラズマ処理方法を提供する。
1093<X ・・・(1)
【0013】
チャンバ内の内圧Xを上記の式(1)で表される条件を満たすように調節することにより、プラズマ処理後の被処理基体の被処理面における色斑の発生を充分に防止することができる。また、チャンバ内の内圧Xを上記のように調節することは、既存のプラズマ処理装置の作動条件のみ調節すればよく、その基本構成を変更することなく容易に行うことができる。そのため、本発明によれば、プラズマ処理後の被処理基体の被処理面における色斑の発生の防止を容易かつ低コストで行うことができる。
【0014】
チャンバ内の内圧Xを上記の式(1)で表される条件を満たすように調節することにより被処理基体の被処理面における色斑の発生を充分に防止することができることのメカニズムは明確には解明されていないが、本発明者らは、以下のように推察している。すなわち、一般にTEOSの反応は、ウェハの表面での反応が主であると考えられている。圧力が高くなることでヒータからウェハへの熱伝導はよくなり、ウェハ表面に到達したTEOSの中間生成体の反応にその熱がより大きく寄与すると考えられる。そして、プラズマの効果(斑点)が相対的に小さくなるものと考えている。
【0015】
ここで、チャンバ内の内圧Xが1093Pa以下となると、斑点(色斑)の発生を防止する効果が得られないことを実際の実験の結果により本発明者らは確認した。以上の観点から、チャンバ内の内圧Xは、1426Pa以上であることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、被処理基体を支持する支持部と、該支持部に対向して配置される対向電極と、支持部を貫通して伸びる上下動可能な少なくとも1本のリフトピンを備えており被処理基体を支持部に対して上下動させるためのリフト機構とを有するチャンバを使用し、チャンバ内にプラズマを発生させ、被処理基体を該プラズマにより処理するプラズマ処理方法であって、チャンバ内に被処理基体を収容し、支持部上に該被処理基体を配置する基体配置工程と、チャンバ内に所定のガスを供給し、高周波電力を印加してチャンバ内にプラズマを形成し、該プラズマにより被処理基体を処理するプラズマ処理工程と、を有しており、支持部の被処理基体が配置されている側の面と該面に対向する対向電極の面との間の距離Y[mm]を、下記式(4)で表される条件を満たすように調節することを特徴とするプラズマ処理方法を提供する。
5.08≧Y ・・・(4)
【0017】
支持部の被処理基体が配置されている側の面と該面に対向する対向電極の面との間の距離Y(以下、「支持部と対向電極との間のスペーシングY」という)を上記の式(4)で表される条件を満たすように調節することにより、プラズマ処理後の被処理基体の被処理面における色斑の発生を充分に防止することができる。また、支持部と対向電極との間のスペーシングYを上記のように調節することは、既存のプラズマ処理装置の基本構成を変更することなく容易に行うことができる。そのため、本発明によれば、プラズマ処理後の被処理基体の被処理面における色斑の発生の防止を容易かつ低コストで行うことができる。
【0018】
支持部と対向電極との間のスペーシングYを上記の式(4)で表される条件を満たすように調節することにより被処理基体の被処理面における色斑の発生を充分に防止することができることのメカニズムは明確には解明されていないが、本発明者らは、以下のように推察している。すなわち、より小さな電極間距離で、プラズマによる材料ガスの反応が行われる場合、指向性を持たない材料ガス(TEOS)の中間生成体がウェハ表面に到達する割合が大きくなると考えられ、結果としてウェハ表面での熱反応性がより大きくなると考えている。
【0019】
ここで、支持部と対向電極との間のスペーシングYが5.08mmを超えると、主として上述の推察しているメカニズムより、斑点(色斑)の発生を防止する効果が得られないことを実際の実験の結果により本発明者らは確認した。
また、上記のスペーシングYが過度に小さすぎると、アーキング(アーク放電)を起す傾向又はウェハと電極が接触してしまう傾向が大きくなることから、スペーシングYは2.54mm以上であることが好ましい。
【0020】
更に、本発明は、被処理基体を支持する支持部と、該支持部に対向して配置される対向電極と、支持部を貫通して伸びる上下動可能な少なくとも1本のリフトピンを備えており被処理基体を支持部に対して上下動させるためのリフト機構とを有するチャンバを使用し、チャンバ内にプラズマを発生させ、被処理基体を該プラズマにより処理するプラズマ処理方法であって、チャンバ内に被処理基体を収容し、支持部上に該被処理基体を配置する基体配置工程と、チャンバ内に所定のガスを供給し、高周波電力を印加してチャンバ内にプラズマを形成し、該プラズマにより被処理基体を処理するプラズマ処理工程と、を有しており、プラズマ処理工程において、スペース形成手段を用いることにより、支持部と被処理基体との間に下記式(5)で表される条件を満たすように所定のスペースを設けることを特徴とするプラズマ処理方法を提供する。
2.54>d ・・・(5)
【0021】
ただし、式(5)中、dは支持部の上面と該上面に対向する被処理基体の面との間の距離[mm]を示す。
【0022】
支持部の上面と該上面に対向する被処理基体の面との間の距離d(以下、「支持部と被処理基体との間の距離d」という)を上記の式(5)で表される条件を満たすように調節することにより、プラズマ処理後の被処理基体の被処理面における色斑の発生を充分に防止することができる。また、支持部と被処理基体との間の距離dを上記のように調節することは、既存のプラズマ処理装置の基本構成を変更することなく容易に行うことができる。そのため、本発明によれば、プラズマ処理後の被処理基体の被処理面における色斑の発生の防止を容易かつ低コストで行うことができる。
【0023】
支持部と被処理基体との間の距離dを上記の式(5)で表される条件を満たすように調節することにより被処理基体の被処理面における色斑の発生を充分に防止することができることのメカニズムは明確には解明されていないが、本発明者らは、以下のように推察している。すなわち、ウェハとヒータとの距離を大きくすることで、ヒータのグランドラインからの距離も大きくすることができる。そして、これによりグランドラインより影響を受けていたプラズマの効果も小さくなると考えている。
【0024】
ここで、支持部と被処理基体との間の距離dが2.54mm以上となると、上述の効果が得られなくなる。これはヒータからウェハへの熱の伝わりが不充分になるからであると考えられる。
【0025】
また、本発明は、被処理面を有する被処理基体をプラズマによって処理するプラズマ処理装置であって、被処理基体が収容されるチャンバと、プラズマを形成するための所定のガスをチャンバ内に供給するガス供給部と、チャンバ内に設置され、上面側の基板保持エリア内に被処理基体を支持する支持部と、チャンバ内に設置され、支持部に対向して配置された対向電極と、所定の周波数を有する高周波電力を出力可能であり、チャンバ内にプラズマを形成する高周波電源部と、支持部に対して被処理基体を脱着させる際に、被処理基体を支承するとともに、支持部の上面の法線方向と該支持部に支持される被処理基体の被処理面の法線方向とが略平行となるように、被処理基体を支持部に対して上下動させるリフト機構と、を有しており、リフト機構は、支持部を貫通して伸びる上下動可能な少なくとも1本のリフトピンを有しており、支持部の上面と該支持部に支持される被処理基体との間に、下記式(6)で表される条件を満たす厚さt[mm]を有するスペーサが少なくとも1つ配置されていること、を有することを特徴とするプラズマ処理装置を提供する。
2.54>t ・・・(6)
【0026】
支持部の上面と該支持部に支持される被処理基体との間に式(6)で表される条件を満たす厚さt[mm]を有するスペーサを少なくとも1つ配置することにより、プラズマ処理後の被処理基体の被処理面における色斑の発生を充分に防止することができる。また、支持部の上面と該支持部に支持される被処理基体との間にスペーサを少なくとも1つ配置することは、既存のプラズマ処理装置の基本構成を変更することなく容易に行うことができるので、本発明によれば、プラズマ処理後の被処理基体の被処理面における色斑の発生の防止を容易かつ低コストで行うことができる。
【0027】
本発明者らは、上述した支持部と被処理基体との間の距離dを上述した式(5)で表される条件を満たすように調節する場合と同様のメカニズムにより、式(6)で表される条件を満たす厚さt[mm]を有するスペーサを少なくとも1つ配置することにより被処理基体の被処理面における色斑の発生を充分に防止することができると考えている。
【0028】
ここで、スペーサの厚さt[mm]が2.54mm以上となると、上述の効果が得られなくなる。これはヒータからウェハへの熱の伝わりが不充分になるからであると考えられる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図6を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、全図中、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。また、図面の寸法比率は、図示の比率に限られるものではない。
【0030】
図1は、本発明のプラズマ処理装置の好適な一実施形態の基本構成の一例を模式的に示す水平断面図である。また、図2は、図1に示すプラズマ処理装置1を構成するツインチャンバ3の基本構成の一例を模式的に示す断面図であり、断面図の部分は図1におけるII−II線断面を示すものである。更に、図3は、図2におけるツインチャンバ3のサセプタ5の部位を示す拡大断面図である。また、図4は、図3に示すサセプタ5の上面をシャワーヘッド部40の側から見た場合の正面図である。
【0031】
図1及び図2に示すプラズマ処理装置1は、主として、石英ウェハW(被処理基体)が2枚同時に収容されるツインチャンバ3と、プラズマを形成するための所定のガスをツインチャンバ3内に供給するガス供給部30と、2枚の石英ウェハW毎にツインチャンバ3内に設置され、その上面側の基板保持エリア内に石英ウェハWを支持するサセプタ(支持部)5と、ツインチャンバ3内に設置され、サセプタ5に対向して配置されたシャワーヘッド部(対向電極)40と、所定の周波数を有する高周波電力を出力可能であり、ツインチャンバ3内にプラズマを形成する高周波電源部60と、サセプタ5に対して石英ウェハWを脱着させる際に、石英ウェハWを支承するとともに、サセプタ5の上面の法線方向と該サセプタ5に支持される石英ウェハWの被処理面の法線方向とが略平行となるように、石英ウェハWをサセプタ5に対して上下動させるリフト機構90とから構成されている。
【0032】
以下、このプラズマ処理装置1の構成について更に詳細に説明する。図1に示すように、プラズマ処理装置1は、断面が略方形状を成すメインフレームを有するトランスファーチャンバ2の三方の側壁に、石英ウェハW(被処理基体)が二枚同時に収容されるツインチャンバ3が結合され、残る一方の側壁に、ロードロックチャンバ6a,6bが内部に設けられたロードロック部6が結合されたものである。トランスファーチャンバ2内には、伸縮可能な二つのアーム部21を有するウェハ搬送ロボット23が設置されており、それらのアーム部21の先端部に石英ウェハWが載置されて保持されるようになっている。
【0033】
そして、図2に示すように、各ツインチャンバ3は、石英ウェハWが載置されるサセプタ(支持部)5を2基づつ有している。このツインチャンバ3は、チャンバ筐体11にチャンバ4が2基並設されたものである。各チャンバ4は、石英ウェハWが載置される上述のサセプタ5をそれぞれ有しており、各サセプタ5の上方には、各サセプタ5に対向して配置された中空の円盤状を成すシャワーヘッド部40がそれぞれ設けられている。なお、シャワーヘッド部40は、対向電極としての機能を兼ねる。
【0034】
また、サセプタ5は、Oリング、メタルシール等により、チャンバ4に気密に設けられると共に、後述するリフト機構90により上下駆動可能に設けられている。このリフト機構90により、石英ウェハWとシャワーヘッド部40との間隔が調整されるようになっている。さらに、サセプタ5にはヒーター51が内設されており、これにより石英ウェハWが所望の所定温度に加熱される。また、サセプタ5の内面にはモリブデン等の金属製のグランドメッシュが配置されている。このグランドメッシュ52は所定の電位を有するニッケル等の金属製のシャフトに電気的に接続され、これによりによりサセプタ5は所定の電位(ゼロ)へ接地されている。
【0035】
このリフト機構90は、サセプタ5を貫通して伸びる上下動可能な4本のリフトピン91を各チャンバ4毎に有している。そして、図4に示すように、サセプタ5の上面と該サセプタ5に支持される石英ウェハWとの間に、下記式(6)で表される条件を満たす厚さt[mm]を有するスペーサSが3つ配置されている。
2.54>t ・・・(6)
【0036】
これにより、プラズマ処理後の石英ウェハWの被処理面における色斑の発生を充分に防止することができる。また、サセプタ5の上面と該支持部に支持される石英ウェハWとの間にスペーサSを配置することは、既存のプラズマ処理装置の基本構成を変更することなく容易に行うことができるので、プラズマ処理後の石英ウェハWの被処理面における色斑の発生の防止を容易かつ低コストで行うことができる。
【0037】
なお、色斑の発生を充分に防止する観点から、スペーサSの厚さt[mm]は、0.5〜3mmであることがより好ましい。
【0038】
ここで、サセプタ5の上面と該支持部に支持される石英ウェハWとの間にスペーサSを配置することは、先に述べたスペース形成手段としてスペーサSを使用することにより、サセプタ5と石英ウェハWとの間に下記式(5)で表される条件を満たすように所定のスペースを設けることと同義である。下記式(5)中、dはサセプタ5の上面と該上面に対向する石英ウェハWの面との間の距離[mm]を示し、上記のスペーサSの厚さt[mm]に一致する値である。
2.54>d ・・・(5)
【0039】
図2及び図3に示すように、サセプタ5は、炭化シリコンで被覆されたグラファイト材料から成る円柱状の外枠部材と、この外枠部材の中央内部に埋設される円柱状のヒータ51と、ヒータ51の上面の中央部分に配置される円盤状のグランドメッシュ52とから構成されている。なお、このサセプタ5の場合、外枠部材、ヒータ51及びグランドメッシュ52は、それぞれを円柱と仮定したときにそれぞれの中心軸が一致するようにして配置されている。また、サセプタ5は、各チャンバ4の下部に立設された支持シャフト92(例えば、石英ガラス製)により、その裏面側から水平に支持されている。そして、グランドメッシュ52の配置されたこのサセプタ5の上面の中央部分は石英ウェハWを載置して支持する基板保持エリアとなっている。
【0040】
更に、図2及び図3に示すように、サセプタ5には、外枠部材、ヒータ51及びグランドメッシュ52を連通する4つの断面が略円状のピン貫通孔が形成されており、各ピン貫通孔には先に述べた4本のリフトピン91が挿入されている。また、図3及び図4に示すように、ヒータ51の上面のピン貫通孔の外縁部は鍔状に突出しており、この外縁部がこれにあわせて形状と大きさを調節されたグランドメッシュ52のピン貫通孔に嵌め込まれることによりヒータ51にグランドメッシュ52が固定されている。
【0041】
図4に示すように、基板保持エリアの外縁部分には、先に述べた3つのスペーサSがほぼ均等の間隔をあけて配置されている。従って、石英ウェハWをサセプタ5の基板保持エリア内の所定位置に配置する場合、石英ウェハWはその裏面が3つのスペーサSの上面に接した状態で支持される。この支持状態において、石英ウェハWの上面とサセプタ5の上面の基板保持エリアとはほぼ平行となる。これにより、ガス供給口9から導入された処理ガスが層流状態を維持して流れるようになる。なお、各スペーサSは所定の部材によりサセプタ5の上面に固定されている。
【0042】
図2に示すように、リフト機構90は、支持シャフト92の主軸を囲むように配置された上下動可能なリフトチューブ94と、このリフトチューブ94を上下動させる駆動装置95と、リフトチューブ94から放射状に延びる4本のリフトアーム44と、サセプタ5の貫通孔46に挿入され吊支されているリフトピン4とから構成されている。そして、駆動装置95を制御してリフトチューブ94及びリフトアーム44を上昇させると、リフトアーム44の先端部でリフトピン4が押し上げられるようになっている。
【0043】
また、スペーサSは、アーク放電を防止する観点から、半導体材料又は絶縁体材料から形成されていることが好ましい。このような半導体材料としてはケイ素からなる材料が挙げられる。そして、このような半導体材料からなるスペーサSとしては、例えば、シリコンウエハの断片等が挙げられる。また、絶縁体材料としては、例えば、Al2O3等のセラミクス材料が挙げられる。
【0044】
また、リフトピン91はアーク放電を防止する観点から、セラミクス材料から構成されていることが好ましい。セラミクス製のリフトピン91は、リフトピン91とサセプタ5とがそれぞれ異なる導電率を有している場合に使用すると特に有効である。
【0045】
シャワーヘッド部40は、2基のチャンバ4に対して共通に設けられ且つ各チャンバ4に対してガス供給口9が設けられたベースプレートを上壁とする胴部41と、複数の貫通孔が穿設された多孔板状を成すブロッカープレート43及び同フェイスプレート45とを有するものである。胴部41は、ガス供給口9と連通する略円柱状の内部空間を形成する凹部を有しており、この凹部の下端側内周部にフェイスプレート45の周縁部が結合されている。このフェイスプレート45の上方には、ブロッカープレート43がフェイスプレート45と略平行に設置されており、胴部41の上壁とブロッカープレート43との間、及び、ブロッカープレート43とフェイスプレート45との間に、ガス供給口9と連通する空間が画成されている。
【0046】
さらに、各チャンバ4のシャワーヘッド部40には、インピーダンスの整合をとるためのインピーダンス整合器61を介して、サセプタ5と同電位に接地された高周波電源Rが接続されている。高周波電源Rとしては、周波数固定型のものでもよいし、例えば周波数インバータを備える周波数可変型のものでもよい。
【0047】
また、各チャンバ4の下部には、開口部7が設けられており、これらには、各チャンバ4の内部を減圧し、後述するガス供給部30から各ガスの供給流量に応じて各チャンバ4内の圧力を一定の圧力に維持可能な真空ポンプを有する排気系70がバルブ系Vを介して接続されている。
【0048】
このバルブ系としては、例えば、上流側(ツインチャンバ3側)に配置された二枚ブレード式のターボスロットルバルブと、下流側(排気系70側)に配置されたアイソレーションバルブとから構成することができ、さらに、ゲートバルブを付加してもよい。また、排気系70に用いる真空ポンプの種類は特に限定されず、例えば、ドライポンプ付きターボ分子ポンプ等を例示できる。
【0049】
また、ツインチャンバ3には、ガス供給部30が接続されている。このガス供給部30は、例えば、テトラエトキシシラン(Si(OC2H4)4,以下、「TEOS」という)ガス等のシラン系ガスを供給するガス供給源31、例えば、O2等の分子中に酸素原子を含むガスを供給するガス供給源32、例えば、He等のキャリアガス又は希釈ガスを供給するガス供給源33、及び、例えばN2等のパージ用のガスを供給するガス供給源34から構成されている。これらのガス供給源31〜34のそれぞれは、各ガスの供給流量を調節するマスフローコントローラ(以下、MFCという)31a,32a,33a,34aが中途に設けられたガスライン10を介して、各シャワーヘッド部40のガス供給口9に接続されている。
【0050】
そして、各MFC31a,32a,33a,34aには、それぞれ開度を調節して各ガス供給源31〜34からツインチャン30内に供給される各ガス毎の流量を独立に制御するための流量制御装置(図示せず)が接続されている。ここで、このプラズマ処理装置1において、石英ウェハW上にTEOSと酸素を原料とする酸化膜を形成する場合には、流量制御装置により、酸素の流量Z1[sccm]とTEOSの流量Z2[mgm]とを下記式(3)で表される条件を満たすように調節することが好ましい。
0.5≧Z1/Z2 ・・・(3)
【0051】
ここで、Z1/Z2が0.5を超えると、SiO2膜中のカーボンの含有量がおおくなる傾向が大きくなる。また、Z1/Z2は0.8〜1.2であることがより好ましい。これらのガスの供給流量比を適宜調整することにより、石英ウェハ上に形成される酸化膜の屈折率及び消衰係数を任意の値に調節することができる。
【0052】
また、流量制御装置は、各チャンバ4内の内圧X[Pa]を下記式(1)で表される条件を満たすように調節することが好ましい。
1093<X ・・・(1)
【0053】
スペーサSを配置することに加えて各チャンバ4内の内圧Xを上記の条件を満たすように調節することにより、プラズマ処理後の被処理基体の被処理面における色斑の発生をより確実に防止することができる。更に色斑の発生をより確実に防止する観点から、各チャンバ4内の内圧Xは、1426Pa以上であることがより好ましい。また、各チャンバ4内の内圧Xが過度に高すぎると、アーク放電を発生する傾向が大きくなるので、チャンバ内の内圧Xは2000Pa以下に調節することが好ましい。
【0054】
このガス供給部30により、成膜用原料ガスとしてのTEOSガス等のシラン系ガス及び酸素ガス等の分子中に酸素原子を含むガス、Heガス等のキャリアガス又は希釈ガス、並びに、必要に応じてN2ガス等のパージガスが、各チャンバ4のシャワーヘッド部40内に導入され、それぞれのブロッカープレート43及びフェイスプレート45を介して各チャンバ4内に供給される。
【0055】
ここで、本明細書において、シラン系ガスとは、未置換のモノシラン若しくは高次シラン、又は、分子中の少なくとも一つの水素原子が有機官能基若しくは有機未官能基で置換されたモノシラン若しくは高次シラン(有機シラン系ガス)を示す。また、上記の置換基は、特に限定されず、例えば、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシル基(アルコキシ基)、芳香環を有する基(アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基等)等が挙げられる。
【0056】
なお、このようにプラズマ処理により酸化膜を得る場合には、アルコキシル基等の酸素を含む基を有する有機シラン系ガスつまり有機オキシシラン系ガスを用いても構わない。この場合、特に有用な有機オキシシランとしては、TEOSのほかに、エチルトリエトキシシラン等のエトキシシラン類が挙げられる。また、これらのガスは、単独で或いは二種以上混合してシラン系ガスとして用いることができる。
【0057】
また、分子中に酸素原子を含むガスとしては、酸素ガスのほかに、オゾン(O3)ガス、酸化二窒素(N2O)、一酸化窒素(NO)、三酸化二窒素(N2O3)、二酸化窒素(NO2)、五酸化二窒素(N2O5)、及び、三酸化窒素(NO3)のうちの少なくとも一つを含有して成るガス等が挙げられ、工業上の利用性、安定性、取扱性に優れる観点から、酸素ガス、N2Oガスを用いると好適である。
【0058】
また、ガスライン10には、遠隔プラズマ(リモートプラズマ)処理を採用したクリーニング系8が接続されている。このクリーニング系8は、ガスライン10側に配置されたリアクターキャビティ81と、これにMFC82aを介して接続された、例えばNF3ガス等のフッ素原子を含有するガスの供給源82を有している。リアクターキャビティ81には、プラズマを生成するためのマイクロ波ジェネレータ(図示せず)が装備されており、ガス供給源82から供給されたクリーニングガスとしてのNF3ガスが解離して活性種が生じ、条件にもよるが主として中性活性種がチャンバ4内に供給されるようになっている。
【0059】
なお、図示を省略したが、石英ウェハWの表面側のチャンバ4内空間と裏面側のチャンバ4内空間とは、互いにガス封止されるようになっている。つまり、表面側にはガス供給部30からシャワーヘッド部40を通して各ガスが供給され、裏面側には図示しないバックサイドパージ系からパージガスが供給されるようにされており、両ガスが互いに反対面側の空間領域へ流入しないようにされている。
【0060】
次に、上述したプラズマ処理装置1を用いた本発明によるプラズマ処理方法の好適な一実施形態について説明する。
【0061】
先ず、基体配置工程について説明する。排気系70を作動させて各チャンバ4内を所定の圧力に減圧する。また、サセプタ5に内蔵されたヒータ51を作動させてサセプタ5を、例えば、300〜500℃の温度まで加熱する。この減圧下において、ウェハ搬送ロボット23により、ロードロックチャンバ6a,6bに予め保持させておいた石英ウェハWを、トランスファーチャンバ2を介して所定のツインチャンバ3内に設けられたウェハ搬入口(図示せず)からツインチャンバ3内へ搬送する。
【0062】
次いで、例えば、以下のようにして2枚の石英ウェハWをツインチャンバ3内に設けられた2基のチャンバ4内の各サセプタ5上に載置して収容する。即ち、石英ウェハWをウェハ搬送ロボットから各リフトピン91の上面に移載し、次いで駆動装置95により各リフトピン91を下降させて所望の温度に加熱されたサセプタ5上に石英ウェハWを置く。その後、図示しない駆動手段によりサセプタ5を図1に示すようなプロセス位置まで上昇させる。
【0063】
このとき、サセプタ5に石英ウェハWを支持させる場合、まず、搬送ロボットを操作し、搬送ロボットのアーム部21に載置された石英ウェハWをサセプタ5の基板保持エリアの直上位置に配置する。次いで、リフト機構90の駆動装置95を制御して各リフトピン4を上昇させる。各リフトピン4がサセプタ5の上面に配置された各スペーサSの上面よりも高い位置まで上昇すると、石英ウェハWはアーム部21から各リフトピン4に載り移り、4点で石英ウェハWは支持される。このとき各リフトピン4の上面は、石英ウェハWの外周下縁において接触した状態となる。
【0064】
石英ウェハWが各リフトピン4により支持されたならば、搬送ロボットのアーム部21をサセプタ5の上方から各チャンバ4の外部に移動させ、各リフトピン4を下降させる。各リフトピン4がサセプタ5内に完全に下降されると、図2及び図3に示すように、石英ウェハWは各リフトピン4のかわりに各スペーサSにて支持されることになる。このようにして基体配置工程が終了する。
【0065】
そして、この後、上述したプラズマ処理による酸化膜プロセスが実行されることになる。なお、前述したように、石英ウェハWの上面、及び、サセプタ5の上面は略平行となるので、石英ウェハW上を流れる処理ガスは層流状態を維持する。
【0066】
次に、プラズマ処理工程について説明する。先ず、排気系70を作動させると共にHeガスをガス供給源33からガスライン10を通して両チャンバ4内へ供給する。そして、これと同時にそれぞれのチャンバ4の内圧が所定の圧力となるように圧力調整を行う。各チャンバ4内圧が安定した後、TEOSガス、酸素ガス、及びHeガスを、それぞれのガス供給源31〜33からガスライン10を通して各シャワーヘッド部40へ供給する。このとき、各チャンバ4の内圧は好ましくは先に述べた式(1)の条件を満たすように調節する。より好ましくは1093〜2000Paとなるように調整する。
【0067】
また、このときの各ガスの供給流量は、最終的に形成すべき酸化膜の性状、チャンバ4の容積等によって異なり、適宜設定することができるが、先に述べた式(3)で表される条件を満たすように調節することが好ましい。
【0068】
このとき、プラズマ処理後の石英ウェハの被処理面における色斑の発生をより確実に防止する観点から、図1に示したプラズマ処理装置1のようにスペーサSを配置する場合であっても、図3に示すように、サセプタ(支持部)5の石英ウェハWが配置されている側の面と該面に対向するシャワーヘッド部(対向電極)40の面との間の距離Y[mm](以下、「サセプタ5とシャワーヘッド部40との間のスペーシングY」という)を下記式(2)で表される条件を満たすように調節してもよい。
6.35>Y ・・・(2)
【0069】
ここで、サセプタ5とシャワーヘッド部40との間のスペーシングYが6.35mmを超えると、RF出力の効果が小さくなり材料ガスの解離が十分におこらない。また、プラズマ処理後の被処理基体の被処理面における色斑の発生をより確実に防止する観点から、上記のスペーシングYは、5.84mm以下であることがより好ましく、5.08mm以下であることが更に好ましい。また、上記のスペーシングYが過度に小さすぎると、ウェハと電極(シャワーヘッド)が接触してしまう傾向又はアーク放電の原因となる傾向が大きくなる。
【0070】
このようにしてガス供給口9から各シャワーヘッド部40の内空間へ導入された各ガスは、ブロッカープレート43により分散されて十分に混合され、複数の貫通孔を通してブロッカープレート43とフェイスプレート45との間の空間へ流出する。この混合ガスは、フェイスプレート45の複数の貫通孔を通してシャワーヘッド部40の下方に流出し、サセプタ5上に載置された石英ウェハW上に供給される。また、この時にプロセスガスがサセプタ5の下側に入り込まないように、例えば、希釈ガスとしてN2ガスをサセプタ5の下側よりシャワーヘッド10とサセプタ5との間に導入する。
【0071】
一方、これらのガスを各チャンバ4内へ供給すると共に、サセプタ5のヒーター51に電力を供給し、サセプタ5を介して石英ウェハWが所定温度となるように加熱する。この場合、石英ウェハWの温度を、好ましくは100℃以上、より好ましくは350〜500℃の範囲内の温度とする。
【0072】
チャンバ4内の圧力が安定した後、高周波電源Rから高周波電力を出力してシャワーヘッド部40に印加する。これにより、チャンバ4内の石英ウェハW上方の空間にグロー放電によるプラズマを形成する。これにより、石英ウェハW上に達した成膜用原料ガスを反応させる。
【0073】
この際、インピーダンス整合器61により、高周波電源Rよりもプラズマ(厳密にはグロー放電部)側、すなわち負荷となるプラズマのインピーダンスとインピーダンス整合器61のインピーダンスとの合成インピーダンスと、高周波電源Rの出力インピーダンスとの整合をとる。ここで、高周波電力の条件としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の条件が挙げられる。即ち、周波数:13.56MHz、出力:100〜2000W。
【0074】
この出力が100W未満であると、プラズマ処理効率を十分に高めることができない傾向にある。一方、この出力が2000Wを超えると、チャンバ4内でアーキング放電が生じるおそれがある。
【0075】
石英ウェハWの直上方では、種々の素反応からなる化学反応が進行して、反応場の状態に応じた平衡及び律速条件に応じた化学種が生成され、これらの化学種の反応によって種々の中間生成物が形成され、石英ウェハW上に酸化膜(例えば、SiO2などの膜)が堆積形成される。また、このときチャンバ4内に生じる排ガスは、排気系70を介してチャンバ4の外部に排出される。
【0076】
ここで、プラズマ処理工程でのプラズマ処理条件(上述した高周波電力の条件を含む)は、酸化膜の種類、性状、膜厚等に応じて適宜設定することができる。また、このプラズマ処理条件を適宜変化させることにより、酸化膜において所望の屈折率及び消衰係数を発現させることができる。特に、プラズマの形成時間、つまりプラズマ処理工程で石英ウェハWをプラズマ処理する際のプロセスタイム、及び/又は、高周波電力の周波数を調整(調節)することにより、酸化膜の酸化・改質の程度、例えば、酸化・改質される深さ(膜厚)が変化すると想定され、酸化膜の屈折率及び消衰係数を鋭敏に且つ簡便に制御することが可能となる。
【0077】
所定の膜厚の酸化膜が形成されるまで、成膜速度に応じた時間、成膜工程を実施した後、高周波電源Rからシャワーヘッド部40への高周波電力の印加を停止し、各ガスの供給を停止してプラズマ処理工程を終了する。
【0078】
その後、必要に応じて各チャンバ4内に残存するガスをHeガス又はN2ガスでパージする。なお、必要に応じて、上述の操作の後、酸素ガスをガス供給源32からガスライン10を通して各シャワーヘッド部40へ供給し、酸化膜を更に改質してもよい。
【0079】
次いで、酸化膜が形成された石英ウェハWを各チャンバ4から外部へ搬出する。その後し、例えば、石英ウェハWの酸化膜上に、フォトレジスト用のレジスト膜を形成し、次いで、マスクを用いた露光を行い、さらに現像を実施してマスクパターンを石英ウェハW上に転写する等の処理を施す。このとき、石英ウェハWをサセプタ5から持ち上げ、搬送ロボットのアーム部21に移載させる場合は、先に述べた手順とは逆の手順でリフト機構90及び搬送ロボットを操作すればよい。
【0080】
次に、上述したプラズマ処理方法とは別の本発明のプラズマ処理方法の実施形態について説明する。図5は、本発明のプラズマ処理方法の好適な一実施形態を実施することができるプラズマ処理装置の基本構成の一例を模式的に示す断面図である。図6は、図5におけるツインチャンバ3のサセプタ5の部位を示す拡大断面図である。
【0081】
図5に示すプラズマ処理装置2は、石英ウェハWの被処理面上にスペーサSを配置していないこと以外は図1〜図4に示したプラズマ処理装置1と同様の構成を有している。このプラズマ処理装置2を使用するプラズマ処理方法も、以下に示す条件及び手順以外は、図1〜図4に示したプラズマ処理装置1を使用したプラズマ処理方法と同様の条件及び手順に従うものである。
【0082】
即ち、プラズマ処理装置2を使用する場合、プラズマ処理工程においては、プラズマ処理工程における各チャンバ4内の内圧X[Pa]を先に述べた式(1)で表される条件を満たすように調節する。
【0083】
図1〜図4に示したプラズマ処理装置1を使用したプラズマ処理方法のようにスペーサSを配置しない場合であっても、各チャンバ4内の内圧Xを上記の式(1)で表される条件を満たすように調節することにより、プラズマ処理後の被処理基体の被処理面における色斑の発生を充分に防止することができる。なお、この場合にも先に述べたように、プラズマ処理後の被処理基体の被処理面における色斑の発生をより確実に防止する観点から、チャンバ内の内圧Xは、1093〜2000Paであることが好ましい。
【0084】
更に、このようにスペーサSを配置しない場合、図6に示すように、サセプタ(支持部)5とシャワーヘッド部(対向電極)40との間のスペーシングY[mm]を、先に述べた式(2)で表される条件を満たすように調節することが好ましい。
【0085】
更にこのようにスペーサSを配置しない場合においても、先に述べた観点と同様の観点から、上記のスペーシングYは、5.84mm以下であることがより好ましく、5.08mm以下であることが更に好ましい。
【0086】
更に、酸素とTEOSを原料として酸化膜を形成する場合には、流量制御装置により、酸素の流量Z1[sccm]とTEOSの流量Z2[mgm]とを先に述べた式(3)で表される条件を満たすように調節することが好ましい。更に、Z1/Z2は0.8〜1.2であることがより好ましい。
【0087】
次に、図5に示すプラズマ処理装置2を使用するプラズマ処理方法の他の実施形態について説明する。このプラズマ処理方法も、以下に示す条件及び手順以外は、図1〜図4に示したプラズマ処理装置1を使用したプラズマ処理方法と同様の条件及び手順に従うものである。
【0088】
即ち、図6に示すサセプタ(支持部)5とシャワーヘッド部(対向電極)40との間のスペーシングY[mm]を、下記式(4)で表される条件を満たすように調節する。
5.08≧Y ・・・(4)
【0089】
このようにスペーサSを配置せず、各チャンバ4の内圧を特に限定しない場合においても、スペーシングYを上記の式(4)で表される条件を満たすように調節することにより、プラズマ処理後における色斑の発生を充分に防止することができる。。
【0090】
更に、この場合にも、酸素とTEOSを原料として酸化膜を形成する場合には、流量制御装置により、酸素の流量Z1[sccm]とTEOSの流量Z2[mgm]とを先に述べた式(3)で表される条件を満たすように調節することが好ましい。更に、Z1/Z2は0.8〜1.2であることがより好ましい。
【0091】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことはいうまでもない。
【0092】
例えば、以上説明した実施形態においては、被処理基体として石英ウェハを用いた場合のプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置について説明したが、本発明のプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置に用いる被処理基体はこれに限定されない。但し、シリコンよりも導電性の低い材料からなるウェハの場合、プラズマ処理後における色斑の発生の度合いがシリコンウェハよりも大きいので本発明のプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置は、このようなシリコンよりも導電性の低い材料からなるウェハに適用することが好ましい。
【0093】
以上説明した実施形態においては、石英ウェハ上に酸化膜を形成する場合のプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置について説明したが、本発明のプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置におけるプラズマ処理はプラズマを利用する処理であれば特に限定されるものではない。本発明は、例えば、プラズマエッチング、スパッタエッチング、反応性イオンエッチングなどのプラズマを利用するエッチング処理を行うプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置にも適用できる。
【0094】
更に、以上説明した実施形態においては、石英ウェハ上に酸化膜を形成する場合のプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置について説明したが、本発明のプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置はこれに限定されず、石英ウェハ上に形成する膜はプラズマ処理により形成できる膜であれば特に限定されない。例えば、SiN膜等の酸素原子を含まない膜であってもよい。
【0095】
例えば、酸素原子を含まない膜を形成する場合には、分子中に酸素原子を含まないシラン系ガスが有用であり、工業上の利用性及び取扱性に優れる観点から、モノシラン(SiH4)ガス及びジシランガスを用いると特に好ましい。
【0096】
また、成膜用のガスもプラズマ処理により形成できる膜の原料となるガスであれば、特に限定されず、例えば、上記のガスほかに、窒素(N2)ガス、アンモニア(NH3)ガス等の分子中に窒素原子を含むガスを必要に応じて使用してもよい。
【0097】
【実施例】
以下、本発明に係る具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0098】
(実施例1)
図5及び6に示すプラズマ処理装置2と同様の構成を有する処理装置(Applied Materials 社製;Producer(登録商標)をベースとした装置)を準備した。この装置を使用し、石英ウェハW(直径:200mm,厚さ:1.3mm)上に表1に示す条件に基づいて酸化膜を成膜した。即ち、ツインチャンバ3の各チャンバ4の内圧Xを1093Paに調節し、スペーシングYを2.54mmとし、酸素ガスの流量Z1、TEOSガスの流量Z2及びHeガスの流量を、それぞれ1900sccm、2000mgm及び2000sccmの流量で55秒間供給した後、13.56MHzの高周波電力を出力720Wでシャワーヘッド部40に印加してプラズマを形成して60秒間成膜を行った。
【0099】
ここで、表1に記載の「安定化時間」とは、表1に記載のヒータ温度に保持されたヒータ51を備えるサセプタ5の上面に石英ウェハWを配置してから成膜を開始するまでの経過時間を示す。また、「平均膜厚」とは各実施例及び各比較例の石英ウェハW上に形成された酸化膜の表面に設けられた49箇所の膜厚測定点において測定された測定値の相加平均値を示す。なお、49箇所の膜厚測定点は、各石英ウェハWのそれぞれについて幾何学的に同一とみなせる位置に規定した。
【0100】
(実施例2)〜(実施例6)
図1〜図4に示すプラズマ処理装置1と同様の構成を有する処理装置(Applied Materials 社製;Producer(登録商標)をベースとした装置)を準備して使用し、表1に示す条件に従ったこと以外は実施例1と同様にして石英ウェハW上に酸化膜を形成した。
【0101】
(実施例7)及び(実施例8)
表1に示す条件に従ったこと以外は実施例1と同様にして石英ウェハW上に酸化膜を形成した。
【0102】
(比較例1)〜(比較例11)
表1に示す条件に従ったこと以外は実施例1と同様にして石英ウェハW上に酸化膜を形成した。
【0103】
(比較例12)
図1〜図4に示すプラズマ処理装置1と同様の構成を有する処理装置(Applied Materials 社製;Producer(登録商標)をベースとした装置)を準備して使用し、表1に示す条件に従ったこと以外は実施例1と同様にして石英ウェハW上に酸化膜を形成した。
【0104】
[色斑発生防止効果の評価試験]
実施例1〜実施例8及び比較例1〜12でそれぞれ石英ウェハW上に形成した酸化膜に対して以下に示す膜厚の測定を行い、各実施例及び各比較例のプラズマ処理方法又はプラズマ処理装置の色斑発生防止効果について、酸化膜の膜厚の測定に基づく評価(表2に「評価1」と記載)と、酸化膜の表面の目視により得られる視覚的な美観に基づく評価(表2に「評価2」と記載)とを得た。
【0105】
膜厚の測定は、各酸化膜に対して規定された5つの測定点P1〜P5において行った。ここで、5つの測定点P1〜P5は、図7に示すように、各石英ウェハWの各酸化膜について幾何学的に同一とみなせる位置に規定した。
【0106】
すなわち、測定点P1は、円盤状のヒータ51の幾何学的重心を通過するヒータ51の上面の法線と酸化膜の上面との交点を示す。また、測定点P2〜P4は、4つのリフトピン91のそれぞれの長手方向の中心軸と酸化膜の上面との交点を示す。より具体的には、酸化膜の上面を測定点P1を中心とする平面座標(x,y−平面座標)と仮定した場合、各測定点の座標を、測定点P1の座標(x,y)=(0mm,0mm)、測定点P2の座標(x,y)=(26mm,63mm)、測定点P3の座標(x,y)=(65mm,−5mm)、測定点P4の座標(x,y)=(−72mm,5mm)、測定点P5の座標(x,y)=(−32mm,−63mm)、とそれぞれ規定した。
【0107】
そして、測定点P1での膜厚T1、測定点P2での膜厚T2、測定点P3での膜厚T3、測定点P4での膜厚T4、測定点P4での膜厚T5を用いて、下記式(7)で表される値RT[%]を算出した。
RT=100×[[T1−(T2+T3+T4+T5)/4]/T1]・・・(7)
【0108】
酸化膜上に色斑が発生する場合、色斑の発生した領域とそれ以外の領域とでは、それぞれの領域における膜厚が異なる。このRTの値は酸化膜の膜厚の均一性が比較できるので、色斑発生防止効果を定量的に評価することができる。
【0109】
なお、図7は、石英ウェハの上面の外縁部に3つのスペーサSを配置した場合を示しており、実施例3〜実施例6及び比較例12の場合を示しているが、実施例1及び実施例2、実施例7及び実施例8、並びに比較例1〜比較例11における各測定点についても、スペーサSを配置しないこと以外の幾何学的条件はスペーサSを配置した場合と同一である。
【0110】
また、酸化膜の表面を目視により観察し、得られる視覚的な美観に基づく評価もあわせて行った。この目視観察は5人の試験者により行い、評価基準としては、1:「P2〜P4の少なくとも1箇所に色斑の発生が確認された」と5人中5人人が判断した,2:「P2〜P4の全ての箇所において色斑の発生が確認されなかった」と5人中5人が判断した,という評価基準に基づいておこなった。結果を表2に示す。なお、比較例12の場合、酸化膜の外縁部に析出物の突起が顕著にみられ、膜厚を測定することが不可能であった。
【0111】
【表1】
【0112】
【表2】
【0113】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、被処理基体の被処理面における色斑の発生を充分かつ容易に防止することのできるプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置を提供することができる。そのため、プラズマ処理により被処理基体の被処理面の全面にわたって均一な膜厚を有する膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ処理装置の好適な一実施形態の基本構成の一例を模式的に示す水平断面図である。
【図2】図1に示すプラズマ処理装置1を構成するツインチャンバ3の基本構成の一例を模式的に示す断面図である。
【図3】図2におけるツインチャンバ3のサセプタ5の部位を示す拡大断面図である。
【図4】図3に示すサセプタ5の上面をシャワーヘッド部40の側から見た場合の正面図である。
【図5】本発明のプラズマ処理方法の好適な一実施形態を実施することができるプラズマ処理装置の基本構成の一例を模式的に示す断面図である。
【図6】図5におけるツインチャンバ3のサセプタ5の部位を示す拡大断面図である。
【図7】色斑発生防止効果の評価試験での石英ウェハの被処理面の測定点の位置を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1・・・プラズマ処理装置(半導体製造装置)、4・・・チャンバ、5・・・サセプタ(支持部)、8・・・クリーニング系、10・・・ガスライン、30・・・ガス供給部、31・・・ガス供給源(第1のガス供給部)、32・・・ガス供給源(第2のガス供給部)、40・・・シャワーヘッド部(対向電極)、51・・・ヒーター、60・・・高周波電源部、61・・・インピーダンス整合器、70・・・排気系、90・・・リフト機構、91・・・リフトピン、92・・・支持シャフト、93・・・リフトアーム、94・・・リフトチューブ、95・・・駆動装置、R・・・高周波電源、S・・・スペーサ、W・・・石英ウェハ(被処理基体)。
Claims (24)
- 被処理基体を支持する支持部と、該支持部に対向して配置される対向電極と、前記支持部を貫通して伸びる上下動可能な少なくとも1本のリフトピンを備えており前記被処理基体を前記支持部に対して上下動させるためのリフト機構とを有するチャンバを使用し、前記チャンバ内にプラズマを発生させ、前記被処理基体を該プラズマにより処理するプラズマ処理方法であって、
前記チャンバ内に前記被処理基体を収容し、前記支持部上に該被処理基体を配置する基体配置工程と、
前記チャンバ内に所定のガスを供給し、高周波電力を印加して前記チャンバ内に前記プラズマを形成し、該プラズマにより前記被処理基体を処理するプラズマ処理工程と、を有しており、
前記プラズマ処理工程における前記チャンバ内の内圧X[Pa]を下記式(1)で表される条件を満たすように調節することを特徴とするプラズマ処理方法。
1093<X ・・・(1) - 前記支持部の前記被処理基体が配置されている側の面と該面に対向する前記対向電極の面との間の距離Y[mm]を、下記式(2)で表される条件を満たすように調節することを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理方法。
6.35>Y ・・・(2) - 前記被処理基体が石英ウェハであることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ処理方法。
- 前記リフトピンがセラミクス材料から構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のプラズマ処理方法。
- 前記プラズマ処理工程において、前記チャンバ内に供給する前記ガスの成分として酸素とテトラエトキシシランとを少なくとも含有させ、
前記酸素の流量Z1[sccm]と前記テトラエトキシシランの流量Z2[mgm]とを下記式(3)で表される条件を満たすように調節することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のプラズマ処理方法。
(1/2)≧Z1/Z2 ・・・(3) - 被処理基体を支持する支持部と、該支持部に対向して配置される対向電極と、前記支持部を貫通して伸びる上下動可能な少なくとも1本のリフトピンを備えており前記被処理基体を前記支持部に対して上下動させるためのリフト機構とを有するチャンバを使用し、前記チャンバ内にプラズマを発生させ、前記被処理基体を該プラズマにより処理するプラズマ処理方法であって、
前記チャンバ内に前記被処理基体を収容し、前記支持部上に該被処理基体を配置する基体配置工程と、
前記チャンバ内に所定のガスを供給し、高周波電力を印加して前記チャンバ内に前記プラズマを形成し、該プラズマにより前記被処理基体を処理するプラズマ処理工程と、を有しており、
前記支持部の前記被処理基体が配置されている側の面と該面に対向する前記対向電極の面との間の距離Y[mm]を、下記式(4)で表される条件を満たすように調節することを特徴とするプラズマ処理方法。
5.08≧Y ・・・(4) - 前記被処理基体が石英ウェハであることを特徴とする請求項6に記載のプラズマ処理方法。
- 前記リフトピンがセラミクス材料から構成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載のプラズマ処理方法。
- 前記プラズマ処理工程において、前記チャンバ内に供給する前記ガスの成分として酸素とテトラエトキシシランとを少なくとも含有させ、
前記酸素の流量Z1[sccm]と前記テトラエトキシシランの流量Z2[mgm]とを下記式(3)で表される条件を満たすように調節することを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載のプラズマ処理方法。
(1/2)≧Z1/Z2 ・・・(3) - 被処理基体を支持する支持部と、該支持部に対向して配置される対向電極と、前記支持部を貫通して伸びる上下動可能な少なくとも1本のリフトピンを備えており前記被処理基体を前記支持部に対して上下動させるためのリフト機構とを有するチャンバを使用し、前記チャンバ内にプラズマを発生させ、前記被処理基体を該プラズマにより処理するプラズマ処理方法であって、
前記チャンバ内に前記被処理基体を収容し、前記支持部上に該被処理基体を配置する基体配置工程と、
前記チャンバ内に所定のガスを供給し、高周波電力を印加して前記チャンバ内に前記プラズマを形成し、該プラズマにより前記被処理基体を処理するプラズマ処理工程と、を有しており、
前記プラズマ処理工程において、スペース形成手段を用いることにより、前記支持部と前記被処理基体との間に下記式(5)で表される条件を満たすように所定のスペースを設けることを特徴とするプラズマ処理方法。
2.54>d ・・・(5)
[式(5)中、dは前記支持部の前記上面と該上面に対向する前記被処理基体の面との間の距離[mm]を示す。] - 被処理基体が石英ウェハであることを特徴とする請求項10に記載のプラズマ処理方法。
- 前記リフトピンがセラミクス材料から構成されていることを特徴とする請求項10又は11に記載のプラズマ処理方法。
- 前記プラズマ処理工程において、前記チャンバ内に供給する前記ガスの成分として酸素とテトラエトキシシランとを少なくとも含有させ、前記酸素の流量Z1[sccm]と前記テトラエトキシシランの流量Z2[mgm]とを下記式(3)で表される条件を満たすように調節することを特徴とする請求項10〜12の何れかに記載のプラズマ処理方法。
(1/2)≧Z1/Z2 ・・・(3) - 前記スペース形成手段は、前記式(5)で表される条件を満たす距離dの値と等しい値の厚さを有しており、前記支持部と前記被処理基体との間に配置されるスペーサであることを特徴とする請求項10〜13の何れかに記載のプラズマ処理方法。
- 前記スペーサが半導体材料又は絶縁体材料から形成されていることを特徴とする請求項10〜14の何れかに記載のプラズマ処理方法。
- 前記プラズマ処理工程における前記チャンバ内の内圧X[Pa]を下記式(1)で表される条件を満たすように調節することを特徴とする請求項10〜15の何れかに記載のプラズマ処理方法。
1093<X ・・・(1) - 前記支持部の前記被処理基体が配置されている側の面と該面に対向する前記対向電極の面との間の距離Y[mm]を、下記式(2)で表される条件を満たすように調節することを特徴とする請求項10〜16の何れかに記載のプラズマ処理方法。
6.35>Y ・・・(2) - 被処理面を有する被処理基体をプラズマによって処理するプラズマ処理装置であって、
前記被処理基体が収容されるチャンバと、
前記プラズマを形成するための所定のガスを前記チャンバ内に供給するガス供給部と、
前記チャンバ内に設置され、上面側の基板保持エリア内に前記被処理基体を支持する支持部と、
前記チャンバ内に設置され、前記支持部に対向して配置された対向電極と、
所定の周波数を有する高周波電力を出力可能であり、前記チャンバ内に前記プラズマを形成する高周波電源部と、
前記支持部に対して前記被処理基体を脱着させる際に、前記被処理基体を支承するとともに、前記支持部の前記上面の法線方向と該支持部に支持される前記被処理基体の前記被処理面の法線方向とが略平行となるように、前記被処理基体を前記支持部に対して上下動させるリフト機構と、
を有しており、
前記リフト機構は、前記支持部を貫通して伸びる上下動可能な少なくとも1本のリフトピンを有しており、
前記支持部の前記上面と該支持部に支持される前記被処理基体との間に、下記式(6)で表される条件を満たす厚さt[mm]を有するスペーサが少なくとも1つ配置されていること、を有することを特徴とするプラズマ処理装置。
2.54>t ・・・(6) - 前記スペーサは半導体材料又は絶縁体材料から形成されていることを特徴とする請求項18に記載のプラズマ処理装置。
- 被処理基体が石英ウェハであることを特徴とする請求項18又は19に記載のプラズマ処理装置。
- 前記リフトピンがセラミクス材料から構成されていることを特徴とする請求項18〜20の何れかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記ガス供給部には、前記チャンバ内に供給する前記ガスを構成する成分ガス毎の流量を独立に制御する流量制御装置が設けられており、前記チャンバ内に供給する前記ガスには、前記構成成分ガスとして酸素とテトラエトキシシランとが少なくとも含有されており、
前記流量制御装置は、前記酸素の流量Z1[sccm]と前記テトラエトキシシランの流量Z2[mgm]とを下記式(3)で表される条件を満たすように調節することを特徴とする請求項18〜21の何れかに記載のプラズマ処理装置。
(1/2)≧Z1/Z2 ・・・(3) - 前記流量制御装置は、前記チャンバ内の内圧X[Pa]を下記式(1)で表される条件を満たすように調節することを特徴とする請求項18〜22の何れかに記載のプラズマ処理装置。
1093<X ・・・(1) - 前記支持部の前記被処理基体が配置されている側の面と該面に対向する前記対向電極の面との間の距離Y[mm]を、下記式(2)で表される条件を満たすように調節されていることを特徴とする請求項18〜23の何れかに記載のプラズマ処理装置。
6.35>Y ・・・(2)
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