JP2004151598A - トランジスタアレイおよびその製造方法、並びにトランジスタアレイを用いた液晶表示装置 - Google Patents
トランジスタアレイおよびその製造方法、並びにトランジスタアレイを用いた液晶表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】品質および歩留まりを向上させるトランジスタアレイおよびその製造方法、並びにトランジスタアレイを用いた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】透明絶縁性基板上にゲートバスライン1およびソースバスライン2を形成し、該ゲートバスライン1とソースバスライン2との交差部に画素電極3を形成する。そして、上記画素電極3を形成する画素領域上に、該画素領域をさらに小さい領域に分割するダミーラインパターン12をさらに形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】透明絶縁性基板上にゲートバスライン1およびソースバスライン2を形成し、該ゲートバスライン1とソースバスライン2との交差部に画素電極3を形成する。そして、上記画素電極3を形成する画素領域上に、該画素領域をさらに小さい領域に分割するダミーラインパターン12をさらに形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランジスタアレイおよびその製造方法、並びにトランジスタアレイを用いた液晶表示装置に関するものである。より詳しくは、品質および歩留まりを向上させたトランジスタアレイおよびその製造方法、並びにトランジスタアレイを用いた液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示装置は小型、薄型、低消費電力、軽量といった特徴を持ち各種電子機器に広く用いられるようになっている。特にスイッチング素子を能動素子として有するアクティブマトリクス型液晶表示パネルはCRT(Cathode Ray Tube)と同等の表示特性が得られるため、パソコン等のOA(office automation)機器、テレビ等のAV(audio visual)機器や携帯電話などに広く応用されている。
【0003】
上記アクティブマトリクス型液晶表示装置について図4を参照しながら説明する。
【0004】
薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))基板である透明絶縁性基板21上にゲート電極22、ソースバスライン(図示せず)、画素電極23を設ける。さらにその表面を覆うように配向膜24を設け、配向膜をラビング処理することにより液晶基板28を生成する。一方、対向透明絶縁性基板25のカラーフィルタ(図示せず)上に透明電極26および配向膜27を設け、配向膜27をラビング処理することにより対向基板29を生成する。そして、液晶30を上記2枚の基板28・29間に封入する。
【0005】
上記アクティブマトリクス型液晶表示装置に用いられる薄膜トランジスタアレイの製造方法について、図5および図6に基づいて説明する。図5は従来の薄膜トランジスタアレイの1画素を示す平面図であり、図6は、図5に示す薄膜トランジスタアレイの1画素のA−A’線矢視断面図である。
【0006】
透明絶縁性基板21上にゲートバスライン31およびソースバスライン32を形成する。また、ゲートバスライン31にゲート電極33を形成し、その上にゲート絶縁膜34を製膜する。ゲート絶縁膜34上に不純物を含まない非晶質シリコン層(以下、第1半導体層という)35および不純物を含む非晶質シリコン層(以下、第2半導体層という)36を一括でパターニングし、ゲート電極33上にソース電極37およびドレイン電極38を形成する。その後第2半導体層36をエッチングすることによりソース電極37とドレイン電極38とをソース・ドレイン分離エッチングする。そして、透明画素電極39を形成した後に、保護膜40を全面に被覆する。これにより、薄膜トランジスタアレイが製造される。
【0007】
【特許文献1】
特開平2−94594号公報(公開日:平成2年4月5日)
【0008】
【特許文献2】
特開平7−202430号公報(公開日:平成7年8月4日)
【0009】
【特許文献3】
特開平7−336024号公報(公開日:平成7年12月22日)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のアクティブマトリクス型液晶表示装置に用いられる薄膜トランジスタアレイの製造方法は、第1半導体層および第2半導体層を、フォトリソグラフィック工程により一括でパターニングする際に、パターン欠陥が発生し、歩留まりが低下するという問題点を有している。
【0011】
すなわち、上記方法では、第1半導体層および第2半導体層をフォトリソグラフィック工程によりパターニングする際に、難溶解性のレジスト成分が残留してしまい、いわゆる難溶解性レジスト成分残りが発生してしまう。そして、難溶解性レジスト成分残りが、次工程のエッチング工程においてマスクとなるため、本来除去されるべき、第1半導体層および第2半導体層が除去されず、例えばデータ信号線用ソース電極と画素電極とを短絡するように残り、画素欠陥が発生し、品質および歩留まりを低下させるという問題点を有している。
【0012】
なお、従来のフォトリソグラフィック工程に起因するパターン欠陥(欠損や余剰)を修正する方法としては、フォトリソグラフィック工程後の検査にて合格か不合格かを判定し、不合格の基板に対してはレジストパターンをレジスト剥離液などで剥離させた後に、再度フォトリソグラフィック工程を実施する方法がある。しかし、従来の方法では、この方法を何度用いてパターン欠陥をなくそうとしてもなくならず、無限ループに陥ってしまうため、上記特許文献1から3には、個々のパターン欠陥を検出し、レーザ等で修正する技術が開示されている。
【0013】
しかしながら、上記特許文献1から3に開示されている技術は、検査および修正という工程が増加するため、製造コストが増加してしまう。また、難溶解性レジスト成分残りは、非常に膜厚が薄いため光の透過率が高く、フォトリソグラフィック工程後の検査工程で検出するのが困難であるという問題点も有る。
【0014】
本発明は、上記問題点を解決するために提案されたものであり、フォトリソグラフィック工程のパターニングにおいて難溶解性レジスト成分残りを減少させ、品質および歩留まりを向上させることを可能とするトランジスタアレイおよびその製造方法、並びにトランジスタアレイを用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるトランジスタアレイの製造方法は、上記課題を解決するために、基板上に走査信号線およびデータ信号線を形成する信号線形成工程と、該走査信号線とデータ信号線との交差部に画素電極を形成する画素電極形成工程とを含むトランジスタアレイの製造方法において、上記画素電極を形成する画素領域上に、該画素領域をさらに小さい領域に分割するパターンを形成するパターン形成工程をさらに含むことを特徴としている。
【0016】
上記方法によれば、基板上に形成された走査信号線とデータ信号線との交差部に設けられた画素電極を形成する画素領域上に、画素領域をさらに小さい領域に分割するように、パターンを形成する。
【0017】
従来のトランジスタアレイの製造方法では、トランジスタ基板上の画素領域は平坦であるため、第1半導体層および第2半導体層等をフォトリソグラフィック工程にてパターニングした後の現像工程において使用する現像液を、画素領域上に十分ためておくことができず、難溶解性のレジスト成分が残留してしまい、いわゆる難溶解性レジスト成分残りが発生してしまう。これに対して、本発明のトランジスタアレイの製造方法では、画素領域をさらに小さい領域に分割するパターンを形成させることによって、例えば、パターニング後の現像工程において使用する現像液を、この分割された小さい領域に十分ためておくことが可能となり、難溶解性レジスト成分残りの発生を防止することができる。
【0018】
すなわち、例えば、現像工程において使用するフォトレジストを確実に除去することが可能となり、結果として画素領域上に難溶解性レジスト成分残りが発生することを防止することができるため、画素欠陥の発生を防止することができる。これにより、品質および歩留まりを向上させることができるトランジスタアレイの製造方法を提供することができる。
【0019】
また、本発明を採用することにより、パターンを新たに設置することで難溶解性レジスト成分残りを低減することが可能であり、検査修正にかかるコストを低減することができる。また、フォトリソグラフィック工程後の検査工程で検出できないパターン欠陥を見逃すことで歩留まりを低下させてしまうという特許文献1から3に開示された技術における問題点をも解決することができる。
【0020】
本発明にかかるトランジスタアレイの製造方法は、上記構成に加え、上記分割された各領域の面積は、10000μm2以下であることを特徴としている。
【0021】
上記方法によれば、画素領域上に、パターンを形成することによって分割された画素領域が十分小さくなるため、難溶解性レジスト成分残りの発生の防止をより効果的に行うことができる。従って、品質および歩留まりをより向上させることができる。
【0022】
本発明にかかるトランジスタアレイの製造方法は、上記構成に加え、上記信号線形成工程において走査信号線にゲート電極を形成するとともに、該ゲート電極上に半導体層を形成する半導体層形成工程をさらに含み、上記パターン形成工程と、上記半導体層形成工程とが同時に行われることを特徴としている。
【0023】
上記方法によれば、パターンを形成する工程と、走査信号線に形成されたゲート電極上に半導体層を形成する工程とを同時に行うことができるので、工程を簡略化することが可能となり、トランジスタアレイを効率的に製造することができる。
【0024】
本発明にかかるトランジスタアレイの製造方法は、上記構成に加え、上記パターンは、上記半導体層からなっていることを特徴としている。
【0025】
上記方法によれば、パターンの形成を、半導体層の形成と同時に行うことができるので、工程を簡略化することが可能となり、トランジスタアレイの製造を効率的に行うことができる。
【0026】
本発明にかかるトランジスタアレイは、上記課題を解決するために、上記いずれかに記載の製造方法により製造されることを特徴としている。
【0027】
上記構成によれば、品質を向上させたトランジスタアレイを得ることができる。
【0028】
本発明にかかる液晶表示装置は、上記課題を解決するために、上記記載のトランジスタアレイを用いてなることを特徴としている。
【0029】
上記構成によれば、品質を向上させた液晶表示装置を得ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図1ないし図3に基づいて以下に説明する。
【0031】
図1は、本実施の形態にかかる薄膜トランジスタアレイ(トランジスタアレイ)の1画素を示す平面図である。
【0032】
図1に示すように、本実施の形態にかかる薄膜トランジスタアレイの1画素は、ゲートバスライン(走査信号線)1とソースバスライン(データ信号線)2とが互いに交差するように配置されており、この交差部に画素電極3が配置されている。また、ゲートバスライン1にはゲート電極4が、ソースバスライン2にはソース電極5が形成されており、画素電極3にはドレイン電極6が接続されている。
【0033】
ゲートバスライン1が選択されることによってゲート電極4に電圧が印加され、ソース電極5およびドレイン電極6間を流れる電流が制御される。ソースバスライン2から伝送された信号に基づいて、ソース電極5からドレイン電極6、画素電極3へと電流が流されることによって、画素電極3は、所定の表示を行うようになっている。
【0034】
次に、上記薄膜トランジスタアレイの製造方法について図2に基づいて説明する。
【0035】
図2は、薄膜トランジスタアレイの製造工程を示すものであり、図1に示す薄膜トランジスタアレイの1画素のB−B’線矢視断面図である。
【0036】
まず、ガラス等からなる透明絶縁性基板(基板)7上にゲート電極用金属膜としてのアルミニウム膜を製膜する。製膜されたアルミニウム膜上に感光剤としてのフォトレジストを塗布し、フォトレジストの上にゲート電極の形状に形成された所定のパターンを有するマスクを載せ、紫外線等の光照射によりマスクに形成したパターンをフォトレジストに露光する。すなわち、フォトリソグラフィック工程を行う。
【0037】
次に、現像液を塗布することにより現像を行い、露光されていないフォトレジストを除去した後に、ドライエッチング等のエッチングを行うことによってゲート電極を形成するために必要なアルミニウム膜以外の、不要なアルミニウム膜を除去する。そして、ゲート電極上に残っている露光されたフォトレジストを除去することによって、ゲート電極4が形成される(図2(a)参照)。
【0038】
なお、上記ゲート電極4を形成する工程において、ゲート電極4と同様の方法でゲートバスライン1が形成され、ゲートバスライン1が形成された後に、ゲートバスライン1と交差するようにソースバスライン2が形成される。すなわち、透明絶縁性基板7上にゲートバスライン1およびソースバスライン2を形成する工程(信号線形成工程)が行われる。
【0039】
次に、ダミーラインパターン(パターン)12を形成する工程(パターン形成工程)を説明する。
【0040】
上記ゲート電極4を形成した透明絶縁性基板7の表面全体に、窒化シリコン(SiN)等からなるゲート絶縁膜8、不純物を含まない非晶質シリコン膜(半導体層)(以下、第1半導体層という)および不純物を含む非晶質シリコン膜(半導体層)(以下、第2半導体層という)を、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により連続してこの順に製膜する。
【0041】
そして、フォトリソグラフィック工程を行う。すなわち、製膜したゲート絶縁膜8、第1半導体層および第2半導体層上に感光体としてのフォトレジストを塗布し、フォトレジストの上に所定のパターンを有するマスクを載せ、紫外線等の光照射によりマスクに形成したパターンを露光する。
【0042】
上記マスクは、ゲート電極4上に、第1半導体層および第2半導体層を島状(図1参照)に形成することができるパターンを有しているとともに、画素領域上の第1半導体層および第2半導体層を、画素領域を分割する形状に形成することができるパターンを有している。
【0043】
なお、画素領域とは、ゲートバスライン1とソースバスライン2との交差部の、画素電極3が形成される領域のことである。また、画素領域を分割する形状とは、例えば、図1に示すように、画素領域の周囲を取り囲み、囲まれた部分を格子状に区切るような形状のことである。さらに、画素領域を分割する形状は、分割された各領域がダミーラインパターンによって完全に取り囲まれた、いわゆる閉状態であることに限定されず、画素領域をある一定面積以下に分割し、現像液をためておくことのできるようなほぼ閉じた形状であればよい。例えば、格子状を形成するダミーラインパターンの交差する部分が欠落しているダミーラインパターンによって分割された形状や、交差する部分のみが形成されているダミーラインパターンによって分割された形状、迷路状のダミーラインパターンによって分割された形状であってもよい。
【0044】
その後、現像液を塗布することにより現像を行い、露光されていないフォトレジストを除去した後に、ドライエッチング等のエッチングを行うことによって、不要な第1半導体層と第2半導体層とを除去する。
【0045】
これにより、ゲート電極4が形成された透明絶縁性基板7全面にゲート絶縁膜8が形成されるとともに、ゲート電極4上に第1半導体層9および第2半導体層10が島状に形成され、画素領域上に画素領域を分割する形状の第1半導体層9および第2半導体層10、いわゆるダミーラインパターン12が形成される(図1および図2(b)参照)。すなわち、画素領域にダミーラインパターン12を形成する工程(パターン形成工程)と、ゲート電極4上に第1半導体層9および第2半導体層10を形成する工程(半導体層形成工程)とが同時に行われる。
【0046】
上記の形状を有するダミーラインパターン12を形成することにより、現像を行う際に使用する現像液を、ダミーラインパターン12にて分割した領域内にたまり易くすることができるため、従来の平坦な画素領域にたまる現像液の量と比較して、より多くの現像液を画素領域にためることができる。これにより、画素領域上のフォトレジストを十分に除去することが可能となり、画素領域の各画素内において発生していた難溶解性レジスト成分残りを減少させることができ、その結果、品質および歩留まりを向上させることができる。
【0047】
なお、第1半導体層9および第2半導体層10を形成する際に行われる現像は、例えば、現像液として2.5%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を使用し、60secパドル現像処理後に純水リンス処理を回転数200rpmにて20sec行い、回転数700rpmにてスピン乾燥することによって行うことができる。
【0048】
ここで、第1半導体層9と第2半導体層10とからなるダミーラインパターン12によって分割された分割領域面積の大きさと難溶解性レジスト成分残りによるマザーガラスあたりの欠陥発生数との相関データを図3に示す。なお、マザーガラスとは、薄膜トランジスタアレイを製造するためのガラス基板であり、1枚のマザーガラスに複数の薄膜トランジスタアレイを製造し、各薄膜トランジスタアレイを切り取ることによって、個々の薄膜トランジスタアレイを得ることができるものである。
【0049】
図3に示すように、ダミーラインパターン12によって分割された面積がより小さくなるにつれて、マザーガラスあたりの欠陥発生数が少なくなることが分かる。例えば、分割領域面積を10000μm2程度とすればマザーガラスに発生する欠陥を著しく減少させることが可能となることが分かる。従って、ダミーラインパターン12によって分割される面積はより小さい方が好ましく、少なくとも10000μm2以下であることが望ましい。
【0050】
次に、ソース電極5およびドレイン電極6を形成する工程を行う。第1半導体層および第2半導体層が島状に形成された透明絶縁性基板7上にアルミニウム膜を形成し、アルミニウム膜上に感光体としてのフォトレジストを塗布する。フォトレジストの上にマスクを載せ、紫外線等の光照射によりマスクに形成したパターンをフォトレジストに露光する。マスクは、アルミニウム膜が島状に形成された第1半導体層9および第2半導体層10を完全に覆うことができるパターンを有している。
【0051】
そして現像液を塗布することにより現像を行い、露光されていないフォトレジストを除去した後に、ドライエッチング等のエッチングを行うことによって不要なアルミニウム膜と、その下地の第2半導体層10とを除去することにより、ソース電極5とドレイン電極6とが形成される。これにより、第1半導体層9、第2半導体層10、ソース電極5およびドレイン電極6が完成し、薄膜トランジスタ基板が得られる(図2(c)参照)。
【0052】
なお、上記ソース電極5およびドレイン電極6を形成する工程においても、画素領域上に形成されたダミーラインパターン12によって画素領域が分割されているため、現像の際の現像液を十分ためておくことができ、フォトレジストを確実に除去することができる。
【0053】
そして、画素電極3を画素領域上にドレイン電極6と接続するように形成する。すなわち、ゲートバスライン1とソースバスライン2との交差部に画素電極3を形成する工程(画素電極形成工程)を行う。その後、保護膜13としてのSiN等を、CVD法を用いて薄膜トランジスタ基板全面に被覆する(図2(d)参照)。
【0054】
以上により、本発明にかかる薄膜トランジスタアレイが製造される。
【0055】
また、上記製造方法にて製造された薄膜トランジスタアレイを用いることによって、品質の高い液晶表示装置を得ることができる。薄膜トランジスタアレイを用いた液晶表示装置は、例えば、本発明にかかる薄膜トランジスタアレイ、偏光板、配向膜等を備えた液晶基板と、カラーフィルタ、透明電極、偏光板、配向膜等を備えた対向基板との間に液晶を封入し、駆動用電子回路、バックライト等の液晶表示装置として駆動させるために必要な部品を取り付けることによって製造することができる。
【0056】
なお、本実施の形態においては、ゲート電極4、ソース電極5およびドレイン電極6の材料としてアルミニウムを使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、所望のバスライン抵抗が得られる金属であればよい。例えば、タンタル(Ta)、チタン(Ti)およびクロム(Cr)等の金属並びにこれらの合金などを使用することが可能である。また、TaN/Ta/TaNやTi/Al/Tiなどの積層構造からなる膜を用いることも可能である。
【0057】
また、ソース電極5およびドレイン電極6は、一般的な金属膜だけに限定されることはなく、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電性膜を使用することも可能である。
【0058】
また、本実施の形態においては、半導体層として非晶質シリコンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばマイクロクリスタルシリコンまたはポリシリコンでも同様に実施可能である。
【0059】
また、本実施の形態においては、ダミーラインパターン12の形状を格子状としているが、本発明はこれに限定されることはなく、上述のとおり画素領域をある一定面積以下に分割することのできる形状であればよい。
【0060】
また、本実施の形態における第1半導体層9および第2半導体層10の現像条件は、一例を示したにすぎず、本発明は、当然にこの数値に限定されるものではない。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかるトランジスタアレイの製造方法は、画素電極を形成する画素領域上に、該画素領域をさらに小さい領域に分割するパターンを形成するパターン形成工程をさらに含む構成である。
【0062】
上記構成によれば、基板上に形成された走査信号線とデータ信号線との交差部に設けられた画素電極を形成する画素領域上に、画素領域をさらに小さい領域に分割するように、パターンを形成する。
【0063】
すなわち、例えば、現像工程において使用するフォトレジストを確実に除去することが可能となり、結果として画素領域上に難溶解性レジスト成分残りが発生することを防止することができるため、画素欠陥の発生を防止することができる。これにより、品質および歩留まりを向上させることができるトランジスタアレイの製造方法を提供することができるという効果を奏する。
【0064】
上記のトランジスタアレイの製造方法において、上記分割された各領域の面積は、10000μm2以下である構成としてもよい。
【0065】
上記構成によれば、画素領域上に、画素領域上に、パターンを形成することによって分割された画素領域が十分小さくなるため、難溶解性レジスト成分残りの発生の防止をより効果的に行うことができる。従って、品質および歩留まりをより向上させることができるという効果を奏する。
【0066】
上記のトランジスタアレイの製造方法において、上記信号線形成工程において走査信号線にゲート電極を形成するとともに、該ゲート電極上に半導体層を形成する半導体層形成工程をさらに含み、上記パターン形成工程と、上記半導体層形成工程とが同時に行われる構成としてもよい。
【0067】
上記構成によれば、パターンを形成する工程と、走査信号線に形成されたゲート電極上に半導体層を形成する工程とを同時に行うことができるので、工程を簡略化することが可能となり、トランジスタアレイを効率的に製造することができるという効果を奏する。
【0068】
上記のトランジスタアレイの製造方法において、上記パターンは、上記半導体層からなっている構成としてもよい。
【0069】
上記構成によれば、パターンの形成を、半導体層の形成と同時に行うことができるので、工程を簡略化することが可能となり、トランジスタアレイの製造を効率的に行うことができるという効果を奏する。
【0070】
以上のように、本発明にかかるトランジスタアレイは、上記いずれかに記載の製造方法により製造される構成である。
【0071】
上記構成によれば、品質を向上させたトランジスタアレイを得ることができるという効果を奏する。
【0072】
以上のように、本発明にかかる液晶表示装置は、上記記載のトランジスタアレイを用いてなる構成である。
【0073】
上記構成によれば、品質を向上させた液晶表示装置を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における、薄膜トランジスタアレイの1画素あたりの平面図である。
【図2】図2は、薄膜トランジスタアレイの製造工程を示すものであり、(a)〜(d)は、図1に示す薄膜トランジスタアレイの1画素のB−B’線矢視断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における、分割領域面積とマザーガラスあたりの欠陥発生数との相関データを示すグラフである。
【図4】従来の液晶表示装置の製造方法により製造された液晶表示装置の断面図である。
【図5】従来の薄膜トランジスタアレイの製造方法により製造された薄膜トランジスタアレイの1画素あたりの平面図である。
【図6】図5に示す薄膜トランジスタアレイのA−A’線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 ゲートバスライン(走査信号線)
2 ソースバスライン(データ信号線)
3 画素電極
4 ゲート電極
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 透明絶縁性基板(基板)
8 ゲート絶縁膜
9 不純物を含まない非晶質シリコン膜(半導体層)
10 不純物を含む非晶質シリコン膜(半導体層)
12 ダミーラインパターン(パターン)
13 保護膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランジスタアレイおよびその製造方法、並びにトランジスタアレイを用いた液晶表示装置に関するものである。より詳しくは、品質および歩留まりを向上させたトランジスタアレイおよびその製造方法、並びにトランジスタアレイを用いた液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示装置は小型、薄型、低消費電力、軽量といった特徴を持ち各種電子機器に広く用いられるようになっている。特にスイッチング素子を能動素子として有するアクティブマトリクス型液晶表示パネルはCRT(Cathode Ray Tube)と同等の表示特性が得られるため、パソコン等のOA(office automation)機器、テレビ等のAV(audio visual)機器や携帯電話などに広く応用されている。
【0003】
上記アクティブマトリクス型液晶表示装置について図4を参照しながら説明する。
【0004】
薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))基板である透明絶縁性基板21上にゲート電極22、ソースバスライン(図示せず)、画素電極23を設ける。さらにその表面を覆うように配向膜24を設け、配向膜をラビング処理することにより液晶基板28を生成する。一方、対向透明絶縁性基板25のカラーフィルタ(図示せず)上に透明電極26および配向膜27を設け、配向膜27をラビング処理することにより対向基板29を生成する。そして、液晶30を上記2枚の基板28・29間に封入する。
【0005】
上記アクティブマトリクス型液晶表示装置に用いられる薄膜トランジスタアレイの製造方法について、図5および図6に基づいて説明する。図5は従来の薄膜トランジスタアレイの1画素を示す平面図であり、図6は、図5に示す薄膜トランジスタアレイの1画素のA−A’線矢視断面図である。
【0006】
透明絶縁性基板21上にゲートバスライン31およびソースバスライン32を形成する。また、ゲートバスライン31にゲート電極33を形成し、その上にゲート絶縁膜34を製膜する。ゲート絶縁膜34上に不純物を含まない非晶質シリコン層(以下、第1半導体層という)35および不純物を含む非晶質シリコン層(以下、第2半導体層という)36を一括でパターニングし、ゲート電極33上にソース電極37およびドレイン電極38を形成する。その後第2半導体層36をエッチングすることによりソース電極37とドレイン電極38とをソース・ドレイン分離エッチングする。そして、透明画素電極39を形成した後に、保護膜40を全面に被覆する。これにより、薄膜トランジスタアレイが製造される。
【0007】
【特許文献1】
特開平2−94594号公報(公開日:平成2年4月5日)
【0008】
【特許文献2】
特開平7−202430号公報(公開日:平成7年8月4日)
【0009】
【特許文献3】
特開平7−336024号公報(公開日:平成7年12月22日)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のアクティブマトリクス型液晶表示装置に用いられる薄膜トランジスタアレイの製造方法は、第1半導体層および第2半導体層を、フォトリソグラフィック工程により一括でパターニングする際に、パターン欠陥が発生し、歩留まりが低下するという問題点を有している。
【0011】
すなわち、上記方法では、第1半導体層および第2半導体層をフォトリソグラフィック工程によりパターニングする際に、難溶解性のレジスト成分が残留してしまい、いわゆる難溶解性レジスト成分残りが発生してしまう。そして、難溶解性レジスト成分残りが、次工程のエッチング工程においてマスクとなるため、本来除去されるべき、第1半導体層および第2半導体層が除去されず、例えばデータ信号線用ソース電極と画素電極とを短絡するように残り、画素欠陥が発生し、品質および歩留まりを低下させるという問題点を有している。
【0012】
なお、従来のフォトリソグラフィック工程に起因するパターン欠陥(欠損や余剰)を修正する方法としては、フォトリソグラフィック工程後の検査にて合格か不合格かを判定し、不合格の基板に対してはレジストパターンをレジスト剥離液などで剥離させた後に、再度フォトリソグラフィック工程を実施する方法がある。しかし、従来の方法では、この方法を何度用いてパターン欠陥をなくそうとしてもなくならず、無限ループに陥ってしまうため、上記特許文献1から3には、個々のパターン欠陥を検出し、レーザ等で修正する技術が開示されている。
【0013】
しかしながら、上記特許文献1から3に開示されている技術は、検査および修正という工程が増加するため、製造コストが増加してしまう。また、難溶解性レジスト成分残りは、非常に膜厚が薄いため光の透過率が高く、フォトリソグラフィック工程後の検査工程で検出するのが困難であるという問題点も有る。
【0014】
本発明は、上記問題点を解決するために提案されたものであり、フォトリソグラフィック工程のパターニングにおいて難溶解性レジスト成分残りを減少させ、品質および歩留まりを向上させることを可能とするトランジスタアレイおよびその製造方法、並びにトランジスタアレイを用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるトランジスタアレイの製造方法は、上記課題を解決するために、基板上に走査信号線およびデータ信号線を形成する信号線形成工程と、該走査信号線とデータ信号線との交差部に画素電極を形成する画素電極形成工程とを含むトランジスタアレイの製造方法において、上記画素電極を形成する画素領域上に、該画素領域をさらに小さい領域に分割するパターンを形成するパターン形成工程をさらに含むことを特徴としている。
【0016】
上記方法によれば、基板上に形成された走査信号線とデータ信号線との交差部に設けられた画素電極を形成する画素領域上に、画素領域をさらに小さい領域に分割するように、パターンを形成する。
【0017】
従来のトランジスタアレイの製造方法では、トランジスタ基板上の画素領域は平坦であるため、第1半導体層および第2半導体層等をフォトリソグラフィック工程にてパターニングした後の現像工程において使用する現像液を、画素領域上に十分ためておくことができず、難溶解性のレジスト成分が残留してしまい、いわゆる難溶解性レジスト成分残りが発生してしまう。これに対して、本発明のトランジスタアレイの製造方法では、画素領域をさらに小さい領域に分割するパターンを形成させることによって、例えば、パターニング後の現像工程において使用する現像液を、この分割された小さい領域に十分ためておくことが可能となり、難溶解性レジスト成分残りの発生を防止することができる。
【0018】
すなわち、例えば、現像工程において使用するフォトレジストを確実に除去することが可能となり、結果として画素領域上に難溶解性レジスト成分残りが発生することを防止することができるため、画素欠陥の発生を防止することができる。これにより、品質および歩留まりを向上させることができるトランジスタアレイの製造方法を提供することができる。
【0019】
また、本発明を採用することにより、パターンを新たに設置することで難溶解性レジスト成分残りを低減することが可能であり、検査修正にかかるコストを低減することができる。また、フォトリソグラフィック工程後の検査工程で検出できないパターン欠陥を見逃すことで歩留まりを低下させてしまうという特許文献1から3に開示された技術における問題点をも解決することができる。
【0020】
本発明にかかるトランジスタアレイの製造方法は、上記構成に加え、上記分割された各領域の面積は、10000μm2以下であることを特徴としている。
【0021】
上記方法によれば、画素領域上に、パターンを形成することによって分割された画素領域が十分小さくなるため、難溶解性レジスト成分残りの発生の防止をより効果的に行うことができる。従って、品質および歩留まりをより向上させることができる。
【0022】
本発明にかかるトランジスタアレイの製造方法は、上記構成に加え、上記信号線形成工程において走査信号線にゲート電極を形成するとともに、該ゲート電極上に半導体層を形成する半導体層形成工程をさらに含み、上記パターン形成工程と、上記半導体層形成工程とが同時に行われることを特徴としている。
【0023】
上記方法によれば、パターンを形成する工程と、走査信号線に形成されたゲート電極上に半導体層を形成する工程とを同時に行うことができるので、工程を簡略化することが可能となり、トランジスタアレイを効率的に製造することができる。
【0024】
本発明にかかるトランジスタアレイの製造方法は、上記構成に加え、上記パターンは、上記半導体層からなっていることを特徴としている。
【0025】
上記方法によれば、パターンの形成を、半導体層の形成と同時に行うことができるので、工程を簡略化することが可能となり、トランジスタアレイの製造を効率的に行うことができる。
【0026】
本発明にかかるトランジスタアレイは、上記課題を解決するために、上記いずれかに記載の製造方法により製造されることを特徴としている。
【0027】
上記構成によれば、品質を向上させたトランジスタアレイを得ることができる。
【0028】
本発明にかかる液晶表示装置は、上記課題を解決するために、上記記載のトランジスタアレイを用いてなることを特徴としている。
【0029】
上記構成によれば、品質を向上させた液晶表示装置を得ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図1ないし図3に基づいて以下に説明する。
【0031】
図1は、本実施の形態にかかる薄膜トランジスタアレイ(トランジスタアレイ)の1画素を示す平面図である。
【0032】
図1に示すように、本実施の形態にかかる薄膜トランジスタアレイの1画素は、ゲートバスライン(走査信号線)1とソースバスライン(データ信号線)2とが互いに交差するように配置されており、この交差部に画素電極3が配置されている。また、ゲートバスライン1にはゲート電極4が、ソースバスライン2にはソース電極5が形成されており、画素電極3にはドレイン電極6が接続されている。
【0033】
ゲートバスライン1が選択されることによってゲート電極4に電圧が印加され、ソース電極5およびドレイン電極6間を流れる電流が制御される。ソースバスライン2から伝送された信号に基づいて、ソース電極5からドレイン電極6、画素電極3へと電流が流されることによって、画素電極3は、所定の表示を行うようになっている。
【0034】
次に、上記薄膜トランジスタアレイの製造方法について図2に基づいて説明する。
【0035】
図2は、薄膜トランジスタアレイの製造工程を示すものであり、図1に示す薄膜トランジスタアレイの1画素のB−B’線矢視断面図である。
【0036】
まず、ガラス等からなる透明絶縁性基板(基板)7上にゲート電極用金属膜としてのアルミニウム膜を製膜する。製膜されたアルミニウム膜上に感光剤としてのフォトレジストを塗布し、フォトレジストの上にゲート電極の形状に形成された所定のパターンを有するマスクを載せ、紫外線等の光照射によりマスクに形成したパターンをフォトレジストに露光する。すなわち、フォトリソグラフィック工程を行う。
【0037】
次に、現像液を塗布することにより現像を行い、露光されていないフォトレジストを除去した後に、ドライエッチング等のエッチングを行うことによってゲート電極を形成するために必要なアルミニウム膜以外の、不要なアルミニウム膜を除去する。そして、ゲート電極上に残っている露光されたフォトレジストを除去することによって、ゲート電極4が形成される(図2(a)参照)。
【0038】
なお、上記ゲート電極4を形成する工程において、ゲート電極4と同様の方法でゲートバスライン1が形成され、ゲートバスライン1が形成された後に、ゲートバスライン1と交差するようにソースバスライン2が形成される。すなわち、透明絶縁性基板7上にゲートバスライン1およびソースバスライン2を形成する工程(信号線形成工程)が行われる。
【0039】
次に、ダミーラインパターン(パターン)12を形成する工程(パターン形成工程)を説明する。
【0040】
上記ゲート電極4を形成した透明絶縁性基板7の表面全体に、窒化シリコン(SiN)等からなるゲート絶縁膜8、不純物を含まない非晶質シリコン膜(半導体層)(以下、第1半導体層という)および不純物を含む非晶質シリコン膜(半導体層)(以下、第2半導体層という)を、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により連続してこの順に製膜する。
【0041】
そして、フォトリソグラフィック工程を行う。すなわち、製膜したゲート絶縁膜8、第1半導体層および第2半導体層上に感光体としてのフォトレジストを塗布し、フォトレジストの上に所定のパターンを有するマスクを載せ、紫外線等の光照射によりマスクに形成したパターンを露光する。
【0042】
上記マスクは、ゲート電極4上に、第1半導体層および第2半導体層を島状(図1参照)に形成することができるパターンを有しているとともに、画素領域上の第1半導体層および第2半導体層を、画素領域を分割する形状に形成することができるパターンを有している。
【0043】
なお、画素領域とは、ゲートバスライン1とソースバスライン2との交差部の、画素電極3が形成される領域のことである。また、画素領域を分割する形状とは、例えば、図1に示すように、画素領域の周囲を取り囲み、囲まれた部分を格子状に区切るような形状のことである。さらに、画素領域を分割する形状は、分割された各領域がダミーラインパターンによって完全に取り囲まれた、いわゆる閉状態であることに限定されず、画素領域をある一定面積以下に分割し、現像液をためておくことのできるようなほぼ閉じた形状であればよい。例えば、格子状を形成するダミーラインパターンの交差する部分が欠落しているダミーラインパターンによって分割された形状や、交差する部分のみが形成されているダミーラインパターンによって分割された形状、迷路状のダミーラインパターンによって分割された形状であってもよい。
【0044】
その後、現像液を塗布することにより現像を行い、露光されていないフォトレジストを除去した後に、ドライエッチング等のエッチングを行うことによって、不要な第1半導体層と第2半導体層とを除去する。
【0045】
これにより、ゲート電極4が形成された透明絶縁性基板7全面にゲート絶縁膜8が形成されるとともに、ゲート電極4上に第1半導体層9および第2半導体層10が島状に形成され、画素領域上に画素領域を分割する形状の第1半導体層9および第2半導体層10、いわゆるダミーラインパターン12が形成される(図1および図2(b)参照)。すなわち、画素領域にダミーラインパターン12を形成する工程(パターン形成工程)と、ゲート電極4上に第1半導体層9および第2半導体層10を形成する工程(半導体層形成工程)とが同時に行われる。
【0046】
上記の形状を有するダミーラインパターン12を形成することにより、現像を行う際に使用する現像液を、ダミーラインパターン12にて分割した領域内にたまり易くすることができるため、従来の平坦な画素領域にたまる現像液の量と比較して、より多くの現像液を画素領域にためることができる。これにより、画素領域上のフォトレジストを十分に除去することが可能となり、画素領域の各画素内において発生していた難溶解性レジスト成分残りを減少させることができ、その結果、品質および歩留まりを向上させることができる。
【0047】
なお、第1半導体層9および第2半導体層10を形成する際に行われる現像は、例えば、現像液として2.5%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を使用し、60secパドル現像処理後に純水リンス処理を回転数200rpmにて20sec行い、回転数700rpmにてスピン乾燥することによって行うことができる。
【0048】
ここで、第1半導体層9と第2半導体層10とからなるダミーラインパターン12によって分割された分割領域面積の大きさと難溶解性レジスト成分残りによるマザーガラスあたりの欠陥発生数との相関データを図3に示す。なお、マザーガラスとは、薄膜トランジスタアレイを製造するためのガラス基板であり、1枚のマザーガラスに複数の薄膜トランジスタアレイを製造し、各薄膜トランジスタアレイを切り取ることによって、個々の薄膜トランジスタアレイを得ることができるものである。
【0049】
図3に示すように、ダミーラインパターン12によって分割された面積がより小さくなるにつれて、マザーガラスあたりの欠陥発生数が少なくなることが分かる。例えば、分割領域面積を10000μm2程度とすればマザーガラスに発生する欠陥を著しく減少させることが可能となることが分かる。従って、ダミーラインパターン12によって分割される面積はより小さい方が好ましく、少なくとも10000μm2以下であることが望ましい。
【0050】
次に、ソース電極5およびドレイン電極6を形成する工程を行う。第1半導体層および第2半導体層が島状に形成された透明絶縁性基板7上にアルミニウム膜を形成し、アルミニウム膜上に感光体としてのフォトレジストを塗布する。フォトレジストの上にマスクを載せ、紫外線等の光照射によりマスクに形成したパターンをフォトレジストに露光する。マスクは、アルミニウム膜が島状に形成された第1半導体層9および第2半導体層10を完全に覆うことができるパターンを有している。
【0051】
そして現像液を塗布することにより現像を行い、露光されていないフォトレジストを除去した後に、ドライエッチング等のエッチングを行うことによって不要なアルミニウム膜と、その下地の第2半導体層10とを除去することにより、ソース電極5とドレイン電極6とが形成される。これにより、第1半導体層9、第2半導体層10、ソース電極5およびドレイン電極6が完成し、薄膜トランジスタ基板が得られる(図2(c)参照)。
【0052】
なお、上記ソース電極5およびドレイン電極6を形成する工程においても、画素領域上に形成されたダミーラインパターン12によって画素領域が分割されているため、現像の際の現像液を十分ためておくことができ、フォトレジストを確実に除去することができる。
【0053】
そして、画素電極3を画素領域上にドレイン電極6と接続するように形成する。すなわち、ゲートバスライン1とソースバスライン2との交差部に画素電極3を形成する工程(画素電極形成工程)を行う。その後、保護膜13としてのSiN等を、CVD法を用いて薄膜トランジスタ基板全面に被覆する(図2(d)参照)。
【0054】
以上により、本発明にかかる薄膜トランジスタアレイが製造される。
【0055】
また、上記製造方法にて製造された薄膜トランジスタアレイを用いることによって、品質の高い液晶表示装置を得ることができる。薄膜トランジスタアレイを用いた液晶表示装置は、例えば、本発明にかかる薄膜トランジスタアレイ、偏光板、配向膜等を備えた液晶基板と、カラーフィルタ、透明電極、偏光板、配向膜等を備えた対向基板との間に液晶を封入し、駆動用電子回路、バックライト等の液晶表示装置として駆動させるために必要な部品を取り付けることによって製造することができる。
【0056】
なお、本実施の形態においては、ゲート電極4、ソース電極5およびドレイン電極6の材料としてアルミニウムを使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、所望のバスライン抵抗が得られる金属であればよい。例えば、タンタル(Ta)、チタン(Ti)およびクロム(Cr)等の金属並びにこれらの合金などを使用することが可能である。また、TaN/Ta/TaNやTi/Al/Tiなどの積層構造からなる膜を用いることも可能である。
【0057】
また、ソース電極5およびドレイン電極6は、一般的な金属膜だけに限定されることはなく、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電性膜を使用することも可能である。
【0058】
また、本実施の形態においては、半導体層として非晶質シリコンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばマイクロクリスタルシリコンまたはポリシリコンでも同様に実施可能である。
【0059】
また、本実施の形態においては、ダミーラインパターン12の形状を格子状としているが、本発明はこれに限定されることはなく、上述のとおり画素領域をある一定面積以下に分割することのできる形状であればよい。
【0060】
また、本実施の形態における第1半導体層9および第2半導体層10の現像条件は、一例を示したにすぎず、本発明は、当然にこの数値に限定されるものではない。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかるトランジスタアレイの製造方法は、画素電極を形成する画素領域上に、該画素領域をさらに小さい領域に分割するパターンを形成するパターン形成工程をさらに含む構成である。
【0062】
上記構成によれば、基板上に形成された走査信号線とデータ信号線との交差部に設けられた画素電極を形成する画素領域上に、画素領域をさらに小さい領域に分割するように、パターンを形成する。
【0063】
すなわち、例えば、現像工程において使用するフォトレジストを確実に除去することが可能となり、結果として画素領域上に難溶解性レジスト成分残りが発生することを防止することができるため、画素欠陥の発生を防止することができる。これにより、品質および歩留まりを向上させることができるトランジスタアレイの製造方法を提供することができるという効果を奏する。
【0064】
上記のトランジスタアレイの製造方法において、上記分割された各領域の面積は、10000μm2以下である構成としてもよい。
【0065】
上記構成によれば、画素領域上に、画素領域上に、パターンを形成することによって分割された画素領域が十分小さくなるため、難溶解性レジスト成分残りの発生の防止をより効果的に行うことができる。従って、品質および歩留まりをより向上させることができるという効果を奏する。
【0066】
上記のトランジスタアレイの製造方法において、上記信号線形成工程において走査信号線にゲート電極を形成するとともに、該ゲート電極上に半導体層を形成する半導体層形成工程をさらに含み、上記パターン形成工程と、上記半導体層形成工程とが同時に行われる構成としてもよい。
【0067】
上記構成によれば、パターンを形成する工程と、走査信号線に形成されたゲート電極上に半導体層を形成する工程とを同時に行うことができるので、工程を簡略化することが可能となり、トランジスタアレイを効率的に製造することができるという効果を奏する。
【0068】
上記のトランジスタアレイの製造方法において、上記パターンは、上記半導体層からなっている構成としてもよい。
【0069】
上記構成によれば、パターンの形成を、半導体層の形成と同時に行うことができるので、工程を簡略化することが可能となり、トランジスタアレイの製造を効率的に行うことができるという効果を奏する。
【0070】
以上のように、本発明にかかるトランジスタアレイは、上記いずれかに記載の製造方法により製造される構成である。
【0071】
上記構成によれば、品質を向上させたトランジスタアレイを得ることができるという効果を奏する。
【0072】
以上のように、本発明にかかる液晶表示装置は、上記記載のトランジスタアレイを用いてなる構成である。
【0073】
上記構成によれば、品質を向上させた液晶表示装置を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における、薄膜トランジスタアレイの1画素あたりの平面図である。
【図2】図2は、薄膜トランジスタアレイの製造工程を示すものであり、(a)〜(d)は、図1に示す薄膜トランジスタアレイの1画素のB−B’線矢視断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における、分割領域面積とマザーガラスあたりの欠陥発生数との相関データを示すグラフである。
【図4】従来の液晶表示装置の製造方法により製造された液晶表示装置の断面図である。
【図5】従来の薄膜トランジスタアレイの製造方法により製造された薄膜トランジスタアレイの1画素あたりの平面図である。
【図6】図5に示す薄膜トランジスタアレイのA−A’線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 ゲートバスライン(走査信号線)
2 ソースバスライン(データ信号線)
3 画素電極
4 ゲート電極
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 透明絶縁性基板(基板)
8 ゲート絶縁膜
9 不純物を含まない非晶質シリコン膜(半導体層)
10 不純物を含む非晶質シリコン膜(半導体層)
12 ダミーラインパターン(パターン)
13 保護膜
Claims (6)
- 基板上に走査信号線およびデータ信号線を形成する信号線形成工程と、該走査信号線とデータ信号線との交差部に画素電極を形成する画素電極形成工程とを含むトランジスタアレイの製造方法において、
上記画素電極を形成する画素領域上に、該画素領域をさらに小さい領域に分割するパターンを形成するパターン形成工程をさらに含むことを特徴とするトランジスタアレイの製造方法。 - 上記分割された各領域の面積は、10000μm2以下であることを特徴とする請求項1に記載のトランジスタアレイの製造方法。
- 上記信号線形成工程において走査信号線にゲート電極を形成するとともに、該ゲート電極上に半導体層を形成する半導体層形成工程をさらに含み、
上記パターン形成工程と、上記半導体層形成工程とが同時に行われることを特徴とする請求項1または2に記載のトランジスタアレイの製造方法。 - 上記パターンは、上記半導体層からなっていることを特徴とする請求項3に記載のトランジスタアレイの製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の製造方法により製造されることを特徴とするトランジスタアレイ。
- 請求項5に記載のトランジスタアレイを用いてなることを特徴とする液晶表示装置。
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-
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- 2002-10-31 JP JP2002318990A patent/JP2004151598A/ja not_active Withdrawn
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