JP2004151483A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クリーナレスシステムで、厚紙使用時に画像上に発生する黒ポチを防止する。
【解決手段】クリーナレスシステムで、被記録材に応じて非作像時に現像スリーブ及び現像材攪拌部材の回転スピードもしくは時間を変更する。特に厚紙、OHT使用時は高速回転または長時間回転とする。
【選択図】 図1
【解決手段】クリーナレスシステムで、被記録材に応じて非作像時に現像スリーブ及び現像材攪拌部材の回転スピードもしくは時間を変更する。特に厚紙、OHT使用時は高速回転または長時間回転とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリーナーレスプロセスの転写式画像形成装置に関する。より詳しくは、電子写真感光体や静電記録誘電体等の像担持体と、該像担持体に対向する帯電部材を有し該帯電部材に帯電バイアスを印加することで像担持体の帯電を行う帯電装置と、該像担持体の帯電処理面に静電潜像を形成する画像情報書き込み装置と、該静電潜像を現像剤により顕像化する現像装置と、該像担持体表面の現像剤を被転写材に移動させる転写装置と、転写装置により被転写材に移動せずに像担持体表面に残留した現像剤は現像装置にて再回収させる方式の、複写機・プリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
(a)接触帯電
電子写真方式や静電記録方式の画像形成装置において、電子写真感光体や静電記録誘電体等の像担持体、その他の被帯電体を所定の極性・電位に帯電処理する帯電手段としては、従来より一般にコロナ帯電器が使用されてきた。これは像担持体(以下、感光体と記す)にコロナ帯電器を非接触に対向配置して、コロナ帯電器から放出されるコロナに感光体面をさらして感光体面を所定の極性・電位に帯電させるものである。近年は、上記の非接触タイプのコロナ帯電器による場合に比べて低オゾン・低電力等の利点を有することから、前記のように、被帯電体としての感光体に電圧(帯電バイアス)を印加した帯電部材(接触帯電部材)を当接させて感光体面を所定の極性・電位に帯電させる接触方式の帯電装置の実用化がなされてきている。特に、帯電部材として導電ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式の装置が帯電の安定性という点から好ましく用いられている。
【0003】
また、接触帯電部材として、磁性粒子を担持体に磁気拘束させた磁気ブラシ部を具備させた磁気ブラシ帯電部材(帯電磁気ブラシ、以下、磁気ブラシ帯電器と記す)を用い、該磁気ブラシ帯電器の磁気ブラシ部を感光体に接触させる磁気ブラシ帯電方式の装置も帯電装置の安定性という点から好ましく用いられる。磁気ブラシ帯電器は、導電性の磁性粒子を直接にマグネットに、あるいはマグネットを内包するスリーブ上に磁気的に拘束させて磁気ブラシ部を形成具備させたものであり、停止あるいは回転させて磁気ブラシ部を感光体に接触させ、これに電圧を印加することによって感光体の帯電を開始させる。
【0004】
また、導電性の繊維をブラシ状に形成具備させたもの(ファーブラシ帯電部材、帯電ファーブラシ)、導電性ゴムをブレード状にした導電ゴムブレード(帯電ブレード)等も接触帯電部材として好ましく用いられている。
【0005】
接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、帯電原理)にはコロナ帯電系と電荷注入(直接帯電)系の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが支配的であるかにより各々の特性が現われる。
【0006】
コロナ帯電系は接触帯電部材と感光体との微小間隙に生じるコロナ放電現象による放電生成物で感光体表面が帯電する系である。コロナ帯電は接触帯電部材と感光体に一定の放電しきい値を有するため、帯電電位より大きな電圧を接触帯電部材に印加する必要がある。また、コロナ帯電器に比べれば発生量は格段に少なくないけれども放電生成物を生じる。
【0007】
電荷注入帯電系は、接触帯電部材から感光体に直接に電荷が注入されることで感光体表面が帯電する系である。より詳しくは、中抵抗の接触帯電部材が感光体表面に接触して、放電現象を介さずに、つまり放電を基本的に用いないで感光体表面に直接電荷注入を行うものである。よって、接触帯電部材への印加電圧が放電しきい値以下の印加電圧であっても、感光体を印加電圧相当の電位に帯電することができる。この電荷注入帯電系はイオンの発生を伴わない。しかし電荷注入帯電であるため、接触帯電部材の感光体への接触性が帯電性に大きく効いてくる。そこで接触帯電部材はより密に構成し、また感光体との速度差を多く持ち、より高い頻度で感光体に接触する構成をとる必要があり、この点において接触帯電部材として特に磁気ブラシ帯電器は安定した帯電を行なうことができる。
【0008】
磁気ブラシ帯電器による電荷注入帯電は抵抗とコンデンサーの直列回路と等価であると見ることができる、理想的な帯電プロセスでは感光体表面のある点が磁気ブラシと接触している時間(帯電ニップ×感光体の周速)にコンデンサーが充電され、感光体表面電位が印加電圧とほぼ同値になる。
【0009】
導電性の接触部材に電圧を印加し感光体の表面にあるトラップ準位に電荷を注入して感光体の接触帯電を行なう方法がある。また、感光体として通常の有機感光体上に導電性微粒子を分散させた表層(電化注入層)を有するものや、アモルファスシリコン感光体などを用いると、接触帯電部材に印加したバイアスのうちの直流成分と略同等の帯電電位をひたい田泰表面に得ることが可能である(特開平6−3921号公報)。
【0010】
注入帯電方式は、環境依存性が少ないだけでなく、放電を用いないため、接触帯電部材に対する印加電圧は感光体電位と同程度で十分であり、また、オゾンを発生しない利点があり、完全なオゾンレスかつ低電力消費型帯電が可能となる。
【0011】
(b)クリーナーレスプロセス(トナーリサイクルプロセス)
また近年、画像形成装置は小型化が進んできたが、帯電・露光・現像・転写・定着・クリーニング等の作像プロセスの各手段・機器が夫々小型になるだけでは画像形成装置の全体的な小型化には限界があった。また、転写後の感光体上の転写残トナー(残留現像剤)はクリーニング手段(クリーナー)によって回収されて廃トナーとなるが、この廃トナーは環境保護の面からも出ないことが好ましい。そこで、クリーナーを取り外し、感光体上の転写残トナーは現像手段によって「現像同時クリーニング」で感光体上から除去し現像手段に回収・再用する装置構成にした「クリーナーレスプロセス」の画像形成装置も出現している。現像同時クリーニングとは、転写後に感光体上に若干残留したトナーを次工程以後の現像時にかぶり取りバイアス(現像手段に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって回収する方法である。この方法によれば、転写残トナーは現像手段に回収されて次工程以後用いられるため、廃トナーをなくし、メンテナンスに手を煩わせることも少なくすることができる。また、クリーナーレスであることでスペース面での利点も大きく、画像形成装置を大幅に小型化できるようになる。また、感光体の帯電装置が接触帯電性の場合には感光体に接触している帯電部材に転写残トナーを一旦回収させ、それを再び感光体上に吐き出させ現像装置で回収させる。
【0012】
転写残のトナーを被帯電体から除去するためのクリーニング装置を有しない系、いわゆる、クリーナーレスシステムにおいては接触帯電部材に転写残のトナーが多く混入したり付着したりするため、画像形成耐久において、接触帯電部材の抵抗値が変動が変動する。そこで耐久枚数や画像比率に応じた帯電部材清掃バイアスを、例えば非作像時に印加して帯電部材の劣化を遅らせるというような方法が知られている。つまり接触帯電においては、磁気ブラシに混入したりローラーに付着したりしたトナーを感光体上に吐き出しやすいバイアス条件やハード構成の条件が存在し、帯電器寿命を延ばすことが可能である。
【0013】
特に磁気ブラシ注入帯電装置の場合、正負両極性のトナーが存在すると考えられる転写残トナーを一旦磁気ブラシで回収して前画像の履歴を消すとともに、磁性粒子と回収したトナーの接触摩擦によりトナーを全て正規の極性に帯電させることにより、再びドラム上にトナーを戻す制御が可能となる。
【0014】
また、磁気ブラシ部14から感光体ドラム1へ吐き出されたトナーはきわめて均一な散布状態にあり、また、その量も少量であるため、次の像露光過程に実質的に悪影響を及ぼすことはない。また、転写残トナーパターンに起因するゴースト像の発生もなく、正規極性のトナーは非画像領域においては現像印加バイアスと帯電電位との差により確実に回収することができる。
【0015】
導電性ローラーを用いた帯電の場合は、ローラーに付着した反対極性トナーを正規極性に戻すために、ローラーに摩擦系列が考慮されたシートを当接するなどの方法がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような接触帯電方式を用いたクリーナレス画像形成装置においては、以下のような不具合が生じていた。
【0017】
上述のごとく、転写残トナーは帯電装置において正規の極性、すなわち帯電極性と同極性に揃えられて現像で回収されるが、わずかながら、ほとんど極性を持たなかったり逆極性のままの状態のトナー(以下反転トナーと称す)が存在することがある。通常、この逆極性のトナーは極微量であり、仮に現像で回収されずにドラム上をつれまわることがあっても正規の転写条件においては転写されることないため、特に問題にはならない。ところが、使用する記録材料の厚み、表面性によっては画像上の白地部にかぶりとして発生してしまうことがある。この理由については明確ではないが、記録紙の厚みが厚い場合は、転写部における転写ブレード乃至転写ローラーの接触圧が強まることにより、逆極性ながらも圧力で転写されてしまうものと考えられる。また、コート紙のように平滑性の高い記録紙においては、記録紙と感光体の密着性が高まるために、同時にトナーが記録紙に押し付けられることを回避する隙間が存在せず、やはり密着度が高まり圧力で転写されるものと考えられる。
【0018】
また、このような反転トナーも、現像部におけるAC電界によりある確率で現像器に回収されるが、その場合、現像器内で本来の正規の極性をもつトナーと混ざり合い、トナー同士が凝集しやすくなり、目視可能な100〜500μm程度のトナー塊に成長してしまうことがある。これらの凝集塊は、本来の現像剤としての挙動を示さず、現像スリーブから転写紙上に落下したり白地部に付着したりし、不良画像の原因となっていた(以下、黒斑点かぶりと称する)。
【0019】
反対極性トナーや極性をほとんど持たないトナーはもともとある比率で存在しうるが、特に高湿下でトナーが正規の帯電極性を持ちにくい環境であったり、帯電器内のトナー量が一時的に増加して接触帯電がされにくい状態であったり、また、長期間転写されずにドラム周りを周回しているうちに外添剤が埋め込まれるなど、劣化したトナーが増加していった場合に顕著に発生する。
【0020】
また、この反対極性トナーは、転写手段の上流部の空間で発生する以上放電によって発生することも知られている。例として図15に示すカラー画像形成装置について説明する。
【0021】
前記複写機は装置内に4つの画像形成部Pa,Pb,Pc及びPdが並設され、これらの画像形成部において各々色の異なったトナー像が潜像、現像、転写のプロセスを経て形成される。
【0022】
画像形成部Pa,Pb,Pc及びPdは、それぞれ専用の像担持体、本例では、電子写真感光ドラム101a,101b,101c及び101dと、感光ドラムに像形成プロセスを作成させるプロセス機器とを具備し、各感光ドラム101a,101b,101c及び101d上に各色トナー像が形成される。各感光ドラム101a〜101dに隣接して、記録材担持体(転写ベルト)108が設置され、感光ドラム101a〜101d上に形成された各色のトナー像が、後述の転写部材により、転写ベルト108上に担持して搬送される記録材6上に重畳転写される。各色のトナー像を転写した記録材6は、その後、転写ベルト108から分離され、不図示の定着装置へ搬送される。定着装置は、加熱及び加圧によりトナー像を溶融混色して記録材に定着した後、記録画像として装置の機外に排出される。
【0023】
画像形成部Pa,Pb,Pc及びPdにおいて、転写帯電手段は、各々転写ベルト108の裏側に接触し前記転写を行う接触式転写帯電部材104a,104b,104c及び104dを備える。
【0024】
各画像形成部において、感光ドラム101a〜101d上のトナー像を転写ベルト108上に担持された記録材上に順次多重転写する際に、転写する直前、すなわち、転写ベルト108と感光ドラム101a〜101dとの当接点の上流側近傍に空間が存在し、このわずかな空間においても転写電界が作用し、その空間の異常放電等が生じる領域において、感光ドラム上のトナーのうち他のトナーよりも鏡映力が小さい一部のトナーが早くから飛翔したり、また、他のトナーよりも鏡映力が大きいトナーの極性が反転してしまい、記録材に転写されないばかりか、反転トナーに近接する他のトナーの転写のための飛翔を妨げる等の、トナー飛散、転写抜けなどの画像不良、つまり、転写前放電にともなう画像不良生じていた。特に厚紙やコート紙を用いる時においては、転写効率最適化のために通常の用紙の使用時よりも高い転写バイアス設定がなされ、異常放電の影響が顕著となるため、反転トナーがより発生しやすくなる。
【0025】
また、記録材担持体が転写ベルト108という構成上、搬送速度、記録材の厚み、サイズ等により、転写領域内への搬入経路(紙パス)がばたつくなど不安定となっており、従って、転写前の感光ドラム、転写ベルト108間の空隙幅(空隙の間隔)も不安定な状態となっている。すると、放電領域外であっても、その空隙幅が減少したときには、放電が生じていた。
【0026】
そこで、本発明の目的は、接触帯電を用いたクリーナーレスシステムにおける画像形成装置において、いかなる記録材料を用いた場合でも反転トナーによるかぶりや黒斑点かぶりが発生せずに、良質な画像を維持する電子写真画像形成装置を提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
以下の構成をとることにより、上記課題が解決される。
【0028】
バイアス電圧を被帯電体に対向した帯電部材に印加することで被帯電体の帯電を行い、像露光手段によって像露光を行なうことにより潜像を形成し、現像剤担持体に担持された現像剤によって該潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、該現像手段が該トナー像を転写材に転写した後に該像担持体に残留した残トナー粒子を回収するクリーニング手段も兼ねる画像形成装置において、現像器の現像材搬送部材乃至攪拌部材の回転動作速度を変更する手段を有する。
【0029】
より好ましくは被記録材に応じて、現像器の現像材搬送部材乃至攪拌部材の回転動作速度を変更するタイミングが、非作像時である。
【0030】
より好ましくはバイアス電圧を被帯電体に対向した帯電部材に印加することで被帯電体の帯電を行い、像露光手段によって像露光を行なうことにより潜像を形成し、現像剤担持体に担持された現像剤によって該潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、該現像手段が該トナー像を転写材に転写した後に該像担持体に残留した残トナー粒子を回収するクリーニング手段も兼ねる画像形成装置において、現像器の現像材搬送部材乃至攪拌部材の回転動作時間を変更する手段を有する。
【0031】
より好ましくは現像器の現像材搬送部材乃至攪拌部材の回転動作時間を変更するタイミングが非作像時である。
【0032】
より好ましくは前記帯電部材が被帯電体に接触する接触帯電である。
【0033】
より好ましくは前記帯電部材が磁性粒子と磁性粒子担持体からなる。
【0034】
より好ましくは前記帯電部材が導電性繊維ブラシからなる。
【0035】
より好ましくは前記帯電部材が導電性ゴムローラーからなる。
【0036】
より好ましくは前記帯電方式が、表面に電荷注入層を有する感光体に電圧を印加した導電性部材を当接させて帯電を行なう注入帯電方式である。
【0037】
より好ましくは作像領域と非作像領域に印加する帯電バイアス条件が異なる。
【0038】
帯電バイアスが、直流バイアス乃至直流バイアスに交流バイアスを重畳したバイアスである。
【0039】
より好ましくは選択した被記録材に応じてプロセス速度を変更する。
【0040】
被記録材に応じて現像器の現像材搬送部材乃至攪拌部材の回転動作を変更する。
【0041】
【発明の実施の形態】
〈実施例〉
(1)画像形成装置例(図1)
図1は画像形成装置の概略構成図を示す。本実施例の画像形成装置は転写式電子写真プロセス利用、電荷注入帯電方式、クリーナーレスプロセスのレーザービームプリンターである。
【0042】
1は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)である。本実施例の感光ドラム1は負帯電性・電荷注入帯電性のOPC感光体(有機光導電性感光体)であり、矢示の時計方向にaに150mm/sec.のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。但し、定着条件の要求から、105g以上の厚紙を選択した場合は75mm/sec、OHTを選択した場合は38mm/secとしている。
【0043】
2は感光ドラム1の面を所定の極性・電位に一様に帯電処理する接触帯電装置である。本実施例では磁気ブラシ帯電装置であり、回転する感光ドラム1の面はこの磁気ブラシ帯電装置2によりほぼ−700vに電荷注入帯電方式で一様に帯電処理される。
【0044】
3は画像情報露光手段(露光装置)であり、本実施例ではレーザービームスキャナーである。このレーザービームスキャナー3は、半導体レーザー、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有してなり、CCD等の光電変換素子を有する原稿読み取り装置、電気計算機、ワードプロセッサー等の不図示のホスト装置から入力する目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して変調されたレーザー光Lを射出して、回転感光体ドラム1の一様帯電処理面をレーザー光走査露光する。このレーザー光走査露光により回転感光ドラム1の周面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0045】
4は現像装置である。本実施例では、重合法で作成した、転写残トナーの少ない高離型性球形トナーと、磁性キャリアを混合した現像剤による2成分接触現像方式の現像装置を用いている。そして、回転感光体ドラム1面の静電潜像をトナー像として反転現像させている。
【0046】
5は感光ドラム1の下側に配置した転写装置であり、本実施例の該転写装置は転写ベルトタイプである。5aは無端状のの転写ベルト(例えば、膜厚75μmのポリイミドのベルト)であり、駆動ローラ5bと従動ローラ5c間に懸回張設されていて、感光体ドラム1の回転方向に順方向に感光ドラム1の回転速度とほぼ同じ周速度で回動される。5dは転写ベルト5aの内側に配設した導電性ブレードであり、転写ベルト5aの上行側ベルト部分を感光ドラム1の下面部分に加圧して転写部位としての転写ニップ部Tを形成させている。
【0047】
6は給紙カセットであり、紙等の被転写材Pを積載収納させてある。給紙ローラ7の駆動により給紙カセット6内に積載収納の被転写材Pが1枚分離給しされ、搬送ローラ8等を含むシートパス9を通って所定の制御タイミングにて回転感光ドラム1と転写装置5の転写ベルト5aとの間の転写ニップ部Tに給送される。
【0048】
転写ニップ部Tに給送された被転写材Pは回転感光体ドラム1と転写ベルト5aの間を挟持搬送され、その間、導電性ブレード5dに転写バイアス印加電源E5から所定の転写バイアスが印加されて、被転写材Pの裏面からトナーと逆極性の帯電がなされる。これにより、転写ニップ部Tを通る被転写材Pの表面側に回転感光ドラム1面側のトナー像が順次に静電転写されていく。
【0049】
転写ニップ部Tを通ってトナー像の転写を受けた被転写材Pは回転感光ドラム1面から順次に分離されてシートパス10を通って定着装置(例えば熱ローラ定着装置)11に導入されてトナー像の定着処理を受けてプリントアウトされる。
【0050】
本実施例のプリンターはクリーナーレスプロセスであり、転写ニップ部Tで被転写材Pに転写されずに回転感光体ドラム1の表面に残ったトナーを除去する専用のクリーナーは配置していないが、転写残トナーは、後述するように、引き続く感光ドラム1の回転で磁気ブラシ帯電装置2の位置に至り、感光ドラム1に接触している接触帯電部材としての磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部に一時的に回収され、その回収トナーが再び感光ドラム1面に吐き出されて最終的に現像装置4に回収され感光ドラム1は繰り返して作像に供される。
【0051】
12は転写装置5と磁気ブラシ帯電装置2との間において感光ドラムに当接させ、ACバイアス、帯電と逆極性のDCバイアス、またはACバイアスを重畳した帯電と逆極性のDCバイアスを印加した導電性ブラシであり、磁気ブラシ帯電装置2による帯電直前の感光体ドラム表面電位をならすと同時に、転写残トナーを除電、もしくは感光体ドラムの帯電と逆極性に帯電して、磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部での回収を容易にする。
【0052】
(2)クリーナーレスプロセス
本実施例のプリンタは、クリーナーレスプロセスであるから、被転写材Pに対するトナー像転写後の感光体ドラム1に残留したトナー(転写残トナー)は感光体ドラム1の帯電ニップ部Nに持ち運ばれて磁気ブラシ接触帯電装置2の磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部2cに混入して一時的に回収される。感光ドラム1上の転写残トナーは転写時の剥離放電などにより、極性が正のものと負のものが混在していることが多い。この極性が混在した転写残トナーが磁気ブラシ帯電器2Aに至って磁気ブラシ部2c内に混入して一時的に回収される。この転写残トナーの磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部2cへの取り込みは、磁気ブラシ帯電器2AにAC成分を印加することで、磁気ブラシ帯電器2A感光体ドラム1間の振動電界効果によってより効果的に行わせることができる。そして、磁気ブラシ部14内に取り込まれた転写残トナーは極性がすべて負に帯電されて感光体ドラム1上に吐き出される。極性が揃えられて感光体ドラム1上に吐き出された転写残トナーは現像部mに至って現像装置4の現像4bにより現像時のかぶり取り電界によって現像同時クリーニングで回収される。この転写残トナーの現像同時回収は、回転方向の画像領域が、感光体ドラム1の周長よりも長い場合には、その他の帯電、露光、現像、転写といった画像形成工程と同時進行で行われる。これにより転写残トナーは現像装置4内に回収されて次工程以後も用いられるため、廃トナーをなくすことができる。また、スペースの面での利点も大きく、画像形成装置の大幅な小型化が可能となる。
【0053】
現像剤のトナーtとして重合法で作成した高離型性球形トナーを用いることで、転写残トナーの発生量を少なくすることができるし、また、磁気ブラシ帯電器2Aから吐き出されたトナーの現像装置4への回収性を向上させることができる。2成分接触現像方式の現像装置4を用いることでも磁気ブラシ帯電器2Aから吐き出されたトナーの現像装置4への回収性を向上させている。ここで、通常、トナーは電気抵抗が比較的高いから、磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部14にそのようなトナー粒子が混入することは磁気ブラシ部2cの電気抵抗を上昇させて帯電能を低下させる因子であり、混入トナー量が比較的多い場合は、非作像時に大量のトナーを吐き出すことで、良好な帯電を維持することができる。
【0054】
ここでトナー吐き出しについて簡単に説明する。磁気ブラシ部にトナーが混入した場合、それの電気抵抗は次第に大きくなっていくため、帯電ニップ通過中に充分な電荷の移動が行われず、帯電ニップ通過後の感光体表面電位は印加電圧より小さくなってしまう。以下、感光体表面電位と印加電圧との電位差をΔVとする。磁気ブラシ帯電器に取り込まれたトナーが磁気ブラシキャリアとの接触により感光体電位と同極の電荷を付与されている場合、電位差ΔVによって発生する電界により混入トナーは磁気ブラシ中から感光体表面に吐き出される。特開平9−96949号公報などに開示されるように、この現象を利用した、非作像時(非画像形成時)に帯電バイアスのAC成分(交流成分)の振幅Vppを減少させたり、AC成分の印加を停止させることで電位差ΔVを大きくし、積極的にトナーを吐き出させて磁気ブラシの電気抵抗上昇を抑える方法が知られている。
【0055】
上述の非作像時の吐き出しとしては、紙間や作像動作終了後の後回転などで行うことで、長期の使用において磁気ブラシ中の混入トナー量を一定以下に保つことが可能となる。
【0056】
また、磁気ブラシ部14から感光体ドラム1へ吐き出されたトナーはきわめて均一な散布状態にあり、また、その量も少量であるため、次の像露光過程に実質的に悪影響を及ぼすことはない。また、転写残トナーパターンに起因するゴースト像の発生もない。
【0057】
(3)画像形成装置例(図2)
次に上記プリンタの動作シーケンスを説明する。
【0058】
a.前多回転工程:プリンタの始動動作期間(起動動作期間、ウォーミング期間)である。メイン電源スイッチ−オンにより、装置のメインモーターを駆動させて感光体ドラムを回転駆動させ、所定のプロセス機器の準備動作を実行させる。
【0059】
b.前回転工程:プリント前動作を実行させる期間である。個の前回転工程は前多回転工程中にプリント信号が入力したときには前多回転工程に引き続いて実行される。プリント信号の入力がないときには前多回転工程の終了後にメインモーターの駆動が一旦停止されて感光体ドラムの回転駆動が停止され、プリンタはプリント信号が入力されるまでスタンバイ(待機)状態に保たれる。プリント信号が入力すると、前回転工程が実行される。
【0060】
c.印字工程(画像形成工程、作像工程):所定の前回転工程が終了すると、引き続いて回転感光ドラムに対する作像プロセスが実行され、回転感光ドラム面に形成されたトナー像の被転写材への転写、定着手段によるトナー像の定着処理がなされて画像形成物がプリントアウトされる。連続印字(連続プリント)モードの場合は上記の印字工程が所定の設定プリント枚数分繰り返して実行される。
【0061】
d.紙間工程:連続印字モードにおいて一の被転写材の後端部が転写ニップ部を通過した後、次の被転写材の先端部が転写ニップ部に到達するまでの間の、転写ニップ部における被転写材の非通紙状態期間である。この期間に転写ニップを通過する回転感光体の領域がその前に帯電ニップ部を通過する間は、帯電バイアスのAC成分の振幅を小さくし、磁気ブラシ帯電部材で一時的に回収した転写残トナーを回転感光体ドラム面に吐き出す。
【0062】
e.後回転工程:最後の被転写材の印字工程が終了した後もしばらくの間メインモータの駆動を継続させて感光体ドラムを回転駆動させ、所定の後動作を実行させる期間である。この期間においても紙間工程と同様に帯電バイアスのAC成分の振幅を小さくすることで、磁気ブラシ帯電部材で一時的に回収した転写残トナーを回転感光体ドラム面に吐き出す。
【0063】
f.スタンバイ:所定の後回転工程が終了すると、メインモータの駆動が停止され感光体ドラムの回転駆動が停止され、プリンタは次のプリントスタート信号が入力するまでスタンバイ状態に保たれる。
【0064】
1枚だけのプリントの場合は、そのプリント終了後、プリンタは後回転工程を経てスタンバイ状態になる。スタンバイ状態においてプリントスタート信号が入力すると、プリンターは前回転工程に移行する。
【0065】
cの印字工程時が画像形成時であり、aの前多回転工程、bの前回転工程、dの紙間工程、eの後回転工程が非画像形成時(非作像時)になる。
【0066】
(4)感光体ドラム(図3)
本実施例の感光体ドラム1は前述したように負帯電性・電荷注入性のOPC感光体であり、φ30mmのアルミニウム製のドラム基体上に第1〜第5の機能層を下から順に設けたものである。
【0067】
第1層:下引き層であり、アルミニウムドラム基体の欠陥などをならすため、またレーザー露光の反射によるモアレの発生を防止するために設けられている厚さ約20μmの導電層である。
【0068】
第2層:正電荷注入防止層であり、アルミニウムドラム基体1aから注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって106Ω・cm程度に、抵抗調整された厚さ約1μmの中抵抗層である。
【0069】
第3層:電荷発生層であり、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、レーザー露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。
【0070】
第4層:電荷輸送層であり、ポリカーボネイト樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型半導体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することはできず、電荷発生層1dで発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
【0071】
第5層:電荷注入層であり、バインダーとしての光硬化性のアクリル樹脂に光透過性の導電フィラーであるアンチモンをドーピングして低抵抗化(導電化)した粒径0.03μmの酸化錫SnO2の超微粒子を樹脂に対して70重量パーセント分散した材料の約3μmの塗工層である。この電化注入層1fの電気抵抗値は、充分な帯電性と画像流れを起こさない条件である1×1010〜1×1014Ω・cmである必要がある。本実施例では、表面抵抗が1×1011Ω・cm感光ドラムを用いた。
【0072】
(5)現像装置4(図7)
静電潜像のトナー現像方法としては、一般に次のa〜dの4種類に大別される。
【0073】
a.非磁性トナーについてはブレード等でスリーブ上にコーティングし、磁性トナーは磁気力によってコーティングして搬送し感光体に対して非接触状態で現像する方法(1成分非接触現像)。
【0074】
b.上記のようにしてコーティングしたトナーを感光体に対して接触状態で現像する方法(1成分接触現像)。
【0075】
c.トナー粒子に対して磁性のキャリアを混合したものを現像剤として用いて磁気力煮よって搬送し感光対煮対して接触状態で現像する方法(2成分接触現像)。
【0076】
d.上記の2成分現像を剤を非接触状態にして現像する方法(2成分非接触現像)。
【0077】
このなかで、画像の高画質化や高安定性の面から、cの2成分接触現像法が多く用いられている。
【0078】
本実施例における現像装置4は重合法で作成した高離型性球形非磁性トナーと磁性キャリア(現像用磁性粒子、現像キャリア)を混合したものを現像剤として用い、該現像剤を現像剤担持体(現像部材、現像器)に磁気力によって磁気ブラシ層とし保持させて現像部に搬送し感光体ドラム面に接触させて静電潜像をトナー像として現像する2成分磁気ブラシ接触現像方式の反転現像装置である。
【0079】
4aは現像容器、4bは現像剤担持体としての現像スリーブ、4cはこの現像スリーブ4b内に固定配置された磁界発生手段としての磁石(マグネットローラ)、4dは現像スリーブ表面に現像剤の薄層を形成するための現像剤層厚規制ブレード、4eは現像剤攪拌搬送スクリュー、4fは現像剤容器4a内に収容した2成分現像剤であり、上記のように非磁性トナーtと現像キャリアcを混合したものである。
【0080】
現像スリーブ4bは少なくとも現像時においては、感光体ドラム1に対し最近接距離(隙間)が約500μmになるように配置され、該現像スリーブ4bの外面に担持させた現像剤磁気ブラシ薄層が感光体ドラム1の面に接触するように設定されている。この現像剤磁気ブラシ薄層4と感光体ドラム1の接触ニップ部mが現像領域(現像部)である。
【0081】
現像スリーブ4bは内部の固定磁石4cの外回りを矢印の反時計方向に所定の回転速度で駆動され現像容器4a内においてスリーブ外面に固定磁石4cの磁力により現像剤4f(t+c)の磁気ブラシが形成される。その現像剤磁気ブラシはスリーブ4bの回転とともに搬送され、ブレード4dにより層厚規制を受けて所定層厚の現像剤磁気ブラシ薄層4として現像容器外に持ち出されて現像部mへ搬送されて感光体ドラム1面に接触し、引き続くスリーブ4bの回転で再び現像容器4a内に戻し搬送される。
【0082】
現像スリーブ4bには現像バイアス印加電源E4によりDC成分とAC成分を重畳した所定の現像バイアスが印加される。本実施例での現像特性は、感光体ドラム1の帯電電位と現像バイアスのDC成分値の差が200v以下であるとかぶりが生じ、350v以上であると現像キャリアcの感光体ドラム1への付着が生じた。
【0083】
現像容器4a内の現像剤4f(t+c)のトナー濃度(現像キャリアcとの混合割合)はとなー分が静電潜像の現像に消費されて逐次消費されていく。現像容器4a内の現像剤4fのトナー濃度は不図示の検知手段により検知されて所定の許容下限濃度まで低下するとトナー補給部4gから現像容器4a内の現像剤4fにトナーtの補給がなされて現像容器4a内の現像剤4fのトナー濃度を常に所定の許容範囲内に保つようにトナー補給制御される。
【0084】
(6)磁気ブラシ帯電装置(図1、図4)
図4は磁気ブラシ帯電装置2の拡大横断面模型図である。本実施例の磁気ブラシ帯電装置2は、大きく分けて、磁気ブラシ帯電部材(磁気ブラシ帯電器)2A、該磁気ブラシ帯電器2Aと導電性磁性粒子(帯電キャリア)14を収容させた容器(ハウジング)2、磁気ブラシ帯電器2Aに対する帯電バイアス印加電源E4等からなる。
【0085】
磁気ブラシ帯電器2Aは本実施例のものはスリーブ回転タイプであり、マグネットロール(磁石)12とこのマグネットロールに外嵌させた非磁性ステンレス製スリーブ(電極スリーブ、導電スリーブ、帯電スリーブなどと称される)13と、該スリーブ13の外周面にスリーブ内部のマグネットロール12の磁気力で磁気拘束させて形成保持させた磁性粒子14の磁気ブラシ部からなる。マグネットロール12は非回転の固定部材であり、スリーブ13はこのマグネットロール12の外回りを矢印bの方向に不図示の駆動系により所定の周速度、本実施例では225mm/sec.の周速で回転駆動される。また、スリーブ13は感光対ドラム1に対してスペーサーコロなどの手段で500μm程度の隙間を保たせて配設してある。2eは容器2に取り付けた、非磁性ステンレス製の磁気ブラシ層厚規制ブレードであり、スリーブ2b表面とのギャップが900μmになるように配置されている。容器2B内の磁性粒子14はその一部がスリーブの13外周面にスリーブ内部のマグネットロール12の磁気力で磁気拘束されて磁気ブラシ部2cとして保持される。磁気ブラシ部2はスリーブの回転駆動に伴い、スリーブ13と一緒にスリーブ13と同方向に回転する。このとき磁気ブラシ部の層厚はブレード15により均一厚さに規制させる。そして、その磁気ブラシ部の規制層厚はスリーブ13と感光体ドラム1との対向隙間部の間隔より大きいから、磁気ブラシ部はスリーブ13と感光対ドラム1との対向部において感光体ドラム1に対して所定幅のニップ部を形成して接触する。この接触ニップ部が帯電ニップ部Nである。従って、回転感光体ドラム1は帯電ニップ部Nにおいて磁気ブラシ帯電器2Aのスリーブ13の回転に伴い回転する磁気ブラシ部で摺擦される。この場合、帯電ニップ部Nにおいて感光体ドラム1の移動方向と磁気ブラシ部の移動方向は逆方向となり、相対移動速度は速くなる。スリーブ13と磁気ブラシ層厚規制ブレード15には電源E4から所定の帯電バイアスが印加される。而して、感光体ドラム1が回転駆動され、磁気ブラシ帯電器2Aのスリーブ13が回転駆動され、電源E4から所定の帯電バイアスが印加されることで、回転感光体ドラム1の周面が本実施例の場合は注入帯電方式で所定の極製・電位に一様に接触帯電処理される。スリーブ13内に固定配置されているマグネットロール12は、スリーブ13と感光体ドラムの最近接位置cとの角度θを感光ドラム回転方向上流側20°から下流側10°の範囲に入るようにすることが望ましく、上流側15°〜0°であればさらによい。それより下流だと主極位置に磁性粒子が引きつけられ、帯電ニップ部Nの感光体ドラム回転方向下流側に磁性粒子の滞留が発生しやすくなり、また上流すぎると、帯電ニップNを通過した磁性粒子の搬送性が悪くなり、滞留が発生しやすくなる。また、帯電ニップ部Nに磁極がない場合は、磁性粒子に働くスリーブ13への拘束力が弱くなり、磁性粒子が感光体ドラム1に付着しやすくなるのは明らかである。ここで述べている帯電ニップ部Nは、帯電時に磁性ブラシ部の磁性粒子が感光体ドラム1と接触している領域を示す。本実施例では、上流側10°の位置に約900Gの磁極を配置した。
【0086】
磁気ブラシ部を構成させる磁性粒子14は、本実施例では、焼結した強磁性体(フェライト)を還元処理をしたものを用いたが、他に樹脂と強磁性体粉を混練して粒子状に成形したもの、もしくはこれに抵抗値調節のために導電性カーボン等を混ぜたものや、表面処理を行ったものも同様に用いることができる。磁気ブラシ部の磁性粒子14は感光体ドラム表面のトラップ準位に電荷を良好に注入する役割と、感光体上ドラム上に生じたピンホールなどの欠陥に帯電電流が集中してしまうことに起因して生じる帯電部材及び感光体の通電破壊を防止する役割を兼ね備えていなければならない。従って、磁気ブラシ帯電器2Aの電気抵抗値は1×104Ω〜1×109Ωであることが好ましく、特には1×104Ω〜1×107Ωであることが好ましい。磁気ブラシ帯電器2Aの電気抵抗値が1×104Ω未満ではピンホールリークが生じやすくなる傾向があり、1×109Ωを超えると良好な電荷の注入がしにくくなる傾向にある。また、抵抗値を抵抗値を上記範囲内に制御するためには、磁性粒子2dの体積抵抗値は1×104Ω・cm〜1×109Ω・cmであることが望ましく、特には1×104Ω・cm〜1×107Ω・cmであることがより好ましい。
【0087】
本実施例で用いた磁気ブラシ帯電器2Aの電気抵抗値は、1×106Ω・cmであり、帯電バイアスのDC成分として−700vを印加することで、感光体ドラム1の表面電位も、−700vとなった。
【0088】
磁性粒子14の体積抵抗値は、図6に略図を示す装置で測定した。すなわち、セルAに磁性体粒子2dを充填し、該充填磁性体粒子14に接するように主電極17及び上部電極18を配し、該電極17・18間に定電圧電源22から電圧を印加し、そのとき流れる電流を電流計20で測定することにより求めた。19は絶縁物、21は電圧計、24はガイドリングを示す。その測定条件は、23℃、65%の環境で充填磁性粒子2dのセルとの接触面積S=2cm2、厚みd=1mm、上部電極18の荷重10kg、印加電圧100Vである
磁性粒子14の平均粒径及び粒度分布測定におけるピークは5〜100μmの範囲にあることが、粒子表面の汚染による帯電劣化防止、及び、磁性粒子の感光体ドラム1表面への付着防止の観点から好ましい。磁性粒子14の平均粒径は、水平方向最大弦長で示し、測定法は顕微鏡法により磁性粒子300個以上をランダムに選び、その径を実測して算術平均をとる。
【0089】
帯電バイアスは電源E2によってスリーブ13と規制ブレード15に印加される。本実施例ではDC成分にAC成分が重畳しているバイアスを用いている。
【0090】
帯電ニップ部Nにおける、磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部による感光体ドラム1面の摺擦と、磁気ブラシ帯電器2Aへの帯電バイアスの印加により、磁気ブラシ部を構成している帯電用事製粒子14から電荷が感光体ドラム1上に与えられ、感光体ドラム1面が所定の極性・電位に一様に接触帯電される。本例の場合は前述したように、感光体ドラム1はその表面に電荷注入層を具備させたものであるから、電荷注入帯電により感光体ドラム1の帯電処理がなされる。即ち、感光ドラム1面が帯電バイアスDC+ACのDC成分に対応した電位に帯電される。スリーブ13は回転速度が速いほど帯電均一性が良好になる傾向にある。
【0091】
磁気ブラシ帯電器2Aによる感光体ドラム1の電荷注入帯電は、図3の等価回路に示すような、抵抗RとコンデンサーCの直列回路とみなすことができる。この様な回路の場合、抵抗値をr、感光体の静電容量をCp、印加電圧をV0、帯電時間(感光体ドラム表面のある点が帯電ニップ部Nを通過する時間)をT0とすると、感光体ドラムの表面電位Vdは式(1)で表わされる。
【0092】
Vd=V0(1−exp(T0/(Cp・r)))・・・式(1)
帯電バイアスDC+ACにおいて、DC成分は必要とされる感光体ドラム1の表面電位と同値、本実施例では−700vとした。
【0093】
画像形成時(作像時)におけるAC成分は、そのピーク間電圧が小さい場合、帯電均一性、電位の立ち上がり向上の効果が薄く、大きすぎる場合では、磁性粒子の滞留や感光体ドラムへの付着レベルが悪化する。またそのVppの上下限は、通紙耐久継続時には、転写残トナーの混入量や、磁性粒子の劣化状態、あるいは外部の環境次第で変化する。すなわち、トナー混入量が多い場合や、長期にわたる通紙耐久により磁性粒子にトナーや外添剤が付着して劣化した場合、外部環境が低湿度である場合、磁性粒子の抵抗値が上昇しているため適正な帯電を行うためにはVppを大きくし、電流量を増やすことが必要となる。しかしながら、Vppを大きくした場合の弊害として考えられる磁性粒子の感光体への付着レベルは逆に抵抗値が大きいほど減少する傾向にある。これは磁性粒子に注入される電荷量が大きいほど印加バイアスと感光体との電位差の影響を受け易く、より付着されやすくなるためである。つまり電流量に依存して、適正なACバイアス振幅は上下限ともに同じ方向へシフトする。したがって、逆に抵抗値が低い場合は磁性粒子の付着は増加する傾向にあるが、その分Vppを小さめに設定しても帯電には十分な電流量が得られる。
【0094】
周波数は100Hz以上5000Hz以下、特に500Hz以上2000Hz以下が好ましい。それ以下では、磁性粒子の感光ドラムへの付着悪化や、帯電均一性、電位の立ち上がり性向上の効果が薄くなり、それ以上でも帯電均一性、電位の立ち上がり性向上の効果が得られにくくなる。ACの波形は矩形波、三角波、sin波などがよい。
【0095】
ここで、作像時、非作像時に帯電装置に印加するバイアスの特性について述べる。DC電界のみを帯電装置に印加した場合、帯電装置内に混入したトナーの感光体への吐き出し性は向上し、キャリアを劣化させず長時間維持するが、AC電界を印加した場合に比べわずかのキャリア劣化に対しても帯電性は落ちる。例えば帯電電位目標700Vに対し、初期、700V印加しても、690V程度にしか感光体上を帯電しない。磁気ブラシが耐久劣化してくるとさらに電位が低下し、AC電界を印加した場合との差が次第に広がってゆく。従って現像バイアスのDC値に対して必要な逆電位が維持されず、かぶってしまうことになる。また、初期の設定電位に対し、電位低下が或る値を超えると露光部電位の変動により出力画像の初期に対する濃度変化が許容レベルを超えてしまうことになる。通常かぶりだす電位低下レベルよりも、一定の濃度変化を引き起こす電位低下のレベルの方が条件としては厳しい。つまり、かぶらないまでも、帯電電位低下により現像コントラストが変化して出力画像の濃度及び色見が許容レベルを超えてしまうことがある。また特にべた画像のような画像比率の高い画像が連続で出力された場合、一時的に帯電部材中のトナー濃度が上がって帯電能力が低下し、画像部ではゴーストが発生したり必要な逆電位が維持されなくなるような事態も考えられるため、少なくとも紙が通過する通紙部はACバイアスを適正な振幅で印加し続けることが望ましい。
【0096】
しかしながら、先述のごとくにドラム上、注入帯電器の磁気ブラシ内や現像機内に極性をほとんど持たないトナーや反転トナーが存在し、現像部におけるAC電界によりある確率で現像器に回収されるが、その場合、現像器内で本来の正規の極性をもつトナーと混ざり合い、トナー同士が凝集しやすくなり、目視可能な100〜500μm程度のトナー塊に成長してしまうことがある。これらの凝集塊は、本来の現像剤としての挙動を示さず、現像スリーブから転写紙上に落下したり白地部に付着したりし、不良画像の原因となっていた。また、それが転写部にいたった場合、厚紙やコート紙に圧力転写されてしまうという不具合がある。図24は、坪量坪量160g/m2の厚紙を、画像比率20%の原稿を用いて連続で通紙した場合における黒斑点かぶりの発生頻度を表している。プロセススピードはこのとき115mm/secである。通紙枚数が増えてゆくにつれ、斑点トナーが現像機内に蓄積し、黒斑点かぶりの発生頻度が上がっていくことがわかる。
【0097】
そこで、厚紙を連続で通紙し、かかる黒斑点かぶりがある程度発生する枚数において、現像器のスリーブ及び現像剤攪拌部材のみを10秒間回転させたところ、その次の画像上の黒斑点かぶりが著しく減少していることが判明した。ここでは2000枚時点で現像器のみの回転動作を行っており、スリーブ周速は115mm/secであるが、1枚の画像中に96個存在したものが48個まで減少している。また、同じ試験を、現像スリーブ及び攪拌部材の回転スピード又は回転時間を変化させてその効果を確認した。図9は、2000枚時点での10秒間の空回転動作の、スリーブ回転スピードに対する発生個数、図27は2000枚時点での115mm/secの空回転動作の回転時間に対する発生個数を示す。スピードが速く、時間が長いほうが発生個数は低下することがわかる。これは、凝集塊となったトナーが再びよく攪拌され、また反転トナーも再び正規極性の電荷を帯びることができるためであると考えられる。
【0098】
上記のような構成において、厚紙やコート紙を使用する場合でも、反転トナーによるかぶりを長期にわたり効果的に防止することができた。図28は、坪量坪量160g/m2の厚紙を、画像比率20%の原稿を用いてプロセススピード75mm/sec、これに対応するスリーブ周速115mm/secの条件で連続通紙し、100枚に一回、紙間を20秒間延長してスリーブ周速225mm/secで回転するモードを設けた場合における黒斑点かぶりの発生頻度を表している。この現像スリーブ回転モードを設けない場合よりも大幅に、黒反転かぶり発生を抑えていることがわかる。
【0099】
【発明の効果】
本発明により、クリーナレスの画像形成装置において、厚紙やコート紙を使用する場合において、現像スリーブ及び攪拌部材の回転スピード又は回転時間を変化させることにより黒斑点かぶりが防止できる。尚、本発明は特に、磁気ブラシ注入帯電装置を例に説明がなされたが、その他の各種帯電装置にも適用でき、また高圧条件も、DC成分や、周波数、波形など、あらゆる代替が可能であり、また、現像スリーブ及び攪拌部材の回転スピード又は回転時間の設定は如何様にも行えることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例における画像形成装置例の概略構成図。
【図2】本実施例におけるシーケンス制御を説明する行程説明図。
【図3】本実施例で用いた感光体の構成外略図。
【図4】本実施例で用いた帯電装置の構成外略図。
【図5】帯電回路の等価回路図。
【図6】磁性粒子(帯電キャリア)の電気抵抗値(体積抵抗値)の測定要領説明図。
【図7】本実施例で用いた現像装置の構成外略図。
【図8】転写部における反転かぶり発生を説明するための図面である。
【図9】通紙耐久時における紙上黒斑点かぶり発生個数の推移を示す説明図である。
【図10】本発明の実施例における画像形成装置の例の概略構成図。
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリーナーレスプロセスの転写式画像形成装置に関する。より詳しくは、電子写真感光体や静電記録誘電体等の像担持体と、該像担持体に対向する帯電部材を有し該帯電部材に帯電バイアスを印加することで像担持体の帯電を行う帯電装置と、該像担持体の帯電処理面に静電潜像を形成する画像情報書き込み装置と、該静電潜像を現像剤により顕像化する現像装置と、該像担持体表面の現像剤を被転写材に移動させる転写装置と、転写装置により被転写材に移動せずに像担持体表面に残留した現像剤は現像装置にて再回収させる方式の、複写機・プリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
(a)接触帯電
電子写真方式や静電記録方式の画像形成装置において、電子写真感光体や静電記録誘電体等の像担持体、その他の被帯電体を所定の極性・電位に帯電処理する帯電手段としては、従来より一般にコロナ帯電器が使用されてきた。これは像担持体(以下、感光体と記す)にコロナ帯電器を非接触に対向配置して、コロナ帯電器から放出されるコロナに感光体面をさらして感光体面を所定の極性・電位に帯電させるものである。近年は、上記の非接触タイプのコロナ帯電器による場合に比べて低オゾン・低電力等の利点を有することから、前記のように、被帯電体としての感光体に電圧(帯電バイアス)を印加した帯電部材(接触帯電部材)を当接させて感光体面を所定の極性・電位に帯電させる接触方式の帯電装置の実用化がなされてきている。特に、帯電部材として導電ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式の装置が帯電の安定性という点から好ましく用いられている。
【0003】
また、接触帯電部材として、磁性粒子を担持体に磁気拘束させた磁気ブラシ部を具備させた磁気ブラシ帯電部材(帯電磁気ブラシ、以下、磁気ブラシ帯電器と記す)を用い、該磁気ブラシ帯電器の磁気ブラシ部を感光体に接触させる磁気ブラシ帯電方式の装置も帯電装置の安定性という点から好ましく用いられる。磁気ブラシ帯電器は、導電性の磁性粒子を直接にマグネットに、あるいはマグネットを内包するスリーブ上に磁気的に拘束させて磁気ブラシ部を形成具備させたものであり、停止あるいは回転させて磁気ブラシ部を感光体に接触させ、これに電圧を印加することによって感光体の帯電を開始させる。
【0004】
また、導電性の繊維をブラシ状に形成具備させたもの(ファーブラシ帯電部材、帯電ファーブラシ)、導電性ゴムをブレード状にした導電ゴムブレード(帯電ブレード)等も接触帯電部材として好ましく用いられている。
【0005】
接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、帯電原理)にはコロナ帯電系と電荷注入(直接帯電)系の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが支配的であるかにより各々の特性が現われる。
【0006】
コロナ帯電系は接触帯電部材と感光体との微小間隙に生じるコロナ放電現象による放電生成物で感光体表面が帯電する系である。コロナ帯電は接触帯電部材と感光体に一定の放電しきい値を有するため、帯電電位より大きな電圧を接触帯電部材に印加する必要がある。また、コロナ帯電器に比べれば発生量は格段に少なくないけれども放電生成物を生じる。
【0007】
電荷注入帯電系は、接触帯電部材から感光体に直接に電荷が注入されることで感光体表面が帯電する系である。より詳しくは、中抵抗の接触帯電部材が感光体表面に接触して、放電現象を介さずに、つまり放電を基本的に用いないで感光体表面に直接電荷注入を行うものである。よって、接触帯電部材への印加電圧が放電しきい値以下の印加電圧であっても、感光体を印加電圧相当の電位に帯電することができる。この電荷注入帯電系はイオンの発生を伴わない。しかし電荷注入帯電であるため、接触帯電部材の感光体への接触性が帯電性に大きく効いてくる。そこで接触帯電部材はより密に構成し、また感光体との速度差を多く持ち、より高い頻度で感光体に接触する構成をとる必要があり、この点において接触帯電部材として特に磁気ブラシ帯電器は安定した帯電を行なうことができる。
【0008】
磁気ブラシ帯電器による電荷注入帯電は抵抗とコンデンサーの直列回路と等価であると見ることができる、理想的な帯電プロセスでは感光体表面のある点が磁気ブラシと接触している時間(帯電ニップ×感光体の周速)にコンデンサーが充電され、感光体表面電位が印加電圧とほぼ同値になる。
【0009】
導電性の接触部材に電圧を印加し感光体の表面にあるトラップ準位に電荷を注入して感光体の接触帯電を行なう方法がある。また、感光体として通常の有機感光体上に導電性微粒子を分散させた表層(電化注入層)を有するものや、アモルファスシリコン感光体などを用いると、接触帯電部材に印加したバイアスのうちの直流成分と略同等の帯電電位をひたい田泰表面に得ることが可能である(特開平6−3921号公報)。
【0010】
注入帯電方式は、環境依存性が少ないだけでなく、放電を用いないため、接触帯電部材に対する印加電圧は感光体電位と同程度で十分であり、また、オゾンを発生しない利点があり、完全なオゾンレスかつ低電力消費型帯電が可能となる。
【0011】
(b)クリーナーレスプロセス(トナーリサイクルプロセス)
また近年、画像形成装置は小型化が進んできたが、帯電・露光・現像・転写・定着・クリーニング等の作像プロセスの各手段・機器が夫々小型になるだけでは画像形成装置の全体的な小型化には限界があった。また、転写後の感光体上の転写残トナー(残留現像剤)はクリーニング手段(クリーナー)によって回収されて廃トナーとなるが、この廃トナーは環境保護の面からも出ないことが好ましい。そこで、クリーナーを取り外し、感光体上の転写残トナーは現像手段によって「現像同時クリーニング」で感光体上から除去し現像手段に回収・再用する装置構成にした「クリーナーレスプロセス」の画像形成装置も出現している。現像同時クリーニングとは、転写後に感光体上に若干残留したトナーを次工程以後の現像時にかぶり取りバイアス(現像手段に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって回収する方法である。この方法によれば、転写残トナーは現像手段に回収されて次工程以後用いられるため、廃トナーをなくし、メンテナンスに手を煩わせることも少なくすることができる。また、クリーナーレスであることでスペース面での利点も大きく、画像形成装置を大幅に小型化できるようになる。また、感光体の帯電装置が接触帯電性の場合には感光体に接触している帯電部材に転写残トナーを一旦回収させ、それを再び感光体上に吐き出させ現像装置で回収させる。
【0012】
転写残のトナーを被帯電体から除去するためのクリーニング装置を有しない系、いわゆる、クリーナーレスシステムにおいては接触帯電部材に転写残のトナーが多く混入したり付着したりするため、画像形成耐久において、接触帯電部材の抵抗値が変動が変動する。そこで耐久枚数や画像比率に応じた帯電部材清掃バイアスを、例えば非作像時に印加して帯電部材の劣化を遅らせるというような方法が知られている。つまり接触帯電においては、磁気ブラシに混入したりローラーに付着したりしたトナーを感光体上に吐き出しやすいバイアス条件やハード構成の条件が存在し、帯電器寿命を延ばすことが可能である。
【0013】
特に磁気ブラシ注入帯電装置の場合、正負両極性のトナーが存在すると考えられる転写残トナーを一旦磁気ブラシで回収して前画像の履歴を消すとともに、磁性粒子と回収したトナーの接触摩擦によりトナーを全て正規の極性に帯電させることにより、再びドラム上にトナーを戻す制御が可能となる。
【0014】
また、磁気ブラシ部14から感光体ドラム1へ吐き出されたトナーはきわめて均一な散布状態にあり、また、その量も少量であるため、次の像露光過程に実質的に悪影響を及ぼすことはない。また、転写残トナーパターンに起因するゴースト像の発生もなく、正規極性のトナーは非画像領域においては現像印加バイアスと帯電電位との差により確実に回収することができる。
【0015】
導電性ローラーを用いた帯電の場合は、ローラーに付着した反対極性トナーを正規極性に戻すために、ローラーに摩擦系列が考慮されたシートを当接するなどの方法がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような接触帯電方式を用いたクリーナレス画像形成装置においては、以下のような不具合が生じていた。
【0017】
上述のごとく、転写残トナーは帯電装置において正規の極性、すなわち帯電極性と同極性に揃えられて現像で回収されるが、わずかながら、ほとんど極性を持たなかったり逆極性のままの状態のトナー(以下反転トナーと称す)が存在することがある。通常、この逆極性のトナーは極微量であり、仮に現像で回収されずにドラム上をつれまわることがあっても正規の転写条件においては転写されることないため、特に問題にはならない。ところが、使用する記録材料の厚み、表面性によっては画像上の白地部にかぶりとして発生してしまうことがある。この理由については明確ではないが、記録紙の厚みが厚い場合は、転写部における転写ブレード乃至転写ローラーの接触圧が強まることにより、逆極性ながらも圧力で転写されてしまうものと考えられる。また、コート紙のように平滑性の高い記録紙においては、記録紙と感光体の密着性が高まるために、同時にトナーが記録紙に押し付けられることを回避する隙間が存在せず、やはり密着度が高まり圧力で転写されるものと考えられる。
【0018】
また、このような反転トナーも、現像部におけるAC電界によりある確率で現像器に回収されるが、その場合、現像器内で本来の正規の極性をもつトナーと混ざり合い、トナー同士が凝集しやすくなり、目視可能な100〜500μm程度のトナー塊に成長してしまうことがある。これらの凝集塊は、本来の現像剤としての挙動を示さず、現像スリーブから転写紙上に落下したり白地部に付着したりし、不良画像の原因となっていた(以下、黒斑点かぶりと称する)。
【0019】
反対極性トナーや極性をほとんど持たないトナーはもともとある比率で存在しうるが、特に高湿下でトナーが正規の帯電極性を持ちにくい環境であったり、帯電器内のトナー量が一時的に増加して接触帯電がされにくい状態であったり、また、長期間転写されずにドラム周りを周回しているうちに外添剤が埋め込まれるなど、劣化したトナーが増加していった場合に顕著に発生する。
【0020】
また、この反対極性トナーは、転写手段の上流部の空間で発生する以上放電によって発生することも知られている。例として図15に示すカラー画像形成装置について説明する。
【0021】
前記複写機は装置内に4つの画像形成部Pa,Pb,Pc及びPdが並設され、これらの画像形成部において各々色の異なったトナー像が潜像、現像、転写のプロセスを経て形成される。
【0022】
画像形成部Pa,Pb,Pc及びPdは、それぞれ専用の像担持体、本例では、電子写真感光ドラム101a,101b,101c及び101dと、感光ドラムに像形成プロセスを作成させるプロセス機器とを具備し、各感光ドラム101a,101b,101c及び101d上に各色トナー像が形成される。各感光ドラム101a〜101dに隣接して、記録材担持体(転写ベルト)108が設置され、感光ドラム101a〜101d上に形成された各色のトナー像が、後述の転写部材により、転写ベルト108上に担持して搬送される記録材6上に重畳転写される。各色のトナー像を転写した記録材6は、その後、転写ベルト108から分離され、不図示の定着装置へ搬送される。定着装置は、加熱及び加圧によりトナー像を溶融混色して記録材に定着した後、記録画像として装置の機外に排出される。
【0023】
画像形成部Pa,Pb,Pc及びPdにおいて、転写帯電手段は、各々転写ベルト108の裏側に接触し前記転写を行う接触式転写帯電部材104a,104b,104c及び104dを備える。
【0024】
各画像形成部において、感光ドラム101a〜101d上のトナー像を転写ベルト108上に担持された記録材上に順次多重転写する際に、転写する直前、すなわち、転写ベルト108と感光ドラム101a〜101dとの当接点の上流側近傍に空間が存在し、このわずかな空間においても転写電界が作用し、その空間の異常放電等が生じる領域において、感光ドラム上のトナーのうち他のトナーよりも鏡映力が小さい一部のトナーが早くから飛翔したり、また、他のトナーよりも鏡映力が大きいトナーの極性が反転してしまい、記録材に転写されないばかりか、反転トナーに近接する他のトナーの転写のための飛翔を妨げる等の、トナー飛散、転写抜けなどの画像不良、つまり、転写前放電にともなう画像不良生じていた。特に厚紙やコート紙を用いる時においては、転写効率最適化のために通常の用紙の使用時よりも高い転写バイアス設定がなされ、異常放電の影響が顕著となるため、反転トナーがより発生しやすくなる。
【0025】
また、記録材担持体が転写ベルト108という構成上、搬送速度、記録材の厚み、サイズ等により、転写領域内への搬入経路(紙パス)がばたつくなど不安定となっており、従って、転写前の感光ドラム、転写ベルト108間の空隙幅(空隙の間隔)も不安定な状態となっている。すると、放電領域外であっても、その空隙幅が減少したときには、放電が生じていた。
【0026】
そこで、本発明の目的は、接触帯電を用いたクリーナーレスシステムにおける画像形成装置において、いかなる記録材料を用いた場合でも反転トナーによるかぶりや黒斑点かぶりが発生せずに、良質な画像を維持する電子写真画像形成装置を提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
以下の構成をとることにより、上記課題が解決される。
【0028】
バイアス電圧を被帯電体に対向した帯電部材に印加することで被帯電体の帯電を行い、像露光手段によって像露光を行なうことにより潜像を形成し、現像剤担持体に担持された現像剤によって該潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、該現像手段が該トナー像を転写材に転写した後に該像担持体に残留した残トナー粒子を回収するクリーニング手段も兼ねる画像形成装置において、現像器の現像材搬送部材乃至攪拌部材の回転動作速度を変更する手段を有する。
【0029】
より好ましくは被記録材に応じて、現像器の現像材搬送部材乃至攪拌部材の回転動作速度を変更するタイミングが、非作像時である。
【0030】
より好ましくはバイアス電圧を被帯電体に対向した帯電部材に印加することで被帯電体の帯電を行い、像露光手段によって像露光を行なうことにより潜像を形成し、現像剤担持体に担持された現像剤によって該潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、該現像手段が該トナー像を転写材に転写した後に該像担持体に残留した残トナー粒子を回収するクリーニング手段も兼ねる画像形成装置において、現像器の現像材搬送部材乃至攪拌部材の回転動作時間を変更する手段を有する。
【0031】
より好ましくは現像器の現像材搬送部材乃至攪拌部材の回転動作時間を変更するタイミングが非作像時である。
【0032】
より好ましくは前記帯電部材が被帯電体に接触する接触帯電である。
【0033】
より好ましくは前記帯電部材が磁性粒子と磁性粒子担持体からなる。
【0034】
より好ましくは前記帯電部材が導電性繊維ブラシからなる。
【0035】
より好ましくは前記帯電部材が導電性ゴムローラーからなる。
【0036】
より好ましくは前記帯電方式が、表面に電荷注入層を有する感光体に電圧を印加した導電性部材を当接させて帯電を行なう注入帯電方式である。
【0037】
より好ましくは作像領域と非作像領域に印加する帯電バイアス条件が異なる。
【0038】
帯電バイアスが、直流バイアス乃至直流バイアスに交流バイアスを重畳したバイアスである。
【0039】
より好ましくは選択した被記録材に応じてプロセス速度を変更する。
【0040】
被記録材に応じて現像器の現像材搬送部材乃至攪拌部材の回転動作を変更する。
【0041】
【発明の実施の形態】
〈実施例〉
(1)画像形成装置例(図1)
図1は画像形成装置の概略構成図を示す。本実施例の画像形成装置は転写式電子写真プロセス利用、電荷注入帯電方式、クリーナーレスプロセスのレーザービームプリンターである。
【0042】
1は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)である。本実施例の感光ドラム1は負帯電性・電荷注入帯電性のOPC感光体(有機光導電性感光体)であり、矢示の時計方向にaに150mm/sec.のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。但し、定着条件の要求から、105g以上の厚紙を選択した場合は75mm/sec、OHTを選択した場合は38mm/secとしている。
【0043】
2は感光ドラム1の面を所定の極性・電位に一様に帯電処理する接触帯電装置である。本実施例では磁気ブラシ帯電装置であり、回転する感光ドラム1の面はこの磁気ブラシ帯電装置2によりほぼ−700vに電荷注入帯電方式で一様に帯電処理される。
【0044】
3は画像情報露光手段(露光装置)であり、本実施例ではレーザービームスキャナーである。このレーザービームスキャナー3は、半導体レーザー、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有してなり、CCD等の光電変換素子を有する原稿読み取り装置、電気計算機、ワードプロセッサー等の不図示のホスト装置から入力する目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して変調されたレーザー光Lを射出して、回転感光体ドラム1の一様帯電処理面をレーザー光走査露光する。このレーザー光走査露光により回転感光ドラム1の周面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0045】
4は現像装置である。本実施例では、重合法で作成した、転写残トナーの少ない高離型性球形トナーと、磁性キャリアを混合した現像剤による2成分接触現像方式の現像装置を用いている。そして、回転感光体ドラム1面の静電潜像をトナー像として反転現像させている。
【0046】
5は感光ドラム1の下側に配置した転写装置であり、本実施例の該転写装置は転写ベルトタイプである。5aは無端状のの転写ベルト(例えば、膜厚75μmのポリイミドのベルト)であり、駆動ローラ5bと従動ローラ5c間に懸回張設されていて、感光体ドラム1の回転方向に順方向に感光ドラム1の回転速度とほぼ同じ周速度で回動される。5dは転写ベルト5aの内側に配設した導電性ブレードであり、転写ベルト5aの上行側ベルト部分を感光ドラム1の下面部分に加圧して転写部位としての転写ニップ部Tを形成させている。
【0047】
6は給紙カセットであり、紙等の被転写材Pを積載収納させてある。給紙ローラ7の駆動により給紙カセット6内に積載収納の被転写材Pが1枚分離給しされ、搬送ローラ8等を含むシートパス9を通って所定の制御タイミングにて回転感光ドラム1と転写装置5の転写ベルト5aとの間の転写ニップ部Tに給送される。
【0048】
転写ニップ部Tに給送された被転写材Pは回転感光体ドラム1と転写ベルト5aの間を挟持搬送され、その間、導電性ブレード5dに転写バイアス印加電源E5から所定の転写バイアスが印加されて、被転写材Pの裏面からトナーと逆極性の帯電がなされる。これにより、転写ニップ部Tを通る被転写材Pの表面側に回転感光ドラム1面側のトナー像が順次に静電転写されていく。
【0049】
転写ニップ部Tを通ってトナー像の転写を受けた被転写材Pは回転感光ドラム1面から順次に分離されてシートパス10を通って定着装置(例えば熱ローラ定着装置)11に導入されてトナー像の定着処理を受けてプリントアウトされる。
【0050】
本実施例のプリンターはクリーナーレスプロセスであり、転写ニップ部Tで被転写材Pに転写されずに回転感光体ドラム1の表面に残ったトナーを除去する専用のクリーナーは配置していないが、転写残トナーは、後述するように、引き続く感光ドラム1の回転で磁気ブラシ帯電装置2の位置に至り、感光ドラム1に接触している接触帯電部材としての磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部に一時的に回収され、その回収トナーが再び感光ドラム1面に吐き出されて最終的に現像装置4に回収され感光ドラム1は繰り返して作像に供される。
【0051】
12は転写装置5と磁気ブラシ帯電装置2との間において感光ドラムに当接させ、ACバイアス、帯電と逆極性のDCバイアス、またはACバイアスを重畳した帯電と逆極性のDCバイアスを印加した導電性ブラシであり、磁気ブラシ帯電装置2による帯電直前の感光体ドラム表面電位をならすと同時に、転写残トナーを除電、もしくは感光体ドラムの帯電と逆極性に帯電して、磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部での回収を容易にする。
【0052】
(2)クリーナーレスプロセス
本実施例のプリンタは、クリーナーレスプロセスであるから、被転写材Pに対するトナー像転写後の感光体ドラム1に残留したトナー(転写残トナー)は感光体ドラム1の帯電ニップ部Nに持ち運ばれて磁気ブラシ接触帯電装置2の磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部2cに混入して一時的に回収される。感光ドラム1上の転写残トナーは転写時の剥離放電などにより、極性が正のものと負のものが混在していることが多い。この極性が混在した転写残トナーが磁気ブラシ帯電器2Aに至って磁気ブラシ部2c内に混入して一時的に回収される。この転写残トナーの磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部2cへの取り込みは、磁気ブラシ帯電器2AにAC成分を印加することで、磁気ブラシ帯電器2A感光体ドラム1間の振動電界効果によってより効果的に行わせることができる。そして、磁気ブラシ部14内に取り込まれた転写残トナーは極性がすべて負に帯電されて感光体ドラム1上に吐き出される。極性が揃えられて感光体ドラム1上に吐き出された転写残トナーは現像部mに至って現像装置4の現像4bにより現像時のかぶり取り電界によって現像同時クリーニングで回収される。この転写残トナーの現像同時回収は、回転方向の画像領域が、感光体ドラム1の周長よりも長い場合には、その他の帯電、露光、現像、転写といった画像形成工程と同時進行で行われる。これにより転写残トナーは現像装置4内に回収されて次工程以後も用いられるため、廃トナーをなくすことができる。また、スペースの面での利点も大きく、画像形成装置の大幅な小型化が可能となる。
【0053】
現像剤のトナーtとして重合法で作成した高離型性球形トナーを用いることで、転写残トナーの発生量を少なくすることができるし、また、磁気ブラシ帯電器2Aから吐き出されたトナーの現像装置4への回収性を向上させることができる。2成分接触現像方式の現像装置4を用いることでも磁気ブラシ帯電器2Aから吐き出されたトナーの現像装置4への回収性を向上させている。ここで、通常、トナーは電気抵抗が比較的高いから、磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部14にそのようなトナー粒子が混入することは磁気ブラシ部2cの電気抵抗を上昇させて帯電能を低下させる因子であり、混入トナー量が比較的多い場合は、非作像時に大量のトナーを吐き出すことで、良好な帯電を維持することができる。
【0054】
ここでトナー吐き出しについて簡単に説明する。磁気ブラシ部にトナーが混入した場合、それの電気抵抗は次第に大きくなっていくため、帯電ニップ通過中に充分な電荷の移動が行われず、帯電ニップ通過後の感光体表面電位は印加電圧より小さくなってしまう。以下、感光体表面電位と印加電圧との電位差をΔVとする。磁気ブラシ帯電器に取り込まれたトナーが磁気ブラシキャリアとの接触により感光体電位と同極の電荷を付与されている場合、電位差ΔVによって発生する電界により混入トナーは磁気ブラシ中から感光体表面に吐き出される。特開平9−96949号公報などに開示されるように、この現象を利用した、非作像時(非画像形成時)に帯電バイアスのAC成分(交流成分)の振幅Vppを減少させたり、AC成分の印加を停止させることで電位差ΔVを大きくし、積極的にトナーを吐き出させて磁気ブラシの電気抵抗上昇を抑える方法が知られている。
【0055】
上述の非作像時の吐き出しとしては、紙間や作像動作終了後の後回転などで行うことで、長期の使用において磁気ブラシ中の混入トナー量を一定以下に保つことが可能となる。
【0056】
また、磁気ブラシ部14から感光体ドラム1へ吐き出されたトナーはきわめて均一な散布状態にあり、また、その量も少量であるため、次の像露光過程に実質的に悪影響を及ぼすことはない。また、転写残トナーパターンに起因するゴースト像の発生もない。
【0057】
(3)画像形成装置例(図2)
次に上記プリンタの動作シーケンスを説明する。
【0058】
a.前多回転工程:プリンタの始動動作期間(起動動作期間、ウォーミング期間)である。メイン電源スイッチ−オンにより、装置のメインモーターを駆動させて感光体ドラムを回転駆動させ、所定のプロセス機器の準備動作を実行させる。
【0059】
b.前回転工程:プリント前動作を実行させる期間である。個の前回転工程は前多回転工程中にプリント信号が入力したときには前多回転工程に引き続いて実行される。プリント信号の入力がないときには前多回転工程の終了後にメインモーターの駆動が一旦停止されて感光体ドラムの回転駆動が停止され、プリンタはプリント信号が入力されるまでスタンバイ(待機)状態に保たれる。プリント信号が入力すると、前回転工程が実行される。
【0060】
c.印字工程(画像形成工程、作像工程):所定の前回転工程が終了すると、引き続いて回転感光ドラムに対する作像プロセスが実行され、回転感光ドラム面に形成されたトナー像の被転写材への転写、定着手段によるトナー像の定着処理がなされて画像形成物がプリントアウトされる。連続印字(連続プリント)モードの場合は上記の印字工程が所定の設定プリント枚数分繰り返して実行される。
【0061】
d.紙間工程:連続印字モードにおいて一の被転写材の後端部が転写ニップ部を通過した後、次の被転写材の先端部が転写ニップ部に到達するまでの間の、転写ニップ部における被転写材の非通紙状態期間である。この期間に転写ニップを通過する回転感光体の領域がその前に帯電ニップ部を通過する間は、帯電バイアスのAC成分の振幅を小さくし、磁気ブラシ帯電部材で一時的に回収した転写残トナーを回転感光体ドラム面に吐き出す。
【0062】
e.後回転工程:最後の被転写材の印字工程が終了した後もしばらくの間メインモータの駆動を継続させて感光体ドラムを回転駆動させ、所定の後動作を実行させる期間である。この期間においても紙間工程と同様に帯電バイアスのAC成分の振幅を小さくすることで、磁気ブラシ帯電部材で一時的に回収した転写残トナーを回転感光体ドラム面に吐き出す。
【0063】
f.スタンバイ:所定の後回転工程が終了すると、メインモータの駆動が停止され感光体ドラムの回転駆動が停止され、プリンタは次のプリントスタート信号が入力するまでスタンバイ状態に保たれる。
【0064】
1枚だけのプリントの場合は、そのプリント終了後、プリンタは後回転工程を経てスタンバイ状態になる。スタンバイ状態においてプリントスタート信号が入力すると、プリンターは前回転工程に移行する。
【0065】
cの印字工程時が画像形成時であり、aの前多回転工程、bの前回転工程、dの紙間工程、eの後回転工程が非画像形成時(非作像時)になる。
【0066】
(4)感光体ドラム(図3)
本実施例の感光体ドラム1は前述したように負帯電性・電荷注入性のOPC感光体であり、φ30mmのアルミニウム製のドラム基体上に第1〜第5の機能層を下から順に設けたものである。
【0067】
第1層:下引き層であり、アルミニウムドラム基体の欠陥などをならすため、またレーザー露光の反射によるモアレの発生を防止するために設けられている厚さ約20μmの導電層である。
【0068】
第2層:正電荷注入防止層であり、アルミニウムドラム基体1aから注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって106Ω・cm程度に、抵抗調整された厚さ約1μmの中抵抗層である。
【0069】
第3層:電荷発生層であり、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、レーザー露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。
【0070】
第4層:電荷輸送層であり、ポリカーボネイト樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型半導体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することはできず、電荷発生層1dで発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
【0071】
第5層:電荷注入層であり、バインダーとしての光硬化性のアクリル樹脂に光透過性の導電フィラーであるアンチモンをドーピングして低抵抗化(導電化)した粒径0.03μmの酸化錫SnO2の超微粒子を樹脂に対して70重量パーセント分散した材料の約3μmの塗工層である。この電化注入層1fの電気抵抗値は、充分な帯電性と画像流れを起こさない条件である1×1010〜1×1014Ω・cmである必要がある。本実施例では、表面抵抗が1×1011Ω・cm感光ドラムを用いた。
【0072】
(5)現像装置4(図7)
静電潜像のトナー現像方法としては、一般に次のa〜dの4種類に大別される。
【0073】
a.非磁性トナーについてはブレード等でスリーブ上にコーティングし、磁性トナーは磁気力によってコーティングして搬送し感光体に対して非接触状態で現像する方法(1成分非接触現像)。
【0074】
b.上記のようにしてコーティングしたトナーを感光体に対して接触状態で現像する方法(1成分接触現像)。
【0075】
c.トナー粒子に対して磁性のキャリアを混合したものを現像剤として用いて磁気力煮よって搬送し感光対煮対して接触状態で現像する方法(2成分接触現像)。
【0076】
d.上記の2成分現像を剤を非接触状態にして現像する方法(2成分非接触現像)。
【0077】
このなかで、画像の高画質化や高安定性の面から、cの2成分接触現像法が多く用いられている。
【0078】
本実施例における現像装置4は重合法で作成した高離型性球形非磁性トナーと磁性キャリア(現像用磁性粒子、現像キャリア)を混合したものを現像剤として用い、該現像剤を現像剤担持体(現像部材、現像器)に磁気力によって磁気ブラシ層とし保持させて現像部に搬送し感光体ドラム面に接触させて静電潜像をトナー像として現像する2成分磁気ブラシ接触現像方式の反転現像装置である。
【0079】
4aは現像容器、4bは現像剤担持体としての現像スリーブ、4cはこの現像スリーブ4b内に固定配置された磁界発生手段としての磁石(マグネットローラ)、4dは現像スリーブ表面に現像剤の薄層を形成するための現像剤層厚規制ブレード、4eは現像剤攪拌搬送スクリュー、4fは現像剤容器4a内に収容した2成分現像剤であり、上記のように非磁性トナーtと現像キャリアcを混合したものである。
【0080】
現像スリーブ4bは少なくとも現像時においては、感光体ドラム1に対し最近接距離(隙間)が約500μmになるように配置され、該現像スリーブ4bの外面に担持させた現像剤磁気ブラシ薄層が感光体ドラム1の面に接触するように設定されている。この現像剤磁気ブラシ薄層4と感光体ドラム1の接触ニップ部mが現像領域(現像部)である。
【0081】
現像スリーブ4bは内部の固定磁石4cの外回りを矢印の反時計方向に所定の回転速度で駆動され現像容器4a内においてスリーブ外面に固定磁石4cの磁力により現像剤4f(t+c)の磁気ブラシが形成される。その現像剤磁気ブラシはスリーブ4bの回転とともに搬送され、ブレード4dにより層厚規制を受けて所定層厚の現像剤磁気ブラシ薄層4として現像容器外に持ち出されて現像部mへ搬送されて感光体ドラム1面に接触し、引き続くスリーブ4bの回転で再び現像容器4a内に戻し搬送される。
【0082】
現像スリーブ4bには現像バイアス印加電源E4によりDC成分とAC成分を重畳した所定の現像バイアスが印加される。本実施例での現像特性は、感光体ドラム1の帯電電位と現像バイアスのDC成分値の差が200v以下であるとかぶりが生じ、350v以上であると現像キャリアcの感光体ドラム1への付着が生じた。
【0083】
現像容器4a内の現像剤4f(t+c)のトナー濃度(現像キャリアcとの混合割合)はとなー分が静電潜像の現像に消費されて逐次消費されていく。現像容器4a内の現像剤4fのトナー濃度は不図示の検知手段により検知されて所定の許容下限濃度まで低下するとトナー補給部4gから現像容器4a内の現像剤4fにトナーtの補給がなされて現像容器4a内の現像剤4fのトナー濃度を常に所定の許容範囲内に保つようにトナー補給制御される。
【0084】
(6)磁気ブラシ帯電装置(図1、図4)
図4は磁気ブラシ帯電装置2の拡大横断面模型図である。本実施例の磁気ブラシ帯電装置2は、大きく分けて、磁気ブラシ帯電部材(磁気ブラシ帯電器)2A、該磁気ブラシ帯電器2Aと導電性磁性粒子(帯電キャリア)14を収容させた容器(ハウジング)2、磁気ブラシ帯電器2Aに対する帯電バイアス印加電源E4等からなる。
【0085】
磁気ブラシ帯電器2Aは本実施例のものはスリーブ回転タイプであり、マグネットロール(磁石)12とこのマグネットロールに外嵌させた非磁性ステンレス製スリーブ(電極スリーブ、導電スリーブ、帯電スリーブなどと称される)13と、該スリーブ13の外周面にスリーブ内部のマグネットロール12の磁気力で磁気拘束させて形成保持させた磁性粒子14の磁気ブラシ部からなる。マグネットロール12は非回転の固定部材であり、スリーブ13はこのマグネットロール12の外回りを矢印bの方向に不図示の駆動系により所定の周速度、本実施例では225mm/sec.の周速で回転駆動される。また、スリーブ13は感光対ドラム1に対してスペーサーコロなどの手段で500μm程度の隙間を保たせて配設してある。2eは容器2に取り付けた、非磁性ステンレス製の磁気ブラシ層厚規制ブレードであり、スリーブ2b表面とのギャップが900μmになるように配置されている。容器2B内の磁性粒子14はその一部がスリーブの13外周面にスリーブ内部のマグネットロール12の磁気力で磁気拘束されて磁気ブラシ部2cとして保持される。磁気ブラシ部2はスリーブの回転駆動に伴い、スリーブ13と一緒にスリーブ13と同方向に回転する。このとき磁気ブラシ部の層厚はブレード15により均一厚さに規制させる。そして、その磁気ブラシ部の規制層厚はスリーブ13と感光体ドラム1との対向隙間部の間隔より大きいから、磁気ブラシ部はスリーブ13と感光対ドラム1との対向部において感光体ドラム1に対して所定幅のニップ部を形成して接触する。この接触ニップ部が帯電ニップ部Nである。従って、回転感光体ドラム1は帯電ニップ部Nにおいて磁気ブラシ帯電器2Aのスリーブ13の回転に伴い回転する磁気ブラシ部で摺擦される。この場合、帯電ニップ部Nにおいて感光体ドラム1の移動方向と磁気ブラシ部の移動方向は逆方向となり、相対移動速度は速くなる。スリーブ13と磁気ブラシ層厚規制ブレード15には電源E4から所定の帯電バイアスが印加される。而して、感光体ドラム1が回転駆動され、磁気ブラシ帯電器2Aのスリーブ13が回転駆動され、電源E4から所定の帯電バイアスが印加されることで、回転感光体ドラム1の周面が本実施例の場合は注入帯電方式で所定の極製・電位に一様に接触帯電処理される。スリーブ13内に固定配置されているマグネットロール12は、スリーブ13と感光体ドラムの最近接位置cとの角度θを感光ドラム回転方向上流側20°から下流側10°の範囲に入るようにすることが望ましく、上流側15°〜0°であればさらによい。それより下流だと主極位置に磁性粒子が引きつけられ、帯電ニップ部Nの感光体ドラム回転方向下流側に磁性粒子の滞留が発生しやすくなり、また上流すぎると、帯電ニップNを通過した磁性粒子の搬送性が悪くなり、滞留が発生しやすくなる。また、帯電ニップ部Nに磁極がない場合は、磁性粒子に働くスリーブ13への拘束力が弱くなり、磁性粒子が感光体ドラム1に付着しやすくなるのは明らかである。ここで述べている帯電ニップ部Nは、帯電時に磁性ブラシ部の磁性粒子が感光体ドラム1と接触している領域を示す。本実施例では、上流側10°の位置に約900Gの磁極を配置した。
【0086】
磁気ブラシ部を構成させる磁性粒子14は、本実施例では、焼結した強磁性体(フェライト)を還元処理をしたものを用いたが、他に樹脂と強磁性体粉を混練して粒子状に成形したもの、もしくはこれに抵抗値調節のために導電性カーボン等を混ぜたものや、表面処理を行ったものも同様に用いることができる。磁気ブラシ部の磁性粒子14は感光体ドラム表面のトラップ準位に電荷を良好に注入する役割と、感光体上ドラム上に生じたピンホールなどの欠陥に帯電電流が集中してしまうことに起因して生じる帯電部材及び感光体の通電破壊を防止する役割を兼ね備えていなければならない。従って、磁気ブラシ帯電器2Aの電気抵抗値は1×104Ω〜1×109Ωであることが好ましく、特には1×104Ω〜1×107Ωであることが好ましい。磁気ブラシ帯電器2Aの電気抵抗値が1×104Ω未満ではピンホールリークが生じやすくなる傾向があり、1×109Ωを超えると良好な電荷の注入がしにくくなる傾向にある。また、抵抗値を抵抗値を上記範囲内に制御するためには、磁性粒子2dの体積抵抗値は1×104Ω・cm〜1×109Ω・cmであることが望ましく、特には1×104Ω・cm〜1×107Ω・cmであることがより好ましい。
【0087】
本実施例で用いた磁気ブラシ帯電器2Aの電気抵抗値は、1×106Ω・cmであり、帯電バイアスのDC成分として−700vを印加することで、感光体ドラム1の表面電位も、−700vとなった。
【0088】
磁性粒子14の体積抵抗値は、図6に略図を示す装置で測定した。すなわち、セルAに磁性体粒子2dを充填し、該充填磁性体粒子14に接するように主電極17及び上部電極18を配し、該電極17・18間に定電圧電源22から電圧を印加し、そのとき流れる電流を電流計20で測定することにより求めた。19は絶縁物、21は電圧計、24はガイドリングを示す。その測定条件は、23℃、65%の環境で充填磁性粒子2dのセルとの接触面積S=2cm2、厚みd=1mm、上部電極18の荷重10kg、印加電圧100Vである
磁性粒子14の平均粒径及び粒度分布測定におけるピークは5〜100μmの範囲にあることが、粒子表面の汚染による帯電劣化防止、及び、磁性粒子の感光体ドラム1表面への付着防止の観点から好ましい。磁性粒子14の平均粒径は、水平方向最大弦長で示し、測定法は顕微鏡法により磁性粒子300個以上をランダムに選び、その径を実測して算術平均をとる。
【0089】
帯電バイアスは電源E2によってスリーブ13と規制ブレード15に印加される。本実施例ではDC成分にAC成分が重畳しているバイアスを用いている。
【0090】
帯電ニップ部Nにおける、磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部による感光体ドラム1面の摺擦と、磁気ブラシ帯電器2Aへの帯電バイアスの印加により、磁気ブラシ部を構成している帯電用事製粒子14から電荷が感光体ドラム1上に与えられ、感光体ドラム1面が所定の極性・電位に一様に接触帯電される。本例の場合は前述したように、感光体ドラム1はその表面に電荷注入層を具備させたものであるから、電荷注入帯電により感光体ドラム1の帯電処理がなされる。即ち、感光ドラム1面が帯電バイアスDC+ACのDC成分に対応した電位に帯電される。スリーブ13は回転速度が速いほど帯電均一性が良好になる傾向にある。
【0091】
磁気ブラシ帯電器2Aによる感光体ドラム1の電荷注入帯電は、図3の等価回路に示すような、抵抗RとコンデンサーCの直列回路とみなすことができる。この様な回路の場合、抵抗値をr、感光体の静電容量をCp、印加電圧をV0、帯電時間(感光体ドラム表面のある点が帯電ニップ部Nを通過する時間)をT0とすると、感光体ドラムの表面電位Vdは式(1)で表わされる。
【0092】
Vd=V0(1−exp(T0/(Cp・r)))・・・式(1)
帯電バイアスDC+ACにおいて、DC成分は必要とされる感光体ドラム1の表面電位と同値、本実施例では−700vとした。
【0093】
画像形成時(作像時)におけるAC成分は、そのピーク間電圧が小さい場合、帯電均一性、電位の立ち上がり向上の効果が薄く、大きすぎる場合では、磁性粒子の滞留や感光体ドラムへの付着レベルが悪化する。またそのVppの上下限は、通紙耐久継続時には、転写残トナーの混入量や、磁性粒子の劣化状態、あるいは外部の環境次第で変化する。すなわち、トナー混入量が多い場合や、長期にわたる通紙耐久により磁性粒子にトナーや外添剤が付着して劣化した場合、外部環境が低湿度である場合、磁性粒子の抵抗値が上昇しているため適正な帯電を行うためにはVppを大きくし、電流量を増やすことが必要となる。しかしながら、Vppを大きくした場合の弊害として考えられる磁性粒子の感光体への付着レベルは逆に抵抗値が大きいほど減少する傾向にある。これは磁性粒子に注入される電荷量が大きいほど印加バイアスと感光体との電位差の影響を受け易く、より付着されやすくなるためである。つまり電流量に依存して、適正なACバイアス振幅は上下限ともに同じ方向へシフトする。したがって、逆に抵抗値が低い場合は磁性粒子の付着は増加する傾向にあるが、その分Vppを小さめに設定しても帯電には十分な電流量が得られる。
【0094】
周波数は100Hz以上5000Hz以下、特に500Hz以上2000Hz以下が好ましい。それ以下では、磁性粒子の感光ドラムへの付着悪化や、帯電均一性、電位の立ち上がり性向上の効果が薄くなり、それ以上でも帯電均一性、電位の立ち上がり性向上の効果が得られにくくなる。ACの波形は矩形波、三角波、sin波などがよい。
【0095】
ここで、作像時、非作像時に帯電装置に印加するバイアスの特性について述べる。DC電界のみを帯電装置に印加した場合、帯電装置内に混入したトナーの感光体への吐き出し性は向上し、キャリアを劣化させず長時間維持するが、AC電界を印加した場合に比べわずかのキャリア劣化に対しても帯電性は落ちる。例えば帯電電位目標700Vに対し、初期、700V印加しても、690V程度にしか感光体上を帯電しない。磁気ブラシが耐久劣化してくるとさらに電位が低下し、AC電界を印加した場合との差が次第に広がってゆく。従って現像バイアスのDC値に対して必要な逆電位が維持されず、かぶってしまうことになる。また、初期の設定電位に対し、電位低下が或る値を超えると露光部電位の変動により出力画像の初期に対する濃度変化が許容レベルを超えてしまうことになる。通常かぶりだす電位低下レベルよりも、一定の濃度変化を引き起こす電位低下のレベルの方が条件としては厳しい。つまり、かぶらないまでも、帯電電位低下により現像コントラストが変化して出力画像の濃度及び色見が許容レベルを超えてしまうことがある。また特にべた画像のような画像比率の高い画像が連続で出力された場合、一時的に帯電部材中のトナー濃度が上がって帯電能力が低下し、画像部ではゴーストが発生したり必要な逆電位が維持されなくなるような事態も考えられるため、少なくとも紙が通過する通紙部はACバイアスを適正な振幅で印加し続けることが望ましい。
【0096】
しかしながら、先述のごとくにドラム上、注入帯電器の磁気ブラシ内や現像機内に極性をほとんど持たないトナーや反転トナーが存在し、現像部におけるAC電界によりある確率で現像器に回収されるが、その場合、現像器内で本来の正規の極性をもつトナーと混ざり合い、トナー同士が凝集しやすくなり、目視可能な100〜500μm程度のトナー塊に成長してしまうことがある。これらの凝集塊は、本来の現像剤としての挙動を示さず、現像スリーブから転写紙上に落下したり白地部に付着したりし、不良画像の原因となっていた。また、それが転写部にいたった場合、厚紙やコート紙に圧力転写されてしまうという不具合がある。図24は、坪量坪量160g/m2の厚紙を、画像比率20%の原稿を用いて連続で通紙した場合における黒斑点かぶりの発生頻度を表している。プロセススピードはこのとき115mm/secである。通紙枚数が増えてゆくにつれ、斑点トナーが現像機内に蓄積し、黒斑点かぶりの発生頻度が上がっていくことがわかる。
【0097】
そこで、厚紙を連続で通紙し、かかる黒斑点かぶりがある程度発生する枚数において、現像器のスリーブ及び現像剤攪拌部材のみを10秒間回転させたところ、その次の画像上の黒斑点かぶりが著しく減少していることが判明した。ここでは2000枚時点で現像器のみの回転動作を行っており、スリーブ周速は115mm/secであるが、1枚の画像中に96個存在したものが48個まで減少している。また、同じ試験を、現像スリーブ及び攪拌部材の回転スピード又は回転時間を変化させてその効果を確認した。図9は、2000枚時点での10秒間の空回転動作の、スリーブ回転スピードに対する発生個数、図27は2000枚時点での115mm/secの空回転動作の回転時間に対する発生個数を示す。スピードが速く、時間が長いほうが発生個数は低下することがわかる。これは、凝集塊となったトナーが再びよく攪拌され、また反転トナーも再び正規極性の電荷を帯びることができるためであると考えられる。
【0098】
上記のような構成において、厚紙やコート紙を使用する場合でも、反転トナーによるかぶりを長期にわたり効果的に防止することができた。図28は、坪量坪量160g/m2の厚紙を、画像比率20%の原稿を用いてプロセススピード75mm/sec、これに対応するスリーブ周速115mm/secの条件で連続通紙し、100枚に一回、紙間を20秒間延長してスリーブ周速225mm/secで回転するモードを設けた場合における黒斑点かぶりの発生頻度を表している。この現像スリーブ回転モードを設けない場合よりも大幅に、黒反転かぶり発生を抑えていることがわかる。
【0099】
【発明の効果】
本発明により、クリーナレスの画像形成装置において、厚紙やコート紙を使用する場合において、現像スリーブ及び攪拌部材の回転スピード又は回転時間を変化させることにより黒斑点かぶりが防止できる。尚、本発明は特に、磁気ブラシ注入帯電装置を例に説明がなされたが、その他の各種帯電装置にも適用でき、また高圧条件も、DC成分や、周波数、波形など、あらゆる代替が可能であり、また、現像スリーブ及び攪拌部材の回転スピード又は回転時間の設定は如何様にも行えることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例における画像形成装置例の概略構成図。
【図2】本実施例におけるシーケンス制御を説明する行程説明図。
【図3】本実施例で用いた感光体の構成外略図。
【図4】本実施例で用いた帯電装置の構成外略図。
【図5】帯電回路の等価回路図。
【図6】磁性粒子(帯電キャリア)の電気抵抗値(体積抵抗値)の測定要領説明図。
【図7】本実施例で用いた現像装置の構成外略図。
【図8】転写部における反転かぶり発生を説明するための図面である。
【図9】通紙耐久時における紙上黒斑点かぶり発生個数の推移を示す説明図である。
【図10】本発明の実施例における画像形成装置の例の概略構成図。
Claims (13)
- バイアス電圧を被帯電体に対向した帯電部材に印加することで被帯電体の帯電を行い、像露光手段によって像露光を行なうことにより潜像を形成し、現像剤担持体に担持された現像剤によって該潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、該現像手段が該トナー像を転写材に転写した後に該像担持体に残留した残トナー粒子を回収するクリーニング手段も兼ねる画像形成装置において、現像器の現像材搬送部材乃至攪拌部材の回転動作速度を変更する手段を有することを特徴とする画像形成装置。
- 被記録材に応じて、現像器の現像材搬送部材乃至攪拌部材の回転動作速度を変更するタイミングが、非作像時であることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
- バイアス電圧を被帯電体に対向した帯電部材に印加することで被帯電体の帯電を行い、像露光手段によって像露光を行なうことにより潜像を形成し、現像剤担持体に担持された現像剤によって該潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、該現像手段が該トナー像を転写材に転写した後に該像担持体に残留した残トナー粒子を回収するクリーニング手段も兼ねる画像形成装置において、現像器の現像材搬送部材乃至攪拌部材の回転動作時間を変更する手段を有することを特徴とする請求項1、2の画像形成装置。
- 現像器の現像材搬送部材乃至攪拌部材の回転動作時間を変更するタイミングが非作像時であることを特徴とする請求項1〜3の画像形成装置。
- 前記帯電部材が被帯電体に接触する接触帯電であることを特徴とする請求項1〜4に記載の画像形成装置。
- 前記帯電部材が磁性粒子と磁性粒子担持体からなることを特徴とする請求項1〜5に記載の画像形成装置。
- 前記帯電部材が導電性繊維ブラシからなることを特徴とする請求項1〜5に記載の画像形成装置。
- 前記帯電部材が導電性ゴムローラーからなることを特徴とする請求項1〜5に記載の画像形成装置。
- 前記帯電方式が、表面に電荷注入層を有する感光体に電圧を印加した導電性部材を当接させて帯電を行なう注入帯電方式であることを特徴とする請求項1〜8の画像形成装置。
- 作像領域と非作像領域に印加する帯電バイアス条件が異なることを特徴とする請求項1〜9の画像形成装置。
- 帯電バイアスが、直流バイアス乃至直流バイアスに交流バイアスを重畳したバイアスであることを特徴とする請求項1〜10の画像形成装置。
- 選択した被記録材に応じてプロセス速度を変更することを特徴とする請求項1〜11の画像形成装置。
- 被記録材に応じて現像器の現像材搬送部材乃至攪拌部材の回転動作を変更することを特徴とする請求項1〜12の画像形成装置。
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