JP2004152641A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光輝度が高くしかも寿命の長い有機EL素子を提供する。
【解決手段】陽極と陰極の間に、正孔輸送層もしくは正孔注入層と正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層を順次積層してなる有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子であって、互いに異なるフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって電子注入層と電子輸送層を形成し、または電子注入層と電子輸送層の何れか一方をフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成したことを特徴とする有機EL素子。
【選択図】 なし
【解決手段】陽極と陰極の間に、正孔輸送層もしくは正孔注入層と正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層を順次積層してなる有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子であって、互いに異なるフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって電子注入層と電子輸送層を形成し、または電子注入層と電子輸送層の何れか一方をフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成したことを特徴とする有機EL素子。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子注入層と電子輸送層の何れか一方または両方をフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成した発光輝度が高く実用性に優れた有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は、低電圧駆動、高輝度、多色化が可能などの利点を有することから、その利用が広がっている。有機EL素子は、陽極と陰極の間に蛍光性有機化合物を含む薄膜を挟み込んだ構造を有し、この薄膜に電子および正孔を注入して再結合させることにより、励起子(エキシトン)を生成させ、この励起子が失活する際の光の放出を利用したものであり、その具体的な構造は、例えば、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極のように積層し、正孔輸送と電子輸送を機能分離したタイプが一般的である。この他に、発光材料と電子輸送材料を同一化合物によって形成して両機能を兼用させた素子、発光効率を高めるためにドーパントを添加した素子も知られている(特開2002−117980)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の上記有機EL素子は発光輝度が低いと云う欠点がある。そこで、電子輸送材料としてアルミキノリノール(Alq3)、オキサジアゾール誘導体、ベリレン誘導体などが使用して発光効率や素子寿命等を向上させることが試みられており、発光層と電子輸送層の材料として互いに異なる化合物を用い、その何れか一方をフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成した有機EL素子が提案されている(特開2000−306667)。この素子は発光特性と電子輸送性に優れており、有機ELディスプレイ材料として高い実用性を備えている。
【0004】
この他に、陰極から電子輸送層への電子の注入効果を高めるため、陰極と電子輸送層の間に電子注入層を設けることが検討されており、この電子注入材料としてはフッ化リチウム(LiF)を用いた素子が知られている(特開平10−74586)。しかし、この素子は発光輝度が低いうえに発光開始電圧が高いと云う問題がある。
【0005】
本発明は、従来の上記課題を解決したものであり、電子注入層と電子輸送層の何れか一方または両方をフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成することによって、従来の有機EL素子に比べて、発光特性や電子輸送性が高く実用性に優れた有機EL素子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば以下の構成からなる有機EL素子が提供される。
(1)陽極と陰極の間に、正孔輸送層もしくは正孔注入層と正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層を順次積層してなる有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子であって、電子注入層と電子輸送層の何れか一方をフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成したことを特徴とする有機EL素子。
(2)陽極と陰極の間に、正孔輸送層もしくは正孔注入層と正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層を順次積層してなる有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子であって、電子注入層と電子輸送層の両方を互いに異なるフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成したことを特徴とする有機EL素子。
(3)電子注入層と電子輸送層の何れか一方または両方を形成するフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物が下記一般式(I)で表されるものである上記(1)または(2)の有機EL素子。
【式I】
(式中、mおよびnは別個に0または1〜3の整数であって、m+n≧1であり、m+n=1のときのフッ素結合位置は2〜7位である)
(4)電子注入層の膜厚が20nm以下である上記(1)、(2)または(3)の有機EL素子。
【0007】
【具体的な説明】
本発明の有機EL素子は、陽極と陰極の間に、正孔輸送層もしくは正孔注入層と正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層を順次積層してなる有機EL素子であって、(イ)電子注入層と電子輸送層の何れか一方をフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成した有機EL素子、または(ロ)電子注入層と電子輸送層の両方を互いに異なるフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成した有機EL素子である。
【0008】
本発明に係る有機EL素子の具体的な構成例は、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる積層構造、または陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる積層構造において、電子注入層と電子輸送層の何れか一方がフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成されており、あるいは電子注入層と電子輸送層の両方が互いに異なるフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって電子注入層と電子輸送層が形成されているものである。
【0009】
上記フッ素置換アルミキノリノール錯体化合物は、例えば、下記一般式(I)によって示されるものである。
【式I】
(式中、mおよびnは別個に0または1〜3の整数であって、m+n≧1であり、m+n=1のときのフッ素結合位置は2〜7位である)
【0010】
素子の基板にはガラス、各種のセラミックス、ポリエチレン等の透明樹脂などを用いることができる。この基板の上に陽極として例えばITO膜(In−Sn酸化膜)を蒸着やスパッタリングなどの方法により成膜し、さらに、このITO膜の上に、正孔輸送材料、または正孔注入材料と正孔輸送材料、発光材料、電子輪送材料、電子注入材料および陰極を真空蒸着などによって順次成膜する。
【0011】
上記各材料の具体的な例は表1のとおりである。なお、上記(I)式に示すフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物は、2−アミノフェノール化合物とアクロレイン化合物とを、リン酸および/または砒酸の水溶液中で縮合反応させる際、一方または両方の反応成分としてフッ素置換誘導体を用いることによって得ることができる。または、フッ素の結合位置にフッ素以外のハロゲンが結合した対応ハロゲン化誘導体を原料とし、これをフッ素置換することによっても得ることができる。電子輸送層、電子注入層に使用するフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物は単一化合物でも混合物でも良い。電子注入層の膜厚が20nmを上回ると注入効率が低下するので、電子注入層の膜厚は20nm以下が好ましい。
【0012】
本発明の有機EL素子は、電子注入層と電子輸送層の何れか一方がフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成されており、あるいは電子注入層と電子輸送層の両方が互いに異なるフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって電子注入層と電子輸送層が形成されていればよく、電子注入層と電子輸送層の何れか一方がフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成されている場合には、実施例(No.A6、No.A7)に示すように、他方はフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物と異なる材料、例えばフッ化リチウム等、あるいはフッ素が置換しないアルミキノリノール錯体化合物を用いることができる。
【0013】
【表1】
【0014】
以下、本発明を実施例によって具体的に示す。
洗浄したITO膜付きガラス基板(ITO膜厚:140〜160nm、表面抵抗:20Ω/□)の膜上に各膜成分材料を真空蒸着(10−4Paオータ゛)によって成膜した。最後に陰極としてMgAg層を共蒸着により成膜し、有機EL素子を形成した。素子の膜構成を表2に示した。なお、発光層材料はホスト材料としてアルミキノリノール錯体(Alq3)を用い、このホスト材料に対してルブレン5重量%ドープしたものを用いた。なお、フッ素置換したアルミキノリノール錯体(F−Alq3)を用いないものを比較例として示した。これらの有機EL素子の特性を表3に示した。
【0015】
表3に示すように、フッ素置換したアルミキノリノール錯体化合物を用いない比較例は最大輝度および10mA/cm2時の輝度が格段に低く、逆に発光開始電圧は大幅に高い。一方、本発明の実施例に係る有機EL素子は何れも最大発光輝度および10mA/cm2時の輝度が比較例のそれぞれ2倍以上、15倍以上であり、一方、発光開始電圧は何れも3.5V以下であり、格段に低い。従って輝度半減寿命が比較例の3倍程度であり、輝度寿命が長く実用性に優れる。
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【発明の効果】
本発明の有機EL素子は、従来の素子よりも高い発光輝度を有しながらも輝度寿命は大幅に長く、実用性の高い有機ELディスプレイ材料として利用することができる。また、この素子に用いられているフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物は耐久性に優れており、かつフッ素の結合位置によって発光色が変化するので多色ディスプレイ材料として利用することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子注入層と電子輸送層の何れか一方または両方をフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成した発光輝度が高く実用性に優れた有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は、低電圧駆動、高輝度、多色化が可能などの利点を有することから、その利用が広がっている。有機EL素子は、陽極と陰極の間に蛍光性有機化合物を含む薄膜を挟み込んだ構造を有し、この薄膜に電子および正孔を注入して再結合させることにより、励起子(エキシトン)を生成させ、この励起子が失活する際の光の放出を利用したものであり、その具体的な構造は、例えば、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極のように積層し、正孔輸送と電子輸送を機能分離したタイプが一般的である。この他に、発光材料と電子輸送材料を同一化合物によって形成して両機能を兼用させた素子、発光効率を高めるためにドーパントを添加した素子も知られている(特開2002−117980)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の上記有機EL素子は発光輝度が低いと云う欠点がある。そこで、電子輸送材料としてアルミキノリノール(Alq3)、オキサジアゾール誘導体、ベリレン誘導体などが使用して発光効率や素子寿命等を向上させることが試みられており、発光層と電子輸送層の材料として互いに異なる化合物を用い、その何れか一方をフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成した有機EL素子が提案されている(特開2000−306667)。この素子は発光特性と電子輸送性に優れており、有機ELディスプレイ材料として高い実用性を備えている。
【0004】
この他に、陰極から電子輸送層への電子の注入効果を高めるため、陰極と電子輸送層の間に電子注入層を設けることが検討されており、この電子注入材料としてはフッ化リチウム(LiF)を用いた素子が知られている(特開平10−74586)。しかし、この素子は発光輝度が低いうえに発光開始電圧が高いと云う問題がある。
【0005】
本発明は、従来の上記課題を解決したものであり、電子注入層と電子輸送層の何れか一方または両方をフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成することによって、従来の有機EL素子に比べて、発光特性や電子輸送性が高く実用性に優れた有機EL素子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば以下の構成からなる有機EL素子が提供される。
(1)陽極と陰極の間に、正孔輸送層もしくは正孔注入層と正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層を順次積層してなる有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子であって、電子注入層と電子輸送層の何れか一方をフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成したことを特徴とする有機EL素子。
(2)陽極と陰極の間に、正孔輸送層もしくは正孔注入層と正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層を順次積層してなる有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子であって、電子注入層と電子輸送層の両方を互いに異なるフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成したことを特徴とする有機EL素子。
(3)電子注入層と電子輸送層の何れか一方または両方を形成するフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物が下記一般式(I)で表されるものである上記(1)または(2)の有機EL素子。
【式I】
(式中、mおよびnは別個に0または1〜3の整数であって、m+n≧1であり、m+n=1のときのフッ素結合位置は2〜7位である)
(4)電子注入層の膜厚が20nm以下である上記(1)、(2)または(3)の有機EL素子。
【0007】
【具体的な説明】
本発明の有機EL素子は、陽極と陰極の間に、正孔輸送層もしくは正孔注入層と正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層を順次積層してなる有機EL素子であって、(イ)電子注入層と電子輸送層の何れか一方をフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成した有機EL素子、または(ロ)電子注入層と電子輸送層の両方を互いに異なるフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成した有機EL素子である。
【0008】
本発明に係る有機EL素子の具体的な構成例は、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる積層構造、または陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる積層構造において、電子注入層と電子輸送層の何れか一方がフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成されており、あるいは電子注入層と電子輸送層の両方が互いに異なるフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって電子注入層と電子輸送層が形成されているものである。
【0009】
上記フッ素置換アルミキノリノール錯体化合物は、例えば、下記一般式(I)によって示されるものである。
【式I】
(式中、mおよびnは別個に0または1〜3の整数であって、m+n≧1であり、m+n=1のときのフッ素結合位置は2〜7位である)
【0010】
素子の基板にはガラス、各種のセラミックス、ポリエチレン等の透明樹脂などを用いることができる。この基板の上に陽極として例えばITO膜(In−Sn酸化膜)を蒸着やスパッタリングなどの方法により成膜し、さらに、このITO膜の上に、正孔輸送材料、または正孔注入材料と正孔輸送材料、発光材料、電子輪送材料、電子注入材料および陰極を真空蒸着などによって順次成膜する。
【0011】
上記各材料の具体的な例は表1のとおりである。なお、上記(I)式に示すフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物は、2−アミノフェノール化合物とアクロレイン化合物とを、リン酸および/または砒酸の水溶液中で縮合反応させる際、一方または両方の反応成分としてフッ素置換誘導体を用いることによって得ることができる。または、フッ素の結合位置にフッ素以外のハロゲンが結合した対応ハロゲン化誘導体を原料とし、これをフッ素置換することによっても得ることができる。電子輸送層、電子注入層に使用するフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物は単一化合物でも混合物でも良い。電子注入層の膜厚が20nmを上回ると注入効率が低下するので、電子注入層の膜厚は20nm以下が好ましい。
【0012】
本発明の有機EL素子は、電子注入層と電子輸送層の何れか一方がフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成されており、あるいは電子注入層と電子輸送層の両方が互いに異なるフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって電子注入層と電子輸送層が形成されていればよく、電子注入層と電子輸送層の何れか一方がフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成されている場合には、実施例(No.A6、No.A7)に示すように、他方はフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物と異なる材料、例えばフッ化リチウム等、あるいはフッ素が置換しないアルミキノリノール錯体化合物を用いることができる。
【0013】
【表1】
【0014】
以下、本発明を実施例によって具体的に示す。
洗浄したITO膜付きガラス基板(ITO膜厚:140〜160nm、表面抵抗:20Ω/□)の膜上に各膜成分材料を真空蒸着(10−4Paオータ゛)によって成膜した。最後に陰極としてMgAg層を共蒸着により成膜し、有機EL素子を形成した。素子の膜構成を表2に示した。なお、発光層材料はホスト材料としてアルミキノリノール錯体(Alq3)を用い、このホスト材料に対してルブレン5重量%ドープしたものを用いた。なお、フッ素置換したアルミキノリノール錯体(F−Alq3)を用いないものを比較例として示した。これらの有機EL素子の特性を表3に示した。
【0015】
表3に示すように、フッ素置換したアルミキノリノール錯体化合物を用いない比較例は最大輝度および10mA/cm2時の輝度が格段に低く、逆に発光開始電圧は大幅に高い。一方、本発明の実施例に係る有機EL素子は何れも最大発光輝度および10mA/cm2時の輝度が比較例のそれぞれ2倍以上、15倍以上であり、一方、発光開始電圧は何れも3.5V以下であり、格段に低い。従って輝度半減寿命が比較例の3倍程度であり、輝度寿命が長く実用性に優れる。
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【発明の効果】
本発明の有機EL素子は、従来の素子よりも高い発光輝度を有しながらも輝度寿命は大幅に長く、実用性の高い有機ELディスプレイ材料として利用することができる。また、この素子に用いられているフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物は耐久性に優れており、かつフッ素の結合位置によって発光色が変化するので多色ディスプレイ材料として利用することができる。
Claims (4)
- 陽極と陰極の間に、正孔輸送層もしくは正孔注入層と正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層を順次積層してなる有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子であって、電子注入層と電子輸送層の何れか一方をフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成したことを特徴とする有機EL素子。
- 陽極と陰極の間に、正孔輸送層もしくは正孔注入層と正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層を順次積層してなる有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子であって、電子注入層と電子輸送層の両方を互いに異なるフッ素置換アルミキノリノール錯体化合物によって形成したことを特徴とする有機EL素子。
- 電子注入層の膜厚が20nm以下である請求項1、2または3の有機EL素子。
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---|---|---|---|
JP2002317142A JP2004152641A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 有機エレクトロルミネッセンス素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002317142A JP2004152641A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 有機エレクトロルミネッセンス素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004152641A true JP2004152641A (ja) | 2004-05-27 |
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JP2002317142A Withdrawn JP2004152641A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 有機エレクトロルミネッセンス素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004152641A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7868539B2 (en) | 2006-12-21 | 2011-01-11 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Light-emitting element and light-emitting device |
-
2002
- 2002-10-31 JP JP2002317142A patent/JP2004152641A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7868539B2 (en) | 2006-12-21 | 2011-01-11 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Light-emitting element and light-emitting device |
US8330357B2 (en) | 2006-12-21 | 2012-12-11 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Light-emitting element and light-emitting device |
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