JP2004149978A - 炭素繊維ストランドの製造方法 - Google Patents

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Hisao Saeki
尚郎 佐伯
Koichi Sakajiri
浩一 坂尻
Isao Nishimura
功 西村
Toshitsugu Matsuki
寿嗣 松木
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Abstract

【課題】製造工程における毛羽の発生等を抑制し、FW等の後事工程での取扱い性が優れた炭素繊維ストランドの製造方法を提供する。
【解決手段】炭素繊維の質量に対して1.5質量%のサイズ剤を塗付した炭素繊維ストランドの風合い度が0.6MPa以下となるサイズ剤を炭素繊維ストランドに塗付し、次いで150〜250℃で0.5〜10時間熱処理することにより炭素繊維ストランドの風合い度を1.2〜3.0MPaに高める炭素繊維ストランドの製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製造工程において付着斑や毛羽の発生を抑制し、後事工程における取扱い性が優れた炭素繊維ストランドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素繊維は他の繊維と比較して強度や弾性率が高く、軽いという特徴を有するため、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂とする複合材料の強化材として多用されている。この炭素繊維で強化した複合材料は、軽量で高強度であるので、航空宇宙産業を始めとし、各種の産業に広く利用されている。
【0003】
熱硬化性樹脂系の複合材料を製造する方法としては、中間基材であるプリプレグを用いて賦形成型する方法がある。更に、炭素繊維ストランドを用いて引抜成形、レジントランスファーモールディング(RTM)法、フィラメント・ワインディング(FW)法、シート・モールディング・コンパウンド(SMC)法、バルク・モールディング・コンパウンド(BMC)法、ハンドレイアップ法などによって熱硬化性樹脂系の複合材料を製造できる。
【0004】
熱硬化性樹脂系複合材料の製造に用いられる熱硬化性のマトリックス樹脂としては例えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等が挙げられるが、これらのうちでも特にエポキシ樹脂は耐熱性、物性等バランスの良い複合材料を与えるので好ましい。
【0005】
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラグリシジルアミン、トリグリシジルアミン等の多官能エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられるが、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂が接着性、物性等に優れ万能であるためマトリックス樹脂として広く使用されている。
【0006】
複合材料を製造する際には、上述のように炭素繊維ストランドを用いてこれを加工するものであるが、この加工工程において、炭素繊維ストランドはガイド等で擦れることにより毛羽が生じやすく、取扱い性が悪くなる。この問題を避けるため、通常、炭素繊維ストランドにサイズ剤を付与し、炭素繊維ストランドの表面をサイズ剤でコートすることにより、ストランドの収束性を高め、耐擦過性や取扱い性を向上させる処理がなされている。
【0007】
炭素繊維に付与するサイズ剤は、その粘度が高いほど形状安定性、耐擦過性に優れた炭素繊維ストランドを得ることができる(例えば、特許文献1、2参照)。しかしながら、粘度の高いサイズ剤を用いるとサイズ剤付与処理後の工程において炭素繊維に付着斑が生じやすく、またサイズ剤付与処理に引き続いて行う乾燥工程において単糸切れや毛羽が発生しやすくなる。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−279040号公報(第7項46行〜第8項5行)
【特許文献2】
特開平5−132863号公報(第2項1〜43行)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、製造工程において粘度が高いサイズ剤を用いたときに発生する付着斑や毛羽を抑制し、しかも形状安定性、耐擦過性が良好で取扱い性に優れた炭素繊維ストランドを得ることができる炭素繊維ストランドの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、所定の風合い度が得られるサイズ剤を炭素繊維に塗付して熱処理を行うことにより、製造工程においては付着斑や毛羽の発生を抑制できるとともに、取扱い性に優れた炭素繊維ストランドを製造できることを見出し本発明の完成に到った。
【0011】
上記課題を解決する本発明は、以下に記載するものである。
【0012】
〔1〕 炭素繊維の質量に対して1.5質量%のサイズ剤を塗付した炭素繊維ストランドの風合い度が0.6MPa以下となるサイズ剤を炭素繊維ストランドに塗付し、次いで150〜250℃で0.5〜10時間熱処理することにより炭素繊維ストランドの風合い度を1.2〜3.0MPaに高めることを特徴とする炭素繊維ストランドの製造方法。
【0013】
〔2〕 サイズ剤成分中エポキシ樹脂が50質量%以上である〔1〕に記載の製造方法。
【0014】
〔3〕 サイズ剤の付着量が炭素繊維ストランド全質量に対して0.5〜5質量%である〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
【0015】
〔4〕 炭素繊維のフィラメント数が1000〜50000本である〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載の製造方法。
【0016】
〔5〕 X線光電子分光法により測定される炭素繊維の表面酸素濃度比O/Cが0.05〜0.3である〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載の製造方法。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるサイズ剤は、炭素繊維の質量に対して1.5質量%のサイズ剤を塗付して測定した炭素繊維ストランドの風合い度が0.6MPa以下であって、後述する熱処理を行うことにより炭素繊維ストランドの風合い度が1.2〜3.0MPaとなるものであれば制限なく用いることができる。
【0018】
本発明においては、サイズ剤の成分として熱硬化性樹脂を用いるが、特にエポキシ樹脂を用いることが好ましい。エポキシ樹脂のエポキシ基は炭素繊維表面の官能基(水酸基、カルボキシル基など)と反応することが知られている。この反応は熱処理によって促進され、反応が進行するに伴ってエポキシ樹脂はゲル化して粘度が増加する。
【0019】
本発明はサイズ剤付与処理を行った炭素繊維ストランドを熱処理して風合い度を高めるものである。サイズ剤として熱硬化性樹脂を用いれば熱処理により炭素繊維ストランドの風合い度を高めることができるが、エポキシ樹脂を用いることでより風合い度を高めることができる。
【0020】
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラグリシジルアミン、トリグリシジルアミン等の多官能エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。特にビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。これらのビスフェノールA部またはF部は炭素繊維ストランドの耐毛羽性を向上させ、マトリックス樹脂との相溶性を向上させる効果を有している。このため、マトリックス樹脂との接着性を高め、種々の物性に優れた複合材料が得ることができる。
【0021】
エポキシ樹脂の含有率は特に限定されるものではないが、サイズ剤成分中30質量%以上とすることが好ましく、50〜90質量%とすることがより好ましい。
【0022】
サイズ剤に用いる他の熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド樹脂、ビニルエステル等を挙げることができる。中でもポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド樹脂は、炭素繊維ストランドの集束性をより向上させることができ好ましい。
【0023】
更に、炭素繊維ストランドの耐擦過性、耐毛羽性や、サイズ剤の含浸性を向上させるため、分散剤、界面活性剤等の補助成分を添加しても良い。
【0024】
本発明においては、サイズ剤の付着量を炭素繊維ストランド全質量に対して0.3〜5.0質量%とすることが好ましい。サイズ剤の付着量が0.3質量%未満の場合は、炭素繊維ストランドを複合材料とした場合にマトリックス樹脂との接着性を得られず、またストランドの集束性も劣る。一方、サイズ剤の付着量が5.0質量%を超える場合は炭素繊維ストランドの開繊性が劣り、炭素繊維ストランドへのマトリックス樹脂の含浸性が低下する傾向がある。
【0025】
本発明で用いる炭素繊維は特に限定されず、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維等が例示できる。これらの炭素繊維のうち、特に取扱い性、製造工程通過性に優れたPAN系炭素繊維が好ましい。ここで、PAN系炭素繊維は、アクリロニトリル構造単位を主成分とし、イタコン酸、アクリル酸、アクリルエステル等のビニル単量体単位を10モル%以内で含有する共重合体を炭素繊維化したものである。
【0026】
炭素繊維のフィラメント数は1束当たり1000〜50000本が好ましい。
【0027】
炭素繊維のX線光電子分光法により測定される表面酸素濃度比O/Cは0.05〜0.3であることが好ましい。表面酸素濃度O/Cが0.05未満の場合はマトリックス樹脂との接着性が劣り、複合材料の物性が低下する傾向がある。一方、表面酸素濃度O/Cが0.3を超える場合は炭素繊維自体の強度が低下する傾向がある。
【0028】
炭素繊維の表面酸素濃度比O/Cを上記範囲とするため、炭素繊維の製造工程において、炭素化終了後、表面処理を施すことが好ましい。
【0029】
表面処理方法としては、液相処理、気相処理等を挙げることができる。本発明においては、生産性、処理の均一性、安定性等の観点から、液相電解表面処理が好ましい。
【0030】
表面処理を経た炭素繊維は、充分に洗浄し電解質を除去した後、前述したサイズ剤を施す。
【0031】
サイズ剤の付与は、スプレー法、液浸法、転写法等、既知の方法を採択し得るが、汎用性、効率性、付与の均一性に優れるので、液浸法が好ましい。
【0032】
炭素繊維束をサイズ剤液に浸漬する際、サイズ剤液中に設けられた液没ローラ又は液浸ローラを介して、開繊と絞りを繰り返し、ストランドの芯までサイズ剤を含浸させることが好ましい。
【0033】
サイズ剤付与処理は、アセトン等の溶剤にエポキシ樹脂を溶解させた溶液中に炭素繊維を浸漬する溶剤法も可能であるが、乳化剤を用いサイズ剤を水系エマルジョンとし炭素繊維を浸漬するエマルジョン法が人体への安全性及び自然環境の汚染を防止する観点から好ましい。
【0034】
本発明の製造方法は、サイズ剤付与処理後、炭素繊維ストランドの熱処理を行うものであるが、必要により熱処理前にサイズ剤付与時の分散媒である水の乾燥あるいは溶媒である溶剤の脱溶剤を行う乾燥工程を行ってもよい。あるいは乾燥工程と同時に熱処理工程を行っても良い。乾燥工程は乾燥炉を通過させる方法、加熱したローラに接触させる方法等、既知の方法が採択し得る。乾燥工程を行う場合、乾燥温度は100℃以上150℃未満とし、乾燥時間は1〜20分とする。
【0035】
なお、この乾燥工程は、炭素繊維ストランドの風合い度を高めるものではない。低い風合い度を保つことにより、乾燥工程における毛羽の発生を抑制することができる。なお、乾燥工程においては、水分除去が完全ではない場合にはサイズ剤の粘度の増加によりローラ表面との摩擦が大きくなり毛羽の発生等が誘起されることがある。このため、乾燥工程を行う場合には完全に水分除去を行うことが好ましい。
【0036】
サイズ剤を付着させた炭素繊維ストランドは、熱処理を行う。熱処理を行う温度、時間は炭素繊維ストランドの風合い度が所定の範囲となるよう次に示す範囲から適宜選択する。
【0037】
熱処理の処理温度は150〜250℃とするが、180〜230℃が好ましい。150℃未満では熱処理に長時間を要し、250℃を超えるとサイズ剤成分が分解する虞がある。また、処理時間は0.5〜10時間とするが、2〜6時間が好ましい。0.5時間未満ではほとんど風合い度は向上せず、目的とする風合い度とすることができない。10時間を超えるとサイズ剤成分の熱劣化(分解)が生じてくる。
【0038】
熱処理の方法としては公知の方法を用いることができるが、例えば熱風を吹き付けるなどの非接触式、加熱ローラのような接触式等を挙げることができる。熱処理はサイズ剤付与処理後連続的に行っても良いし、炭素繊維ストランドをボビン等に巻き付けてバッチ的に行っても良い。
【0039】
本発明においては、サイズ剤を付着させ、熱処理を行うことにより炭素繊維ストランドの風合い度を1.2〜3.0MPaとする。風合い度が1.2MPa未満であると、炭素繊維の後事工程(プリプレグ作製、織物作製、FW成形、引抜成形等)において、炭素繊維束を支持する支点(ガイドローラ等)の支点間距離が大きいところで、炭素繊維束の部分的なたるみが発生し、巻きつきや切断などトラブルを誘発しやすい。これらのトラブルは、コンポジット物性低下の原因となりうる。一方風合い度が3.0MPaを超えると炭素繊維ストランドの開繊性が低下し、マトリックス樹脂の含浸性が低下する。
【0040】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0041】
表1に示す条件により炭素繊維ストランドを作製し、各炭素繊維ストランドの諸物性値を、以下の方法により測定した。
【0042】
<表面酸素濃度比O/C>
日本電子社製X線光電子分光器ESCA JPS−9000MXを用いて測定を行った。予めサイズ剤を除去した炭素繊維を10−6Paに減圧した測定室中に入れ、Mgを対極として電子線加速電圧10kV、10mAの条件で発生させたX線を照射した。炭素原子、酸素原子より発生する光電子のスペクトルからその面積比を算出した。
【0043】
<風合い度測定>
風合い度は大栄科学精器製作所社製ハイドロメーター 型式:HOM−2を用いて以下の条件で測定した。
測定サンプル:20cm長の炭素繊維ストランド
スリット幅:10mm
測定方法:サンプルをサンプル中央部がスリット上になるように試料台に載せた。このとき、スリットの幅方向がサンプルの長さ方向になるようにした。次に厚さ2mm、長さ200mmの金属プレートでこのサンプルをスリット間に深さ10mmまで10mm/secの速さで垂直に押し込み、このときの金属プレートに負荷する最大荷重を測定した。測定は異なるサンプルについて5回行い、その平均値を測定値(F)とした。
【0044】
ここで風合い度は下記式(1)で定義される。
【0045】
【数1】
Figure 2004149978
F:ハイドロメーターの測定値[gf]
S:炭素繊維ストランド断面積[mm
*S:炭素繊維フィラメントの断面積(s)×フィラメント数
【0046】
<Fuzz測定>
直径2mmのクロムめっきされたステンレス棒を15mm間隔で、かつその表面をサイジングされた炭素繊維ストランドが120°の接触角で接触しながら通過するようにジグザクに5本配置した。このステンレス棒間にサイジングされた炭素繊維ストランドをジグザグにかけ、ボビンからのCFストランド解舒テンションを200に設定して擦過させた。擦過後の炭素繊維ストランドをウレタンスポンジ(底面32mm×64mm、高さ10mm、重さ約0.25g)2枚の間にはさみ、125gの重りをウレタンスポンジ全面に荷重がかかるようにのせ、炭素繊維ストランドを15m/分の速度で2分間通過させたときのスポンジに付着した毛羽の重量を擦過毛羽量とした。
【0047】
<0°引張試験>
チバガイギー社製EPN1138(商品名:フェノールノボラック型エポキシ樹脂)70質量部、ジャパンエポキシレジン社製エピコート834(商品名:ビスフェノールA型エポキシ樹脂)12質量部、同社製エピコート1002(商品名:ビスフェノールA型エポキシ樹脂)18質量部の割合で混合した樹脂組成物に、更に同社製硬化剤DICY(ジシアンジアミド)5質量部、保土ヶ谷化学製硬化促進剤DCMU(3−[3,4−ジクロロフェニル]−1,1−ジメチルウレア)10質量部を加え、プリプレグ用樹脂組成物を作製した。この樹脂組成物をフィルムコーターを用いて離型紙上に塗布し、樹脂フィルムを得た。この樹脂フィルム上にサイズ剤組成物で処理された炭素繊維ストランドを等間隔に引き揃えて並べた後、加熱して樹脂を該炭素繊維ストランドに含浸させ、炭素繊維目付150g/m、樹脂含浸率37質量%のUDプリプレグを作製した。
【0048】
作製したUDプリプレグを成形後の厚みが1mmとなるように積層し、金型に入れ、180℃で2時間、686kPa(7kg/cm)の圧力で成形し一方向の炭素繊維強化成形板(CFRP板)を作製した。このCFRP板の0°引張試験をASTM−D−3039に準拠し、室温で測定を行った。
【0049】
実施例1〜6、比較例1〜5
X線光電子分光法により測定した炭素繊維の表面酸素濃度比O/Cが0.2である未サイジングの炭素繊維束(東邦テナックス社製ベスファイト、24000フィラメント)をサイズ浴に連続的に浸漬させた。その際、浴濃度を調整することにより、付着量が1.5質量%になるよう調節した。サイズ浴は表1に示す配合比のサイズ剤100質量部をPO/EOポリエーテル(レオコンED274R、ライオン社製)15質量部で乳化した水エマルジョンを用いた。
【0050】
その後、水分を乾燥除去(150℃、3分)し、炭素繊維ストランドを得た。これらの炭素繊維ストランドを用いて、風合い度、Fuzzの各評価試験を行った。
【0051】
得られた炭素繊維束を金属(アルミニウム)製ボビンに巻きつけて、表1に示す条件で熱処理を施し風合い度と0°引張強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
Figure 2004149978
【0053】
※1:ジャパンジャパンエポキシレジン社製
※2:大日本インキ化学工業社製
※3:武田薬品工業社製
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、製造工程における付着斑や毛羽等のトラブルを低減することができ、形状安定性、耐擦過性に優れ、後事工程での取扱い性に優れた炭素繊維ストランドを得ることができる。

Claims (5)

  1. 炭素繊維の質量に対して1.5質量%のサイズ剤を塗付した炭素繊維ストランドの風合い度が0.6MPa以下となるサイズ剤を炭素繊維ストランドに塗付し、次いで150〜250℃で0.5〜10時間熱処理することにより炭素繊維ストランドの風合い度を1.2〜3.0MPaに高めることを特徴とする炭素繊維ストランドの製造方法。
  2. サイズ剤成分中エポキシ樹脂が50質量%以上である請求項1に記載の製造方法。
  3. サイズ剤の付着量が炭素繊維ストランド全質量に対して0.5〜5質量%である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 炭素繊維のフィラメント数が1000〜50000本である請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法。
  5. X線光電子分光法により測定される炭素繊維の表面酸素濃度比O/Cが0.05〜0.3である請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法。
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