JP2004149862A - 高強度高靱性マグネシウム合金及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高強度を保持しつつ高靱性を備えたマグネシウム合金を製造する。
【解決手段】一般式Mga1Znb1RE1c1(ただし、RE1は希土類元素Yb,Euのうち少なくとも1種類以上、a1,b1,c1は原子%、a1=100−(b1+c1))であらわされ、0.3≦b1≦3、および1−0.2×b1≦c1≦4−0.2×b1の組成範囲にあり、微結晶からなる母相に金属間化合物が分散している。そして、この合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を押出し成形により固化させて高強度高靱性マグネシウム合金を製造する。
【選択図】 図1
【解決手段】一般式Mga1Znb1RE1c1(ただし、RE1は希土類元素Yb,Euのうち少なくとも1種類以上、a1,b1,c1は原子%、a1=100−(b1+c1))であらわされ、0.3≦b1≦3、および1−0.2×b1≦c1≦4−0.2×b1の組成範囲にあり、微結晶からなる母相に金属間化合物が分散している。そして、この合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を押出し成形により固化させて高強度高靱性マグネシウム合金を製造する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネシウム合金及びその製造方法に関するものであり、マグネシウム(Mg)と亜鉛(Zn)と希土類元素(RE)の化学組成及び製造方法に工夫をすることにより、高強度のみならず高靱性をも兼備えた合金が製造できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のマグネシウム合金にはMg−Al系、Mg−Al−Zn系、Mg−Zn−Zr系、Mg−Zn−Zr−RE(希土類元素)系等の合金系が知られており、その軽量性を活かして、それぞれの材料特性に応じて広範囲の用途に供されている。
【0003】
また、強度特性を大幅に向上させて、比強度特性を高めたマグネシウム合金材料が特開平7−3375号(特許文献1)あるいは特許第2807374号(特許文献2)に開示されている。
【0004】
特開平7−3375号に示す高強度マグネシウム合金は、一般式でMga Znb Xc (ただし、XはY,Ce,La,Nd,Pr,Sm,Mm(ミッシュメタル)からなる群から選ばれる1種または2種以上の元素、87原子%≦a≦98%、b及びcは図4のA,B,C,D,E,Fを結ぶ線上及びこれらの点で囲まれた範囲であり、かつ0≦Y(イットリウム)≦4.5原子%、0≦Ce,La,Nd,Pr,Sm,Mm≦3原子%で表される組成を有し、微結晶からなる母相にMg−Zn系及びMg−X系金属間化合物が分散しているものである。
またその製造方法は、上記組成を有する合金溶湯を急冷凝固し、その後該急冷凝固合金に500°C 以下の温度で塑性加工を施すものである。
【0005】
特許第2807374号(特開平5−306424号)に示す高強度マグネシウム合金は、一般式でMgbal Xa Lnb (ただし、XはZn,Ni,Cuから選ばれる少なくとも一種の元素、LnはY,La,Ce,Mm(ミッシュメタル)から選ばれる少なくとも一種の元素、a,bは原子%で、1≦a≦10、1≦b≦20)で示される微細結晶質組織からなるマグネシウム合金であって、上記微細結晶組織がHCPのMgマトリックスにMg−Ln系のみの金属間化合物が体積率で10〜50%均一に分散しているものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−3375号公報
【特許文献2】
特許第2807374号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特開平7−3375号あるいは特許第2807374号に示めされている高強度マグネシウム合金をもってしても、実用構造材料として供するには強度あるいは靱性が十分でないという問題点があった。
【0008】
このため、高強度と高靱性を両立出来る軽量のマグネシウム合金を探索し、実用的なマグネシウム合金を開発することが重要な課題であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は高強度と高靱性を両立出来る軽量のマグネシウム合金を探索するべく鋭意研究を重ねた結果、特定の組成からなるマグネシウム合金に対して急冷凝固を行なうことにより、従来の高強度マグネシウム合金と比較して遜色のない強度のみならず、更に高靱性をも兼備するマグネシウム合金を見出すに至った。
【0010】
即ち、上記課題を解決する本発明の高強度高靱性マグネシウム合金は、一般式Mga1Znb1RE1c1(ただし、RE1は希土類元素Yb,Euのうち少なくとも1種類以上、a1,b1,c1は原子%、a1=100−(b1+c1))であらわされ、0.3≦b1≦3、および1−0.2×b1≦c1≦4−0.2×b1の組成範囲にあり、微結晶からなる母相に金属間化合物が分散することを特徴とする。
またその製造方法は、上記合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を押出し成形により固化させたり、
上記合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を、500°C 以下の温度で押出し成形により固化させることを特徴とする。
この場合、押出比を5〜50とすることが望ましい。
【0011】
また本発明の高強度高靱性マグネシウム合金は、一般式Mga1Znb1RE1c1(ただし、RE1は希土類元素Yb,Euのうち少なくとも1種類以上、a1,b1,c1は原子%、a1=100−(b1+c1))であらわされ、0.3≦b1≦2、および1−0.2×b1≦c1≦3−0.2×b1の組成範囲にあり、微結晶からなる母相に金属間化合物が分散することを特徴とする。
またその製造方法は、上記合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を押出し成形により固化させたり、
上記合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を、500°C 以下の温度で押出し成形により固化させることを特徴とする。
この場合、押出比を5〜50とすることが望ましい。
【0012】
また本発明の高強度高靱性マグネシウム合金は、一般式Mga2Znb2RE2c2(ただし、RE2は希土類元素Pr,Sm,Ndのうち少なくとも1種類以上、a2,b2,c2は原子%、a2=100−(b2+c2))であらわされ、0.3≦b2≦2、および1−0.2×b2≦c2≦2−0.2×b2の組成範囲にあり、微結晶からなる母相に金属間化合物が分散することを特徴とする。
またその製造方法は、上記合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を押出し成形により固化させたり、
上記合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を、500°C 以下の温度で押出し成形により固化させることを特徴とする。
この場合、押出比を5〜50とすることが望ましい。
【0013】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。
【0014】
[第1の実施例]
第1の実施例は、一般式Mga1Znb1RE1c1(ただし、RE1は希土類元素Yb,Euのうち少なくとも1種類以上)となっている高強度高靱性マグネシウム合金及びその製造方法である。
【0015】
第1の実施例では、まず、マグネシウム(Mg)及び亜鉛(Zn)、ならびに希土類元素(RE1)を所定の化学組成を有するように秤量して坩堝に装填し、Arガス雰囲気中で高周波溶解することにより、合金溶湯を準備した。
【0016】
次に合金溶湯を950°C に保持した状態で9.8MPa程度のArガスを用いて高圧ガス噴射法により微細なマグネシウム合金粉末を作製した。得られたアトマイズ粉末のうち32μm以下のものを分級し、熱間押出し成形して固化を行なうことによりバルク体を成形した。
【0017】
押出しは、押出温度250〜500°C 、押出圧力300〜1,000MPa、押出比10の条件のもとで実施した。得られたバルク体は直径6mm、長さ270mmの円柱状、充填密度は100%であった。なお、粉末作製から押出までの各段階において粉末として暴露された雰囲気は酸素分圧、水蒸気分圧の何れも1ppm以下であった。
【0018】
なお押出比は10に限らず5〜50の範囲で行うことができる。押出比を制限する理由は、押出比が5未満であると固化の効果が小さく充填率が十分にならないからであり、押出比が50を越えると充填率は十分であっても押出圧が大きくなり過ぎて実操業で生産性に劣るからである。
【0019】
成形されたバルク状の円柱材のすべてから硬度用試験片を切出し、切断面を研磨して平滑にした後に室温でビッカース硬度Hvの測定を行なった。
なお、一般に強度∝硬度の関係があるため、ここでは、強度の代わりに硬度Hvで評価した。
【0020】
また、同じ合金溶湯から、単ロール急冷凝固法によりリボン材を作製し、これを熱間押出温度に相当する温度に加熱して、押出相当材を準備し、180°密着曲げ試験により材料の靱性を評価した。この試験では破断することなく180°密着ができるか否かを靱性評価の基準とし、延性材料と脆性材料の判別を行なった。
【0021】
図1に、溶製したマグネシウム合金の組成と180°曲げ試験、および硬度試験の結果を示した。2重丸は180°曲げしても破断しなかったもの、白抜き丸は180°密着曲げ直前に破断したもの、黒丸は180°密着曲げに至らずに破断したものを示す。また、三角は硬度Hvが100以下であったものを示す。なお、添え字は合金組成のうち添加した希土類元素の種類を示す。
【0022】
添加元素亜鉛、および希土類の量が多くなると硬さや強度が向上する傾向にあることは特に言うまでもないが、180°曲げ試験を施しても破断しにくく、延性を示す組成範囲があることがわかる。
【0023】
合金組成をMga1Znb1RE1c1(ただし、RE1は希土類元素Yb,Euのうち少なくとも1種類以上、a1,b1,c1は原子%、a1=100−(b1+c1))であらわした場合、図1から判るように、延性を示す組成は概ね0.3≦b1≦3、および1−0.2×b1≦c1≦4−0.2×b1を満たす範囲にあることがわかる。
また、180°曲げしても全く破断しなかった2重丸で示される組成は、0.3≦b1≦2、および1−0.2×b1≦c1≦3−0.2×b1を満たす範囲にあることがわかる。
【0024】
結局、合金組成をMga1Znb1RE1c1(ただし、RE1は希土類元素Yb,Euのうち少なくとも1種類以上、a1,b1,c1は原子%、a1=100−(b1+c1))とした場合、
(1)0.3≦b1≦3、および1−0.2×b1≦c1≦4−0.2×b1を満たす範囲の組成比率とすることにより、高強度を維持しつつ、高靱性を得ることができる。
(2)更に、0.3≦b1≦2、および1−0.2×b1≦c1≦3−0.2×b1を満たす範囲の組成比率とすることにより、より高い靱性を得ることができる。
【0025】
[第2の実施例]
第2の実施例は、一般式Mga2Znb2RE2c2(ただし、RE2は希土類元素Pr,Sm,Ndのうち少なくとも1種類以上)となっている高強度高靱性マグネシウム合金及びその製造方法である。
【0026】
第2の実施例では、第1の実施例と同様の方法によって、一般式Mga2Znb2RE2c2(ただし、RE2は希土類元素Pr,Sm,Ndのうち少なくとも1種類以上、a2,b2,c2は原子%、a2=100−(b2+c2))であらわされる組成のマグネシウム合金の溶湯を準備した。次に合金溶湯を950°C に保持した状態で9.8MPa程度のArガスを用いたAr高圧ガス噴射法により微細なマグネシウム合金粉末を作製した。
【0027】
得られたアトマイズ粉末を分級して32μm以下のものを集め、これを熱間押出し成形して固化を行なうことによりバルク体を成形した。押出しは、押出温度250〜500°C 、押出圧力300〜1,000MPa、押出比10の条件のもとで実施した。なお押出比は10に限らず5〜50の範囲で行うことができる。
【0028】
押出しによって得られたバルク体は直径6mm、長さ210mmの円柱状、充填密度は100%であった。成形されたバルク状の円柱材から硬度用試験片と引張り試験片を採取し、それぞれの試験を行なった。リボン状素材も第1の実施例と同様の条件で作製し、押出相当材を準備して180°密着曲げ試験により材料の靱性を評価した。
【0029】
図2に、溶製したマグネシウム合金の組成と180°曲げ試験、および硬度試験の結果を示した。合金組成Mga2Znb2RE2c2に対して、明らかな延性を示す組成は概ね0.3≦b2≦2、および1−0.2×b2≦c2≦2−0.2×b2を満たす範囲にあることがわかる。
【0030】
結局、合金組成をMga2Znb2RE2c2(ただし、RE2は希土類元素Pr,Sm,Ndのうち少なくとも1種類以上、a2,b2,c2は原子%、a2=100−(b2+c2))とした場合、0.3≦b2≦2、および1−0.2×b2≦c2≦2−0.2×b2を満たす範囲の組成比率とすることにより、高強度を維持しつつ、高靱性を得ることができる。
【0031】
[第3の実施例]
第3の実施例は、一般式Mg97.5Zn1.0 RE1.5 組成であって、希土類元素REがPr,Nd,Sm,Eu,Ybのうち1種類の単独添加となっている高強度高靱性マグネシウム合金及びその製造方法である。
【0032】
第3の実施例では、第1の実施例と同様の方法によって、一般式Mg97.5Zn1.0 RE1.5 (ただし、REは希土類元素Pr,Nd,Sm,Eu,Ybのうち1種類であり、単独添加)であらわされる組成のマグネシウム合金の溶湯を準備した。次に合金溶湯を950°C に保持した状態で9.8MPa程度のArガスを用いたAr高圧ガス噴射法により微細なマグネシウム合金粉末を作製した。
【0033】
得られたアトマイズ粉末を分級して32μm以下のものを集め、これを熱間押出し成形を行なうことによりバルク体を成形した。押出しは、押出温度250〜500°C 、押出圧力300〜1,000MPa、押出比10の条件のもとで実施した。なお押出比は10に限らず5〜50の範囲で行うことができる。
【0034】
押出しによって得られたバルク体は直径6mm、長さ190mmの円柱状、充填密度は100%であった。成形されたバルク状の円柱材から硬度用試験片と引張り試験片を採取し、それぞれの試験を行なった。リボン状素材も第1の実施例と同様の条件で作製し、押出相当材を準備して180°密着曲げ試験により材料の靱性を評価した。
【0035】
なお、比較のために同じ一般式Mg97.5Zn1.0 RE1.5 (ただし、REは希土類元素Y,La,Ce,Gd,Tb,Dy,Ho,Erのうち1種類を単独添加)であらわされる組成のマグネシウム合金の溶湯を準備し、同様の評価を行なった。
【0036】
本発明による顕著な効果は、本発明実施例と従来材との特性を比較評価した結果である図3から明らかとなる。図3は高強度高靱性Mg合金として開示され最近注目されているMgZnY合金<河村能人,井上明久,金属Vol.71,497(2001)>、あるいは高強度Mg合金として開示されているMgZnCe、及びMgZnLa合金<特許第2807374号相当>との比較で特性評価を行ったものである。従来のMgZnY合金の硬さHv(Y) と一般式Mg97.5Zn1.0 RE1.5 組成材の硬さHvとの比Hv/Hv(Y) と、180°曲げ試験の結果について、従来の優れた公知例と比較して図示されている。なお、180°曲げ試験では、曲げ試験中に破損しやすいものを記号B、180°曲げで破損しにくいが最終段階で小さなクラックがわずかに入る程度の延性を示すものを記号D/B、180°曲げで全くクラックが入らず非常に延性に富むものを記号Dで示している。
【0037】
図3から、MgZnPr合金、MgZnNd合金、MgZnSm合金ではHv/Hv(Y) >1、すなわち公知の高強度高靱性のMgZnY合金よりも更に硬さに優れていることが明白であり、当該MgZnY合金と比較して引張強さが大きいことは容易に推定できる。また、曲げ試験の結果から、MgZnPr合金、MgZnNd合金、MgZnSm合金では、MgZnCe合金、あるいはMgZnLa合金よりも明らかに延性に優れることがわかり、総じて従来のMgZnY合金の優れた延性とMgZnCe合金(あるいはMgZnLa合金)の高強度を兼ね備えた特性を持つことが明らかである。
【0038】
また、MgZnEu合金およびMgZnYb合金では、MgZnY合金は言うに及ばず最も高強度のMgZnCe合金、或いはMgZnLa合金と比較して遜色のない硬さであり、優れた引張強さを有することがわかる。さらには、曲げ試験の結果によればMgZnY合金と比較して全く遜色のない延性を示すことから、従来にも増して高強度と高靱性を兼ね備えた特性を有することが明らかである。
【0039】
【発明の効果】
以上実施例と共に具体的に説明したように、本発明の高強度高靱性マグネシウム合金では、一般式Mga1Znb1RE1c1(ただし、RE1は希土類元素Yb,Euのうち少なくとも1種類以上、a1,b1,c1は原子%、a1=100−(b1+c1))であらわされ、0.3≦b1≦3、および1−0.2×b1≦c1≦4−0.2×b1の組成範囲にあり、微結晶からなる母相に金属間化合物が分散していたり、
一般式Mga1Znb1RE1c1(ただし、RE1は希土類元素Yb,Euのうち少なくとも1種類以上、a1,b1,c1は原子%、a1=100−(b1+c1))であらわされ、0.3≦b1≦2、および1−0.2×b1≦c1≦3−0.2×b1の組成範囲にあり、微結晶からなる母相に金属間化合物が分散していたり、
一般式Mga2Znb2RE2c2(ただし、RE2は希土類元素Pr,Sm,Ndのうち少なくとも1種類以上、a2,b2,c2は原子%、a2=100−(b2+c2))であらわされ、0.3≦b2≦2、および1−0.2×b2≦c2≦2−0.2×b2の組成範囲にあり、微結晶からなる母相に金属間化合物が分散している組成とした。
またその製造方法は、上記合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を押出し成形により固化させたり、
上記合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を、500°C 以下の温度で押出し成形により固化させている。
【0040】
このような特徴を有しているため、本発明のマグネシウム合金はバルク状に成形した状態にあっても、従来と遜色のない高い比強度を保持しつつ、従来技術では得られなかった高い靱性を有している。このように、高強度と高靱性を兼備しているため、高強度と高靱性が要求される部材に好適に適用することができる。
【0041】
本発明によって、強度と延性(靱性)を兼備するマグネシウム合金材料が得られるのは、急冷凝固に適した特定の組成、とくに希土類元素の種類と量が選定されたことによるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るマグネシウム合金の組成と硬さおよび曲げ試験結果を示す特性図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係るマグネシウム合金の組成と硬さおよび曲げ試験結果を示す特性図である。
【図3】本発明の第3の実施例および比較例に係るマグネシウム合金の組成と硬さおよび曲げ試験結果を示す特性図である。
【図4】従来技術の組成範囲を示す特性図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネシウム合金及びその製造方法に関するものであり、マグネシウム(Mg)と亜鉛(Zn)と希土類元素(RE)の化学組成及び製造方法に工夫をすることにより、高強度のみならず高靱性をも兼備えた合金が製造できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のマグネシウム合金にはMg−Al系、Mg−Al−Zn系、Mg−Zn−Zr系、Mg−Zn−Zr−RE(希土類元素)系等の合金系が知られており、その軽量性を活かして、それぞれの材料特性に応じて広範囲の用途に供されている。
【0003】
また、強度特性を大幅に向上させて、比強度特性を高めたマグネシウム合金材料が特開平7−3375号(特許文献1)あるいは特許第2807374号(特許文献2)に開示されている。
【0004】
特開平7−3375号に示す高強度マグネシウム合金は、一般式でMga Znb Xc (ただし、XはY,Ce,La,Nd,Pr,Sm,Mm(ミッシュメタル)からなる群から選ばれる1種または2種以上の元素、87原子%≦a≦98%、b及びcは図4のA,B,C,D,E,Fを結ぶ線上及びこれらの点で囲まれた範囲であり、かつ0≦Y(イットリウム)≦4.5原子%、0≦Ce,La,Nd,Pr,Sm,Mm≦3原子%で表される組成を有し、微結晶からなる母相にMg−Zn系及びMg−X系金属間化合物が分散しているものである。
またその製造方法は、上記組成を有する合金溶湯を急冷凝固し、その後該急冷凝固合金に500°C 以下の温度で塑性加工を施すものである。
【0005】
特許第2807374号(特開平5−306424号)に示す高強度マグネシウム合金は、一般式でMgbal Xa Lnb (ただし、XはZn,Ni,Cuから選ばれる少なくとも一種の元素、LnはY,La,Ce,Mm(ミッシュメタル)から選ばれる少なくとも一種の元素、a,bは原子%で、1≦a≦10、1≦b≦20)で示される微細結晶質組織からなるマグネシウム合金であって、上記微細結晶組織がHCPのMgマトリックスにMg−Ln系のみの金属間化合物が体積率で10〜50%均一に分散しているものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−3375号公報
【特許文献2】
特許第2807374号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特開平7−3375号あるいは特許第2807374号に示めされている高強度マグネシウム合金をもってしても、実用構造材料として供するには強度あるいは靱性が十分でないという問題点があった。
【0008】
このため、高強度と高靱性を両立出来る軽量のマグネシウム合金を探索し、実用的なマグネシウム合金を開発することが重要な課題であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は高強度と高靱性を両立出来る軽量のマグネシウム合金を探索するべく鋭意研究を重ねた結果、特定の組成からなるマグネシウム合金に対して急冷凝固を行なうことにより、従来の高強度マグネシウム合金と比較して遜色のない強度のみならず、更に高靱性をも兼備するマグネシウム合金を見出すに至った。
【0010】
即ち、上記課題を解決する本発明の高強度高靱性マグネシウム合金は、一般式Mga1Znb1RE1c1(ただし、RE1は希土類元素Yb,Euのうち少なくとも1種類以上、a1,b1,c1は原子%、a1=100−(b1+c1))であらわされ、0.3≦b1≦3、および1−0.2×b1≦c1≦4−0.2×b1の組成範囲にあり、微結晶からなる母相に金属間化合物が分散することを特徴とする。
またその製造方法は、上記合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を押出し成形により固化させたり、
上記合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を、500°C 以下の温度で押出し成形により固化させることを特徴とする。
この場合、押出比を5〜50とすることが望ましい。
【0011】
また本発明の高強度高靱性マグネシウム合金は、一般式Mga1Znb1RE1c1(ただし、RE1は希土類元素Yb,Euのうち少なくとも1種類以上、a1,b1,c1は原子%、a1=100−(b1+c1))であらわされ、0.3≦b1≦2、および1−0.2×b1≦c1≦3−0.2×b1の組成範囲にあり、微結晶からなる母相に金属間化合物が分散することを特徴とする。
またその製造方法は、上記合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を押出し成形により固化させたり、
上記合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を、500°C 以下の温度で押出し成形により固化させることを特徴とする。
この場合、押出比を5〜50とすることが望ましい。
【0012】
また本発明の高強度高靱性マグネシウム合金は、一般式Mga2Znb2RE2c2(ただし、RE2は希土類元素Pr,Sm,Ndのうち少なくとも1種類以上、a2,b2,c2は原子%、a2=100−(b2+c2))であらわされ、0.3≦b2≦2、および1−0.2×b2≦c2≦2−0.2×b2の組成範囲にあり、微結晶からなる母相に金属間化合物が分散することを特徴とする。
またその製造方法は、上記合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を押出し成形により固化させたり、
上記合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を、500°C 以下の温度で押出し成形により固化させることを特徴とする。
この場合、押出比を5〜50とすることが望ましい。
【0013】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。
【0014】
[第1の実施例]
第1の実施例は、一般式Mga1Znb1RE1c1(ただし、RE1は希土類元素Yb,Euのうち少なくとも1種類以上)となっている高強度高靱性マグネシウム合金及びその製造方法である。
【0015】
第1の実施例では、まず、マグネシウム(Mg)及び亜鉛(Zn)、ならびに希土類元素(RE1)を所定の化学組成を有するように秤量して坩堝に装填し、Arガス雰囲気中で高周波溶解することにより、合金溶湯を準備した。
【0016】
次に合金溶湯を950°C に保持した状態で9.8MPa程度のArガスを用いて高圧ガス噴射法により微細なマグネシウム合金粉末を作製した。得られたアトマイズ粉末のうち32μm以下のものを分級し、熱間押出し成形して固化を行なうことによりバルク体を成形した。
【0017】
押出しは、押出温度250〜500°C 、押出圧力300〜1,000MPa、押出比10の条件のもとで実施した。得られたバルク体は直径6mm、長さ270mmの円柱状、充填密度は100%であった。なお、粉末作製から押出までの各段階において粉末として暴露された雰囲気は酸素分圧、水蒸気分圧の何れも1ppm以下であった。
【0018】
なお押出比は10に限らず5〜50の範囲で行うことができる。押出比を制限する理由は、押出比が5未満であると固化の効果が小さく充填率が十分にならないからであり、押出比が50を越えると充填率は十分であっても押出圧が大きくなり過ぎて実操業で生産性に劣るからである。
【0019】
成形されたバルク状の円柱材のすべてから硬度用試験片を切出し、切断面を研磨して平滑にした後に室温でビッカース硬度Hvの測定を行なった。
なお、一般に強度∝硬度の関係があるため、ここでは、強度の代わりに硬度Hvで評価した。
【0020】
また、同じ合金溶湯から、単ロール急冷凝固法によりリボン材を作製し、これを熱間押出温度に相当する温度に加熱して、押出相当材を準備し、180°密着曲げ試験により材料の靱性を評価した。この試験では破断することなく180°密着ができるか否かを靱性評価の基準とし、延性材料と脆性材料の判別を行なった。
【0021】
図1に、溶製したマグネシウム合金の組成と180°曲げ試験、および硬度試験の結果を示した。2重丸は180°曲げしても破断しなかったもの、白抜き丸は180°密着曲げ直前に破断したもの、黒丸は180°密着曲げに至らずに破断したものを示す。また、三角は硬度Hvが100以下であったものを示す。なお、添え字は合金組成のうち添加した希土類元素の種類を示す。
【0022】
添加元素亜鉛、および希土類の量が多くなると硬さや強度が向上する傾向にあることは特に言うまでもないが、180°曲げ試験を施しても破断しにくく、延性を示す組成範囲があることがわかる。
【0023】
合金組成をMga1Znb1RE1c1(ただし、RE1は希土類元素Yb,Euのうち少なくとも1種類以上、a1,b1,c1は原子%、a1=100−(b1+c1))であらわした場合、図1から判るように、延性を示す組成は概ね0.3≦b1≦3、および1−0.2×b1≦c1≦4−0.2×b1を満たす範囲にあることがわかる。
また、180°曲げしても全く破断しなかった2重丸で示される組成は、0.3≦b1≦2、および1−0.2×b1≦c1≦3−0.2×b1を満たす範囲にあることがわかる。
【0024】
結局、合金組成をMga1Znb1RE1c1(ただし、RE1は希土類元素Yb,Euのうち少なくとも1種類以上、a1,b1,c1は原子%、a1=100−(b1+c1))とした場合、
(1)0.3≦b1≦3、および1−0.2×b1≦c1≦4−0.2×b1を満たす範囲の組成比率とすることにより、高強度を維持しつつ、高靱性を得ることができる。
(2)更に、0.3≦b1≦2、および1−0.2×b1≦c1≦3−0.2×b1を満たす範囲の組成比率とすることにより、より高い靱性を得ることができる。
【0025】
[第2の実施例]
第2の実施例は、一般式Mga2Znb2RE2c2(ただし、RE2は希土類元素Pr,Sm,Ndのうち少なくとも1種類以上)となっている高強度高靱性マグネシウム合金及びその製造方法である。
【0026】
第2の実施例では、第1の実施例と同様の方法によって、一般式Mga2Znb2RE2c2(ただし、RE2は希土類元素Pr,Sm,Ndのうち少なくとも1種類以上、a2,b2,c2は原子%、a2=100−(b2+c2))であらわされる組成のマグネシウム合金の溶湯を準備した。次に合金溶湯を950°C に保持した状態で9.8MPa程度のArガスを用いたAr高圧ガス噴射法により微細なマグネシウム合金粉末を作製した。
【0027】
得られたアトマイズ粉末を分級して32μm以下のものを集め、これを熱間押出し成形して固化を行なうことによりバルク体を成形した。押出しは、押出温度250〜500°C 、押出圧力300〜1,000MPa、押出比10の条件のもとで実施した。なお押出比は10に限らず5〜50の範囲で行うことができる。
【0028】
押出しによって得られたバルク体は直径6mm、長さ210mmの円柱状、充填密度は100%であった。成形されたバルク状の円柱材から硬度用試験片と引張り試験片を採取し、それぞれの試験を行なった。リボン状素材も第1の実施例と同様の条件で作製し、押出相当材を準備して180°密着曲げ試験により材料の靱性を評価した。
【0029】
図2に、溶製したマグネシウム合金の組成と180°曲げ試験、および硬度試験の結果を示した。合金組成Mga2Znb2RE2c2に対して、明らかな延性を示す組成は概ね0.3≦b2≦2、および1−0.2×b2≦c2≦2−0.2×b2を満たす範囲にあることがわかる。
【0030】
結局、合金組成をMga2Znb2RE2c2(ただし、RE2は希土類元素Pr,Sm,Ndのうち少なくとも1種類以上、a2,b2,c2は原子%、a2=100−(b2+c2))とした場合、0.3≦b2≦2、および1−0.2×b2≦c2≦2−0.2×b2を満たす範囲の組成比率とすることにより、高強度を維持しつつ、高靱性を得ることができる。
【0031】
[第3の実施例]
第3の実施例は、一般式Mg97.5Zn1.0 RE1.5 組成であって、希土類元素REがPr,Nd,Sm,Eu,Ybのうち1種類の単独添加となっている高強度高靱性マグネシウム合金及びその製造方法である。
【0032】
第3の実施例では、第1の実施例と同様の方法によって、一般式Mg97.5Zn1.0 RE1.5 (ただし、REは希土類元素Pr,Nd,Sm,Eu,Ybのうち1種類であり、単独添加)であらわされる組成のマグネシウム合金の溶湯を準備した。次に合金溶湯を950°C に保持した状態で9.8MPa程度のArガスを用いたAr高圧ガス噴射法により微細なマグネシウム合金粉末を作製した。
【0033】
得られたアトマイズ粉末を分級して32μm以下のものを集め、これを熱間押出し成形を行なうことによりバルク体を成形した。押出しは、押出温度250〜500°C 、押出圧力300〜1,000MPa、押出比10の条件のもとで実施した。なお押出比は10に限らず5〜50の範囲で行うことができる。
【0034】
押出しによって得られたバルク体は直径6mm、長さ190mmの円柱状、充填密度は100%であった。成形されたバルク状の円柱材から硬度用試験片と引張り試験片を採取し、それぞれの試験を行なった。リボン状素材も第1の実施例と同様の条件で作製し、押出相当材を準備して180°密着曲げ試験により材料の靱性を評価した。
【0035】
なお、比較のために同じ一般式Mg97.5Zn1.0 RE1.5 (ただし、REは希土類元素Y,La,Ce,Gd,Tb,Dy,Ho,Erのうち1種類を単独添加)であらわされる組成のマグネシウム合金の溶湯を準備し、同様の評価を行なった。
【0036】
本発明による顕著な効果は、本発明実施例と従来材との特性を比較評価した結果である図3から明らかとなる。図3は高強度高靱性Mg合金として開示され最近注目されているMgZnY合金<河村能人,井上明久,金属Vol.71,497(2001)>、あるいは高強度Mg合金として開示されているMgZnCe、及びMgZnLa合金<特許第2807374号相当>との比較で特性評価を行ったものである。従来のMgZnY合金の硬さHv(Y) と一般式Mg97.5Zn1.0 RE1.5 組成材の硬さHvとの比Hv/Hv(Y) と、180°曲げ試験の結果について、従来の優れた公知例と比較して図示されている。なお、180°曲げ試験では、曲げ試験中に破損しやすいものを記号B、180°曲げで破損しにくいが最終段階で小さなクラックがわずかに入る程度の延性を示すものを記号D/B、180°曲げで全くクラックが入らず非常に延性に富むものを記号Dで示している。
【0037】
図3から、MgZnPr合金、MgZnNd合金、MgZnSm合金ではHv/Hv(Y) >1、すなわち公知の高強度高靱性のMgZnY合金よりも更に硬さに優れていることが明白であり、当該MgZnY合金と比較して引張強さが大きいことは容易に推定できる。また、曲げ試験の結果から、MgZnPr合金、MgZnNd合金、MgZnSm合金では、MgZnCe合金、あるいはMgZnLa合金よりも明らかに延性に優れることがわかり、総じて従来のMgZnY合金の優れた延性とMgZnCe合金(あるいはMgZnLa合金)の高強度を兼ね備えた特性を持つことが明らかである。
【0038】
また、MgZnEu合金およびMgZnYb合金では、MgZnY合金は言うに及ばず最も高強度のMgZnCe合金、或いはMgZnLa合金と比較して遜色のない硬さであり、優れた引張強さを有することがわかる。さらには、曲げ試験の結果によればMgZnY合金と比較して全く遜色のない延性を示すことから、従来にも増して高強度と高靱性を兼ね備えた特性を有することが明らかである。
【0039】
【発明の効果】
以上実施例と共に具体的に説明したように、本発明の高強度高靱性マグネシウム合金では、一般式Mga1Znb1RE1c1(ただし、RE1は希土類元素Yb,Euのうち少なくとも1種類以上、a1,b1,c1は原子%、a1=100−(b1+c1))であらわされ、0.3≦b1≦3、および1−0.2×b1≦c1≦4−0.2×b1の組成範囲にあり、微結晶からなる母相に金属間化合物が分散していたり、
一般式Mga1Znb1RE1c1(ただし、RE1は希土類元素Yb,Euのうち少なくとも1種類以上、a1,b1,c1は原子%、a1=100−(b1+c1))であらわされ、0.3≦b1≦2、および1−0.2×b1≦c1≦3−0.2×b1の組成範囲にあり、微結晶からなる母相に金属間化合物が分散していたり、
一般式Mga2Znb2RE2c2(ただし、RE2は希土類元素Pr,Sm,Ndのうち少なくとも1種類以上、a2,b2,c2は原子%、a2=100−(b2+c2))であらわされ、0.3≦b2≦2、および1−0.2×b2≦c2≦2−0.2×b2の組成範囲にあり、微結晶からなる母相に金属間化合物が分散している組成とした。
またその製造方法は、上記合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を押出し成形により固化させたり、
上記合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を、500°C 以下の温度で押出し成形により固化させている。
【0040】
このような特徴を有しているため、本発明のマグネシウム合金はバルク状に成形した状態にあっても、従来と遜色のない高い比強度を保持しつつ、従来技術では得られなかった高い靱性を有している。このように、高強度と高靱性を兼備しているため、高強度と高靱性が要求される部材に好適に適用することができる。
【0041】
本発明によって、強度と延性(靱性)を兼備するマグネシウム合金材料が得られるのは、急冷凝固に適した特定の組成、とくに希土類元素の種類と量が選定されたことによるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るマグネシウム合金の組成と硬さおよび曲げ試験結果を示す特性図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係るマグネシウム合金の組成と硬さおよび曲げ試験結果を示す特性図である。
【図3】本発明の第3の実施例および比較例に係るマグネシウム合金の組成と硬さおよび曲げ試験結果を示す特性図である。
【図4】従来技術の組成範囲を示す特性図である。
Claims (9)
- 一般式Mga1Znb1RE1c1(ただし、RE1は希土類元素Yb,Euのうち少なくとも1種類以上、a1,b1,c1は原子%、a1=100−(b1+c1))であらわされ、0.3≦b1≦3、および1−0.2×b1≦c1≦4−0.2×b1の組成範囲にあり、微結晶からなる母相に金属間化合物が分散することを特徴とする高強度高靱性マグネシウム合金。
- 一般式Mga1Znb1RE1c1(ただし、RE1は希土類元素Yb,Euのうち少なくとも1種類以上、a1,b1,c1は原子%、a1=100−(b1+c1))であらわされ、0.3≦b1≦2、および1−0.2×b1≦c1≦3−0.2×b1の組成範囲にあり、微結晶からなる母相に金属間化合物が分散することを特徴とする高強度高靱性マグネシウム合金。
- 請求項1または請求項2の合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を押出し成形により固化させることを特徴とする高強度高靱性マグネシウム合金の製造方法。
- 請求項1または請求項2の合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を、500°C 以下の温度で押出し成形により固化させることを特徴とする高強度高靱性マグネシウム合金の製造方法。
- 請求項3または請求項4において、押出比を5〜50としたことを特徴とする高強度高靱性マグネシウム合金の製造方法。
- 一般式Mga2Znb2RE2c2(ただし、RE2は希土類元素Pr,Sm,Ndのうち少なくとも1種類以上、a2,b2,c2は原子%、a2=100−(b2+c2))であらわされ、0.3≦b2≦2、および1−0.2×b2≦c2≦2−0.2×b2の組成範囲にあり、微結晶からなる母相に金属間化合物が分散することを特徴とする高強度高靱性マグネシウム合金。
- 請求項6の合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を押出し成形により固化させることを特徴とする高強度高靱性マグネシウム合金の製造方法。
- 請求項7の合金溶湯を急冷凝固し、しかる後に当該急冷凝固合金を、500°C 以下の温度で押出し成形により固化させることを特徴とする高強度高靱性マグネシウム合金の製造方法。
- 請求項7または請求項8において、押出比を5〜50としたことを特徴とする高強度高靱性マグネシウム合金の製造方法。
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