JP2004153041A - 積層コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】誘電体層120を積層して構成されるコンデンサ本体110において、誘電体層120の積層方向に垂直な2つの最外面のうちの一方である最外面170上には、実装端子150a,150bが設けられている。コンデンサ本体110は、誘電体層120を挟んで交互に設けられた第1および第2の内部電極層130a,130bと、積層方向に沿って設けられた第1および第2のビア導体140a,140bとを備える。第1のビア導体140aは、第1の内部電極層130aと電気的に接続すると共に、その一部を突出させて第1の実装端子150aを形成し、第1の実装端子150a上に第1の被覆層を備える。第2のビア導体140bも同様に、その一部を突出させて形成する第2の実装端子150b上に、第2の被覆層を備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層コンデンサに関し、特に、等価的な直列インダクタンス成分が小さく高周波回路に適する積層コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
等価的な直列インダクタンス成分が小さく高周波回路に適する積層コンデンサとして、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
【0003】
図7は、従来の積層コンデンサの垂直断面構造を概略的に示す説明図である。この積層コンデンサ10は、複数の誘電体層12が積層されたコンデンサ本体11を備えている。誘電体層12は、例えばセラミック誘電体から構成される。
【0004】
コンデンサ本体11の内部には、誘電体層12を挟むように第1の内部電極層13aと第2の内部電極層13bとが交互に設けられている。
【0005】
誘電体層12と内部電極層13a,13bの積層方向の最外面16,17の一方の最外面17上には、複数の第1および第2の実装端子15a,15bが設けられている。
【0006】
コンデンサ本体11の内部には、積層方向に沿って延びる複数の第1のビア導体14aおよび複数の第2のビア導体14bとが設けられている。第1のビア導体14aは、第2の内部電極層13bと電気的に絶縁され、第1の内部電極層13aおよび実装端子15aに電気的に接続されるように形成されている。第2のビア導体14bは、第1の内部電極層13aと電気的に絶縁され、第2の内部電極層13bおよび実装端子15bに電気的に接続されるように形成されている。
【0007】
なお、第1の実装端子15aは、第1のビア導体14aと電気的に接続された第1の導体パッド22aと、第1の導体パッド22a上に形成された第1の半田バンプ24aとで構成されている。同様に、第2の実装端子15bは、第2のビア導体14bと電気的に接続された第2の導体パッド22bと、第2の導体パッド22b上に形成された第2の半田バンプ24bとで構成されている。
【0008】
この積層コンデンサ10では、複数対の第1の内部電極層13aと第2の内部電極層13bとの間にそれぞれ形成される静電容量が、第1のビア導体14aおよび第2のビア導体14bによって並列接続され、複数対の第1の実装端子15aと第2の実装端子15bとの間の静電容量として外部に取り出される。これにより、この積層コンデンサ10では、小型化および大容量化が図られている。
【0009】
また、この積層コンデンサ10では、複数の第1のビア導体14aおよび第2のビア導体14bが、それぞれ互いに異なるビア導体が隣接するように第1の内部電極層13aおよび第2の内部電極層13bの全面にわたって配置されている。より具体的には、これらのビア導体は、格子状に交互に並ぶように配置されている。これにより、この積層コンデンサ10では、等価的に発生するインダクタンス成分の低減化が図られている。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−148325号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記構造を有する積層コンデンサにおいて、さらに、小型化、大容量化、低インダクタンス化を図ることが望まれており、そのための手法として、実装端子の間隔(実装端子のピッチ)、すなわち、ビア導体の間隔(ビア導体のピッチ)をさらに狭くすることが考えられる。
【0012】
しかしながら、上述したように、第1の実装端子15aは、第1の半田バンプ24aを形成するための第1の導体パッド22aを有している。第2の実装端子15bも、同様に第2の半田バンプ24bを形成するための第2の導体パッド22bを有している。第1の導体パッド22aは、対応する第1のビア導体14aへの接続を確保するとともに、その上部に第1の半田バンプ24aを形成するために、第1のビア導体14aの径よりも大きな径で形成されている。第2の導体パッド22bも同様である。
【0013】
従って、実装端子を狭ピッチ化するためには、導体パッドの径も小さくする必要があり、導体パッドの形成精度、導体パッドとビア導体の接続の信頼性等の問題が発生し、実装端子の狭ピッチ化が困難であるという問題がある。
【0014】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、積層コンデンサが有する複数の実装端子を狭ピッチ化し、積層コンデンサの小型化、大容量化、低インダクタンス化を図ることが可能な技術を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の積層コンデンサは、複数の誘電体層を積層して構成されるコンデンサ本体と、前記誘電体層の積層方向にほぼ垂直な2つの最外面のうち、少なくとも一方の最外面上に設けられた複数の実装端子と、を有する積層コンデンサであって、
前記コンデンサ本体は、
前記誘電体層を挟むように交互に設けられ、電気的に絶縁された少なくとも1対の第1および第2の内部電極層と、
前記第1の内部電極層に電気的に接続され、前記積層方向に沿って設けられた複数の第1のビア導体と、
前記第2の内部電極層に電気的に接続され、前記積層方向に沿って設けられた複数の第2のビア導体と、を備えており、
前記複数の実装端子は、
前記第1の内部電極層に電気的に接続された複数の第1の実装端子と、
前記第2の内部電極層に電気的に接続された複数の第2の実装端子と、によって構成されており、
前記第1の実装端子は、前記一方の最外面上に前記第1のビア導体の一部を突出させることにより、前記第1のビア導体とほぼ同一の外径を有するように形成された第1の端子電極と、該第1の端子電極上に形成されて該第1の端子電極表面を被覆する第1の被覆層と、を備え、
前記第2の実装端子は、前記一方の最外面上に前記第2のビア導体の一部を突出させることにより、前記第2のビア導体とほぼ同一の外径を有するように形成された第2の端子電極と、該第2の端子電極上に形成されて該第2の端子電極表面を被覆する第2の被覆層と、を備えることを要旨とする。
【0016】
本発明の積層コンデンサによると、第1および第2の実装端子を構成する端子電極を、第1および第2のビア導体により構成することができるので、実装端子の間隔、すなわち、ビア導体の間隔を小さくすることが可能となる。特に、上記第1および第2の端子電極が、それぞれ第1および第2のビア導体とほぼ同一の外形を有するように形成されることにより、実装端子をより小型化して、ビア導体の間隔をより小さくすることが可能となる。これにより、ビア導体の間隔に依存する積層コンデンサのインダクタンス成分を一層小さくすることができる。このとき、上記端子電極上に被覆層を形成することで、この積層コンデンサを実装する際に端子電極と半田とが直接接触するのを防止することができるため、接続の信頼性を向上させることができる。
【0017】
なお、前記第1および第2の被覆層は、3μm〜10μmの厚さに形成されていることが望ましい。このような構成とすれば、端子電極の表面に微細な凹凸が形成される場合にも、隙間なく端子電極を被覆層で覆って、端子電極と半田との接触を確実に防止可能となる。また、前記第1および第2の被覆層は、ニッケル(Ni)または銅(Cu)を備える構成も好適である。
【0018】
本発明の積層コンデンサにおいて、前記第1および第2の被覆層上に、該被覆層が酸化などの化学変化を起こすのを防止する化学変化防止層をさらに備えることとしても良い。このような構成とすれば、被覆層が化学変化を起こすことで接続状態が悪化してしまうのを確実に防止可能となる。ここで、前記化学変化防止層は、0.03〜0.1μmの厚さに形成されることが望ましく、被覆層の化学変化を充分に防止可能な厚さであれば良い。また、前記化学変化防止層は、金(Au)、スズ(Sn)または半田を備える構成も好適である。
【0019】
また、上記積層コンデンサにおいて、前記第1および第2のビア導体は、前記一方の最外面より15μm〜100μmの高さで突出していることが好ましい。突出量が多すぎると、突出したビア導体が破断しやすく、少なすぎると、接続に十分な大きさの端子電極が形成できない場合がある。突出量が上記の範囲内であれば、これらの問題を抑制することができる。
【0020】
また、上記積層コンデンサにおいて、複数の前記ビア導体のうち、最短距離にある前記ビア導体同士の間隔が100μm〜1000μmであることが好ましい。最短距離にあるビア導体同士の間隔が100μm〜1000μmの範囲内であれば、効果的にインダクタンス成分の低減を図ることができる。なお、ビア導体同士の間隔とは、ビア導体の中心同士の間隔、すなわち、ビア導体のピッチを意味している。
【0021】
なお、本発明の積層コンデンサは、
所定のフィルム上に複数の誘電体層が積層されるとともに、少なくとも1対の第1と第2の内部電極層が前記誘電体層を挟むように交互に積層されており、かつ、前記第1の内部電極層に電気的に接続され、前記誘電体層の積層方向に沿って設けられた複数の第1のビア導体と、前記第2の内部電極層に電気的に接続され、前記積層方向に沿って設けられた複数の第2のビア導体とを有する積層体を用意し、
前記積層体から前記所定のフィルムを剥離することにより、前記第1のビア導体の一部を突出させて第1の実装端子が形成されるとともに、前記第2のビア導体の一部を突出させて第2の実装端子が形成された積層コンデンサであってもよい。
【0022】
このようにすれば、ビア導体の突出量、すなわち、実装端子の高さを所定のフィルムの厚さに応じて設定することが可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.積層コンデンサの構造:
B.実装端子の構造:
C.製造方法:
D.変形例:
【0024】
A.積層コンデンサの構造:
図1は、実施例としての積層コンデンサの垂直断面構造を概略的に示す説明図である。この積層コンデンサ100は、複数の誘電体層120が積層されたコンデンサ本体110を備えている。誘電体層120は、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)等の高誘電率セラミックにより形成される。
【0025】
コンデンサ本体110の内部には、誘電体層120を挟むように第1の内部電極層130aと第2の内部電極層130bとが交互に設けられている。
【0026】
誘電体層120と内部電極層130a,130bとが積層される方向(積層方向)に垂直な最外面160,170のうち少なくとも一方の最外面170上には、複数の第1および第2の実装端子150a,150bが設けられている。
【0027】
コンデンサ本体110の内部には、積層方向に沿って延びる複数の第1のビア導体140aおよび複数の第2のビア導体140bが設けられている。第1のビア導体140aは、第2の内部電極層130bと電気的に絶縁され、第1の内部電極層130aおよび実装端子150aに電気的に接続されるように形成されている。第2のビア導体140bは、第1の内部電極層130aと電気的に絶縁され、第2の内部電極層130bおよび実装端子150bに電気的に接続されるように形成されている。なお、第1の実装端子150aおよび第2の実装端子150bについては、さらに後述する。
【0028】
図2は、ビア導体と内部電極層との接続について示す説明図である。図2(a)は積層コンデンサ100の第1の内部電極層130aを含む断面を示し、図2(b)は第2の内部電極層130bを含む断面を示している。
【0029】
図2(a)に示すように、第1の内部電極層130aにおける第2のビア導体140bの貫通する部分の周囲にはギャップ180が形成されており、それによって、第2のビア導体140bは、第1の内部電極層130aに対して電気的に絶縁されている。また、図2(b)に示すように、第2の内部電極層130bにおける第1のビア導体140aの貫通する部分の周囲にはギャップ190が形成されており、それによって、第1のビア導体140aは、第2の内部電極層130bに対して電気的に絶縁されている。
【0030】
この積層コンデンサ100では、従来例の積層コンデンサ10(図7参照)と同様に、より大きな静電容量を得るために、複数の第1の内部電極層130aおよび複数の第2の内部電極層130bを、誘電体層120を挟むように積層方向に交互に配置し、複数のコンデンサユニットを形成する構成としている。すなわち、これら複数のコンデンサユニットが、上述した第1のビア導体140aおよび第2のビア導体140bによって並列接続される構成となっている。そして、それぞれのコンデンサユニットの静電容量の総和が、複数対の第1の実装端子150aと第2の実装端子150bとの間の静電容量として外部に取り出される。本例では、第1の内部電極層130aと第2の内部電極層130bとが、それぞれ5つずつ形成されている場合を示しているが、さらに多数、例えば50以上の内部電極層が形成されることが好ましい。
【0031】
また、この積層コンデンサ100では、従来例の積層コンデンサ10と同様に、複数の第1のビア導体140aおよび第2のビア導体140bが、それぞれ交互に隣接するように第1の内部電極層130aおよび第2の内部電極層130bの全面にわたって格子状に配置されている。これにより、この積層コンデンサ100においても、従来の積層コンデンサ10と同様に、インダクタンス成分の低減化が図られている。
【0032】
なお、本例では、アスペクト比(導体の直径に対する長さの比)が10で、直径が100μmのビア導体が300μmの間隔で格子上に配置されている。
【0033】
B.実装端子の構造:
上記積層コンデンサ100は、第1の実装端子150aおよび第2の実装端子150bの構造に特徴を有している。図3は、実装端子の垂直断面構造を拡大して示す説明図である。図3に示すように、第1のビア導体140aは、最外面170から一部突出して形成されており、この突出している部分220aが第1の実装端子150aの第1の端子電極として利用される。第1の端子電極220aの外径は、第1のビア導体140aの外径とほぼ同じである。そして、この第1の端子電極220a上を覆うように、被覆層252および化学変化防止層254からなる保護層250が形成されている。
【0034】
第2の実装端子150bも、第1の実装端子150aと同様に、最外面170から一部突出する部分220bが第2の端子電極として利用され、第2の端子電極220b上を覆うように、被覆層252および化学変化防止層254からなる保護層250が形成されている。
【0035】
ここで、隣接する第1のビア導体140aと第2のビア導体140bとの間隔が小さいほど、第1のビア導体140aと第2のビア導体140bとを流れる電流によって発生する磁束が効果的に相殺され、相互インダクタンスが低減されることが知られている。また、第1の内部電極層130aおよび第2の内部電極層130bを流れる電流の経路は、隣り合う第1のビア導体140aと第2のビア導体140bとの間に限られ、その電流長を短くすることにより自己インダクタンスを低減することができる。すなわち、ビア導体の間隔を狭くするほど積層コンデンサに含まれるインダクタンス成分を小さくすることができる。
【0036】
本例の積層コンデンサ100では、従来例の積層コンデンサ10(図7参照)における第1および第2の実装端子15a,15bに含まれる第1および第2の導体パッド22a,22bを省略して、第1および第2のビア導体140a,140bの一部を第1および第2の端子電極220a,220bとすることができる。これにより、導体パッドによって制限されていた実装端子の間隔、すなわち、ビア導体の間隔を狭くすることが可能である。この結果、上述したように、積層コンデンサに含まれるインダクタンス成分を一層小さくすることが可能となる。
【0037】
また、ビア導体の間隔を狭くすることにより、積層コンデンサをより小型化、大容量化することも可能である。
【0038】
C.製造方法:
図4および図5は、実施例の積層コンデンサを製造する方法について示す説明図である。
【0039】
まず、チタン酸バリウム(BaTiO3)粉末を主成分とする複数の高誘電体セラミックグリーンシート(以下、単にシートという)を準備し、約半数のシート上に第1の内部電極層130aに相当するパターンを形成し、残り約半数のシート上に第2の内部電極層130bに相当するパターンを形成する。なお、高誘電率セラミックとしては、BaTiO3の他に、PbTiO3,PbZrO3,iO2,SrTiO3,CaTiO3,MgTiO3,KNbO3,NaTiO3,KTaO3,RbTaO3等が利用可能である。
【0040】
図4(a)に示すように、それら2種類のシートを交互に積層する。次いで、図4(b)に示すように、積層した上記シートを積層方向に貫通するように、第1および第2のビアホール200a,200bをレーザによって格子状に形成する。そして、図4(c)に示すように、第1および第2のビアホール200a,200b内に導体形成用ペーストを充填することにより、第1および第2のビア導体140a,140bを形成する。なお、導体形成用ペーストに含まれる金属粉末(導電材料)としては、例えば、Ag−Pd(AgとPdの割合は例えば7:3とすることができる)が利用される。ただし、これに限定されるものではなく、Ag,Ag−Pt,Au,Ni,Cu,Pd,Pt等の種々の金属粉末が利用可能である。また、メッキ性を良好にするために、導体形成用ペースト中のガラス材料の含有量は、25重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましい。さらに、ガラス材料を含有しない導体形成用ペーストを用いるのがよい。また、後述する工程の焼成後の出来上がり寸法を調整するために、無機材料を含有させるようにしてもよい。
【0041】
その後、図4(d)に示すように、最後に積層したシートの外側に、さらにベースとなるシートを積層した上で圧着する。なお、図4(a)に示した積層の動作を行なう際には、下面にキャリアフィルム210が付着しているシート上に、電極層のパターンを形成したシートを順次積層する。そのため、図4(d)に示すように、最下部に位置するシートの下面には、実際にはキャリアフィルム210が付着している。この下側のキャリアフィルム210を剥離することで、図5(a)に示すように、第1のビア導体140aおよび第2のビア導体140bの一部を突出させる。そして、全体を焼成することにより、図5(b)に示すように第1の端子電極220aおよび第2の端子電極220bを形成する。第1の端子電極220aおよび第2の端子電極220bは、上記した金属粉末や焼成温度などの選択により、図5(b)に示すように、焼成によって表面を曲面状に形成させることもできる(いわゆる「面取り」がなされる)。なお、第1の端子電極220aおよび第2の端子電極220bの突出量は、キャリアフィルム210の厚さにほぼ依存して決定される。例えば、第1の端子電極220aおよび第2の端子電極220bの突出量は、15μm〜100μmの範囲、好ましくは20μm〜50μmの範囲、さらに好ましくは20μm〜40μmの範囲となるように設定される。
【0042】
次に、図5(c)に示すように、第1の端子電極220aおよび第2の端子電極220b上に、これら各端子電極を覆うように被覆層252を形成する。本実施例では、無電解メッキによってニッケル(Ni)層を形成することで、被覆層252を形成している。
【0043】
その後さらに、図5(d)に示すように、上記のように形成した各被覆層252上に、これら各被覆層252を覆うように化学変化防止層254を形成する。このように、第1の端子電極220aおよび第2の端子電極220bのそれぞれを覆うように、被覆層252および化学変化防止層254から成る保護層250を形成して、本実施例の積層コンデンサを完成する。本実施例では、無電解メッキによって金(Au)層を形成することで、化学変化防止層254を形成している。
【0044】
このように、端子電極上に被覆層252を形成することで、この積層コンデンサを実装したときに接続の信頼性を向上させることができる。実装端子における接続状態悪化の例として、接触する金属同士が混ざり合って電極を劣化させることがあり、例えば、端子電極と半田とが直接接触することによる半田くわれを挙げることができる。被覆層252を設けることで、実装端子において半田くわれが生じるのを防止することができる。また、被覆層252上にさらに化学変化防止層254を形成するため、被覆層252が酸化されることで接続状態が悪化してしまうのを確実に防止可能となる。
【0045】
ここで、被覆層252は、3μm〜10μmの厚さに形成されていることが望ましい。端子電極およびビア導体は、既述したように、金属粉末等の材料を含有する導体形成用ペーストによって形成するため、端子電極の表面は、導体形成用ペーストに含まれる材料を構成する粒子の粒径に応じて、所定の凹凸を有している。被覆層252の厚さを上記範囲とすることで、端子電極の表面に微細な凹凸が形成される場合にも、隙間なく端子電極を覆って、端子電極と半田との接触を確実に防止可能となる。このような被覆層252は、上記したNiの他、銅(Cu)を備える金属等、他の導電性材料によって形成することとしても良く、半田と接触することによる半田くわれ等の不都合を防止可能であればよい。
【0046】
また、化学変化防止層254は、0.03〜0.1μmの厚さに形成されていることが望ましく、被覆層252の酸化を充分に防止可能な厚さであれば良い。化学変化防止層254は、上記したAuの他、スズ(Sn)または半田を備える金属等、他の導電性材料によって形成することとしても良く、積層コンデンサを実装する際に半田との接続性を確保することができれば良い。さらに、被覆層252の酸化が許容できる程度であれば、化学変化防止層254を設けず、保護層250を被覆層252のみによって形成することとしても良い。
【0047】
なお、被覆層252を形成するために端子電極の表面をメッキ処理する場合に、メッキのしやすさを考慮すると、既述したように、ビア導体中のガラス材料の含有量をより少なくすることが好ましく、理想的にはガラス材料が含まれないようにすることが望ましい。
【0048】
また、上記実施例では、被覆層252および化学変化防止層254を無電解メッキによって形成したが、電解メッキなど異なる方法によって形成することとしても良い。被覆層あるいは化学変化防止層を構成可能な材料で端子電極上を被覆することができればどのような方法で被覆処理してもよく、所定の範囲の厚みで、充分に緻密な層を形成可能であれば良い。
【0049】
なお、この積層コンデンサの製造方法は、上述した工程に限定されるものではなく、任意の適切な工程を用いて実施することができる。
【0050】
なお、ビア導体のアスペクト比を高くすることによって、具体的には、ビア導体の直径を小さくすることによっても、ビア導体の間隔を短くすることが可能であり、これによりインダクタンス成分を低減することができる。また、ギャップ180および190の直径を小さくすることも可能であり、それによって、第1および第2の内部電極層の重なり部分を大きくし、容量を増大することができる。しかし、ビア導体のアスペクト比が大きければよいというわけではなく、ビア導体のアスペクト比が大きいほど、上記導体形成用ペーストを充填する工程が困難になる。
【0051】
従って、ビア導体のアスペクト比(導体の直径に対する長さの比)は、4〜30の範囲に設定されることが好ましいが、4〜25の範囲に設定されるほうがより好ましく、5〜20の範囲に設定されるほうがさらに好ましい。また、ビア導体の直径は、50μm〜120μmの範囲に設定されることが好ましいが、60μm〜110μmの範囲に設定されるほうがより好ましく、70μm〜100μmの範囲に設定されるほうがさらに好ましい。また、ビア導体の間隔、すなわち、実装端子の間隔は、100μm〜1000μmの範囲で設定されることが好ましいが、100μm〜600μmの範囲で設定されるほうが好ましく、150μm〜450μmの範囲で設定されるほうがさらに好ましい。
【0052】
なお、本発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。内部電極層やビア導体の数は、上記実施例の構成に限られず、種々に変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例としての積層コンデンサの垂直断面構造を概略的に示す説明図である。
【図2】ビア導体と内部電極層との接続について示す説明図である。
【図3】実装端子の垂直断面構造を拡大して示す説明図である。
【図4】積層コンデンサ100の製造方法について示す説明図である。
【図5】積層コンデンサ100の製造方法について示す説明図である。
【図6】従来の積層コンデンサの垂直断面構造を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
10…積層コンデンサ
11…コンデンサ本体
12…誘電体層
13a,13b…内部電極層
14a,14b…ビア導体
15a,15b…実装端子
16,17…最外面
22a,22b…導体パッド
24a,24b…半田バンプ
100…積層コンデンサ
110…コンデンサ本体
120…誘電体層
130a,130b…内部電極層
140a,140b…ビア導体
150a,150b…実装端子
160,170…最外面
180…ギャップ
190…ギャップ
200a,200b…ビアホール
210…キャリアフィルム
220a,220b…端子電極
250…保護層
252…被覆層
254…化学変化防止層
Claims (7)
- 複数の誘電体層を積層して構成されるコンデンサ本体と、前記誘電体層の積層方向にほぼ垂直な2つの最外面のうち、少なくとも一方の最外面上に設けられた複数の実装端子と、を有する積層コンデンサであって、
前記コンデンサ本体は、
前記誘電体層を挟むように交互に設けられ、電気的に絶縁された少なくとも1対の第1および第2の内部電極層と、
前記第1の内部電極層に電気的に接続され、前記積層方向に沿って設けられた複数の第1のビア導体と、
前記第2の内部電極層に電気的に接続され、前記積層方向に沿って設けられた複数の第2のビア導体と、を備えており、
前記複数の実装端子は、
前記第1の内部電極層に電気的に接続された複数の第1の実装端子と、
前記第2の内部電極層に電気的に接続された複数の第2の実装端子と、によって構成されており、
前記第1の実装端子は、前記一方の最外面上に前記第1のビア導体の一部を突出させることにより、前記第1のビア導体とほぼ同一の外径を有するように形成された第1の端子電極と、該第1の端子電極上に形成されて該第1の端子電極表面を被覆する第1の被覆層と、を備え、
前記第2の実装端子は、前記一方の最外面上に前記第2のビア導体の一部を突出させることにより、前記第2のビア導体とほぼ同一の外径を有するように形成された第2の端子電極と、該第2の端子電極上に形成されて該第2の端子電極表面を被覆する第2の被覆層と、を備えることを特徴とする
積層コンデンサ。 - 請求項1記載の積層コンデンサであって、
前記第1および第2の被覆層は、3μm〜10μmの厚さに形成されている
積層コンデンサ。 - 請求項1または2記載の積層コンデンサであって、
前記第1および第2の被覆層は、ニッケル(Ni)または銅(Cu)を備える
積層コンデンサ。 - 請求項1ないし3いずれか記載の積層コンデンサであって、
前記第1および第2の被覆層上に、該被覆層が化学変化を起こすのを防止する化学変化防止層をさらに備える
積層コンデンサ。 - 請求項4記載の積層コンデンサであって、
前記化学変化防止層は、金(Au)、スズ(Sn)または半田を備える
積層コンデンサ。 - 請求項1ないし5いずれか記載の積層コンデンサであって、
前記第1および第2のビア導体は、前記一方の最外面より15μm〜100μmの高さで突出している
積層コンデンサ。 - 請求項1ないし6いずれか記載の積層コンデンサであって、
複数の前記ビア導体のうち、最短距離にある前記ビア導体同士の間隔が100μm〜1000μmである
積層コンデンサ。
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