JP2004149497A - アルコキシシリル化合物 - Google Patents

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Shunichiro Yamanaka
俊一郎 山中
Kazuaki Sugata
一明 須方
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Abstract

【課題】特定の共有結合基を介してアルコキシシリル基をカリックスアレーン若しくはその誘導体又はノボラックのフェノール性水酸基に導入したアルコキシシリル化合物を提供する。
【解決手段】式(1)又は式(2)で表されるアルコキシシリル基含有置換基を、カリックスアレーン又はその誘導体の少なくとも1以上のフェノール性水酸基に導入してなるアルコキシシリル化合物。
【化1】
Figure 2004149497

・・・・(1)
[式(1)中、
及びRは、互いに独立的に、枝分かれを有しない又は有するアルキル基を示し、
aは正の整数を、bは0又は正の整数をそれぞれ示し、a+b=3であり、
rは0、1又は2を示す。]
【化2】
Figure 2004149497

・・・・(2)
[式(2)中、
及びRは、互いに独立的に、枝分かれを有しない又は有するアルキル基を示し、
cは正の整数を、dは0又は正の整数をそれぞれ示し、c+d=3であり、
sは0、1又は2を示す。]

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルコキシシリル基を有する特定の置換基が、カリックスアレーン若しくはその誘導体又はフェノール樹脂若しくはノボラックにおけるフェノール性OH基の一部又は全てに導入されてなるアルコキシシリル化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
カリックスアレーンのOH基にアシル基やアルキル基等の有機基を導入した例は数多く報告されている(例えば特開2002−88027、特開2002−88007等)。
【0003】
神奈川大学 西久保らは、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンをシリル化剤としてメチルカリックス(6)アレーンの水酸基にトリメチルシリル基を導入した例を報告している(Polym.Prep.Japan,47,417[1998])。また、例えばテトラアルコキシシラン共存下in−situ重合によりフェノール樹脂マトリックス中にシリカを超分散させた有機−無機ハイブリッド材料が報告されている(大日本インキ テクニカルレビュー 1997)。しかし、これはアルコキシシリル基とノボラックのフェノール性水酸基とが共有結合したものではない。
【0004】
高分子材料であるポリカーボネートにアルコキシシリル基を導入した化合物が日本特許第3238891号(特開平11−209596号)に報告されている。これらはTHF、クロロホルム等の溶媒には可溶ではあるがアルコール系溶媒等の汎用性の溶媒には溶解しない。
【0005】
すなわち、特定の共有結合基を介してアルコキシシリル基をカリックスアレーン若しくはその誘導体又はノボラックのフェノール性水酸基に導入した例は、まだ報告されていない。
【特許文献1】特開2002−88027号公報
【特許文献2】特開2002−88007号公報
【特許文献3】特許第3238891号公報
【非特許文献1】Polym.Prep.Japan,47,417[1998]
【非特許文献2】大日本インキ テクニカルレビュー 1997
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術に鑑み行われたものであって、その目的とするところは、特定の共有結合基を介してアルコキシシリル基をカリックスアレーン若しくはその誘導体又はフェノール樹脂若しくはノボラックのフェノール性水酸基に導入したアルコキシシリル化合物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のような点に鑑み鋭意検討した結果、カリックスアレーン若しくはその誘導体又はフェノール樹脂若しくはノボラックにおけるフェノール性水酸基に、この水酸基とSi間がカーバメート又はアルキレン等の有機鎖を介して結合された加水分解性アルコキシシリル基を導入することにより、低級アルコールに対する溶解性に優れ、而もゾル−ゲル(sol−gel)反応に供し得るアルコキシシリル化合物が得られることを見出した。
【0008】
水酸基が未置換のカリックスアレーン誘導体は一般的に有機溶剤に対する溶解性は極端に悪い。これはフェノール性OH基の強い水素結合に起因するものである。そこでフェノール性水酸基部位を置換すると、水素結合を弱め又はなくして種々有機溶媒への溶解性を大きく改善することができる。カリックスアレーンが比較的分子量の小さいオリゴマーであることにより、前述のポリカーボネートにアルコキシシリル基を導入したもの(特許第3238891号に記載)に比べ、アルコール系溶媒に対する溶解性は格段に向上する。このためポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリマー(プラスティック基板)を浸さないメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコールでゾル液を調製することが可能となり、加水分解性基であるアルコキシシリル基のゾル−ゲル法を用いたプラスティックコート材料としての用途を考えた場合、その適用範囲が拡大することが期待される。
【0009】
本発明の化合物は、アルコキシシリル基のゾル−ゲル反応を利用した有機−無機ハイブリッド材料、より具体的にはハードコート材料、ガスバリヤー材料、ガス透過性膜材料等に適用可能である。本発明のうちカリックスアレーン骨格を有する化合物は、耐熱性、包接機能等を利用した高機能高分子材料に適用可能である。一方、フェノール樹脂骨格、特にノボラック骨格を有する化合物は、耐熱性ではカリックスアレーン骨格を持つ化合物に及ばないものの、生産量が多くて安価に入手し得るため、前記と同様の有機−無機ハイブリッド材料を、コスト面で優位に実現することが可能である。
【0010】
すなわち、本発明は、下記式(1)又は式(2)で表されるアルコキシシリル基含有置換基を、カリックスアレーン又はその誘導体の少なくとも1以上のフェノール性水酸基に導入してなるアルコキシシリル化合物を提供するものである。
【0011】
【化7】
Figure 2004149497
Figure 2004149497
[式(1)中、
及びRは、互いに独立的に、枝分かれを有しない又は有するアルキル基を示し、
aは正の整数を、bは0又は正の整数をそれぞれ示し、a+b=3であり、
rは0、1又は2を示す。]
【0012】
【化8】
Figure 2004149497
Figure 2004149497
[式(2)中、
及びRは、互いに独立的に、枝分かれを有しない又は有するアルキル基を示し、
cは正の整数を、dは0又は正の整数をそれぞれ示し、c+d=3であり、
sは0、1又は2を示す。]
【0013】
また本発明は、上記式(1)又は式(2)で表されるアルコキシシリル基含有置換基を、フェノール樹脂又はノボラックの少なくとも1以上のフェノール性水酸基に導入してなるアルコキシシリル化合物を提供するものである。
【0014】
前記カリックスアレーン又はその誘導体は、下記の構成単位A及び構成単位Bからなるものであることが好ましい。このカリックスアレーン又はその誘導体における構成単位A及び構成単位Bの総数は、3以上(例えば3乃至16)であり、好ましくは4乃至8である。
【0015】
【化9】
Figure 2004149497
[構成単位A及び構成単位B中のR及びRは、互いに独立的に、水素原子、枝分かれを有しない若しくは有する炭素数1乃至18のアルキル基、置換基を有しない若しくは有するフェニル基、置換基を有しない若しくは有するアラルキル基、アリサイクリック基、アルコキシ基、又はアシル基を示し、
構成単位A及び構成単位BにおけるOH基のオルト位に有するメチレン基は、構成単位A又は構成単位BにおけるOH基の未置換オルト位に連結して構成単位A及び構成単位Bによる環構造を形成している。]
【0016】
また前記フェノール樹脂又はノボラックは、下記式で表されるものであることが好ましい。
【0017】
【化10】
Figure 2004149497
Figure 2004149497
[式(3)中、
及びLは、互いに独立的に、水素原子又は−CHR12OH基を示し、
、R、及びRは、互いに独立的に、水素原子、枝分かれを有しない若しくは有する炭素数1乃至12のアルキル基、置換基を有しない若しくは有するフェニル基、アルコキシ基、アリサイクリック基、アルケニル基、置換基を有しない若しくは有するアラルキル基、又は−CHR12OH基を示し、
10、R11、及びR12は、互いに独立的に、水素原子、枝分かれを有しない若しくは有する炭素数1乃至12のアルキル基、置換基を有しない若しくは有するフェニル基を示し、
及びnは正の整数を示し、m+n=2乃至100である。
但し、式中の各括弧内の構成単位の結合順は規定されない。]
【0018】
また、本発明のアルコキシシリル化合物は、カリックスアレーン又はその誘導体における前記式(1)又は式(2)で表されるアルコキシシリル基含有置換基の導入率(置換率、すなわちフェノール性水酸基のうちアルコキシシリル基含有置換基により置換されたものの比率)が平均で10乃至100%の範囲内であるものが好ましい。
【0019】
同様に、本発明のアルコキシシリル化合物は、フェノール樹脂又はノボラックにおける前記式(1)又は式(2)で表されるアルコキシシリル基含有置換基の導入率(置換率、すなわちフェノール性水酸基のうちアルコキシシリル基含有置換基により置換されたものの比率)が平均で10乃至100%の範囲内であるものが好ましい。
【0020】
なお、本明細書におけるフェノール樹脂は、ヘキサメチレンテトラミンのような硬化剤を添加して熱硬化性樹脂とする前の樹脂中間縮合物である。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明のアルコキシシリル化合物におけるアルコキシシリル基含有置換基は、前記式(1)又は式(2)で表されるものである。
【0022】
式(1)におけるR及びR並びに式(2)におけるR及びRの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、アミル基、イソアミル基等の枝分かれを有しない若しくは有するアルキル基を挙げることができる。このようなアルキル基としては、炭素数1乃至5のアルキル基が好ましい。
【0023】
フェノール性水酸基にアルコキシシリル基含有置換基(1)を導入してなる本発明のアルコキシシリル化合物は、例えば、カリックスアレーン若しくはその誘導体又はフェノール樹脂若しくはノボラックにおけるフェノール性水酸基に、イソシアナト基を有するアルコキシシリル化合物を付加反応させることにより得ることができる。その例を次のスキームIに示す。
【0024】
【化11】
Figure 2004149497
スキームI[nは3以上の整数、Rは前記式(1)中のRと同意義であり、Rは前記構成単位A中のRと同意義である。]
【0025】
前記式(1)で表されるアルコキシシリル基含有置換基を導入するための化合物の例としては、下記のイソシアナトプロピルトリアルコキシシラン類を挙げることができる。
【0026】
【化12】
Figure 2004149497
(CS−1)
【0027】
【化13】
Figure 2004149497
(CS−2)
【0028】
【化14】
Figure 2004149497
(CS−3)
【0029】
【化15】
Figure 2004149497
(CS−4)
【0030】
式(1)で表されるアルコキシシリル基含有置換基を導入するための化合物の例としての他のイソシアナトアルキルアルコキシシラン類としては、3−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルジメチルプロポキシシラン、3−イソシアナトブチルトリエトキシシラン、2−イソシアナトエチルトリエトキシシラン、2−イソシアナトエチルトリメトキシシラン等のイソシアナト基を有するアルコキシシラン類が挙げられる。
【0031】
この反応は、種々溶媒下で、カリックスアレーン若しくはその誘導体又はフェノール樹脂若しくはノボラックと、イソシアナトプロピルトリアルコキシシラン類等のイソシアナトアルキルアルコキシシラン類を、加熱下(又は非加熱下)混合撹拌することにより、比較的容易に進行する。この反応は、収率の向上、反応時間の短縮、反応条件の緩和等の面において、酢酸亜鉛、硫酸化ジルコニウム、活性アルミナ、若しくはゼオライト等のルイス酸触媒、パーフルオロアルキルスルホン酸系ナフィオンNR−50、若しくは強酸性タイプイオン交換樹脂アンバーリスト15等のブレーンステッド酸触媒の存在下で反応させることが好ましい。触媒としてより好ましいのは、ルイス酸、特に酢酸亜鉛である。この場合、酢酸亜鉛は、そのままで用いることもでき、ポリアミド系樹脂又はスチレン−ジビニルベンゼン共重合体等の担体に担持させて用いてもよい。
【0032】
反応溶媒としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールジエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;又は、アセトニトリル等を使用することができるが、この限りではない。
【0033】
カリックスアレーン若しくはその誘導体又はフェノール樹脂若しくはノボラックと、イソシアナトプロピルトリアルコキシシラン類等のイソシアナトアルキルアルコキシシラン類との仕込み比率を種々変えて反応を行わせることにより、カリックスアレーン若しくはその誘導体又はフェノール樹脂若しくはノボラックにおけるフェノール性水酸基に対する、イソシアナトプロピルトリアルコキシシラン類等のイソシアナトアルキルアルコキシシラン類の付加率(但し、平均付加率)の異なる種々化合物(例えば、例示化合物AS−3)を得ることができる。なお、前記付加率は、[n/(m+n)]×100(%)で表される[フェノール性水酸基の数をm+n、そのうちイソシアナトプロピルトリアルコキシシラン類等のイソシアナトアルキルアルコキシシラン類が付加したフェノール性水酸基の数をnとする]。
【0034】
次の反応例は付加率100(%)の例である。
【0035】
【化16】
Figure 2004149497
【0036】
次の反応例は付加率[n/(m+n)]×100(%)の例である。
【化17】
Figure 2004149497
【0037】
フェノール性水酸基にアルコキシシリル基含有置換基(2)を導入してなる本発明のアルコキシシリル化合物は、例えば、カリックスアレーン若しくはその誘導体又はフェノール樹脂若しくはノボラックに、ヒドロシリル化可能な炭素−炭素二重結合を有するアルケニルハライドを反応させてカリックスアレーン若しくはその誘導体又はフェノール樹脂若しくはノボラックにおけるフェノール性水酸基に炭素−炭素二重結合を導入し、次いでこの二重結合部位に、相当するヒドロシリル化剤を反応させることにより得ることができる。その例を次のスキームIIに示す。
【0038】
【化18】
Figure 2004149497
スキームII[nは3以上の整数、Xはハロゲン、cは正の整数、dは0又は正の整数、c+d=3、R及びRは前記式(2)中のR及びRと同意義であり、Rは前記構成単位A中のRと同意義である。]
【0039】
前記式(2)で表されるアルコキシシリル基含有置換基を、カリックスアレーン若しくはその誘導体又はフェノール樹脂若しくはノボラックに導入するためには、まずカリックスアレーン若しくはその誘導体又はフェノール樹脂若しくはノボラックにおけるフェノール性水酸基をアリルエーテル化することが好ましい。
【0040】
アリルエーテル化(水酸基にアリル基含有置換基を導入する方法)については、既に、本発明者により特開2002−88003号公報に開示している。その他の方法として、非プロトン性極性溶媒中での合成[たとえばJ.Polym.Sci.Part A:Polym.Chem,37,3071−3078(1999)]も可能である。また、エーテル化率(フェノール性水酸基の置換率[但し、平均置換率])は、カリックスアレーン若しくはその誘導体又はフェノール樹脂若しくはノボラックとアリルハライド等のエーテル化試薬との仕込み比率でコントロールすることができる。
【0041】
またアリル基のヒドロシリル化反応は、塩化白金酸触媒、又はニッケル系触媒等の各種触媒を使用してカリックスアレーン(若しくはその誘導体)のアリルエーテル化物、又はノボラック(若しくはフェノール樹脂)アリルエーテル化物と、各種アルコキシシランを反応させることにより達成される。これにより得られるSi化物は、アリル基に対するヒドロシリル化剤の比率を変えることにより、全てがヒドロシリル化された化合物(AS−1)とすること、又は、一部がヒドロシリル化されて未反応アリル基が残存する化合物(AS−2)とすることが可能である。
【0042】
【化19】
Figure 2004149497
【化20】
Figure 2004149497
[AS−2におけるm及びnはそれぞれ正の整数。]
【0043】
アリル基をヒドロシリル化するためのヒドロシリル化剤の例としては、下記HS−1乃至4を挙げることができる。
【0044】
【化21】
Figure 2004149497
(HS−1)
【0045】
【化22】
Figure 2004149497
(HS−2)
【0046】
【化23】
Figure 2004149497
(HS−3)
【0047】
【化24】
Figure 2004149497
(HS−4)
【0048】
ヒドロシリル化に用いられる反応溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールジエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;又は、アセトニトリル等を使用することができるがこの限りではない。
【0049】
また、ヒドロシリル化においては、触媒として、例えば塩化白金酸、ニッケルアセチルアセトナト、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、トリストリフェニルホスフィンロジウムクロライド等が使用可能であるが、この限りではない。なお、これらの触媒は、例えばポリアミド樹脂、若しくはスチレン−ジビニルベンゼン共重合体等のポリマー、又はゼオライト等の:担体に担持させて用いることができる。
【0050】
本発明のアルコキシシリル化合物の出発原料の一つであるカリックスアレーン又はその誘導体は、前記の構成単位A及び構成単位Bからなるものとすることができる。
【0051】
構成単位A及び構成単位B中のR及びRの例としては、
水素原子、
枝分かれを有しない若しくは有する炭素数1乃至18のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、iso−アミル、オクチル、tert−オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル等)、
置換基を有しない若しくは置換基(例えばメチル、エチルなどの炭素数1乃至4のアルキル基;メトキシ、エトキシなどの炭素数1乃至4のアルコキシ基;塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等のハロゲン)を有するフェニル基(例えば、フェニル基、トリル基等)、
置換基を有しない若しくは置換基(例えばメチル、エチルなどの炭素数1乃至4のアルキル基;メトキシ、エトキシなどの炭素数1乃至4のアルコキシ基;塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等のハロゲン)を有するアラルキル基(例えば、ベンジル基、α、α−ジメチルベンジル基等)、
アリサイクリック基(例えばシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどのシクロアルキル等)、
炭素数1乃至4のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、又は
アシル基(例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、ベンゾイル、トルオイル等)
を挙げることができる。
【0052】
本発明において好ましいカリックスアレーン又はその誘導体の例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0053】
【化25】
Figure 2004149497
(CX−1)
【0054】
【化26】
Figure 2004149497
t−オクチルカリックス(6,8)アレーン[t−オクチルカリックス(6)アレーンとt−オクチルカリックス(8)アレーンの混合物]
(CX−2)
【0055】
【化27】
Figure 2004149497
(CX−3)
【0056】
【化28】
Figure 2004149497
(CX−4)
【0057】
【化29】
Figure 2004149497
(CX−5)
【0058】
【化30】
Figure 2004149497
(CX−6)
【0059】
【化31】
Figure 2004149497
(CX−7)
【0060】
【化32】
Figure 2004149497
(CX−8)
【0061】
【化33】
Figure 2004149497
(CX−9)
【0062】
【化34】
Figure 2004149497
(CX−10)
【0063】
【化35】
Figure 2004149497
(CX−11)
【0064】
【化36】
Figure 2004149497
(CX−12)
【0065】
【化37】
Figure 2004149497
m及びnはそれぞれ正の整数を示し、m+n=8であるもの。
(2CX−1)
【0066】
【化38】
Figure 2004149497
m及びnはそれぞれ正の整数を示し、m+n=6であるもの。
(2CX−2)
【0067】
【化39】
Figure 2004149497
m及びnはそれぞれ正の整数を示し、m+n=8であるもの。
(2CX−3)
【0068】
【化40】
Figure 2004149497
m及びnはそれぞれ正の整数を示し、m+n=4であるもの。
(2CX−4)
【0069】
【化41】
Figure 2004149497
m及びnはそれぞれ正の整数を示し、m+n=4であるもの。
(2CX−5)
【0070】
【化42】
Figure 2004149497
m及びnはそれぞれ正の整数を示し、m+n=4、6、及び8であるもの混合物。
(2CX−6)
【0071】
本発明のアルコキシシリル化合物の出発原料の一つである前記式(3)で表されるフェノール樹脂若しくはノボラックにおける置換基R、R、及びRの例としては、
水素原子、
枝分かれを有しない若しくは有する炭素数1乃至12のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、iso−アミル、オクチル、tert−オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル等)、
置換基を有しない若しくは置換基(例えばメチル、エチルなどの炭素数1乃至4のアルキル基;メトキシ、エトキシなどの炭素数1乃至4のアルコキシ基;塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等のハロゲン)を有するフェニル基(例えば、フェニル基、トリル基等)、
炭素数1乃至4のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、
アリサイクリック基(例えばシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどのシクロアルキル等)、
アルケニル基(例えば、アリル、ブテニル等)
置換基を有しない若しくは置換基(例えばメチル、エチルなどの炭素数1乃至4のアルキル基;メトキシ、エトキシなどの炭素数1乃至4のアルコキシ基;塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等のハロゲン)を有するアラルキル基(例えば、ベンジル基、α、α−ジメチルベンジル基等)、
−CHR12OH基(例えば、メチロール基)
等が挙げられる。
【0072】
式(3)で表されるフェノール樹脂又はノボラックにおけるR10、R11、及びR12の例としては、
水素原子、
枝分かれを有しない若しくは有する炭素数1乃至12のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、iso−アミル、オクチル、tert−オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル等)、
置換基を有しない若しくは置換基(例えばメチル、エチルなどの炭素数1乃至4のアルキル基;メトキシ、エトキシなどの炭素数1乃至4のアルコキシ基;塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等のハロゲン)を有するフェニル基(例えば、フェニル基、トリル基等)、
が挙げられる。好ましくは水素原子である。
【0073】
本発明において好ましいフェノール樹脂又はノボラックの例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0074】
【化43】
Figure 2004149497
Rは、互いに独立してt−ブチル基又はt−オクチル基であり、nの平均は2.6である。
【0075】
【化44】
Figure 2004149497
nの平均は6である。
【0076】
【化45】
Figure 2004149497
Rは、互いに独立してt−ブチル基又はフェニル基であり、nの平均は10である。
【0077】
【化46】
Figure 2004149497
nの平均は55である。
【0078】
【化47】
Figure 2004149497
nの平均は5である。
【0079】
【化48】
Figure 2004149497
nの平均は3である。
【0080】
【実施例】
実施例1[t−ブチルカリックス(8)アレーンオクタイソシアナトプロピルトリエトキシシラン付加物の合成例]
t−ブチルカリックス(8)アレーン(CX−1)2.6g(2mmol)、1,2−ジメトキシエタン(以下、DMOETと略す。)50ml、及び酢酸亜鉛無水物0.05g(0.3mmol)を、室温で窒素気流下混合撹拌し、そこへ3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン(以下、IPTES又はCS−1と略す。)4.0g(16mmol)を注加した。
【0081】
この混合物を還流状態まで加熱昇温させて5.5時間反応させた後、薄層クロマトグラフィーで原料カリックスアレーンの消失を確認した上で、反応液を室温まで自然冷却し、更に、ポリテトラフルオロエチレン製メンブランフィルターで濾過した。得られた濾液から溶媒を留去し、更に減圧乾燥させることにより、無色固形物6.49g(収率99%)を得た。
IR(KBr)
1743cm−1(C=O伸縮)、3346cm−1(NHR)
1H NMR(CDCl
δ7.1(br、2H、aryl−
δ4.9(br、1H、−NH−)
δ4.0(m、2H、ArCHAr)
δ3.8(q、6H、−Si(OCH CH
δ3.1(m、2H、−NHCH−)
δ1.5(m、2H、−CH CHSi−)
δ1.2〜1.3(m、18H、−C(CH及び−(OCH CH
δ0.6(m、2H、−CH CH Si−)
元素分析:
実測値 C 60.56%、H 9.17%、N 3.32%
計算値 C 61.58%、H 8.61%、N 3.42%
Si含有率(原子吸光法)
実測値 6.9%
計算値 6.9%
【0082】
生成物は、t−ブチルカリックス(8)アレーンの全ての水酸基にイソシアナトプロピルトリエトキシシランのイソシアナト基が付加反応した下記構造のアルコキシシリル化合物であることが確認された。
【0083】
【化49】
Figure 2004149497
【0084】
実施例2[t−ブチル,t−オクチルカリックス(8)アレーンオクタイソシアナトプロピルトリエトキシシラン付加物の合成例]
t−ブチル,t−オクチルカリックス(8)アレーン(2CX−1)3.0g(2mmol)、DMOET50ml、及び酢酸亜鉛無水物0.05g(0.3mmol)を、室温で窒素気流下混合撹拌し、そこへIPTES4.0g(16mmol)を注加した。
この混合物を還流状態まで加熱昇温させて5.5時間反応させた後、薄層クロマトグラフィーで原料カリックスアレーンの消失を確認した上で、反応液を室温まで自然冷却し、更に、ポリテトラフルオロエチレン製メンブランフィルターで濾過した。得られた濾液から溶媒を留去し、更に減圧乾燥させることにより、無色樹脂様物6.83g(収率98%)を得た。
IR(KBr)
1743cm−1(C=O伸縮)、3346cm−1(NHR)
1H NMR(CDCl
δ7.0(br、2H Ar−H)
δ4.9(br、1H、−NH−)
δ4.0(m、2H、Ar−CH−Ar)
δ3.7(m、6H、−Si(OCH CH
δ3.0(m、2H、−NHCH −)
δ1.5(m、2H、−NHCH CH CHSi−)
δ0.5〜1.5(m、26H、−C(CH及び−C(CHCHC(CH及び−(OCH CH 及び−NHCHCH CH Si−)
元素分析:
実測値 C 61.74%、H 9.43%、N 3.07%
計算値 C 63.12%、H 8.98%、N 3.20%
Si含有率(原子吸光法)
実測値 6.4%
計算値 6.4%
【0085】
生成物は、t−ブチル,t−オクチルカリックス(8)アレーンの全ての水酸基にイソシアナトプロピルトリエトキシシランのイソシアナト基が付加反応した下記構造のアルコキシシリル化合物であることが確認された。
【0086】
【化50】
Figure 2004149497
m及びnはそれぞれ正の整数を示し、m+n=8。
【0087】
実施例3[t−ブチルカリックス(6)アレーンヘキサイソシアナトプロピルトリエトキシシラン付加物の合成例]
t−ブチルカリックス(6)アレーン(CX−8)2.6g(2.7mmol)、DMOET50ml、及び酢酸亜鉛無水物0.05g(0.3mmol)を、室温で窒素気流下混合撹拌し、そこへIPTES4.0g(16mmol)を注加した。
【0088】
この混合物を還流状態まで加熱昇温させて7時間反応させた後、薄層クロマトグラフィーで未反応カリックスアレーンが無いことを確認した上で、反応液を室温まで自然冷却し、更に、ポリテトラフルオロエチレン製メンブランフィルターで濾過した。得られた濾液から溶媒を留去し、更に減圧乾燥させることにより、淡黄色粘稠物6.09g(収率93%)を得た。
IR(neat)
1743cm−1(C=O伸縮)、3342cm−1(NHR)
1H NMR(CDCl
δ6.5〜7.2(br、2H、Ar−H)
δ3.0〜5.5(br、11H、Ar−CH−Ar及び−CONH−及び−NHCH−及び−(OCH CH
δ0.3〜1.8(m、22H、(−C(CH及び−CHCHSi及び−(OCH CH
元素分析:
実測値 C 59.83%、H 9.34%、N 3.42%
計算値 C 61.58%、H 8.61%、N 3.42%
Si含有率(原子吸光法)
実測値 7.0%
計算値 6.9%
【0089】
生成物は、t−ブチルカリックス(6)アレーンの全ての水酸基にイソシアナトプロピルトリエトキシシランのイソシアナト基が付加反応した下記構造のアルコキシシリル化合物であることが確認された。
【0090】
【化51】
Figure 2004149497
【0091】
実施例4[フェニルカリックス(8)アレーンオクタイソシアナトプロピルトリエトキシシラン付加物の合成]
フェニルカリックス(8)アレーン(CX−12)1.8g(1.3mmol)、DMOET50ml、及び酢酸亜鉛無水物0.04g(0.2mmol)を室温で窒素気流下混合撹拌し、そこへIPTES2.5g(10mmol)を注加した。
【0092】
この混合物を還流状態まで加熱昇温させて、11.5時間反応させた後、薄層クロマトグラフィーで原料カリックスアレーンの消失を確認した上で、反応液を室温まで自然冷却し、更に、ポリテトラフルオロエチレン製メンブランフィルターで濾過した。得られた濾液から溶媒を留去し、更に減圧乾燥させることにより、淡黄色粘稠物3.90g(収率91%)を得た。
IR(neat)
1743cm−1(C=O伸縮)、3334cm−1(NHR)
1H NMR(CDCl
δ7.2〜7.5(m、7H、Ar−
δ4.9(br、1H、−NH−)
δ4.0(m、2H、Ar−CH −Ar)
δ3.6(m、6H、−Si(OCH CH
δ3.0(m、2H、−NHCH −)
δ1.5(m、2H、−CH CHSi−)
δ1.1(m、9H、−(OCH CH
δ0.5(m、2H、−NHCHCH CH Si−)
元素分析:
実測値 C 63.41%、H 7.26%、N 3.66%
計算値 C 64.31%、H 7.27%、N 3.26%
Si含有率(原子吸光法):
実測値 6.54%
計算値 7.16%
【0093】
生成物はフェニルカリックス(8)アレーンの全ての水酸基にイソシアナトプロピルトリエトキシシランのイソシアナト基が付加反応した下記構造のアルコキシシリル化合物であることが確認された。
【0094】
【化52】
Figure 2004149497
【0095】
実施例5[t−オクチルカリックス(6,8)アレーンイソシアナトプロピルトリエトキシシラン付加物の合成例]
t−オクチルカリックス(6,8)アレーン(CX−2)3.5g(2mmol)、DMOET50ml、及び酢酸亜鉛無水物 0.05g(0.3mmol)を室温で窒素気流下混合撹拌し、そこへIPTES4.0g(16mmol)を注加した。
【0096】
この混合物を還流状態まで加熱昇温させて5.5時間反応させた後、薄層クロマトグラフィーにより原料カリックスアレーンの消失を確認した上で、反応液を室温まで自然冷却し、更に、ポリテトラフルオロエチレン製メンブランフィルターで濾過した。得られた濾液から溶媒を留去し、更に減圧乾燥させることにより、淡黄色透明粘稠物7.25g(収率97%)を得た。
IR(neat)
1743cm−1(C=O伸縮)、3351cm−1(NHR)
1H NMR(CDCl
δ7.0(br、2H、Ar−
δ3.0〜4.9(br、11H、−CONH−及び−NHCH −及びAr−CH −Ar及び−Si(OCH CH
δ0.5〜1.5(m、30H、−C(CHCHC(CH及び−Si(OCH CH 及び−CH CH Si−)
元素分析:
実測値 C 64.41%、H 9.55%、N 3.66%
計算値 C 64.48%、H 9.01%、N 3.01%
Si含有率(原子吸光法)
実測値 6.23%
計算値 6.03%
【0097】
生成物はt−オクチルカリックス(6,8)アレーンの全ての水酸基にイソシアナトプロピルトリエトキシシランのイソシアナト基が付加反応した下記構造のアルコキシシリル化合物であることが確認された。
【0098】
【化53】
Figure 2004149497
【0099】
実施例6[t−アミル,t−ブチル(8)アレーンオクタイソシアナトプロピルトリエトキシシラン付加物の合成例]
【0100】
t−アミル,t−ブチルカリックス(8)アレーン(2CX−3)2.7g(2mmol)、DMOET 50ml、及び酢酸亜鉛無水物0.05g(0.3mmol)を室温で窒素気流下混合撹拌し、そこへIPTES4.0g(16mmol)を注加した。
【0101】
この混合物を還流状態まで加熱昇温させて7時間反応させた後、薄層クロマトグラフィーで原料カリックスアレーンの消失を確認した上で、反応液を室温まで自然冷却し、更に、ポリテトラフルオロエチレン製メンブランフィルターで濾過した。得られた濾液から溶媒を留去し、更に減圧乾燥させることにより、無色粘稠物6.60g(収率99%)を得た。
IR(neat)
1743cm−1(C=O伸縮)、3334cm−1(NHR)
1H NMR(CDCl
δ7.0(br、2H、Ar−H)
δ3.0〜4.9(br、11H、−CONH−及び−NHCH −及びAr−CH −Ar及び−Si(OCH CH
δ0.5〜1.5(m、23H、−C(CH及び−CHC(CH及び−Si(OCH CH 及び−CH CH Si−)
元素分析:
実測値 C 62.10%、H 8.95%、N 3.32%
計算値 C 61.99%、H 8.71%、N 3.36%
Si含有率(原子吸光法)
実測値 7.20%
計算値 6.74%
【0102】
生成物は、t−アミル,t−ブチルカリックス(8)アレーンの全ての水酸基にイソシアナトプロピルトリエトキシシランのイソシアナト基が付加反応した下記構造のアルコキシシリル化合物であることが確認された。
【0103】
【化54】
Figure 2004149497
m及びnはそれぞれ正の整数を示し、m+n=8。
【0104】
実施例7[t−ブチル,t−オクチルカリックス(8)アレーンイソシアナトプロピルトリエトキシシラン50%付加物の合成例]
t−ブチル,t−オクチルカリックス(8)アレーン(2CX−1)4.6g(3mmol)、DMOET70ml、及び酢酸亜鉛無水物0.08g(0.4mmol)を室温で窒素気流下混合撹拌し、そこへIPTES3.0g(12mmol)を注加した。
【0105】
この混合物を還流状態まで加熱昇温させて8時間反応させた後、薄層クロマトグラフィーで原料カリックスアレーンの消失を確認した上で、反応液を室温まで自然冷却し、更に、ポリテトラフルオロエチレン製メンブランフィルターで濾過した。得られた濾液から溶媒を留去し、更に減圧乾燥させることにより、淡黄白色発泡体7.39g(収率98%)を得た。
【0106】
IR、NMR、元素分析、及びSi含有率から、生成物は、OH基の平均50%にIPTESが付加したt−ブチル,t−オクチルカリックス(8)アレーンイソシアナトプロピルトリエトキシシラン付加物であることが確認された。
【0107】
実施例8
実施例1のt−ブチルカリックス(8)アレーン(CX−1)をα、α−ジメチルベンジルカリックス(8)アレーン(CX−9)に代える以外は実施例1と同様の方法で生成物を得た。
【0108】
IR、NMR、元素分析、及びSi含有率から、生成物は、α、α−ジメチルベンジルカリックス(8)アレーンオクタイソシアナトプロピルトリエトキシシラン付加物であることが確認された。
【0109】
実施例9
実施例1のt−ブチルカリックス(8)アレーン(CX−1)をシクロヘキシルカリックス(8)アレーン(CX−10)に代える以外は実施例1と同様の方法で生成物を得た。
【0110】
IR、NMR、元素分析、及びSi含有率から、生成物は、シクロヘキシルカリックス(8)アレーンオクタイソシアナトプロピルトリエトキシシラン付加物であることが確認された。
【0111】
実施例10
実施例1で使用したIPTES(CS−1)をCS−2に代える以外は実施例1と同様の方法で生成物を得た。
【0112】
IR、NMR、元素分析、及びSi含有率から、生成物は、t−ブチルカリックス(8)アレーンオクタイソシアナトプロピルトリメトキシシラン付加物であることが確認された。
【0113】
実施例11
実施例1のIPTES(CS−1)をCS−3に代える以外は実施例1と同様の方法で生成物を得た。
【0114】
IR、NMR、元素分析、及びSi含有率から、生成物は、t−ブチルカリックス(8)アレーンオクタイソシアナトプロピルトリイソプロポキシシラン付加物であった。
【0115】
実施例12乃至21は、カリックスアレーン又はその誘導体のアリルエーテル化物のヒドロシリル化によるアルコキシシリル化合物の合成例である。また、参考例Aは、カリックスアレーンのアリルエーテル化反応の一例である。
【0116】
参考例A(カリックスアレーンのアリルエーテル化[特開2002−88003号(実施例1)])
t−ブチル,t−オクチルカリックス(8)アレーン2.34g(1.54×10−3mol)をトルエン30mlに加えたものに対し、PEG400(平均分子量400のポリエチレングリコール)ジエチルエーテル0.25g(5.5×10−4mol)及びすりつぶした水酸化カリウム2.65g(0.05mol)を加えて窒素気流下で激しく撹拌しながら50℃に昇温させた。そこへ臭化アリル2.78g(0.023mol)を注加し、105℃で2時間反応させた後、薄層クロマトグラフィーで未反応物のないことを確認した。その反応液を外部より冷却して室温とした後、それを100mlの水に注下した。形成されたトルエン層を、塩酸水及び水で順に洗浄した後、分離し、無水硫酸マグネシウムで一夜乾燥させた。これを分離濾過して、濾液をエバポレーションして白色粉末2.56g(収率90.3%)を得た。この白色粉末は、IR及びNMRにより、置換率100%のアリルエーテル化物であることが確認された。
【0117】
実施例12[t−ブチルカリックス(8)アレーンオクタアリルエーテル化物とトリメトキシシラン(TMOSH又はHS−2)の反応例]
参考例Aに準じて合成したt−ブチルカリックス(8)アレーンオクタアリルエーテル化物1.62g(1mmol)、DMOET40ml、及び10wt%塩化白金酸THF溶液0.1g(0.02mmol)を混合して窒素気流下室温で撹拌し、そこへトリメトキシシラン(HS−2)1.08g(8.8mmol)/DMOET20ml溶液を滴下した。
【0118】
この混合物を還流下7.5時間反応させた後、TLC(薄層クロマトグラフィー)で原料のカリックスアリルエーテル化物の消失を確認した上で、室温まで自然放冷させ、更に、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製メンブランフィルターで濾過し、得られた濾液から溶媒を留去して減圧乾燥させることにより、白色発泡体2.37g(収率91%)を得た。
IR(KBr)
1646cm−1(C=C伸縮)の消失、1092cm−1(Si−OR)
NMR(CDCl
δ7.0(br、2H、Ar−H)
δ3.5〜4.5(br、13H、Ar−OCH −及びAr−CH −Ar及び−Si(OCH )、
δ0.5〜1.9(m、13H、−C(CH及び−CH CH Si−)
元素分析:
実測値 C 63.43%、H 8.54%
計算値 C 62.93%、H 8.70%
Si含有率(原子吸光法)
実測値 8.4%
計算値 8.7%
【0119】
生成物はt−ブチルカリックス(8)アレーンの全ての水酸基に3−トリメトキシシリルプロピル基が置換したヒドロシリル化率100%の下記構造のアルコキシシリル化合物であることが確認された。
【0120】
【化55】
Figure 2004149497
【0121】
実施例13[t−ブチル,t−オクチルカリックス(8)アレーンオクタアリルエーテル化物とトリメトキシシラン(TMOSH又はHS−2)の反応例]
参考例Aに準じて合成したt−ブチル,t−オクチルカリックス(8)アレーンオクタアリルエーテル化物1.84g(1mmol)、トルエン40ml、及び10wt%塩化白金酸THF溶液0.1g(0.02mmol)を混合して窒素気流下室温で撹拌し、そこへトリメトキシシラン(HS−2)1.96g(16mmol)/トルエン20ml溶液を滴下した。
【0122】
この混合物を還流下4時間反応させた後、TLCで原料のカリックスアリルエーテル化物の消失を確認した上で、室温まで自然放冷させ、更に、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製メンブランフィルターで濾過し、得られた濾液から溶媒を留去し、減圧乾燥させることにより、無色発泡体2.68g(収率95%)を得た。
IR(KBr)
1646cm−1(C=C伸縮)の消失、1089cm−1(Si−OR)
NMR(CDCl
δ7.0(br、2H、Ar−H)
δ3.5〜4.5(br、13H、Ar−OCH −及びAr−CH −Ar及び−Si(OCH )、δ0.5〜1.9(m、13H(−C(CH及び−CH CH Si−)
元素分析:
実測値 C 67.02%、H 9.66%
計算値 C 66.33%、H 9.23%
Si含有率(原子吸光法)
実測値 7.1%
計算値 7.3%
【0123】
生成物は、t−ブチル,t−オクチルカリックス(8)アレーンの平均87.5%の水酸基に3−トリメトキシシリルプロピル基が置換したアルコキシシリル化合物(ヒドロシリル化率87.5%)であることが確認された。
【0124】
実施例14[t−ブチル,t−オクチルカリックス(8)アレーンオクタアリルエーテル化物とトリメトキシシラン(TMOSH又はHS−2)の反応例]
参考例Aに準じて合成したt−ブチル,t−オクチルカリックス(8)アレーンオクタアリルエーテル化物1.84g(1mmol)、DMOET40ml、及び10wt%塩化白金酸THF溶液0.1g(0.02mmol)を混合して窒素気流下室温で撹拌し、そこへトリメトキシシラン(HS−2)0.98g(8mmol)/DMOET20ml溶液を滴下した。
【0125】
この混合物を還流下3.5時間反応させた後、TLCで原料カリックスアリルエーテル化物の消失を確認した上で、室温まで自然放冷させ、更に、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製メンブランフィルターで濾過し、得られた濾液から溶媒を留去し、減圧乾燥させることにより無色発泡体2.68g(収率95%)を得た。
IR(KBr)
1646cm−1(C=C伸縮)の消失、1089cm−1(Si−OR)
1H−NMR(CDCl
δ6.5〜7.5(br、2H、Ar−H)
δ3.5〜4.5(br、11.5H、Ar−OCH −及びAr−CH −Ar及び−Si(OCH
δ0.5〜2.0(br、16.5H(−C(CH&−CH CH Si−)
元素分析:
実測値 C 67.02%、H 9.66%
計算値 C 67.18%、H 9.21%
Si含有率(原子吸光法)
実測値 7.1%
計算値 6.9%
【0126】
生成物はt−ブチル,t−オクチルカリックス(8)アレーンの水酸基に平均81%の3−トリメトキシシリルプロピル基が置換したアルコキシシリル化合物(ヒドロシリル化率81%)であることが確認された。
【0127】
実施例15[t−ブチルカリックス(8)アレーンオクタアリルエーテル化物とトリエトキシシラン(TEOSH又はHS−1)の反応例]
参考例Aに準じて合成したt−ブチルカリックス(8)アレーンオクタアリルエーテル化物1.62g(1mmol)、DMOET40ml、及び10wt%塩化白金酸THF溶液0.1g(0.02mmol)を混合して窒素気流下室温で撹拌し、そこへトリエトキシシラン(HS−1)2.64g(16mmol)/DMOET 20ml溶液を滴下した。
【0128】
この混合物を還流下4時間反応させた後、TLCで原料カリックスアリルエーテル化物の消失を確認した上で、室温まで自然放冷させ、更に、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製メンブランフィルターで濾過し、得られた濾液から溶媒を留去し、減圧乾燥させることにより、淡黄色粘稠物2.57g(収率87%)を得た。
IR(neat)
1646cm−1(C=C伸縮)の消失、1089cm−1(Si−OR)
NMR(CDCl
δ6.5〜7.5(br、2H、Ar−H)
δ3.5〜4.5(br、10H、Ar−OCH −及びAr−CH −Ar及び−Si(OCH CH
δ0.5〜2.0(br、22H、−C(CH 及び−CH CH Si−及び−Si(OCH CH
【0129】
生成物はt−ブチルカリックス(8)アレーンの全ての水酸基に3−トリエトキシシリルプロピル基が置換したヒドロシリル化率100%のアルコキシシリル化合物であることが確認された。
【0130】
実施例16[t−ブチル,t−オクチルカリックス(8)アレーンオクタアリルエーテル化物とトリエトキシシラン(TEOSH又はHS−1)の反応例]
参考例Aに準じて合成したt−ブチル,t−オクチルカリックス(8)アレーンオクタアリルエーテル化物1.84g(1mmol)、DMOET40ml、及び10wt%塩化白金酸THF溶液0.1g(0.02mmol)を混合して窒素気流下室温で撹拌し、そこへトリエトキシシラン(HS−1)2.64g(16mmol)/DMOET20ml溶液を滴下した。
【0131】
この混合物を還流下3.5時間反応させた後、TLCで原料カリックスアリルエーテル化物の消失を確認した上で、室温まで自然放冷させ、更に、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製メンブランフィルターで濾過し、得られた濾液から溶媒を留去し、減圧乾燥させることにより、淡黄色粘稠物2.8g(収率89%)を得た。
【0132】
IR、NMR、及びSi含有率から、生成物はt−ブチル,t−オクチルカリックス(8)アレーンの全ての水酸基に3−トリエトキシシリルプロピル基が置換したヒドロシリル化率100%の下記構造のアルコキシシリル化合物であることが確認された。
【0133】
【化56】
Figure 2004149497
m及びnはそれぞれ正の整数を示し、m+n=8。
【0134】
実施例17[t−ブチルカリックス(8)アレーンオクタアリルエーテル化物とトリメトキシシラン(TMOSH又はHS−2)の反応例]
実施例12で使用したトリメトキシシラン(HS−2)の使用量を0.81g(6.6mmol)に変えた以外は実施例12と同様に処理したところ、得られた生成物は、IR、NMR、及びSi含有率から、t−ブチルカリックス(8)アレーンの平均75%の水酸基に3−トリメトキシシリルプロピル基が置換したアルコキシシリル化合物(ヒドロシリル化率75%)であることが確認された。
【0135】
実施例18[t−ブチルカリックス(6)アレーンヘキサアリルエーテル化物とトリメトキシシラン(TMOSH又はHS−2)の反応例]
実施例12で使用したt−ブチルカリックス(8)アレーン(CX−1)を、t−ブチルカリックス(6)アレーン(CX−8)に代える以外は実施例12と同様に処理したところ、得られた生成物は、IR、NMR、及びSi含有率から、t−ブチルカリックス(6)アレーンの全ての水酸基に3−トリメトキシシリルプロピル基が置換したヒドロシリル化率100%のアルコキシシリル化合物であることが確認された。
【0136】
実施例19[t−ブチルカリックス(6)アレーンヘキサアリルエーテル化物とトリエトキシシラン(TEOSH又はHS−1)の反応例]
実施例18で使用したヒドロシリル化剤(HS−2)を、TEOSH(HS−1)に代える以外は、実施例18と同様に処理したところ、得られた生成物は、IR、NMR、及びSi含有率から、t−ブチルカリックス(6)アレーンの全ての水酸基に3−トリエトキシシリルプロピル基が置換したヒドロシリル化率100%のアルコキシシリル化合物であることが確認された。
【0137】
実施例20[α、α−ジメチルベンジルカリックス(8)アレーンオクタアリルエーテル化物とトリメトキシシラン(TMOSH又はHS−2)の反応例]
実施例12で使用したt−ブチルカリックス(8)アレーン(CX−1)を、α、α−ジメチルベンジルカリックス(8)アレーン(CX−9)に代える以外は、実施例12と同様に処理したところ、得られた生成物は、IR、NMR、及びSi含有率から、α、α−ジメチルベンジルカリックス(8)アレーンの全ての水酸基に3−トリメトキシシリルプロピル基が置換したヒドロシリル化率100%のアルコキシシリル化合物であることが確認された。
【0138】
実施例21[シクロヘキシルカリックス(8)アレーンオクタアリルエーテル化物とTEOSHの反応例]
実施例12で使用したt−ブチルカリックス(8)アレーン(CX−1)及びヒドロシリル化剤(HS−2)のそれぞれを、シクロヘキシルカリックス(8)アレーン(CX−10)及びHS−1に代える以外は実施例12と同様に処理したところ、得られた生成物は、IR、NMR、及びSi含有率から、シクロヘキシルカリックス(8)アレーンの全ての水酸基に3−トリエトキシシリルプロピル基が置換したヒドロシリル化率100%のアルコキシシリル化合物であることが確認された。
【0139】
実施例22乃至25は、本発明のノボラックアルコキシシリル化合物の合成例である。
【0140】
実施例22[t−ブチル,t−オクチルノボラックイソシアナトプロピルトリエトキシシラン付加物の合成例]
t−ブチル,t−オクチルノボラック[融点85乃至95℃のもの:群栄化学工業社製のPS4900(商品名)]4.0g(2mmol)、1,2−ジエトキシエタン(DMOETと略す)70ml、及び酢酸亜鉛無水物0.05g(0.3mmol)を、室温で窒素気流下混合撹拌し、そこへIPTES6.43g(16mmol)を注加した。
【0141】
この混合物を還流状態まで加熱昇温させて7.5時間反応させた後、薄層クロマトグラフィーで原料ノボラックの消失を確認した上で、反応液を室温まで自然冷却し、更に、ポリテトラフルオロエチレン製メンブランフィルターで濾過した。得られた濾液から溶媒を留去し、更に減圧乾燥させることにより、茶色粘稠物10.0g(収率96%)を得た。
IR(neat)
1716cm−1(C=O伸縮)、3330cm−1(NHR)
1H NMR(CDCl
δ6.5〜7.5(m、2H、aryl−H)
δ5.6(br、1H、−NH−)
δ3.7(m、8H、ArCHAr及び−Si(OCH CH
δ3.2(m、2H、−NHCH −)
δ1.5(m、2H、−CH CHSi−)
δ1.1(m、15H、−C(CH及び−C(CHCHC(CH及び−(OCH CH
δ0.5(m、2H、−CH CH Si−)
元素分析:
実測値 C 60.73%、H 8.98%、N 3.86%
計算値 C 62.95%、H 8.83%、N 3.24%
Si含有率(原子吸光法)
実測値 7.3%
計算値 7.0%
【0142】
生成物は、t−ブチル,t−オクチルノボラックの全ての水酸基にイソシアナトプロピルトリエトキシシランのイソシアナト基が付加反応した下記構造のノボラックアルコキシシリル化合物であることが確認された。
【0143】
【化57】
Figure 2004149497
[R,R及びRは、互いに独立してt−ブチル基又はt−オクチル基であり、nの平均は2.6である。]
【0144】
実施例23[フェノールノボラックオクタイソシアナトプロピルトリエトキシシラン付加物の合成例]
フェノールノボラック[群栄化学工業社製のPSM4326(商品名):OH当量105、軟化点118乃至122℃のもの]4.36g(42mmol)、1,2−ジメトキシエタン(DMOETと略す)50ml、及び酢酸亜鉛無水物0.05g(0.3mmol)を室温で窒素気流下混合撹拌し、そこへIPTES10.29g(mmol)を注加した。
【0145】
この混合物を還流状態まで加熱昇温させ、7.5時間反応させた後、薄層クロマトグラフィーで原料ノボラックの消失を確認した上で、反応液を室温まで自然冷却し、更に、ポリテトラフルオロエチレン製メンブランフィルターで濾過した。得られた濾液から溶媒を留去し、更に減圧乾燥させることにより淡黄色粘稠物15.58g(収率94%)を得た。
IR(KBr)
1716cm−1(C=O伸縮)、3331cm−1(NHR)
1H NMR(CDCl)ppm
δ6.5〜7.5(m、2H、aryl−H)
δ5.5(br、1H、−NH−)
δ3.7(m、8H、ArCHAr及び−Si(OCH CH
δ3.2(m、2H、−NHCH −)
δ1.5(m、2H、−CH CHSi−)
δ1.1(m、9H、−C(CH及び−(OCH CH
δ0.5(m、2H、−CH CH Si−)
元素分析:
実測値 C 57.46%、H 7.92%、N 4.25%
計算値 C 57.59%、H 7.96%、N 3.95%
Si含有率(原子吸光法)
実測値 8.4%
計算値 7.9%
【0146】
生成物は、フェノールノボラックの全ての水酸基にイソシアナトプロピルトリエトキシシランのイソシアナト基が付加反応したフェノールノボラックアルコキシシリル化合物であることが確認された。
【0147】
実施例24[フェノールノボラック全アリルエーテル化物とトリメトキシシラン(TMOSH又はHS−2)の反応例]
参考例Aに準じて合成したフェノールノボラック全アリルエーテル化物4.36g(29mmol)、DMOET40ml、及び10wt%塩化白金酸THF溶液0.1g(0.02mmol)を混合して窒素気流下室温で撹拌し、そこへトリメトキシシラン(HS−2)3.49g(29mmol)/DMOET20ml溶液を滴下した。
【0148】
この混合物を還流下7.5時間反応させた後、TLCで原料カリックスアリルエーテル化物の消失を確認した上で、室温まで自然放冷させ、更に、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製メンブランフィルターで濾過し、得られた濾液から溶媒を留去し、減圧乾燥させることにより淡黄白色粘稠物5.85g(収率75%)を得た。
IR(neat)
1646cm−1(C=C伸縮)の消失、1076cm−1(Si−OR)
NMR(CDCl
δ6.5〜7.2(br、4H、Ar−
δ3.5〜4.0(br、13H、Ar−OCH −及びAr−CH −Ar及び−Si(OCH
δ1.9(m、2H、−CH CH Si−)
δ0.8(m、2H、−CH CHSi−)
【0149】
生成物は、フェノールノボラックの全ての水酸基に3−トリメトキシシリルプロピル基が置換した下記構造のノボラックアルコキシシリル化合物(ヒドロシリル化率100%)であることが確認された。。
【0150】
【化58】
Figure 2004149497
[nの平均は5である。]
【0151】
実施例25[t−オクチル,t−ブチルノボラックアリルエーテル化物とトリメトキシシラン(TMOSH又はHS−2)の反応例]
参考例Aに準じて合成したt−オクチル,t−ブチルノボラック全アリルエーテル化物1.43g(1mmol)、DMOET40ml、及び10wt%塩化白金酸THF溶液0.1g(0.02mmol)を混合して窒素気流下室温で撹拌し、そこへトリメトキシシラン(HS−2)0.88g(7.2mmol)/DMOET20ml溶液を滴下した。
【0152】
この混合物を還流下6時間反応させた後、TLCで原料ノボラックアリルエーテル化物の消失を確認した上で、室温まで自然放冷させ、更に、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製メンブランフィルターで濾過し、得られた濾液から溶媒を留去し、減圧乾燥させることにより透明粘稠物1.5g(収率69%)を得た。
【0153】
得られた生成物は、IR、NMR、及びSi含有率から、t−ブチル,t−オクチルノボラックの全ての水酸基に3−トリメトキシシリルプロピル基が置換したノボラックアルコキシシリル化合物(ヒドロシリル化率100%)であることが確認された。
【0154】
なお、以上の実施例において合成した本発明の全ての化合物が、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の低級アルコールに対し易溶であった。

Claims (6)

  1. 式(1)又は式(2)で表されるアルコキシシリル基含有置換基を、カリックスアレーン又はその誘導体の少なくとも1以上のフェノール性水酸基に導入してなるアルコキシシリル化合物。
    Figure 2004149497
    Figure 2004149497
    [式(1)中、
    及びRは、互いに独立的に、枝分かれを有しない又は有するアルキル基を示し、
    aは正の整数を、bは0又は正の整数をそれぞれ示し、a+b=3であり、
    rは0、1又は2を示す。]
    Figure 2004149497
    Figure 2004149497
    [式(2)中、
    及びRは、互いに独立的に、枝分かれを有しない又は有するアルキル基を示し、
    cは正の整数を、dは0又は正の整数をそれぞれ示し、c+d=3であり、
    sは0、1又は2を示す。]
  2. 式(1)又は式(2)で表されるアルコキシシリル基含有置換基を、フェノール樹脂又はノボラックの少なくとも1以上のフェノール性水酸基に導入してなるアルコキシシリル化合物。
    Figure 2004149497
    Figure 2004149497
    [式(1)中、
    及びRは、互いに独立的に、枝分かれを有しない又は有するアルキル基を示し、
    aは正の整数を、bは0又は正の整数をそれぞれ示し、a+b=3であり、
    rは0、1又は2を示す。]
    Figure 2004149497
    Figure 2004149497
    [式(2)中、
    及びRは、互いに独立的に、枝分かれを有しない又は有するアルキル基を示し、
    cは正の整数を、dは0又は正の整数をそれぞれ示し、c+d=3であり、
    sは0、1又は2を示す。]
  3. カリックスアレーン又はその誘導体が下記の構成単位A及び構成単位Bからなるものである請求項1記載のアルコキシシリル化合物。
    Figure 2004149497
    [構成単位A及び構成単位B中のR及びRは、互いに独立的に、水素原子、枝分かれを有しない若しくは有する炭素数1乃至18のアルキル基、置換基を有しない若しくは有するフェニル基、置換基を有しない若しくは有するアラルキル基、アリサイクリック基、アルコキシ基、又はアシル基を示し、
    構成単位A及び構成単位BにおけるOH基のオルト位に有するメチレン基は、構成単位A又は構成単位BにおけるOH基の未置換オルト位に連結して構成単位A及び構成単位Bによる環構造を形成している。]
  4. フェノール樹脂又はノボラックが下記式で表されるものである請求項2記載のアルコキシシリル化合物。
    Figure 2004149497
    Figure 2004149497
    [式(3)中、
    及びLは、互いに独立的に、水素原子又は−CHR12OH基を示し、
    、R、及びRは、互いに独立的に、水素原子、枝分かれを有しない若しくは有する炭素数1乃至12のアルキル基、置換基を有しない若しくは有するフェニル基、アルコキシ基、アリサイクリック基、アルケニル基、置換基を有しない若しくは有するアラルキル基、又は−CHR12OH基を示し、
    10、R11、及びR12は、互いに独立的に、水素原子、枝分かれを有しない若しくは有する炭素数1乃至12のアルキル基、置換基を有しない若しくは有するフェニル基を示し、
    及びnは正の整数を示し、m+n=2乃至100である。
    但し、式中の各括弧内の構成単位の結合順は規定されない。]
  5. アルコキシシリル基含有置換基の導入率が平均で10乃至100%である請求項1又は3記載のアルコキシシリル化合物。
  6. アルコキシシリル基含有置換基の導入率が平均で10乃至100%である請求項2又は4記載のアルコキシシリル化合物。
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