JP2004151655A - 電気光学機器の製造方法および製造装置、並びに電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この電気光学機器の製造方法では、まず、前処理にて第2基板上にシール材を形成し(ST3)、ギャップ材を配置する(ST4)。次に、第1基板と第2基板とを加圧しつつ貼り合わせてこれらの基板の間隔をギャップ材の高さに調整し、所定のセルギャップを形成する(ST10)。そして、一対の基板保持手段により第1基板および第2基板を保持してセルギャップを維持しつつ、シール材を硬化させて第1基板を第2基板に固定する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電気光学機器の製造方法および製造装置、並びに、電子機器に関し、更に詳しくは、基板間のセルギャップの均一性を高められる電気光学機器の製造方法および製造装置、並びに、電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気光学機器の製造方法では、近年、液晶表示パネルを構成するガラス基板の貼り合わせにあたり、液晶滴下法が採用される。かかる電気光学機器の製造方法としては、特許文献1に記載される技術が知られている。図13は、従来の電気光学機器の製造方法の要部を示すフローチャートであり、図14は、従来の電気光学機器の製造装置の要部を示す構成図である。この電気光学機器の製造装置100は、真空チャンバ101と、静電チャック102、103とを含み構成される。従来の電気光学機器の製造方法では、まず、前工程として、下側基板111に液晶のセルを構成するシール材を印刷し(ST103)、このセル内にギャップ材を散布した後(ST104)、大気中にて液晶を滴下する(ST105)。次に、基板110、111を真空チャンバ101内に搬入し(ST106)、上下の静電チャック102、103にて吸着して保持する(図14参照)。
【0003】
次に、真空チャンバ101内の雰囲気を真空中とした後(ST107)、可動軸104を降下させて上側基板110を下側基板111に貼り合わせる。このとき、各基板110、111に前工程にて付された位置合わせマークを参照しつつ、基板110、111の貼り合わせ位置を調整する(ST108)。また、可動軸104の動作により静電チャック102を下降させて上側基板110に付勢させ、これにより機械的な圧力を加えて基板110、111間に均一なセルギャップを形成する(ST109)。そして、基板110、111の位置合わせ精度およびセルギャップの均一性のいずれか一方でも不十分な場合には(ST110)、さらに、貼り合わせ位置の調整(ST108)および上側基板110の加圧(ST109)を複数回繰り返し、所定の位置合わせ精度および所定のセルギャップを得る。
【0004】
次に、静電チャック102を上昇させて上側基板110から外し、静電チャック102による機械的な加圧を解除する(ST111)。そして、真空チャンバ101内にドライエアや窒素(N2)などをパージして、基板110、111に大気圧を付加する(ST112)。次に、貼り合わせた基板110、111を搬送装置(図示省略)により真空チャンバ101外に搬出し(ST113)、紫外線ランプ(図示省略)により紫外線を照射してシール材を硬化させ(ST114)、基板110、111の位置関係を固定する。このとき、さらに貼り合わせた基板に圧力を加えながら、固定処理をする場合もある。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−66163号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の電気光学機器の製造方法では、基板110、111の貼り合わせにあたり、可動軸104により圧力を加えて基板110、111の隙間をギャップ材114の高さに揃えることで、均一なセルギャップを形成していた。ところで、近年、液晶ライトバルブ等の電気光学機器では、高速応答性を実現するためにより狭いセルギャップを形成する傾向にある。しかしながら、セルギャップを狭くすると、表示エリア内のセルギャップの均一性が低下して液晶パネルの画質が低下するという問題点がある。このため、かかる電気光学機器では、より均一性の高いセルギャップを形成すべき要請があり、各企業は、その実現にあたり多額の研究開発費を投じている実状がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この点において、従来の電気光学機器の製造方法では、均一なセルギャップを形成した後に、静電チャック102を上側基板110から外し(ST111)、真空チャンバ101内の雰囲気を真空中から大気中とし(ST112)、さらに、基板110、111を搬送機器により真空チャンバ101外に搬出してから(ST113)、紫外線を照射してシール材を硬化させて(ST114)、基板110、111間を固定する。しかしながら、発明者らの検討によれば、シール材の硬化前に静電チャック102を上側基板110から外せば、浮遊状態となった上側基板110がシール材の弾力等により浮き上がり、形成したセルギャップが変化して不均一となるおそれがある。
【0008】
そこで、この発明にかかる電気光学機器の製造方法は、第1基板および第2基板の間に介在させるギャップ材を、前記第1基板もしくは前記第2基板上に配置するギャップ材配置ステップと、前記第1基板もしくは前記第2基板上に硬化材を配置する硬化材配置ステップと、前記第1基板と前記第2基板とを加圧しながら貼り合わせ、これらの基板の間隔を前記ギャップ材の高さに調整して、所定の前記セルギャップを形成する基板加圧貼合ステップと、前記第1基板および前記第2基板を保持手段により保持して前記セルギャップを維持しつつ、前記硬化材を硬化させて前記第1基板を前記第2基板に固定する基板固定ステップとを含む。
【0009】
この発明では、第1基板と第2基板との貼り合わせにあたり、両基板を加圧しつつ貼り合わせて所定のセルギャップを形成し、保持手段により両基板を保持してこのセルギャップを維持しつつ、硬化材を硬化させて第1基板を第2基板に固定する。すなわち、第1基板と第2基板との間隔を、加圧によりギャップ材が機能する位置まで狭め、両基板間に所定のセルギャップを形成した後、このセルギャップを形成した状態にて両基板を保持しつつ硬化材を硬化させる。これにより、所定のセルギャップの形成から両基板の固定までにおける基板間隔の変動を防止できるので、保持手段を外した状態にて硬化材を硬化させる場合と比較して、より均一性の高いセルギャップを形成できる利点がある。
【0010】
なお、第1基板および第2基板には、例えば、液晶表示パネルのカラーフィルタおよびTFT基板が含まれる。また、ギャップ材は、基板上に散布により配置してもよいし、液晶のセルを構成するシール材に含めてこのシール材と共に配置してもよい。また、硬化材は、シール材により兼用して構成してもよいし、別途、基板上に設けてもよい。また、ギャップ材および硬化材は、第1基板および第2基板のいずれに配置してもよいが、通常は、鉛直方向の下方に位置する基板に配置する。また、両基板間に作用させる加圧は、大気圧もしくはより高い気圧により作用させてもよいし、保持手段等を両基板に機械的に付勢させて作用させてもよい。また、保持手段には、例示した静電チャックの他に、真空吸着式、機械固定式、粘着式その他の方式による当業者公知の保持手段が含まれる。また、セルギャップを維持する方法には、例えば、保持手段により両基板を加圧して基板間のギャップ材に圧力を加えることで基板間をギャップ材の高さに維持する方法が含まれる。また、硬化材の硬化は、硬化材をすべて硬化させる全硬化に限られず、その一部を硬化させる仮硬化を含む。
【0011】
また、この発明にかかる電気光学機器の製造方法は、前記基板加圧貼合ステップは、前記第1基板と前記第2基板とを一対の前記保持手段によりそれぞれ保持しつつ、当該保持手段の少なくとも一方の保持位置を変位させて行う。
【0012】
両基板を加圧して貼り合わせる方法には、一般に、大気圧等の気圧により加圧する方法と、保持手段等により機械的に加圧する方法とがある。ここで、気圧による方法では確実性に欠けるため、高い均一性を有するセルギャップを得られない場合がある。そこで、この発明では、基板の保持位置を変位させ、機械的な加圧を加えて基板を貼り合わせる。これにより、気圧による場合と比較して、より高い圧力にて所定のセルギャップを確実に形成できる利点がある。なお、一対の保持手段は、少なくとも一方が変位して基板間の間隔を狭められればよい。
【0013】
また、この発明にかかる電気光学機器の製造方法は、前記基板加圧貼合ステップから前記基板固定ステップに至るまでの工程は、減圧雰囲気下にて行われる。
【0014】
この発明では、第1基板および第2基板を貼り合わせる工程から硬化材を硬化させてこれらの基板を固定するまでの工程を、減圧雰囲気下にて行うので、その間に雰囲気を真空中から大気中に変化させる場合と比較して、大気圧によるセルギャップの変動を防止できる。これにより、硬化材の硬化にあたりセルギャップの再調整を行う工程を省略できる利点がある。なお、減圧雰囲気下とは、所定の圧力に減圧された雰囲気下をいい、例えば、シール材で囲われたパネル内に液晶の他に気泡が入らない雰囲気下や、真空雰囲気下が含まれる。
【0015】
また、この発明にかかる電気光学機器の製造方法は、前記第1基板および前記第2基板を貼り合わせるにあたり、これらの基板間の貼り合わせ位置を調整する貼合位置調整ステップを含み、且つ、前記基板固定ステップは、前記貼り合わせ位置を調整した状態にて一対の前記保持手段により前記第1基板および前記第2基板を保持しつつ前記硬化材を硬化させる。
【0016】
この発明では、基板の貼り合わせ位置を調整した状態にて一対の保持手段により第1基板および第2基板を保持し、硬化材を硬化させて基板を固定するので、保持手段を外した状態にて硬化材を硬化させる場合と比較して、より高い位置合わせ精度を確保できる利点がある。
【0017】
また、この発明にかかる電気光学機器の製造方法は、前記第1基板もしくは前記第2基板に対する加圧は、基板を保持する保持面に凸部を有する前記保持手段を用いると共に、前記凸部を前記加圧をされる部分に付勢して行われる。
【0018】
この発明では、加圧される部分の形状と略同一形状の凸部を保持手段の保持面に設け、基板をこの凸部にて保持しつつ、この凸部を加圧される部分に付勢して基板を加圧する。これにより、基板を保持した状態にて必要な部分を加圧できるので、効率的に基板を加圧できる利点がある。
【0019】
また、この発明にかかる電気光学機器の製造方法は、前記第1基板もしくは前記第2基板に対する加圧は、前記保持手段の保持面に対して前記第1基板もしくは前記第2基板のうち、前記保持面と接触させない部分を切り抜いたシート状部材を、前記保持面と前記第1基板もしくは前記第2基板との間に配置すると共に、当該シート状部材を介して前記第1基板もしくは前記第2基板を保持しつつ行われる。
【0020】
この発明では、保持手段と基板との接触を禁止する部分を切り抜いたシート状部材を保持面と基板との間に配置し、このシート状部材を介して基板を保持しつつ基板を貼り合わせる。これにより、切り抜いた部分にて保持手段と基板との接触を防止できるので、例えば、保持手段との接触による基板の表示エリア部の損傷を抑止できる利点がある。
【0021】
また、この発明にかかる電気光学機器の製造方法は、前記第1基板もしくは前記第2基板に対する加圧は、異なる切り抜きパターンを有する複数の前記シート状部材を、貼り合わせる基板の種類に応じて選択して用い、行われる。
【0022】
この発明では、異なる切り抜きパターンを有する複数のシート状部材を、貼り合わせる基板の種類に応じて選択的に用いる。これにより、例えば、表示エリア部の大きさが異なる複数種類の基板に応じてシート状部材を交換できるので、単一の製造装置にて複数種類の基板の加圧貼り合わせを行い得る利点がある。
【0023】
また、この発明にかかる電気光学機器の製造方法は、前記硬化材が紫外線硬化材料から成り、前記硬化材が前記第1基板もしくは前記第2基板の表示エリア部と平面的に異なる位置に設けられ、且つ、前記硬化材を硬化させる紫外線が前記表示エリア部以外の部分に照射される。
【0024】
基板の表示エリア部を構成する画像素子は、一般に紫外線に対して弱い。そこで、この発明では、硬化材が紫外線硬化材料から成るときに、この硬化剤を基板の表示エリア部と平面的に異なる位置に設け、硬化材を硬化させるにあたり紫外線が基板の表示エリア部に当たらないように照射する。これにより、紫外線による表示エリア部の損傷を抑制できる利点がある。
【0025】
また、この発明にかかる電気光学機器の製造方法は、前記硬化材は紫外線硬化材料から成ると共に、前記保持手段は基板を保持する保持面側から紫外線を照射する紫外線照射部を有し、且つ、前記基板固定ステップは、前記第1基板もしくは前記第2基板を保持した状態にて、前記紫外線照射部から前記硬化材に紫外線を照射する。
【0026】
この発明では、基板を保持する保持面側から紫外線を照射する紫外線照射部を有する保持手段を用い、基板を保持した状態にて、この紫外線照射部から硬化材に紫外線を照射する。これにより、例えば、基板を加圧して所定のセルギャップを形成した状態に保持しつつ、硬化材に紫外線を照射して基板を固定できる利点がある。なお、この固定を仮硬化として、基板から保持手段を外し、別工程にて硬化材を本硬化させてもよい。
【0027】
また、この発明にかかる電気光学機器の製造方法は、前記硬化材は、紫外線硬化材料から成り、且つ、前記基板固定ステップは、基板の外周方向から前記硬化材に紫外線を照射する。
【0028】
この発明では、基板を保持した状態にて、基板の外周方向から硬化材に紫外線を照射し、基板の外周に位置する硬化材を硬化させる。これにより、例えば、基板を加圧して所定のセルギャップを形成した状態に保持しつつ、硬化材に紫外線を照射して基板を固定できる利点がある。なお、この固定を仮硬化として、基板から保持手段を外し、別工程にて硬化材を本硬化させてもよい。
【0029】
また、この発明にかかる電気光学機器の製造装置は、基板を保持する保持面と、当該保持面上に設けられると共に前記基板を他の基板に貼り合わせるにあたり前記基板の一部分に付勢して当該一部分を加圧する加圧部とを有する保持手段を含む。
【0030】
この発明では、基板を保持する保持手段の保持面に、基板の一部に付勢してこの一部分を加圧する加圧部を設け、基板の貼り合わせ時にて、この加圧部により基板を部分的に加圧する。これにより、例えば、貼り合わせた基板上であってギャップ材を配置した部分を選択的に加圧できるので、ギャップ材を確実に機能させて基板間のクリアランスを適切に制御できる利点がある。また、例えば、基板の表示エリア部以外の部分のみを選択的に加圧できるので、基板の加圧にあたり、接触による表示エリア部の傷損を効果的に抑止できる利点がある。
【0031】
また、この発明にかかる電気光学機器の製造装置は、基板を保持する保持面と、前記基板の前記保持面に対して接触しない部分を切り抜いた切り抜き部を有すると共に、複数の前記基板を貼り合わせるにあたり前記保持面と前記基板との間に介在して配置されるシート状部材を、前記保持面に固定するシート状部材固定部とを有する保持手段を含む。
【0032】
この発明では、保持手段に、シート状部材を保持面に固定するシート状部材固定部を設ける。そして、シート状部材を保持面に固定しつつ基板との間に介在させて配置し、基板の貼り合わせ工程にて、保持面と基板との接触を禁止する。これにより、切り抜き部にて保持手段と基板との接触を防止できるので、例えば、保持手段との接触による基板の表示エリア部の損傷を抑止できる利点がある。
【0033】
また、この発明にかかる電気光学機器の製造装置は、基板を貼り合わせるにあたり当該基板を保持する保持手段と、紫外線を発生する紫外線発生手段とを含み、且つ、前記保持手段は、前記紫外線発生手段が発する紫外線を、前記基板を保持する保持面側から照射する紫外線照射部を有する。
【0034】
この発明では、保持手段に、紫外線発生手段が発する紫外線を、保持面側から照射する紫外線照射部を設けた。これにより、基板を保持した状態にて、紫外線照射部から硬化材に紫外線を照射できるので、例えば、基板を加圧して所定のセルギャップを形成した状態に保持しつつ、硬化材に紫外線を照射して基板を固定できる利点がある。
【0035】
また、この発明にかかる電気光学機器を備えた電子機器は、上記電気光学機器の製造方法にて製造される。
【0036】
なお、上記電気光学機器の製造方法において、前記第1基板もしくは前記第2基板に対する加圧は、前記ギャップ材が配置されたギャップ材配置部分に沿って行われてもよい。すなわち、ギャップ材を配置した部分に対する加圧が不十分な場合には、この部分にてギャップ材が機能せず所定のセルギャップを形成できない場合がある。そこで、上記発明において、第1基板もしくは第2基板に対する加圧を、ギャップ材が配置された部分に沿って行う。これにより、ギャップ材が配置された部分を効果的に加圧できるので、セルギャップの不均一を確実に低減できる利点がある。なお、ギャップ材が配置された部分に沿ってとは、両基板を貼り合わせたときに、第1基板上もしくは第2基板上であってギャップ材が配置された位置と平面的に略同一位置の部分に沿って、という意味である。例えば、ギャップ材をシール材に含めて基板上に配置した場合には、このシール材を配置した部分に沿って加圧する。
【0037】
また、上記電気光学機器の製造方法において、前記第1基板もしくは前記第2基板に対する加圧は、前記硬化材が配置された硬化材配置部分に沿って行われてもよい。すなわち、硬化材は、熱硬化時の加熱や紫外線照射時の輻射熱により熱膨張し、貼り合わせた基板を浮動させてセルギャップを変動させるという問題点がある。そこで、硬化材を配置した部分に沿って基板を加圧する。これにより、硬化材を効率的に加圧できるので、シール材の膨張によるセルギャップの変動を効果的に抑制できる利点がある。
【0038】
また、上記電気光学機器の製造方法において、前記第1基板もしくは前記第2基板に対する加圧は、当該基板上であっての表示エリア部以外の部分にて行われてもよい。すなわち、基板の表示エリア部以外の部分を加圧して所定のセルギャップを形成するので、加圧手段との接触による表示エリア部の傷損を抑制できる利点がある。なお、表示エリア部とは、貼り合わせた基板が複数の小基板に分割され、若しくはそれ単体で電気光学機器に液晶表示パネルとして組み込まれたときに、その液晶表示パネルの表示エリアに該当する基板の部分をいう。
【0039】
また、上記電気光学機器の製造方法において、前記第1基板もしくは前記第2基板に対する加圧は、これらの基板の全面に対して均一の圧力にて行ってもよい。すなわち、基板の全面に対して均一の圧力にて加圧を行うので、セルギャップを均一にむら無く形成できる利点がある。
【0040】
また、上記電気光学機器の製造方法において、前記硬化材が紫外線硬化材料から成り、且つ、当該硬化材を硬化させるにあたり照射する紫外線が前記硬化材を設けた部分にのみ照射されてもよい。すなわち、硬化材が紫外線硬化材料から成るときに、その硬化にあたり硬化材を設けた部分にのみ紫外線を照射する。これにより、紫外線による表示エリア部の損傷を抑制できる利点がある。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のものが含まれる。また、電気光学機器の例として、下記に液晶パネルを用いるが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば有機EL装置やプラズマディスプレイ装置、電気泳動装置等にも適用が可能である。
【0042】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかる電気光学機器の製造方法の要部を示すフローチャートである。図2は、この発明の実施の形態1にかかる電気光学機器の製造装置の要部を示す構成図であり、図3は、図2に記載した静電チャックを示す平面図(a)および側面断面図(b)である。図2および図3において、上記従来の電気光学機器の製造装置100と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。この電気光学機器の製造装置1は、真空チャンバ11と、静電チャック12、13とを含み構成される。真空チャンバ11は、内部の雰囲気を真空中および大気中に自在に変更できる。静電チャック12、13は、アルミナ系セラミック製の円盤状部材から成り、平坦な保持面12a、13aにて石英ガラス製の基板30、31を吸着して保持する。また、静電チャック12、13は、保持面12a、13aを相互に対向させつつ上下一対として真空チャンバ11内に収容される。上方の静電チャック12は、上下動可能な可動軸14に支持され、保持面12aを下方に向けて配置される。また、下方の静電チャック13は、平面方向に平行移動および回転移動可能なテーブル15上に固定設置される。
【0043】
また、真空チャンバ11は、天井部に紫外線を透過するガラス製の窓部16を有する。また、上方の静電チャック12は、その外周付近を貫通する複数の紫外線通路17を有する。これらの紫外線通路17は、真空チャンバ11の窓部16の下方にそれぞれ対応して設けられる。また、真空チャンバ11の天井の上方には、紫外線を発する紫外線ランプ19が、窓部16に対応してそれぞれ設けられる。この構成において、紫外線ランプ19から発された紫外線は、真空チャンバ11の外部上方から天井部の窓部16を通って内部に入り、紫外線通路17を抜けて、静電チャック12の保持面12aに設けられた紫外線照射部18から、下方の静電チャック13側に照射される。紫外線ランプ19は、静電チャック12の真上にある必要はなく、ファイバなどの紫外線通路を別途設けて装置間近に載置しても構わない。
【0044】
図4は、図2に記載した基板の構成を示す斜視図であり、図5は、液晶パネルを示す側面断面図である。この実施の形態1にかかる電気光学機器の製造方法では、まず、前工程にて、各基板30、31の膜面30a、31aに配向膜を形成し(ST1)、ラビング処理を施す(ST2)。シール材32は印刷に限られず、ディスペンサを使用した描画などによって形成しても構わない。また、下側基板31には、紫外線硬化材料から成り、基板30、31間にて液晶34のセルを構成するシール材32を印刷し(ST3)、このセル内にギャップ材33を散布する(ST4)。ギャップ材33は、所定の径を有する球状の微粒子から成り、基板30、31間に介在して挟み込まれ、その径にて所定の高さのセルギャップを形成する。次に、セル内に液晶34を滴下し(ST5)、搬送機器(図示省略)を用いて基板30、31を真空チャンバ11内に搬入する(ST6)。基板30、31は、その膜面30a、31aの背面側を、上下の静電チャック12、13の保持面12a、13aに、膜面30a、31aを相互に対向させた状態で保持される。(図2参照)。このとき、基板30、31は、平坦な保持面12a、13aにより、その全面をほぼ均一に吸着されて保持される。なお、これらの工程は、すべて大気中にて行われる。
【0045】
次に、真空チャンバ11内の空気を排気口(図示省略)から排出して、真空チャンバ11内を真空状態とする(ST7)。そして、可動軸14を駆動して上方の静電チャック12を変位させ、上側基板30を降下させて下側基板31に近付ける。そして、各基板30、31に設けた位置合わせマーク(図示省略)を参照しつつ基板30、31の貼り合わせ位置を調整する(ST8)。貼り合わせ位置の調整は、顕微鏡(図示省略)にて覗きながらテーブル15を動かし、下側基板31を平面方向に回転平行移動させて行う。次に、上側基板30をさらに降下させて下側基板31上のシール材32に接触させ、さらに可動軸14により機械的な圧力を加えつつシール材32を押し潰し、ギャップ材33が両基板30、31に付勢して機能する位置まで押し下げる(図5参照)。すなわち、上側基板30が散布したギャップ材33に付勢し、基板30、31間がギャップ材33の径にほぼ均一に揃うまで上側基板30を加圧する。これにより、基板30、31間に所定の均一なセルギャップを形成する(ST9)。なお、この実施の形態1では、静電チャック12が平坦な保持面12aにて上側基板30の全面をほぼ均等に加圧するので、セルギャップを均一にむら無く形成できる利点がある。また、基板30、31の位置合わせ精度およびセルギャップの均一性のいずれか一方でも不十分な場合には(ST10)、さらに、貼り合わせ位置の調整(ST8)および上側基板30の加圧(ST9)を繰り返して、所定の位置合わせ精度および所定のセルギャップを形成する。
【0046】
次に、上記位置調整およびセルギャップの形成が完了した後、基板30、31を静電チャック12、13により加圧した状態のまま保持して固定し、真空状態にて紫外線をスポット状に照射して(ST11)(図3(a)参照)、シール材32の一部を仮硬化させる。すなわち、調整した貼り合わせ位置および形成したセルギャップを、静電チャック12を固定することにより維持した状態のままシール材32を仮硬化させる。これにより、シール材の弾力や静電チャック解除後の残留保持力等による上側基板30の浮動を抑制できるので、静電チャック102の加圧を上側基板110から外した状態にて紫外線を照射する従来の電気光学機器の製造方法と比較して(図13参照)、より位置精度が高い基板の貼り合わせが可能となり、また、より均一性の高いセルギャップを形成できる利点がある。また、真空状態にてシール材32を硬化させるので、雰囲気を真空中から大気中に変化させた後シール材を硬化させる従来の電気光学機器の製造方法と比較して(図13参照)、大気圧の付加による位置ずれやセルギャップの変化を防止できる利点がある。また、位置調整およびセルギャップの形成が完了した後に、基板30、31を固定保持したまま直ちにシール材32を硬化させるので、搬送手段により基板110、111を真空チャンバ101から搬出した後シール材を硬化させる従来の電気光学機器の製造方法と比較して(図13参照)、搬送手段との接触や搬出時の振動による位置ずれやセルギャップの変化を防止できる利点がある。また、シール材32に紫外線を照射すれば、紫外線の輻射熱によりシール材32が熱膨張するが、この実施の形態1では、紫外線の照射時にも上側基板30を加圧状態で固定保持するので、シール材32の熱膨張による上側基板30の浮動を防止できる利点がある。さらに、位置ずれやセルギャップの変化が生じれば、再度、これらを調整する必要が生じるため工数が増大し、再調整が不能であれば製品を廃棄せざるを得ないという問題点があるが、この実施の形態1によれば、かかる問題点は生じない。
【0047】
ところで、仮硬化に用いる紫外線は、紫外線ランプ19から発されて、窓部16から真空チャンバ11内に入り、静電チャック12の紫外線通路17を通って保持面12aの紫外線照射部18から基板30、31間のシール材32に照射される。これにより、真空チャンバ11内にて基板30、31を固定保持したまま、シール材32を硬化させ得る利点がある。なお、従来の電気光学機器の製造装置100では、構造上、静電チャック102、103により基板110、111を加圧保持した状態にて、シール材に紫外線を照射することはできなかった。すなわち、静電チャック102、103は、一般に、その保持面102aをアルミナ系セラミック材等により構成され、且つ、かかる部材は紫外線を透過しない。このため、保持された基板110、111は、上下面を遮蔽された状態にあるため、静電チャック102、103を外した後でなければ、紫外線を照射できない。そこで、この実施の形態1では、窓部16や紫外線通路17を設けて、基板30、31を保持した状態にてシール材32に紫外線を照射できるようにした。
【0048】
次に、静電チャック12を上昇させて上側基板30から外し(ST12)、静電チャック12の付勢による機械的な加圧を解除し、真空チャンバ11内を大気中とする(ST13)。ST12とST13の順序は逆でも構わない。これにより、基板30、31間には大気圧が付加される。そして、基板30、31を搬送機器(図示省略)により真空チャンバ11外に搬出し(ST14)、別工程にてシール材32を全硬化させる。シール材32の全硬化は、未だ硬化していない部分に紫外線を照射して硬化させる工程と、加熱処理によりシール材32全体を本硬化させる工程とを含む。かかる工程でも、シール材32の仮硬化により基板30、31間が固定されているので、紫外線の照射や加熱処理によりシール材32が熱膨張等しても、基板30、31間の調整された位置やセルギャップは維持される。なお、貼り合わされた基板30、31は、その後の工程にて表示エリア部35ごとに切断され、液晶パネルとなる複数の小基板に分割される。
【0049】
なお、この実施の形態1では、ギャップ材33を下側基板31上に散布して配置したが、ギャップ材33を多数設けることは基板30、31間のセルギャップの均一性を高められる点で好ましい。ところで、プロジェクター等の電気光学機器では、射影にあたり表示画素エリアが拡大されて、ギャップ材が拡大表示され、画像に影をつくるという問題点がある。そこで、液晶パネルの表示エリア部35内にはギャップ材33を散布せず、周辺のシール材32にのみギャップ材33を含める構成としてもよい。かかる構成では、シール材32の印刷工程(ST3)とギャップ材33の散布工程(ST4)とを併合できるので、製造工程を短縮化できる利点がある。一方、かかる場合には、ギャップ材の総量が減少するため、基板30、31間のセルギャップを均一に保ち難いという問題点がある。この点において、この実施の形態1にかかる電気光学機器の製造方法では、静電チャック12、13により基板30、31を加圧保持しつつシール材32を硬化させるので、ギャップ材33が少ない場合にも、セルギャップの均一性を確保できる利点がある。
【0050】
また、この実施の形態1では、静電チャック12の保持面12aを平坦な平面構造としたが、これに限らず、保持面12aに凹凸を設けてもよい。図6は、静電チャックの保持面の変形例を示す斜視図である。同図に示すように、保持面12aにシール材32の配置部分に対応した凸部40を設け、基板30、31の保持にあたり、この凸部40をシール材32の配置部分に沿って上側基板30に付勢させる構成としてもよい。これにより、シール材32を効率的に加圧できるので、シール材32の熱膨張による上側基板30の浮遊を効果的に抑制できる利点がある。特に、シール材32にギャップ材33を含め、且つ、他にギャップ材33を散布しない構成を採る場合には、シール材32を集中して加圧することにより配置された少量のギャップ材33を確実に機能させ得るので、ギャップ材33を多量に散布する場合と同様の効果を得られる利点がある。また、例えば、保持面12aにギャップ材33の配置部分に対応した凸部を設け、この凸部をギャップ材33を配置した部分に沿って上側基板30に付勢させる構成としてもよい(図示省略)。これにより、ギャップ材33が配置された部分を効果的に加圧して、ギャップ材を確実に機能させ得る利点がある。具体的には、この実施の形態1において、ほぼ液晶パネルの表示エリア部35に対応する凸部41を保持面12aに設け、ギャップ材33が散布される表示エリア部35付近を集中的に加圧する構成が該当する(図7参照)。一方で、この具体例とは逆に、表示エリア部35に対応する凹部42を保持面12aに設け、保持状態にて保持面12aが表示エリア部35に付勢しない構成としてもよい(図8参照)。これにより、表示エリア部35への静電チャック12の接触を防止して、接触による表示エリア部35の破損を抑制できる利点がある。
【0051】
また、上記のように保持部12aに凹凸を設ける変形例に代えて、保持面12aと上側基板30との間に切り抜き部を有するシート状部材を配置し、このシート状部材を介して上側基板30を加圧保持する構成としてもよい。図9はシート状部材を用いる保持方法の変形例の一例を示す説明図である。このシート状部材50は、上側基板30の表示エリア部35に対応する部分を切り抜いた切り抜き部51を有し、静電チャック12の保持面12aと上側基板30との間に配置されて、保持面12aからの加圧を上側基板30に選択的に伝える。すると、加圧保持状態にて、切り抜き部51が位置する上側基板30の表示エリア部35には、シート状部材50が接触しない。これにより、表示エリア部35の破損を防止できる利点がある。さらに、この切り抜き部51の切り抜きパターンを変えた複数種類のシート状部材50を準備し、基板30、31の表示エリア部35等の形状に応じて適宜選択して用いてもよい。これにより、単一の電気光学機器の製造装置1にて、複数種類の基板30、31を処理できる利点がある。すなわち、複数種類のシート状部材50を選択的に用いれば、凹凸を設けた単一の保持部12aにより基板を加圧する場合よりも、多様な基板30、31を処理できる利点がある。なお、シート状部材は、発塵しない材料を用いて形成され、静電チャック12の保持面12aに、固定手段を設けて着脱可能に固定する。また、シート状部材50を金属材料その他の硬質材料により構成すれば、高い精度にて基板30、31を選択加圧できる利点がある。
【0052】
また、この実施の形態1では、紫外線照射部18をスポット状に設けたが(図3(a)参照)、これは、静電チャック12、13の保持面12a、13aの面積を広く取り、基板30、31の吸着力を高める点で好ましい。しかし、これに限らず、紫外線照射部18の占有面積を広く取る構成としてもよい。これにより、シール材32の硬化部分が増加して基板30、31間が強固に固定されるので、基板30、31の搬出時(ST14)やシール材32の本硬化時における位置精度やセルギャップの変動を抑止できる利点がある。また、基板30、31の保持状態にて、シール材32すべてを仮硬化もしくは本硬化させてもよい。これにより、再度紫外線を照射してシール材32を硬化させる工程を省略できる利点がある。
【0053】
また、この実施の形態1では、紫外線の照射を上側基板30側から行ったが、これに限らず、下側基板31側から行ってもよいし、上下の双方向から行ってもよい。これにより、紫外線の照射態様の自由度が広がると共に、シール材32を多方向から確実に硬化できる利点がある。かかる場合には、下側の静電チャック13に、上側と同様な紫外線照射手段16〜19を設ける。また、基板30、31の保持状態にて、貼り合わされた基板30、31の外周方向から紫外線を照射する構成としてもよい。図10は、紫外線の照射方法の変形例を示す説明図である。同図に示すように、基板30、31を静電チャック12、13にて挟み込み保持した状態にて、基板30、31の外周方向から紫外線ランプ20を移動させつつ紫外線を照射してもよい。これにより、シール材32の外周部分を仮硬化させ、貼り合わせ位置やセルギャップの変動を防止できる利点がある。なお、かかる外周方向から紫外線を照射する方法は、片側鏡面基板やマイクロ・レンズ・アレイ等に対して好適である。すなわち、液晶パネルの表示エリアは、一般に紫外線に対して弱いため、その製造工程でも基板30、31の表示エリア部35に対して紫外線の照射を避けるべき要請がある。この点において、基板30、31の外周方向から紫外線を照射する方法によれば、基板30、31の平面方向から紫外線を照射する場合(図2参照)と比較して、基板30、31間での紫外線の乱反射を抑制できるので、表示エリア部35に対する紫外線の照射量を低減できる利点がある。
【0054】
また、この実施の形態1では、シール材32を硬化させて基板30、31を仮固定したが、これに限らず、シール材32とは別の硬化材を基板30、31間に設け、この硬化材により基板30、31を仮固定してもよい。図11は、かかる硬化材60の配置例を示す説明図である。同図に示すように、紫外線硬化性の硬化材60を、シール材32とは別に下側基板31の外周付近に設け、この硬化材60により基板30、31間の位置関係を仮固定する。かかる構成によっても、シール材32の本硬化前における貼り合わせ位置やセルギャップの変動を防止できる利点がある。なお、この硬化材60を、小基板への分割にあたり切除される部分に設ければ、製品である液晶パネルに硬化材60が残らないという利点がある。
【0055】
また、この実施の形態1において、本発明により製造される電気光学機器を備えた電子機器として、例えば、携帯電話機(図15参照)、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器や携帯型パーソナルコンピュータ、パーソナルコンピュータ、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、デジタルビデオカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、液晶プロジェクタ、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、POS端末機などの機器が含まれる。
【0056】
(実施の形態2)
図12は、この発明の実施の形態2にかかる電気光学機器の製造装置の要部を示す構成図である。なお、同図において、上記実施の形態1の電気光学機器の製造装置1と同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を省略する。この電気光学機器の製造装置2は、真空チャンバ70と、静電チャック71、72とを含み構成される。真空チャンバ70は、紫外線を透過する石英ガラス製の天井部70aおよび側壁部70bとを備え、床部70cにてテーブル73に固定支持される。テーブル73は、平面方向に平行移動および回転移動が可能であり、これにより支持した真空チャンバ70を変位させる。また、真空チャンバ70の天井部70a内壁には、静電チャック71が固定設置される。この静電チャック71は、略環状構造を有し、その環状部71aにて上側基板30を静電吸着力により吸着して保持し、その中央部71bにて紫外線の通路を構成する。また、真空チャンバ70内の下方には、静電チャック71と対を成す他の静電チャック72が配置される。この静電チャック72は、略円盤形状を有し、下側基板31を保持する保持面72aを上方の静電チャック71の保持面71dに対向させて配置され、その底部72bにて可動軸74に固定支持される。可動軸74は、上下方向に変位可能であり、この変位により静電チャック72を上昇させる。また、真空チャンバ70の天井部70a上方と、側壁部70b外周には、紫外線ランプ19、20が配置される。天井部70a側の紫外線ランプ19は、天井部70aと静電チャック71の中央部71bとを介して、基板30、31の平面方向から紫外線を照射する。また、側壁部70b側の紫外線ランプ20は、側壁部70bを介して基板30、31の外周方向から紫外線を照射する。
【0057】
この実施の形態2において、静電チャック71、72に吸着された基板30、31は、下方の静電チャック72の平行回転移動により貼り合わせ位置を調整され(ST8)、且つ、静電チャック72の上昇変位により加圧されて所定のセルギャップを形成されて(ST9)貼り合わされる。そして、基板30、31は、この状態にて静電チャック71、72により加圧保持されつつ、平面方向および外周方向から紫外線を照射されて(ST11)シール材32を硬化され、相互の位置関係を固定される。なお、固定された基板30、31は、その後真空チャンバ70外に搬送されて後工程に処される。この実施の形態2によれば、可動軸74を下方に配置して、静電チャック71の上方のスペースを広く設けたので、可動軸14により上方からの紫外線の照射範囲が制限される上記実施の形態1の場合と比較して、基板30、31に対して広い範囲で紫外線を照射できる利点がある。これにより、真空チャンバ70内にて、シール材32全体を紫外線により硬化できるので、再度紫外線を照射してシール材32を硬化させる後工程を省略できる利点がある。なお、この実施の形態2において、基板30の表示エリア部35その他の紫外線を照射したくない部分には、遮光膜を設けてもよい。これにより、紫外線を選択的に照射できる利点がある。また、かかる場合には、紫外線は、平行光であることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる電気光学機器の製造方法の要部を示すフローチャートである。
【図2】この発明の実施の形態1にかかる電気光学機器の製造装置の要部を示す構成図である。
【図3】図2に記載した静電チャックを示す平面図(a)および側面断面図(b)である。
【図4】図2に記載した基板の構成を示す斜視図である。
【図5】液晶パネルを示す側面断面図である。
【図6】静電チャックの保持面の変形例を示す斜視図である。
【図7】静電チャックの保持面の変形例を示す斜視図である。
【図8】静電チャックの保持面の変形例を示す斜視図である。
【図9】シート状部材を用いる保持方法の変形例の一例を示す説明図である。
【図10】紫外線の照射方法の変形例を示す説明図である。
【図11】硬化材60の配置例を示す説明図である。
【図12】この発明の実施の形態2にかかる電気光学機器の製造装置の要部を示す構成図である。
【図13】従来の電気光学機器の製造方法の要部を示すフローチャートである。
【図14】従来の電気光学機器の製造装置の要部を示す構成図である。
【図15】電気光学機器の一例を示す図である。
【符号の説明】
1、2 電気光学機器の製造装置、12、13、71、72 静電チャック、14、74 可動軸、15、73 テーブル、16 窓部、17 紫外線通路、19、20 紫外線ランプ、50 シート状部材
Claims (14)
- 第1基板および第2基板の間に介在させるギャップ材を、前記第1基板もしくは前記第2基板上に配置するギャップ材配置ステップと、
前記第1基板もしくは前記第2基板上に硬化材を配置する硬化材配置ステップと、
前記第1基板と前記第2基板とを加圧しながら貼り合わせ、これらの基板の間隔を前記ギャップ材の高さに調整して、所定の前記セルギャップを形成する基板加圧貼合ステップと、
前記第1基板および前記第2基板を保持手段により保持して前記セルギャップを維持しつつ、前記硬化材を硬化させて前記第1基板を前記第2基板に固定する基板固定ステップと、
を含む電気光学機器の製造方法。 - 前記基板加圧貼合ステップは、前記第1基板と前記第2基板とを一対の前記保持手段によりそれぞれ保持しつつ、当該保持手段の少なくとも一方の保持位置を変位させて行う請求項1に記載の電気光学機器の製造方法。
- 前記基板加圧貼合ステップから前記基板固定ステップに至るまでの工程は、減圧雰囲気下にて行われる請求項1または2に記載の電気光学機器の製造方法。
- 前記第1基板および前記第2基板を貼り合わせるにあたり、これらの基板間の貼り合わせ位置を調整する貼合位置調整ステップを含み、且つ、
前記基板固定ステップは、前記貼り合わせ位置を調整した状態にて一対の前記保持手段により前記第1基板および前記第2基板を保持しつつ前記硬化材を硬化させる請求項1〜3のいずれか1つに記載の電気光学機器の製造方法。 - 前記第1基板もしくは前記第2基板に対する加圧は、基板を保持する保持面に凸部を有する前記保持手段を用いると共に、前記凸部を前記加圧をされる部分に付勢して行われる請求項1〜4のいずれか1つに記載の電気光学機器の製造方法。
- 前記第1基板もしくは前記第2基板に対する加圧は、前記保持手段の保持面に対して前記第1基板もしくは前記第2基板のうち、前記保持面と接触させない部分を切り抜いたシート状部材を、前記保持面と前記第1基板もしくは前記第2基板との間に配置すると共に、当該シート状部材を介して前記第1基板もしくは前記第2基板を保持しつつ行われる請求項1〜5のいずれか1つに記載の電気光学機器の製造方法。
- 前記第1基板もしくは前記第2基板に対する加圧は、異なる切り抜きパターンを有する複数の前記シート状部材を、貼り合わせる基板の種類に応じて選択して用い、行われる請求項6に記載の電気光学機器の製造方法。
- 前記硬化材が紫外線硬化材料から成り、前記硬化材が前記第1基板もしくは前記第2基板の表示エリア部と平面的に異なる位置に設けられ、且つ、前記硬化材を硬化させる紫外線が前記表示エリア部以外の部分に照射される請求項1〜7のいずれか1つに記載の電気光学機器の製造方法。
- 前記硬化材は紫外線硬化材料から成ると共に、前記保持手段は基板を保持する保持面側から紫外線を照射する紫外線照射部を有し、且つ、
前記基板固定ステップは、前記第1基板もしくは前記第2基板を保持した状態にて、前記紫外線照射部から前記硬化材に紫外線を照射する請求項1〜8のいずれか1つに記載の電気光学機器の製造方法。 - 前記硬化材は、紫外線硬化材料から成り、且つ、
前記基板固定ステップは、基板の外周方向から前記硬化材に紫外線を照射する請求項1〜9のいずれか1つに記載の電気光学機器の製造方法。 - 基板を保持する保持面と、
当該保持面上に設けられると共に前記基板を他の基板に貼り合わせるにあたり前記基板の一部分に付勢して当該一部分を加圧する加圧部と、
を有する保持手段を含む電気光学機器の製造装置。 - 基板を保持する保持面と、
前記基板の、前記保持面に対して接触しない部分を切り抜いた切り抜き部を有すると共に、複数の前記基板を貼り合わせるにあたり前記保持面と前記基板との間に介在して配置されるシート状部材を、前記保持面に固定するシート状部材固定部と、
を有する保持手段を含む電気光学機器の製造装置。 - 基板を貼り合わせるにあたり当該基板を保持する保持手段と、
紫外線を発生する紫外線発生手段とを含み、且つ、
前記保持手段は、前記紫外線発生手段が発する紫外線を、前記基板を保持する保持面側から照射する紫外線照射部を有する電気光学機器の製造装置。 - 上記請求項1〜10のいずれか1つに記載の電気光学機器の製造方法にて製造される電気光学機器を備えた電子機器。
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