JP2004152792A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1銅配線14が埋め込まれた第1層間絶縁膜21上に、第1エッチングストップ膜31、第2層間絶縁膜22、第2エッチングストップ膜32、第3層間絶縁膜23及び第1バリア層44、さらにその上に反射防止膜45を積層し、配線溝18とビアホール16とを形成し、これらの上に第2バリア層を形成し、第1銅配線の表面を露出するように第2バリア層の一部を除去し、これらの上に銅層を形成し、第2層間絶縁膜上の銅層、第2バリア層、反射防止膜及び第1バリア層を除去して。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、より詳しくは、絶縁膜に形成した溝や接続孔に銅を含む導電体材料を埋め込むことで多層配線構造を形成する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の微細化及び積層化に伴い、配線遅延が大きな問題となってきている。つまり、トランジスタの微細化は、デバイスの動作性能の向上を実現するためにスケーリング則に従って進められてきたが、その一方で、配線の微細化によって配線抵抗や配線間容量が増大し、RCで表わされる配線遅延がLSIの動作速度に対して無視できなくなってきている。
また、配線に流れる電流密度も微細化とともに増加し、エレクトロマイグレーションによる配線の信頼性低下及び配線容量増大による消費電力の増大も深刻な問題である。
そこで、これらの問題に対処するために、配線にはAlより低抵抗でエレクトロマイグレーション耐性が高い材料として、銅が用いられるようになってきている。
【0003】
銅配線の形成は、一般に銅のドライエッチングが容易でないために、それに代わる方法として、溝配線による方法(ダマシン法)が広く用いられている。この方法では、溝配線は、予め酸化珪素等の層間絶縁膜に配線形状の溝を形成し、その溝に電解メッキ法等を用い、銅による配線材料を埋め込んだ後、余剰の配線材料を化学的機械研磨等により除去することで形成される。特に最近では、配線と接続孔への埋め込みプラグを同時に形成するデュアルダマシン法が開発され、提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この方法によれば、まず、図6(a)に示したように、部分的に第1銅配線14が埋め込まれた第1層間絶縁膜21の上に、第1エッチングストップ膜31、第2層間絶縁膜22、第2エッチングストップ膜32及び第3層間絶縁膜23を順次形成する。
【0004】
続いて、図6(b)に示したように、ビアホール形成用のレジストパターン15を第3層間絶縁膜23上に形成し、レジストパターン15をマスクとして用いて、第3層間絶縁膜23と第2エッチングストップ膜32とをエッチングしてビアホール16を形成する。
レジストパターン15を剥離した後、図6(c)に示したように、配線溝形成用のレジストパターン17を第3層間絶縁膜23上に形成し、このレジストパターン17をマスクとして用いて、第2エッチングストップ膜32が第3層間絶縁膜23よりもエッチング速度が十分遅くなるエッチング条件で、第3層間絶縁膜23をエッチングする。このとき、ビアホール16の下部も同時にエッチングされる。これにより、溝配線18の底部は第2エッチングストップ膜32まで到達するとともに、ビアホール16の底部は第1エッチングストップ膜31まで到達する。
【0005】
レジストパターン17を剥離した後、図7(d)に示したように、第2層間絶縁膜22をマスクとして、第1エッチングストップ膜31をエッチングする。これにより、ビアホール16の底部は第1銅配線14に到達する。
続いて、図7(e)に示したように、バリア層41を全面に形成し、さらに、ビアホール16及び配線溝18を完全に埋め込むように、全面に銅層42を形成する。
その後、図7(f)に示したように、CMPにより、第3層間絶縁膜23上に存在する不要なバリア層41と銅層42を除去し、一体化された接続プラグと配線層19とを形成する。
しかし、この方法では、第1銅配線14と、一体化された接続プラグと配線層19底部のバリア層41との境界領域にて、第1銅配線14に発生しやすい酸化層や腐食層を完全に無くすることは困難である。したがって、第1銅配線14とバリア層41との境界部を起点としてエレクトロマイグレーションによる欠陥が発生しやすく、配線の信頼性が大きく損なわれるという問題がある。
【0006】
この問題を解決するために、第1銅配線14上に選択的に耐酸化性の金属または銅の合金膜を設け、第1銅配線14の酸化や腐食を防ぐ方法が提案されている(特許文献2及び3参照)。
しかし、これによっても、やはり第1銅配線14上に銅以外の金属が残存する。そのため、この領域におけるわずかな酸化や腐食によって、エレクトロマイグレーションによる欠陥が生じる。
そこで、銅以外の金属の残留をなくする方法が提案されている(特許文献4参照)。この方法によれば、図6(a)〜図7(f)に準じた方法により、図8(a)に示すように、第3層間絶縁膜23を形成した直後にバリア層43を予め堆積しておき、その後、図8(b)に示すように、バリア層41を全面に形成した直後に、RIE法にてエッチバックを行い、一体化された接続プラグと配線層19底部のバリア層41を除去する。そして、図8(c)に示すように、最終的に一体化された接続プラグと配線層19底部にて、一体化された接続プラグと配線層19と第1銅配線14とを直接接触させる。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−186391号公報
【特許文献2】
特開2001−93976号公報
【特許文献3】
特開2001−274245号公報
【特許文献4】
特開平10−261715号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような方法においては、RIE法にて一体化された接続プラグと配線層19底部のバリア層41を完全に除去する際に、第3層間絶縁膜23上のバリア層43は残しておく必要があるため、エンドポイント法を用いることができず、不完全なエッチング除去が免れない。
つまり、エンドポイント法はエッチングがエンドした時(エッチングされる材料が無くなるか、そのほとんどがエッチングされた時)のエッチング状態の急激な変化(生成物、光)を検知して、エッチングをストップする方法であるが、この方法を用いると、図8(b)でビアホールの底のバリア層41がエッチング除去された時、バリア層43の上に形成されたバリア層41は除去されるが、バリア層43が全面に残っているため、エッチングのエンドが検知できない。これにより、エッチング終了時が検知できず、エッチングが進んで、側壁のバリア層41もエッチされ、エンドポイント時点では全てのバリア層41、43が除去されるか、バリア層41の残存が生じる。
【0009】
したがって、エンドポイント法を利用できないことに起因して、エッチバックのウエハ面内およびウエハ間のプロセスバラツキが生じ、第3層間絶縁膜23上に残るバリア層43の膜厚がばらつき、バリア性を十分に保つことが困難となる。あるいは、バリア層のエッチング残留により、エレクトロマイグレーションによる欠陥が余儀なくされる。
また、バリア層43のバリア性が十分に確保できないと、その後に銅層42が積層され、CMPにより研磨される間に、第3層間絶縁膜23に銅が拡散することとなり、層間絶縁膜の絶縁信頼性が悪化するという問題が生じる。
さらに、ビアホール形成用のレジストパターン15をバリア層43上に直接形成するため、フォトリソグラフィ工程においてバリア層43に起因して露光光の反射が生じ、レジストパターンの寸法精度が確保できず、ひいては微細なパターン形成ができないという問題も生じる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、(a)第1銅配線が埋め込まれた第1層間絶縁膜上に、第1エッチングストップ膜、第2層間絶縁膜、第2エッチングストップ膜、第3層間絶縁膜、第1バリア層及び反射防止膜を順次積層し、
(b)前記第2エッチングストップ膜に至る配線溝及び前記第1銅配線表面に至るビアホールを形成し、
(c)前記配線溝及びビアホールを含む反射防止膜上に第2バリア層を形成し、
(d)少なくとも第1銅配線の表面を露出するように前記第2バリア層の一部を除去し、
(e)前記配線溝及びビアホールを含む反射防止膜上に、前記配線溝及びビアホールを埋め込み、露出した第1銅配線に接するように銅層を形成し、
(f)前記第2層間絶縁膜表面を露出するように、銅層、任意に第2バリア層、反射防止膜及び第1バリア層を除去して、銅配線及び接続プラグを一体的に形成する半導体装置の製造方法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の半導体装置の製造方法では、工程(a)において、第1銅配線が埋め込まれた第1層間絶縁膜を用いる。この第1層間絶縁膜は、半導体基板直上に形成されていてもよいし、トランジスタ、キャパシタ等の素子、これらを用いた回路等が形成された上に形成されていてもよい。第1層間絶縁膜は、通常、層間絶縁膜として用いられる材料、例えば、シリコン酸化膜(熱酸化膜、低温酸化膜:LTO膜等、高温酸化膜:HTO膜)、シリコン窒化膜、シリコン酸化窒化膜、SiOF系膜、SiOC系膜、CF系膜、SiC膜、BN膜、SOG膜、PSG膜、BSG膜、BPSG膜等の単層膜又は積層膜等が挙げられる。膜厚は特に限定されるものではなく、例えば、100〜5000nm程度が挙げられる。これらは、CVD法、蒸着法、EB法、スパッタ法等の当該分野で公知の方法を利用して形成することができる。
【0012】
第1層間絶縁膜には、第1銅配線が埋め込まれている。第1銅配線としては、所望の配線形状を有する銅による配線及び銅を主成分とする合金等による配線が挙げられる。第1銅配線の膜厚は、適当な配線抵抗を確保することができる膜厚が挙げられる。なお、第1銅配線は、その膜厚方向において、一部が第1層間絶縁膜に埋め込まれていればよいが、完全に第1層間絶縁膜内に埋め込まれていることが適当であり、その表面が第1層間絶縁膜の表面と面一となるように埋め込まれていることが好ましい。このような銅配線は、公知の方法、例えば、めっき、CVD法、異方性スパッタ法等のスパッタ法等により形成することができる。なお、第1層間絶縁膜への埋め込みは、溝が形成された第1層間絶縁膜上全面に銅配線層を形成した後、CMP法等によって第1層間絶縁膜の表面が露出する程度に層配線層を後退、除去する方法、いわゆるダマシン法により行うことができる。
【0013】
この第1層間絶縁膜の上に、第1エッチングストップ膜、第2層間絶縁膜、第2エッチングストップ膜、第3層間絶縁膜、第1バリア層及び反射防止膜を順次積層する。第1及び第2エッチングストップ膜、第2及び第3層間絶縁膜は、それぞれ、通常、エッチングストップ膜及び層間絶縁膜として用いられる材料によって形成することができる。
【0014】
例えば、第1及び第2エッチングストップ膜は、第2及び第3層間絶縁膜に対して、所定のエッチング条件によって、エッチングレートが小さくなる材料、言いかえると第2及び第3層間絶縁膜のエッチングをその位置で終了させるために有利な材料を、両者の組み合わせを考慮して選択することが好ましい。具体的には、第1及び第2エッチングストップ膜としては、シリコン窒化膜、SiC膜等の単層膜又は積層膜が挙げられる。第2エッチングストップ膜は、エッチングにさらされる回数及び時間が第1エッチングストップ膜と同程度である場合には、第1エッチングストップ膜と同程度の膜厚であってもよい。例えば、これらの膜厚は、50〜100nm程度が挙げられる。また、第2エッチングストップ膜が、第1エッチングストップ膜よりもエッチングにさらされる回数又は時間が多くなる場合には、エッチングストップ機能が第1エッチングストップ膜よりも第2エッチングストップ膜の方が大きい(強力)ことが好ましい。例えば、第2エッチングストップ膜は、第1エッチングストップ膜よりも厚膜とすることが適当である。具体的には、第1エッチングストップ膜は、50〜100nm程度が適当である。第2エッチングストップ膜は、第1エッチングストップ膜よりも20〜60nm程度厚膜であるか、あるいは、第1エッチングストップ膜の膜厚の1.5倍程度以上であることが適当である。好ましくは、第2エッチングストップ膜は、60〜100nm程度である。
【0015】
特に、第1エッチングストップ膜及び第2エッチングストップ膜がSiNにより形成され、第2エッチングストップ膜が第1エッチングストップ膜よりも50nm程度以上厚膜であるか、第1エッチングストップ膜及び第2エッチングストップ膜がSiNにより形成され、第1エッチングストップ膜が50nm程度以上の膜厚で、第2エッチングストップ膜が第1エッチングストップ膜の1.5倍程度以上の膜厚であるか、第1エッチングストップ膜がSiNで、第2エッチングストップ膜がSiC/SiN積層膜により形成され、第2エッチングストップ膜のSiN膜が50nm程度以上、SiC膜が第1エッチングストップ膜の1/2程度以上の膜厚であることが好ましい。
【0016】
第2及び第3層間絶縁膜は、第1の層間絶縁膜と同様の方法、同様の材料、同様の膜厚等で形成することができる。ただし、第1、第2及び第3層間絶縁膜は、必ずしも同じ材料、同じ膜厚で形成しなくてもよい。
第1バリア層は、後述する銅層が第3層間絶縁膜上に形成される場合に、銅が層間絶縁膜へ拡散することを防止するために設けられる層であり、通常、金属膜で形成される。第1バリア層の材料としては、例えば、Ti、TiN、TiW、Ta、TaN、WSiN、MOSVD−TiN、WN、TiSiN等が挙げられる。これらは、ロングスパッタ、イオン化スパッタ等の異方性スパッタ法、CVD法等により形成することができる。第1バリア層の膜厚は、バリア性が確保できる程度であることが必要であり、例えば、1〜30nm程度が挙げられる。
【0017】
反射防止膜は、第1バリア層上に形成されるレジスト層をフォトリソグラフィによりパターニングする際の露光光の第1バリア層への及び第1バリア層からの反射光を防止して、その上に形成されるレジスト層への不要な光に進入を防止し得る膜であり、通常、SiON、SiN、SiC等の材料によって形成することができる。なお、これらの材料は単層膜、積層膜のいずれでもよい。これらは、スパッタ法、CVD法等により形成することができる。反射防止膜の膜厚は、その材料等によって適宜調整することができ、例えば、20〜200nm程度が挙げられる。
なお、銅の層間絶縁膜への拡散をバリアし、同時に反射防止機能を有する材料を用いる場合には、両者を単一層として形成してもよい。
【0018】
工程(b)において、第2エッチングストップ膜に至る配線溝及び第1銅配線表面に至るビアホールを形成する。それらの形状、大きさ、深さ等は、得ようとする配線、半導体装置等の大きさによって調整することができる。通常、配線溝は、その底部が第2エッチングストップ膜に至り、その底部が第2エッチングストップ膜で覆われているのであれば、第2エッチングストップ膜の表面のみならず、その内部に至っていてもよい。ビアホールは、第1エッチングストッパを貫通し、その底部が第1銅配線表面に至っている。配線溝及びビアホールの形成は、それぞれ、所望の形状のマスクパターンを用いて、第2エッチングストップ膜及び第1エッチングストップ膜で、エンドポイント法等を利用して、エッチングをストップすることができる条件及び方法を、当該分野で公知の方法から選択して行うことができる。配線溝及びビアホールは、いずれを先に形成してもよく、必ずしも、一方の形成が完結した後に他方の形成を完結させなくてもよい。つまり、両者を形成した後において、配線溝が第2エッチングストップ膜に至り、ビアホールが第1銅配線表面に至っていればよく、配線溝の一部の底部を構成する第2エッチングストップ膜が、銅の層間絶縁膜への拡散を防止し得る程度以上の膜厚、例えば、50nm程度以上の膜厚で残存するように、両者を形成することが好ましい。
【0019】
工程(c)において、配線溝及びビアホールを含む反射防止膜上に第2バリア層を形成する。これによって、配線溝及びビアホールの底面及び側面と共に、反射防止膜上全面が、第2バリア層で被覆される。第2バリア層としては、第1バリア層と同様の方法、材料、膜厚で形成することができる。ただし、必ずしも両者は同一でなくてもよい。
【0020】
工程(d)において、少なくとも第1銅配線の表面を露出するように第2バリア層の一部を除去する。ここでの第2バリア層の除去は、第2バリア層の材料及び膜厚等により、適宜選択することができ、例えば、RIE法等の異方性エッチングが挙げられる。これにより、第1銅配線の表面が露出する、言いかえると、ビアホール底部の第2バリア層が除去される。また、同時に、第3層間絶縁膜上では、反射防止膜がエッチングストッパとなって、反射防止膜上の第2バリア層もほぼ完全に除去することができ、さらに、配線溝底部の一部においても、第2バリア層をほぼ完全に除去することができる。よって、第3層間絶縁膜上に残存するバリアメタル膜の膜厚がばらつくことなく、また、配線溝底部には第2エッチングストップ膜が適当な厚さで配置することとなり、さらに、配線溝及びビアホールの側面を確実に第2バリア層で被覆することができるため、後に形成する銅層から層間絶縁膜への銅の拡散を十分に防止することができる。
【0021】
工程(e)において、配線溝及びビアホールを含む反射防止膜上に銅層を形成する。ここでの銅層は、配線溝及びビアホールを埋め込み、露出した第1銅配線に接するように形成する。銅層は、第1銅配線と同様の材料を、同様の方法で形成することができる。
【0022】
工程(f)において、第2層間絶縁膜表面を露出するように、銅層、任意に第2バリア層、反射防止膜及び第1バリア層を除去する。ここでの除去方法は、ドライエッチングやウェットエッチング等の種々の方法が利用できるが、なかでも、CMP法、シリカ系、セリア系又はアルミナ系の研磨材を用いたCMP法等が好ましい。なお、先の工程において、反射防止膜上の第2バリア層が完全に除去されている場合には、ここでは銅層、反射防止膜及び第1バリア層を除去する。これにより、銅配線及び接続プラグを一体的に形成することができる。
【0023】
本発明の半導体装置の製造方法は、次世代LSIにおけるメモリ、ロジックデバイスの配線構造のみならず、公知のLSI、IC等におけるMOSトランジスタ内及び回路間の配線構造のすべてに適用することができる。
以下に、本発明の半導体装置の製造方法の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
実施例1
まず、図1(a)に示したように、部分的に第1銅配線14が埋め込まれた第1層間絶縁膜21の上に、化学気相成長法(以下CVD法)により、膜厚50nmのSiNによる第1エッチングストップ膜31、500nmのSiO2による第2層間絶縁膜22、100nmのSiNによる第2エッチングストップ膜32、400nmのSiO2による第3層間絶縁膜23、10nmのTiNによる第1のバリア層44及び60nmのSiONによる反射防止膜45を順次形成する。この際、第2エッチングストップ膜32として堆積するSiNは、第1エッチングストップ膜31として堆積するSiNよりも少なくとも50nm程度以上厚いものとしておく。
【0025】
続いて、図1(b)に示したように、ビアホール形成用のレジストパターン15を、反射防止膜45を利用してフォトリソグラフィ技術によりに形成する。このレジストパターン15をマスクとして、RIE法により、反射防止膜45、第1のバリア層44、第3層間絶縁膜23、第2エッチングストップ膜32、第2層間絶縁膜22を順次エッチングし、第1エッチングストップ膜31表面に達するビアホール16を形成する。このRIE法は、SiONに対してはCHF3およびCOを、TiNに対してはCl2およびBCl3を、SiNに対してはCH2F2ガスを用いて行い、それぞれのストッパ膜に対して選択性をもたせる。
【0026】
レジストパターン15を酸素プラズマ処理により剥離した後、図1(c)に示したように、配線溝形成用のレジストパターン17をフォトリソグラフィ技術により形成し、このレジストパターン17をマスクとして用いて、RIE法により、反射防止膜45、第1のバリア層44及び第3層間絶縁膜23をエッチングし、第2エッチングストップ膜32表面に達する配線溝18を形成する。
続いて、図2(d)に示したように、第2層間絶縁膜22をマスクとして、RIE法により第1エッチングストップ膜31をエッチングし、ビアホール16の底部を第1銅配線14に到達させる。この際、同時にエッチングされる配線溝18の底部の第2エッチングストップ膜32は、第1エッチングストップ膜31より、50nm程度以上厚いために、エッチング後においても、少なくとも50nm程度以上残存する。
【0027】
このようにして形成されたビアホール16及び配線溝18内に、図2(e)に示したように、CVD法により第2のバリア層41としてTiNを25nm埋め込む。
その直後に、図2(f)に示したように、第2のバリア層41をRIE法によりエッチバックし、ビアホール16の底部の第2のバリア層41を除去して第1銅配線14を露出させる。この際、第3層間絶縁膜23上では、反射防止膜45をストッパとして利用できるため、第3層間絶縁膜23上に残る第1のバリア層44の膜厚がばらつくことはない。したがって、この領域では、続いて堆積される銅層42に対する十分なバリア性を得ることができる。
【0028】
次いで、図3(g)に示したように、ビアホール16及び配線溝18を完全に埋め込むように、スパッタ法およびメッキ法により全面に銅層42を形成する。さらに、第3層間絶縁膜23上に存在する不要な銅をCMP法により除去する。なお、一般に広く用いられている銅のCMP法は、SiON膜に対し、選択性を有しているために、この反射防止膜45をストッパとして利用することにより、極めて容易に均一性のよい研磨を実現することができる。
続いて、図3(h)に示したように、シリカ系の研磨剤を用いた低選択性のCMP法により、第3層間絶縁膜23上の不要な反射防止膜45、第1のバリア層44を順次除去し、配線溝18及びビアホール16内に、一体化された溝配線及び接続プラグ19を形成する。
【0029】
実施例2
この実施例は、図4に示すように、実施例1の半導体装置の製造方法において、第2エッチングストップ膜32としてSiC膜を、例えば80nmとする以外は、実質的に実施例1と同様である。
この実施例では、第2エッチングストップ膜32としてSiC膜を、50nmよりも、第1エッチングストップ膜厚31の2分の1以上厚く堆積する。ビアホール16をエッチングする際のRIE法にて、C4F8、Ar及びO2ガスを用いることにより、第1エッチングストップ膜31であるSiNについて、SiC膜に対して約2の選択比が得られる。
したがって、同時にエッチングされる溝配線18底部の第2エッチングストップ膜32を、50nm以上残存させることができ、よって、この領域での十分なバリア性を得ることができる。
【0030】
実施例3
この実施例では、図5に示すように、実施例1の半導体装置の製造方法において、第2エッチングストップ膜32としてSiN膜を50nm堆積し、続いてSiC膜を30nm堆積する。すなわち、SiC膜を、第1エッチングストップ膜厚31の2分の1以上厚く堆積する。これにより、実施例2と同様にビアホール16をエッチングすることにより、溝配線18底部の第2エッチングストップ膜32を、50nm以上残存させることができ、よって、この領域での十分なバリア性を得ることができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、銅配線による銅の層間絶縁膜中への拡散に対し十分なバリア性を有し、第1銅配線と直接接触する銅層による接続プラグ及び溝内配線が一体的に形成された銅多層配線構造を製造することができる。
つまり、第3層間絶縁膜上に、第1バリア層及び反射防止膜を形成するため、第1銅配線直上の第2バリア層の一部を除去する場合において、反射防止膜をストッパとして、エンドポイント法を利用することができるため、第2バリア層の第1銅配線上でのエッチング残留を確実に防止することができ、エッチング残留に起因するエレクトロマイグレーションによる欠陥を防止することができる。また、第3層間絶縁膜上に残存する第1バリア層の膜厚がばらつくことはなく十分なバリア性を確保することができる。さらに、配線溝及びビアホールを形成した後においても、第2エッチングストップ膜は、適当な膜厚が確保されるため、第2エッチングストップ膜により十分なバリア性を得ることができる。従って、銅層に起因する銅の層間絶縁膜中への拡散を確実に防ぐことが可能となる。
【0032】
しかも、反射防止膜を形成するために、配線溝やビアホール等を形成するフォトリソグラフィ工程において、第1バリア層に起因して露光光が反射することを防止することができ、レジストパターンの寸法精度を確保でき、ひいては微細なパターン形成が可能となり、信頼性の高い配線構造を有する半導体装置を製造することが可能となる。
特に、第1エッチングストップ膜と第2エッチングストップ膜とを同一材料か、それぞれSiN及びSiCか、それぞれSiN及びSiC/SiNの積層膜により形成し、第2エッチングストップ膜の膜厚を第1エッチングストップ膜よりも厚膜に形成する場合には、特に、配線溝及びビアホールの形成後において、第2エッチングストップ膜の適当な膜厚を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の製造方法の一実施の形態を示す要部の概略断面工程図である。
【図2】図1の続きを示す図である。
【図3】図2の続きを示す図である。
【図4】本発明の半導体装置の製造方法の他の実施の形態を示す要部の概略断面工程図である。
【図5】本発明の半導体装置の製造方法のさらに他の実施の形態を示す要部の概略断面工程図である。
【図6】従来の半導体装置の製造方法を示す要部の概略断面工程図である。
【図7】図6の続きを示す図である。
【図8】従来の他の半導体装置の製造方法を示す要部の概略断面工程図である。
【符号の説明】
14:第1銅配線
15、17:レジストパターン
16:ビアホール
18:溝配線
19:一体化された銅配線及び接続プラグ
21:第1層間絶縁膜
22:第2層間絶縁膜
23:第3層間絶縁膜
31:第1エッチングストップ膜
32:第2エッチングストップ膜
41、43、44:バリア層
42:銅層
45:反射防止膜
Claims (4)
- (a)第1銅配線が埋め込まれた第1層間絶縁膜上に、第1エッチングストップ膜、第2層間絶縁膜、第2エッチングストップ膜、第3層間絶縁膜、第1バリア層及び反射防止膜を順次積層し、
(b)前記第2エッチングストップ膜に至る配線溝及び前記第1銅配線表面に至るビアホールを形成し、
(c)前記配線溝及びビアホールを含む反射防止膜上に第2バリア層を形成し、
(d)少なくとも第1銅配線の表面を露出するように前記第2バリア層の一部を除去し、
(e)前記配線溝及びビアホールを含む反射防止膜上に、前記配線溝及びビアホールを埋め込み、露出した第1銅配線に接するように銅層を形成し、
(f)前記第2層間絶縁膜表面を露出するように、銅層、任意に第2バリア層、反射防止膜及び第1バリア層を除去して、銅配線及び接続プラグを一体的に形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 工程(a)において、第1エッチングストップ膜と第2エッチングストップ膜とを同一材料で形成し、前記第2エッチングストップ膜の膜厚を第1エッチングストップ膜よりも厚膜に形成する請求項1に記載の方法。
- 工程(a)において、第1エッチングストップ膜をSiNにより、かつ第2エッチングストップ膜をSiCにより形成し、前記第2エッチングストップ膜の膜厚を第1エッチングストップ膜よりも厚膜に形成する請求項1に記載の方法。
- 工程(a)において、第1エッチングストップ膜をSiNにより、かつ第2エッチングストップ膜をSiC/SiNの積層膜により形成し、前記第2エッチングストップ膜の膜厚を第1エッチングストップ膜よりも厚膜に形成する請求項1に記載の方法。
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