JP2004149475A - 連結基として1,2−プロパンジイル基を有する化合物とそれを含有す液晶組成物 - Google Patents
連結基として1,2−プロパンジイル基を有する化合物とそれを含有す液晶組成物 Download PDFInfo
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電気光学的表示材料として有用なプロパンジイル基を有する化合物及びこれを用いた液晶組成物、液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子としては、ねじれ構造を有するTN方式やSTN方式が主に使用されてきた。これらの方式に大きな役割をもつ正の誘電率異方性を有する多くの液晶化合物及び液晶組成物が開発されてきた。一方、上記のねじれ構造を有する表示方式の欠点の一つである視野角の狭さを改善する事を目的として、(1)液晶分子を垂直配向させる方法(VA方式;Vertical Alignment方式、特許文献1参照)や、(2)基板とほぼ平行する電界を印加して液晶分子を基板と平行な面内で回転させる方式(IPS方式;In−Plane Switching方式、特許文献2参照)などの表示方式が提案されている。これらの方式には、上記のねじれ構造を有する表示方式の必須化合物とされた正の誘電率異方性を有する液晶化合物及び液晶組成物に代わり、誘電率が負の液晶化合物及び液晶組成物が重要な役割を占めることとなり、誘電率異方性が負の液晶化合物及び液晶組成物の提案が行われてきた(特許文献3参照)。
一方プロパンジイル基を有する化合物は広い温度範囲で液晶相を持ち、他の液晶との相溶性に優れるため、TN方式やSTN方式に使用される大きな正の誘電率異方性を持つ化合物として開発されてきた(特許文献4、5、6及び7参照)。これらの特徴としては分子長軸に対して分子分極方向の傾きが少ないことが挙げられる。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−176625号公報
【特許文献2】
特開平5−505247号公報
【特許文献3】
特開平2−4725公報等
【特許文献4】
特開平8−157396(10項、実施例1)
【特許文献5】
特開平9−30995
【特許文献6】
特開平9−30997
【特許文献7】
特開平9−12485等
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、Δεが負であってその絶対値を低下させることなく、液晶相下限温度を低減する材料を提供することである。さらに、これを用いたΔεが負の液晶組成物を提供しこれを用いた優れた表示品位を有する液晶表示素子を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、一般式(I)
【化5】
(式中R1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜15のアルキル基、炭素原子数1〜15のアルコキシル基、炭素原子数2〜15のアルケニル基、炭素原子数2〜15のアルコキシアルキル基または炭素原子数3〜15のアルケニルオキシ基を表し、mは1又は2を表す。) で表される化合物を提供し、一般式(I)で表される化合物を含有し一般式(II−1)、(II−2)、(II−3)、(II−4)及び(II−5)
【0006】
【化6】
(式中、R3及びR4は、それぞれ独立的に炭素数1〜15のアルキル基又は炭素数2〜15のアルケニル基を表し、この基は非置換もしくは置換基として少なくとも1個のハロゲンを有しており、そしてこれらの基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基はそれぞれ独立して酸素原子が相互に直接結合しないものとして酸素原子又は硫黄原子により置き換えられても良い
【0007】
A1及びA2はそれぞれ独立して、
(a) 1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基又は2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基(この基中に存在する炭素原子は窒素原子により置き換えられていても良いが、窒素原子が隣接することはない)
(b) トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基もしくは隣接していない2個以上のメチレン基は酸素原子及び/又は硫黄原子に置き換えられてもよい)
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、3−フルオロナフタレン−2,6−ジイル基、4−フルオロナフタレン−2,6−ジイル基、5−フルオロナフタレン−2,6−ジイル基、3,4−ジフルオロナフタレン−2,6−ジイル基、3,5−ジフルオロナフタレン−2,6−ジイル基、4,5−ジフルオロナフタレン−2,6−ジイル基、3,4,5−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、7−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、7,8−ジフルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表し、
n及びplはそれぞれ独立して0、1又は2を表し、
L1及びL2はそれぞれ独立的に−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH2)4−、−CH=CH−CH2CH2−、−CH2CH2−CH=CH−、−CH=N−N=CH2− 又は単結合を表し、
A1、A2、L1及びL2が複数存在する場合はそれらは同一でも良く異なっていても良い。
n及びpは、それぞれ独立的に0、1、2の何れかの自然数を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有し、誘電率異方性(Δε)が負であってその絶対値が1以上であることを特徴とする液晶組成物かつ一般式(III)
【0008】
【化7】
(式中、R5、R6は炭素原子数1〜8のアルキル基もしくはアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基を表し、A3は
【0009】
(a) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する炭素原子は窒素原子により置き換えられていても良いが、窒素原子が隣接することはない)
(b) トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基もしくは隣接していない2個以上のメチレン基は酸素原子及び/又は硫黄原子に置き換えられてもよい)
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表し、L3は−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH2)4−、−CH=CH−CH2CH2−、−CH2CH2−CH=CH−、−CH=N−N=CH2− 又は単結合を表し、qは1〜4の自然数を表し、A3及びL3が複数存在する場合は同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物を1種又は2種以上を含有することを特徴とする液晶組成物およびそれを用いた液晶表示素子を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一例について説明する。なお以下「%」は『質量%』を意味する。
一般式(I)
【化8】
で表される1,2−プロパンジイル基を有する液晶性化合物において、R1、R2はそれぞれ独立的に炭素原子数1〜15の直鎖状,分岐状または環状部を含んでよいアルキル基、アルコキシル基、または炭素原子数2〜15の直鎖状,分岐状または環状部を含んでよいアルコキシルアルキル基、アルケニル基またはアルケニルオキシ基が好ましく、さらに炭素原子数1〜7の直鎖アルキル基、アルコキシル基、アルコキシルアルキル基、アルケニル基またはアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜7の直鎖アルキル基またはアルケニル基が特に好ましく、またΔεを大きな絶対値の負の値とするには、R2は炭素原子数1〜7の直鎖アルコキシル基が好ましく、低粘度を要求される際にはR2は炭素原子数1〜7の直鎖アルキル基が好ましい。mは低粘度を要求される際には1が好ましく、高い温度まで広い液晶温度範囲が求められる際には2が好ましい。
【0011】
一般式(I)において、mの選択によって一般式(Ia)および(Ib)
【化9】
(式中、R1およびR2は一般式(I)におけると同じ意味を表す。)を包含する。
【0012】
一般式(Ia)で表される化合物の製造
(i) R1及びR2が水素原子、アルキル基又はアルコキシル基の場合1
一般式(IVa)
【化10】
(式中、R2は一般式(I)におけると同じ意味を表し、Xは塩素、臭素またはヨウ素等のハロゲン原子を表すが、好ましくは臭素原子を表す。)で表される化合物をマグネシウムと反応させてグリニヤール反応剤とするか、あるいはブチルリチウム等のアルキルリチウムによりリチオ化して有機金属反応剤とし、これを一般式(Va)
【0013】
【化11】
(式中、R1は一般式(I)におけると同じ意味を表す。)で表されるケトンと反応させ、得られた一般式(VIa)
【0014】
【化12】
(式中、R1およびR2は一般式(I)におけると同じ意味を表す。)で表されるアルコールを酸触媒存在下に脱水させて、一般式(VIIa)〜(VIIc)
【0015】
【化13】
(式中、R1およびR2は一般式(I)におけると同じ意味を表す。)で表される化合物を得る。これを接触還元し、必要に応じて1,4−シクロヘキシレン環をトランスに異性化し、カラムクロマトグラフィーや再結晶等で目的物を分離することにより一般式(Ia)で表される化合物を製造することができる。
【0016】
(ii) R2がアルケニル基を含む場合
(i)において一般式(IVa)に換えて一般式(IVb)
【化14】
(式中、Xは一般式(IVa)におけると同じ意味を表す。)で表される化合物を用い、酸触媒存在下に脱水させ、必要に応じて再アセタール化し、接触還元した後、脱アセタール化することにより一般式(VIIIa)
【0017】
【化15】
(式中、R1は一般式(I)におけると同じ意味を表す。)で表される化合物を得る。これに式(IXa)
【化16】
で表されるウィッティヒ反応剤を反応させることによりR2がビニル基である化合物を製造することができる。
【0018】
また、一般式(VIIIa)に式(IXb)
【化17】
のウィッティヒ反応剤をさらに2回反応させ、次いで式(IXa)のウィッティヒ反応剤を反応させることにより、R2が3−ブテニル基である化合物を製造することができる。
【0019】
(iii) R1がアルケニル基を含む場合
(i)において一般式(Va)に換えて一般式(Vb)
【化18】
【0020】
で表される化合物を用い、酸触媒存在下に脱水させ、必要に応じて再アセタール化し、接触還元した後、脱アセタール化することにより式(VIIIb)
【0021】
【化19】
(式中、R2は一般式(I)におけると同じ意味を表す。)で表されるシクロヘキサノン誘導体を得る。これに式(IXb)で表されるウィッティヒ反応剤を反応させた後、脱保護、異性化することにより一般式(Xa)
【0022】
【化20】
(式中、R2は一般式(I)におけると同じ意味を表す。)で表されるシクロヘキサンカルバルデヒド誘導体を得る。これに式(IXa)で表されるウィッティヒ反応剤を反応させることによりビニル基である化合物を製造することができる。また、一般式(Xa)に式(IXb)で表されるウィッティヒ反応剤をさらに2回反応させ、次いで式(IXa)のウィッティヒ反応剤を反応させることにより、R1が3−ブテニル基である化合物を製造することができる。
【0023】
さらに一般式(Va)に換えて一般式(Vc)または(Vd)
【化21】
(式中、R1は一般式(I)におけると同じ意味を表す。)で表される化合物等を用いることにより一般式(Ib)で表される化合物を製造することができる。
【0024】
(iv) R1及びR2が水素原子、アルキル基又はアルコキシル基の場合2
(iii)において一般式(Va)に換えて、一般式(Vc)
【化22】
(式中、R1は一般式(I)におけると同じ意味を表す。)で表される化合物をグリニヤール反応剤、あるいはその他の有機金属反応剤と反応させ、次いで得られたアルコールを酸化し、
【0025】
一般式(XIa)
【化23】
(式中、R1およびR2は一般式(I)におけると同じ意味を表す。)で表されるケトンとした後、式(IXa)で表されるウィッティヒ反応剤を反応させ、さらに還元して一般式(Ia)で表される化合物を製造することができる。
【0026】
(v) R1及びR2にアルケニル基を含む場合
一般式(VIa)を一般式(XIIa)
【化24】
(式中、R1およびR2は一般式(I)におけると同じ意味を表し、YはC(=S)C6H5、C(=S)SCH3、C(=S)OC6H5等を表す。)で表されるエステルとした後、(n−Bu)3SnH等で還元するかまたは、式(IXa)で表されるアルコール体をトリエチルシラン等のヒドロシランにより還元して一般式(Ia)で表される化合物を製造することができる。
【0027】
一般式(I)で表される化合物の内、以上の製法の記載に直接含まれない化合物についても、これらの製法又は公知技術、あるいはその組み合わせにより製造することができる。
【0028】
本発明の液晶組成物の誘電率異方性は、負であって絶対値が1以上が好ましく、負であって絶対値が2以上がより好ましい。また、一般式(I)
【化25】
(式中R1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜15のアルキル基、炭素原子数1〜15のアルコキシル基、炭素原子数2〜15のアルケニル基、炭素原子数2〜15のアルコキシアルキル基または炭素原子数3〜15のアルケニルオキシ基を表し、mは1又は2を表す。) で表される化合物を5%〜90%含有し、一般式(II−1)、(II−2)、(II−3)、(II−4)及び(II−5)
【0029】
【化26】
(式中、R3及びR4は、それぞれ独立的に炭素数1〜15のアルキル基又は炭素数2〜15のアルケニル基を表し、この基は非置換もしくは置換基として少なくとも1個のハロゲンを有しており、そしてこれらの基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基はそれぞれ独立して酸素原子が相互に直接結合しないものとして酸素原子又は硫黄原子により置き換えられても良い
【0030】
A1及びA2はそれぞれ独立して、
(a) 1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基又は2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基(この基中に存在する炭素原子は窒素原子により置き換えられていても良いが、窒素原子が隣接することはない)
(b) トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基もしくは隣接していない2個以上のメチレン基は酸素原子及び/又は硫黄原子に置き換えられてもよい)
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、3−フルオロナフタレン−2,6−ジイル基、4−フルオロナフタレン−2,6−ジイル基、5−フルオロナフタレン−2,6−ジイル基、3,4−ジフルオロナフタレン−2,6−ジイル基、3,5−ジフルオロナフタレン−2,6−ジイル基、4,5−ジフルオロナフタレン−2,6−ジイル基、3,4,5−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、7−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、7,8−ジフルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表し、
n及びplはそれぞれ独立して0、1又は2を表し、
L1及びL2はそれぞれ独立的に−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH2)4−、−CH=CH−CH2CH2−、−CH2CH2−CH=CH−、−CH=N−N=CH2− 又は単結合を表し、
A1、A2、L1及びL2が複数存在する場合はそれらは同一でも良く異なっていても良い。
n及びpは、それぞれ独立的に0、1、2の何れかの自然数を表す。)で表される化合物を0%〜90%含有し、一般式(III)
【0031】
【化27】
(式中、R5、R6は炭素原子数1〜8のアルキル基もしくはアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基を表し、A3は(a) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する炭素原子は窒素原子により置き換えられていても良いが、窒素原子が隣接することはない)
(b) トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基もしくは隣接していない2個以上のメチレン基は酸素原子及び/又は硫黄原子に置き換えられてもよい)
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表し、L3は−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH2)4−、−CH=CH−CH2CH2−、−CH2CH2−CH=CH−、−CH=N−N=CH2− 又は単結合を表し、qは1〜4の自然数を表し、A3及びL3が複数存在する場合は同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物を5%〜90%含有することが好ましく、一般式(I)の化合物を5%〜50%含有し、一般式(II)の化合物を5%〜50%含有し、一般式(III)の化合物を5%〜50%含有することがさらに好ましい。
【0032】
一般式(II)の化合物としては、R3及びR4は、それぞれ独立的に炭素数1〜7のアルキル基又は炭素数2〜7のアルケニル基で、これらの基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基はそれぞれ独立して酸素原子が相互に直接結合しないものとして酸素原子又は硫黄原子により置き換えられても良いが好ましく、直鎖の炭素数1〜7のアルキル基又はアルコキシル基、または炭素数2〜7のアルケニル基またはアルケニルオキシ基が特に好ましく、アルケニル基としては
【化28】
【0033】
が特に好ましく、A1及びA2はそれぞれ独立して、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロへキシレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、3−フルオロナフタレン−2,6−ジイル基、4−フルオロナフタレン−2,6−ジイル基、5−フルオロナフタレン−2,6−ジイル基、3,4−ジフルオロナフタレン−2,6−ジイル基、3,5−ジフルオロナフタレン−2,6−ジイル基、4,5−ジフルオロナフタレン−2,6−ジイル基、3,4,5−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、7−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、7,8−ジフルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基が好ましく、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロへキシレン基、5−フルオロナフタレン−2,6−ジイル基、3,4−ジフルオロナフタレン−2,6−ジイル基、3,4,5−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、7−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、7,8−ジフルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基がさらに好ましく、L1及びL2はそれぞれ独立的に−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH2)4−、−CH=CH−CH2CH2−、−CH2CH2−CH=CH−、−CH=N−N=CH2− 又は単結合が好ましく、−COO−、−OCO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2CH2−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH2)4−又は単結合がさらに好ましく、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−C≡C−又は単結合が特に好ましく、n及びpは、それぞれ独立的に0、1、2の何れかの自然数を表すが、n + p ≦ 4 が好ましく、n + p ≦ 3 がさらに好ましく、mは低粘度を要求される際には n + p ≦ 2 が好ましく、高い温度まで広い液晶温度範囲が求められる際には n + p ≦ 3 が好ましい。
【0034】
一般式(III)の化合物としては、R5、R6は炭素原子数1〜8のアルキル基もしくはアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基が好ましく、
炭素原子数1〜7のアルキル基もしくはアルコキシル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、炭素原子数3〜5のアルケニルオキシ基がさらに好ましく、アルケニル基としては
【0035】
【化29】
【0036】
が特に好ましく、A3は1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロへキシレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基が好ましく、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロへキシレン基が特に好ましく、qは1〜4の自然数が好ましく、2〜4の自然数がさらに好ましい。
【0037】
本発明の液晶組成物は、一般式(I)で表される化合物を含有するため、一般式(I)の化合物が有する負の誘電率を効率的に用いてVA等の表示方式に使用したときに低電圧駆動を可能とする。また、他の液晶化合物との相溶性に優れるため、大量使用して駆動電圧を低下させることができ、更に大量使用でも低温での液晶相が損なわれず、幅広い温度範囲で使用される液晶表示素子用として使用することができる。
【0038】
本発明の液晶組成物は、負のΔεを持つ液晶組成物を使用する液晶表示素子に使用可能であるが、VA液晶表示素子、IPS液晶表示素子用として用いることが好ましい。
【0039】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
【0040】
実施例中、測定した特性は以下の通りである。
TN−I :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
T−N :ネマチック相下限温度(℃)
Δε :誘電異方性
Δn :屈折率異方性
【0041】
ここで、化合物記載に下記の略号を使用する。
末端の−n(数字) CnH2n+1− −CnH2n+1
末端の−On(数字) CnH2n+1O− −OCnH2n+1
−mdn −(CH2)m−C=C−CnHn+1
ndm− CnHn+1−C=C−(CH2)m−
【化30】
【0042】
(実施例1)トランス−4−[1−メチル−2−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)エチル]−2,3−ジフルオロ−4−エトキシベンゼンの合成
【化31】
【0043】
3 Lの反応容器(N2置換、メカニカルスターラー、温度計、ジムロート冷却器)にマグネシウムを10.7gおよびテトラヒドロフラン(THF) 20 mLを加え、撹拌しながら1−(ブロモメチル)−4−プロピル−2,3−ジフルオロベンゼン100 gのテトラヒドロフラン(THF)400 mL溶液を滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌した後、トランス−4−プロピルシクロヘキシルカルバルデヒド68.1gのTHF280 mL溶液を滴下した。水100 mLを加え反応を停止し、ヘキサン100 mLを加え、有機相を分液し、有機相をさらに水200 mLで2回洗浄し、さらに飽和食塩水200 mLで洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥させた。溶媒溜去後127 gのアルコール体が得られた。3 Lの反応容器(N2置換、メカニカルスターラー、温度計、ジムロート冷却器)に、得られたアルコール体全量と酢酸500 mLを加え、氷冷下次亜塩素酸ナトリウム水溶液200 gを滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌した後、水300 mLおよびトルエン500 mLを加え、有機相を分液し、有機相をさらに水200 mLで2回洗浄し、さらに飽和食塩水200 mLで洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥させた。溶媒溜去後114 gのケトン体が得られた。
【0044】
氷冷下THF中で臭化メチルトリフェニルホスホニウム及びt−ブトキシカリウムからウィッティヒ反応剤を調製し、これに得られたケトン体の全量をTHF300 mLに溶解し5℃で滴下した。1時間反応させた後、室温に戻し、水を加え、有機層を濃縮した。ヘキサンを加えて溶解し、不溶のトリフェニルホスフィンオキシドを濾別後、メタノール/水=1/1の混合溶媒で洗浄した。ヘキサン層を濃縮して得られた粗生成物98 g、酢酸エチル300mL及びパラジウム−カーボン(パラジウム5質量%含有、50%含水物)20 gを2 Lのオートクレーブに加え、水素圧0.5 MPaに加圧した。4時間撹拌した後、触媒を濾過し、得られたろ液を減圧乾燥し、粗結晶72 gを得た。得られた全量をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)で精製し、さらにエタノールから再結晶させて63 gの精製物を得た。
1H−NMR(60MHz、CDCl3)
σ0.9(9H), 1.2−1.6(14H), 2.8(3H), 7.0−7.4(2H)
MS m/z 322 (M+)
【0045】
同様にして以下の化合物を得る。
1−A−1、1−A−2、1−A−3、1−A−4、2−A−1、2−A−2、2−A−3、2−A−4、3−A−1、3−A−2、3−A−3、3−A−4、4−A−1、4−A−2、4−A−3、4−A−4、1O−A−O1、1O−A−O2、1O−A−O3、1O−A−O4、2O−A−O1、2O−A−O2、2O−A−O3、2O−A−O4、3O−A−O1、3O−A−O2、3O−A−O3、3O−A−O4、4O−A−O1、4O−A−O2、4O−A−O3、4O−A−O4、1−A−O1、1−A−O2、1−A−O3、1−A−O4、2−A−O1、2−A−O2、2−A−O3、2−A−O4、3−A−O1、3−A−O2、3−A−O3、3−A−O4、4−A−O1、4−A−O2、4−A−O3、4−A−O4、1O−A−1、1O−A−2、1O−A−3、1O−A−4、2O−A−1、2O−A−2、2O−A−3、2O−A−4、3O−A−1、3O−A−2、3O−A−3、3O−A−4、4O−A−1、4O−A−2、4O−A−3、4O−A−4
【0046】
(実施例2)トランス−4−[1−メチル−2−(トランス−4−ビニルシクロヘキシル)エチル]−2,3−ジフルオロ−4−エトキシベンゼンの合成
【化32】
【0047】
(実施例1)において1−(ブロモメチル)−4−プロピル−2,3−ジフルオロベンゼンに換え、1−(ブロモメチル)−4−メトキシ−2,3−ジフルオロベンゼンを用いた他は同様にして、グリニヤール反応を行った後、酸化、ウィッティヒ反応、水添した後、蟻酸を加え加熱撹拌し、脱保護させた。冷却後、水を加え、分離したトルエン層を洗浄後、溶媒を溜去した。これをトルエン及びTHFの混合溶媒に溶解して冷却し、臭化メトキシメチルトリフェニルホスホニウムとt−ブトキシカリウムから調製したウィッティヒ反応剤を加えた。室温に戻し、水及びヘキサンを加え、ヘキサン層から不溶物を濾別後、水/メタノール混合溶媒で洗浄した。溶媒を溜去後、THFに溶解し、稀塩酸を加え、1時間加熱還流させた。冷却後水を加え、酢酸エチルで抽出した。溶媒を溜去後、エタノールに溶解し、20%水酸化ナトリウム水溶液を加え、室温で撹拌させた。水を加え、トルエンで抽出し、洗浄、乾燥した後、溶媒を溜去した。これをTHFに溶解し、ヨウ化エチルトリフェニルホスホニウムとt−ブトキシカリウムから調製したウィッティヒ反応剤を加えた。室温に戻し、水及びヘキサンを加え、ヘキサン層から不溶物を濾別後、水/メタノール混合溶媒で洗浄した。トルエンに溶解し、ベンゼンスルフィン酸ナトリウムおよび20% HCl加え激しく撹拌しながら加熱還流した後、室温まで冷却し、有機層を分取した。水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水それぞれ100 mLで順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムにより脱水した。乾燥後、溶媒を溜去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)で精製した後、エタノールから2回再結晶を行い、トランス−4−[1−メチル−2−(トランス−4−ビニルシクロヘキシル)エチル]−2,3−ジフルオロ−4−エトキシベンゼンの結晶を得た。
1H−NMR(60MHz、CDCl3)
σ0.9(6H), 1.2−1.6(8H), 2.8(4H),4.9(2H), 7.0−7.4(2H)
MS m/z 308 (M+)
【0048】
同様にして以下の化合物を得る。
0d0−A−1、0d0−A−2、0d0−A−3、0d0−A−4、0d2−A−1、0d2−A−2、0d2−A−3、0d2−A−4、1d1−A−1、1d1−A−2、1d1−A−3、1d1−A−4、1d2−A−1、1d2−A−2、1d2−A−3、1d2−A−4、3d0−A−1、3d0−A−2、3d0−A−3、3d0−A−40d0−A−O1、0d0−A−O2、0d0−A−O3、0d0−A−O4、0d2−A−O1、0d2−A−O2、0d2−A−O3、0d2−A−O4、1d1−A−O1、1d1−A−O2、1d1−A−O3、1d1−A−O4、1d2−A−O1、1d2−A−O2、1d2−A−O3、1d2−A−O4、3d0−A−O1、3d0−A−O2、3d0−A−O3、3d0−A−O4
【0049】
(実施例3)トランス−4−[1−メチル−2−(トランス−4−ビニルシクロヘキシル)エチル]−2,3−ジフルオロ−4−ビニルベンゼンの合成
【化33】
【0050】
100 mLの反応容器(N2置換、マグネチックスターラー、温度計、ジムロート冷却器)中、アルコール体((実施例2)の1−(ブロモメチル)−4−プロピル−2,3−ジフルオロベンゼンに換えて1−(ブロモメチル)−4−ビニル−2,3−ジフルオロベンゼンを用いることにより得られる。)22 gをTHF100 mL、二硫化炭素20 mLおよびヘキサメチルホスホリックトリアミド18 mLの混合溶媒に溶解し、水素化ナトリウム3.9 g、イミダゾール1.2 gとともに30時間加熱還流した後、ジメチル硫酸10 mL加え30分間加熱還流させた。酢酸10 mLを加えた後、水30 mLおよびトルエン50 mLを加え、有機相を分液し、有機相をさらに水30 mLで2回洗浄し、さらに飽和食塩水30 mLで洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥させた。溶媒溜去後9 gのジチオカルボナートが得られた。
【0051】
得られた全量を1 Lの反応容器(N2置換、マグネチックスターラー、温度計、ジムロート冷却器)トルエン200 mLに溶解し、12 g の(n−C4H9)3SnHをトルエン300 mLに溶解し滴下した。さらに4時間加熱還流した後、水300 mLを加え、有機相を分液し、有機相をさらに水200 mLで2回洗浄し、さらに飽和食塩水200 mLで洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥させた。溶媒溜去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)で精製し、さらにエタノールから再結晶させて3gのトランス−4−[1−メチル−2−(トランス−4−ビニルシクロヘキシル)エチル]−2,3−ジフルオロ−4−ビニルベンゼンの白色結晶を得た。
1H−NMR (60MHz、CDCl3)
σ0.9(3H),1.2(1H), 1.6(1H), 4.9(4H), 6.7(2H), 7.0−7.4(2H)
MS m/z 290 (M+)
【0052】
同様にして以下の化合物を得る。
1−A−0d0、1−A−2d0、1−A−2d1、1−A−0d3、1−A−1d1、2−A−0d0、2−A−2d0、2−A−2d1、2−A−0d3、2−A−1d1、3−A−0d0、3−A−2d0、3−A−2d1、3−A−0d3、3−A−1d1、4−A−0d0、4−A−2d0、4−A−2d1、4−A−0d3、4−A−1d1、1O−A−0d0、1O−A−2d0、1O−A−2d1、1O−A−0d3、1O−A−1d1、2O−A−0d0、2O−A−2d0、2O−A−2d1、2O−A−0d3、2O−A−1d1、3O−A−0d0、3O−A−2d0、3O−A−2d1、3O−A−0d3、3O−A−1d1、4O−A−0d0、4O−A−2d0、4O−A−2d1、4O−A−0d3、4O−A−1d1、0d0−A−0d0、0d0−A−2d0、0d0−A−2d1、0d0−A−0d3、0d0−A−1d1、0d2−A−0d0、0d2−A−2d0、0d2−A−2d1、0d2−A−0d3、0d2−A−1d1、1d2−A−0d0、1d2−A−2d0、1d2−A−2d1、1d2−A−0d3、1d2−A−1d1、3d0−A−0d0、3d0−A−2d0、3d0−A−2d1、3d0−A−0d3、3d0−A−1d1、1d1−A−0d0、1d1−A−2d0、1d1−A−2d1、1d1−A−0d3、1d1−A−1d1
【0053】
(実施例4、比較例1)
以下に示すネマチック液晶組成物(実施例4)
【化34】
【0054】
を調製した。また、比較例1として以下の液晶組成物を調整した。
【化35】
【0055】
これらの液晶組成物の諸特性を測定した結果を表1に示す。
【表1】
【0056】
表1に示すように、実施例4の液晶組成物は、特に低温側の広い温度範囲でネマチック相を示し、Δεの値は−2.8と大きな絶対値の負の値を示した。比較例1の組成物と比較すると、同等のTN−I、Δε、Δnを有するにもかかわらず、T−Nが低く液晶相温度範囲を広げていることが解る。
【0057】
ここで作製した組成物を用いて、電圧保持率を測定したところ80℃で99%と高い値を示し、優れた表示特性を示す液晶表示装置を作成することができた。
【0058】
(実施例5、比較例2)
以下に示すネマチック液晶組成物(実施例5)
【化36】
【0059】
を調製した。また、比較例2として以下の液晶組成物を調整した。
【化37】
【0060】
これらの液晶組成物の諸特性を測定した結果を表2に示す。
【表2】
【0061】
表2に示すように、実施例5の液晶組成物もまた、特に低温側の広い温度範囲でネマチック相を示し、Δεの値は−4.4と大きな絶対値の負の値を示した。また比較例2の組成物と同等のTN−I、Δε、Δnを有するにもかかわらず、T−Nが低く液晶相温度範囲を広げていることが解る。
【0062】
ここで作製した組成物を用いて、電圧保持率を測定したところ80℃で99%と高い値を示し、優れた表示特性を示す液晶表示装置を作成することができた。
【0063】
【発明の効果】
本発明の、連結基として1,2−プロパンジイル基を有する化合物は、液晶組成物への添加によりΔεが負であってその絶対値を低下することなく液晶相下限温度を低減する効果を有する。これを用いたΔεが負の液晶組成物は、低温安定性に優れるため幅広い温度領域で使用可能であり、これを用いた液晶表示素子は優れた表示品位を有する。又、この液晶組成物は保持率に優れることから、アクティブマトリックス用の液晶組成物としても有用である。
Claims (14)
- 一般式(I)においてmが2を表す請求項1記載の化合物。
- 一般式(I)
A1及びA2はそれぞれ独立して、
(a) 1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基又は2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基(この基中に存在する炭素原子は窒素原子により置き換えられていても良いが、窒素原子が隣接することはない)
(b) トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基もしくは隣接していない2個以上のメチレン基は酸素原子及び/又は硫黄原子に置き換えられてもよい)
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、3−フルオロナフタレン−2,6−ジイル基、4−フルオロナフタレン−2,6−ジイル基、5−フルオロナフタレン−2,6−ジイル基、3,4−ジフルオロナフタレン−2,6−ジイル基、3,5−ジフルオロナフタレン−2,6−ジイル基、4,5−ジフルオロナフタレン−2,6−ジイル基、3,4,5−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、7−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、7,8−ジフルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表し、
n及びplはそれぞれ独立して0、1又は2を表し、
L1及びL2はそれぞれ独立的に−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH2)4−、−CH=CH−CH2CH2−、−CH2CH2−CH=CH−、−CH=N−N=CH2− 又は単結合を表し、
A1、A2、L1及びL2が複数存在する場合はそれらは同一でも良く異なっていても良い。
n及びpは、それぞれ独立的に0、1、2の何れかの自然数を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有し、誘電率異方性(Δε)が負であってその絶対値が1以上であることを特徴とする液晶組成物。 - 一般式(I)の化合物の含有率が5〜50質量%の範囲であり、一般式(II−1)、(II−2)、(II−3)、(II−4)及び(II−5)の化合物の含有率の合計が5〜90質量%の範囲である請求項3記載の液晶組成物。
- 一般式(I)の化合物を1種〜4種含有し、一般式(II−1)、(II−2)、(II−3)、(II−4)及び(II−5)の化合物を1種〜10種含有する請求項4記載の液晶組成物。
- 一般式(III)
(a) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する炭素原子は窒素原子により置き換えられていても良いが、窒素原子が隣接することはない)
(b) トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基もしくは隣接していない2個以上のメチレン基は酸素原子及び/又は硫黄原子に置き換えられてもよい)
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表し、L3は−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH2)4−、−CH=CH−CH2CH2−、−CH2CH2−CH=CH−、−CH=N−N=CH2− 又は単結合を表し、qは1〜4の自然数を表し、A3及びL3が複数存在する場合は同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物を1種又は2種以上を含有する請求項3記載の液晶組成物。 - 一般式(I)の化合物の含有率が5〜50質量%の範囲であり、一般式(II−1)、(II−2)、(II−3)、(II−4)及び(II−5)の化合物の含有率の合計が5〜90質量%の範囲であり、一般式(III)の化合物の含有率が5〜80質量%の範囲である請求項6記載の液晶組成物。
- 一般式(I)の化合物を1種〜4種含有し、一般式(II−1)、(II−2)、(II−3)、(II−4)及び(II−5)の化合物を1種〜10種含有し、一般式(III)の化合物を1種〜10種含有する請求項7記載の液晶組成物。
- 一般式(I)において、R1及びR2がそれぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基又は炭素数3〜8のアルケニルオキシ基を表し、mが2を表す請求項3〜8の何れかに記載の液晶組成物。
- 一般式(II−1)、(II−2)、(II−3)、(II−4)及び(II−5)において、A1及びA2がそれぞれ独立して1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロへキシレン基を表す請求項3〜9の何れかに記載の液晶組成物。
- 一般式(III)において、A3及びA4がそれぞれ独立して1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロへキシレン基を表す請求項3〜10の何れかに記載の液晶組成物。
- 請求項3〜11の何れかに記載の液晶組成物を用いた液晶表示素子。
- 請求項3〜11の何れかに記載の液晶組成物を用いたアクティブマトリックス(AM)液晶表示素子。
- 請求項3〜11の何れかに記載の液晶組成物を用いたIPSモード又はVAモードの液晶表示素子。
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