JP2004148287A - 汚染土壌改良工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】汚染土壌の改良作業の効率化とコスト軽減化を図ること。
【解決手段】汚染された地盤中に一定深度の土留壁を閉塞状態に構築して、同土留壁により地盤の一定範囲を囲繞し、同土留壁に囲繞された地盤を掘削して汚染土壌を地上に排出すると共に、同土留壁内の全体を竪穴となし、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させて、汚染土壌は地上にて改良処理する一方、汚染された地下水は竪穴内にて浄化処理し、その後、改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻すようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚染土壌改良工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、汚染された地盤の汚染土壌を改良処理する工法として、例えば、以下の作業手順で行う汚染土壌改良工法がある。
【0003】
(1)土留・遮水工
汚染された地盤の所定の区画を囲繞するように土留・遮水壁を構築する。
【0004】
この際、土留・遮水壁は、多数の鋼矢板等の壁形成片を地盤に所要の深度まで建て込むと共に、周囲に連続的に建て込んで、所定の区画を囲繞する閉塞状の壁体を形成する。
【0005】
このようにして、土留・遮水壁により、土留機能と遮水機能の両機能が確保できるようにしている。
【0006】
(2)揚土・揚水工
土留・遮水壁に囲まれた区画内の汚染土壌を掘削して、汚染土壌と汚染地下水を地上に排出(揚土・揚水)する。
【0007】
この際、掘削する汚染土壌の深度は、上記工程にて形成した土留・遮水壁により周囲の地盤の崩壊を防ぐことができる程度とする。
【0008】
(3)土留・遮水補強工
上記揚土・揚水工にて掘削して形成した竪穴の深度を増大させる際には、同竪穴内において、壁体の内面に横方向に伸延する腹起こし材を取り付け、同腹起こし材を介して対向する壁形成片間に横方向に伸延する複数の切梁材を前後・左右方向に突っ張り状態にて格子状に介設して補強機枠を構築する。
【0009】
(4)上記(2)(3)の作業を所要深度に達するまで繰り返し行う。
【0010】
(5)底盤止水工
所要の深度まで掘削して形成された竪穴の底盤を止水処理する。
【0011】
(6)浄化処理工
地上に排出された汚染土壌と汚染地下水を浄化処理する。
【0012】
(7)埋め戻し工
地上で浄化処理された処理済土壌と処理済地下水を竪穴内に埋め戻す。
【0013】
(8)撤去工
土留・遮水壁を構成する構成部材を、埋め戻し工の進行に合わせて順次撤去する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した汚染土壌改良工法は、汚染土壌と汚染地下水の両方を一旦地上に揚土・揚水して、同地上にて汚染土壌と汚染地下水を浄化処理し、その後に、浄化処理された処理済土壌と処理済地下水を竪穴内に埋め戻すという技術的思想に基づいているために、土留・遮水工、土留・遮水補強工及び底盤止水工に手間を要するという不具合がある。
【0015】
すなわち、汚染土壌と汚染地下水を揚土・揚水するためには、竪穴の周囲の地盤の崩壊と地下水の浸入を防ぐための土留・遮水工を確実に行う必要性があると共に、掘削して竪穴の深度が大きくなるにしたがって竪穴の周囲の地盤の土圧と地下水の水圧とが増大するため、これに対抗させるための土留・遮水補強工を、逐一精度良く行う必要性がある。
【0016】
この際、かかる土留・遮水補強工は、竪穴内に作業員が入って、人手により行わなければならないために、多大な手間を要するという不具合がある。
【0017】
しかも、土留・補強工を行った後は、壁体内に格子状に介設された切梁材間を通して揚土・揚水工を行う必要性があるために、揚土・揚水を行うための作業機の大きさが制限されて、作業効率を上げられないという不具合がある。
【0018】
さらには、土留・補強工に使用した腹起こし材や切梁材を、埋め戻し工の進行に合わせて順次撤去しなければならず、かかる撤去作業にも手間を要するという不具合がある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、汚染された地盤中に一定深度の土留壁を閉塞状態に構築して、同土留壁により地盤の一定範囲を囲繞し、同土留壁に囲繞された地盤を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成すると共に、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させて、排出した汚染土壌は地上にて改良処理する一方、汚染された地下水及び竪穴内に残された掘削土壌は竪穴内にて浄化処理し、その後、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻すことを特徴とする汚染土壌改良工法を提供するものである。
【0020】
また、本発明は、以下の構成にも特徴を有する。
【0021】
(1)汚染された地盤中に一定深度の土留壁を閉塞状態に構築して、同土留壁により地盤の一定範囲を囲繞する工程と、同土留壁により囲繞された地盤を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成する工程と、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させる工程と、これらの工程を所要の深度に達するまで繰り返し行った後に、地上に排出した汚染土壌を地上にて改良処理する工程と、竪穴内に滞留している汚染された地下水及び竪穴内に残された掘削土壌を竪穴内にて浄化処理する工程と、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻す工程とを具備すること。
【0022】
(2)汚染された地盤を掘削して汚染土壌を地上に排出することにより自然崩壊しない程度の竪穴を形成すると共に、同竪穴の周囲に近接させて土留壁を構築する工程と、同土留壁内の汚染土壌を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成する工程と、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させる工程と、これらの工程を所要の深度に達するまで繰り返し行った後に、地上に排出した汚染土壌を地上にて改良処理する工程と、竪穴内に滞留している汚染された地下水及び竪穴内に残された掘削土壌を竪穴内にて浄化処理する工程と、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻す工程とを具備すること。
【0023】
(3)汚染された地盤を一定深度まで掘削して汚染された土壌を地上に排出すると共に、排出した土壌を地上にて改良処理する一方、地盤に形成された竪穴内に汚染された地下水を滞留させ、同竪穴をさらに所定の深度まで掘削して、汚染された掘削土壌と汚染された地下水とを竪穴内にて混練しながら浄化処理し、その後、地上にて改良処理された土壌を竪穴内に埋め戻すこと。
【0024】
(4)汚染された地盤中に所定の深度まで土留壁を閉塞状態に構築して、同土留壁により地盤の一定範囲を囲繞し、同土留壁に囲繞された一定深度までの地盤を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成すると共に、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させて、排出した汚染土壌は地上にて改良処理する一方、土留壁に囲繞されている所定深度までの残余の地盤を掘削して、汚染された掘削土壌と汚染された地下水を竪穴内にて混練しながら浄化処理し、その後、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻すこと。
【0025】
(5)汚染された地盤中に一定の深度まで土留壁を閉塞状態に構築して、同土留壁により地盤の一定範囲を囲繞し、同土留壁に囲繞された一定深度までの地盤を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成すると共に、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させて、排出した汚染土壌は地上にて改良処理する一方、土留壁をさらに所定深度まで閉塞状態に構築した後ないしは構築しながら、地盤を所定の深度まで掘削して、汚染された掘削土壌と汚染された地下水を竪穴内にて混練しながら浄化処理し、その後、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に戻すこと。
【0026】
(6)地上にて改良処理された土壌を竪穴内に埋め戻す際には、改良処理された土壌を竪穴内の底部より上方へ向けて漸次移動させながら埋め戻すと共に、同土壌と竪穴内で浄化処理された掘削土壌及び地下水とを混練すること。
【0027】
(7)土留壁は、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻しながら、又は、埋め戻した後に撤去すること。
【0028】
(8)土留壁は、外形を四角形筒状に形成していること。
【0029】
(9)土留壁は、隅部土壌切削手段を具備して、同隅部土壌切削手段により土留壁の隅部内の土壌を切削可能としていること。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0031】
すなわち、本発明に係る汚染土壌改良工法は、汚染された地盤中に一定深度の土留壁を閉塞状態に構築して、同土留壁により地盤の一定範囲を囲繞し、同土留壁に囲繞された地盤を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成すると共に、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させて、排出した汚染土壌は地上にて改良処理する一方、汚染された地下水及び竪穴内に残された掘削土壌は竪穴内にて浄化処理し、その後、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻すようにしている。
【0032】
さらに具体的に説明すると、本発明に係る汚染土壌改良工法は、汚染された地盤中に一定深度の土留壁を閉塞状態に構築して、同土留壁により地盤の一定範囲を囲繞する工程と、同土留壁により囲繞された地盤を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成する工程と、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させる工程と、これらの工程を所要の深度に達するまで繰り返し行った後に、地上に排出した汚染土壌を地上にて改良処理する工程と、竪穴内に滞留している汚染された地下水及び竪穴内に残された掘削土壌を竪穴内にて浄化処理する工程と、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻す工程とを具備している。
【0033】
また、本発明に係る他の実施形態としての汚染土壌改良工法は、汚染された地盤を掘削して汚染土壌を地上に排出することにより自然崩壊しない程度の竪穴を形成すると共に、同竪穴の周囲に近接させて土留壁を構築する工程と、同土留壁内の汚染土壌を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成する工程と、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させる工程と、これらの工程を所要の深度に達するまで繰り返し行った後に、地上に排出した汚染土壌を地上にて改良処理する工程と、竪穴内に滞留している汚染された地下水及び竪穴内に残された掘削土壌を竪穴内にて浄化処理する工程と、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻す工程とを具備している。
【0034】
更に、本発明に係る他の実施形態としての汚染土壌改良工法は、汚染された地盤を一定深度まで掘削して汚染された土壌を地上に排出すると共に、排出した土壌を地上にて改良処理する一方、地盤に形成された竪穴内に汚染された地下水を滞留させ、同竪穴をさらに所定の深度まで掘削して、汚染された掘削土壌と汚染された地下水とを竪穴内にて混練しながら浄化処理し、その後、地上にて改良処理された土壌を竪穴内に埋め戻すようにしている。
【0035】
具体的には、汚染された地盤中に所定の深度まで土留壁を閉塞状態に構築して、同土留壁により地盤の一定範囲を囲繞し、同土留壁に囲繞された一定深度までの地盤を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成すると共に、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させて、排出した汚染土壌は地上にて改良処理する一方、土留壁に囲繞されている所定深度までの残余の地盤を掘削して、汚染された掘削土壌と汚染された地下水を竪穴内にて混練しながら浄化処理し、その後、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻すようにしている。
【0036】
更に、本発明に係る汚染土壌改良工法は、汚染された地盤中に一定の深度まで土留壁を閉塞状態に構築して、同土留壁により地盤の一定範囲を囲繞し、同土留壁に囲繞された一定深度までの地盤を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成すると共に、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させて、排出した汚染土壌は地上にて改良処理する一方、土留壁をさらに所定深度まで閉塞状態に構築した後ないしは構築しながら、地盤を所定の深度まで掘削して、汚染された掘削土壌と汚染された地下水を竪穴内にて混練しながら浄化処理し、その後、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に戻すようにしている。
【0037】
そして、上記した汚染土壌改良工法は、地上にて改良処理された土壌を竪穴内に埋め戻す際には、改良処理された土壌を竪穴内の底部より上方へ向けて漸次移動させながら埋め戻すと共に、同土壌と竪穴内で浄化処理された掘削土壌及び地下水とを混練するようにしている。
【0038】
更に、上記した汚染土壌改良工法は、土留壁は、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻しながら、又は、埋め戻した後に撤去するようにしている。
【0039】
また、土留壁は、外形を四角形筒状に形成して、隅部土壌切削手段を具備し、同隅部土壌切削手段により土留壁の隅部内の土壌を切削可能としている。
【0040】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0041】
図1は、本発明に係る第1実施例としての汚染土壌改良工法の工程説明図であり、本発明に係る汚染土壌改良工法の要旨は、汚染された地盤G中に一定深度の土留壁1を閉塞状態に構築して、同土留壁1により地盤Gの一定範囲を囲繞し、同土留壁1に囲繞された地盤Gを掘削して、掘削した汚染された土壌(以下「汚染土壌」という)g1の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁1内に竪穴Hを形成すると共に、同竪穴H内に汚染された地下水(以下「汚染地下水」という)W1を滞留させて、排出した汚染土壌g1は地上にて改良処理する一方、汚染地下水W1は竪穴H内にて浄化処理し、その後、改良処理された土壌(以下「処理済土壌」という)g2を竪穴H内に埋め戻すことにある。
【0042】
ここで、土留壁1は、所要の深度の土圧に対抗できるだけの強度を有していればよいものであり、多種多様な土留壁1(例えば、鋼矢板等を接続的に建て込んで構築する土留壁、地盤改良により連壁を形成して構築する土留壁、筒状のケーシング体を建て込んで構築する土留壁等)の中から適宜採用することができる。
【0043】
そして、土留壁1により囲繞する汚染された地盤Gの一定範囲は、作業条件等に応じて広く設定することも、また、狭く設定することもでき、狭く設定した場合には、改良作業を連続的に行うことにより、汚染された地盤Gの所要の範囲を確実に改良処理することができる。
【0044】
以下に、まず、第1実施例としての汚染土壌改良工法に使用する汚染土壌改良装置A(図1参照)の構成について説明し、それに続いて同汚染土壌改良装置Aを使用して行う第1実施例としての汚染土壌改良工法について説明する。
【0045】
そして、汚染土壌改良装置Aの一部としての土留壁1の変容例について説明し、その後に、第2実施例としての汚染土壌改良工法に使用する第2実施例としての削孔体11について説明し、それに続いて同削孔体11を使用して行う第2実施例としての汚染土壌改良工法について説明し、さらに、その後に、第3実施例としての汚染土壌改良工法について説明する。
【0046】
[第1実施例としての汚染土壌改良装置の説明]
第1実施例としての汚染土壌改良装置Aは、図1に示すように、汚染された地盤Gに建て込む四角形筒状の土留壁1と、同土留壁1内の汚染土壌g1を削孔して地上に排出する土壌排出手段2と、同土壌排出手段2により地上に排出された汚染土壌g1を改良処理する土壌改良処理手段3と、上記土壌排出手段2により地盤Gに削孔・形成された竪穴H内に汚染地下水W1を滞留させ、同竪穴H内にて汚染地下水W1を浄化処理する地下水浄化処理手段4と、同地下水浄化処理手段4により浄化処理された地下水(以下「処理済地下水」という)W2が滞留する竪穴H内に、前記土壌改良処理手段3により改良処理された処理済土壌g2を埋め戻す埋め戻し手段5と、同埋め戻し手段5により処理済土壌g2を埋め戻しながら、若しくは、土留壁1内に処理済土壌g2を埋め戻した後に、同土留壁1を地盤Gから引き抜く引き抜き手段6とを具備している。
【0047】
土留壁1は、図3〜図5に示すように、上下方向に伸延する四角形筒状に形成した土留壁本体7と、同土留壁本体7の内側下部に設けた隅部土壌切削手段としての隅部土壌切削刃体8とを具備している。
【0048】
そして、隅部土壌切削刃体8は、土留壁本体7の下端縁部に沿わせて形成した切削刃本片8aと、土留壁本体7の下部内周面に沿わせて形成した切削土壌内側寄せ片8bとから形成しており、同切削土壌内側寄せ片8bには、湾曲状の内側寄せ案内面8cを形成して、切削刃本片8aにより切削された土壌を内側寄せ案内面8cに沿わせて、後述する削孔体11が削孔可能な円形の削孔範囲Z内に寄せるようにしている。
【0049】
このようにして、四角形筒状に形成した土留壁本体7の隅部内の土壌を隅部土壌切削刃体8により切削すると共に、削孔体11が削孔可能な円形の削孔範囲Z内に寄せることができるようにしているため、土留壁1に囲繞された地盤Gを後述する削孔体11により掘削して汚染土壌g1を地上に排出する際に、掘削し難い隅部の汚染土壌g1も簡単かつ確実に切削して内側へ寄せることができて、削孔体11により排出することができる。その結果、土留壁1内の全体を迅速かつ確実に竪穴Hとなすことができる。
【0050】
なお、土留壁1の形状は、四角形筒状に限らず、六角形筒状等の多角形に形成することもできる。
【0051】
そして、土留壁1は、改良処理すべき地盤Gの所定の位置に建て込み装置(図示せず)により建て込むようにしている。
【0052】
土壌排出手段2は、図1(a)に示すように、ベースマシン10に削孔体11を着脱自在に取り付けている。
【0053】
そして、ベースマシン10は、自走可能なベースマシン本体12に上下方向に伸延するリーダ13を設け、同リーダ13にモータ支持体14を昇降自在に取り付け、同モータ支持体14に駆動用モータ15を搭載し、同駆動用モータ15に上下方向に伸延する掘削軸体16の上端部を二重反転歯車機構17を介して着脱自在に取り付け、同掘削軸体16の下端部に削孔体11を取り付けている。
【0054】
また、掘削軸体16は、図2にも示すように、上下方向に伸延させて形成した筒状の内側軸18と、同内側軸18の外周を囲繞する状態に上下方向に伸延させて形成した筒状の外側軸19とから内外側二重軸構造に構成しており、内側軸18と外側軸19は、駆動用モータ15により二重反転歯車機構17を介して同一軸芯廻りに相互に反対方向に回動するようにしている。
【0055】
しかも、図2及び図3に示すように、内側軸18内に処理済土壌供給路20を形成して、同内側軸18の下端開口部を処理済土壌吐出部21となすと共に、同内側軸18の外周面と外側軸19の内周面との間に浄化材供給路22を形成して、同外側軸19の下端部に浄化材供給路22と連通する複数の浄化材吐出部23,23を設けている。
【0056】
さらには、内・外側軸18,19は、図2に示すように、それぞれ三段階に伸縮するいわゆる竹の子シリンダ状に形成して軸線方向に伸縮自在となしている。19aは第1外側軸形成片、19bは第2外側軸形成片、19cは第3外側軸形成片である。
【0057】
また、図2及び図3に示すように、内側軸18の先端部18 aを第3外側軸形成片19cよりも下方へ延設して、同先端部18aに内側軸取付攪拌翼24を放射方向(半径方向)に突設して、同内側軸取付攪拌翼24を削孔体11内に配置している。
【0058】
そして、図2に示すように、外側軸19の先端部である第3外側軸形成片19cの外周面には、複数の外側軸取付攪拌翼25を第3外側軸形成片19cの軸線方向に間隔を開けて放射方向(半径方向)に突設している。
【0059】
このようにして、内側軸18の回動に連動して、内側軸取付攪拌翼24を削孔体11内にて回動させると共に、同内側軸18とは反対方向に回動する外側軸19の回動に連動して、外側軸取付攪拌翼25を上記内側軸取付撹拌翼24よりも上方位置にて回動させるようにしている。
【0060】
削孔体11は、図2及び図3にも示すように、円筒状の削孔本片26と、同削孔本片26の下端縁部に枢支体39を介して開閉自在に取り付けた底部形成片27とを具備しており、同底部形成片27には掘削刃28と掘削土壌取込口29とを形成している。
【0061】
そして、削孔体11は、前記した第3外側軸形成片19cの先端部(下端部)の外周面に取付アーム30,30,30を介して削孔本片26を取り付けて、同削孔本片26を外側軸19の軸線を中心に、同外側軸19と一体的に回動させることができるようにしている。
【0062】
このようにして、地盤Gに一定深度まで建て込んだ土留壁1内の汚染土壌g1の直上方位置に削孔体11を配置し、同削孔体11を駆動用モータ15により掘削軸体16を介して回動させることにより、同土留壁1内の汚染土壌g1を掘削刃28により掘削すると共に、掘削した汚染土壌g1を掘削土壌取込口29から削孔本片26内に取り込むことができるようにしている。
【0063】
そして、削孔本片26内に所定量の汚染土壌g1を取り込んだところで、竹の子シリンダ状の掘削軸体16を収縮作動させると共に、必要量だけ上昇移動させることにより、同掘削軸体16の下端部に取り付けた削孔体11を地上に引き上げて、同削孔体11の底部形成片27を枢支体39を介して開放することにより、削孔本片26内から汚染土壌g1を排出することができる。
【0064】
従って、かかる土壌排出作業を繰り返し行うことにより、図1(a)に示すように、一定深度まで建て込んだ土留壁1内の汚染土壌g1を排出し、その後に、図1(b)に示すように、さらに一体深度まで土留壁1を建て込んで、削孔体11による土留壁1内の土壌排出作業を繰り返し行い、かかる土留壁1の一定深度の建て込み作業と、同土留壁1内の土壌排出作業とを所要の深度まで繰り返し行うことにより、図1(c)に示すように、所要深度の竪穴Hを形成することができる。
【0065】
ここで、図1(c)に示すように、汚染土壌g1を排出した土留壁1内には、下方より汚染地下水W1が浸入して滞留する。
【0066】
土壌改良処理手段3は、土壌排出手段2により地上に排出された汚染土壌g1を改良処理するものであり、図1(e)に示すように、排出された汚染土壌g1を貯留する排出土壌貯留槽31と、汚染土壌g1を改良する改良材を供給する改良材供給槽32と、改良材と汚染土壌g1とをミキシングして混練するミキサー33と、同ミキサー33により混練して改良処理した処理済土壌g2を貯留する処理済土壌貯留槽34と、同処理済土壌貯留槽34内の処理済土壌g2を圧送する圧送ポンプ35とを、地上においてそれぞれ近接させて配置している。
【0067】
このようにして、排出された汚染土壌g1を、一旦、排出土壌貯留槽31内に貯留し、同排出土壌貯留槽31内の汚染土壌g1をミキサー33内に供給すると共に、改良材供給槽32内の改良材をミキサー33内に供給して、同ミキサー33により汚染土壌g1と改良材とを混練して、汚染土壌g1を改良処理して処理済土壌g2となし、同処理済土壌g2を処理済土壌貯留槽34内に貯留しておき、同処理済土壌貯留槽34内の処理済土壌g2を、必要に応じて圧送ポンプ35により供給するようにしている。
【0068】
ここで、改良材としては、汚染・有害物質を含有する土壌を浄化処理する浄化材を使用することも、また、汚染・有害物質を含有する土壌を固化処理するセメントミルク等の固化材を使用することもできるが、本実施例では、浄化材を使用する場合について説明する。
【0069】
地下水浄化処理手段4は、図1(d)に示すように、改良材供給槽32(本実施例では、浄化材を収容している)に、浄化材供給配管37を介して掘削軸体16内に形成した前記浄化材供給路22を連通連結している。
【0070】
このようにして、汚染地下水W1の水面近傍に削孔体11を配置した状態にて、浄化材材供給路22と連通する複数の浄化材吐出部23,23より浄化材を汚染地下水W1中に吐出させながら、掘削軸体16を介して削孔体11を回動させると共に、竪穴Hの底部位置まで沈降移動させる。
【0071】
この際、掘削軸体16の内側軸18に突設した内側軸取付攪拌翼24と外側軸19に突設した外側軸取付攪拌翼25とがそれぞれ相互に反対方向に回動して、汚染地下水W1を撹拌するため、同汚染地下水W1中に浄化材を均一に溶解させることができて、同汚染地下水W1を浄化処理ないしは無害化することができる。その結果、汚染地下水W1を処理済地下水W2となすことができる。
【0072】
埋め戻し手段5は、図1(e)に示すように、圧送ポンプ35に処理済土壌供給配管36を介して掘削軸体16内に形成した前記処理済土壌供給路20を連通連結して構成している。
【0073】
このようにして、処理済土壌貯留槽34内に貯留されている処理済土壌g2を、圧送ポンプ35により処理済土壌供給配管36を介して掘削軸体16内に形成した前記処理済土壌供給路20内に圧送・供給して、処理済土壌吐出部21より吐出させるようにしている。
【0074】
この際、処理済土壌吐出部21からの処理済土壌g2の吐出は、図1(e)に示すように、削孔体11を竪穴Hの底部に位置させた状態、すなわち、汚染地下水W1の浄化処理作業が終了した状態から、図1(f)に示すように、引き続き削孔体11を上方へ向けて漸次回動・移動させながら行って、処理済土壌g2を竪穴H内に埋め戻すと共に、同処理済土壌g2と処理済地下水W2とを混練するようにしている。
【0075】
このように、汚染地下水W1の浄化処理作業と処理済土壌g2の埋め戻し作業を効率良く連続的に行うことができる。
【0076】
この際、竪穴Hの底部より徐々に処理済土壌g2を埋め戻しながら、処理済地下水W2と混練することにより、処理済地下水W2を竪穴Hからオーバーフローさせることなく、埋め戻された処理済土壌g2と確実に混練させることができる。
【0077】
従って、処理済地下水W2が竪穴Hからオーバーフローした場合には、オーバーフローした処理済地下水W2を処理しなければならないが、そのような作業の手間を省くことができ、その結果、汚染土壌改良処理作業を効率良く行うことができる。
【0078】
引き抜き手段6は、図1(g)に示すように、ベースマシン10に吊り下げワイヤ38を介して土留壁1を連結することにより、同ベースマシン10により土留壁1を地盤Gより上方へ引き抜くことができるようにしている。
【0079】
この際、土留壁1の引き抜き作業は、前記したように埋め戻し手段5により処理済土壌g2を埋め戻しながら、若しくは、土留壁1内に処理済土壌g2を埋め戻した後に行うことができる。
【0080】
[第1実施例としての汚染土壌改良工法の説明]
次に、上記のように構成した第1実施例としての汚染土壌改良装置Aにより汚染土壌改良作業を行う汚染土壌改良工法について、図1を参照しながら説明する。
【0081】
すなわち、第1実施例としての汚染土壌改良工法は、〔建て込み工程〕と〔土壌排出工程〕と〔土壌改良処理工程〕と〔地下水浄化処理工程〕と〔埋め戻し工程〕と〔引き抜き工程〕とからなる。
【0082】
(1)〔建て込み工程〕
建て込み工程は、汚染された地盤G中に一定深度の土留壁1を閉塞状態に構築して、同土留壁1により地盤Gの一定範囲を囲繞する工程である。
【0083】
すなわち、建て込み工程は、地盤Gに四角形筒状の土留壁1を建て込む工程であり、土留壁1は、改良すべき地盤Gの所定の位置に建て込み装置(図示せず)により建て込むようにしている(図1(a)参照)。
【0084】
(2)〔土壌排出工程〕
土壌排出工程は、土留壁1により囲繞された地盤Gを掘削して、掘削した汚染土壌g1の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁1内に竪穴Hを形成する工程である。
【0085】
すなわち、土壌排出工程は、図1(a)に示すように、地盤Gに一定深度まで建て込んだ土留壁1内の汚染土壌g1の直上方位置に削孔体11を配置し、同削孔体11を駆動用モータ15により掘削軸体16を介して回動させることにより、同土留壁1内の汚染土壌g1を掘削刃28により掘削すると共に、掘削した汚染土壌g1を掘削土壌取込口29を通して削孔体11内に取り込み、同削孔体11内に所定量の汚染土壌g1を取り込んだところで、掘削軸体16を収縮作動させると共に、削孔体11を地上面よりも上方に位置させるのに必要な高さまで上昇移動させることにより、同掘削軸体16の下端部に取り付けた削孔体11を地上に引き上げて、同削孔体11内から汚染土壌g1を排出するようにしている。
【0086】
そして、図1(b)に示すように、土留壁1をさらに一定深度まで建て込んだ後に、同土留壁1内の汚染土壌g1を排出して、同土留壁1内を竪穴Hとなすようにしている。
【0087】
かかる工程では、竪穴H内に汚染地下水W1が自然に浸入して滞留するものであり、当然のことながら、かかる工程には汚染地下水W1を滞留させる工程も含まれている。
【0088】
(3)〔土壌改良処理工程〕
土壌改良処理工程は、前記した工程を所要の深度に達するまで繰り返し行った後に、地上に排出された汚染土壌g1を改良処理する工程である。
【0089】
すなわち、土壌改良処理工程は、図1(b)(e)に示すように、排出された汚染土壌g1を、一旦、排出土壌貯留槽31内に貯留し、同排出土壌貯留槽31内の汚染土壌g1をミキサー33内に供給すると共に、改良材供給槽32内の改良材(本実施例では浄化材)をミキサー33内に供給して、同ミキサー33により汚染土壌g1と改良材とを混練して改良処理することにより処理済土壌g2となし、同処理済土壌g2を処理済土壌貯留槽34内に貯留するようにしている。
【0090】
そして、処理済土壌貯留槽34内の処理済土壌g2は、必要に応じて圧送ポンプ35により供給するようにしている。
【0091】
(4)〔地下水浄化処理工程〕
地下水浄化処理工程は、土留壁1内の汚染土壌g1を排出して形成された竪穴H内に滞留している汚染地下水W1を、同竪穴H内にて浄化処理する工程である。
【0092】
すなわち、地下水浄化処理工程では、図1(d)に示すように、汚染地下水W1の水面近傍に削孔体11を配置した状態にて、浄化材供給路22と連通する複数の浄化材吐出部23,23より浄化材を汚染地下水W1中に吐出させながら、掘削軸体16を介して削孔体11を回動させると共に、竪穴Hの底部位置まで沈降・移動させるようにしている。
【0093】
この際、掘削軸体16の内側軸18に突設した内側軸取付攪拌翼24と外側軸19に突設した外側軸取付攪拌翼25とがそれぞれ反対方向に回動して、汚染地下水W1を撹拌するため、同汚染地下水W1中に浄化材を均一に溶解させることができて、同汚染地下水W1を確実に浄化処理ないしは中和処理して無害化することができる。その結果、汚染地下水W1を処理済地下水W2となすことができる。
【0094】
(5)〔埋め戻し工程〕
埋め戻し工程は、竪穴H内に処理済土壌g2を埋め戻して、処理済地下水W2と混練する工程である。
【0095】
すなわち、埋め戻し工程は、処理済土壌貯留槽34内に貯留されている処理済土壌g2を、圧送ポンプ35により処理済土壌供給配管36を介して掘削軸体16内に形成した前記処理済土壌供給路20内に圧送・供給して、同処理済土壌供給路20に終端部に連通連設した処理済土壌吐出部21より吐出させる工程である。
【0096】
そして、処理済土壌吐出部21からの処理済土壌g2の吐出は、図1(e)に示すように、削孔体11を竪穴Hの底部に位置させた状態、すなわち、汚染地下水W1の浄化処理作業が終了した状態から、図1(f)に示すように、削孔体11を上方へ向けて漸次回動・移動させながら行って、処理済土壌g2を竪穴H内に埋め戻すと共に、同処理済土壌g2と処理済地下水W2とを混練するようにしている。
【0097】
このようにして、竪穴Hの底部より徐々に処理済土壌g2を埋め戻しながら、処理済地下水W2と混練することにより、処理済地下水W2を竪穴Hからオーバーフローさせることなく、埋め戻された処理済土壌g2と確実に混練させることができる。
【0098】
(6)〔引き抜き工程〕
引き抜き工程は、前記した埋め戻し工程にて処理済土壌g2を埋め戻しながら、若しくは、土留壁1内に処理済土壌g2を埋め戻した後に、同土留壁1を地盤Gから引き抜く工程である。
【0099】
すなわち、引き抜き工程は、図1(g)に示すように、ベースマシン10に吊り下げワイヤ38を介して土留壁1を連結することにより、同ベースマシン10により土留壁1を地盤Gより上方へ引き抜く工程である。
【0100】
そして、図6に示すように、かかる柱状の処理済土壌g2を地盤G中に連続的に形成することにより、同地盤Gを精度良く効率的に改良することができる。
【0101】
この際、土留壁1は、土留壁本体7の外形を四角形筒状に形成しているため、隣接する土留壁本体7,7の側面7a,7a同士を面接触させるようにして、後続の土留壁1を先行する土留壁1にオーバーラップさせることなく連続的に建て込むことにより、汚染土壌g1の改良作業を重複させることなく効率的に行うことができる。
【0102】
しかも、図6(a)に示すように、三つの土留壁1,1,1を連続させて建て込んだ後に、図6(b)に示すように、最初に建て込んだ土留壁1を引き抜いて、四番目の土留壁1として三番目の土留壁1に隣接させて連続的に建て込むことにより、三つの土留壁1,1,1を繰り返し連続的に使用することができて、汚染土壌の改良作業を効率良く行うことができる。
【0103】
[第1変容例としての土留壁の説明]
図7〜図9は、第1変容例としての土留壁1を示しており、同土留壁1は、基本的構造を前記した第1実施例としての土留壁1と同じくしているが、隅部土壌切削刃体8に加えて、土留壁本体7の下部の四つの隅部内にそれぞれ切削用ノズル40,40,40,40を配置した点において異なる。
【0104】
すなわち、図7〜図9に示すように、土留壁本体7の隅部に位置する切削土壌内側寄せ片8bの部分にノズル配設用凹部41を形成し、同ノズル配設用凹部41内に切削用ノズル40を配設すると共に、同切削用ノズル40の噴出孔40aを下方へ向けて配置し、同切削用ノズル40の基端部に高圧水供給配管42の先端部を接続し、同高圧水供給配管42を土留壁本体7の隅部に沿わせて上方へ伸延させて、同高圧水供給配管4 2の基端部を地上に配置している。49は配管案内体である。
【0105】
このようにして、地上から高圧水供給配管42を通して切削用ノズル40に高圧水を供給することにより、同切削用ノズル40の噴出孔40aから高圧水Waを噴出させて、直下方に位置する汚染土壌g1を水圧により切削することができるようにしている。
【0106】
従って、土留壁1を建て込む際に、土留壁本体7の下端縁部に形成した切削刃本片8aにより汚染土壌g1を四角形状に切削すると共に、土留壁本体7の隅部に配置した切削用ノズル40,40,40,40から噴出される高圧水Waにより直下方に位置する汚染土壌g1を切削することにより、硬質の汚染土壌g1でも切削刃本片8aと高圧水Waとが協働して容易に切削することができる。
【0107】
そして、四角形筒状に形成した土留壁本体7の隅部内の土壌は、隅部土壌切削刃体8により切削すると共に、切削土g3を削孔体11が削孔可能な円形の削孔範囲Z内に寄せることができるようにしている。
【0108】
この際、切削用ノズル40は、切削土壌内側寄せ片8bに形成したノズル配設用凹部41内に配置しているため、同切削土壌内側寄せ片8bに沿って切削範囲Z内に寄せられる切削土g3は、切削用ノズル40に干渉することなく円滑に内側に摺動・案内される。
【0109】
その結果、土留壁1に囲繞された地盤Gを削孔体11により掘削して汚染土壌g1を地上に排出する際に、掘削し難い隅部の汚染土壌g1も簡単かつ確実に切削して内側へ寄せることができて、削孔体11により排出することができ、土留壁1内の全体を迅速かつ確実に竪穴Hとなすことができる。
【0110】
[第2変容例としての土留壁の説明]
図10〜図12は、第2変容例としての土留壁1を示しており、同土留壁1は、基本的構造を前記した第1実施例としての土留壁1と同じくしているが、隅部土壌切削刃体8の切削土壌内側寄せ片8bを土留壁本体7とは別体に構成した点において異なる。
【0111】
すなわち、切削土壌内側寄せ片8bは、図10〜図12に示すように、土留壁本体7内の下部に配置すると共に、吊り下げ用紐体43,43,43,43を介して地上から吊り下げ状態となして、切削土g3を削孔範囲Z内に寄せることができるようにしている。48は紐体連結ブラケットである。
【0112】
このようにして、切削土壌内側寄せ片8bを土留壁本体7と別体に構成することにより、削孔体11により汚染土壌g1を地上へ排出した後は、同切削土壌内側寄せ片8bを吊り下げ用紐体43を介して地上へ引き上げておくことにより、竪穴H内に処理済土壌g2を埋め戻しながら、若しくは、竪穴H内に処理済土壌g2を埋め戻した後に、土留壁1を地盤Gから引き抜く際に、切削土壌内側寄せ片8bが引き抜き抵抗となることがなく、スムーズに土留壁1を引き抜くことができる。
【0113】
[第3変容例としての土留壁の説明]
図13は、第3変容例としての土留壁1を示しており、同土留壁1は、基本的構造を前記した第1変容例としての土留壁1と同じくしているが、切削用ノズル40の基端部に接続している高圧水供給配管42の先端部42aを直状態に復元可能な弾性力を有する弾性素材により成形する一方、切削用ノズル40を枢支体44を介して切削土壌内側寄せ片8bに枢支している点において異なる。45は枢支ピンである。
【0114】
すなわち、図13に示すように、土留壁本体7の四つの隅部に位置する切削土壌内側寄せ片8bの部分に、それぞれ挿通孔46 ,46,46,46を上下方向に伸延させて形成し、各挿通孔46,46,46,46中に高圧水供給配管42,42,42,42の先端部42a,42a,42a,42aを上下摺動自在に挿通し、各先端部42aに接続した切削用ノズル40を枢支体44を介して切削土壌内側寄せ片8bに枢支して、高圧水供給配管42を下方へ摺動させた際には、切削用ノズル40が枢支体44により枢支ピン45を中心に略90度回動されて、直下方に向いていた切削用ノズル40の噴出孔40aを内側方へ向けることができるようにしている。
【0115】
このようにして、土留壁1を所要の深度まで建て込む際には、切削用ノズル40の噴出孔40aを直下方へ向けておき、同噴出孔40aから高圧水を噴出させることにより、直下方に位置する汚染土壌g1を切削することができる。
【0116】
そして、同土留壁1を所要の深度まで建て込んだ後は、高圧水供給配管42を下方へ摺動させて、切削用ノズル40の噴出孔40aを内側方へ向けておき、同状態にて噴出孔40aから高圧水を噴出させることにより、竪穴H内の底部の切削土g3を横方向から積極的に削孔範囲Z内に寄せることができる。
【0117】
従って、削孔体11により切削土g3を確実に地上へ排出して、竪穴Hを確実に形成することができる。
【0118】
[第4変容例としての土留壁の説明]
図14は、第4変容例としての土留壁1を示しており、同土留壁1は、基本的構造を前記した第2変容例としての土留壁1と同じくしているが、切削土壌内側寄せ片8bを進退作動用シリンダ47,47により土留壁本体7の下部内にて下方へ向けて進退作動可能としている点において異なる。
【0119】
すなわち、土留壁本体7の下部内壁に進退作動用シリンダ47,47を取り付けると共に、各進退作動用シリンダ47,47のピストンロッド47a,47aを下方へ向けて伸延させ、両ピストンロッド47a,47aの先端部(下端部)に切削土壌内側寄せ片8bの上端部を連結している。
【0120】
このようにして、両進退作動用シリンダ47,47のピストンロッド47a,47aを上下方向に伸縮作動させることにより、両ピストンロッド47a,47aの先端部に連結した切削土壌内側寄せ片8bを、土留壁本体7内に収容した後退位置と、同土留壁本体7の下端よりも下方へ突出させた進出位置との間で進退可能となしている。
【0121】
従って、切削土壌内側寄せ片8bを進出位置まで進出させることにより、汚染土壌g1を切削しながら削孔範囲Z内に寄せることができ、汚染土壌g1の土質等に応じて適宜切削土壌内側寄せ片8bを進退作動させることにより、効率良く汚染土壌g1の排出作業が行える。
【0122】
[第2実施例としての土留壁の説明]
図15及び図16は、第2実施例としての土留壁1を示しており、同土留壁1は、第1実施例としての土留壁1と基本的構造を同じくしているが、第1実施例としての土留壁本体7よりも土留壁本体7を大型化して、同土留壁本体7の内側に補強枠体50を設けている点で異なる。
【0123】
すなわち、第2実施例としての土留壁1は、土留壁本体7の内側に補強枠体50を設けて、同補強枠体50により土留壁本体7を大型化した分だけ土圧に対抗させるための剛性を高めているものであり、同補強枠体50は、上下方向に伸延する円筒状の補強筒体51と、同補強筒体51の外周面と土留壁本体7の内周面との間に介設した支持体52とから形成している。
【0124】
そして、補強筒体51は、後述する第2実施例としての削孔体11を挿通可能な内径を有し、下端部を切削土壌内側寄せ片8bよりも上方位置に配置している。
【0125】
[第2実施例としての削孔体の説明]
図17及び図18は、第2実施例としての削孔体11を示しており、同削孔体11は、第1実施例としての削孔体11と基本的構造を同じくしているが、削孔本片26の周壁の一部を掻込み片53,53,53となして、各掻込み片53,53,53により汚染土壌g1を削孔本片26内に掻き込むことができるようにしている点で異なる。
【0126】
すなわち、削孔体11は、削孔本片26の周壁に掻込み口54,54,54を周方向に伸延させて形成し、各掻込み口54,54,54の一側縁部に上下方向に軸線を向けた枢軸55,55,55を介して各掻込み片5 3,53,53の一側端縁部を枢支すると共に、各掻込み片53,53,53の他側端縁部に切削刃体56,56,56を設けている。
【0127】
そして、各掻込み片53,53,53は、削孔本片26の周方向に湾曲して伸延する板状に形成して、各先端部に開閉シリンダ57,57,57を連動連結して、各開閉シリンダ57,57,57により各掻込み口54,54,54を閉塞して削孔本片26の周壁を形成する閉塞位置と、各掻込み口54,54,54を開放して削孔本片26よりも外方へ張り出した開放位置との間で開閉可能となしている。
【0128】
このようにして、掻込み片53,53,53を開放位置に配置した状態にて削孔本片26を回動させることにより、同削孔本片26の外周の汚染土壌g1を、各掻込み片53,53,53の先端部に設けた切削刃体56,56,56により切削すると共に、湾曲した各掻込み片53,53,53の内周面に沿わせて各掻込み口54,54,54に案内して、各掻込み口54,54,54内に掻き込むようにしている。
【0129】
従って、図18に示すように、削孔本片26の外周面と土留壁1に設けた切削土壌内側寄せ片8bと内接する仮想内接円Cとの間に位置する汚染土壌g1を各掻込み片53,53,53により各掻込み口54,54,54を通して削孔本片26内に確実に掻き込むことができる。
【0130】
[第2実施例としての汚染土壌改良工法の説明]
図19は、第2実施例としての汚染土壌改良工法の手順を示す平面説明図であり、第2実施例としての汚染土壌改良工法は、第1実施例としての汚染土壌改良工法と同様に、〔建て込み工程〕と〔土壌排出工程〕と〔土壌改良処理工程〕と〔地下水浄化処理工程〕と〔埋め戻し工程〕と〔引き抜き工程〕とからなり、基本的作業工程を同じくするが、〔建て込み工程〕と〔土壌排出工程〕において異なる。
【0131】
そこで、第1実施例としての汚染土壌改良工法と異なる〔建て込み工程〕と〔土壌排出工程〕について、以下に図19を参照しながら説明する。
【0132】
(1)〔建て込み工程〕
建て込み工程は、汚染された地盤Gを掘削して汚染土壌g1を地上に排出することにより自然崩壊しない程度の竪穴hを形成すると共に、同竪穴hの周囲に近接させて土留壁1を建て込んで構築する工程である。
【0133】
この際、自然崩壊しない程度の竪穴hは、図19(a)に示すように、略同一間隔を開けて四個形成し、図19(b)に示すように、これらの四個の竪穴hの周囲に近接させて前記した第2実施例としての土留壁1を建て込み装置(図示せず)により建て込むようにしている。
【0134】
(2)〔土壌排出工程〕
土壌排出工程は、土留壁1により囲繞された地盤Gを掘削して、掘削した汚染土壌g1の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、土留壁1内に竪穴Hを形成する工程である。
【0135】
すなわち、土壌排出工程は、図19(c)に示すように、地盤Gに一定深度まで建て込んだ土留壁1に設けた補強筒体51内の汚染土壌g1の直上方位置に、第2実施例としての削孔体11を配置し、同削孔体11を駆動用モータ15により掘削軸体16を介して回動させることにより、同土留壁1内の汚染土壌g1を掘削刃28により掘削すると共に、掘削した汚染土壌g1を掘削土壌取込口29を通して削孔体11内に取り込み、同削孔体11内に所定量の汚染土壌g1を取り込んだところで、掘削軸体16を収縮作動させると共に、削孔体11を地上面よりも上方に位置させるのに必要な高さまで上昇移動させることにより、同掘削軸体16の下端部に取り付けた削孔体11を地上に引き上げて、同削孔体11内から汚染土壌g1を排出するようにしている。
【0136】
このように、削孔体11による汚染土壌g1の排出作業を繰り返し行うことにより、建て込んだ土留壁1の下端部まで掘削を行う。
【0137】
そして、図19(d)に示すように、削孔体11を補強筒体51の下方位置に配置して、掻込み片53,53,53をわずかに開放させた状態にて削孔本片26を回動させることにより、同削孔本片26の外周で、かつ、あらかじめ形成した自然崩壊しない程度の四つの竪穴h,h,h,h間に位置する汚染土壌g1、及び、削孔範囲Z内に寄せられた切削土g3を、各掻込み片53,53,53の先端部に設けた切削刃体56,56,56により横方向から切削すると共に、湾曲した各掻込み片53,53,53の内周面に沿わせて各掻込み口54,54,54に案内して、削孔本片26内に掻き込む。
【0138】
さらに、経時的に掻込み片53,53,53を開閉シリンダ57,57,57により徐々に大きく開放させて、削孔本片26の外周の汚染土壌g1を削孔本片26内に掻き込み、図19(d)に示すように、削孔本片26の外周面と土留壁1に設けた切削土壌内側寄せ片8bと内接する仮想内接円Cとの間に位置する汚染土壌g1を、各掻込み片53,53,53により各掻込み口54,54,54を通して削孔本片26内に掻き込んで、地上に排出することにより、同土留壁1内の全体を竪穴Hとなす。
【0139】
なお、上記掻込み作業において、削孔本片26が満杯になった場合には、その都度、同削孔本片26を地上に引き上げて、掻き込んだ汚染土壌g1を排出し、その後に、再度掻込み作業を継続させる。
【0140】
また、土留壁1をさらに一定深度まで建て込んだ後に、同土留壁1内の汚染土壌g1を上記と同様に地上に排出して、同土留壁1内の全体を竪穴Hとなす。
【0141】
これらの〔建て込み工程〕と〔土壌排出工程〕は、所要の深度に達するまで繰り返し行う。かかる工程では、竪穴H内に汚染地下水W1を滞留させる工程も含まれている。
【0142】
[第3実施例としての汚染土壌改良工法の説明]
図20は、第3実施例としての汚染土壌改良工法の作業工程を示す説明図であり、第3実施例としての汚染土壌改良工法は、汚染された地盤Gを一定深度まで掘削して汚染土壌g1を地上に排出すると共に、排出した汚染土壌g1を地上にて改良処理する一方、地盤Gに形成された竪穴H内に汚染地下水W1を滞留させ、同竪穴Hをさらに所定の深度まで掘削して、汚染土壌g1と汚染地下水W1とを竪穴H内にて混練しながら浄化処理し、その後、地上にて処理済土壌g2を竪穴H内に埋め戻すようにしている。なお、図中、図1に示した部分に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。
【0143】
すなわち、第3実施例としての汚染土壌改良工法は、〔建て込み工程〕と〔土壌排出工程〕と〔土壌改良処理工程〕と〔地下水及び掘削土壌処理工程〕と〔埋め戻し工程〕と〔引き抜き工程〕とからなり、以下に図20を参照しながら各工程を説明する。
【0144】
(1)〔建て込み工程〕
建て込み工程は、汚染された地盤G中に一定の深度まで土留壁1を閉塞状態に構築して、同土留壁1により地盤Gの一定範囲を囲繞する工程である。
【0145】
すなわち、建て込み工程は、第1実施例の〔建て込み工程〕と同様に、地盤Gに四角形筒状の土留壁1を建て込む工程であり、土留壁1は、改良すべき地盤Gの所定の位置に建て込み装置(図示せず)により建て込むようにしている(図20(a)参照)。
【0146】
(2)〔土壌排出工程〕
土壌排出工程は、第1実施例の〔建て込み工程〕と同様に、土留壁1により囲繞された地盤Gを掘削して、掘削した汚染土壌g1の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁1内に竪穴Hを形成する工程である(図20(a)(b)参照)。
【0147】
かかる工程では、竪穴H内に汚染地下水W1を滞留させる工程も含まれている。
【0148】
(3)〔土壌改良処理工程〕
土壌改良処理工程は、第1実施例の〔建て込み工程〕と同様に、前記した工程を一定の深度に達するまで繰り返し行った後に、地上に排出された汚染土壌g1を改良処理する工程である(図20(b)参照)。
【0149】
(4)〔地下水及び掘削土壌処理工程〕
地下水及び掘削土壌処理工程は、土留壁1を所定の深度まで閉塞状態に構築した後ないしは構築しながら、地盤Gを所定の深度まで掘削して、汚染土壌g1と汚染地下水W1を竪穴H内にて混練しながら浄化処理する工程である。
【0150】
この際、地盤Gの掘削作業と、汚染土壌g1と汚染地下水W1との混練作業は、後述する掘削・撹拌体Bにより行うようにしている(図20(c)参照)。
【0151】
すなわち、地下水及び掘削土壌浄化処理工程では、図20(c)に示すように、汚染地下水W1の水面近傍に掘削・撹拌体Bを配置した状態から、供給路22と連通する複数の吐出部23,23(図21参照)より浄化材を汚染地下水W1中に吐出させながら、掘削軸体16を介して掘削・撹拌体Bを回動させると共に、竪穴Hの底部位置まで沈降・移動させるようにしている。
【0152】
この際、掘削軸体16の内側軸18に突設した内側軸攪拌翼体62と外側軸19に突設した外側軸攪拌翼体63とがそれぞれ反対方向に回動して、汚染地下水W1を撹拌するため、同汚染地下水W1中に浄化材を均一に溶解させることができて、同汚染地下水W1を確実に浄化処理ないしは中和処理して無害化することができる。
【0153】
その結果、汚染土壌g1と汚染地下水W1と浄化材とを混練させた状態の処理済泥水W3となすことができる(図20(d)参照)。
【0154】
(5)〔埋め戻し工程〕
埋め戻し工程は、竪穴H内に処理済土壌g2を埋め戻して、処理済泥水W3と混練する工程である。
【0155】
すなわち、埋め戻し工程では、図20(e)に示すように、所定の深度まで掘進させた掘削・撹拌体Bに、地上から供給路を通して処理済土壌g2を供給し、同掘削・撹拌体Bに設けた吐出部から処理済土壌g2を吐出させると共に、同処理済土壌g2と処理済泥水W3とを混練しながら掘削・撹拌体Bを引き上げるようにしている。
【0156】
このようにして、竪穴Hの底部より徐々に処理済土壌g2を埋め戻しながら、処理済泥水W3と混練することにより、処理済泥水W3を竪穴Hからオーバーフローさせることなく、埋め戻された処理済土壌g2と確実に混練させることができる。
【0157】
(6)〔引き抜き工程〕
引き抜き工程は、第1実施例の〔引き抜き工程〕と同様に、前記した埋め戻し工程にて処理済土壌g2を埋め戻しながら、若しくは、土留壁1内に処理済土壌g2を埋め戻した後に、同土留壁1を地盤Gから引き抜く工程である。
【0158】
すなわち、引き抜き工程は、図20(f)に示すように、ベースマシン10に吊り下げワイヤ38を介して土留壁1を連結することにより、同ベースマシン10により土留壁1を地盤Gより上方へ引き抜く。
【0159】
次に、前記した掘削・撹拌体Bについて説明すると、掘削・撹拌体Bは、図21にも示すように、内側軸18の先端部18aに取り付けた複数の掘削刃体27aを備えており、各掘削刃体27aの下面に複数の掘削刃28がそれぞれ突設してある。なお、図中、図2に示した部分に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。
【0160】
相対撹拌翼体60は、最内側撹拌翼体61と、同最内側撹拌翼体61の外周を相対的に反対方向に回転する内側撹拌翼体62と、同内側撹拌翼体62の外周を相対的に反対方向に回転する外側撹拌翼体63とを具備しており、内側撹拌翼体62と外側撹拌翼体63は、略相似形に形成して、両撹拌翼体62,63間に形成される間隙を、両撹拌翼体62,63のほぼ全域にわたってほぼ等しい幅員となすことにより、掘削土壌の共回り現象を防止することができると共に、緻密な撹拌機能を発揮させることができるようにしている。
【0161】
最内側撹拌翼体61は、外側軸19の下端部より放射状に突出させて形成しており、外側軸19の下端部の線対称位置に一対設けて、外側軸19と一体的に一方向へ回転するようにしている。
【0162】
また、内側撹拌翼体62は、外側軸19の軸長方向と交わる方向へ張り出し状に伸延する上下一対の上・下部横翼片62a,62bと、両上・下部横翼片62a,62bの外側端部間に上下方向に伸延させて介設した縦翼片62cとから弧状に形成しており、外側軸19の外周面に回転自在に遊嵌したリング状の翼片支持体70に上部横翼片62aの先端部を取り付ける一方、内側軸18の下端部に下部横翼片62bの先端部を取り付けて、内側軸18と一体的に他方向へ回転するようにしている。
【0163】
そして、内側撹拌翼体62は、内側軸18の下部の線対称位置に一対設けている。71は、縦翼片62cの中途部より外方へ突出させて形成した小翼片である。
【0164】
外側撹拌翼体63は、外側軸19の軸長方向と交わる方向へ張り出し状に伸延する上下一対の上・下部横翼片63a,63bと、両上・下部横翼片63a,63bの外側端部間に上下方向に伸延させて介設した縦翼片63cとから弧状に形成しており、外側軸19の下端部に上部横翼片63aの先端部を取り付ける一方、内側軸18の外周面に回転自在に遊嵌したリング状の翼片支持体74に下部横翼片63bの先端部を取り付けて、外側軸19と一体的に一方向へ回転するようにしている。
【0165】
そして、外側撹拌翼体63は、外側軸19の軸回りに一定の間隔を開けて三個設けている。75は、縦翼片63cの上部と下部にそれぞれ内方へ突出させて形成した小翼片であり、これら小翼片75,75の回転軌跡は、内側撹拌翼体62に設けた小翼片71の回転軌跡と上下方向にオーバーラップするように配置して、相対的に逆回転する内・外側撹拌翼体62,63間において、掘削土壌の撹拌が確実に行えるようにしている。
【0166】
ここで、外側撹拌翼体63の縦翼片63cには、改良材を吐出する改良材吐出部73を設けており、同改良材吐出部73は、縦翼片63cの背面(回転方向側の面とは反対側の面)に上下方向に伸延する改良材吐出孔73aを形成している。
【0167】
そして、改良材吐出孔73aは、縦翼片63c及び上部横翼片63aとにわたって形成した改良材導入路77を通して浄化材供給路22に接続して、同改良材吐出孔73aより改良材を縦翼片63cが描く回動軌跡の接線方向に吐出させるようにしている。
【0168】
【発明の効果】
(1)請求項1記載の本発明では、汚染された地盤中に一定深度の土留壁を閉塞状態に構築して、同土留壁により地盤の一定範囲を囲繞し、同土留壁に囲繞された地盤を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成すると共に、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させて、排出した汚染土壌は地上にて改良処理する一方、汚染された地下水及び竪穴内に残された掘削土壌は竪穴内にて浄化処理し、その後、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻すようにしている。
【0169】
このようにして、汚染された地盤中に、同地盤の一定範囲を囲繞する閉塞状の土留壁を構築して、同土留壁内に竪穴を形成し、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させるようにしているため、この竪穴内に滞留させた地下水の水圧を、土留壁の周囲の水圧に対抗させることができて、同土留壁には周囲から土圧だけが作用している状態と略同様の状態となすことができる。
【0170】
従って、土留壁としては、周囲の土圧に対抗させることができる程度の強度を確保しておけばよいことになると共に、遮水機能を考慮する必要性がないため、土留工を行うだけでよく、従来の遮水工、土留・遮水補強工、さらには、底盤止水工を行う必要がなくなる。
【0171】
その結果、土留壁の構造を簡易化することができて、同土留壁として多種多様な土留壁を適宜採用することができ、汚染土壌の改良作業の効率化とコスト軽減化を図ることができる。
【0172】
しかも、土留壁は、地盤等の状況によっては撤去することなく地盤に埋設したままにしておくこともでき、この場合には撤去工の手間とコストの削減が図れる。
【0173】
また、汚染された土壌は一旦地上に排出して、地中に比べて制約を受けない地上にて改良処理するようにしているため、かかる土壌の改良処理状況の品質管理を確実に行うことができて、所要の改良処理精度を確保することができる。
【0174】
一方、竪穴内に滞留させた汚染された地下水及び竪穴内に残された掘削土壌は、竪穴内において浄化処理するものであり、この際、竪穴内の地下水及び掘削土壌は、例えば、浄化材を散布して撹拌することにより、簡単にかつ確実に浄化処理することができる。
【0175】
その結果、確実に浄化処理された地下水が滞留する竪穴内に、地上にて確実に改良処理された土壌を埋め戻すことができて、汚染された地盤の一定範囲を確実に改良処理することができる。
【0176】
なお、汚染された土壌と一緒に揚水された地下水は、地上にて汚染土壌から分離して竪穴内に戻すことにより、同竪穴内にて浄化処理することができる。
【0177】
また、汚染された土壌と一緒に揚水された地下水が小量の場合には、地上にて汚染土壌と一緒に改良処理して、竪穴内に埋め戻すことができる。
【0178】
ここで、土留壁により囲繞する汚染された地盤の一定範囲は、作業条件等に応じて広く設定することも、また、狭く設定することもでき、狭く設定した場合には、前記した改良作業を連続的に行うことにより、汚染された地盤の所要の範囲を確実に改良処理することができる。
【0179】
(2)請求項2記載の本発明では、汚染された地盤中に一定深度の土留壁を閉塞状態に構築して、同土留壁により地盤の一定範囲を囲繞する工程と、同土留壁により囲繞された地盤を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成する工程と、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させる工程と、これらの工程を所要の深度に達するまで繰り返し行った後に、地上に排出した汚染土壌を地上にて改良処理する工程と、竪穴内に滞留している汚染された地下水及び竪穴内に残された掘削土壌を竪穴内にて浄化処理する工程と、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻す工程とを具備している。
【0180】
このようにして、汚染された地盤中に一定深度の土留壁をあらかじめ閉塞状態に構築して、同土留壁により地盤の一定範囲を囲繞し、その後に、同土留壁内の汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出して土留壁内の全体を竪穴となすようにしているために、大きな竪穴を効率良く形成することができる。
【0181】
しかも、土留壁内に形成した竪穴内には、汚染された地下水を滞留させるようにしているため、この竪穴内に滞留させた地下水の水圧を、土留壁の周囲の水圧に対抗させることができて、同土留壁には周囲から土圧だけが作用している状態と略同様の状態となすことができる。
【0182】
従って、土留壁としては、周囲の土圧に対抗させることができる程度の強度を確保しておけばよいことになると共に、遮水機能を考慮する必要性がないため、土留工を行うだけでよく、従来の遮水工、土留・遮水補強工、さらには、底盤止水工を行う必要がなくなる。
【0183】
その結果、土留壁の構造を簡易化することができて、同土留壁として多種多様な土留壁を適宜採用することができ、汚染土壌の改良作業の効率化とコスト軽減化を図ることができる。
【0184】
そして、土留壁は、地盤等の状況によっては撤去することなく地盤に埋設したままにしておくこともでき、この場合には撤去工の手間とコストの削減が図れる。
【0185】
また、汚染された土壌は一旦地上に排出して、地中に比べて制約を受けない地上にて改良処理するようにしているため、かかる土壌の改良処理状況の品質管理を確実に行うことができて、所要の改良処理精度を確保することができる。
【0186】
一方、竪穴内に滞留させた汚染された地下水及び竪穴内に残された掘削土壌は、竪穴内において浄化処理するものであり、この際、竪穴内の地下水及び掘削土壌は、例えば、浄化材を散布して撹拌することにより、簡単にかつ確実に浄化処理することができる。
【0187】
その結果、確実に浄化処理された地下水が滞留する竪穴内に、地上にて確実に改良処理された土壌を埋め戻すことができて、汚染された地盤の一定範囲を確実に改良処理することができる。
【0188】
なお、汚染された土壌と一緒に揚水された地下水は、地上にて汚染土壌から分離して竪穴内に戻すことにより、同竪穴内にて浄化処理することができる。
【0189】
また、汚染された土壌と一緒に揚水された地下水が小量の場合には、地上にて汚染土壌と一緒に改良処理して、竪穴内に埋め戻すことができる。
【0190】
ここで、土留壁により囲繞する汚染された地盤の一定範囲は、作業条件等に応じて広く設定することも、また、狭く設定することもでき、狭く設定した場合には、前記した改良作業を連続的に行うことにより、汚染された地盤の所要の範囲を確実に改良処理することができる。
【0191】
(3)請求項3記載の本発明では、汚染された地盤を掘削して汚染土壌を地上に排出することにより自然崩壊しない程度の竪穴を形成すると共に、同竪穴の周囲に近接させて土留壁を構築する工程と、同土留壁内の汚染土壌を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成する工程と、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させる工程と、これらの工程を所要の深度に達するまで繰り返し行った後に、地上に排出した汚染土壌を地上にて改良処理する工程と、竪穴内に滞留している汚染された地下水及び竪穴内に残された掘削土壌を竪穴内にて浄化処理する工程と、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻す工程とを具備している。
【0192】
このようにして、汚染された地盤にあらかじめ自然崩壊しない程度の竪穴を形成し、その後に、竪穴の周囲に近接させて土留壁を構築すると共に、同土留壁内の汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出して土留壁内の全体を竪穴となすようにしているために、大きな竪穴を効率良く形成することができる。
【0193】
しかも、土留壁内に形成した竪穴内には、汚染された地下水を滞留させるようにしているため、この竪穴内に滞留させた地下水の水圧を、土留壁の周囲の水圧に対抗させることができて、同土留壁には周囲から土圧だけが作用している状態と略同様の状態となすことができる。
【0194】
従って、土留壁としては、周囲の土圧に対抗させることができる程度の強度を確保しておけばよいことになると共に、遮水機能を考慮する必要性がないため、土留工を行うだけでよく、従来の遮水工、土留・遮水補強工、さらには、底盤止水工を行う必要がなくなる。
【0195】
その結果、土留壁の構造を簡易化することができて、同土留壁として多種多様な土留壁を適宜採用することができ、汚染土壌の改良作業の効率化とコスト軽減化を図ることができる。
【0196】
そして、土留壁は、地盤等の状況によっては撤去することなく地盤に埋設したままにしておくこともでき、この場合には撤去工の手間とコストの削減が図れる。
【0197】
また、汚染された土壌は一旦地上に排出して、地中に比べて制約を受けない地上にて改良処理するようにしているため、かかる土壌の改良処理状況の品質管理を確実に行うことができて、所要の改良処理精度を確保することができる。
【0198】
一方、竪穴内に滞留させた汚染された地下水及び竪穴内に残された掘削土壌は、竪穴内において浄化処理するものであり、この際、竪穴内の地下水及び掘削土壌は、例えば、浄化材を散布して撹拌することにより、簡単にかつ確実に浄化処理することができる。
【0199】
その結果、確実に浄化処理された地下水が滞留する竪穴内に、地上にて確実に改良処理された土壌を埋め戻すことができて、汚染された地盤の一定範囲を確実に改良処理することができる。
【0200】
なお、汚染された土壌と一緒に揚水された地下水は、地上にて汚染土壌から分離して竪穴内に戻すことにより、同竪穴内にて浄化処理することができる。
【0201】
また、汚染された土壌と一緒に揚水された地下水が小量の場合には、地上にて汚染土壌と一緒に改良処理して、竪穴内に埋め戻すことができる。
【0202】
ここで、あらかじめ汚染された地盤に形成する自然崩壊しない程度の竪穴は、作業条件等に応じて単数とすることも、また、複数とすることもでき、複数の竪穴を形成する場合には、これらの竪穴を近接させて形成し、これらの竪穴の外周を囲むように土留壁を建て込み、同土留壁内方の汚染土壌を地上に排出して土留壁内の全体を竪穴となすことができる。
【0203】
そして、前記した改良作業を連続的に行うことにより、汚染された地盤の所要の範囲を確実に改良処理することができる。
【0204】
(4)請求項4記載の本発明では、汚染された地盤を一定深度まで掘削して汚染された土壌を地上に排出すると共に、排出した土壌を地上にて改良処理する一方、地盤に形成された竪穴内に汚染された地下水を滞留させ、同竪穴をさらに所定の深度まで掘削して、汚染された掘削土壌と汚染された地下水とを竪穴内にて混練しながら浄化処理し、その後、地上にて改良処理された土壌を竪穴内に埋め戻すようにしている。
【0205】
このようにして、一定深度までの汚染された土壌は一旦地上に排出して、地中に比べて制約を受けない地上にて改良処理するようにしているため、かかる土壌の改良処理状況の品質管理を確実に行うことができて、所要の改良処理精度を確保することができる。
【0206】
そして、地盤に形成された竪穴内に汚染された地下水を滞留させ、同竪穴をさらに所定の深度まで掘削して、汚染された掘削土壌と汚染された地下水を竪穴内にて混練しながら浄化処理することができ、この際、竪穴内の汚染された掘削土壌と汚染された地下水は、例えば、浄化材を散布して撹拌することにより、簡単にかつ確実に浄化処理することができる。
【0207】
従って、確実に浄化処理された掘削土壌と地下水とが混練された状態にて滞留する竪穴内に、地上にて確実に改良処理された土壌を埋め戻すことにより、汚染された地盤の一部を確実に改良処理することができる。
【0208】
そして、かかる作業を連続的に行うことにより、汚染された地盤の所要の範囲を確実に改良処理することができる。
【0209】
なお、汚染された土壌と一緒に揚水された地下水は、地上にて汚染土壌から分離して竪穴内に戻すことにより、同竪穴内にて浄化処理することができる。
【0210】
また、汚染された土壌と一緒に揚水された地下水が小量の場合には、地上にて汚染土壌と一緒に改良処理して、竪穴内に埋め戻すことができる。
【0211】
(5)請求項5記載の本発明では、汚染された地盤中に所定の深度まで土留壁を閉塞状態に構築して、同土留壁により地盤の一定範囲を囲繞し、同土留壁に囲繞された一定深度までの地盤を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成すると共に、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させて、排出した汚染土壌は地上にて改良処理する一方、土留壁に囲繞されている所定深度までの残余の地盤を掘削して、汚染された掘削土壌と汚染された地下水を竪穴内にて混練しながら浄化処理し、その後、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻すようにしている。
【0212】
このようにして、一定深度までの汚染された土壌は一旦地上に排出して、地中に比べて制約を受けない地上にて改良処理するようにしているため、かかる土壌の改良処理状況の品質管理を確実に行うことができて、所要の改良処理精度を確保することができる。
【0213】
そして、地盤に形成された竪穴内に汚染された地下水を滞留させ、同竪穴をさらに所定の深度まで掘削して、汚染された掘削土壌と汚染された地下水を竪穴内にて混練しながら浄化処理することができ、この際、竪穴内の汚染された掘削土壌と汚染された地下水は、例えば、浄化材を散布して撹拌することにより、簡単にかつ確実に浄化処理することができる。
【0214】
従って、確実に浄化処理された掘削土壌と地下水とが混練された状態にて滞留する竪穴内に、地上にて確実に改良処理された土壌を埋め戻すことにより、汚染された地盤の一部を確実に改良処理することができる。
【0215】
そして、かかる作業を連続的に行うことにより、汚染された地盤の所要の範囲を確実に改良処理することができる。
【0216】
この際、汚染された地盤中に、同地盤の一定範囲を囲繞する閉塞状の土留壁を構築して、同土留壁内に竪穴を形成し、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させるようにしているため、この竪穴内に滞留させた地下水の水圧を、土留壁の周囲の水圧に対抗させることができて、同土留壁には周囲から土圧だけが作用している状態と略同様の状態となすことができる。
【0217】
そして、土留壁に囲繞されている所定深度までの残余の地盤を掘削して、汚染された掘削土壌と汚染された地下水を竪穴内にて混練しながら浄化処理している際には、掘削土壌と地下水とが混練されて泥水状態となった混練物(地下水よりも比重が大きい)の圧力を、土留壁の周囲の水圧、さらには、土留壁の周囲に作用している土圧にわずかながら対抗させることができる。
【0218】
従って、土留壁としては、周囲の土圧に対抗させることができる程度の強度を確保しておけばよいことになると共に、遮水機能を考慮する必要性がないため、土留工を行うだけでよく、従来の遮水工、土留・遮水補強工、さらには、底盤止水工を行う必要がなくなる。
【0219】
その結果、土留壁の構造を簡易化することができて、同土留壁として多種多様な土留壁を適宜採用することができ、汚染土壌の改良作業の効率化とコスト軽減化を図ることができる。
【0220】
しかも、土留壁は、地盤等の状況によっては撤去することなく地盤に埋設したままにしておくこともでき、この場合には撤去工の手間とコストの削減が図れる。
【0221】
なお、汚染された土壌と一緒に揚水された地下水は、地上にて汚染土壌から分離して竪穴内に戻すことにより、同竪穴内にて浄化処理することができる。
【0222】
また、汚染された土壌と一緒に揚水された地下水が小量の場合には、地上にて汚染土壌と一緒に改良処理して、竪穴内に埋め戻すことができる。
【0223】
ここで、土留壁により囲繞する汚染された地盤の一定範囲は、作業条件等に応じて広く設定することも、また、狭く設定することもでき、狭く設定した場合には、前記した改良作業を連続的に行うことにより、汚染された地盤の所要の範囲を確実に改良処理することができる。
【0224】
(6)請求項6記載の本発明では、汚染された地盤中に一定の深度まで土留壁を閉塞状態に構築して、同土留壁により地盤の一定範囲を囲繞し、同土留壁に囲繞された一定深度までの地盤を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成すると共に、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させて、排出した汚染土壌は地上にて改良処理する一方、土留壁をさらに所定深度まで閉塞状態に構築した後ないしは構築しながら、地盤を所定の深度まで掘削して、汚染された掘削土壌と汚染された地下水を竪穴内にて混練しながら浄化処理し、その後、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に戻すようにしている。
【0225】
このようにして、一定深度までの汚染された土壌は一旦地上に排出して、地中に比べて制約を受けない地上にて改良処理するようにしているため、かかる土壌の改良処理状況の品質管理を確実に行うことができて、所要の改良処理精度を確保することができる。
【0226】
そして、地盤に形成された竪穴内に汚染された地下水を滞留させ、同竪穴をさらに所定の深度まで掘削して、汚染された掘削土壌と汚染された地下水を竪穴内にて混練しながら浄化処理することができ、この際、竪穴内の汚染された掘削土壌と汚染された地下水は、例えば、浄化材を散布して撹拌することにより、簡単にかつ確実に浄化処理することができる。
【0227】
従って、確実に浄化処理された掘削土壌と地下水とが混練された状態にて滞留する竪穴内に、地上にて確実に改良処理された土壌を埋め戻すことにより、汚染された地盤の一部を確実に改良処理することができる。
【0228】
そして、かかる作業を連続的に行うことにより、汚染された地盤の所要の範囲を確実に改良処理することができる。
【0229】
この際、汚染された地盤中に、同地盤の一定範囲を囲繞する閉塞状の土留壁を構築して、同土留壁内に竪穴を形成し、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させるようにしているため、この竪穴内に滞留させた地下水の水圧を、土留壁の周囲の水圧に対抗させることができて、同土留壁には周囲から土圧だけが作用している状態と略同様の状態となすことができる。
【0230】
そして、土留壁をさらに所定深度まで閉塞状態に構築した後ないしは構築しながら、地盤を所定の深度まで掘削して、汚染された掘削土壌と汚染された地下水を竪穴内にて混練しながら浄化処理している際には、掘削土壌と地下水とが混練されて泥水状態となった混練物(地下水よりも比重が大きい)の圧力を、土留壁の周囲の水圧、さらには、土留壁の周囲に作用している土圧にわずかながら対抗させることができる。
【0231】
従って、土留壁としては、周囲の土圧に対抗させることができる程度の強度を確保しておけばよいことになると共に、遮水機能を考慮する必要性がないため、土留工を行うだけでよく、従来の遮水工、土留・遮水補強工、さらには、底盤止水工を行う必要がなくなる。
【0232】
その結果、土留壁の構造を簡易化することができて、同土留壁として多種多様な土留壁を適宜採用することができ、汚染土壌の改良作業の効率化とコスト軽減化を図ることができる。
【0233】
しかも、土留壁は、地盤等の状況によっては撤去することなく地盤に埋設したままにしておくこともでき、この場合には撤去工の手間とコストの削減が図れる。
【0234】
なお、汚染された土壌と一緒に揚水された地下水は、地上にて汚染土壌から分離して竪穴内に戻すことにより、同竪穴内にて浄化処理することができる。
【0235】
また、汚染された土壌と一緒に揚水された地下水が小量の場合には、地上にて汚染土壌と一緒に改良処理して、竪穴内に埋め戻すことができる。
【0236】
ここで、土留壁により囲繞する汚染された地盤の一定範囲は、作業条件等に応じて広く設定することも、また、狭く設定することもでき、狭く設定した場合には、前記した改良作業を連続的に行うことにより、汚染された地盤の所要の範囲を確実に改良処理することができる。
【0237】
(7)請求項7記載の本発明では、地上にて改良処理された土壌を竪穴内に埋め戻す際には、改良処理された土壌を竪穴内の底部より上方へ向けて漸次移動させながら埋め戻すと共に、同土壌と竪穴内で浄化処理された掘削土壌及び地下水とを混練するようにしている。
【0238】
このようにして、竪穴内で浄化処理された掘削土壌及び地下水の混練物を竪穴からオーバーフローさせることなく、同混練物と埋め戻された改良処理済土壌とを確実に混練させて、竪穴内の改良土壌を均一化させることができる。
【0239】
従って、上記混練物がオーバーフローした場合には、オーバーフローした混練物を処理しなければならないが、そのような作業の手間を省くことができ、その結果、汚染土壌の改良処理作業を効率良く行うことができる。
【0240】
(8)請求項8記載の本発明では、土留壁は、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻しながら、又は、埋め戻した後に撤去するようにしている。
【0241】
このようにして、改良処理した所要範囲の地盤中に土留壁を残すことなく撤去することにより、同土留壁を再使用することができると共に、同地盤上に構築物等を構築する際に、同構築物等の基礎を改良した地盤中のどの位置にも自由に構築することができる。
【0242】
(9)請求項9記載の本発明では、土留壁は、外形を四角形筒状に形成している。
【0243】
このようにして、外形が四角形筒状の土留壁の側面同士を面接触させるようにして、同土留壁をオーバーラップさせることなく連続的に建て込むことにより、汚染土壌の改良作業を重複させることなく効率的に行うことができる。
【0244】
(10)請求項10記載の本発明では、土留壁は、隅部土壌切削手段を具備して、同隅部土壌切削手段により土留壁の隅部内の土壌を切削可能としている。
【0245】
このようにして、隅部土壌切削手段により土留壁の隅部内の土壌を切削することができるようにしているため、同土留壁に囲繞された地盤を掘削して汚染土壌を地上に排出する際に、掘削し難い隅部の土壌も簡単かつ確実に切削して排出することができて、同土留壁内の全部ないしは大部分を迅速かつ確実に竪穴となすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例としての汚染土壌改良工法の作業工程説明図。
【図2】同汚染土壌改良工法に用いる削孔体の一部切欠正面図。
【図3】同削孔体と土留壁の底面図。
【図4】図3のI−I線断面図。
【図5】図3のII−II線断面説明図。
【図6】汚染土壌改良工法の手順を示す平面説明図。
【図7】第1変容例としての削孔体と土留壁の底面図。
【図8】図7のIII−III線断面図。
【図9】図7のIV−IV線断面説明図。
【図10】第2変容例としての削孔体と土留壁の断面平面図。
【図11】図10のV−V線断面図。
【図12】図10のVI−VI線断面図。
【図13】第3変容例としての削孔体と土留壁の断面側面説明図。
【図14】第4変容例としての削孔体と土留壁の断面側面説明図。
【図15】第2実施例としての土留壁の平面図。
【図16】同土留壁の下部の断面正面図。
【図17】第2実施例としての削孔体の正面説明図。
【図18】同削孔体の平面説明図。
【図19】第2実施例としての汚染土壌改良工法の手順を示す平面説明図。
【図20】第3実施例としての汚染土壌改良工法の作業工程を示す説明図。
【図21】同汚染土壌改良工法に用いる掘削・撹拌体の一部切欠正面図。
【符号の説明】
A 汚染土壌改良装置
1 土留壁
2 土壌排出手段
3 土壌改良処理手段
4 地下水浄化処理手段
5 埋め戻し手段
6 引き抜き手段

Claims (10)

  1. 汚染された地盤中に一定深度の土留壁を閉塞状態に構築して、同土留壁により地盤の一定範囲を囲繞し、同土留壁に囲繞された地盤を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成すると共に、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させて、排出した汚染土壌は地上にて改良処理する一方、汚染された地下水及び竪穴内に残された掘削土壌は竪穴内にて浄化処理し、その後、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻すことを特徴とする汚染土壌改良工法。
  2. 汚染された地盤中に一定深度の土留壁を閉塞状態に構築して、同土留壁により地盤の一定範囲を囲繞する工程と、
    同土留壁により囲繞された地盤を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成する工程と、
    同竪穴内に汚染された地下水を滞留させる工程と、
    これらの工程を所要の深度に達するまで繰り返し行った後に、地上に排出した汚染土壌を地上にて改良処理する工程と、
    竪穴内に滞留している汚染された地下水及び竪穴内に残された掘削土壌を竪穴内にて浄化処理する工程と、
    地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻す工程と
    を具備することを特徴とする汚染土壌改良工法。
  3. 汚染された地盤を掘削して汚染土壌を地上に排出することにより自然崩壊しない程度の竪穴を形成すると共に、同竪穴の周囲に近接させて土留壁を構築する工程と、
    同土留壁内の汚染土壌を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成する工程と、
    同竪穴内に汚染された地下水を滞留させる工程と、
    これらの工程を所要の深度に達するまで繰り返し行った後に、地上に排出した汚染土壌を地上にて改良処理する工程と、
    竪穴内に滞留している汚染された地下水及び竪穴内に残された掘削土壌を竪穴内にて浄化処理する工程と、
    地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻す工程と
    を具備することを特徴とする汚染土壌改良工法。
  4. 汚染された地盤を一定深度まで掘削して汚染された土壌を地上に排出すると共に、排出した土壌を地上にて改良処理する一方、地盤に形成された竪穴内に汚染された地下水を滞留させ、同竪穴をさらに所定の深度まで掘削して、汚染された掘削土壌と汚染された地下水とを竪穴内にて混練しながら浄化処理し、その後、地上にて改良処理された土壌を竪穴内に埋め戻すことを特徴とする汚染土壌改良工法。
  5. 汚染された地盤中に所定の深度まで土留壁を閉塞状態に構築して、同土留壁により地盤の一定範囲を囲繞し、同土留壁に囲繞された一定深度までの地盤を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成すると共に、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させて、排出した汚染土壌は地上にて改良処理する一方、土留壁に囲繞されている所定深度までの残余の地盤を掘削して、汚染された掘削土壌と汚染された地下水を竪穴内にて混練しながら浄化処理し、その後、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻すことを特徴とする汚染土壌改良工法。
  6. 汚染された地盤中に一定の深度まで土留壁を閉塞状態に構築して、同土留壁により地盤の一定範囲を囲繞し、同土留壁に囲繞された一定深度までの地盤を掘削して、掘削した汚染土壌の全部ないしは大部分を地上に排出することにより、同土留壁内に竪穴を形成すると共に、同竪穴内に汚染された地下水を滞留させて、排出した汚染土壌は地上にて改良処理する一方、土留壁をさらに所定深度まで閉塞状態に構築した後ないしは構築しながら、地盤を所定の深度まで掘削して、汚染された掘削土壌と汚染された地下水を竪穴内にて混練しながら浄化処理し、その後、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に戻すことを特徴とする汚染土壌改良工法。
  7. 地上にて改良処理された土壌を竪穴内に埋め戻す際には、改良処理された土壌を竪穴内の底部より上方へ向けて漸次移動させながら埋め戻すと共に、同土壌と竪穴内で浄化処理された掘削土壌及び地下水とを混練することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の汚染土壌改良工法。
  8. 土留壁は、地上にて改良処理された処理済土壌を竪穴内に埋め戻しながら、又は、埋め戻した後に撤去することを特徴とする請求項1〜3、5、6のいずれか1項に記載の汚染土壌改良工法。
  9. 土留壁は、外形を四角形筒状に形成していることを特徴とする請求項1〜3、5、6、8記載のいずれか1項に記載の汚染土壌改良工法。
  10. 土留壁は、隅部土壌切削手段を具備して、同隅部土壌切削手段により土留壁の隅部内の土壌を切削可能としていることを特徴とする請求項1〜3、5、6、8、9のいずれか1項に記載の汚染土壌改良工法。
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JP2007315038A (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Zenitaka Corp 角形鋼管用ケーシングキャップ及び角形ケーシングを用いた土壌改良工法

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