JP2004149902A - 金属粉の製造装置および金属粉の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属塩溶液と、還元剤とを落下または圧送させるためのハウジングを備えるとともに、当該ハウジング内部に攪拌部材を備えるか(第1の方法)、ハウジング内に、金属塩溶液と、還元剤とを混合攪拌するための攪拌装置として、スタティックミキサを備えるか(第2の方法)、あるいは、ハウジングとして、第1のパイプおよび第2のパイプを備え、当該第2のパイプの表面に、混合攪拌するための開口部を設ける(第3の方法)。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液相還元法を利用した金属粉の製造装置および金属粉の製造方法に関し、特に、液相還元法を利用して得られる放射状に延設された凸部および凹部をそれぞれ備えた金属粒子であっても、粒径を制御することが容易な金属粉の製造装置およびそのような金属粉の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、厚膜用ペーストや導電性接着剤等の用途において、所定量の金属粉末を樹脂中に混合分散させてなる導電性組成物が使用されている。
このような導電性組成物に使用される金属粉末としては、二次凝集が少ないことから球状の金属微粒子が多用されている(例えば、特許文献1〜2参照)。より具体的には、第1工程において、金属塩溶液と、還元剤とを衝突させることにより、瞬間的に金属塩溶液を還元して、金属超微粒子を形成した後、第2工程において、当該金属超微粒子の存在下に、金属塩溶液と、還元剤とをさらに衝突させることにより、金属を還元析出させて得られる金属微粒子である。
【0003】
一方、本発明の発明者らは、このような金属微粒子を改良すべく、放射状に延設された凸部と、当該凸部の間隙に凹部と、を備えるとともに、以下のいずれかの特徴を有する金属粉を提案している(例えば、特許文献3参照)。
(1)隣接する金属粉間で、当該凸部と、凹部とが相互に嵌合連結する金属粉である(第1特徴)。
(2)凸部の形状が、針状、桿状、又は花弁状からなる群から選択される少なくとも一つの形状である金属粉である(第2特徴)。
(3)樹脂を含んだ状態での電気抵抗率が5×10−6〜1×10−3Ω・cmの範囲内の値である金属粉である(第3特徴)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−317022号 (第1〜2頁)
【特許文献2】
特開平11−140511号 (第1〜2頁)
【特許文献3】
WO 02/061766号 (第1図(a)〜(c))
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1〜2に開示された金属微粒子は、第1工程において得られる直径が3〜1,000nm程度の金属超微粒子を使用するものの、金属塩溶液と、還元剤との瞬間的な衝突を利用しているため、かかる金属超微粒子の粒径を制御することは容易でなかった。したがって、第2工程において得られる金属微粒子の平均粒径や粒度分布についても、第1工程において得られる金属微粒子のばらつきに起因して、値が大きくばらつくという問題が見られた。
また、開示された金属微粒子は、図18に示すように、いずれも球状であって、隣接する金属粉末同士の表面における点接触を利用して、電気接続することを意図しているため、接触面積が小さく、樹脂を含んだ状態において接続導体間で得られる導通抵抗の値が大きいという問題が見られた。したがって、従来の導電性組成物においては、樹脂中に金属粉末(金属微粒子)を多量に添加しなければならず、そのために、導電性組成物の粘度が上昇し、取り扱いが困難になるという問題が見られた。
一方、特許文献3に開示された特定形状の金属粉は、特許文献1〜2に開示された球状の金属微粒子と比較して、樹脂を含んだ状態での電気抵抗率は低いものの、製造条件によっては、粒径の調整が容易でなく、得られる金属粉の平均粒径が小さくなりやすいという問題が見られた。
【0006】
そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、特定の製造装置や製造方法を使用することにより、特定形状の金属粉を形成する場合であっても、金属粉に核物質等を導入する場合であっても、さらには、粒径が比較的大きい金属粉を形成する場合であっても、それぞれ粒径の調整が容易であることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、放射状に延設された凸部および当該凸部の間隙に凹部をそれぞれ備えた金属粉であっても、核物質入りの金属粉や、粒径が比較的大きい金属粉であっても、それぞれ粒径の調整が容易であって、それらが効率的に得られる製造装置およびそのような金属粉の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、液相還元法を利用して、金属塩溶液と、還元剤とから金属粉を製造するための製造装置であって、金属塩溶液と、還元剤とを落下または圧送させるためのハウジングを備えるとともに、当該ハウジングの内部に攪拌部材を備えることを特徴とする金属粉の製造装置が提供され、上述した問題点を解決することができる。
すなわち、このように構成することにより、金属塩溶液と、還元剤とを落下または圧送させながら混合できるとともに、攪拌部材によって、さらに強制的かつ均一に攪拌できるため、放射状に延設された凸部や凹部を有する特定形状の金属粉であっても、核物質入りの金属粉や、粒径が比較的大きい金属粉であっても、それぞれ粒径の調整が容易になって、効率的に金属粉を得ることができる。
【0008】
本発明の別な態様によれば、液相還元法を利用して、金属塩溶液と、還元剤とから金属粉を製造するための製造装置であって、金属塩溶液と、還元剤との反応箇所としてのハウジング内に、金属塩溶液と、還元剤とを混合攪拌するための攪拌装置として、スタティックミキサを備えた金属粉の製造装置が提供され、上述した問題点を解決することができる。
すなわち、このように構成することにより、簡易な機構によって、特定形状を有する金属粉であっても、核物質入りの金属粉や、粒径が比較的大きい金属粉であっても、それぞれ粒径の調整が容易になって、効率的に金属粉を得ることができる。
【0009】
また、本発明の金属粉の製造装置を構成するにあたり、ハウジングが複数のエレメントに分割可能であることが好ましい。
このように構成することにより、金属塩溶液と、還元剤との間の反応時間や反応程度の調整が容易になる。また、このように構成することにより、金属粉を製造した後のハウジングの清掃についても容易になり、汚染要因を排除して、均一な導電特性を有する金属粉を安定して得ることができる。
【0010】
また、本発明の別の態様は、液相還元法を利用して、金属塩溶液と、還元剤とから金属粉を製造するための製造装置であって、金属塩溶液または還元剤を流通させるためのハウジングとして、第1のパイプおよび第2のパイプを備え、当該第1のパイプ内に、第2のパイプが挿入してあるとともに、第2のパイプの表面に、金属塩溶液と、還元剤とを混合攪拌するための開口部を設けた金属粉の製造装置が提供され、上述した問題点を解決することができる。
すなわち、このように構成することにより、簡易な機構によって、特定形状を有する金属粉であっても、核物質入りの金属粉や、粒径が比較的大きい金属粉であっても、それぞれ粒径の調整が容易になって、効率的に金属粉を得ることができる。
【0011】
また、本発明の金属粉の製造装置を構成するにあたり、ハウジングが、直線状または螺旋状、あるいはその組合せであることが好ましい。
このように構成することにより、金属塩溶液と、還元剤との反応程度や反応時間の調整が容易になる。したがって、特定形状を有する金属粉であっても、核物質入りの金属粉や、粒径が比較的大きい金属粉であっても、それぞれ粒径の調整が容易になって、さらに効率的に金属粉を得ることができる。
また、ハウジングの形状をこのように制御することにより、金属粉の製造装置の設置上における制約を少なくすることができる。
【0012】
また、本発明の金属粉の製造装置を構成するにあたり、ハウジングを所定角度、例えば、鉛直方向や斜め方向に保持するための角度調整装置を備えることが好ましい。
このように構成することにより、金属塩溶液と、還元剤との混合程度や反応時間の調整が容易になり、それに対応して、特定形状を有する金属粉であっても、核物質入りの金属粉や、粒径が比較的大きい金属粉であっても、それぞれ粒径の調整が容易になって、効率的に金属粉を得ることができる。
【0013】
また、本発明の金属粉の製造装置を構成するにあたり、放射状に延設された凸部と、当該凸部の間隙に凹部と、を備えた粒子状物、または核物質入りの金属粉を製造対象物とする製造装置であることが好ましい。
このような複雑な構成の金属粉を対象とした場合であっても、その粒径を容易に調整することができる。
【0014】
また、本発明の別の態様は、液相還元法を利用して、金属塩溶液と、還元剤とから金属粉を製造する方法であって、金属塩溶液と、還元剤とをハウジング内を落下または圧送させるとともに、当該ハウジング内に備えられた攪拌部材により、混合攪拌しながら金属粒子を析出させることを特徴とする金属粉の製造方法である。
このように実施することにより、簡易な製造装置を用いて、特定形状を有する金属粉であっても、核物質入りの金属粉であっても、粒径が比較的大きい金属粉であっても、その粒径を容易に調整しながら、効率的に製造することができる。
【0015】
また、本発明の別の態様は、液相還元法を利用して、金属塩溶液と、還元剤とから金属粉を製造する方法であって、ハウジング内に備えたスタティックミキサにより、金属塩溶液と、還元剤とを混合攪拌しながら金属粒子を析出させることを特徴とする金属粉の製造方法である。
このように実施することにより、簡易な製造装置を用いて、複雑な構成の金属粉であっても、その粒径を容易に調整しながら製造することができる。
【0016】
また、本発明の別の態様は、液相還元法を利用して、金属塩溶液と、還元剤とから金属粉を製造する方法であって、金属塩溶液および還元剤、あるいはいずれか一方を多段階に分けて落下または圧送させて混合攪拌しながら金属粒子を析出させることを特徴とする金属粉の製造方法である。
このように実施することにより、金属塩溶液と、還元剤との間の反応量や反応時間等を容易に制御することができ、そのため、特定形状を有する金属粉であっても、核物質入りの金属粉であっても、粒径が比較的大きい金属粉であっても、その粒径を容易に調整しながら、効率的に製造することができる。
【0017】
また、本発明の別の態様は、液相還元法を利用して、金属塩溶液と、還元剤とから金属粉を製造する方法であって、金属塩溶液または還元剤を流通させるための第1のパイプと、複数の開口部を有する第2のパイプとを備え、当該第1のパイプ内に、第2のパイプを挿入するとともに、当該複数の開口部を介して、金属塩溶液と、還元剤とを混合攪拌しながら金属粒子を析出させることを特徴とする金属粉の製造方法である。
このように実施することにより、簡易な製造装置を用いて、特定形状を有する金属粉であっても、核物質入りの金属粉であっても、粒径が比較的大きい金属粉であっても、それらの粒径を容易に調整しながら、効率的に製造することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、金属塩溶液と、還元剤とから金属粉を製造するための製造装置およびそれを用いた金属粉の製造方法であって、金属塩溶液と、還元剤とを落下または圧送させるためのハウジングを備えるとともに、当該ハウジングの内部に攪拌部材を備えることを特徴とする金属粉の製造装置およびそれを用いた金属粉の製造方法である(それぞれ第1の製造装置および第1の方法と称する場合がある。)。
以下、第1の実施形態における金属粉の製造装置およびそれを用いた金属粉の製造方法について具体的に説明する。
【0019】
1.製造装置
(1)ハウジング
ハウジングの態様としては、特に制限されるものではないが、例えば、図4(a)に示すような円筒や、図4(b)に示すような多角形柱であることが好ましい。
この理由は、ハウジングをこのような態様とすることにより、金属塩溶液および還元剤の挿入口あるいは取出部を設けやすくなるためである。また、ハウジングをこのような態様とすることにより、内部に攪拌部材を保持しやすくなるためである。
【0020】
また、ハウジングの態様に関して、図5(a)に示すような直線状、または図5(b)に示すような螺旋状、あるいは図5(c)に示すような曲線状、さらには、これらの組合せであることが好ましい。
この理由は、かかる形状とすることにより、装置を大型化することなく、ハウジングの長さを調整することができるためである。したがって、ハウジング内で金属塩溶液および還元剤が混合攪拌される時間を容易に制御することができる。また、かかる形状のハウジングを用いることにより、金属塩溶液および還元剤とを十分に反応させて、未反応物量を低下させることができる。したがって、得られる金属粉の粒径の調整が容易になって、特定形状を有する金属粉であっても、核物質入りの金属粉であっても、さらには粒径が比較的大きい金属粉であっても、容易かつ効率的に製造することができる。
【0021】
また、ハウジングの態様に関して、図6に示すように、ジョイント部36aを設けて、複数のハウジングエレメント36から構成するとともに、分割可能な構成とすることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、ハウジングの長さを容易に調整することができるためである。したがって、ハウジングにおける金属塩溶液および還元剤の混合攪拌時間を容易に制御することができ、また、金属塩溶液および還元剤とを十分に反応させて、未反応物量を低下させることができる。
さらに、かかる構成のハウジングであれば、金属粉を製造した後に、容易に分解できるため、ハウジングエレメントの清掃が容易になり、不純物の混入を有効に防止することができるためである。
【0022】
さらに、ハウジングの態様に関して、図7に示すように、主経路12aに沿って、バイパス12bを設けることが好ましい。
この理由は、バルブ等を介して、主経路12aと、バイパス12bとを設けるとともに、それらを交互に使用することにより、多量の金属粉を、短時間で製造することができるためである。
また、金属塩溶液および還元剤の混合割合等の製造条件を変える場合であっても、このように主経路と、バイパスを設けることにより、それぞれ製造条件が異なる金属粉を、バルブの切替えによって、容易かつ迅速に製造することができるためである。
一方、製造条件が同一の場合であっても、主経路と、バイパスを設けることにより、それぞれ一方の経路のみを使用し、もう一方の経路について使用していないときには、使用していない経路のハウジングについて、容易に清掃したり、メンテナンスしたりすることができるためである。
【0023】
(2)攪拌部材
ハウジング内に設ける攪拌部材の態様としては、特に制限されるものではないが、例えば、図8(a)に示すような邪魔板42、図8(b)に示すような穴あき板44、あるいは、図8(c)に示すような突起物46を使用することが好ましい。
この理由は、ハウジング内に挿入させた金属塩溶液および還元剤を、直接下方に落下させず、邪魔板等に衝突させながら落下させることにより、容易かつ効率的に攪拌することができるとともに、落下速度を調整することができるためである。したがって、金属塩溶液および還元剤とを十分に反応させて、未反応物量を低下させることができ、ひいては、得られる金属粉の粒径の調整が容易になって、比較的粒径が大きい金属粉とすることができる。
なお、攪拌部材として、後述するスタティックミキサや、穴あきパイプを好適に使用することができるが、その場合には、第2の実施形態および第3の実施形態に該当するものとする。
【0024】
(3)挿入口
図9に示すように、ハウジング12における一方の先端部12cに、金属塩溶液28および還元剤26の挿入口22を設けることが好ましい。
この理由は、例えば、ハウジングの断面積よりも広い面積の挿入口を設けることにより、ハウジングの断面積に拘わらず、ハウジング内に金属塩溶液および還元剤を容易かつ定量的に挿入することができるためである。
なお、ハウジングにおける一方の先端部に、かかる挿入口を複数設けることも好ましい。例えば、図7に示すように、挿入口22a、22bとして2つ設けた場合には、金属塩溶液28および還元剤26とを、それぞれ別の挿入口22a、22bから、同時かつ定量的に投入することが容易になる。
【0025】
また、図10に示すように、ハウジング162の途中に、金属塩溶液または還元剤を落下または圧送させるための複数の挿入口150を設けることも好ましい。
この理由は、このようにハウジングの途中に複数の挿入口を設けることにより、例えば、金属塩溶液または還元剤の濃度に応じて挿入口を選択して、金属塩溶液および還元剤との間の反応量や反応時間を容易に調整することができるためである。
したがって、未反応物量を低下させることができ、ひいては、得られる金属粉の粒径の調整が容易になって、比較的粒径が大きく、かつ、均一な金属粉とすることができる。
【0026】
また、図10に示すように、ハウジング162の途中に設ける複数の挿入口150の数を2〜20個の範囲内とすることが好ましい。
この理由は、かかる挿入口の数が2個未満となると、すなわち挿入口が1個では、金属塩溶液および還元剤を、多段階に分けて反応させることが、実質的に不可能となるためである。一方、かかる開口部の数が20個を越えると、ハウジングの長さにもよるが、装置が大型化してしまう場合があるためである。
したがって、ハウジングの途中に設ける挿入口の数を2〜10個の範囲内とすることがより好ましく、2〜5個の範囲内とすることがさらに好ましい。
【0027】
(4)圧送装置
図示しないが、金属塩溶液および還元剤を落下混合させない場合、あるいは緩やかに落下混合させる場合には、ハウジングの一部に圧送装置、例えば、フィードポンプ、遠心ポンプ、斜流ポンプ、軸流ポンプ、歯車ポンプ、往復動ポンプ、ねじポンプ、ロータリーポンプ、カスケードポンプ、サインポンプ、渦流ポンプ、ジェットポンプ、エアーリフトポンプ等を設けることが好ましい。
この理由は、圧送装置を設けることにより、金属塩溶液および還元剤の流速を制御しながら、これらの反応を容易かつ正確に制御することができるためである。
【0028】
(5)角度調整装置
図11に示すように、ハウジング62の角度を決定し、所定角度に保持するための角度調整装置64を設けることが好ましい。
この理由は、このようにハウジングの角度を適宜調整することにより、ハウジング内を通過する金属塩溶液および還元剤の落下速度を容易に制御することができるためである。したがって、金属塩溶液および還元剤とを十分に反応させて、未反応物量を低下させることができ、ひいては、得られる金属粉の粒径の調整が容易になって、比較的粒径が大きい金属粉とすることができる。
【0029】
(6)取出部および受容槽
図11に示すように、ハウジング62における終端部62aに、金属塩溶液28および還元剤26の反応液の取出部102および受容槽20を設けることが好ましい。
この理由は、反応液の取出部102にフィルタ等を設けるとともに、その下方に受容槽20を設けることにより、得られた反応液から、析出した金属粉32と、未反応の金属塩溶液および還元剤30とに容易に分離することができるためである。
【0030】
なお、図12に示すように、ハウジング112の途中に、反応液の取出部113および受容槽20とは異なる第2の取出部114および第2の受容槽92を設けることも好ましい。
この理由は、析出した金属粉と、未反応の金属塩溶液および還元剤とを、それぞれ別の取出部から、分離しやすい状態で取出すことができるためである。すなわち、ハウジング112の途中に設けられた滞留部116、例えば、弁構造物によって、一旦、析出した金属粉と、未反応の金属塩溶液および還元剤とに分離し、次いで、第1の取出部114から未反応の金属塩溶液および還元剤を取出すとともに、滞留部116を開放することによって、取出部113からは析出した金属粉90のみを取出すことができる。
【0031】
(7)温度調整装置
ハウジングの周囲あるいはさらに受容槽を含んで、それらの温度を制御することが好ましい。すなわち、図13に示すように、ハウジング62の周囲等に温度調整装置52を設けることが好ましい。なお、図13中、温度を制御する範囲を点線40で示してある。
この理由は、このように構成することにより、製造装置全体の温度を、所定範囲内の値に保持できるためである。したがって、金属塩溶液と還元剤との反応が促進され、金属粉の生産性を向上させることができる。
また、図14に示すように、金属塩溶液および還元剤の挿入口210、220や、ハウジング12、あるいは受容槽250の周囲に、温度調整装置211、221、232、251をそれぞれ設けることも好ましい。
この理由は、このように構成することにより、金属塩溶液および還元剤をハウジング内に挿入する際の液温と、金属塩溶液および還元剤の反応温度と、取出し温度とを、それぞれ独立して調整することができるためである。
なお、かかる温度調整装置によって、ハウジングの周囲等の温度を、後述する還元温度と一致させて、0〜50℃の範囲内の値に制御することが好ましい。
【0032】
(8)超音波発生装置
また、図14に示すように、金属塩溶液および還元剤の挿入口210、220や、ハウジング12、あるいは受容槽250の周囲に、一つ以上の超音波発生装置212、222、231、252を設けることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、反応前の金属塩溶液または還元剤に対して、あるいはそれらを反応させる際に、超音波振動を与えることができ、得られる金属粉の粒径の調整が容易になるためである。
【0033】
2.製造方法
(1)液相還元法
金属粉を製造するにあたり、いわゆる液相還元法を採用することが好ましい。すなわち、所定量の還元剤を用いるとともに、所定の還元条件において、金属塩溶液中の金属塩や、金属錯体中の金属錯体等を還元反応させることにより、金属粉を析出させて、特定形状を有する金属粉を製造することが好ましい。
【0034】
(2)金属塩溶液
また、金属塩溶液(金属錯体溶液を含む。)中の金属濃度を0.01〜5mol/リットルの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる金属濃度が0.01mol/リットル未満の値となると、金属粉の析出量が著しく低下し、金属粉の生産性が低下する場合があるためである。一方、かかる金属濃度が5mol/リットルを超えると、金属粉の形状を制御することが困難となって、同様に金属粉の生産性が低下する場合があるためである。したがって、金属塩溶液中の金属濃度を0.1〜3mol/リットルの範囲内の値とすることがより好ましく、0.3〜2mol/リットルの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、形成する凸部の形状に対応させて、金属塩溶液中の金属濃度を適宜調整することも好ましい。
例えば、針状や桿状の凸部を有する金属粉を製造する場合には、金属塩溶液中の金属濃度を0.8〜2mol/リットルの範囲内の値とすることによって、所望の凸部を容易に形成することができる。また、例えば、花弁状の凸部を有する金属粉を製造する場合には、金属塩溶液中の金属濃度を0.3〜0.7mol/リットルの範囲内の値とすることによって、花弁状の凸部を容易に形成することができる。
【0035】
(3)還元剤
また、還元剤として、ホルムアルデヒド、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、ヒドラジン化合物、ヒドロキノン、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、ピロカテコール、ブドウ糖、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、亜硫酸塩、ギ酸、無水亜硫酸ナトリウム、L(+)酒石酸、ギ酸アンモニウム、ロンガリット等の一種単独または二種以上の組合せが挙げられる。
これらの還元剤のうち、還元反応を容易に制御しやすいことから、L−アスコルビン酸、あるいは、L−アスコルビン酸とピロカテコールとの組合せを使用することがより好ましい。
また、このような還元剤の濃度を0.01〜5mol/リットルの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる還元剤の濃度が0.01mol/リットル未満の値となると、金属粉の析出量が著しく低下し、金属粉の生産性が低下する場合があるためである。一方、かかる還元剤の濃度が5mol/リットルを超えると、金属粉の形状を制御することが困難となって、同様に金属粉の生産性が低下する場合があるためである。
したがって、還元剤の濃度を0.1〜3mol/リットルの範囲内の値とすることがより好ましく、0.3〜2mol/リットルの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、形成する凸部の形状に対応させて、還元剤の濃度を適宜調整することも好ましい。例えば、針状の凸部を有する金属粉を製造する場合には、還元剤の濃度を0.8〜2mol/リットルの範囲内の値とすることによって、針状の凸部を容易に形成することができる。また、例えば、桿状や花弁状の凸部を有する金属粉を製造する場合には、還元剤の濃度を0.3〜0.7mol/リットルの範囲内の値とすることによって、所望の凸部を容易に形成することができる。
【0036】
(4)還元温度
また、還元処理を実施する際の還元温度(反応温度)を0〜50℃の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる還元温度が0℃未満の値となると、金属粉の析出量が著しく低下し、金属粉の生産性が低下する場合があるためである。一方、かかる還元温度が50℃を超えると、金属粉の形状を制御することが困難となって、同様に金属粉の生産性が低下する場合があるためである。
したがって、かかる還元温度を5〜40℃の範囲内の値とすることがより好ましく、10〜30℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、金属粉の粒径を比較的小さくするとともに、粒度分布をさらに狭くしたい場合には、還元処理を実施する際の還元温度を0〜8℃の範囲内の値とすることが好ましい。
【0037】
(5)多段階反応
また、金属塩溶液および還元剤を、例えば、図10に示すような製造装置を用いて、多段階に分けて反応させることにより、金属粒子を析出させることが好ましい。すなわち、ハウジング162の途中に設けられた複数の挿入口150から、金属塩溶液および還元剤、あるいはいずれか一方を落下または圧送させることが好ましい。
この理由は、上述したように、このように多段階に分けて反応させることにより、それぞれの段階ごとに金属塩溶液および還元剤との間の反応時間や、反応量を調整することができるためである。
【0038】
(6)混合時間
また、金属塩溶液および還元剤の混合時間を60秒以内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる混合時間が60秒を越えると、反応制御が困難になって、得られる金属粉の粒径がばらつく場合があるためである。ただし、かかる混合時間が過度に短くなると、逆に反応制御が困難になって、得られる金属粉の粒径がばらつく場合がある。
したがって、金属塩溶液および還元剤の混合時間を0.1〜30秒の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜10秒の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、多段階に分けて金属塩溶液および還元剤を混合させる場合には、反応段階数にもよるが、例えば、各段階ごとの混合時間を10秒以内の値とすることが好ましく、0.1〜5秒の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜3秒の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0039】
(7)乾燥工程
また、金属粉を製造するにあたり、金属粉を形成した後に、乾燥工程を設けることが好ましい。すなわち、例えば、液相還元法で得られた金属粉を回収した後、30℃以上の温度で、30分以上加熱処理することが好ましい。
この理由は、かかる加熱処理によって、金属粉の内部に残留する液体、例えば、水等を効果的に飛散させることができ、その結果、金属粉の形状保持性を著しく向上させることができるためである。逆に言えば、液相還元法で得られた金属粉をそのまま湿潤状態に放置しておくと、金属粉の形状が崩れ易いためである。したがって、より優れた形状保持性を得るためには、真空オーブンや恒温槽を用いて、40〜100℃の温度で、1〜48時間程度加熱処理を実施することが好ましい。
【0040】
(8)その他
所望の金属粉を製造するにあたり、以下のような製造条件の付加や変更をすることも好ましい。
▲1▼金属塩溶液および還元剤を反応させる前に、それぞれ、あるいはいずれか一方の化合物に対して、超音波振動を付与することが好ましい。
この理由は、このように超音波振動を付与することにより、粒径が比較的小さく、きめが揃った金属粉が得られやすいためである。
すなわち、金属塩溶液および還元剤に対して、例えば、周波数が20KHz〜2MHzの超音波振動を、0.1〜3,600秒間付与することが好ましい。
この理由は、かかる超音波振動の周波数が20KHz未満となったり、付与時間が0.1秒未満となると、付与効果が著しく低下する場合があるためである。一方、かかる超音波振動の周波数が2MHzを超えたり、付与時間が3,600秒を超えても、付与効果が飽和するとともに、超音波振動装置の制約が大きくなる場合があるためである。
【0041】
▲2▼金属塩溶液および還元剤を反応させる際に、超音波振動を付与することが好ましい。
すなわち、金属塩溶液および還元剤とを反応させるためのハウジングに、超音波振動子を設けて、例えば、周波数が20KHz〜2MHzの超音波振動を、0.1〜60秒間付与することが好ましい。
この理由は、このように超音波振動を付与することにより、粒径が比較的小さい金属粉が得られやすいためである。
【0042】
▲3▼金属塩溶液および還元剤を反応させる際に、それぞれ、あるいはいずれか一方の化合物に対して、界面活性剤およびアルコール化合物、あるいはいずれか一方の化合物を添加することが好ましい。
この理由は、このように界面活性剤やアルコール化合物を所定量、例えば、金属塩溶液または還元剤を100重量%としたときに、それぞれ0.01〜30重量%の範囲で添加することにより、粒径が比較的小さい導電粉が得られやすくなったり、繊細な導電粉が得られやすいためである。
【0043】
3.金属粉
(1)形状
凸部(突起と称する場合がある。)は、図1(a)、(b)、あるいは、図2(a)、(b)、(c)にそれぞれの顕微鏡写真を示すように、薄片状(葉状、小判状、鱗状等を含む)、針状、桿状(棒状や竿状を含む。)、又は花弁状からなる群から選択される少なくとも一つの形状であることが好ましい。
この理由は、このように凸部を構成することにより、隣接する金属粉間で、凸部と凹部とが容易に嵌合連結することができ、導電経路の形成がさらに容易となるためである。
また、針状の凸部を有する銀粉と、桿状の凸部を有する銀粉と、花弁状の凸部を有する銀粉とを組合せることにより、導電経路の形成がさらに容易となって、電気抵抗率がさらに低下することが判明している。より具体的には、金属粉の全体量を100重量%としたときに、針状の凸部を有する銀粉を10〜50重量%、桿状の凸部を有する銀粉を15〜50重量%、および花弁状の凸部を有する銀粉を20〜50重量%の範囲内で適宜混合使用することにより、導電性組成物としての電気抵抗率を5×10−6〜5×10−5Ω・cmの範囲内の値とすることが可能である。
【0044】
また、凸部の長さを、当該凸部の先端に接して囲む閉曲面の成す球の平均半径の40%超とすることが好ましい。
この理由は、このような凸部であれば、適当な大きさを有することになり、凹部との嵌合連結がより確実なものとなり、電気抵抗率がさらに低下するとともに、嵌合部分の機械的安定性も向上するためである。
なお、図2(a)に示される針状の凸部を有する銀粉の場合、平均粒子径が6μmであって、凸部の平均長さは2.6μmである。同様に、図2(b)に示される桿状の凸部を有する銀粉の場合、平均粒子径が11μmであって、凸部の平均長さは3μmである。さらに、図2(c)に示される花弁状の凸部を有する銀粉の場合、平均粒子径が5μmであって、凸部の平均長さは2μmである。
よって、このような銀粉であれば、凹部との嵌合連結がより確実なものとなり、樹脂を含んだ状態での電気抵抗率がさらに低下するとともに、嵌合部分の機械的安定性も向上することになる。
【0045】
また、凹部(窪みと称する場合がある。)は、図1(a)、(b)、あるいは、図2(a)、(b)、(c)にそれぞれ写真で示すように、凸部の間隙に設けられた凹部と嵌合連結可能な窪み形状であれば良い。
この理由は、このように構成することにより、隣接する金属粉間で、凸部と凹部とが容易に嵌合連結することができ、導電経路の形成がさらに容易となるためである。
また、凹部の深さ(大きさ)を金属粉に占める凹部の体積、すなわち凹部からなる空隙率で表すことが可能である。具体的に、凸部の先端を囲む閉曲線からなる球の体積を100容量%としたときに、凹部からなる空隙率を40体積%以上の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる凹部からなる空隙率が40容量%未満の値となると、凸部と、凹部との嵌合連結が不十分となる場合があるためである。一方、かかる凹部からなる空隙率が過度に大きくなると、金属粉の機械的強度が著しく低下する場合があるためである。
したがって、凹部からなる空隙率を42〜70容量%の範囲内の値とすることがより好ましく、45〜60容量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0046】
なお、図2(a)に示される針状の凸部を有する銀粉の場合、平均粒子径が6μmであって、凹部の空隙率は54容量%である。
同様に、図2(b)に示される桿状の凸部を有する銀粉の場合、平均粒子径が11μmであって、凹部の空隙率は49容量%である。
さらに、図2(c)に示される花弁状の凸部を有する銀粉の場合、平均粒子径が5μmであって、凹部の空隙率は47容量%である。
よって、このような凹部からなる空隙率を有する銀粉であれば、凸部との嵌合連結がより確実なものとなり、樹脂を含んだ状態での電気抵抗率がさらに低下するとともに、嵌合部分の機械的安定性も向上することになる。
【0047】
(2)核物質
▲1▼種類
また、金属粉の内部に核物質を含むことが好ましい。かかる核物質としては、有機系粒子、金属系粒子、およびセラミック系粒子の群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
この理由は、有機系粒子や金属系粒子を使用することにより、比重や粒径の調整が容易になるばかりか、電気抵抗率の調整についても容易になるためである。さらに、セラミック系粒子を使用することにより、比重や粒径の調整が容易になるばかりか、形状保持性や耐熱性等の特性についても向上させることができるためである。
ここで、有機系粒子としては、スチレン系粒子、アクリル系粒子、ポリカーボネート粒子、オレフィン系粒子、シリコーン系粒子、ウレタン系粒子、タンパク質粒子、セルロース系粒子、ゴム系粒子、ポリアミド系粒子、フッ素系粒子、フェノール系粒子、黒鉛、活性炭等の一種単独または二種以上の組合せが挙げられる。
また、金属系粒子としては、銀粒子、金粒子、銅粒子、アルミニウム粒子、亜鉛粒子、半田粒子、錫粒子、ニッケル粒子等の一種単独または二種以上の組合せが挙げられる。
さらに、セラミック系粒子としては、シリカ粒子、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化亜鉛粒子、酸化スズ粒子、酸化ニオブ粒子等の一種単独または二種以上の組合せが挙げられる。
特に、これらの粒子のうち、シリカ粒子や酸化チタン粒子を使用することにより、比重や粒径、あるいは電気抵抗率の調整が容易になるばかりか、形状保持性等の特性についても著しく向上させることができることから、好ましい核物質である。
【0048】
また、核物質の種類に関して、核物質が多孔質であるか、あるいは凝集粒子であることが好ましい。この理由は、多孔質の核物質や、凝集粒子を中心として、放射状に凸部を均一に延設することができ、粒度分布がさらに狭い金属粉を得ることができるためである。
したがって、核物質の種類に関して、後述するBET表面積を0.01〜500m2/gの範囲内の値とすることが好ましい。
なお、核物質が多孔質、あるいは凝集粒子であるか否かは、電子顕微鏡観察によって、容易に確認することができる。
【0049】
▲2▼平均粒径
核物質の平均粒径を0.01〜10μmの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる核物質の平均粒径が0.01μm未満の値になると、核物質を中心として、放射状に凸部を均一に延設することが困難になる場合があるためである。一方、かかる核物質の平均粒径が10μmを超えると、金属粉の比重や粒径の調節が困難になったり、あるいは、核物質を中心として、放射状に凸部を均一に延設したりすることが困難になる場合があるためである。
したがって、核物質の平均粒径を0.1〜5μmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜3μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、核物質の平均粒径は、例えば、電子顕微鏡写真をもとに、画像処理装置によって、容易に測定することができる。
【0050】
▲3▼BET表面積
核物質のBET表面積(BET法による比表面積)を0.01〜500m2/gの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる核物質のBET表面積が0.01m2/g未満の値になると、核物質を中心として、放射状に凸部を均一に延設することが困難になる場合があるためである。一方、かかる核物質のBET表面積が500m2/gを超えると、核物質が凝集しやすくなって、金属粉の比重や粒径の調節が困難になる場合があるためである。
したがって、核物質のBET表面積を0.1〜300m2/gの範囲内の値とすることがより好ましく、1〜250m2/gの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0051】
▲4▼表面処理
核物質の周囲に表面処理が施してあることが好ましい。この理由は、核物質に対して表面処理を施すことによって、親水性に改質したり、疎水性に改質したりすることができるためである。すなわち、金属粉の種類等に影響されて、核物質を中心にして、放射状に凸部を均一に延設することが困難な場合があるが、かかる表面処理により、そのような不具合を解消することができるためである。
また、このような表面処理を施すにあたり、特定のシランカップリング剤やチタンカップリング剤を使用することが好ましい。すなわち、親水性基、あるいは疎水性基を有するシランカップリング剤やチタンカップリング剤を使用することが好ましい。この理由は、このようなシランカップリング剤等を適宜核物質と混合することにより、核物質を表面処理することができるためである。
【0052】
▲5▼添加量
核物質の添加量を、全体量に対して、0.01〜30重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる核物質の添加量が0.01重量%未満の値になると、核物質を中心として、放射状に凸部を均一に延設することが困難になる場合があるためである。一方、かかる核物質の添加量が30重量%を超えると、金属粉の電気抵抗率が著しく上昇する場合があるためである。
したがって、核物質の添加量を、全体量に対して、0.1〜20重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜10重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、核物質の添加量は、所定量以上、例えば、1重量%以上であれば、一例として、X線マイクロアナライザー(EPMA)を用いて測定することができるが、比較的少量である場合には、他の手法を用いて検出することが好ましい。
【0053】
(3)平均粒径
また、金属粉の平均粒径を0.1〜22μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる金属粉の平均粒径が0.1μmとなると、所定の電気抵抗率を得るために、多量の金属粉を必要とする場合があるためである。一方、かかる金属粉の平均粒径が22μmとなると、樹脂中に均一に混合分散することが困難となったり、製造時間が過度に長くなったりする場合があるためである。
したがって、金属粉の平均粒径を1〜15μmの範囲内の値とすることがより好ましく、3〜10μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、金属粉の平均粒径は、レーザー方式のパーティクルカウンターにより測定することができるし、あるいは電子顕微鏡写真から実測することもでき、さらには、当該電子顕微鏡写真から、画像処理装置を用いて算出することもできる。
【0054】
(4)金属粉種
金属粉種としては、銀、ニッケル、金、銅、アルミニウム、鉄、ジルコニウム、タングステン、スズ、鉛、半田等の一種単独または二種以上の組合せが挙げられる。
また、これらの金属粉種のうち、特に銀およびニッケルであることがより好ましい。
この理由は、銀およびニッケルを使用することにより、好適な電気抵抗率が得られやすいばかりか、比較的安価な金属粉を提供することができるためである。また、銀およびニッケルであれば、樹脂、特にエポキシ系樹脂やアクリル系樹脂との混合分散性に優れているためである。
【0055】
(5)導電特性
▲1▼電気抵抗率
また、樹脂を含んだ状態での金属粉の電気抵抗率を5×10−6〜1×10−3Ω・cmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる電気抵抗率が5×10−6Ω・cm未満の値になると、使用可能な金属粉の種類が過度に制限されたり、好適な金属粉の製造上の部留まりが過度に低下したりする場合があるためである。一方、かかる電気抵抗率が1×10−3Ω・cmを超えると、使用時の導通抵抗が高くなり、駆動電圧が高くなる場合があるためである。
したがって、樹脂を含んだ状態での金属粉の電気抵抗率を5×10−6〜5×10−4Ω・cmの範囲内の値とすることがより好ましく、5×10−6〜1×10−4Ω・cmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、樹脂を含んだ状態での金属粉の電気抵抗率は、後述する実施例1に示す測定方法により測定することができる。
【0056】
▲2▼抵抗温度係数(TCR)
また、金属粉の抵抗温度係数(TCR)を1×102〜1×105ppm/℃の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる抵抗温度係数が1×102ppm/℃未満の値になると、使用可能な金属粉の種類が過度に制限されたり、好適な金属粉の製造上の部留まりが過度に低下したりする場合があるためである。一方、かかる抵抗温度係数が1×105ppm/℃を超えると、使用時に周囲温度が上昇した場合に、導通抵抗が高くなり、駆動電圧が高くなる場合があるためである。
したがって、金属粉の抵抗温度係数を5×102〜5×104ppm/℃の範囲内の値とすることがより好ましく、1×103〜1×104ppm/℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、金属粉の抵抗温度係数は、後述する実施例1に示す測定方法により測定することができる。
【0057】
▲3▼抵抗温度ドリフト(RD)
また、金属粉の抵抗温度ドリフトを±5%以内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる抵抗温度ドリフトが±5%を超えると、使用時に周囲温度が上昇した場合に、導通抵抗が高くなり、駆動電圧が高くなる場合があるためである。ただし、かかる抵抗温度ドリフトが過度に小さくなると、使用可能な金属粉の種類が過度に制限されたり、好適な金属粉の製造上の部留まりが過度に低下したりする場合があるためである。
したがって、金属粉の抵抗温度ドリフトを±0.1〜3%の範囲内の値とすることがより好ましく、±0.5〜2%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、金属粉の抵抗温度ドリフトは、後述する実施例1に示す測定方法により測定することができる。
【0058】
▲4▼電流雑音指数(NF)
また、金属粉の電流雑音指数を小さくすることが好ましい。すなわち、電流が金属粒子の接点連鎖網を通過する際に、いわゆるGr雑音とは別に、電流雑音が発生することが判明している。そして、この電流雑音は、小さい信号電圧や、高周波電圧に重畳されると、信号波形に重大な影響を与えることが判明している。すなわち、電流雑音は、電流を制御しているポテンシャル障壁が、接点に付随している種々の要因によって誘起されるために発生する交流電圧であって、キャリアの密度または電流が変調されて生じる周波数が比較的高いレベルの雑音であるためである。
ただし、かかる電流雑音指数を過度に小さくしようとすると、使用可能な金属粉の種類が過度に制限されたり、好適な金属粉の製造上の部留まりが過度に低下したりする場合がある。
したがって、具体的に、金属粉の電流雑音指数を10dB以下の値とすることが好ましく、−50〜5dBの範囲内の値とすることがより好ましく、−30〜0dBの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、金属粉の電流雑音指数は、後述する実施例1に示す測定方法により測定することができる。
【0059】
(6)導電性組成物
また、本発明の金属粉を使用して導電性組成物を製造する場合に、樹脂に対する金属粉の添加量は、使用用途等に応じて適宜選択することができるが、例えば、樹脂100重量部に対して、1〜900重量部の範囲内の値とすることが好ましく、50〜600重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、100〜400重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、かかる導電粉の添加量が1重量部未満となると、得られる導電性組成物の電気抵抗率が過度に大きくなる場合があるためである。一方、かかる導電粉の添加量が900重量部を超えると、得られる導電性組成物の接着強度が低下したり、粘度が過度に上昇し、取り扱いが困難となったりする場合があるためである。
【0060】
ここで、電気抵抗率に対する樹脂/金属粉の添加量の影響を、図3を参照して詳細に説明する。
図3は、横軸に金属粉の添加量(銀フィラーの添加割合/重量%)を採って示してあり、縦軸に硬化後の導電性組成物の電気抵抗率(Ω・cm)を採って対数目盛で示してある。そして、図3中、ラインAは、従来の金属粉を使用した導電性組成物(比較例参照)における特性図であり、記号Bで表される斜線領域が、本発明の金属粉を使用した導電性組成物(実施例の金属粉A1〜A5参照)における特性範囲である。
図3から容易に理解できるように、本発明の金属粉の添加量が70重量%以上であれば、電気抵抗率は1×10−3Ω・cm以下の極めて低い値である。また、かかる金属粉の添加量が70重量%未満の値になると、徐々に電気抵抗率は大きくなるものの、かかる金属粉の添加量が60重量%程度までは、その電気抵抗率は1×10−2Ω・cm程度であって、いまだ低い値である。一方、従来の金属粉を使用した導電性組成物は、金属粉の添加量が70重量%以上であれば、電気抵抗率は1×10−2Ω・cm程度であるものの、金属粉の添加量が60重量%を下回ると、急激に電気抵抗率が増加している。
したがって、本発明の金属粉であれば、比較的少量に添加した場合であっても、逆に言えば、樹脂量を比較的多量に添加した場合であっても、従来の金属粉を使用した場合と比較して、極めて低い電気抵抗率を得ることができる。よって、用途にもよるが、本発明の金属粉を使用した導電性組成物においては、樹脂量(硬化剤を含む。)を基準にすれば、樹脂100重量部に対して、金属粉の添加量を1〜900重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
【0061】
また、導電性組成物を構成する樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹脂、フェノール系樹脂、シアネートエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS樹脂)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS樹脂)、およびスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS樹脂)等の一種単独または二種以上の組合せが挙げられるが、これらの樹脂のうち、特に硬化系樹脂であることがより好ましい。
また、導電性組成物を構成する樹脂は、気泡の発生や、接続導体間での腐食を有効に防止することができるとともに、優れた電気接続特性を長時間にわたって得ることができるため、無溶剤型樹脂であることが好ましい。
【0062】
導電性組成物の製造方法は特に制限されるものではないが、例えば、プロペラミキサー、三本ロール、ニーダー、スパチュラ等を利用して、樹脂中に、所定量の金属粉を混合分散して、製造することが好ましい。また、金属粉と、樹脂とがより均一に混合するように、樹脂の一部を加熱して、その粘度を例えば1,000〜100,000mPa・secの範囲内の値にすることも好ましい。
さらにまた、金属粉と、樹脂とがより均一に混合するように、金属粉の周囲を予めγ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のカップリング剤処理することも好ましい。
また、導電性組成物中に、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属イオン捕獲剤、粘度調整剤、無機フィラー、有機フィラー、カーボン繊維、着色剤、およびカップリング剤等を添加することも好ましい。
一方、樹脂をフィルム状に予め形成しておき、その上に、所定量の金属粉をばら撒いたり、穴明きフィルターを介して、所望個所に金属粉を載置したりすることにより、導電性組成物を製造することも好ましい。
【0063】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、液相還元法を利用して、金属塩溶液と、還元剤とから金属粉を製造するための装置およびそれを用いた金属粉の製造方法であって、金属塩溶液と、還元剤との反応箇所としてのハウジング内に、金属塩溶液と、還元剤とを混合攪拌するための攪拌装置として、スタティックミキサを備えた金属粉の製造装置およびそれを用いた金属粉の製造方法である(第2の製造装置および第2の方法と称する場合がある。)。
以下、第2の実施形態における金属粉の製造装置およびそれを用いた金属粉の製造方法についての実施態様を具体的に説明する。
【0064】
1.製造装置
(1)ハウジング
ハウジングの態様としては、実施形態1において説明した内容と、基本的に同様の内容とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0065】
(2)スタティックミキサ
スタティックミキサの態様は特に制限されるものではないが、図15に示すような、ねじれ状の翼を有するスタティックエレメント16を備えることが好ましい。
この理由は、このようなスタティックエレメントを使用することにより、ハウジング内を通過する金属塩溶液および還元剤の流れの中心部と周辺部とが入れ替わることにより、容易に攪拌することができるためである。したがって、金属塩溶液と還元剤と反応とを十分に反応させて、未反応物量を低下させることができ、ひいては、得られる金属粉の粒径の調整が容易になって、比較的粒径が大きい金属粉とすることができる。
また、金属塩溶液と還元剤と反応性や装置の大きさを考慮して、スタティックエレメントの個数を1〜20の範囲内の値とすることが好ましい。
【0066】
(3)その他
第2の実施形態の製造装置においても、第1の実施形態の製造装置と同様に、挿入口、圧送装置、角度調整装置、温度調整装置、超音波発生装置、取出部、および受容槽等を設けることが好ましい。
【0067】
2.製造方法
また、第2の実施形態における製造方法は、液相還元法を利用して、金属塩溶液と、還元剤とから金属粉を製造する方法であって、ハウジング内に備えたスタティックミキサにより、金属塩溶液と、還元剤とを混合攪拌しながら金属粒子を析出させることを特徴としている。
なお、攪拌装置として、スタティックミキサを使用する以外は、第1の実施形態と同様の製造条件とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0068】
3.金属粉
第1の実施形態と同様の金属粉が使用できるため、ここでの説明は省略する。
【0069】
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、液相還元法を利用して、金属塩溶液と、還元剤とから金属粉を製造するための装置であって、金属塩溶液または還元剤を流通させるためのハウジングとして、第1のパイプおよび第2のパイプを備え、当該第1のパイプ内に、第2のパイプが挿入してあるとともに、第2のパイプの表面に、金属塩溶液と、還元剤とを混合攪拌するための開口部が設けてある金属粉の製造装置である(第3の製造装置および第3の方法と称する場合がある。)。
以下、第3の実施形態における金属粉の製造装置およびそれを用いた金属粉の製造方法についての実施態様を具体的に説明する。
【0070】
1.製造装置
(1)第1のパイプ
図16に示すように、第1のパイプ62は、第2のパイプ78を内部に挿入できる程度に大径であることが好ましいが、例えば、その直径を10〜200mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、第1のパイプの直径が10mm未満の値となると、装置内への金属塩溶液および還元剤の流通量が制限され、金属粉の生産性が低下する場合があるためである。一方、第1のパイプの直径が200mmを越えると、装置が大型化してしまうためである。
また、第1のパイプは、金属塩溶液および還元剤を均一に混合できる程度の長さを有することが好ましいが、具体的に、その長さを50〜50,000mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、第1のパイプの長さが50mm未満の値となると、金属塩溶液と還元剤とを十分に反応させることができず、金属塩の生産性が低下してしまう場合があるためである。一方、第1のパイプの長さが50,000mmを越えると、装置が大型化してしまう場合があるためである。
なお、図16に示すように、金属塩溶液または還元剤を流通させるための第1のパイプ80に、金属塩溶液または還元剤を流通させるための第2のパイプ78のみならず、第2のパイプ78と同等に、第3のパイプ77を挿入し、第1のパイプ80に流す金属塩溶液または還元剤を導入することも好ましい。
【0071】
(2)第2のパイプ
図16に示すように、第2のパイプ78は、第1のパイプ80の内部に挿入できる程度に小径であることが好ましいが、例えば、その直径を1〜150mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、第2のパイプの直径が1mm未満の値となると、第2のパイプに挿入する金属塩溶液の量が制限され、金属粉の生産性が低下する場合があるためである。一方、第2のパイプの直径が150mmを越えると、結局、第1のパイプの直径を大きくする必要があり、ひいては、装置が大型化してしまうためである。
また、第2のパイプは、金属塩溶液および還元剤が十分に反応できる程度の長さを有することが好ましいが、具体的に、その長さを250〜1,000mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、第2のパイプの長さが250mm未満の値となると、金属塩溶液と、還元剤とが急激に反応してしまい、粒径の制御が困難になる場合があるためである。一方、第2のパイプの長さが1,000mmを越えると、第1のパイプの長さとも関係するが、装置が大型化してしまう場合があるためである。
【0072】
また、第2のパイプ78は、図16に示すように、その表面に複数の開口部79を備えていることを特徴とする。この理由は、かかる開口部79を介して、金属塩溶液74と、還元剤73とが、均一に混合できるためである。また、かかる開口部79を介して、金属塩溶液74と、還元剤73とを、多段階で反応させることができるためである。
ここで、かかる開口部の一つあたりの面積を0.1〜100mm2の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる開口部の一つあたりの面積が0.1mm2未満の値になると、第2のパイプに挿入される金属塩溶液または還元剤の流量が低下し、正確な反応割合で混合できない場合があるためであり、一方、かかる開口部の一つあたりの面積が100mm2を超えると、第2のパイプに挿入される金属塩溶液または還元剤の流量制御が困難になる場合があるためである。
したがって、開口部の一つあたりの面積を0.5〜50mm2の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜20mm2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0073】
また、第2のパイプ78は、金属粉の粒径を効率的に調整できる程度の数の開口部79を備えていることが好ましいが、具体的に、かかる開口部79の数を2〜20個の範囲内とすることが好ましい。
この理由は、かかる開口部の数が2個未満となると、すなわち開口部が1個では、金属塩溶液および還元剤を、多段階に分けて反応させることが、実質的に不可能となるためである。一方、かかる開口部の数が20個を越えると、第1のパイプの長さにもよるが、装置が大型化してしまう場合があるためである。
したがって、第2のパイプに備えられている開口部の数を3〜18個の範囲内とすることがより好ましく、4〜15個の範囲内とすることがさらに好ましい。
【0074】
(3)貯蔵タンクおよびバルブ
図16に示すように、第1のパイプ80に挿入された第3のパイプ77および第2のパイプ78の先端部には、それぞれ金属塩溶液74または還元剤73の貯蔵タンク72、71を備えることが好ましい。そして、金属塩溶液74または還元剤73の貯蔵タンク72、71と、第1のパイプ80に挿入された第3のパイプ77および第2のパイプ78の先端部との間には、流量調整用のバルブ76を備えることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、第1のパイプおよび第2のパイプに、金属塩溶液および還元剤を流すに際して、より正確な反応割合で、混合することができるためである。
【0075】
(4)角度調整装置および温度調整装置
第3の実施形態において、図16に示すように、ハウジング80の傾き角度を所定値に保持するための角度調整装置64や、周囲温度を一定にするための温度調整装置82を設けることが好ましい。
【0076】
(5)取出部および受容槽
また、図16に示すように、ハウジング80の終端部付近に、金属塩溶液および還元剤の反応液の取出部および受容槽20を設けることが好ましい。
この理由は、図示しないが、取出部にフィルタ等を設けるとともに、その下方に受容槽を設けることにより、得られた反応液から、析出した金属粉と、未反応の金属塩溶液および還元剤とに容易に分離することができるためである。
【0077】
2.製造方法
また、第3の実施形態における製造方法は、液相還元法を利用して、金属塩溶液と、還元剤とから金属粉を製造する方法であって、金属塩溶液または還元剤のどちらか一方を多段階に分けて反応させ、金属粒子を析出させることを特徴としている。
具体的には、金属塩溶液または還元剤を流通させるための第1のパイプと、複数の開口部を有する第2のパイプとを備え、当該第1のパイプ内に、第2のパイプを挿入するとともに、当該複数の開口部を介して、金属塩溶液と、還元剤とを混合攪拌しながら金属粒子を析出させる。
なお、攪拌装置として、第2のパイプの表面に設けた複数の開口部を使用する以外は、第1の実施形態と同様の製造条件とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0078】
3.金属粉
第1の実施形態と同様の金属粉を製造対象物とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0079】
【実施例】
[実施例1]
1.金属粉および導電性組成物の製造
(1)銀粉の製造
図15に示すようなスタティックミキサを利用した製造装置を準備し、濃度1mol/リットルの硝酸銀50mlと、核物質として、シリカ粒子(商品名:アエロジル#200(日本アエロジル(株)製)、一次粒子の平均粒径12μm、BET表面積:200m2/g、添加量:1g/50ml)入りの濃度1mol/リットルのL−アスコルビン酸50mlと、をそれぞれ別々の挿入口から投入し、還元反応を生じさせた。その後、ビーカ内に析出生成した結晶を採取し、次いで水洗し、さらに乾燥して、核物質としてシリカ粒子を0.9重量%(X線マイクロアナライザー(EPMA)による測定値)含む薄片状突起を有する銀粉(A1)を得た。
【0080】
(2)導電性組成物の製造
攪拌機付きの容器内に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコート828(ジャパンエポキシレジン(株)製)50重量部、エピキュアZ(ジャパンエポキシレジン(株)製)10重量部、および(1)で得られた銀粉(A1)200重量部を添加し、均一になるまで攪拌混合して、導電性組成物とした。
【0081】
2.金属粉および導電性組成物の評価
(1)粒度分布
得られた銀粉(A1)を水中に均一に分散させ、その状態における粒度分布を、レーザー方式の粒度分布計SALD−3000(島津製作所製)を用いて測定した。得られた結果を図17に示す。
また、得られた結果から、以下の基準に即して粒度分布性を評価した。
◎:粒度分布における標準偏差が、銀粉の平均粒径の40%以内の値である。
○:粒度分布における標準偏差が、銀粉の平均粒径の50%以内の値である。
△:粒度分布における標準偏差が、銀粉の平均粒径の70%以内の値である。
×:粒度分布における標準偏差が、銀粉の平均粒径の70%を超える値である。
【0082】
(2)形状保持性
得られた銀粉(A1)を、25℃の蒸留水中に入れて放置し、その形状変化を観察して、以下の基準に即して形状保持性を評価した。
◎:10時間以上の放置時間で、顕著な形状変化が観察されない。
○:5時間以上10時間未満の放置時間で、顕著な形状変化が観察される。
△:3時間以上5時間未満の放置時間で、顕著な形状変化が観察される。
×:3時間未満の放置により、顕著な形状変化が観察される。
【0083】
(3)電気抵抗率
得られた導電性組成物を、アルミナ磁器基板上に、(縦1mm×横100mm×厚さ100μm)のパターンにスクリーン印刷した後、180℃×30分の条件で加熱硬化した。次いで、硬化後の導電性組成物における電気抵抗率(体積抵抗、Ω・cm)を、4端子法により測定し、銀粉(A1)の電気抵抗率(体積抵抗、Ω・cm)とした。
【0084】
(4)抵抗温度係数(TCR)
得られた導電性組成物を、アルミナ磁器基板上に、縦2mm×横40mm×厚さ30μmのパターンにそれぞれスクリーン印刷した後、180℃×30分の条件で加熱硬化し、抵抗温度係数の測定試料とした。次いで、25〜150℃の範囲で温度プログラム炉にて、各測定試料を加熱し、差動トランスおよびデジタルマルチメーターにて各測定試料の厚さ変化を測定し、硬化後の導電性組成物における抵抗温度係数を、銀粉(A1)の抵抗温度係数として算出した。
【0085】
(5)抵抗温度ドリフト(RD)
抵抗温度係数(TCR)を測定する際の試料を、そのまま抵抗温度ドリフトの測定試料とした。すなわち、抵抗温度係数(TCR)を測定する前の初期抵抗(Ro、Ω)を4端子法により測定した後、25〜150℃の範囲で抵抗温度係数(TCR)を測定した。次いで、測定試料を、室温(25℃)に10時間放置した後の抵抗(Rx、Ω)を同様に測定し、下式から抵抗温度ドリフト(%)を、銀粉(A1)の抵抗温度ドリフト(%)として算出した。
RD(%)=(Rx−Ro)/Ro×100
【0086】
(6)電流雑音指数(NF)
得られた導電性組成物を、アルミナ磁器基板上に、長さ1000mm×横100mm×厚さ100μmを有するパターンにスクリーン印刷した後、180℃×30分の条件で加熱硬化し、電流雑音指数の測定試料とした。次いで、抵抗雑音測定器315C(米国Quan−Tech社製)により、各測定試料の電流雑音電圧(E1)と、基準雑音電圧(E0)とを測定し、下式から抵抗雑音指数(NF)を、銀粉(A1)の銀粉の抵抗雑音指数(NF)として算出した。
NF(dB)=20log(E1/E0)
【0087】
(7)接着力
得られた導電性組成物を、縦120mm×横25mm×厚さ2mmの銅版の端に、パターン状(縦12.5mm×横25mm×厚さ0.5mm)にスクリーン印刷した後、その上から縦120mm×横25mm×厚さ2mmの銅版を張り合わせた。次いで、180℃×30分の条件で加熱硬化させて、接着力測定試料とした。次いで、テンシロン型万能試験機RTC−1310A((株)オリエンテック製)を用いて、引っ張りせん断力を測定した。
【0088】
[実施例2]
図16に示すような第1のパイプ(第3のパイプ含む)および第2のパイプを利用した製造装置を利用した以外は、実施例1と同様に金属粉(核物質としてシリカ粒子を含む薄片状突起を有する銀粉(A2))を製造して、評価した。
また、実施例1と同様に、得られた銀粉(A2)から導電性組成物を製造して、評価した。
【0089】
[実施例3〜5]
実施例1における核物質としてのシリカ粒子の濃度を1g/50mlから、実施例3では、0.5g/50mlとし、実施例4では、0.3g/50mlとし、実施例5では、0.1g/50mlとした以外は、実施例1と同様に金属粉(核物質としてシリカ粒子を含む薄片状および針状突起を有する銀粉(A3〜A5))を製造して、評価した。
また、実施例1と同様に、得られた銀粉(A3〜A5)から導電性組成物を製造して、評価した。
【0090】
[比較例1]
実施例1における製造装置のかわりに、ビーカを使用すると共に、核物質を添加しなかった他は、実施例1と同様に金属粉(針状突起を有する銀粉(A6))を製造して、評価した。
また、実施例1と同様に、得られた銀粉(A6)から導電性組成物を製造して、評価した。
【0091】
[比較例2]
実施例1における銀粉(A1)のかわりに、市販の銀粉、すなわち、球状銀粉(平均粒径:1μm)および薄片状銀粉(平均長径:10μm)の混合物(重量比1:3)を使用した以外は、実施例1と同様に導電性組成物を製造して、評価した。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
*R :電気抵抗率
*TCR:抵抗温度係数
*RD :抵抗温度ドリフト
*NF :電流雑音指数
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の金属粉の製造装置および金属粉の製造方法によれば、液相還元法を利用して得られる放射状に延設された凸部および凹部をそれぞれ備えた金属粒子であっても、金属粉に核物質等を導入する場合であっても、さらには、粒径が比較的大きい金属粉を形成する場合であっても、それぞれ粒径の調整が容易であって、樹脂を含んだ状態であっても、電気抵抗率が低い金属粉が効率的に得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)、(b)は、本発明の製造装置によって得られる金属粉の一例の電子顕微鏡写真(倍率500、5000)である。
【図2】図2(a)〜(c)は、本発明の製造装置によって得られる別の金属粉(3種類)の電子顕微鏡写真(各倍率4000、8000、4000)である。
【図3】図3は、導電性組成物における本発明の金属粉(銀フィラー)の添加割合と、電気抵抗率との関係を示す特性図である。
【図4】図4(a)および(b)は、それぞれハウジングを説明するために供する図である。
【図5】図5(a)〜(c)は、それぞれ別のハウジングを説明するために供する図である。
【図6】図6は、複数のハウジングエレメントからなるハウジングを説明するために供する図である。
【図7】図7は、落下混合法を利用した金属粉の製造装置であって、バイパスを有する金属粉の製造装置を説明するために供する図である。
【図8】図8は、別な落下混合法に使用される攪拌装置を説明するために供する図である。
【図9】図9は、別な落下混合法に使用される攪拌装置を説明するために供する図である。
【図10】図10は、別な落下混合法に使用される攪拌装置を説明するために供する図である。
【図11】図11は、別な落下混合法に使用される金属粉の製造装置を説明するために供する図である。
【図12】図12は、取出し口を説明するために供する図である。
【図13】図13は、温度制御された金属粉の製造装置を説明するために供する図である。
【図14】図14は、温度制御された別な金属粉の製造装置を説明するために供する図である。
【図15】図15は、スタティックミキサを利用した金属粉の製造装置(第2の実施形態)を説明するために供する図である。
【図16】図16は、大小のパイプを利用した金属粉の製造装置(第3の実施形態)を説明するために供する図である。
【図17】図17は、本発明の製造装置によって得られる金属粉の粒度分布を説明するために供する図である。
【図18】図18は、従来の球状の金属粉の電子顕微鏡写真(倍率5000)である。
【符号の説明】
10、50、70:製造装置
12:パイプ
14:スタティックミキサ
16:スタティックミキサエレメント
17:冷却水
18:保持部(接着剤)
20:受容槽
21a、21b:混合部
22:ロート
25:超音波発生装置
24:ビーカー
26、73:硝酸銀溶液
28、74:還元剤溶液
29:温度調整装置
32:銀粉(沈殿物)
77:硝酸銀溶液用パイプ
78:還元剤溶液用パイプ
79:開口部
141:冷却水
146:硝酸銀溶液
150:第2のパイプ
156:還元剤溶液
160、200:製造装置
162:第1のパイプ
168:銀粉(沈殿物)
211、221、232、251:温度調整装置
212、222、231、252:超音波発生装置
Claims (11)
- 液相還元法を利用して、金属塩溶液と、還元剤とから金属粉を製造するための製造装置において、
前記金属塩溶液と、還元剤とを落下または圧送させるためのハウジングを備えるとともに、当該ハウジングの内部に攪拌部材を備えることを特徴とする金属粉の製造装置。 - 液相還元法を利用して、金属塩溶液と、還元剤とから金属粉を製造するための製造装置において、
前記金属塩溶液と、還元剤との反応箇所としてのハウジング内に、前記金属塩溶液と、還元剤とを混合攪拌するための攪拌装置として、スタティックミキサを備えることを特徴とする金属粉の製造装置。 - 前記ハウジングが、複数のエレメントに分割可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属粉の製造装置。
- 液相還元法を利用して、金属塩溶液と、還元剤とから金属粉を製造するための製造装置において、
前記金属塩溶液または還元剤を流通させるためのハウジングとして、径が異なる第1のパイプおよび第2のパイプを備え、径が大きい第1のパイプ内に、径が小さい第2のパイプが挿入してあるとともに、当該第2のパイプの表面に開口部が設けてあることを特徴とする金属粉の製造装置。 - 前記ハウジングが、直線状または螺旋状、あるいはその組合せであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属粉の製造装置。
- 前記ハウジングを所定角度に保持するための角度調整装置を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属粉の製造装置。
- 前記金属粉として、放射状に延設された凸部と、当該凸部の間隙に凹部と、を備えた粒子状物、または核物質入りの金属粉を製造対象物とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の金属粉の製造装置。
- 液相還元法を利用して、金属塩溶液と、還元剤とから金属粉を製造する方法において、
前記金属塩溶液と、還元剤とをハウジング内を落下または圧送させるとともに、当該ハウジング内に備えられた攪拌部材により、混合攪拌しながら金属粒子を析出させることを特徴とする金属粉の製造方法。 - 液相還元法を利用して、金属塩溶液と、還元剤とから金属粉を製造する方法において、
ハウジング内に備えられたスタティックミキサにより、前記金属塩溶液と、還元剤とを混合攪拌しながら金属粒子を析出させることを特徴とする金属粉の製造方法。 - 液相還元法を利用して、金属塩溶液と、還元剤とから金属粉を製造する方法において、
金属塩溶液および還元剤、あるいはいずれか一方を多段階に分けて落下または圧送させて混合攪拌しながら金属粒子を析出させることを特徴とする金属粉の製造方法。 - 液相還元法を利用して、金属塩溶液と、還元剤とから金属粉を製造する方法において、
金属塩溶液または還元剤を流通させるためのハウジングとして、径が異なる第1のパイプおよび第2のパイプを備え、径が大きい第1のパイプ内に、径が小さく、複数の開口部を有する第2のパイプを挿入するとともに、当該複数の開口部を介して、前記金属塩溶液と、還元剤とを混合攪拌しながら金属粒子を析出させることを特徴とする金属粉の製造方法。
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