JP2004153046A - 電子部品の樹脂成形方法及び金型と基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子部品の樹脂成形用金型を用いて、電子部品の装着された基板を樹脂成形する時の基板反りを効率良く防止する、電子部品の樹脂成形方法及び金型と基板を提供することを目的とする。
【解決手段】金型1・2の型締め工程時において、キャビティ12内に電子部品(半導体チップ7)を嵌装させて電子部品の装着された基板6を供給セットした状態で、樹脂通路13からキャビティ12内に溶融樹脂16を注入することによりキャビティ12内にて電子部品を樹脂成形する、このときに電子部品非装着面11と凹所14底面との間の残留空気を凹所14底面の溝4にて排出する。
【選択図】 図4
【解決手段】金型1・2の型締め工程時において、キャビティ12内に電子部品(半導体チップ7)を嵌装させて電子部品の装着された基板6を供給セットした状態で、樹脂通路13からキャビティ12内に溶融樹脂16を注入することによりキャビティ12内にて電子部品を樹脂成形する、このときに電子部品非装着面11と凹所14底面との間の残留空気を凹所14底面の溝4にて排出する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品の樹脂成形用金型を用いて、電子部品の装着された基板を一括して樹脂成形する電子部品の樹脂成形用金型及び金型と基板の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、樹脂成形用金型で、基板に装着した複数個の半導体チップ(電子部品)を一括して樹脂成形することが行われている。
【0003】
例えば、図5に示すように、従来の樹脂成形用金型には、固定上型51と可動下型52とから成る樹脂封止成形用金型が設けられている。
また、樹脂封止成形する基板53は、複数個の半導体チップ54(電子部品)と、基板53と該チップ54とを電気的に接続するバンプ55とが一方の面に装着するように構成されていると共に、該チップ53・バンプ54を樹脂封止成形する樹脂成形体62部分と樹脂封止成形されない基板外周部63とを一方の面に形成して、基板53における他方の面には電子部品を装着しない電子部品非装着面64を形成して構成されている。
【0004】
また、上型51の金型面(上型面56)には、加熱溶融化された樹脂材料を注入する樹脂通路57と、樹脂通路57と連通し且つ該チップ54・バンプ55を嵌装して樹脂封止成形するキャビティ58とが設けられている。
【0005】
また、下型52の金型面(下型面59)には、該チップ54・バンプ55を装着した基板53を下型面59の所定位置に供給セットできる基板セット部60が設けられていると共に、該チップ54・バンプ55装着側を上方向に向けた状態で基板セット部60に供給セットするように構成されている。
【0006】
また、両型51・52には、樹脂材料を加熱溶融化させる加熱ヒータ(図示しない)を埋設していると共に、加熱ヒータにより両型51・52を所定温度に昇温させて樹脂材料を加熱溶融化して溶融樹脂61となるように構成されている。
【0007】
即ち、まず、両型51・52が型開き状態で、基板53の該チップ54・バンプ55装着側を上方向に向けた状態で基板セット部60の直上部まで供給されて(図5参照)、次に、基板53を基板セット部60に供給セットする。
次に、両型51・52を型締めすると共に、次に、キャビティ58内に嵌装された該チップ54・バンプ55に、予め加熱ヒータにより両型51・52を所定温度に昇温させて樹脂材料を加熱溶融化して溶融樹脂61として樹脂通路57を介して注入し、次に、該チップ54・バンプ55に樹脂封止成形された溶融樹脂61が硬化して硬化樹脂を形成して封止済基板を形成する。
【0008】
なお、前述したような従来例が記載されている特許文献等を調査したが発見できなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5・図6に示すように、両型51・52とを型締めすると共に、キャビティ58内に嵌装された該チップ54・バンプ55を予め加熱ヒータにより両型51・52を所定温度に昇温させた状態で、下型52の所定位置の基板セット部60に供給セットされた基板53(図6(1)参照)が、基板53が薄いことや基板外周部65が両型51・52に狭持され固定されていることもあいまって、所定温度に昇温された基板53の略中央部分が熱膨張により伸張されて基板53が反って空隙部70が形成される(図6(2)参照)。
つまり、反った状態の基板53における電子部品非装着面64と基板セット部60との間に空隙部70に空気が残留することになる。
【0010】
即ち、反った状態の基板53に溶融樹脂61を樹脂成形体62内に注入することにより、溶融樹脂61に押されながら前述した空隙部70にある残留空気が排出されずに、基板53が局部的に反った状態になって、該チップ又はバンプが基板53上より剥がれてしまう(図6(3)の状態)。
また、反った状態の基板53に、更に溶融樹脂61をキャビティ58内に注入することで、基板53から剥がれた該チップ54又はバンプ55が、キャビティ58の天面に該チップ54天面が露出した状態で且つ基板53が反った空隙部70を形成した状態で樹脂封止成形されることになる(図6(4)の状態)。
【0011】
従って、本発明は、電子部品の樹脂成形用金型を用いて、電子部品の装着された基板を樹脂成形する時の基板反りを効率良く防止する、電子部品の樹脂成形方法及び金型と基板を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記した技術的課題を解決するために本発明に係わる電子部品の樹脂成形方法は、固定型と可動型とから成る樹脂成形用金型を用いて、前記した金型の基板セット部に電子部品を装着した基板を供給セットして前記金型を型締めすることにより、前記した金型に設けた樹脂成形用キャビティ内に前記した電子部品を嵌装すると共に、前記した金型キャビティ内に樹脂を注入することにより、前記した金型キャビティ内で前記した基板上の電子部品を樹脂成形する電子部品の樹脂成形方法であって、前記した金型キャビティ内への樹脂の注入時に、前記した基板セット部内の基板における電子部品非装着面側に残留する空気を前記した電子部品非装着面側と前記したセット部面側との間に形成した排出部から排出することを特徴とする。
【0013】
また、前記した技術的課題を解決するために本発明に係る電子部品の樹脂成形用金型は、固定型と、可動型と、前記した両型の一方の型に設けた半導体チップを装着した基板を供給セットする基板セット部と、前記した両型の他方の型に設けた前記電子部品を嵌装する樹脂成形用キャビティと、前記したキャビティ内に樹脂を注入する樹脂通路とを含む電子部品の樹脂成形用金型であって、前記した基板セット部面における所要の個所に前記した基板の電子部品非装着面側に残留する空気を排出する残留空気排出用の溝を設けたことを特徴とする。
【0014】
また、前記した技術的課題を解決するために本発明に係る電子部品を装着した基板は、固定型と可動型とから成る樹脂成形用金型を用いて、前記金型の基板セット部に電子部品を装着した基板を供給セットして前記金型を型締めすることにより、前記した金型に設けた樹脂成形用キャビティ内に前記した電子部品を嵌装すると共に、前記した金型キャビティ内に樹脂を注入することにより、前記金型キャビティ内で樹脂成形される電子部品を装着した基板であって、前記した基板の電子部品非装着面に残留する空気を排出する溝を設けたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
即ち、基本的に、固定型と可動型とから成る樹脂成形用金型と、前記両型の一方の型に設けた電子部品(半導体チップ)を装着した基板を供給セットする基板セット部と、前記した両型の他方の型に設けた前記電子部品を嵌装するキャビティと、前記キャビティ内に樹脂を注入する樹脂通路と、前記キャビティ内への樹脂の注入時に前記した基板セット部内の基板における電子部品非装着面側に残留する空気を排出する溝(排出部)を備えたことを特徴とする。
なお、金型の型締め工程時において、前記したキャビティ内に電子部品(半導体チップ)を嵌装させて電子部品の装着された基板を供給セットすると共に、前記した樹脂通路からキャビティ内に溶融樹脂を注入することによりキャビティ内にて電子部品を樹脂成形する。
このとき、前記した電子部品非装着面と前記した他方の型の金型面との間の残留した空気を前記した基板セット部面の溝にて排出することによって、前記した加熱溶融化された樹脂材料を注入することができるので、樹脂成形上の基板反りを効率良く防止することができる。
なお、前記した溝は、前記した電子部品非装着面側に設けた場合でも、樹脂成形上の基板反りを効率良く防止することができる。
【0016】
即ち、本発明は、前述したように、電子部品の樹脂成形用金型を用いて、電子部品の装着された基板を樹脂成形する時の基板反りを効率良く防止する、電子部品の樹脂成形方法及び金型と基板を提供する。
【0017】
【実施例】
以下、図1乃至図4に基づいて、詳細に説明する。
なお、図1乃至図4は、本発明に係る樹脂成形用金型であって、樹脂成形状態を段階的に示した概略拡大縦断面図及び概略拡大平面図である。
【0018】
例えば、本発明に係る電子部品の樹脂成形用金型は、図1に示すように、上型1(固定型)と下型2(可動型)とから成る樹脂成形用金型を設けている。
なお、本実施例における樹脂成形用金型は、電子部品を樹脂封止する樹脂封止成形用の金型を用いているが、電子部品と電子部品を装着した基板との間に樹脂を注入する(アンダーフィルする)樹脂注入用の金型を採用してもよい。
また、両型1・2の関係については、上型1を可動型とし下型2を固定型とする構成にしてもよい。
【0019】
また、本実施例における基板6としては、図1(1)に示すように、例えば、基板6上の所定部位にマトリクス状に配列された半導体チップ7(電子部品)と基板6側と該チップ7とを電気的に接続するバンプ8とから構成されている。
なお、他の基板6としては、図1(2)に示すように、例えば、基板6上の所定部位にマトリクス状に配列された半導体チップ7と基板6側と該チップ7とを電気的に接続するワイヤ17とを構成した基板6を用いてもよい。
また、電子部品装着側7・8には加熱溶融化された樹脂材料で樹脂封止する樹脂成形体9部分と樹脂封止しない基板外周部10と、電子部品が装着されない基板6側は電子部品非装着面11として形成され構成されている。
【0020】
また、上型1の金型面(上型面5)は、図1(1)で示すように、例えば、該チップ7・バンプ8のある樹脂成形体9を嵌装できるキャビティ12と、キャビティ12と連通し且つキャビティ12内に加熱溶融化された樹脂材料を注入する樹脂通路13とが設けて構成されている。
【0021】
また、下型2の金型面(下型面15)は、図1(1)で示すように、例えば、該チップ7・バンプ8を装着した基板6を上方向(キャビティ12の方向)に向けて所定位置に供給セットできる基板6の厚みに対応して摺動できる下型2に着脱自在に取り付けた摺動部材3の天面にある基板6のセット用凹所14(基板セット部)と、凹所14底面(基板セット部面)における所要の個所に基板6の電子部品非装着面11側に残留した空気を排出する残留空気用の溝4(凹部)とが設けて構成されている。
【0022】
なお、基板6が下型面15の所定位置に供給セットできれば、上型面5に凹所14を設けたり、或いは、下型面15を水平状態のままで凹所14を形成せずに実施したり、或いは、摺動部材3を設けずに下型2のみで構成して下型面15に凹所14を設けたり水平状態のままで適宜変更して実施できる。
また、他の実施例としては、該チップ7・バンプ8を装着した基板6を下方向に向けて供給セットして樹脂封止してもよい。
この場合、例えば、下型面15にキャビティ12・樹脂通路13を形成して上型面5に基板セット部14・当該溝4を設けるように適宜変更して実施できる。
【0023】
また、下型2に備えた当該溝4は、図1(1)に示すように、例えば、樹脂通路13側の基板外周部10(樹脂通路開口面)に設けずに、前記した樹脂通路開口面と対向するキャビティ12側面近傍から基板外周部10における下部にある凹所14底面に設けるように構成されていると共に、凹所14底面における所要の個所であれば水平方向に任意の個所・方向・形状・長さ・彫り込み深さで当該溝4を設けるように適宜変更して実施できる。
なお、本実施例では当該溝4を設けているが、凹所14底面における所要の個所であれば、排出孔を設けたり、或いは、多孔質材料から成る多孔質部材を埋設するように適宜変更して実施できる。
つまり、当該溝4を設けることにより、凹所14底面と電子部品非装着面11との間の残留空気を排出できるので、基板反りにおける樹脂成形上の問題を解決することができる。
【0024】
ここで、当該溝4(排出部)は、金型側に設けなくても基板6の電子部品非装着面11側に設けてもよいし、金型側・基板側の両方に設けて実施してもよい。この場合でも、凹所14底面と電子部品非装着面11との間の残留空気を排出できるので、基板反りにおける樹脂成形上の問題を解決することができる。
【0025】
また、両型1・2には、樹脂材料を加熱溶融化させるように埋設された加熱ヒータ(図示しない)が設けられていると共に、両型1・2を各別に前記加熱ヒータにて所定温度に昇温して、両型1・2が型締めすることにより樹脂通路13から加熱溶融化された樹脂材料である溶融樹脂16がキャビティ12内に注入することにより、前記した樹脂成形体9内の半導体チップ7・バンプ8を樹脂封止成形するように構成されている。
また、図示していないが、前記した両型1・2には、二枚の基板6における各樹脂成形体9内に樹脂を注入するような金型構造で構成されている。
【0026】
従って、両型1・2にて基板6の樹脂成形体9内を樹脂封止する場合、まず、図1(1)で示すように、両型1・2が型開きした状態であって、基板6が樹脂成形体9を上方向にした状態で、下型2の所定位置である凹所14底面の直上部まで供給される。
【0027】
次に、前記した所定位置の直上部まで供給された基板6を凹所14底面に供給セットし、次に、図2に示すように、両型1・2とが型締め状態となる。
このとき、両型1・2とを型締めする(上型面5と基板外周部10とが当接し両型1・2にて基板外周部10を狭持する)と共に、キャビティ12内に嵌装された該チップ7・バンプ8を予め加熱ヒータにより両型1・2を所定温度に昇温させた状態で、下型2の所定位置の凹所14底面に供給セットされた基板6が、基板6が薄いことや基板外周部10が両型1・2に狭持され固定されていることもあいまって、所定温度に昇温された基板6の略中央部分が熱膨張により伸張されて基板6が反って、空隙部70が形成されることがある。
つまり、反った状態の基板6における電子部品非装着面11側と凹所14底面との間に空隙部70に空気が残留することになる。
【0028】
次に、図3に示すように、両型1・2を完全に型締めした状態で、キャビティ12内に嵌装セットされた樹脂成形体9の該チップ7・バンプ8に、予め加熱溶融化された樹脂材料を溶融樹脂16として樹脂通路13を通して溶融樹脂16をキャビティ12内に注入する。
このとき、キャビティ12内で該チップ7・バンプ8とを樹脂封止する時に、電子部品非装着面11側と下型2の凹所14底面との間の残留空気を当該溝4から排出することができる。
【0029】
ここで、図4を用いて、図3で示す空隙部70にある残留空気が当該溝4よりどのように排出されるかを更に後述にて説明する。
なお、図4は、図3における溶融樹脂の流動状態(図4の破線曲線を示す)からキャビティ12内に溶融樹脂16を注入して樹脂注入完了前の流動状態を示している。
【0030】
即ち、摺動部材3の凹所14底面に形成された当該溝4は、図4(2)に示すように、例えば、樹脂流れ方向(図4における左方向の実線矢印を示す)に対して垂直方向で且つ凹所14底面に略平行に且つ凹所底面14の両端まで直線的に設けた一本の当該溝4と、前記した一本の当該溝4から樹脂流れ方向と同方向で且つ凹所14底面に略平行に且つ凹所底面14の片端(樹脂通路開口面と対向する部分)まで直線的に任意の間隔で設けた所要複数本の当該溝4とを設けて構成されている。
また、図4(2)に示すように、溶融樹脂16は、二本のキャビティ線A(二点鎖線部分)の交線であるキャビティ12側面まで注入されることになる。
【0031】
従って、図4に示すように、樹脂流れ方向へ溶融樹脂16が空隙部70を形成した基板6上を下方向に押圧しながら左方向へ流動すると共に、押圧された空隙部70の残留空気は、図3・図4で示すように、キャビティ12内に樹脂を注入される段階で、前述した凹所14底面に形成された当該溝4を通して金型外部へ排出する(図4で示す破線矢印を示す)、つまりは、電子部品非装着面11側と凹所14底面にあった残留空気は当該溝4を介して摺動部材3と下型2との僅かな隙間を通り、上型面5と下型面15との僅かな隙間を経て、金型外部へ排出するように構成されている。
なお、前述した残留空気が金型外部へ排出する流動方向は、金型構造や当該溝4の構成条件に応じて適宜に変更して排出されることになる。
即ち、当該溝4を設けることにより、凹所14底面と電子部品非装着面11との間の空隙部70にある残留空気を排出できるので、基板反りにおける樹脂成形上の問題を解決することができる。
【0032】
次に、図示していないが、キャビティ12内に溶融樹脂16が完全に注入充填して樹脂封止成形すると共に、前記した溶融樹脂11が硬化して硬化樹脂を形成して樹脂封止済基板(製品)を成形される。
このとき、樹脂封止済基板は、樹脂通路13部分とで連通した二枚の封止済基板が成形される。
なお、電子部品と電子部品を装着した基板との間に樹脂を注入する(アンダーフィルする)樹脂注入用の金型を用いて樹脂成形する場合においては、樹脂注入済基板(製品)を成形することになる。
【0033】
次に、図示していないが、樹脂通路13部分と連通した樹脂封止済基板を下型2の所定位置である凹所14底面より離型して、次工程へ搬送すると共に、樹脂封止前の該チップ7・バンプ8を装着した基板6を、図1に示すように、基板6が樹脂成形体9を上方向にした状態で、下型2の所定位置である凹所14底面の直上部まで供給される。
従って、前述したように、該チップ7(電子部品)・バンプ8を装着した基板6を連続して、両型1・2にて樹脂成形体9を樹脂封止成形することができる。
【0034】
なお、他の実施例としては、樹脂成形する時に、少なくともキャビティ12・樹脂通路13の金型面を外気遮断状態として外気遮断範囲を形成して、外気遮断範囲の空気等を強制的に排出する真空成形を行って樹脂成形することも実施可能であって、この場合においても、前記した排出部(当該溝4)を設けることにより樹脂成形上の基板反りを効率良く防止することができる。
【0035】
また、本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に変更・選択して採用できるものである。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、電子部品の樹脂成形用金型を用いて、電子部品の装着された基板を樹脂成形する時の基板反りを効率良く防止する、電子部品の樹脂成形方法及び金型と基板を提供するという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(1)は、本発明に係る樹脂成形用金型の概略拡大縦断面図であって、両型を型開きした状態を示す。
図1(2)は、本発明に係る他の基板の概略縦断面図である。
【図2】図2は、図1に対応する前記金型の概略拡大縦断面図であって、型締めした状態を示す。
【図3】図3は、図1に対応する前記金型の概略拡大縦断面図であって、両型を型締めして加熱溶融化された樹脂材料を注入した状態を示す。
【図4】図4(1)は、図1に対応する前記金型の概略拡大縦断面図であって、両型を型締めして加熱溶融化された樹脂材料を注入する完了前の状態を示す。
図4(2)は、図4(1)の状態における前記金型の概略拡大平面図である。
【図5】図5は、従来における樹脂成形用金型の概略拡大縦断面図である。
【図6】図6は、図5に対応する前記した従来の金型の概略拡大縦断面図であって、両型を型締めして加熱溶融化された樹脂材料を注入した状態を段階的に示す。
【符号の説明】
1 固定上型
2 可動下型
3 摺動部材
4 溝(凹部)
5 上型面
6 基板
7 半導体チップ
8 バンプ
9 樹脂成形体
10 基板外周部
11 電子部品非装着面
12 キャビティ
13 樹脂通路
14 基板セット部
15 下型面
16 溶融樹脂
17 ワイヤ
70 空隙部
A キャビティ線
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品の樹脂成形用金型を用いて、電子部品の装着された基板を一括して樹脂成形する電子部品の樹脂成形用金型及び金型と基板の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、樹脂成形用金型で、基板に装着した複数個の半導体チップ(電子部品)を一括して樹脂成形することが行われている。
【0003】
例えば、図5に示すように、従来の樹脂成形用金型には、固定上型51と可動下型52とから成る樹脂封止成形用金型が設けられている。
また、樹脂封止成形する基板53は、複数個の半導体チップ54(電子部品)と、基板53と該チップ54とを電気的に接続するバンプ55とが一方の面に装着するように構成されていると共に、該チップ53・バンプ54を樹脂封止成形する樹脂成形体62部分と樹脂封止成形されない基板外周部63とを一方の面に形成して、基板53における他方の面には電子部品を装着しない電子部品非装着面64を形成して構成されている。
【0004】
また、上型51の金型面(上型面56)には、加熱溶融化された樹脂材料を注入する樹脂通路57と、樹脂通路57と連通し且つ該チップ54・バンプ55を嵌装して樹脂封止成形するキャビティ58とが設けられている。
【0005】
また、下型52の金型面(下型面59)には、該チップ54・バンプ55を装着した基板53を下型面59の所定位置に供給セットできる基板セット部60が設けられていると共に、該チップ54・バンプ55装着側を上方向に向けた状態で基板セット部60に供給セットするように構成されている。
【0006】
また、両型51・52には、樹脂材料を加熱溶融化させる加熱ヒータ(図示しない)を埋設していると共に、加熱ヒータにより両型51・52を所定温度に昇温させて樹脂材料を加熱溶融化して溶融樹脂61となるように構成されている。
【0007】
即ち、まず、両型51・52が型開き状態で、基板53の該チップ54・バンプ55装着側を上方向に向けた状態で基板セット部60の直上部まで供給されて(図5参照)、次に、基板53を基板セット部60に供給セットする。
次に、両型51・52を型締めすると共に、次に、キャビティ58内に嵌装された該チップ54・バンプ55に、予め加熱ヒータにより両型51・52を所定温度に昇温させて樹脂材料を加熱溶融化して溶融樹脂61として樹脂通路57を介して注入し、次に、該チップ54・バンプ55に樹脂封止成形された溶融樹脂61が硬化して硬化樹脂を形成して封止済基板を形成する。
【0008】
なお、前述したような従来例が記載されている特許文献等を調査したが発見できなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5・図6に示すように、両型51・52とを型締めすると共に、キャビティ58内に嵌装された該チップ54・バンプ55を予め加熱ヒータにより両型51・52を所定温度に昇温させた状態で、下型52の所定位置の基板セット部60に供給セットされた基板53(図6(1)参照)が、基板53が薄いことや基板外周部65が両型51・52に狭持され固定されていることもあいまって、所定温度に昇温された基板53の略中央部分が熱膨張により伸張されて基板53が反って空隙部70が形成される(図6(2)参照)。
つまり、反った状態の基板53における電子部品非装着面64と基板セット部60との間に空隙部70に空気が残留することになる。
【0010】
即ち、反った状態の基板53に溶融樹脂61を樹脂成形体62内に注入することにより、溶融樹脂61に押されながら前述した空隙部70にある残留空気が排出されずに、基板53が局部的に反った状態になって、該チップ又はバンプが基板53上より剥がれてしまう(図6(3)の状態)。
また、反った状態の基板53に、更に溶融樹脂61をキャビティ58内に注入することで、基板53から剥がれた該チップ54又はバンプ55が、キャビティ58の天面に該チップ54天面が露出した状態で且つ基板53が反った空隙部70を形成した状態で樹脂封止成形されることになる(図6(4)の状態)。
【0011】
従って、本発明は、電子部品の樹脂成形用金型を用いて、電子部品の装着された基板を樹脂成形する時の基板反りを効率良く防止する、電子部品の樹脂成形方法及び金型と基板を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記した技術的課題を解決するために本発明に係わる電子部品の樹脂成形方法は、固定型と可動型とから成る樹脂成形用金型を用いて、前記した金型の基板セット部に電子部品を装着した基板を供給セットして前記金型を型締めすることにより、前記した金型に設けた樹脂成形用キャビティ内に前記した電子部品を嵌装すると共に、前記した金型キャビティ内に樹脂を注入することにより、前記した金型キャビティ内で前記した基板上の電子部品を樹脂成形する電子部品の樹脂成形方法であって、前記した金型キャビティ内への樹脂の注入時に、前記した基板セット部内の基板における電子部品非装着面側に残留する空気を前記した電子部品非装着面側と前記したセット部面側との間に形成した排出部から排出することを特徴とする。
【0013】
また、前記した技術的課題を解決するために本発明に係る電子部品の樹脂成形用金型は、固定型と、可動型と、前記した両型の一方の型に設けた半導体チップを装着した基板を供給セットする基板セット部と、前記した両型の他方の型に設けた前記電子部品を嵌装する樹脂成形用キャビティと、前記したキャビティ内に樹脂を注入する樹脂通路とを含む電子部品の樹脂成形用金型であって、前記した基板セット部面における所要の個所に前記した基板の電子部品非装着面側に残留する空気を排出する残留空気排出用の溝を設けたことを特徴とする。
【0014】
また、前記した技術的課題を解決するために本発明に係る電子部品を装着した基板は、固定型と可動型とから成る樹脂成形用金型を用いて、前記金型の基板セット部に電子部品を装着した基板を供給セットして前記金型を型締めすることにより、前記した金型に設けた樹脂成形用キャビティ内に前記した電子部品を嵌装すると共に、前記した金型キャビティ内に樹脂を注入することにより、前記金型キャビティ内で樹脂成形される電子部品を装着した基板であって、前記した基板の電子部品非装着面に残留する空気を排出する溝を設けたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
即ち、基本的に、固定型と可動型とから成る樹脂成形用金型と、前記両型の一方の型に設けた電子部品(半導体チップ)を装着した基板を供給セットする基板セット部と、前記した両型の他方の型に設けた前記電子部品を嵌装するキャビティと、前記キャビティ内に樹脂を注入する樹脂通路と、前記キャビティ内への樹脂の注入時に前記した基板セット部内の基板における電子部品非装着面側に残留する空気を排出する溝(排出部)を備えたことを特徴とする。
なお、金型の型締め工程時において、前記したキャビティ内に電子部品(半導体チップ)を嵌装させて電子部品の装着された基板を供給セットすると共に、前記した樹脂通路からキャビティ内に溶融樹脂を注入することによりキャビティ内にて電子部品を樹脂成形する。
このとき、前記した電子部品非装着面と前記した他方の型の金型面との間の残留した空気を前記した基板セット部面の溝にて排出することによって、前記した加熱溶融化された樹脂材料を注入することができるので、樹脂成形上の基板反りを効率良く防止することができる。
なお、前記した溝は、前記した電子部品非装着面側に設けた場合でも、樹脂成形上の基板反りを効率良く防止することができる。
【0016】
即ち、本発明は、前述したように、電子部品の樹脂成形用金型を用いて、電子部品の装着された基板を樹脂成形する時の基板反りを効率良く防止する、電子部品の樹脂成形方法及び金型と基板を提供する。
【0017】
【実施例】
以下、図1乃至図4に基づいて、詳細に説明する。
なお、図1乃至図4は、本発明に係る樹脂成形用金型であって、樹脂成形状態を段階的に示した概略拡大縦断面図及び概略拡大平面図である。
【0018】
例えば、本発明に係る電子部品の樹脂成形用金型は、図1に示すように、上型1(固定型)と下型2(可動型)とから成る樹脂成形用金型を設けている。
なお、本実施例における樹脂成形用金型は、電子部品を樹脂封止する樹脂封止成形用の金型を用いているが、電子部品と電子部品を装着した基板との間に樹脂を注入する(アンダーフィルする)樹脂注入用の金型を採用してもよい。
また、両型1・2の関係については、上型1を可動型とし下型2を固定型とする構成にしてもよい。
【0019】
また、本実施例における基板6としては、図1(1)に示すように、例えば、基板6上の所定部位にマトリクス状に配列された半導体チップ7(電子部品)と基板6側と該チップ7とを電気的に接続するバンプ8とから構成されている。
なお、他の基板6としては、図1(2)に示すように、例えば、基板6上の所定部位にマトリクス状に配列された半導体チップ7と基板6側と該チップ7とを電気的に接続するワイヤ17とを構成した基板6を用いてもよい。
また、電子部品装着側7・8には加熱溶融化された樹脂材料で樹脂封止する樹脂成形体9部分と樹脂封止しない基板外周部10と、電子部品が装着されない基板6側は電子部品非装着面11として形成され構成されている。
【0020】
また、上型1の金型面(上型面5)は、図1(1)で示すように、例えば、該チップ7・バンプ8のある樹脂成形体9を嵌装できるキャビティ12と、キャビティ12と連通し且つキャビティ12内に加熱溶融化された樹脂材料を注入する樹脂通路13とが設けて構成されている。
【0021】
また、下型2の金型面(下型面15)は、図1(1)で示すように、例えば、該チップ7・バンプ8を装着した基板6を上方向(キャビティ12の方向)に向けて所定位置に供給セットできる基板6の厚みに対応して摺動できる下型2に着脱自在に取り付けた摺動部材3の天面にある基板6のセット用凹所14(基板セット部)と、凹所14底面(基板セット部面)における所要の個所に基板6の電子部品非装着面11側に残留した空気を排出する残留空気用の溝4(凹部)とが設けて構成されている。
【0022】
なお、基板6が下型面15の所定位置に供給セットできれば、上型面5に凹所14を設けたり、或いは、下型面15を水平状態のままで凹所14を形成せずに実施したり、或いは、摺動部材3を設けずに下型2のみで構成して下型面15に凹所14を設けたり水平状態のままで適宜変更して実施できる。
また、他の実施例としては、該チップ7・バンプ8を装着した基板6を下方向に向けて供給セットして樹脂封止してもよい。
この場合、例えば、下型面15にキャビティ12・樹脂通路13を形成して上型面5に基板セット部14・当該溝4を設けるように適宜変更して実施できる。
【0023】
また、下型2に備えた当該溝4は、図1(1)に示すように、例えば、樹脂通路13側の基板外周部10(樹脂通路開口面)に設けずに、前記した樹脂通路開口面と対向するキャビティ12側面近傍から基板外周部10における下部にある凹所14底面に設けるように構成されていると共に、凹所14底面における所要の個所であれば水平方向に任意の個所・方向・形状・長さ・彫り込み深さで当該溝4を設けるように適宜変更して実施できる。
なお、本実施例では当該溝4を設けているが、凹所14底面における所要の個所であれば、排出孔を設けたり、或いは、多孔質材料から成る多孔質部材を埋設するように適宜変更して実施できる。
つまり、当該溝4を設けることにより、凹所14底面と電子部品非装着面11との間の残留空気を排出できるので、基板反りにおける樹脂成形上の問題を解決することができる。
【0024】
ここで、当該溝4(排出部)は、金型側に設けなくても基板6の電子部品非装着面11側に設けてもよいし、金型側・基板側の両方に設けて実施してもよい。この場合でも、凹所14底面と電子部品非装着面11との間の残留空気を排出できるので、基板反りにおける樹脂成形上の問題を解決することができる。
【0025】
また、両型1・2には、樹脂材料を加熱溶融化させるように埋設された加熱ヒータ(図示しない)が設けられていると共に、両型1・2を各別に前記加熱ヒータにて所定温度に昇温して、両型1・2が型締めすることにより樹脂通路13から加熱溶融化された樹脂材料である溶融樹脂16がキャビティ12内に注入することにより、前記した樹脂成形体9内の半導体チップ7・バンプ8を樹脂封止成形するように構成されている。
また、図示していないが、前記した両型1・2には、二枚の基板6における各樹脂成形体9内に樹脂を注入するような金型構造で構成されている。
【0026】
従って、両型1・2にて基板6の樹脂成形体9内を樹脂封止する場合、まず、図1(1)で示すように、両型1・2が型開きした状態であって、基板6が樹脂成形体9を上方向にした状態で、下型2の所定位置である凹所14底面の直上部まで供給される。
【0027】
次に、前記した所定位置の直上部まで供給された基板6を凹所14底面に供給セットし、次に、図2に示すように、両型1・2とが型締め状態となる。
このとき、両型1・2とを型締めする(上型面5と基板外周部10とが当接し両型1・2にて基板外周部10を狭持する)と共に、キャビティ12内に嵌装された該チップ7・バンプ8を予め加熱ヒータにより両型1・2を所定温度に昇温させた状態で、下型2の所定位置の凹所14底面に供給セットされた基板6が、基板6が薄いことや基板外周部10が両型1・2に狭持され固定されていることもあいまって、所定温度に昇温された基板6の略中央部分が熱膨張により伸張されて基板6が反って、空隙部70が形成されることがある。
つまり、反った状態の基板6における電子部品非装着面11側と凹所14底面との間に空隙部70に空気が残留することになる。
【0028】
次に、図3に示すように、両型1・2を完全に型締めした状態で、キャビティ12内に嵌装セットされた樹脂成形体9の該チップ7・バンプ8に、予め加熱溶融化された樹脂材料を溶融樹脂16として樹脂通路13を通して溶融樹脂16をキャビティ12内に注入する。
このとき、キャビティ12内で該チップ7・バンプ8とを樹脂封止する時に、電子部品非装着面11側と下型2の凹所14底面との間の残留空気を当該溝4から排出することができる。
【0029】
ここで、図4を用いて、図3で示す空隙部70にある残留空気が当該溝4よりどのように排出されるかを更に後述にて説明する。
なお、図4は、図3における溶融樹脂の流動状態(図4の破線曲線を示す)からキャビティ12内に溶融樹脂16を注入して樹脂注入完了前の流動状態を示している。
【0030】
即ち、摺動部材3の凹所14底面に形成された当該溝4は、図4(2)に示すように、例えば、樹脂流れ方向(図4における左方向の実線矢印を示す)に対して垂直方向で且つ凹所14底面に略平行に且つ凹所底面14の両端まで直線的に設けた一本の当該溝4と、前記した一本の当該溝4から樹脂流れ方向と同方向で且つ凹所14底面に略平行に且つ凹所底面14の片端(樹脂通路開口面と対向する部分)まで直線的に任意の間隔で設けた所要複数本の当該溝4とを設けて構成されている。
また、図4(2)に示すように、溶融樹脂16は、二本のキャビティ線A(二点鎖線部分)の交線であるキャビティ12側面まで注入されることになる。
【0031】
従って、図4に示すように、樹脂流れ方向へ溶融樹脂16が空隙部70を形成した基板6上を下方向に押圧しながら左方向へ流動すると共に、押圧された空隙部70の残留空気は、図3・図4で示すように、キャビティ12内に樹脂を注入される段階で、前述した凹所14底面に形成された当該溝4を通して金型外部へ排出する(図4で示す破線矢印を示す)、つまりは、電子部品非装着面11側と凹所14底面にあった残留空気は当該溝4を介して摺動部材3と下型2との僅かな隙間を通り、上型面5と下型面15との僅かな隙間を経て、金型外部へ排出するように構成されている。
なお、前述した残留空気が金型外部へ排出する流動方向は、金型構造や当該溝4の構成条件に応じて適宜に変更して排出されることになる。
即ち、当該溝4を設けることにより、凹所14底面と電子部品非装着面11との間の空隙部70にある残留空気を排出できるので、基板反りにおける樹脂成形上の問題を解決することができる。
【0032】
次に、図示していないが、キャビティ12内に溶融樹脂16が完全に注入充填して樹脂封止成形すると共に、前記した溶融樹脂11が硬化して硬化樹脂を形成して樹脂封止済基板(製品)を成形される。
このとき、樹脂封止済基板は、樹脂通路13部分とで連通した二枚の封止済基板が成形される。
なお、電子部品と電子部品を装着した基板との間に樹脂を注入する(アンダーフィルする)樹脂注入用の金型を用いて樹脂成形する場合においては、樹脂注入済基板(製品)を成形することになる。
【0033】
次に、図示していないが、樹脂通路13部分と連通した樹脂封止済基板を下型2の所定位置である凹所14底面より離型して、次工程へ搬送すると共に、樹脂封止前の該チップ7・バンプ8を装着した基板6を、図1に示すように、基板6が樹脂成形体9を上方向にした状態で、下型2の所定位置である凹所14底面の直上部まで供給される。
従って、前述したように、該チップ7(電子部品)・バンプ8を装着した基板6を連続して、両型1・2にて樹脂成形体9を樹脂封止成形することができる。
【0034】
なお、他の実施例としては、樹脂成形する時に、少なくともキャビティ12・樹脂通路13の金型面を外気遮断状態として外気遮断範囲を形成して、外気遮断範囲の空気等を強制的に排出する真空成形を行って樹脂成形することも実施可能であって、この場合においても、前記した排出部(当該溝4)を設けることにより樹脂成形上の基板反りを効率良く防止することができる。
【0035】
また、本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に変更・選択して採用できるものである。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、電子部品の樹脂成形用金型を用いて、電子部品の装着された基板を樹脂成形する時の基板反りを効率良く防止する、電子部品の樹脂成形方法及び金型と基板を提供するという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(1)は、本発明に係る樹脂成形用金型の概略拡大縦断面図であって、両型を型開きした状態を示す。
図1(2)は、本発明に係る他の基板の概略縦断面図である。
【図2】図2は、図1に対応する前記金型の概略拡大縦断面図であって、型締めした状態を示す。
【図3】図3は、図1に対応する前記金型の概略拡大縦断面図であって、両型を型締めして加熱溶融化された樹脂材料を注入した状態を示す。
【図4】図4(1)は、図1に対応する前記金型の概略拡大縦断面図であって、両型を型締めして加熱溶融化された樹脂材料を注入する完了前の状態を示す。
図4(2)は、図4(1)の状態における前記金型の概略拡大平面図である。
【図5】図5は、従来における樹脂成形用金型の概略拡大縦断面図である。
【図6】図6は、図5に対応する前記した従来の金型の概略拡大縦断面図であって、両型を型締めして加熱溶融化された樹脂材料を注入した状態を段階的に示す。
【符号の説明】
1 固定上型
2 可動下型
3 摺動部材
4 溝(凹部)
5 上型面
6 基板
7 半導体チップ
8 バンプ
9 樹脂成形体
10 基板外周部
11 電子部品非装着面
12 キャビティ
13 樹脂通路
14 基板セット部
15 下型面
16 溶融樹脂
17 ワイヤ
70 空隙部
A キャビティ線
Claims (3)
- 固定型と可動型とから成る樹脂成形用金型を用いて、前記した金型の基板セット部に電子部品を装着した基板を供給セットして前記金型を型締めすることにより、前記した金型に設けた樹脂成形用キャビティ内に前記した電子部品を嵌装すると共に、前記した金型キャビティ内に樹脂を注入することにより、前記した金型キャビティ内で前記した基板上の電子部品を樹脂成形する電子部品の樹脂成形方法であって、
前記した金型キャビティ内への樹脂の注入時に、前記した基板セット部内の基板における電子部品非装着面側に残留する空気を前記した電子部品非装着面側と前記したセット部面側との間に形成した排出部から排出することを特徴とする電子部品の樹脂成形方法。 - 固定型と、可動型と、前記した両型の一方の型に設けた半導体チップを装着した基板を供給セットする基板セット部と、前記した両型の他方の型に設けた前記電子部品を嵌装する樹脂成形用キャビティと、前記したキャビティ内に樹脂を注入する樹脂通路とを含む電子部品の樹脂成形用金型であって、前記した基板セット部面における所要の個所に前記した基板の電子部品非装着面側に残留する空気を排出する残留空気排出用の溝を設けたことを特徴とする電子部品の樹脂成形用金型。
- 固定型と可動型とから成る樹脂成形用金型を用いて、前記した金型の基板セット部に電子部品を装着した基板を供給セットして前記金型を型締めすることにより、前記した金型に設けた樹脂成形用キャビティ内に前記した電子部品を嵌装すると共に、前記した金型キャビティ内に樹脂を注入することにより、前記した金型キャビティ内で樹脂成形される電子部品を装着した基板であって、前記した基板の電子部品非装着面に残留する空気を排出する溝を設けたことを特徴とする電子部品を装着した基板。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005347514A (ja) * | 2004-06-03 | 2005-12-15 | Towa Corp | マルチチップモールド方法 |
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-
2002
- 2002-10-31 JP JP2002317178A patent/JP2004153046A/ja active Pending
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JP4517193B2 (ja) * | 2004-06-03 | 2010-08-04 | Towa株式会社 | マルチチップモールド方法 |
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