JP2004152418A - 光情報媒体 - Google Patents

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秀毅 伊藤
Kazuyuki Tanaka
和志 田中
Naoki Hayashida
直樹 林田
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Abstract

【課題】記録/再生ビーム入射側表面の防汚性に非常に優れる光情報媒体を提供する。
【解決手段】光情報媒体の記録/再生ビーム入射側表面に、微粒子状物質と前記微粒子状物質を分散可能な分散媒とを含む評価用分散液を付着させたとき、表面の単位面積当たりに付着した評価用分散液滴が占める面積割合が25%以下である光情報媒体。記録/再生ビーム入射側表面における記録/再生ビームの最小径が500μm以下となるシステムに用いられる光情報媒体、又は記録/再生ビーム入射側表面における記録/再生ビームの最小径が500μmを超えるシステムに用いられる光情報媒体。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、再生専用光ディスク、光記録ディスク、光磁気記録ディスク等の光情報媒体に関し、より詳しくは、記録/再生ビーム入射側表面の防汚性に優れる光情報媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
再生専用光ディスク、光記録ディスク、光磁気記録ディスク等の光ディスクの表面には、その使用に際して各種汚染物質による汚染や指紋の付着が起こる。これら汚染や指紋の付着は好ましいことではなく、光ディスクの表面には通常、防汚性の改善、指紋付着性の減少、又は指紋除去性の向上のために適切な表面処理が施される。
【0003】
例えば、光ディスク表面に種々の撥水・撥油処理を施すことが検討されている。そして、表面処理による防汚性の改善効果を確認するために、光ディスク表面に実際に指紋を付着させ、その拭き取り性を目視で評価する手法が用いられることが多い。しかしながら、このような評価手法では、定量性及び再現性に乏しい。
【0004】
また、光ディスク表面の撥水性や撥油性が高ければ汚染物質は除去されやすいという仮定のもとに、水や脂肪族炭化水素等の種々の液体の前記処理表面に対する接触角を測定することもしばしば行われる。しかしながら、接触角ないし表面自由エネルギーによる評価は、いわば間接的な評価手法である。従って、撥水・撥油性が高ければ耐汚染性に優れるという上述の仮定の成立する極めて限定された場合にのみ、防汚性の評価手法として妥当に用い得る。また、この評価手法はあくまで相対的な評価結果しか与えない。すなわち、この評価手法を光ディスク表面に適用した場合に、実用上問題なく使用できるか否かの閾値を、接触角ないし表面自由エネルギーに対して定めることは実質的に不可能である。
【0005】
ところで、近年、光情報媒体においては、動画像情報等の膨大な情報を収めるためにさらに記録密度を高めることが求められており、さらなる記録容量の高密度化のため研究開発がさかんに行われている。その中のひとつとして、例えばDVDに見られるように、記録/再生波長を短くし、対物レンズの開口数(NA)を大きくして、記録/再生ビームの集光スポット径を小さくすることが提案されている。実際に、CDと比較すると、記録/再生波長を780nmから650nmに、開口数(NA)を0.45から0.60にすることにより、6〜8倍の記録容量(4.7 GB/面)を達成している。また、最近、高品位の動画像を長時間記録するための方法として、さらに記録/再生波長を400nm程度まで短くし、開口数を0.85まで高めることによって、DVDの4倍以上の記録容量を達成しようとする試みが行われている。
【0006】
しかしながら、このように記録密度を高めていくと、記録/再生ビームの集光スポット径が小さくなるために、媒体のレーザービーム入射側表面に付着した塵埃や指紋等に対して従来以上に敏感になってしまう。特に、指紋をはじめとする有機物を含む汚れについては、汚れがレーザービーム入射側表面に付着した際の影響が大きく、また、その除去もしにくいことから、これまでに多くの対策が考えられている。
【0007】
例えば、特開平10−110118号公報及び特開平11−293159号公報には、ポリカーボネート等からなる光ディスク基板の表面にハードコート剤塗膜を形成する際に、ハードコート剤中に非架橋型のフッ素系界面活性剤を練り込むことが提案されている。そして、光ディスクのハードコート表面の防汚性の評価として、水とエタノールの混合液に少量の塩化ナトリウム、尿素及び乳酸を溶解させた人工指紋液を、疑似指紋を用いて前記ハードコート表面に圧着させ、その拭き取り性を目視で判定することが行われている。この人工指紋液は、JISK2246:1994「さび止め油」に記載されているものである。前記JIS規格は、鉄鋼等の金属材料の一時的な防錆に用いられるさび止め油の性能試験方法を規定したものであり、従って、前記人工指紋液は、金属材料に対する腐食性を判定するために調製されるものである。このため、これ以外の目的に対してはまったく汎用性がない。実際、水とエタノールを主成分とする前記人工指紋液を、ポリカーボネート等の樹脂からなる光ディスク基板表面に付着させても、ほとんどの場合、前記人工指紋液は弾かれてしまい基板表面には定着しない。このことから、表面処理が施されていない樹脂基板表面であっても、表面処理が施された樹脂基板表面であっても、前記人工指紋液については同等の拭き取り性を示すものと考えられる。すなわち、JIS K2246:1994に規定される前記人工指紋液を、光ディスク表面の防汚性ないし指紋除去性の評価に用いることにはほとんど意味がない。
【0008】
このような実情から、光ディスク表面の良否を定量的に再現性良く評価するための人工指紋液の開発が望まれ、また、人工指紋液を用いて、光ディスク表面の良否を定量的に再現性良く判定する簡便な評価方法の開発が望まれる。そして、記録/再生波長が650nmとされるDVDシステムで用いられる表面の防汚性に優れる光ディスク、及び記録/再生波長が400nm程度とされる新システムで用いられる表面の防汚性に優れる光ディスクの開発が望まれる。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−110118号公報
【特許文献2】
特開平11−293159号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、記録/再生ビーム入射側表面の防汚性に非常に優れる光情報媒体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明には、以下の発明が含まれる。
(1) 光情報媒体の記録/再生ビーム入射側表面に、微粒子状物質と前記微粒子状物質を分散可能な分散媒とを含む評価用分散液を付着させたとき、表面の単位面積当たりに付着した評価用分散液滴が占める面積割合が25%以下である光情報媒体。
【0012】
(2) 光情報媒体の記録/再生ビーム入射側表面に、微粒子状物質と前記微粒子状物質を分散可能な分散媒とを含む評価用分散液を付着させたとき、表面に付着した評価用分散液滴の最大径(ここで、径とは、表面に付着した評価用分散液滴の面積を測定し、その面積から、その評価用分散液滴が真円と仮定した場合の真円の直径である)が75μm以下である光情報媒体。
【0013】
(3) 光情報媒体の記録/再生ビーム入射側表面に、微粒子状物質と前記微粒子状物質を分散可能な分散媒とを含む評価用分散液を付着させたとき、表面の500μm×500μmの面積当たりに付着した20μm以上75μm以下の径(ここで、径とは、表面に付着した評価用分散液滴の面積を測定し、その面積から、その評価用分散液滴が真円と仮定した場合の真円の直径である)の評価用分散液滴の数が100個以下である光情報媒体。
【0014】
(4) 光情報媒体の記録/再生ビーム入射側表面に、微粒子状物質と前記微粒子状物質を分散可能な分散媒とを含む評価用分散液を付着させたとき、表面に付着した20μm以上の径(ここで、径とは、表面に付着した評価用分散液滴の面積を測定し、その面積から、その評価用分散液滴が真円と仮定した場合の真円の直径である)の評価用分散液滴の周囲長と面積とが、平均値で、次式(1):
4π×面積/(周囲長)≧0.75 (1)
の関係を満たす光情報媒体。
【0015】
(5) 記録/再生ビーム入射側表面における記録/再生ビームの最小径が500μm以下となるシステムに用いられる、(1) 〜(4) のうちのいずれかに記載の光情報媒体。
【0016】
(6) 支持基体上に情報記録層と、情報記録層上の光透過層と、光透過層上の光透過性ハードコート層とを少なくとも有し、ハードコート層が記録/再生ビーム入射側とされる、(1) 〜(5) のうちのいずれかに記載の光情報媒体。
【0017】
(7) ハードコート層は、活性エネルギー線硬化性のシリコーン系化合物及び/又はフッ素系化合物を含むハードコート剤組成物の硬化物を含む、(6) に記載の光情報媒体。
【0018】
(8) ハードコート層上にさらに、活性エネルギー線硬化性のシリコーン系化合物及び/又はフッ素系化合物を主成分とする組成物の硬化物からなる表面薄層を有する、(6) 又は(7) に記載の光情報媒体。
【0019】
(9) 光透過層及び光透過性ハードコート層の合計の厚さは、70〜150μmである、(6) 〜(8) のうちのいずれかに記載の光情報媒体。
【0020】
(10)青色レーザービームを用いた記録/再生システムに用いられる、(1) 〜(9) のうちのいずれかに記載の光情報媒体。
【0021】
(11) 光情報媒体の記録/再生ビーム入射側表面に、微粒子状物質と前記微粒子状物質を分散可能な分散媒とを含む評価用分散液を付着させたとき、表面に付着した評価用分散液滴の最大径(ここで、径とは、表面に付着した評価用分散液滴の面積を測定し、その面積から、その評価用分散液滴が真円と仮定した場合の真円の直径である)が300μm以下である光情報媒体。
【0022】
(12) 記録/再生ビーム入射側表面における記録/再生ビームの最小径が500μmを超えるシステムに用いられる、(1) 又は(11)に記載の光情報媒体。
【0023】
(13) 光透過性支持基体の一方の面上に情報記録層と、情報記録層上の保護層とを少なくとも有し、支持基体の他方の面上に光透過性ハードコート層を有し、ハードコート層が記録/再生ビーム入射側とされる、(1) 、(11)又は(12)に記載の光情報媒体。
【0024】
(14) 青色レーザービームを用いた記録/再生システムに用いられる、(1) 及び(11)〜(13)のうちのいずれかに記載の光情報媒体。
【0025】
【発明の実施の形態】
まず、本発明で評価用分散液として用いられる新規な人工指紋液について説明する。
【0026】
本発明で用いられる人工指紋液は、微粒子状物質と、前記微粒子状物質を分散可能な分散媒とを含む。本明細書において、分散媒とは、評価対象となる光情報媒体の表面に転写した後に、疑似指紋成分として残留する液状成分のみを指し、人工指紋液を使用するに際して必要に応じて使用されることがあり、転写後に最終的にその大部分もしくは全部が留去される希釈剤とは区別する。
【0027】
前記分散媒は、25℃における表面張力が20〜50mNm−1の範囲内のものであることが好ましい。このような構成とすることにより、実際の指紋に可能な限り近い性状を有する人工指紋液となり、各種物体表面の防汚性、指紋付着性、又は指紋除去性を評価するために好適に用いることができる。
【0028】
この際、液体のみからなる均一成分系の人工指紋液を用いたのでは、実際の指紋の除去性を近似したことにはならない。例えば、均一系として、皮脂構成成分の一つであるトリオレインを用いた場合、トリオレインの25℃における表面張力は34mNm−1であるから、臨界表面張力が18mNm−1程度であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)表面であればトリオレインに濡れることなく、トリオレインを完全に弾く。しかしながら、実際の指紋は、たとえPTFE表面であっても、定着しないということはあり得ない。これは、主として、指紋が液体物質のみからなっておらず、不溶物及び粘性物質を含む不均一系からなっていることによる。従って、適切な不溶成分を、実際の指紋に含まれる液状成分及び/又はこれに類似する液体からなる分散媒に添加した不均一系を構成することにより、実際の指紋に可能な限り近い性状を有する人工指紋液が得られる。
【0029】
ここで、臨界表面張力について説明する。撥水性及び撥油性は、その物質の表面自由エネルギーの目安である臨界表面張力(γ/mNm−1)によって一義的に表わすことができる。臨界表面張力は接触角の実測値から求めることができる。具体的には、特定の物質からなる平滑表面における接触角(θ/rad)を、表面張力既知の数種の飽和炭化水素液体(表面張力:γ/mNm−1)について測定し、cosθとγとのプロットにおいてcosθ=1に外挿した値が前記特定の物質の臨界表面張力γである。ある物質が液体を弾くためには、その物質の臨界表面張力γが液体の表面張力γを下回っている必要がある。例えば、表面組成がメチレン鎖(−CH−)n から成っている物質のγは31mNm−1であり、従って、その物質は、温度20℃における表面張力γが73mNm−1である水は弾くが、表面張力γが28mNm−1であるn−ヘキサデカンに対しては完全に濡れ、接触角は0度になる。
【0030】
本発明で用いられる人工指紋液は、分散媒中に微粒子状物質を含む。実際の指紋に含まれる固体成分の大半は、ケラチンと呼ばれる蛋白質である。従って、最も単純には、ケラチンの微粉末を上記物性値を有する分散媒に添加、混合することにより、前記人工指紋液を調製できる。実際、水、オレイン酸、スクアレン、トリオレイン等の分散媒にケラチン微粉末を適当な比率で混合したものは、本発明の人工指紋液として有効に用い得る。しかしながら、一般的に入手可能なケラチンは著しく高価であり、大量に入手することは容易ではない。さらに、市販されているケラチンは、実際の指紋に含まれるケラチンと粒度分布が異なるため、必要に応じて予め粒度分布を揃えておく必要がある。従って、市販のケラチンを使う方法は、簡便さの点でも測定精度及びその再現性の点でも必ずしも好ましい方法とはいえない。
【0031】
ケラチンの有する問題点を解消するため、ケラチンの替わりに用いることができる微粒子状物質を本発明者らが探索した結果、上記物性値を有する分散媒に対して良好な濡れ性を有し、且つ実際の指紋成分に含まれるケラチンに近い粒子サイズを有する微粒子であれば、微粒子状物質として好適であることを見いだした。
【0032】
本発明で用いられる人工指紋液は、前記微粒子状物質として、無機微粒子及び有機微粒子から選ばれる少なくとも1種を含む。前記無機微粒子としては、特に限定されることなく、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化鉄微粒子、及び前記微粒子から選ばれる任意の2種以上の混合物が挙げられる。また、前記有機微粒子としては、特に限定されることなく、例えば、ケラチン微粒子、キチン微粒子、キトサン微粒子、アクリル系微粒子、スチレン系微粒子、ジビニルベンゼン系微粒子、ポリアミド系微粒子、ポリイミド系微粒子、ポリウレタン系微粒子、メラミン系微粒子、及び前記微粒子から選ばれる任意の2種以上の混合物が挙げられる。
【0033】
上記無機微粒子はいずれも、人工指紋液の構成成分としてケラチン微粒子と同等の効果を示し、且つケラチン微粒子より安価である。そのため、コスト低減および性能の安定化のために、全微粒子状物質を基準として、無機微粒子の含有量は50重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましく、100重量%であることも非常に好ましい。必要に応じ、ケラチン微粒子など、有機微粒子を併用するとよい。前記有機微粒子の中でも、アクリル系微粒子、スチレン系微粒子、ジビニルベンゼン系微粒子、ポリアミド系微粒子、ポリイミド系微粒子、ポリウレタン系微粒子、メラミン系微粒子等は、比較的安価であり好ましい。
【0034】
前記微粒子状物質は、100μm以下の平均粒径(すなわち中位径)を有することが好ましく、50μm以下の平均粒径を有することがより好ましい。無機成分を含む平均粒径100μm以下の微粒子状物質としては、例えば、JIS Z8901試験用粉体1及び2、ISO試験粉体12103−1、あるいは(社)日本粉体工業技術協会(APPIE)標準粉体などが挙げられる。上記いずれの試験用粉体も、粒径が揃っており、比較的安価に入手できることから好適である。JIS Z8901試験用粉体1の中でも好ましいものとして、関東ロームが挙げられる。また、上記各試験用粉体そのものに限らず、上記各試験用粉体が含有する無機微粒子の少なくとも1種、例えばSiO、Fe、Al等の各種酸化物微粒子などから少なくとも1種を選択して用いてもよい。なお、前記微粒子状物質の平均粒径は、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.5μm以上である。従って、前記微粒子状物質の平均粒径は、0.05μm以上30μm以下が好ましく、0.5μm以上10μm以下がより好ましい。前記微粒子状物質が大きすぎても小さすぎても、実際の指紋に含有されるケラチンの代替品としての十分な機能を発揮できにくくなる。
【0035】
また、前記微粒子状物質は、25℃における臨界表面張力が、用いる分散媒の25℃における表面張力よりも大きいことが好ましく、かつ、前記臨界表面張力が好ましくは40mNm−1以上、より好ましくは50mNm−1以上であることが望ましい。無機微粒子として例示した前記各粒子はいずれも、臨界表面張力に関しこのような望ましい性質を備える。
【0036】
本発明において、分散媒としては、25℃における表面張力が20〜50mNm−1の範囲内であり、200℃における飽和蒸気圧が760mmHg(101325Pa)以下である液体が好ましく用いられる。人間の汗や皮脂を構成する液体又はそれに近い性状を有する液体は、通常このような物性値を有する。従って、本発明において、人工指紋液の分散媒として前記物性値を有する液体を用いるとよい。25℃における表面張力が20mNm−1未満であると、評価対象物体表面に対する濡れ性が高くなり過ぎ、実際の指紋と比べて著しく物体表面に付着しやすく且つ除去し難くなる。一方、25℃における表面張力が50mNm−1を超えると、評価対象物体表面に対する濡れ性が低下し、実際の指紋と比べて著しく物体表面に付着し難く且つ除去しやすくなる。
【0037】
また、200℃における飽和蒸気圧が760mmHg(101325Pa)を超えると、評価対象物体表面への指紋付着後に徐々に分散媒が揮発し、付着した人工指紋の状態が短時間のうちに変化してしまうことがある。評価対象物体表面への指紋付着後に分散媒がどの程度揮発しやすいかは、評価対象物体表面の温度や、人工指紋液の使用環境温度等にも影響される。
【0038】
本発明において、分散媒として用いられる液体は、25℃における粘度が好ましくは500cP以下、より好ましくは0.5〜300cP、さらに好ましくは5〜250cPであることが望ましい。このような粘度を有することにより、評価対象物体表面への指紋付着後においても、微粒子状物質を良好に分散し、対象物体表面へ定着させやすい。
【0039】
前記分散媒としては、特に限定されないが、高級脂肪酸、高級脂肪酸の誘導体、テルペン類、及びテルペン類の誘導体等が挙げられる。高級脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の種々のものが挙げられる。高級脂肪酸の誘導体としては、エステル誘導体が挙げられ、例えばジグリセリド誘導体、トリグリセリド誘導体(例えばトリオレイン)が挙げられる。テルペン類としては、種々のテルペン類が挙げられ、例えばスクアレン、リモネン、α−ピネン、β−ピネン、カンフェン、リナロール、テルピネオール、カジネン等が挙げられる。これらの中から、少なくとも1種を選び、単独で又は2種以上を混合して用いるとよい。また、これらの1種又は2種以上と、水とを混合して用いることも好ましい。
【0040】
本発明において、前記微粒子状物質と前記分散液との適当な混合比率は、後述する評価対象物体表面への人工指紋液の付着方法などにも依存するため、一概に規定することはできない。しかしながら、一般的には、重量比で、前記分散媒1に対し、前記微粒子状物質を0.1〜5.0添加することが好ましく、0.1〜3.0添加することがより好ましく、0.2〜1.0添加することが最も好ましい。分散媒に対する微粒子状物質の混合比が低すぎても高すぎても、人工指紋液として有効に機能しにくくなる。微粒子の大きさや分散媒の粘度にもよるが、前記微粒子状物質が0.1未満であると、微粒子状物質の添加効果が得られず、人工指紋液が評価対象物体表面に定着し難くなるか、又は定着しても容易に除去されてしまう傾向にある。一方、前記微粒子状物質を5.0を超えて添加すると、分散媒による評価対象物体表面への液架橋効果が低下し、人工指紋液が定着し難くなる傾向にある。
【0041】
前述したが、前記分散媒とは、評価対象物体表面に転写した後に、疑似指紋成分として残留する液状成分のみを指し、後述する希釈剤を含まない。
【0042】
本発明において、これら常温で液体である分散媒成分に、ワックス、すなわち高級脂肪酸と一価アルコールとのエステルを添加し、増粘しておくことも好ましい。ワックスとしては、例えば、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、オウリキュリーワックス、ライスワックス、砂糖ロウ、木ロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、シナ昆虫ロウ、セラックロウ、モンタンロウ等の天然ワックスのほか、ステアリン酸コレステリル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル等の合成ワックスを用いることができる。上記の各種ワックスの添加比率は、評価対象物体の特性、例えば光ディスクの記録/再生光学系の特性や、評価の目的等に応じて適宜定めればよい。
【0043】
また、人工指紋液に、カラギナン、アラビアガム、キサンタンガム、ガラクトマンナン、ペクチン等の一般的な増粘剤を添加してもよい。さらに、微粒子状物質の分散性を向上させるために、四級アンモニウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等の各種界面活性剤を添加してもよい。
【0044】
本発明において、人工指紋転写性の向上などのために、必要に応じて、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、メトキシプロパノール等の希釈剤で人工指紋液を希釈してもよい。これらの希釈剤は、評価対象の光ディクスの表面への転写後に最終的にその大部分もしくは全部が留去されるものである。希釈剤は、通常、200℃における飽和蒸気圧が760mmHg(101325Pa)を超えるものである。また、人工指紋液には、エタノールや流動パラフィン等を適宜添加しても差し支えない。
【0045】
以上のようにして、本発明で用いられる人工指紋液が構成される。次に、前記人工指紋液を評価対象の光ディスクの記録/再生ビーム入射側表面に擬似指紋として転写させる方法について説明する。
【0046】
本発明において、前記人工指紋液を評価対象の光情報媒体の表面に付着させるに際しては、エラストマーからなる擬似指紋転写材を用いることが好ましい。具体的には、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴム等からなる擬似指紋転写材を作製し、これを用いることが好ましい。前記擬似指紋転写材は、実際に人の指から型をとり、正確に指紋パターンを模した形状としてもよいが、より簡便には、JIS K2246−1994で規定される人工指紋液プリント用のゴム栓を用いることが好ましい。すなわち、No.10のゴム栓の小さい円面(直径約26mm)を、JIS R6251又はJIS R6252に規定するAA240の研磨材又はそれと同等性能を有する研磨材で擦って粗面化したものを擬似指紋転写材として用いることができる。ただし、実質的に上記と同等の擬似指紋転写性が得られるものであれば、特に前掲の材料に限定されず好適に用いることができる。また、現実の指紋に近い寸法とするためには上述のゴム栓よりも径の小さいもの、具体的には直径8〜25mmのゴム栓を用いることが好ましく、直径8〜20mmのゴム栓を用いることがより好ましい。
【0047】
このような擬似指紋転写材を用いて、前記人工指紋液を光ディクスの表面に擬似指紋として転写させる方法は、評価目的に応じて適宜定めることができる。例えば、擬似指紋パターン転写用の原版をあらかじめ作製しておき、この原版から、光ディクスの表面に、前記ゴム栓を用いて擬似指紋として転写することができる。具体的には、前記人工指紋液を、ガラスや樹脂からなる剛性基板上に均一に塗布する。この際の塗布方法としては、スピンコート法やディップコート法などの種々の塗布方法の中から適切な手法を用いればよい。人工指紋液を基板上に塗布する際には、良好な塗布性を得るために、イソプロピルアルコールやメチルエチルケトンなどの適当な有機溶媒で希釈しても差し支えない。これらの希釈剤は、塗布の後に、風乾もしくは加熱乾燥などによって留去すればよい。このようにして、人工指紋液が均一に塗布された基板を作成して、擬似指紋パターン転写用の原版とする。
【0048】
この原版の人工指紋液が塗布された表面に、前記の擬似指紋転写材を27N〜35Nの一定荷重で押し当て、人工指紋液成分を転写材に移行させる。その後、人工指紋液成分が移行した転写材を光ディクスの表面に27N〜35Nの一定荷重で押し当て、擬似指紋パターンを光ディクスの表面に転写する。
【0049】
本発明において、人工指紋液及び転写方法の好ましい態様は以下の通りである。
【0050】
人工指紋液としては、微粒子状物質として平均粒径0.5μm以上10μm以下の関東ローム(JIS Z8901試験用粉体)をトリオレインに対して0.2〜1.0の重量比で添加したものに、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、メトキシプロパノールの中から選ばれる希釈剤を添加したものが好ましい。
【0051】
転写材としては、直径8〜20mmのゴム栓の円面を、JIS R6251又はJIS R6252に規定するAA240の研磨材、又はそれと同等性能を有する研磨材で擦って粗面化したものが好ましい。
【0052】
転写方法としては、人工指紋液を剛性基板上に均一に塗布し加熱して希釈溶剤を留去して作製された原版の、人工指紋液が塗布された表面に転写材を27N〜35Nの一定荷重で押し当て、人工指紋液成分を転写材に移行させ、その後、人工指紋液成分が移行した転写材を光ディクスの表面に27N〜35Nの一定荷重で押し当て、擬似指紋パターンを光ディクスの表面に転写することが好ましい。
【0053】
以上に述べた方法を用いることにより、光ディクスの記録/再生ビーム入射側表面への人工指紋液付着が再現性よく得られる。
【0054】
本発明においては、上記のように一定条件で光ディクスの記録/再生ビーム入射側表面へ人工指紋液を付着させ、表面に付着した人工指紋液滴の状態を観察する。
【0055】
人工指紋液滴の状態の観察としては、例えば、
▲1▼ 表面の単位面積当たりに付着した人工指紋液滴が占める面積割合の測定、
▲2▼ 表面に付着した人工指紋液滴の径の測定、
▲3▼ 表面の単位面積当たりに付着した人工指紋液滴の数の測定、及び
▲4▼ 表面に付着した人工指紋液滴の周囲長と面積との関係(いわゆる円形度)の測定
が挙げられる。
【0056】
1. 記録/再生ビーム入射側表面における記録/再生ビームの最小径が500μm以下となる光情報媒体:
まず、記録/再生ビーム入射側表面における記録/再生ビームの最小径が500μm以下となる光情報媒体について説明する。このような光情報媒体では、使用に際して記録/再生ビーム入射側表面に指紋等が付着すると、トラッキングできなくなるという不都合が特に起こりやすい。
【0057】
本発明の光情報媒体の構成例を図1に示す。この光情報媒体は記録媒体であり、比較的剛性の高い支持基体(20)上に情報記録層としての記録層(4) を有し、記録層(4) 上に光透過層(7) を有し、光透過層(7) 上に光透過性ハードコート層(8) を有する。ハードコート層(8) が記録/再生ビーム入射側とされ、記録又は再生のためのレーザービームはハードコート層(8) 及び光透過層(7) を通して記録層(4) に入射する。光透過層(7) の厚さは、ハードコート層(8) を含めて、好ましくは30〜300μm、より好ましくは70〜150μmである。このような光情報媒体は、ハードコート層(8) 側の鉛筆硬度試験でB以上の硬さを有する。
【0058】
指紋付着による記録/再生特性への影響は、媒体のレーザービーム入射側表面におけるレーザービームの直径(ビーム断面が楕円の場合は最小径)に依存し、この直径が小さいと、エラー訂正が不可能な連続エラーが生じるなど、影響が大きくなる。本発明者らの研究によれば、媒体の入射側表面におけるレーザービームの直径が500μm以下、特に300μm以下であると、媒体の取り扱いの際に指紋が付着したときの記録/再生特性への悪影響が顕著となることが分かった。なお、媒体のレーザービーム入射側表面におけるレーザービームの直径は、図1における光透過層(7) の厚さをt、光透過層(7) の屈折率をnとし、記録/再生光学系の対物レンズの開口数をNAとしたとき、
2t・tan{sin−1(NA/n)}
で表される。
【0059】
本発明は、記録層の種類によらず適用できる。すなわち、例えば、相変化型記録媒体であっても、ピット形成タイプの記録媒体であっても、光磁気記録媒体であっても適用できる。なお、通常は、記録層の少なくとも一方の側に、記録層の保護や光学的効果を目的として誘電体層や反射層が設けられるが、図1では図示が省略されている。また、本発明は、図示するような記録可能タイプに限らず、再生専用タイプにも適用可能である。その場合、支持基体(20)と一体的にピット列が形成され、そのピット列を被覆する反射層(金属層又は誘電体多層膜)が、情報記録層を構成する。
【0060】
本発明の相変化型記録媒体の場合の光情報媒体について説明する。
図2は、本発明の光ディスクの一例の概略断面図である。図2において、光ディスク(1) は、支持基体(20)の情報ピットやプリグルーブ等の微細凹凸が形成されている側の面上に、反射層(3) 、第2誘電体層(52)、相変化記録材料層(4) 及び第1誘電体層(51)をこの順で有し、第1誘電体層(51)上に光透過層(7) を有し、光透過層(7) 上にハードコート層(8) を有する。この例では、反射層(3) 、第2誘電体層(52)、相変化記録材料層(4) 及び第1誘電体層(51)が情報記録層を構成する。光ディスク(1) は、ハードコート層(8) 及び光透過層(7) を通して、記録又は再生のためのレーザー光が入射するように使用される。
【0061】
支持基体(20)は、厚さ0.3〜1.6mm、好ましくは厚さ0.5〜1.3mmであり、記録層(4) が形成される側の面に、情報ピットやプリグルーブ等の微細な凹凸が形成されている。
【0062】
支持基体(2) としては、上記のように光透過層(7) 側からレーザー光が入射するように使用されるので光学的に透明である必要はないが、透明な材料としては、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリオレフィン樹脂等の各種プラスチック材料等が使用できる。このように撓み易い材料を用いた場合に、ディスク反りの発生を抑えることができるので特に有効である。但し、ガラス、セラミックス、金属等を用いても良い。凹凸パターンは、プラスチック材料を用いる場合には、射出成形することにより作成されることが多く、プラスチック材料以外の場合には、フォトポリマー法(2P法)によって成形される。
【0063】
支持基体(20)上には、通常、反射層(3) がスパッタリング法により形成される。反射層の材料としては、金属元素、半金属元素、半導体元素又はそれらの化合物を単独あるいは複合させて用いる。具体的には、例えばAu、Ag、Cu、Al、Pd等の周知の反射層材料から選択すればよい。反射層は、厚さ20〜200nmの薄膜として形成することが好ましい。
【0064】
反射層(3) 上に、あるいは反射層のない場合には支持基体(20)上に直接、第2誘電体層(52)、相変化記録材料層(4) 、第1誘電体層(51)がこの順でスパッタリング法により形成される。
【0065】
相変化記録材料層(4) は、レーザー光照射によって結晶状態とアモルファス状態とに可逆的に変化し、両状態の間で光学特性が異なる材料により形成される。例えば、Ge−Sb−Te、In−Sb−Te、Sn−Se−Te、Ge−Te−Sn、In−Se−Tl、In−Sb−Te等が挙げられる。さらに、これらの材料に、Co、Pt、Pd、Au、Ag、Ir、Nb、Ta、V、W、Ti、Cr、Zr、Bi、In等から選ばれる金属のうちの少なくとも1種を微量に添加してもよく、窒素等の還元性ガスを微量に添加してもよい。記録材料層(4) の厚さは、特に限定されることなく、例えば、3〜50nm程度である。
【0066】
第2誘電体層(52)及び第1誘電体層(51)は、記録材料層(4) の上下両面側にこれを挟んで形成される。第2誘電体層(52)及び第1誘電体層(51)は、記録材料層(4) の機械的、化学的保護の機能と共に、光学特性を調整する干渉層としての機能を有する。第2誘電体層(52)及び第1誘電体層(51)はそれぞれ、単層からなっていてもよく、複数層からなっていてもよい。
【0067】
第2誘電体層(52)及び第1誘電体層(51)はそれぞれ、Si、Zn、Al、Ta、Ti、Co、Zr、Pb、Ag、Zn、Sn、Ca、Ce、V、Cu、Fe、Mgから選ばれる金属のうちの少なくとも1種を含む酸化物、窒化物、硫化物、フッ化物、あるいはこれらの複合物から形成されることが好ましい。また、第2誘電体層(52)及び第1誘電体層(51)のそれぞれの消衰係数kは、0.1以下であることが好ましい。
【0068】
第2誘電体層(52)の厚さは、特に限定されることなく、例えば、20〜150nm程度が好ましい。第1誘電体層(51)の厚さは、特に限定されることなく、例えば、20〜200nm程度が好ましい。両誘電体層(52)(51)の厚さをこのような範囲で選択することにより、反射の調整ができる。
【0069】
第1誘電体層(51)上に、光透過層(7) を活性エネルギー線硬化性樹脂を用いて、あるいはポリカーボネートシート等の光透過性シートを用いて形成する。
【0070】
光透過層(7) に用いる活性エネルギー線硬化性樹脂としては、光学的に透明で、使用されるレーザー波長領域での光学吸収や反射が少なく、複屈折が小さいことを条件として、紫外線硬化型樹脂及び電子線硬化型樹脂から選択する。
【0071】
具体的には、紫外線(電子線)硬化性化合物やその重合用組成物から構成されることが好ましい。このようなものとしては、アクリル酸やメタクリル酸のエステル化合物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートのようなアクリル系二重結合、ジアリルフタレートのようなアリル系二重結合、マレイン酸誘導体等の不飽和二重結合等の紫外線照射によって架橋あるいは重合する基を分子中に含有又は導入したモノマー、オリゴマー及びポリマー等を挙げることができる。これらは多官能、特に3官能以上であることが好ましく、1種のみ用いても2種以上併用してもよい。また、単官能のものを必要に応じて用いてもよい。
【0072】
紫外線硬化性モノマーとしては、分子量2000未満の化合物が、オリゴマーとしては分子量2000〜10000のものが好適である。これらはスチレン、エチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート等も挙げられるが、特に好ましいものとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ) アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ) アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ) アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ) アクリレート、フェノールエチレンオキシド付加物の(メタ) アクリレート等が挙げられる。この他、紫外線硬化性オリゴマーとしては、オリゴエステルアクリレートやウレタンエラストマーのアクリル変性体等が挙げられる。
【0073】
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、公知の光重合開始剤を含んでもよい。光重合開始剤は、活性エネルギー線として電子線を用いる場合には特に必要はないが、紫外線を用いる場合には必要となる。光重合開始剤は、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系等の通常のものから適宜選択すればよい。光重合開始剤のうち、光ラジカル開始剤としては、例えば、ダロキュア1173、イルガキュア651 、イルガキュア184 、イルガキュア907 (いずれもチバスペシャルティケミカルズ社製)が挙げられる。光重合開始剤の含有量は、例えば、前記活性エネルギー線硬化性成分に対して、0.5〜5重量%程度である。
【0074】
また、紫外線硬化性材料としては、エポキシ樹脂及び光カチオン重合触媒を含有する組成物も好適に使用される。エポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ樹脂が好ましく、特に、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものが好ましい。脂環式エポキシ樹脂としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ビニルシクロヘキセンジオキシド等の1種以上が好ましい。脂環式エポキシ樹脂のエポキシ当量に特に制限はないが、良好な硬化性が得られることから、60〜300、特に100〜200であることが好ましい。
【0075】
光カチオン重合触媒は、公知のいずれのものを用いてもよく、特に制限はない。例えば、1種以上の金属フルオロホウ酸塩及び三フッ化ホウ素の錯体、ビス(ペルフルオロアルキルスルホニル)メタン金属塩、アリールジアゾニウム化合物、6A族元素の芳香族オニウム塩、5A族元素の芳香族オニウム塩、3A族〜5A族元素のジカルボニルキレート、チオピリリウム塩、MF6 アニオン(ただしMは、P、As又はSb)を有する6A族元素、トリアリールスルホニウム錯塩、芳香族イオドニウム錯塩、芳香族スルホニウム錯塩等を用いることができ、特に、ポリアリールスルホニウム錯塩、ハロゲン含有錯イオンの芳香族スルホニウム塩又はイオドニウム塩、3A族元素、5A族元素及び6A族元素の芳香族オニウム塩の1種以上を用いることが好ましい。光カチオン重合触媒の含有量は、例えば、前記活性エネルギー線硬化性成分に対して、0.5〜5重量%程度である。
【0076】
この光透過層に用いる活性エネルギー線硬化性樹脂としては、1,000 〜10,000cpの粘度(25℃)を有するものが好ましい。
【0077】
光透過層(7) の形成において、第1誘電体層(51)上への活性エネルギー線硬化性樹脂の塗布はスピンコーティング法により行うとよい。光透過層(7) の厚さは、例えば、硬化後において、10〜300μm程度、好ましくは20μm以上200μm以下、とりわけ70μm以上150μm以下、より特別に75μm以上150μm以下とするとよい。紫外線を照射して、硬化させるとよい。この際の紫外線照射を複数回に分けて行ってもよい。また、活性エネルギー線硬化性樹脂の塗布操作を複数回に分けて行ってもよく、各塗布操作の後に紫外線照射を行ってもよい。紫外線照射を複数回に分けて行い樹脂を段階的に硬化させることで、一度にディスクにたまる硬化収縮による応力を小さくすることが可能となり、最終的にディスクにたまる応力が小さくなる。その結果、光透過層(7) の厚さが上記のように厚い場合であっても、機械特性に優れたディスクを作成することができるので好ましい。
【0078】
あるいは、本発明において、光透過性樹脂シートを用いて光透過層を形成することもできる。この場合には、第1誘電体層(51)上に、光透過層用と同様の活性エネルギー線硬化性樹脂を塗布し、未硬化の樹脂層を形成する。未硬化の樹脂層上に、光透過層(7) としての光透過性シートを載置し、その後、紫外線等の活性エネルギー線を照射して樹脂層を硬化することにより、光透過性シートを接着し光透過層(7) とする。この樹脂層に用いる活性エネルギー線硬化性樹脂としては、3〜500cpの粘度(25℃)を有するものが好ましい。樹脂層の塗布はスピンコーティング法により行うとよい。樹脂層の厚さは、例えば、硬化後において、1〜50μm程度とするとよい。
【0079】
光透過性シートとしては、例えば、50〜300μmから選ばれる所望の厚さを有するポリカーボネートシートが用いられる。光透過層(7) の形成は、より具体的には、真空中(0.1気圧以下)において、所望厚さのポリカーボネートシートを、未硬化の樹脂層上に載置し、次いで、大気圧雰囲気に戻し、紫外線を照射して樹脂層を硬化させる。
【0080】
光透過層(7) 上に、活性エネルギー線硬化性のハードコート剤組成物を塗布し、紫外線、電子線、可視光等の活性エネルギー線を照射してハードコート剤を硬化して、ハードコート層(8) を形成する。ハードコート剤組成物は、(A)平均粒子径100nm以下の無機微粒子と、(B)活性エネルギー線硬化性のシリコーン系化合物及び/又はフッ素系化合物と、(C)活性エネルギー線硬化性樹脂とを含むことが好ましい。ハードコート剤組成物の各成分について説明する。
【0081】
ハードコート剤組成物に含まれる活性エネルギー線硬化性樹脂(C)は、(メタ)アクリロイル基、ビニル基及びメルカプト基の中から選択される少なくとも1つの活性基を有する化合物であれば、特にその構造は限定されない。活性エネルギー線硬化性樹脂は、ハードコートとして十分な硬度を得るため、1つの分子内に2つ以上、好ましくは3つ以上の重合性基を含む多官能モノマーもしくはオリゴマーを含んでいることが好ましい。多官能モノマーもしくはオリゴマを多く用い過ぎるとハードコートの硬度は高くなるが、硬化収縮が大きくなり、ディスクの反りが大きくなるので、注意を要する。
【0082】
このような活性エネルギー線重合性樹脂のうち、(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、エステルアクリレート等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0083】
また、ビニル基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ヒドロキノンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンポリビニルエーテル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0084】
また、メルカプト基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコールビス(チオグリコレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0085】
ハードコート剤組成物に含まれる活性エネルギー線硬化性樹脂としては、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0086】
ハードコート剤組成物に含まれる無機微粒子(A)は、ハードコート層の透明性を確保するために平均粒子径100nm以下、好ましくは20nm以下のものである。無機微粒子(A)の平均粒子径は、コロイド溶液製造上の制約から、好ましくは5nm以上である。
【0087】
(A)無機微粒子は、例えば、金属(又は半金属)酸化物の微粒子、又は金属(又は半金属)硫化物の微粒子である。無機微粒子の金属又は半金属としては、例えば、Si、Ti、Al、Zn、Zr、In、Sn、Sb等が挙げられる。また、酸化物、硫化物の他に、Se化物、Te化物、窒化物、炭化物を用いることもできる。無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の微粒子が挙げられ、シリカ微粒子が好ましい。このような無機微粒子をハードコート剤組成物に添加しておくことにより、ハードコート層の耐摩耗性をより高めることができる。
【0088】
前記シリカ微粒子の中でも、活性エネルギー線反応性基を有する加水分解性シラン化合物によって表面修飾されたものが好ましく用いられる。このような反応性シリカ微粒子は、ハードコートを硬化させる際の活性エネルギー線照射によって、架橋反応を起こし、ポリマーマトリクス中に固定される。このような反応性シリカ微粒子として、例えば特開平9−100111号公報に記載された反応性シリカ粒子があり、本発明において好ましく用いることができる。
【0089】
(B)活性エネルギー線硬化性のシリコーン系化合物及び/又はフッ素系化合物は、ハードコート層表面に撥水性及び/又は潤滑性を賦与するために用いられる。撥水性及び/又は潤滑性を賦与するための置換基として、シリコーン系置換基及び/又はフッ素系置換基が挙げられる。また、活性エネルギー線重合性の反応性基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基及びメルカプト基等の活性エネルギー線ラジカル重合性反応性基や、環状エーテル基及びビニルエーテル基等の活性エネルギー線カチオン重合性反応性基が挙げられる。このようなラジカル重合性反応性基又はカチオン重合性反応性基を有するシリコーン系化合物、又はフッ素系化合物を用いることができる。
【0090】
シリコーン系化合物としては、シリコーン系の置換基を有する部位と、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、メルカプト基、環状エーテル基及びビニルエーテル基の中から選択される少なくとも1つの反応性基とを有する化合物が挙げられ、より詳細には、例えば下記式(1)から(3)に示す化合物が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0091】
R−〔Si(CHO〕n−R (1)
R−〔Si(CHO〕n−Si(CH (2)
(CHSiO−〔Si(CHO〕n−〔Si(CH)(R)O〕m−Si(CH (3)
(ここで、Rは、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、メルカプト基、環状エーテル基及びビニルエーテル基の中から選択される少なくとも1つの反応性基を含む置換基であり、n、mは重合度である)
【0092】
フッ素系化合物としては、フッ素系(メタ)アクリレート化合物が挙げられ、具体的には、例えば、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−5− メチルヘキシル)−2− ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルオクチル)エチル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチル(メタ)アクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート等のフッ化アクリレートが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。例えば、(メタ)アクリレート基が導入されたパーフルオロポリエーテルなどの高分子化合物、あるいは(メタ)アクリレート基の代わりにビニル基又はメルカプト基を有するフッ素系化合物等も好ましく用いることができる。
【0093】
また、フッ素系化合物としては、フッ素系置換基を有する部位と、環状エーテル基及びビニルエーテル基の中から選択される少なくとも1つの反応性基とを有する化合物が挙げられる。具体的には、3−(1H,1H−パーフルオロオクチロキシ)−1,2− エポキシプロパン、3−(1H,1H−パーフルオロノニロキシ)−1,2− エポキシプロパン、3−(1H,1H−パーフルオロデシロキシ)−1,2− エポキシプロパン、3−(1H,1H−パーフルオロウンデシロキシ)−1,2− エポキシプロパン、3−(1H,1H−パーフルオロテトラデシロキシ)−1,2− エポキシプロパン、3−(1H,1H−パーフルオロヘキサデシロキシ)−1,2− エポキシプロパン、1H,1H,6H,6H−パーフルオロ−1,6− ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1H,1H,8H,8H−パーフルオロ−1,8− オクタンジオールジグリシジルエーテル、1H,1H,9H,9H−パーフルオロ−1,9− ノナンジオールジグリシジルエーテル、1H,1H,10H,10H−パーフルオロ−1,10−デカンジオールジグリシジルエーテル、1H,1H,12H,12H−パーフルオロ−1,12−ドデカンジオールジグリシジルエーテル、Fombrin Z DOL (アルコール変性パーフルオロポリエーテル(アウジモント社製))のジグリシジルエーテル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。例えば、反応性基として3,4−エポキシシクロヘキシル基等の脂環エポキシ基や、ビニルエーテル基を有する化合物も好ましく用いることができる。
【0094】
本発明において、前記ハードコート剤組成物は、前記(A)、(B)及び(C)の総和を基準として、(A)無機微粒子5重量%以上80重量%以下と、(B)シリコーン系化合物及び/又はフッ素系化合物0.01重量%以上1重量%以下と、(C)活性エネルギー線硬化性樹脂19重量%以上94.99重量%以下とを含むことが好ましい。無機微粒子(A)を80重量%よりも多く含有させると、ハードコート層の膜強度が弱くなりやすく、一方、5重量%未満では、ハードコート層の耐摩耗性向上効果が弱い。シリコーン系化合物及び/又はフッ素系化合物(B)を1重量%よりも多く含有させると、潤滑性は向上するがハードコート層の硬さが低くなりやすく、一方、0.01重量未満では、潤滑性向上効果が弱い。前記ハードコート剤組成物におけるより好ましい配合割合は、前記(A)、(B)及び(C)の総和を基準として、(A)無機微粒子10重量%以上60重量%以下、(B)シリコーン系化合物及び/又はフッ素系化合物0.01重量%以上1重量%以下、(C)活性エネルギー線硬化性樹脂39重量%以上89.99重量%以下である。特に、(B)シリコーン系化合物及び/又はフッ素系化合物が0.025重量%以上0.3重量%以下含まれると、本発明に合致する光情報媒体を得やすく、0.15重量%以上0.25重量%以下含まれることが最も好ましい。
【0095】
ハードコート剤組成物は、上述したような公知の光重合開始剤を含んでもよい。光重合開始剤は、活性エネルギー線として電子線を用いる場合には特に必要はないが、紫外線を用いる場合には必要となる。光重合開始剤の含有量は、例えば、ハードコート剤組成物中において、前記(A)、(B)及び(C)の総和に対して、0.5〜5重量%程度である。
【0096】
また、ハードコート剤組成物はさらに、必要に応じて、非重合性の希釈溶剤、有機フィラー、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、レベリング剤、顔料、ケイ素化合物などを含んでいても差し支えない。
【0097】
本発明において、光透過層(7) 上に、前記ハードコート剤組成物を塗布して未硬化のハードコート剤組成物層を形成し、その後、活性エネルギー線を照射してハードコート剤組成物層を硬化して、ハードコート層(8) とする。塗布方法は、限定されることなく、スピンコート法、ディップコート法、グラビアコート法等の各種塗布方法を用いるとよい。あるいは、光透過層(7) として光透過性シートを使用する場合、長尺状の光透過性シート原反に予め上記と同様の方法でハードコート層(8) を形成しておき、この原反をディスク形状に打ち抜いた後、前記のように未硬化の樹脂層上に載置し樹脂層を硬化させてもよい。
【0098】
前記ハードコート剤組成物が非反応性希釈有機溶剤を含んでいる場合には、前記ハードコート剤組成物を塗布して未硬化のハードコート剤組成物層を形成した後、非反応性有機溶剤を加熱乾燥により除去し、その後、活性エネルギー線を照射してハードコート剤組成物層を硬化して、ハードコート層(8) とする。希釈有機溶剤を用いてハードコート剤を塗布して、有機溶剤を加熱乾燥により除去することにより、反応性シリコーンが未硬化のハードコート剤組成物層の表面近傍により多く集まりやすくなり、硬化後のハードコート層(8) の表面近傍により多くシリコーンが存在することになり、より大きな潤滑性向上効果が得られ易い。この際の加熱乾燥としては、例えば、温度40℃以上100℃以下が好ましい。非反応性希釈有機溶剤としては、特に限定されないが、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコール等が用いられる。活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、可視光などの活性エネルギー線の中から適切なものを選択して用いればよいが、好ましくは紫外線又は電子線を用いる。硬化後のハードコート(8) の膜厚は、0.5〜5μm程度とする。
【0099】
また、本発明において、光情報媒体は、ハードコート層(8) 上にさらに、活性エネルギー線硬化性のシリコーン系化合物及び/又はフッ素系化合物を主成分とする組成物の塗布・硬化物からなる表面薄層を有していてもよい。表面薄層の厚さは、例えば1nm〜100nmである。表面薄層により、防汚性がさらに向上する。このような表面薄層を形成する場合には、ハードコート層(8) 用のハードコート剤組成物中にシリコーン系化合物及び/又はフッ素系化合物(B)を含んでいてもよいし、あるいは含まなくてもよい。
【0100】
以上のように、記録/再生ビーム入射側表面における記録/再生ビームの最小径が500μm以下となる光情報媒体として、図2に例示する相変化型光記録ディスクが得られる。
【0101】
(表面の単位面積当たりに付着した人工指紋液滴が占める面積割合の測定)
光ディスクの表面に付着した人工指紋液滴の状態を光学顕微鏡にて観察し、その画像をコンピュータ内に取り込み、画像処理によって人工指紋液滴が占める面積の割合を測定する。画像処理で、人工指紋液滴付着部分と付着していない部分を2値に分け、それらの面積をそれぞれ測定するだけの簡単な作業によって得ることができる。
【0102】
表面に付着した5μm未満の径の人工指紋液滴は、レーザーのスポット径との関係から考えてトラッキングに悪影響を及ぼす可能性は非常に小さい。そのため、5μm未満の径の人工指紋液滴は便宜的に無視して(すなわち、人工指紋液滴の付着していない部分として)、上記の測定を行ってもよい。ここで、人工指紋液滴の径とは、表面に付着した人工指紋液滴の面積を測定し、その面積から、その人工指紋液滴が真円と仮定した場合の真円の直径である。
【0103】
実施例で示した人工指紋液を用いた場合には、人工指紋液滴が占める面積の割合が25%を超えると、トラッキングが破綻することが確認された。従って、本発明の光情報媒体は、表面の単位面積当たりに付着した5μm以上の径の人工指紋液滴が占める面積割合が25%以下であり、好ましくは20%以下である。
【0104】
(表面に付着した人工指紋液滴の径の測定)
良好にトラッキングが追従するために、実施例で示した人工指紋液を用いた場合には、表面に付着した人工指紋液滴の最大径が75μm以下であることが必要である。従って、本発明の光情報媒体は、人工指紋液滴の最大径が75μm以下である。
【0105】
(表面の単位面積当たりに付着した人工指紋液滴の数の測定)
良好にトラッキングが追従するために、実施例で示した人工指紋液を用いた場合には、表面に付着した20μm以上75μm以下の人工指紋液滴に着目し、その数を測定すると良い。この際に、75μmを超える径の人工指紋液滴が存在しないことは言うまでもない。表面の500μm×500μmの面積当たりに付着した人工指紋液滴の数が100個以下であることが必要である。従って、本発明の光情報媒体は、表面の500μm×500μmの面積当たりに付着した20μm以上75μm以下の径の人工指紋液滴の数が100個以下である。当然であるが、平均の液滴径が小さく、液滴数も少ないことが理想的な状態である。
【0106】
(表面に付着した人工指紋液滴の円形度の測定)
光ディスクの表面に付着した人工指紋液滴の歪みが大きいほど、人工指紋液滴の径が大きくなる傾向にあり、また液滴数も多くなることがわかった。光ディスク表面が液滴を弾くエネルギーと液滴の表面張力(微粒子も含む総合的な表面張力であって、人工指紋液の分散媒である液体の表面張力ではない)との関係で、人工指紋液滴の歪みが生じる。
【0107】
実施例で示した人工指紋液を用いた場合には、円形度(=4π×面積/(周囲長))を測定した時に、円形度の平均値が0.75以上であると、液滴の径の大きさ、数、さらには液滴の占める面積が好ましい範囲に収まり、トラッキングが良好に追従することがわかった。従って、本発明の光情報媒体は、表面に付着した20μm以上の径の人工指紋液滴の円形度の平均値が0.75以上、好ましくは0.80以上、さらに好ましくは0.90以上である。また、円形度の最小値としては、0.75以上が好ましい。
【0108】
表面に付着した20μm未満の径の人工指紋液滴は、レーザーのスポット径との関係から考えてトラッキングに悪影響を及ぼす可能性は非常に小さい。そのため、20μm未満の径の人工指紋液滴は便宜的に無視してよい。
【0109】
以上のように、記録/再生ビーム入射側表面における記録/再生ビームの最小径が500μm以下となる本発明の光情報媒体は、
▲1▼ 人工指紋液滴が占める面積割合
▲2▼ 人工指紋液滴の径
▲3▼ 人工指紋液滴の数
▲4▼ 人工指紋液滴の円形度
において、特定の値のものであり、表面の防汚性に優れ、トラッキングが良好に追従する。
【0110】
2. 記録/再生ビーム入射側表面における記録/再生ビームの最小径が500μmを超える光情報媒体:
次に、記録/再生ビーム入射側表面における記録/再生ビームの最小径が500μmを超える光情報媒体について説明する。このような光情報媒体においても、使用に際して記録/再生ビーム入射側表面に指紋等が付着すると、トラッキングできなくなるという不都合が起こりやすい。
【0111】
本発明の光情報媒体の構成例を図3に示す。図3に例示する媒体は、光透過性支持基体(20)の一方の面上に情報記録層(4) と、情報記録層(4) 上の保護層(6) とを有し、支持基体(20)の他方の面上に光透過性ハードコート層(8) を有する。ハードコート層(8) が記録/再生ビーム入射側とされ、記録又は再生のためのレーザービームはハードコート層(8) 及び支持基体(20)を通して記録層(4) に入射する。
【0112】
本発明の光情報媒体の他の構成例を図4に示す。図4に例示する光記録媒体は、光透過性支持基体(20)の一方の面上に情報記録層としての有機色素層(4) と、色素層(4) 上の反射層(3) と、反射層(3) 上に接着層(61)を介して貼り合わされた支持基体(21)とを有し、支持基体(20)の他方の面上に光透過性ハードコート層(8) を有し、ハードコート層(8) が記録/再生ビーム入射側とされる。
【0113】
このような光記録媒体として、再生専用型のDVD−ROM、追記型のDVD−R、書換え可能型のDVD−RAM等、種々のものが商品化されている。再生専用型のDVDとしては、DVD−VideoやDVD−ROM等があるが、これらの光記録媒体では、光透過性基板の形成の際に、情報信号が記録されたピットと呼ばれる凹凸が形成され、その上にAlなどの金属反射層が形成され、さらに保護層が形成される。保護層上に接着層(61)を介して別の支持基体が貼り合わされて、最終的な光記録媒体となる。
【0114】
支持基体(20)としては、光透過性の基板が用いられる。光透過性支持基体(20)は従来、ポリカーボネート樹脂を射出成形し、その表面に種々の情報、例えばプレピットやプレグルーブ等を形成しているが、用いる材料はこれに限定されるものでなく、ポリオレフィン樹脂等の樹脂等も好ましく用いられる。あるいは、ガラス平板に2P法によりプレピットやプリグルーブを形成することによっても得られる。
【0115】
支持基体(20)上に、スピンコート法により溶剤に溶解した有機色素を塗布し、乾燥することで目的の膜厚の有機色素層(4) を形成する。有機色素としては、種々のシアニン色素、アゾ色素、フタロシアニン色素等から選択する。色素層形成の方法はスピンコート法以外にスプレー法やスクリーン印刷法、さらには蒸着法等も適用可能で、形成する膜厚は用いる色素によって適宜、選択される。
【0116】
スピンコート法を適用する場合、色素成分を溶媒に溶解して有機色素溶液として使用するが、溶媒としては、色素を十分溶解することができ、また透過性基板に悪影響を及ぼさないものを選択して用いる。濃度は0.01〜10重量%程度が好ましい。
【0117】
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、オクタフルオロペンタノール、アリルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラフルオロプロパノール等のアルコール系;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素系溶媒;トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、テトラクロロエタン、ジブロモエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶媒;3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、乳酸メチル等のエステル系溶媒;水などが挙げられ、これらの中から基板材料を侵さないものを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
【0118】
有機色素層の膜厚は、特に限定するものでないが、10〜300nm程度が好ましく、特には60〜250nm程度である。
【0119】
有機色素層(4) 上に反射層(3) を設ける。反射層の材料としては、再生光の波長で反射率の充分高いもの、例えばAu、Ag、Cu、Al、Ni、Pd、Cr、Pt等の元素を単独または合金として用いる。また上記以外でも下記のものを含んでいてもよい。例えばMg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属等を挙げることができる。
【0120】
反射層の形成は、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。また、基板の上や反射層の下に反射率の向上や記録特性の改善のために公知の無機系または有機系の中間層、接着層を設けてもよい。反射層の膜厚は特に限定されるものでないが、10〜300nm程度が好ましく、特には80〜200nm程度である。
【0121】
反射層(3) の上には通常、接着層(61)を介して支持基体(21)が貼り合わされる。支持基体(21)は、前記支持基体(20)と同様のものが用いられる。接着層(61)の材料としては、両基体(21)及び(20)を接着でき、反射層を外力から保護するものであれば特に限定されるものでない。有機物質としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等を挙げることができる。また、無機物質としては、SiO、SiN、MgF、SnO等が挙げられる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などは適当な溶媒に溶解して塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。UV硬化性樹脂は、そのまま若しくは適当な溶媒に溶解して塗布液を調製した後にこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによって形成することができる。UV硬化性樹脂としては、例えばウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート樹脂を用いることができる。これらの材料は単独で、あるいは混合して用いてもよいし、1層だけでなく多層膜にして用いてもよい。
【0122】
接着層(61)の形成方法としては、記録層と同様にスピンコート法やキャスト法などの塗布方法や、スパッタ法や化学蒸着法等の方法が用いられる。
【0123】
また、貼り合わせに用いる接着剤は、ホットメルト接着剤、紫外線硬化型接着剤、加熱硬化型接着剤、粘着型接着剤などが用いられ、それぞれにあった方法、例えば、ロールコーター法や、スクリーン印刷法、スピンコート法などが挙げられるが、DVD−Rの場合、作業性や生産性、ディスク特性などから総合的に判断して紫外線硬化接着剤を用い、スクリーン印刷法やスピンコート法が用いられる。
【0124】
一方、支持基体(20)の他方の面上に光透過性ハードコート層(8) が形成される。ハードコート層(8) の材料及び形成は、1.において述べたのと同様である。ハードコート層(8) が記録/再生ビーム入射側とされる。記録/再生ビームとしては、650nmや660nmの波長のレーザービームが用いられる。また、青色レーザービームが用いられる。
【0125】
以上のように、記録/再生ビーム入射側表面における記録/再生ビームの最小径が500μmを超える光情報媒体として、図4に例示するDVD−Rが得られる。
【0126】
(表面の単位面積当たりに付着した人工指紋液滴が占める面積割合の測定)
光ディスクの表面に付着した人工指紋液滴の状態を光学顕微鏡にて観察し、その画像をコンピュータ内に取り込み、画像処理によって人工指紋液滴が占める面積の割合を測定する。画像処理で、人工指紋液滴付着部分と付着していない部分を2値に分け、それらの面積をそれぞれ測定するだけの簡単な作業によって得ることができる。
【0127】
表面に付着した5μm未満の径の人工指紋液滴は、レーザーのスポット径との関係から考えてトラッキングに悪影響を及ぼす可能性は非常に小さい。そのため、5μm未満の径の人工指紋液滴は便宜的に無視して(すなわち、人工指紋液滴の付着していない部分として)、上記の測定を行ってもよい。ここで、人工指紋液滴の径とは、表面に付着した人工指紋液滴の面積を測定し、その面積から、その人工指紋液滴が真円と仮定した場合の真円の直径である。
【0128】
実施例で示した人工指紋液を用いた場合には、人工指紋液滴が占める面積の割合が25%を超えると、トラッキングが破綻することが確認された。従って、本発明の光情報媒体は、表面の単位面積当たりに付着した5μm以上の径の人工指紋液滴が占める面積割合が25%以下であり、好ましくは20%以下である。
【0129】
(表面に付着した人工指紋液滴の径の測定)
良好にトラッキングが追従するために、実施例で示した人工指紋液を用いた場合には、表面に付着した人工指紋液滴の最大径が300μm以下であることが必要である。従って、本発明の光情報媒体は、人工指紋液滴の最大径が300μm以下である。
【0130】
以上のように、記録/再生ビーム入射側表面における記録/再生ビームの最小径が500μmを超える本発明の光情報媒体は、
▲1▼ 人工指紋液滴が占める面積割合
▲2▼ 人工指紋液滴の径
において、特定の値のものであり、表面の防汚性に優れ、トラッキングが良好に追従する。
【0131】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0132】
1. 記録/再生ビーム入射側表面における記録/再生ビームの最小径が500μm以下となる光ディスクの例:
[ディスクサンプル]
図2に示す層構成のレーザービーム入射側の表面の異なる6種の光記録ディスクサンプルNo.1〜No.6をそれぞれ、次のようにして作製した。
【0133】
[ディスクサンプルNo.1の作製]
情報記録のためにグルーブが形成されたディスク状支持基体(20)(ポリカーボネート製、直径120mm、厚さ1.1mm)のグルーブが形成された面上に、Al98PdCu(原子比)からなる厚さ100nmの反射層(3) をスパッタリング法により形成した。前記グルーブの深さは、波長λ=405nmにおける光路長で表してλ/6とした。グルーブ記録方式における記録トラックピッチは、0.3μmとした。
【0134】
次いで、反射層(3) 表面に、Alターゲットを用いてスパッタリング法により、厚さ20nmの第2誘電体層(52)を形成した。第2誘電体層(52)表面に、相変化材料からなる合金ターゲットを用いてスパッタリング法により、厚さ12nmの記録層(4) を形成した。記録層(4) の組成(原子比)は、Sb74Te18(GeIn)とした。記録層(4) 表面に、ZnS(80モル%)−SiO(20モル%)ターゲットを用いてスパッタリング法により、厚さ130nmの第1誘電体層(51)を形成した。
【0135】
次いで、第1誘電体層(51)表面に、下記組成のラジカル重合性の紫外線硬化型樹脂をスピンコート法により塗布して、紫外線を照射して、硬化後の厚さ98μmとなるように光透過層(7) を形成した。
【0136】
(光透過層:紫外線硬化型樹脂の組成)
ウレタンアクリレートオリゴマー 50重量部
(三菱レイヨン(株)製、ダイヤビームUK6035)
イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート 10重量部
(東亜合成(株)製、アロニックスM315)
イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート 5重量部
(東亜合成(株)製、アロニックスM215)
テトラヒドロフルフリルアクリレート 25重量部
光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン) 3重量部
【0137】
さらに、光透過層(7) 上に、下記組成の紫外線/電子線硬化型ハードコート剤をスピンコート法により塗布して被膜とし、大気中で60℃で3分間加熱することにより被膜内部の希釈溶剤を除去し、その後、紫外線を照射して、厚さ2μmのハードコート層(8) を形成した。このようにして、ディスクサンプルNo.1を作製した。
【0138】
(ハードコート剤の組成)
反応性基修飾コロイダルシリカ(分散媒:プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、不揮発分:40重量%) 100重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 48重量部
テトラヒドロフルフリルアクリレート 12重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 40重量部
(非反応性希釈溶剤)
イルガキュア184(重合開始剤) 5重量部
【0139】
[ディスクサンプルNo.2の作製]
ディスクサンプルNo.1におけるハードコート剤の組成を以下のように変更した以外は、ディスクサンプルNo.1におけるのと同様にしてディスクサンプルNo.2を作製した。
(ハードコート剤の組成)
ディスクサンプルNo.1におけるハードコート剤100重量部に対して、2官能シリコーンメタクリレート(信越化学工業(株)製、X−22−164A、分子量1500)0.00625重量部を加えた。
【0140】
ハードコート層(8) 表面に2官能シリコーンメタクリレートの一部がブリードアウトすることで、疑似的にハードコート層(8) が2層に分離した形態になった。
【0141】
[ディスクサンプルNo.3の作製]
ディスクサンプルNo.1におけるハードコート剤の組成を以下のように変更した以外は、ディスクサンプルNo.1におけるのと同様にしてディスクサンプルNo.3を作製した。
(ハードコート剤の組成)
ディスクサンプルNo.1におけるハードコート剤100重量部に対して、2官能シリコーンメタクリレート(信越化学工業(株)製、X−22−164A、分子量1500)0.0125重量部を加えた。
【0142】
[ディスクサンプルNo.4の作製]
ディスクサンプルNo.1におけるハードコート剤の組成を以下のように変更した以外は、ディスクサンプルNo.1におけるのと同様にしてディスクサンプルNo.4を作製した。
(ハードコート剤の組成)
ディスクサンプルNo.1におけるハードコート剤100重量部に対して、2官能シリコーンメタクリレート(信越化学工業(株)製、X−22−164A、分子量1500)0.025重量部を加えた。
【0143】
[ディスクサンプルNo.5の作製]
ディスクサンプルNo.1におけるハードコート剤の組成を以下のように変更した以外は、ディスクサンプルNo.1におけるのと同様にしてディスクサンプルNo.5を作製した。
(ハードコート剤の組成)
ディスクサンプルNo.1におけるハードコート剤100重量部に対して、2官能シリコーンメタクリレート(信越化学工業(株)製、X−22−164A、分子量1500)0.075重量部を加えた。
【0144】
[ディスクサンプルNo.6の作製]
ディスクサンプルNo.1におけるハードコート剤の組成を以下のように変更した以外は、ディスクサンプルNo.1におけるのと同様にしてディスクサンプルNo.6を作製した。
(ハードコート剤の組成)
ディスクサンプルNo.1におけるハードコート剤100重量部に対して、2官能シリコーンメタクリレート(信越化学工業(株)製、X−22−164A、分子量1500)0.125重量部を加えた。
【0145】
[人工指紋液の調製及びディスクサンプルへの付着]
微粒子状物質としてJIS Z8901に定められた試験用粉体1第11種(中位径:1.6〜2.3μm)の関東ローム0.4重量部、分散媒としてトリオレイン1重量部、さらに希釈剤としてメトキシプロパノール10重量部を混合・攪拌して、人工指紋液とした。
【0146】
(擬似指紋パターン転写用の原版の作製)
擬似指紋パターン転写用の原版を次のようにして作製した。人工指紋液をマグネティックスターラーでよく攪拌しながら約1mLを採取し、ポリカーボネート製基板(直径120mm、厚さ1.2mm)上にスピンコート法により塗布した。この基板を60℃で3分間加熱して、不要な希釈剤であるメトキシプロパノールを完全に除去した。このようにして、擬似指紋パターン転写用の原版を得た。
【0147】
(ディスクサンプル表面への擬似指紋パターンの転写)
No.1のシリコーンゴム栓の小さい方の端面(直径12mm)を、#240の研磨紙(前記JIS規定のAA240研磨紙と同等性能を有する)で一様に研磨したものを擬似指紋転写材として用いた。擬似指紋転写材の研磨された端面を、上記原版に荷重29Nで10秒間押し当てて、人工指紋液成分を転写材の前記端面に移行させた。次いで、ディスクサンプルNo.1のハードコート層8表面の中心から半径方向に40mm付近のところに、人工指紋液成分が付着された転写材の前記端面を荷重29Nで10秒間押し当てて、人工指紋液成分を転写した。ディスクサンプルNo.2〜6についても同様にして人工指紋液成分を転写した。
【0148】
[ディスクサンプル表面の人工指紋液滴の観察]
各ディスクサンプル表面に付着した人工指紋液滴を種々観察し、表面の良否を判定した。
【0149】
(表面の単位面積当たりに付着した人工指紋液滴が占める面積割合の測定)
各ディスクサンプルの表面に付着した人工指紋液滴の状態を、光学顕微鏡(キーエンス製、VK−8510)で観察し、その画像をプリンター(キーエンス製、VH−P40)で出力した。その画像をコンピュータ内に取り込み、画像処理解析ソフトWin ROOF((株)ユービーイー科学分析センター所有)で5μm未満の径の人工指紋液滴部分を排除し、5μm以上の径を有する人工指紋液滴部分の全体面積に対する面積割合を計測した。ここで人工指紋液滴の径とは、人工指紋液滴の面積を測定し、その面積からその人工指紋液滴が真円と仮定した場合の真円に相当する直径である。
【0150】
(表面に付着した人工指紋液滴の径の測定)
同様に画像処理解析ソフトWin ROOFで人工指紋液滴の最大径を測定した。
【0151】
(表面の単位面積当たりに付着した人工指紋液滴の数の測定)
同様に画像処理解析ソフトWin ROOFで20μm未満の径の人工指紋液滴部分を排除し、20μm以上の径を有する人工指紋液滴の、500μm×500μmの面積中に存在する数を測定した。ディスクサンプルNo.1では、75μmより大きい径の人工指紋液滴が複数個あり、各々がつながった状態となっていた。ディスクサンプルNo.2では75μmより大きい径の人工指紋液滴が1個あった。これら以外のディスクサンプルサンプルには、75μmより大きい径の人工指紋液滴は存在しなかった。
【0152】
(表面に付着した人工指紋液滴の円形度の測定)
同様に画像処理解析ソフトWin ROOFで20μm未満の径の人工指紋液滴部分を排除し、20μm以上の径を有する人工指紋液滴の円形度〔4π×面積/(周囲長)〕を測定した。
【0153】
(測定結果とディスクサンプルのトラッキングとの対応)
ディスクサンプルNo.1〜No.6それぞれの測定結果を表1に示す。
【0154】
【表1】
Figure 2004152418
【0155】
各ディスクサンプルNo.1〜No.6について、光記録媒体評価装置(パルステック工業製、DDU−1000)で波長405nm、NA=0.85にてフォーカスをかけた後、トラッキングを試みた。その結果、良好にトラッキングが追従したのは本発明に合致するNo.3〜No.6の4つのディスクサンプルであった。
【0156】
ディスクサンプルNo.1では、人工指紋液滴が約60%の面積割合を占めており、実際にトラッキングは破綻した。ディスクサンプルNo.2では、人工指紋液滴の面積割合が26%であり、また人工指紋液滴の最大径が117μmであり、良好にはトラッキングが追従しなかった。
【0157】
2. 記録/再生ビーム入射側表面における記録/再生ビームの最小径が500μmを超える光ディスクの例:
[ディスクサンプル]
図4に示す層構成のレーザービーム入射側の表面の異なる6種のDVD−RディスクサンプルNo.7〜No.10をそれぞれ、次のようにして作製した。
【0158】
[ディスクサンプルNo.7の作製]
表面にグルーブ及びランド(トラックピッチ(グルーブのピッチ)=約0.74μm)が形成された直径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板(20)の一方の面上に、下記式に示すアゾ色素をスピンコート法により塗布乾燥して、グルーブ部における厚みが約100nmの有機色素層(4) を形成し、有機色素層(4) 上にスパッタリング法により約110nm厚みのAg合金反射層(3) を形成した。さらに反射層(3) 上に紫外線硬化型アクリル樹脂「ダイキュアクリアSD318」(大日本インキ化学工業社製)による保護層を形成した。
【0159】
【化1】
Figure 2004152418
【0160】
一方、表面にグルーブ及びランドが形成されていない直径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板(21)を準備し、これらのディスク2枚を、保護層側が内側になるように、遅効性カチオン重合接着剤「SK7000」(ソニーケミカル社製)によって貼り合わせた。図4においては、保護層と接着剤とが便宜的に(61)として示されている。これをディスクサンプルNo.7とした。ディスクサンプルNo.7ではハードコート層(8) は形成しなかった。
【0161】
[ディスクサンプルNo.8の作製]
ディスクサンプルNo.7のポリカーボネート基板(20)の他方の面上に、下記組成の紫外線/電子線硬化型ハードコート剤をスピンコート法により塗布して被膜とし、大気中で60℃で3分間加熱することにより被膜内部の希釈溶剤を除去し、その後、紫外線を照射して、厚さ2.5μmのハードコート層(8) を形成した。
【0162】
反応性基修飾コロイダルシリカ(分散媒:プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、不揮発分:40重量%) 100重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 48重量部
テトラヒドロフルフリルアクリレート 12重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 40重量部
(非反応性希釈溶剤)
イルガキュア184(重合開始剤) 5重量部
【0163】
上記の混合物100重量部に対して、2官能シリコーンメタクリレート(信越化学工業(株)製、X−22−164A、分子量1500)0.0015重量部を加えた。これをハードコート剤とした。このようにして、ディスクサンプルNo.8を作製した。
【0164】
[ディスクサンプルNo.9の作製]
ディスクサンプルNo.8におけるハードコート剤の組成を以下のように変更した以外は、ディスクサンプルNo.8におけるのと同様にしてディスクサンプルNo.9を作製した。
(ハードコート剤の組成)
ディスクサンプルNo.8におけるハードコート剤100重量部に対して、2官能シリコーンメタクリレート(信越化学工業(株)製、X−22−164A、分子量1500)0.0025重量部を加えた。
【0165】
[ディスクサンプルNo.10の作製]
ディスクサンプルNo.8におけるハードコート剤の組成を以下のように変更した以外は、ディスクサンプルNo.8におけるのと同様にしてディスクサンプルNo.10を作製した。
(ハードコート剤の組成)
ディスクサンプルNo.8におけるハードコート剤100重量部に対して、2官能シリコーンメタクリレート(信越化学工業(株)製、X−22−164A、分子量1500)0.02重量部を加えた。
【0166】
[人工指紋液の調製及びディスクサンプルへの付着]
ディスクサンプルNo.1〜6の場合と同じ人工指紋液を用いて、同様の方法で、ディスクサンプルNo.7〜10について、人工指紋液を各ディスクサンプルのハードコート(8) 面(サンプルNo.7ではポリカーボネート基板(20)面)に転写した。
【0167】
[ディスクサンプル表面の人工指紋液滴の観察]
各ディスクサンプル表面に付着した人工指紋液滴を種々観察し、表面の良否を判定した。
【0168】
(表面の単位面積当たりに付着した人工指紋液滴が占める面積割合の測定)
各ディスクサンプルの表面に付着した人工指紋液滴の状態を、光学顕微鏡(キーエンス製、VK−8510)で観察し、その画像をプリンター(キーエンス製、VH−P40)で出力した。その画像をコンピュータ内に取り込み、画像処理解析ソフトWin ROOF((株)ユービーイー科学分析センター所有)で5μm未満の径の人工指紋液滴部分を排除し、5μm以上の径を有する人工指紋液滴部分の全体面積に対する面積割合を計測した。ここで人工指紋液滴の径とは、人工指紋液滴の面積を測定し、その面積からその人工指紋液滴が真円と仮定した場合の真円に相当する直径である。
【0169】
(表面に付着した人工指紋液滴の径の測定)
同様に画像処理解析ソフトWin ROOFで人工指紋液滴の最大径を測定した。
【0170】
(測定結果とディスクサンプルのトラッキングとの対応)
ディスクサンプルNo.7〜No.10それぞれの測定結果を表2に示す。
【0171】
【表2】
Figure 2004152418
【0172】
各ディスクサンプルNo.7〜No.10について、光記録媒体評価装置(パルステック工業製、DDU−1000)で波長650nm、NA=0.60にてフォーカスをかけた後、トラッキングを試みた。その結果、良好にトラッキングが追従したのは本発明に合致するNo.8〜No.10の3つのディスクサンプルであった。
【0173】
ディスクサンプルNo.7では、人工指紋液滴が約60%の面積割合を占めており、実際にトラッキングは破綻した。また、人工指紋液滴が大きく各々がつながった状態で存在していたので、最大径を決定できなかった。
【0174】
【発明の効果】
本発明によれば、記録/再生ビーム入射側表面の防汚性に非常に優れる光情報媒体が提供される。本発明の光情報媒体には、記録/再生ビーム入射側表面における記録/再生ビームの最小径が500μm以下となる光情報媒体、及び記録/再生ビーム入射側表面における記録/再生ビームの最小径が500μmを超える光情報媒体が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光情報媒体の一つの構成例を示す概略断面図である。
【図2】光情報媒体の他の構成例を示す概略断面図である。
【図3】光情報媒体の一つの構成例を示す概略断面図である。
【図4】光情報媒体の他の構成例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
(1) :光ディスク
(20):支持基体
(3) :反射層
(52):第2誘電体層
(4) :記録層
(51):第1誘電体層
(7) :光透過層
(8) :ハードコート層

Claims (14)

  1. 光情報媒体の記録/再生ビーム入射側表面に、微粒子状物質と前記微粒子状物質を分散可能な分散媒とを含む評価用分散液を付着させたとき、表面の単位面積当たりに付着した評価用分散液滴が占める面積割合が25%以下である光情報媒体。
  2. 光情報媒体の記録/再生ビーム入射側表面に、微粒子状物質と前記微粒子状物質を分散可能な分散媒とを含む評価用分散液を付着させたとき、表面に付着した評価用分散液滴の最大径(ここで、径とは、表面に付着した評価用分散液滴の面積を測定し、その面積から、その評価用分散液滴が真円と仮定した場合の真円の直径である)が75μm以下である光情報媒体。
  3. 光情報媒体の記録/再生ビーム入射側表面に、微粒子状物質と前記微粒子状物質を分散可能な分散媒とを含む評価用分散液を付着させたとき、表面の500μm×500μmの面積当たりに付着した20μm以上75μm以下の径(ここで、径とは、表面に付着した評価用分散液滴の面積を測定し、その面積から、その評価用分散液滴が真円と仮定した場合の真円の直径である)の評価用分散液滴の数が100個以下である光情報媒体。
  4. 光情報媒体の記録/再生ビーム入射側表面に、微粒子状物質と前記微粒子状物質を分散可能な分散媒とを含む評価用分散液を付着させたとき、表面に付着した20μm以上の径(ここで、径とは、表面に付着した評価用分散液滴の面積を測定し、その面積から、その評価用分散液滴が真円と仮定した場合の真円の直径である)の評価用分散液滴の周囲長と面積とが、平均値で、次式(1):
    4π×面積/(周囲長)≧0.75 (1)
    の関係を満たす光情報媒体。
  5. 記録/再生ビーム入射側表面における記録/再生ビームの最小径が500μm以下となるシステムに用いられる、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の光情報媒体。
  6. 支持基体上に情報記録層と、情報記録層上の光透過層と、光透過層上の光透過性ハードコート層とを少なくとも有し、ハードコート層が記録/再生ビーム入射側とされる、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の光情報媒体。
  7. ハードコート層は、活性エネルギー線硬化性のシリコーン系化合物及び/又はフッ素系化合物を含むハードコート剤組成物の硬化物を含む、請求項6に記載の光情報媒体。
  8. ハードコート層上にさらに、活性エネルギー線硬化性のシリコーン系化合物及び/又はフッ素系化合物を主成分とする組成物の硬化物からなる表面薄層を有する、請求項6又は7に記載の光情報媒体。
  9. 光透過層及び光透過性ハードコート層の合計の厚さは、70〜150μmである、請求項6〜8のうちのいずれか1項に記載の光情報媒体。
  10. 青色レーザービームを用いた記録/再生システムに用いられる、請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載の光情報媒体。
  11. 光情報媒体の記録/再生ビーム入射側表面に、微粒子状物質と前記微粒子状物質を分散可能な分散媒とを含む評価用分散液を付着させたとき、表面に付着した評価用分散液滴の最大径(ここで、径とは、表面に付着した評価用分散液滴の面積を測定し、その面積から、その評価用分散液滴が真円と仮定した場合の真円の直径である)が300μm以下である光情報媒体。
  12. 記録/再生ビーム入射側表面における記録/再生ビームの最小径が500μmを超えるシステムに用いられる、請求項1又は11に記載の光情報媒体。
  13. 光透過性支持基体の一方の面上に情報記録層と、情報記録層上の保護層とを少なくとも有し、支持基体の他方の面上に光透過性ハードコート層を有し、ハードコート層が記録/再生ビーム入射側とされる、請求項1、11又は12に記載の光情報媒体。
  14. 青色レーザービームを用いた記録/再生システムに用いられる、請求項1及び11〜13のうちのいずれか1項に記載の光情報媒体。
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