JP2004149304A - 車椅子用踏段付きエスカレータ - Google Patents

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Koji Sugiura
耕二 杉浦
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Abstract

【課題】暗い場所に設置されたこの種のエスカレータでも車椅子に乗った乗客に不安を与えることのない、エスカレータを提供すること。
【解決手段】回転移動する複数の踏段を有し、車椅子モードのとき、そのうちの複数個の前記踏段11a,11b,11cが水平に並置され、車椅子を乗せることが可能な車椅子踏段付きエスカレータであって、車椅子モード時に前記水平に並置される踏段上面に注意灯12a,12b,12c(冷陰極蛍光ランプ)を備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車椅子用踏段付きエスカレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、一般の態様で用いられているエスカレータに車椅子に乗った乗客を乗せる必要がでてきたときには、その踏段を進行方向に例えば3つ水平に並置してスペースを取り、この上に車椅子を乗せるようにしたエスカレータが、従来から知られている。
【0003】
この種のエスカレータでは、乗客の注意を喚起するため車椅子を乗せる踏段上面に黄色の塗装などを行っている。
【0004】
上記のようなエスカレータを通常の態様で使用している場合にはそれほど問題はないが、車椅子を乗客と共に乗せる場合には、暗いと車椅子乗客に不安を与えることもあり、踏段上面に警告色を塗っていても、乗客の不安を除去するには十分ではなかった。
【0005】
なお、照明装置の光源として冷陰極管を用いるエスカレータも知られている(特許文献1参照)が、一般のエスカレータでしかも踏段の一部のみを照らす局部的な照明であって、車椅子用踏段付きエスカレータでなく、また乗客の注意を喚起するものではなかった。
【0006】
【特許文献1】
・特開平11−193193(段落[0008]、図3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような車椅子用踏段付きエスカレータの問題点に鑑みてなされたもので、暗い場所に設置されたこの種のエスカレータでも車椅子に乗った乗客に不安を与えることのない、エスカレータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1によれば、回転移動する複数の踏段を有し、少なくとも車椅子モードのとき、そのうちの複数個の前記踏段が水平に並置され、車椅子を乗せることが可能な車椅子踏段付きエスカレータであって、車椅子モード時に前記水平に並置される踏段上面に冷陰極蛍光ランプを備えることを特徴とする車椅子用踏段付きエスカレータを提供する。
【0009】
本発明の請求項2によれば、回転移動する複数の踏段を有し、少なくとも車椅子モードのとき、そのうちの複数個の前記踏段が水平に並置され、車椅子を乗せることが可能な車椅子踏段付きエスカレータであって、前記踏段のすべての外縁部に冷陰極蛍光ランプを備え、前記踏段の移動方向に応じて前記冷陰極蛍光ランプが点滅移動することを特徴とする車椅子用踏段付きエスカレータを提供する。
【0010】
本発明の請求項3によれば、回転移動する複数の踏段を有し、少なくとも車椅子モードのとき、そのうちの複数個の前記踏段が水平に並置され、車椅子を乗せることが可能な車椅子踏段付きエスカレータであって、前記踏段の外縁部に冷陰極蛍光ランプを備え、前記踏段がエスカレータの乗降口のコム部を通過するときに、前記冷陰極蛍光ランプが点灯することを特徴とする車椅子用踏段付きエスカレータを提供する。
【0011】
本発明の請求項4によれば、回転移動する複数の踏段を有し、少なくとも車椅子モードのとき、そのうちの複数個の前記踏段が水平に並置され、車椅子を乗せることが可能な車椅子踏段付きエスカレータであって、前記踏段の外縁部及び移動方向の前面に冷陰極蛍光ランプを有することを特徴とする車椅子用踏段付きエスカレータを提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1(a)(b)に、本発明の一実施形態の車椅子用踏段付きエスカレータにおいて車椅子の乗客を乗せるために3個の踏段が水平に並置された状態の平面図及び一部断面図を示す。
【0013】
図1(a)において、11a,11b,11cは3個の踏段であり、その外縁に近い位置に、踏段11aにはコの字状に、また踏段11b、11cにはニの字状に、溝12が設けられその中に各々注意灯12a,12b,12cが設けられている。また踏段11cの先端に近く車椅子の車輪がくる位置には、車椅子が外に出ないように突起形状をした車止め13a,13bが設置され、これらの車止め13a,13b内にも注意灯14a,14bが設置されている。
【0014】
この実施形態に用いる注意灯12a,12b,12c,14a,14bとしては、例えば冷陰極蛍光ランプを用いることができる。この冷陰極蛍光ランプの構造の例を図2(a)(b)に示す。図2(a)では、ガラス外管21a内のガラス内管21bの両端に一対の電極22a,22bを設け、その中に例えば水銀ガス23を封入する。ガラス内管21bの内面には蛍光体24を塗布しており、電極22a,22bに電圧を印加することによって放電を生じさせて発光させる。
【0015】
注意灯用の冷陰極蛍光ランプとしては、図2(b)に示すような外部電極型の蛍光ランプを用いることもできる。即ち、ガラス外管25a内側に設けられたガラス内管25b内に例えばキセノンガス26を封入し、ガラス外管25aの外側に設けた一対の電極27a,27b間に電圧を印加して放電を起こさせ、発光させる。
【0016】
次にこの実施形態の動作を説明する。エスカレータに車椅子に乗った乗客を例えば上階から乗せるとする。このとき、エスカレータの上階に設けられている車椅子モード用スイッチ(図示せず)を押す。すると、図1(a)(b)に示すように3つの踏段11a,11b,11cが水平に並置された状態になり、各踏段の溝12内に設けられている、注意灯12a,12b,12cに接続された電気回路(図示せず)がオンとなって、これらの注意灯が点灯する。これと同時に車止め13a,13bに設けられている注意灯14a,14bも点灯する。これら注意灯の点灯により、車椅子の乗客及びその介添え人の足元をあ明るくすると共に、他の乗客に注意を促すことができる。介添え人は車椅子を押して上記踏段11a,11b,11cに乗った後、エスカレータの起動ボタン(図示せず)を押してエスカレータを起動させる。
【0017】
このようにして乗客の乗った車椅子及び介添え人は上階から下階に移動し、着いたらエスカレータの停止ボタン(図示せず)を押し停止させて、介添え人は乗客の乗った車椅子をエスカレータから下ろす。この後エスカレータを車椅子モードから通常モードに変えると、注意灯12a,12b,12c,14a,14bが消灯すると共に、踏段11a,11b,11cは元の状態に戻す。下階から上階に移動する場合も同様である。
【0018】
なお上記実施形態では、注意灯12a,12b,12c,14a,14bはすべて点灯するものとしたが、注意灯12a,12b,12cのみを点灯させ、注意灯14a,14bを点滅させるとか、注意灯14a,14bのみを点灯させ、注意灯12a,12b,12cを点滅させるように一部を点滅させることもできる。また、これら全部の注意灯を点滅させることもできる。このように注意灯を点滅させると、点灯するだけよりも一層、乗客の注意を喚起することができる利点がある。
【0019】
なお、各踏段に設けた注意灯は同時に点滅させるだけでなく、オンオフの時点を順次変えて点滅させるようにすることもできる。また、上記実施形態のおける注意灯14a,14bはなくともよい。
【0020】
このような本発明の他の実施形態について次に説明する。図3(a)(b)は車椅子用踏段付きエスカレータの車椅子が乗せられる踏段以外の部分の踏段の平面図及び断面図である。
【0021】
31a,31b,31c,31d,31e,31fは、エスカレータの踏段であり、これらの踏段は右側の上階(UF)から左側の下階(DF)に移動している途中で、車椅子を乗せるために待機しているものとする。
【0022】
踏段31a,31b,31c,31d,31e,31f各々に注意灯32a,32b,32c,32d,32e,32fが設けられている。注意灯32a,32b,32c,32d,32e,32fとしては、図2(a)(b)に示した冷陰極蛍光ランプを用いる。
【0023】
これらの注意灯を、図示していないオンオフ制御回路によりこの順序で点灯し消灯する。すると、光が矢印35に示す方向、即ち上階から下階に向かって移動していくように見え、乗客及び及びこのエスカレータに乗っていない人々もエスカレータの待機後の移動方向を一目で判断することができる。
【0024】
次に本発明におけるエスカレータの注意灯の点灯機構に関する更に他の実施形態について図4を用いて説明する。
【0025】
図4(a)(b)(c)において、41は踏段、42は注意灯であり、43はエスカレータの乗降板、44は乗降口のコム部である。踏段側の電極45がエスカレータ内に設けた電極46に接触している間、図示しない点灯回路が閉じて、踏段41の注意灯42が点灯する。即ち、乗客が踏段41に乗り込み、乗降板43のコム部44を通過する所定区間だけ、電極45と電極46が接触して、注意灯42が点灯することになる。
【0026】
次に本発明の更に他の実施形態について図5を用いて説明する。図5では、踏段51の上面に注意灯52を有する他、踏段51の前面53にも注意灯54を設けている。したがって、エスカレータの踏段の隙間から上方の光が漏れ、隙間があいていることを乗客に知らせ、注意を促すことができる。また、エスカレータが上階から下階の方向に動いているときには、注意灯54はその下方の踏段を明るく照らすことができ、乗客の不安をより一層取り除くことができる。
【0027】
なお、上記実施形態の説明では、注意灯として冷陰極蛍光ランプを用いる場合について説明した。冷陰極蛍光ランプを注意灯として用いれば、小型で強い光を放射することができ、乗客に注意を喚起する効果は大きい利点がある。しかし本発明は、注意灯としては、冷陰極蛍光ランプ以外にも、複数のLEDを並べて設けるなど、他の光源を用いてもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、暗い場所に設置されたこの種のエスカレータでも車椅子に乗った乗客に不安を与えることのないエスカレータを得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるエスカレータの構造を示す図。
【図2】本発明一実施形態における注意灯として用いる冷陰極蛍光ランプの構造を示す図。
【図3】本発明の他の実施形態の構成を説明するための図。
【図4】本発明の更に他の実施形態の構成を説明するための図。
【図5】本発明の更に他の実施形態の構成を説明するための図。
【符号の説明】
11a,11b,11c,31a,31b,31c,31d,31f,41,51・・・踏段、
12a,12b,12c,14a,14b,42,52,54・・・・注意灯、13a,13b・・・車止め、
45,46・・・電極。

Claims (4)

  1. 回転移動する複数の踏段を有し、少なくとも車椅子モードのとき、そのうちの複数個の前記踏段が水平に並置され、車椅子を乗せることが可能な車椅子踏段付きエスカレータであって、
    車椅子モード時に前記水平に並置される踏段上面に冷陰極蛍光ランプを備えることを特徴とする車椅子用踏段付きエスカレータ。
  2. 回転移動する複数の踏段を有し、少なくとも車椅子モードのとき、そのうちの複数個の前記踏段が水平に並置され、車椅子を乗せることが可能な車椅子踏段付きエスカレータであって、
    前記踏段のすべての外縁部に冷陰極蛍光ランプを備え、前記踏段の移動方向に応じて前記冷陰極蛍光ランプが点滅移動することを特徴とする車椅子用踏段付きエスカレータ。
  3. 回転移動する複数の踏段を有し、少なくとも車椅子モードのとき、そのうちの複数個の前記踏段が水平に並置され、車椅子を乗せることが可能な車椅子踏段付きエスカレータであって、
    前記踏段の外縁部に冷陰極蛍光ランプを備え、前記踏段がエスカレータの乗降口のコム部を通過するときに、前記冷陰極蛍光ランプが点灯することを特徴とする車椅子用踏段付きエスカレータ。
  4. 回転移動する複数の踏段を有し、少なくとも車椅子モードのとき、そのうちの複数個の前記踏段が水平に並置され、車椅子を乗せることが可能な車椅子踏段付きエスカレータであって、
    前記踏段の外縁部及び移動方向の前面に冷陰極蛍光ランプを有することを特徴とする車椅子用踏段付きエスカレータ。
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JP2018167931A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 エスカレーターの踏段

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