JP2004149649A - 発泡性ポリ乳酸系樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】余剰のイソシアネートを含むポリ乳酸系樹脂組成物を調湿、熟成することなく、水の存在下で発泡ガスを含浸することにより、数時間で実用上十分な発泡性を有する発泡性ポリ乳酸系樹脂組成物を得ることができる。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、(1)潜在的架橋増粘性を有するポリ乳酸系樹脂組成物ならびに(2)発泡性ポリ乳酸系樹脂組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
化石資源を原料とする発泡ポリエチレン、ポリスチレンの代替として、WO99/21915号公報において、ポリ乳酸を主たる原料とする発泡成形体が提案されている。この発泡成形体は非石油資源である澱粉を出発原料としており、地球資源保護、環境保全の見地からみて非常に望ましいものであると言える。
【0003】
特に架橋剤としてポリイソシアネートが用いる場合、ポリ乳酸末端基量に対して過剰の架橋剤を添加、混練後に水分の存在下で加熱処理することにより、未反応のイソシアネート基を水分と徐々に反応してアロファネート結合やユリア結合をさせることで、さらに粘度を上げることが出来るため、混練機台に過大な負荷をかけずに高粘度の樹脂組成物を得ることができるという利点を有している。
【0004】
しかしながら、特開2000―17037号公報に開示されているように、このような増粘方法は恒温恒湿条件下で樹脂水分を100ppmから10,000ppmに1〜2日掛けて調整し、20℃〜60℃の温度で長期間(40℃の場合2日以上)熱処理するため、後工程に多大な時間を要し、生産性が著しく低いという欠点を有していた。また、非水系で発泡ガスを分散媒としても用いるため、余剰の発泡ガスの回収が必要である。樹脂組成物と分散媒の比重差が大きく、樹脂組成物が分散し難いという欠点も有していた。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−17037号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では上述の事情に鑑み、イソシアネート類を主な架橋剤として用いる発泡性ポリ乳酸系樹脂組成物の製造において、余剰のイソシアネートの熟成から含浸に至る工程の大幅な簡略化により、生産性を飛躍的に向上させることを目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等はこのような課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、イソシアネート類を主な架橋剤として用いる発泡性ポリ乳酸系樹脂組成物の製造において、樹脂の反応性末端基量に対して大過剰のイソシアネート化合物と混練したポリ乳酸系樹脂組成物を調湿、熟成することなく、過剰のイソシアネート基が残留したままの状態で、水の存在下で発泡ガスを含浸することにより、数時間で十分な発泡性を有する発泡性ポリ乳酸系樹脂組成物を得ることができる。
【0008】
【発明の実施形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いるポリ乳酸系樹脂組成物は乳酸をモノマー単位として60モル%以上含む樹脂を51重量%以上含有していれば、特に限定されない。D体またはL体の比率が5%に満たないと容易に結晶化して高い倍率の発泡体は得にくくなるため、ポリ乳酸系樹脂のD/L比率は5/95〜95/5であることが好ましい。
【0009】
本発明に用いるポリイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族系のポリイソシアネートがある。例えば、芳香族ポリイソシアネートとしてはトリレン、ジフェニルメタン、ナフチレン、トリフェニルメタンを骨格とするポリイソシアネート化合物がある。また、脂環族ポリイソシアネートとしては、イソホロン、水素化ジフェニルメタンを骨格とするポリイソシアネート化合物がある。また、脂肪族ポリイソシアネートとしてはヘキサメチレン、リジンを骨格とするポリイソシアネート化合物がある。これらはいずれも使用可能であるが、汎用性、ハンドリング性、等からトリレン、ジフェニルメタン系のポリイソシアネート類が好ましく、特に好ましくはジフェニルメタン系ポリイソシアネートが使用される。
【0010】
本発明の潜在架橋増粘性を有するポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリ乳酸系樹脂にイソシアネート化合物を添加したものであるが、イソシアネート化合物としては、イソシアネート基が2.0当量/モル以上のポリイソシアネート類を用いることが好ましい。また、イソシアネート化合物の添加量は樹脂に対して0.5〜5重量%であることが好ましく、さら好ましくは1〜3重量%である。本発明の潜在架橋増粘性を有するポリ乳酸系樹脂組成物は、例えばポリ乳酸系樹脂にイソシアネート化合物を溶融混練して得られる。
【0011】
当該潜在架橋増粘性樹脂組成物には未反応イソシアネート基が樹脂組成物に対して特定の比率で残留していることが必須である。その必要残留率はポリ乳酸系樹脂組成物の赤外線吸収スペクトル(IRスペクトル)の特定波数のピーク強度比で定義される。即ち、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物はIRスペクトルの2995cm−1のピーク強度に対する2275cm−1のピーク強度の比(以後、残留イソシアネート基指数と称する。)が、0.1〜1.0の範囲にあることが必要である。
【0012】
この残留イソシアネート基指数が0.1未満であるとポリ乳酸系樹脂組成物の含浸時における架橋が不十分で良好な発泡が得られない。一方、残留イソシアネート基指数が1.0を超えると架橋が進みすぎて発泡しなくなる。
【0013】
また、所望の樹脂物性を獲得可能であれば、ポリイソシアネート類以外の架橋剤も併用可能であり、有機過酸化物、多官能エポキシ化合物等を用いることができる。例えば、特願2002−269881に本願発明者らが開示している如く、高温寸法安定性の獲得を目的に有機過酸化物を併用した場合も本発明は適用可能である。
【0014】
本発明に用いるポリ乳酸樹脂組成物には、発泡セルの均一化、細孔化を目的として、無機粉体等の気泡調製剤(発泡核剤)を添加しても良い。具体的には、タルク、雲母、粘土鉱物、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム/クエン酸等が使用可能であるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0015】
上述のポリ乳酸系樹脂組成物を調製する方法としては、一般的な樹脂コンパウンドを調製するのに用いられる方法はいずれも用いることができるが、特に2軸押出し機が好適に用いられる。
【0016】
次に本発明の発泡性ポリ乳酸系樹脂組成物の製造方法について説明する。この製造方法においては、上述したポリ乳酸系樹脂組成物を原料とし、水の存在下で発泡ガスを含浸することを特徴とする。
【0017】
本発明の製造方法においては、水分により、樹脂組成物中に存在する残留イソシアネートが反応してアロファネート結合やユリア結合を生成して架橋・増粘するので、水が存在する系で発泡ガスを含浸させることが必要である。
【0018】
本発明において添加する水分量は、潜在架橋増粘性を有するポリ乳酸系樹脂組成物の残留イソシアネート基を反応させるに必要十分な量だけあれば良いが、通常は残留イソシアネート基量から算出するような事はせず、樹脂組成物100重量部に対して10重量部以上加えれば十分である。また、発泡ガスの使用量を抑制し、発泡性ガスの回収の手間やコストを削減したり、樹脂組成物の液中分散性を良くしたい場合は、樹脂組成物に対して30重量部以上添加しても良い。
【0019】
ポリ乳酸系樹脂組成物に含浸させる発泡ガスとしては、窒素、二酸化炭素等の無機ガス、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン等の炭化水素類およびその混合物等が用いられる。フロンガス類も発泡ガスとして好適であるが、環境への配慮が必要な場合は避ける方が好ましい。
【0020】
発泡ガス含浸時に含浸助剤を添加する事により、含浸速度を速め、高い発泡ガス含浸率、高発泡倍率を得る事が可能である。本発明に用いる含浸助剤は特開2000―17037号公報に開示されているような熟成と含浸を別に行うプロセスにおいて好適に用いられるプロトン系溶剤(アルコール類)よりも、非プロトン性溶剤であるケトン類、エステル類、エーテル、芳香族炭化水素等が好ましく、特に好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトニトリル等が用いられる。
【0021】
発泡ガス含浸時における水/発泡ガス/樹脂の均一分散には、界面活性剤を添加したほうが有効な場合がある。カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤などが使用可能であるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0022】
含浸条件は所望の発泡性ポリ乳酸樹脂組成物の物性によって調整・決定されるが、含浸温度82℃の場合を例にとると、含浸時間は60分〜150分が適当である。
【0023】
また、含浸時に着色成分や機能性を付与する成分を含浸しても良い。例えば、制電剤、芳香剤、消臭剤、防腐剤、抗菌剤、各種着色料などがあげられる。
【0024】
本発明の発泡性ポリ乳酸系樹脂組成物は、特開2000―17037号公報に開示されている方法と同じく、蒸気や熱風、高周波等によって発泡させる方法が適用できるが、発泡スチロール用の予備発泡機を用いる方法が最も簡便で一般的である。
【0025】
同様に予備発泡したポリ乳酸系樹脂組成物の成型は、発泡スチロールや発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン等の成形に用いる成形機を用いて行うのが最も簡便で一般的であるが、予備発泡の工程を経ず、金型内で発泡と成形を同時に行うこともできる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例を用いて詳細に説明する。最初に、物性値の測定方法を紹介する。
<残留イソシアネート基指数>
ポリ乳酸系樹脂組成物あたりの残留イソシアネート基量を表す指標として、赤外線吸収スペクトル分析を行い、2275cm−1ピーク強度の2995cm−1ピーク強度に対する相対比を求め、残留イソシアネート基指数とした。
残留イソシアネート基指数(A2275/A2995)=2275cm−1のピーク強度/2995cm−1のピーク強度
赤外線吸収スペクトル分析としては、スライスした測定サンプルを赤外顕微鏡(CONTINUE μm:THERMO NICOLET社)にセットし、赤外分光光度計(NEXUS670:THERMO NICOLET社)にてスペクトルの検出を行なった。
【0027】
<溶液粘度>
溶液粘度は以下のように測定した。
クロロホルム(試薬特級)に試料を1g/100mlの濃度になるように溶解し、20℃でウベローデ粘度管を用いて相対粘度を測定した。
【0028】
(製造例1)
異性体比率(L/D)=90/10、1重量%クロロホルム溶液の溶液粘度(RV)=3.7のポリ乳酸を、有機過酸化物「パーヘキサ25B−40」(2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン40重量%含有:日本油脂(株)製)を樹脂100重量部に対して0.25%重量部混ぜた後、二軸押出し機(TEM35B、東芝機械(株))にてシリンダ温度175℃で混練し、水中カッターを用いて平均粒径1.3mmの粒子とした。
【0029】
(製造例2)
製造例1で得られたポリ乳酸系樹脂組成物粒子にイソシアネート化合物「ミリオネートMR200」(イソシアネート基2.7〜2.8当量/モル、日本ポリウレタン工業(株))を2.0%添加しつつ二軸押出し機(TEM35B、東芝機械(株))にてシリンダ温度175℃で混練し、水中カッターを用いて平均粒径1.3mmの粒子とした。
【0030】
(実施例1)
製造例2で得られたポリ乳酸系樹脂組成物粒子を100重量部、水60重量部、発泡ガスとしてイソブタン20重量部、アセトン10重量部を耐圧容器に仕込み、82℃で90分間保持した。十分に冷却後取出し、乾燥してイソブタン含浸ポリ乳酸系樹脂組成物粒子Aを得た。
【0031】
(実施例2)
イソシアネート化合物「ミリオネートMR200」の添加量を1.0%とした以外は実施例1と同様にしてイソブタン含浸ポリ乳酸系樹脂組成物粒子Bを得た。
【0032】
(実施例3)
異性体比率(L/D)=90/10、1重量%クロロホルム溶液の溶液粘度(RV)=3.7のポリ乳酸にイソシアネート化合物「ミリオネートMR200」を2.2%添加しつつ二軸押出し機(TEM35B、東芝機械(株))にてシリンダ温度175℃で混練し、水中カッターを用いて平均粒径1.3mmの粒子とし、実施例1と同様にしてイソブタン含浸ポリ乳酸系樹脂組成物粒子Cを得た。
【0033】
(比較例1)
製造例1で得られた過酸化物架橋ポリ乳酸系樹脂粒子にイソシアネート化合物「ミリオネートMR200」を樹脂組成物に対して0.1%添加しつつ二軸押出し機(TEM35B、東芝機械(株))にてシリンダ温度175℃で混練し、水中カッターを用いて平均粒径1.3mmの粒子とし、実施例1と同様にして、イソブタン含浸ポリ乳酸系樹脂組成物粒子Pを得た。
【0034】
(比較例2)
イソシアネート化合物「ミリオネートMR200」の添加量を6%にした以外は比較例1と同様にして、イソブタン含浸ポリ乳酸系樹脂組成物粒子Qを得た。
【0035】
(比較例3)
製造例2で得られた樹脂粒子を水分3200ppmに調整し、50℃、48時間保持して熟成させた後、実施例1と同条件で含浸を行い、イソブタン含浸ポリ乳酸系樹脂組成物粒子Rを得た。
【0036】
(参考例)
比較例3と同様にポリ乳酸系樹脂粒子を熟成させた後、樹脂組成物粒子100重量部に対して、発泡ガスとしてイソブタン40重量部、助剤メタノール10重量部を耐圧容器に仕込み、82℃で360分間保持した。その後、十分に冷却後取出し、乾燥してイソブタン含浸ポリ乳酸系樹脂組成物粒子Zを得た。
【0037】
(実施例4〜7)
製造例2で得られたポリ乳酸系樹脂組成物粒子を100重量部、水を5〜100重量部、発泡ガスとしてイソブタン40重量部を耐圧容器に仕込み、82℃で90分間保持した。その後、十分に冷却後取出し、乾燥してイソブタン含浸ポリ乳酸系樹脂組成物粒子D〜Gを得た。
【0038】
(比較例4)
製造例2で得られたポリ乳酸系樹脂組成物粒子を100重量部、水を加えずに、発泡ガスとしてイソブタン40重量部を耐圧容器に仕込み、82℃で90分間保持した。その後、十分に冷却後取出して乾燥し、イソブタン含浸ポリ乳酸系樹脂組成物粒子Sを得た。
【0039】
(実施例8〜10)
製造例2で得られたポリ乳酸系樹脂組成物粒子を100重量部、水60重量部、発泡ガスとしてイソブタン40重量部、助剤として各種非プロトン性溶剤5%を耐圧容器に仕込み、82℃で90分間保持した。その後、十分に冷却後取出して乾燥し、イソブタン含浸ポリ乳酸系樹脂組成物粒子H〜Jを得た。
【0040】
(実施例11〜12)
製造例2で得られたポリ乳酸系樹脂組成物粒子を100重量部、水60重量部、発泡ガスとしてイソブタン40重量部、助剤にプロトン系溶剤5%を耐圧容器に仕込み、82℃で90分間保持した。その後、十分に冷却後取出して乾燥し、イソブタン含浸ポリ乳酸系樹脂組成物粒子K、Lを得た。
【0041】
次いで、上述の実施例、比較例、参考例で得られた樹脂粒子A〜K、P〜U、Zを85℃の蒸気に1分間曝すことで発泡させ、その発泡倍率を以下の式から求めた。また、その発泡性についても評価を行った。
<発泡粒子の発泡倍率>
内容積2000mlのポリエチレン製カップに発泡粒子を擦切り一杯量り取り、重量を測定し、風袋重量を差引いて発泡粒子の重量をもとめる。発泡倍率は、見かけ体積(2000L)と発泡粒子の重量から以下の式で求められる。
発泡倍率=見かけ体積(2000ml)÷発泡粒子の重量(g)
【0042】
<発泡性評価>
発泡粒子には、セルサイズが細かく、発泡後の冷却で収縮がなく、ブロッキング(粒子同士が融着して固まること)しないことが求められるため、発泡性評価として、セルサイズ、収縮の有無、ブロッキングの程度を各々評価した。
【0043】
(セルサイズ)
発泡粒子を片刃カミソリで分割し、その断面のセルサイズを顕微鏡で観察した。
セルサイズ≦200μm:○
200μm<セルサイズ≦500μm:△
500μm<セルサイズ:×
【0044】
(収縮)
発泡直後の冷却で収縮が発生すると発泡粒子表面にツヤがなくなることから、そのツヤの有無から収縮を判断した。
収縮無し(ツヤ有り):○
若干の収縮有り(ツヤのあるものとないものの混合):△
収縮有り(ツヤ無し):×
【0045】
(ブロッキング)
ブロッキングの程度について以下のことを基準に評価した。
ブロッキングがほとんどない:○
ブロッキングが手で解せる程度:△
ブロッキングが激しく、手で解せない程度:×
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
表1の実施例1〜3はいずれも残留イソシアネート基指数が0.1以上あり、従来法である参考例と同等の発泡倍率を示しており、発泡性に関しても全く問題ない。一方、比較例1および2はイソシアネートの添加量を加減して混練直後の残留イソシアネート基指数を各々0.1未満、1.0超にしたものであるが、いずれもほとんど発泡しなかった。比較例3は混練後に熟成(増粘)し、残留イソシアネート基指数を0.1未満になった樹脂粒子を水のある系で含浸したものであるが、従来品並みの発泡性が得られない。
【0050】
表2は、本発明における水量の影響を表したものである。含浸助剤と水の比率の影響を除くために含浸助剤の添加を行わずに比較を行ったので、全体に発泡倍率は低いが、水が本発明の発泡性樹脂製造方法には不可欠であることが明らかである。、量的に少量の水があれば発泡するが、発泡性まで考えれば樹脂組成物に対して水分は10重量部以上が好ましい。
【0051】
表3は、高発泡品を得るために種々の助剤の効果を検討したものである。従来法で好適に用いられるメタノールやエタノールのプロトン系溶剤でもある程度の発泡倍率は得られるが、アセトンに代表される非プロトン性溶剤を添加した方が発泡倍率が大きく、発泡性にも優れている。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明によって、発泡性ポリ乳酸系樹脂組成物の製造における熟成から含浸までの工程を4日以上から数時間にまで短縮する事に成功し、生産性を大幅に上げることが可能となった。また、本発明では、水の量は10%あれば十分であるが、樹脂と同量程度にまで増加させても同様の結果を得られるため、水を増量することにより発泡ガスを分散媒として用いる必要がなくなり、発泡ガスの添加量を低減できる。
Claims (6)
- イソシアネート化合物を含むポリ乳酸系樹脂組成物において、赤外線分光分析における2995cm−1のピーク強度に対する2275cm−1のピーク強度の比で規定される残留イソシアネート基指数(A2275/A2995)が0.1乃至1.0である事を特徴とするポリ乳酸系樹脂組成物。
- ポリ乳酸系樹脂の乳酸成分の異性体組成(L体/D体)が、95/5乃至5/95である請求項1のポリ乳酸系樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載のポリ乳酸系樹脂組成物に水の存在する系で発泡ガスを含浸することを特徴とする、発泡性ポリ乳酸系樹脂組成物の製造方法。
- ポリ乳酸系樹脂組成物100重量部に対して少なくとも10重量部以上の水を含む系で発泡ガスを含浸することを特徴とする請求項3記載の発泡性ポリ乳酸系樹脂組成物の製造方法。
- 含浸助剤として非プロトン性溶剤を加えることを特徴とする請求項3または4記載の発泡性ポリ乳酸系樹脂組成物の製造方法。
- 非プロトン性溶剤がケトン類または脂肪酸エステル類である事を特徴とする請求項5の発泡性ポリ乳酸系樹脂組成物の製造方法。
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